JP5420578B2 - 蓄光化粧板 - Google Patents
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Description
一般住宅やビルなどの内装材に使用されている化粧材には、意匠性付与や誘導用として、夜間や暗闇の中で光る蓄光顔料を印刷、塗工したものがある(特許文献2)。とくに明るさを重視する場合には、厚く印刷、塗工する必要があり、熱硬化性樹脂化粧板自体に高い残光輝度を持たせたものはなかった。
熱硬化性樹脂化粧板は、建材、家具、その他内装材の表面材として使用され、一般的に、樹脂含浸表面紙、樹脂含浸化粧板用原紙、樹脂含浸コア紙を順次積層し、熱圧プレスにより一体成型化する。このとき化粧板用原紙には、品質、生産性の点で樹脂浸透性が要求される。
しかしながら化粧板用原紙は、化粧板において下地を隠すための遮蔽性が要求され、その要求に合わせて二酸化チタンが抄き込まれる。従って、単に蓄光顔料を抄き込むだけでは、充分な残光輝度が得られない。
本発明で用いられる蓄光顔料紙は、パルプ繊維に蓄光顔料を抄き込んだものである。また本発明で用いられる遮蔽紙、白色コア紙は、パルプ繊維に二酸化チタンを抄き込んだものであり、遮蔽性を有する白色の紙である。
具体的には、[SrAl2O4;Eu、Dy]、[Sr4Al14O25;Eu、Dy]、[CaAl2O4;Eu、Nd(+)]などを挙げることができ、単独又は2種類以上を併用することができる。なお、「ZnS;Cu」や[(Sr、Ca)S;Bi]なども使用することができ、これらを単独又は2種類以上併用しても構わない。
この蓄光顔料は、強い発光強度で、残光時間(光の供給を止めてから発光の明るさが0.32mcd/m2まで下がる時間)の長いものは、青や緑の発光をする冷寒色に限られるが、黄色や赤などの暖色系の色を含めた広範囲な色相の発色光を得るために蛍光顔料と混合したり、有機蛍光色素(ローダミン6G、ローダミンB、キトンなど)を混合して使用しても構わない。
蓄光顔料は、パルプ繊維100重量部に対して、100〜200重量部添加される。蓄光顔料の種類、粒径等によっても異なるが、充分な残光輝度を得るために、蓄光顔料含有量合計が90g/m2以上必要である。
二酸化チタンは、遮蔽紙についてパルプ100重量部に対して50〜150重量部添加される。白色コア紙についてはパルプ100重量部に対して5〜10重量部添加される。また遮蔽紙、白色コア紙について、必要に応じて着色顔料を添加してもよい。
含浸率は、数1で示される算出方法で50〜200%とすることが望ましい。
含浸率(%)=(含浸後重量−含浸前重量)÷含浸前重量×100
含浸方法は公知の方法、例えばバーコーター法、スクイズ法等で充分である。
すなわち、樹脂含浸表面紙としては、坪量20〜50g/m2で、α−セルロース成分の多い木材パルプ繊維が好ましく用いられ、抄紙後、熱硬化性樹脂を主な成分とする樹脂液を含浸し、乾燥したもので、加熱加圧成形後に無色透明性の高いものが特に好ましい。用いられる熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を例示することができ、含浸する際には水、有機溶剤にて希釈し、粘度調整される。含浸率は100〜400%とするのが好ましい。
これらバランス紙、樹脂含浸紙は、通常の熱硬化性樹脂化粧板に用いられるもので充分である。
すなわち、樹脂含浸表面紙、樹脂含浸蓄光顔料紙、樹脂含浸遮蔽紙、樹脂含浸白色コア紙、樹脂含浸コア紙などを順次積層し、これらを加熱加圧プレスで、加熱温度110〜180℃、加圧条件50〜100kg/m2の成形条件で熱圧成形することにより得ることができる。この際、熱硬化性樹脂化粧板の残光輝度を高めるために樹脂含浸蓄光顔料紙を1枚以上配し、直下に樹脂含浸遮蔽紙を少なくとも1枚、又は白色コア紙を少なくとも4枚配することが重要である。
(1)坪量は、JIS P 8124に基づき測定した。
(2)灰分は、JIS P 8128に基づき測定した。
(3)蓄光成型板の残光輝度は、JIS Z 9107(2008)に基づき測定した。
広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)100重量部に対し、蓄光顔料(根元特殊化学製:N夜光GLL−300M、平均粒子径26.3μm)を200重量部、内添薬品としてポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂2重量部、カルボキシメチルセルロース0.2重量部、硫酸バンド3重量部、アルミン酸ソーダ0.76重量部を添加し調成紙料とした。この調成紙料を角型手漉き機にて手漉きし、坪量が208g/m2、灰分58%の蓄光顔料紙を得た。
この蓄光顔料紙にメラミン樹脂からなる樹脂液を含浸して樹脂含浸蓄光顔料紙:Aを得た。樹脂含浸率は117%であった。
広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)100重量部に対し、二酸化チタンを55重量部、内添薬品としてポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂2重量部、カルボキシメチルセルロース0.2重量部、硫酸バンド3重量部、アルミン酸ソーダ0.76重量部を添加し調成紙料とした。この調成紙料を角型手漉き機にて手漉きし、坪量102g/m2、灰分34%の遮蔽紙を得た。
この遮蔽紙にメラミン樹脂からなる樹脂液を含浸して樹脂含浸遮蔽紙:Bを得た。樹脂含浸率は85%であった。
広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)100重量部に対し、二酸化チタンを5重量部、内添薬品としてポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂2重量部、カルボキシメチルセルロース0.2重量部、硫酸バンド3重量部、アルミン酸ソーダ0.76重量部を添加し調成紙料とした。この調成紙料を角型手漉き機にて手漉きし、坪量203g/m2、灰分4%の白色コア紙を得た。
この白色コア紙にメラミン樹脂からなる樹脂液を含浸して樹脂含浸白色コア:Cを得た。樹脂含浸率は105%であった。
実施例1〜3で得られた樹脂含浸蓄光顔料紙と樹脂含浸遮蔽紙、樹脂含浸白色コア紙を用い、表1に記載された構成でメラミン化粧板を作製した。
なお、用いた樹脂含浸表面紙、樹脂含浸コア紙は以下の通りである。
(a)樹脂含浸表面紙:太田産業(株)製、OL−22
(b)樹脂含浸コア紙:太田産業(株)製、太田コア
また熱圧成型条件は、加熱温度130〜140℃、加圧条件60〜80kg/cm2、加熱時間15分、冷却時間7分である。
広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)100重量部に対し、蓄光顔料(根元特殊化学製:N夜光GLL−300M、平均粒子径26.3μm)を200重量部、内添薬品としてポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂2重量部、カルボキシメチルセルロース0.2重量部、硫酸バンド3重量部、アルミン酸ソーダ0.76重量部を添加し調成紙料とした。この調成紙料を角型手漉き機にて手漉きし、坪量が105g/m2、灰分53%の蓄光顔料紙を得た。
この蓄光顔料紙にメラミン樹脂からなる樹脂液を含浸して樹脂含浸蓄光顔料紙:Dを得た。樹脂含浸率は123%であった。
実施例1、実施例2、比較例1で得られた樹脂含浸蓄光顔料紙と樹脂含浸遮蔽紙を用い、表1に記載された構成でメラミン化粧板を作製した。
メラミン化粧板の作製方法は実施例4〜6と同じである。
Claims (1)
- 蓄光顔料を抄き込んだ蓄光顔料紙に熱硬化性樹脂を含む樹脂液を含浸した樹脂含浸蓄光顔料紙を蓄光顔料含有量合計が90g/m2以上となる枚数配した直下に、パルプ100重量部に対して二酸化チタンを50〜150重量部配合した調成紙料を湿式抄紙してなる坪量80〜150g/m 2 の白色の遮蔽紙に熱硬化性樹脂を主な成分とする樹脂液を含浸した樹脂含浸遮蔽紙を1枚以上、又はパルプ100重量部に対して二酸化チタンを5〜10重量部配合した調成紙料を湿式抄紙してなる坪量190〜250g/m 2 の白色コア紙に熱硬化性樹脂を主な成分とする樹脂液を含浸した樹脂含浸白色コア紙を4枚以上配し、積層成型してなる残光輝度がJIS Z 9107(2008)で定められた蓄光安全標識の残光輝度規格値(副分類JA)を満たすことを特徴とする熱硬化性樹脂化粧板。
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