JP5413977B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
また、親水性非イオン性活性剤とアニオン性界面活性剤と水酸基を有する水溶性化合物と液状油及び水を特定の配合量にて含有するゲル状クレンジング組成物が開発されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、上記組成物は多量の油分を配合しているため、洗い流し時又は洗い流し後に、油膜感、べたつき感があり、使用時のさっぱり感が十分ではないなどの問題が生じている。
また、本発明のディスコンティニュアスミセルキュービック液晶をその他スキンケア化粧料やヘア化粧料に活用した場合、みずみずしい使用感触を有し、のびがよく、洗い流し性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、前記粧料において、成分(D)が、ポリエチレングリコール及び/又はソルビトールであることが好適である。
アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤
本発明に用いられる(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等が挙げられる。また、これらの界面活性剤は、本発明の化粧料において1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。
また、本発明においては、上記したポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤が特に好適に用いられるが、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶を形成し得るものであれば、例えばイソステアリン酸PEG−8グリセリル等のエステル型のものも、本発明のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤として用いることができる。
(B)油性成分としては、通常化粧品、医薬部外品等に使用される炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、液体油脂、シリコーン油などが挙げられ、一種または二種以上の油分を用いることができる。
炭化水素系油分としては、例えばイソドデカン、イソヘキサデカン、イソパラフィン、パラフィン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、セレシン等が挙げられる。
また、本発明にかかる化粧料には、さらに(D)成分として多価アルコール及び/又は糖を配合することが好ましい。
多価アルコール及び/又は糖の配合により、本発明にかかる化粧料の示すディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の弾性が低下し、組成物に軟らかく、伸び易い使用感触を付与することができる。
さらに、前記成分の配合により、本発明にかかる化粧料におけるミセルキュービック液晶の球状ミセル内部へ取り込むことのできる油性成分の量が著しく増加することがある。化粧料に含まれる油性成分の量が増加すると、当然のことながら、メーククレンジング等としての本発明の機能性(洗浄力)は大幅に向上されることになる。
すなわち、多価アルコール及び/又は糖を配合した本発明は、好ましい使用感触(のびのよさ)を備えたものとなる他、場合によって、より優れた機能性(洗浄力)を有するものとすることができる。
多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、ジグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、キシリトール、トリグリセリン等)、6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等)、2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等)、2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)、2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等)、グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等)、糖アルコール(例えば、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、デンプン分解糖還元アルコール等)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタエリスリトールエーテル、ポリグリセリン、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE−10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP−10)等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三単糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四単糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等)、五単糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等)、六単糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等)、七単糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八単糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等)、アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン等が挙げられる。
上記のうち、本発明においては、特に、三価以上の多価アルコールの使用が好ましく、さらにポリエチレングリコール及びソルビトールは、本発明のミセルキュービック液晶の弾性をより低下させ、本発明への油性成分の配合量を効果的に増やすのに適している。そのため、本発明においては、前記物質から選択される1種以上を含むように(D)成分を決定することが好ましい。
また、本発明において(D)成分を配合する場合、(C)成分との質量比は、(C):(D)=10:90〜60:40とすることが好ましい。前記質量比を外れると、(D)成分の配合による所望の効果が得られないことがある。
保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット等が挙げられる。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOLなど)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸2-グルコシド、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール2−Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、アラントイン、アズレン等の坑炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、イオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等が挙げられる。
また、上記薬剤は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
すなわち、界面活性剤/油性成分/水の混合物が形成する会合状態は大きく分けて、ミクロエマルションと液晶に大別される。さらにそこに過剰の水または油が添加されると、油中水型乳化組成物または水中油型乳化組成物が生成する場合がある。
〔1〕ミセル水溶液(L1)
〔2〕逆ミセル油溶液(L2)
〔3〕バイコンティニュアスミクロエマルジョン(L3)
などがよく知られている。
ミセル水溶液は、界面活性剤および油分濃度が低いことから、その洗浄効果に劣る。また逆ミセル油溶液は、粘度が低くたれ落ちし、親油性が高いことから水による洗い流し性にやや劣る。バイコンティニュアスミクロエマルジョンは、水・油の両連続構造を有することから洗浄性および洗い流し性は非常に高いが、低粘度液状であるため、メーク落とし時にたれ落ちなどの問題が生じてしまう。
〔I〕ミセルキュービック(ディスコンティニュアスキュービック)液晶相(I1)
〔II〕ヘキサゴナル液晶相(H1)
〔III〕バイコンティニュアスキュービック液晶(V1)
〔IV〕ラメラ液晶相(Lα)
〔V〕バイコンティニュアスキュービック液晶(V2)
〔VI〕逆ヘキサゴナル液晶相(H2)
〔VII〕逆ミセルキュービック(ディスコンティニュアスキュービック)液晶相(I2)
などがよく知られている。
以上のうち、ラメラ液晶相(Lα)は、界面活性剤濃度が高いことが多く、皮膚への刺激が見受けられる。逆ヘキサゴナル液晶相や、逆ミセルキュービック液晶相は、親油性が高いことから洗い流し性に欠ける。また、ヘキサゴナル液晶相(H1)は、使用時ののびが良好でない。
ディスコンティニュアスキュービック液晶相は、液晶構造中の疎水性領域と親水性領域のうち、一方の領域が連続的な構造を取っているが、もう一方の領域は球状に閉じた構造となっているものである。ミセルキュービック液晶相(I1)は、ディスコンティニュアスキュービックのうち、親水性領域が連続的な構造を取っているが、疎水性領域は球状に閉じた構造となっているものである。すなわち、界面活性剤分子がその疎水性領域を内側に親水性領域を外側に向けて集合した会合体を形成し、この会合体がさらに3次元に規則的に配列して液晶構造を形成しているものである。
しかしながら、このディスコンティニュアスミセルキュービック液晶は、従来、高濃度の油分を配合させることは困難であると考えられていた。
続いて、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の判定方法について以下に記載する。
(1)界面活性剤とイオン交換水および油分をサンプル管に秤量し、強せん断力にて攪拌する。
(2)(1)のサンプルが十分に攪拌されない場合、70℃付近まで温度をあげ、攪拌する。さらに室温に戻したのち、再度攪拌する。
(3)十分な時間遠心分離をし、気泡の除去を行う。
(4)得られたサンプルがディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であるかどうかは、「外観による判定」、「偏光顕微鏡観察およびX線構造解析」、「相平衡図の作成」、「電気伝導度測定」、「NMRによる自己拡散係数の測定」、「フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察」等により決定できる。いずれの方法により決定してもよい。
外観による判定では、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相は透明〜半透明な1相領域であり光学的には等方である。光学的異方性の判定は偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過があることを確認することで可能である。
なお、ミセルキュービック液晶中油(O/I1)型乳化組成物も透明に近い外観となる場合がある。そのような場合、I1及びO/I1は、X線構造解析(SAXS)により求められたキュービックミセル間距離dから判別できる。すなわち、系の油濃度を変化させた際に、d値が変化する領域はI1であり、変化しなくなる領域はO/I1であると判定される。
偏光顕微鏡観察およびX線構造解析によれば、異方性の帯状模様が観察され、層間隔に対応する散乱ピークが出る場合はラメラ液晶相と考えられる。また、異方性の筋状模様が観察され、六方晶の棒状ミセル間隔周期に鋭い散乱ピークが出る場合はヘキサゴナル液晶相と考えられる。偏光顕微鏡観察で暗視野であり、キュービック対称性のスポットが出る場合はキュービック液晶相と考えられる。
相平衡図の作成では、水/油性成分/界面活性剤で構成される3成分系の相平衡図を作成すると、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相が生成する濃度範囲は、ヘキサゴナル液晶相と隣接する領域である等の特長を有していることで同定可能であるが、この特長は構成される系(成分)によって異なる。
電気伝導度測定では、液晶相は、それぞれの相の流動性や構造の連続性、異方性に起因する特長的な電気的性質を有するため、適切な条件下で伝導度測定を行うことにより相に関する情報を得ることが可能である。水連続型の液晶構造体(ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相はこれに該当)では高い電気伝導性が確認できる。したがって、例えば、電気伝導性がその1/3程度であるバイコンティニュアスミセルキュービック液晶相との判別が可能である。
NMRによる自己拡散係数測定は、LindmanらによりJ. Colloid Interface Sci.1981,83,569等に詳しく記載されている方法である。
フリーズフラクチャー法を用いて調製した相サンプルの電子顕微鏡観察によれば、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の像を得ることが可能である。この像によればヘキサゴナル液晶相やラメラ液晶相、他の相で得られる会合体像との区別が容易である。この方法については、今栄らによる文献Colloid polym.Sci.1994,272,604に詳しく記載されている。
また、本発明は、例えば、洗顔などによって外部から水を加えることによって、所望の相状態を得るタイプの製品にも適用することができる。
本発明の化粧料の会合状態を評価した。評価方法は上述の外観観察・偏光顕微鏡観察・X線構造解析および相平衡図の作成などによって判定した。
I1:ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の会合状態をとっている。
Lα:ラメラ液晶相の会合状態をとっている。
H1:ヘキサゴナル液晶相の会合状態をとっている。
L2:逆ミセル油溶液相の会合状態をとっている。
本発明の化粧料の洗浄効果を確認するため、以下の洗浄効果テストを行った。
「人工汚れの作成」
人工汚れ1:赤色色素スダンIIIを含むワセリンとステアリン酸を1:1の割合で、80℃で混合し自然冷却して作成した。
人工汚れ2:人工汚れ1に対し、さらに疎水化処理粉末を30%添加し、80℃で混合し自然冷却して作成した。
「洗浄効果評価法」
人工皮革にあらかじめ2cm×2cmの領域を設定し、人工汚れ0.1gを均一に塗布した。化粧料を100mlスクリュー管に50mL入れ、人工汚れの塗布された人工皮革を洗浄液中に浸漬し、激しく5分間浸透した。そののち静かに人工皮革を引き上げ、人工汚れ残存量を色差計にて判定した。
「洗浄効果」の判定基準
◎:人工汚れ残存量が5%以下である。
○:人工汚れ残存量が20%以下である。
△:人工汚れ残存量が50%以下である。
×:人工汚れ残存量が50% を越える。
本発明の化粧料の使用性の良し悪しを確認するため、専門パネル8名によるたれ落ちの判定を行った。
「たれ落ち」の判定基準
○:8名中7〜8名が、使用時にたれ落ちがなく使用性が良好であると回答。
△:8名中5〜6名が、使用時にたれ落ちがなく使用性が良好であると回答。
×:8名中4名以上が、使用時にたれ落ちし使用性が良好でないと回答。
本発明の化粧料の使用性の良し悪しを確認するため、専門パネル8名による使用時ののびの判定を行った。
「のびのよさ」の判定基準
○:8名中7〜8名が、使用時にのびがよく使用性が良好であると回答。
△:8名中5〜6名が、使用時ののびがよく使用性が良好であると回答。
×:8名中4名以上が、使用時ののびが悪く使用性が良好でないと回答。
本発明の化粧料の皮膚刺激の有無を確認するため、専門パネル8名による皮膚への刺激感の判定を行った。
「皮膚刺激」の判定基準
◎:8名中8名が、刺激が感じられないと回答。
○:8名中7名が、刺激が感じられないと回答。
△:8名中6名が、刺激が感じられないと回答。
×:8名中3名以上が、刺激が感じられると回答。
本発明の化粧料の洗い流しやすさを確認するため、専門パネル8名による洗い流しやすさの判定を行った。
「洗い流しやすさ」の判定基準
○:8名中7〜8名が、メーク落とし後の水洗時に洗い流しやすいと回答。
△:8名中5〜6名が、メーク落とし後の水洗時に洗い流しやすいと回答。
×:8名中4名以上が、メーク落とし後の水洗時に洗い流しにくいと回答。
また上記評価基準に基づいて、組成物評価した。その結果を併せて表1に示す。
なお、この油性成分を加えるとI1領域に達する(A)及び(C)成分の質量比(すなわち、X領域)は、使用する界面活性剤や他成分の構成によって変動する。本発明者らがさらに詳細に調査した結果、前記質量比(A):(C)は、20:80〜70:30、好ましくは20:80〜45:55であった。
次に本発明者らは、(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤の至適HLBの関係について検討した。
*3:EMALEX705(日本エマルジョン社製)
*4:EMALEX707(日本エマルジョン社製)
*5:EMALEX709(日本エマルジョン社製)
*6:EMALEX712(日本エマルジョン社製)
*7:EMALEX715(日本エマルジョン社製)
*8:EMALEX102(日本エマルジョン社製)
したがって、本発明において、(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤のHLBは8〜13、より好ましくは8〜10である。
次に本発明者らは、本発明の化粧料に配合し得る(B)油性成分の配合量について検討した。
まず、界面活性剤(POE(10)セチルエーテル)と、イオン交換水又は多価アルコール水溶液(30%グリセリン水溶液、30%ポリエチレングリコール水溶液、30%ソルビトール水溶液)とを38:62(界面活性剤:水溶液)の質量比で混合した混合物へ油性成分(イソドデカン)を添加していった。油性成分の濃度を徐々に上げ、組成物の相状態がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相(I1相)となる濃度範囲を調査した。結果を図2に示す。
以上のことから、本発明において、多価アルコール、特にポリエチレングリコール及びソルビトールの配合することにより、(B)油性成分をより多量に保持するディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の化粧料が得られることが明らかである。
また、ポリエチレングリコール又はソルビトールを配合した製造例3−3及び3−4においては、のびのよさの向上に加え、さらに洗浄効果が極めて高かった。これは、先の図2に示したように、前記両成分によって油性成分濃度が高められたことによるものと考えられる。
以上のことから、本発明において、(D)成分として多価アルコールを配合することにより、一層のびのよい化粧料を得ることができる。さらに、特に、多価アルコールとしてポリエチレングリコール及びソルビトールを用いることにより、より多量の油性成分を配合することが可能となり、延いては洗浄効果の高い化粧料を得ることができる。
実施例2 メーク落とし
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)イソステアリルエーテル 20
(EMALEX1810:日本エマルジョン社製)
(2)POE(15)イソステアリルエーテル 6
(EMALEX1815:日本エマルジョン社製)
(3)流動パラフィン 15
(4)イソドデカン 5
(5)2−エチルヘキサン酸セチル 6
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)イオン交換水 残余
(製法)
(1)(2)(6)(8)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(3)〜(5)、(7)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
(配合成分) (質量%)
(1)POE(15)イソセチルエーテル 20
(EMALEX1615:日本エマルジョン社製)
(2)エタノール 5
(3)イソドデカン 8
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 2
(5)防腐剤 適量
(6)香料 適量
(7)イオン交換水 残余
(製法)
(1)(2)(5)(7)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(3)(4)、(6)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
(配合成分) (質量%)
(1)POE(5)セチルエーテル、 13
(EMALEX105:日本エマルジョン社製)
(2)POE(7)セチルエーテル 12
(EMALEX107:日本エマルジョン社製)
(3)イソドデカン 20
(4)イソヘキサデカン 10
(5)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)イオン交換水 残余
(製法)
(1)(2)(6)(8)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(3)〜(5)、(7)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)セチルエーテル 20
(EMALEX110:日本エマルジョン社製)
(2)イソドデカン 20
(3)イソヘキサデカン 5
(4)強アンモニア水 8.6
(5)エタノールアミン 2.4
(6)ハイドロサルファイトナトリウム(試薬) 0.1
(7)アスコルビン酸 0.3
(8)カチオン化シルクタンパク 0.1
(9)エデト酸2ナトリウム 0.2
(10)レゾルシン 1.0
(11)精製水 残余
(12)香料 適量
(製法)
(1)〜(3)(11)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌・混合する。攪拌冷却しながら残りの成分を徐々に添加し、混合する。その後、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
(配合成分) (質量%)
(1)POE(5)セチルエーテル、 15
(EMALEX105:日本エマルジョン社製)
(2)POE(7)セチルエーテル 15
(EMALEX107:日本エマルジョン社製)
(3)流動パラフィン 20
(4)2−エチルヘキサン酸セチル 8
(5)スクワラン 0.1
(6)ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル 0.05
(7)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(80%) 1.15
(8)加水分解ケラチン液 0.1
(9)塩化N−(2−ヒドロキシ−3−
(トリメチルアンモニオ)プロピル)加水分解コラーゲン 0.5
(10)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(11)ヒドロキシエチルセルロース 1.0
(12)香料 適量
(13)精製水 残余
(製法)
(1)〜(5)(13)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌・混合する。攪拌冷却しながら残りの成分を徐々に添加し、混合する。その後、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)イソステアリルエーテル 18.38
(EMALEX1810:日本エマルジョン社製)
(2)POE(10)セチルエーテル 6.13
(EMALEX110:日本エマルジョン社製)
(3)エタノール 0.50
(4)ポリエチレングリコール 8.19
(5)1,3−ブチレングリコール 5.46
(6)イソドデカン 21.00
(7)ポリメチルシロキサン 3.00
(8)パルミチン酸オクチル 6.00
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)イオン交換水 残余
(製法)
(1)〜(5)、(9)、(11)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(6)〜(8)、(10)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
Claims (6)
- (A)HLB8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤0.1〜60質量%と、
(B)油性成分10〜40質量%と、
(C)水とを含有する組成物であって、
成分(A)と成分(C)の質量比が、(A):(C)=20:80〜70:30であり、
該組成物がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを特徴とする化粧料。
- 請求項1に記載の化粧料において、前記化粧料が洗浄剤組成物であることを特徴とする化粧料。
- 請求項2に記載の化粧料において、該洗浄剤組成物が、皮膚又は毛髪洗浄料であることを特徴とする化粧料。
- 請求項2に記載の化粧料において、該洗浄剤組成物が、メーククレンジング基剤であることを特徴とする化粧料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料において、さらに、(D)多価アルコール及び/又は糖を含有することを特徴とする化粧料。
- 請求項5に記載の化粧料において、成分(D)が、ポリエチレングリコール及び/又はソルビトールであることを特徴とする化粧料。
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