JP5412845B2 - 車両用モータ制御装置及びその方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、簡易なセンサでも最適にモータ制御を行うことである。
また、本発明によれば、センサレス制御の制御域とセンサの検出値を用いるモータ制御の制御域との相互の切り換え領域で、センサレス制御で推定したモータの回転角とセンサの検出値から得たモータ回転角とを用いてモータを制御することで、前記切り換え領域では、適切なモータ回転角を用いてモータを制御できる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、本発明を適用したモータ制御装置である。
図1は、モータ制御装置を備えた車両を示す。図1に示す車両は、パラレルハイブリッド車の構成例となる。図1に示すように、この車両は、走行駆動力を発生するエンジン1の出力軸に直接的に或いはギア等の動力伝達機能を介してモータ2を連結している。本実施形態では、エンジン1とモータ2とを同軸上で直結し、エンジン1及びモータ2の駆動力をトランスミッション4を経て駆動輪(例えば前輪)5に伝達する。そして、この車両は、高電圧バッテリ3からの電力によって駆動アシスト力をモータ2により発生する。さらに、この車両は、モータ2の回生電力によってバッテリ3を充電する。なお、車両は、エンジン1とモータ2とがギア結合する車両であっても良い。
また、この車両は、アクセル開度センサ(又はアクセルポジションセンサ(APS))17、車輪速センサ18及びブレーキ状態センサ19を有する。アクセル開度センサ17は、アクセルペダルの踏込み量を検出する。車輪速センサ18は、車輪(例えば駆動輪5)の車輪速を検出する。ブレーキ状態センサ19は、ブレーキ状態を検出する。具体的には、ブレーキ状態センサ19は、図示しないブレーキペダルの操作状態を検出する。また、ブレーキ状態センサ19は、パーキングブレーキ(PKB)の操作状態を検出する。各センサ17,18,19は、検出値をモータECU30に出力する。また、アクセルポジションセンサ17は、検出値をHEV_ECU14に出力する。
モータECU30は、モータ駆動回路15を介してモータ2を制御する。モータECU30は、状況に応じて、センサで検出したモータ2の回転数を用いてモータ2を制御したり、センサレスでモータ2を制御したりする。モータECU30の構成については、後で詳述する。
このモータ2は、モータECU30からの制御信号によってモータ駆動回路15の各相毎のスイッチング素子がON,OFFされ、バッテリ3から供給される電流によって出力軸のロータが回転する(通常の力行動作)。そして、このモータ2は、外力によってロータを強制回転させることで、ステータコイルから起電力を発生する発電機としても動作し、バッテリ3を充電することができる(回生動作)。
この車両では、図1中に破線で示すように、各ECU11,12,13,14,30を例えばCAN(Controller Area Network)等の通信ラインを介して双方向通信可能に接続している。これにより、各ECU11,12,13,14,30は、互いの制御情報や制御対象の動作状態に係わるセンシング情報を相互に通信している。
図2に示すように、エンジン1は、燃焼室21内の混合気を点火プラグ22からのスパークによって着火・燃焼させ、燃焼に伴うピストン23の往復動をクランクシャフト24の回転運動に変換する通常の火花点火式エンジンである。エンジン1は、出力軸であるクランクシャフト24にクランク角検出用のクランクロータ25を軸着している。
クランクロータ25には、その外周に沿って複数の被検出部を所定間隔で形成している。クランクロータ25の被検出部と所定間隔をもってクランク角センサ6を対向配置している。クランク角センサ6は、例えば電磁ピックアップ式のセンサである。クランク角センサ6は、クランクロータ25の回転に伴う被検出部の通過により、所定クランク角毎のパルス列(例えば、10°CA毎のパルス列)をクランク角信号としてエンジンECU11に出力する。
図3に示すように、モータECU30は、電流指令値演算部31、減算器32a,32b、PI演算器33a,33b、3相変換部34、PWM信号発生部35、dq変換部36、モータ回転角推定部37、スイッチ38、モータ回転角演算部39、モータ回転状態判定部40、モータ回転速度演算部41及びモータ回転角補正部42を有する。
PI演算器33aは、入力された偏差ΔIdを基に、PI制御演算によりd軸電圧指令Vd*を算出する。また、PI演算器33bは、入力された偏差ΔIqを基に、PI制御演算によりq軸電圧指令Vq*を算出する。PI演算器33a,33bは、算出したd軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*を3相変換部34及びモータ回転角推定部37に出力する。
dq変換部36は、出力電流Iu,Iv,Iwを変換してd軸及びq軸検出電流(現在のd軸及びq軸電流)Id,Iqに得る。このとき、dq変換部36は、モータ回転角θを基に座標変換する。dq変換部36は、そのように変換して得たd軸及びq軸検出電流Id,Iqを減算器32a,32b及びモータ回転角推定部37に出力する。
スイッチ38は、第2接点38bにモータ回転角演算部39を接続している。スイッチ38は、スイッチングにより、第1接点38a及び第2接点38bの何れかと第3接点38cとを接続するようになっている。第3接点38cの出力(モータ回転角θ)は、モータ回転角補正部42に入力される。
モータ回転角演算部39は、クランク角センサ6の検出値を基に、モータ回転角(回転子位置)θを演算(推定)する。例えば、モータ回転角演算部39は、車両構造におけるクランク角センサ6とモータ2との接続関係を基に、モータ回転角θを演算(推定)する。
モータ回転速度演算部41は、モータ回転角θを基に、モータ回転速度Vmを算出する。具体的には、モータ回転速度演算部41は、モータ回転角θの時間変化率からモータ回転速度Vmを算出する。モータ回転速度演算部41は、算出したモータ回転速度Vmを電流指令値演算部31に出力する。
モータ回転状態判定部40は、モータ回転状態を基に、スイッチ38のスイッチングを制御する。具体的には、モータ回転状態判定部40は、アクセル開度センサ17、車輪速センサ18及びブレーキ状態センサ19の検出値を基に推定されるモータ回転状態に応じてスイッチ38のスイッチングを制御する。
以上のような処理手順により、モータ回転状態判定部40は判定処理を行う。
モータ回転角補正部42は、モータ回転角を補正する。
具体的には、センサレス制御モードからセンサ制御モードに切り換わる場合には、センサ制御モードに近づくほど、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角に、モータ回転角演算部39が出力するモータ回転数を徐々に反映させていく。例えば、センサ制御モードに近づくほど、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角の重み付けを小さくするとともに、モータ回転角演算部39が出力するモータ回転角の重み付けを大きくして、モータ回転角を算出する。
また、モータ回転角補正部42は、モータ制御が切り換えられていない場合、すなわち、センサレス制御(センサレス制御モード)及びセンサ制御(センサ制御モード)の何れかが維持されている場合、その制御に応じたモータ回転角を出力する。すなわち、モータ回転角補正部42は、センサレス制御(センサレス制御モード)の場合には、スイッチ38から出力されるモータ回転角推定部37からのモータ回転角(最終的に決定したモータ回転角、最終角度として)を3相変換部34、dq変換部36及びモータ回転速度演算部41に出力する。また、モータ回転角補正部42は、センサ制御(センサ制御モード)の場合には、スイッチ38から出力されるモータ回転角演算部39からのモータ回転角(最終的に決定したモータ回転角、最終角度として)を3相変換部34、dq変換部36及びモータ回転速度演算部41に出力する。
(1)モータ回転状態判定部40の判定処理により次のようにモータECU30が動作する。
(1−1)図7は、前輪の車輪速Vf及び後輪の車輪速Vr(図7(a))とスイッチ38の状態(図7(b))との関係を示す。
モータECU30は、図7(a)に示すように前輪の車輪速Vfが後輪の車輪速Vrに対し所定値αよりも大きくなると(Vf>Vr+α)、図7(b)に示すようにスイッチ38をONにする。
これにより、モータECU30は、モータ回転角演算部39がクランク角センサ6の検出値を基に算出したモータ回転角θを3相変換部34、dq変換部36及びモータ回転速度演算部41に出力する。3相変換部34、dq変換部36及びモータ回転速度演算部41は、入力されたモータ回転角θを基に、モータ2を駆動制御するための各種処理を行う。すなわち、モータECU30は、センサを使用したモータ制御を行う。
これにより、モータECU30は、モータ回転角推定部37が推定したモータ回転角θを3相変換部34、dq変換部36及びモータ回転速度演算部41に出力する。3相変換部34、dq変換部36及びモータ回転速度演算部41は、入力されたモータ回転角θ(センサを用いずに推定したモータ回転角θ)を基に、モータ2を駆動制御するための各種処理を行う。すなわち、モータECU30は、センサレスのモータ制御(センサレス制御)を行う。
これにより、モータ2の回転が定常状態である通常時には、センサレス制御によるモータ制御を行い、モータ2の回転が過渡変動状態になっているときには、センサを使用したモータ制御を行うことができ、適切なモータ回転角を基にモータ制御を行うことができる。
このようなことから、モータ2の回転が過渡変動状態になっているときには、センサを使用したモータ制御に切り換えることで、適切なモータ回転角を基にモータ制御を行うことができ、適切なモータ制御を行うことができる。
モータECU30は、図8(a)に示すように前輪の加速度afが所定値βよりも大きくなると(af>β)、図8(b)に示すようにスイッチ38をONにする。すなわち、モータECU30は、センサを使用したモータ制御を行う。
また、モータECU30は、図8(a)に示すように前輪の加速度afが所定値β以下であるときには(af≦β、但しaf≧−β)、図8(b)に示すようにスイッチ38をOFFにする(OFFを維持する)。すなわち、モータECU30は、センサレスのモータ制御(センサレス制御)を行う。
これにより、モータ2の回転が定常状態である通常時には、センサレス制御によるモータ制御を行い、モータ2の回転が過渡変動状態になっているときには、センサを使用したモータ制御を行うことができ、適切なモータ回転角を基にモータ制御を行うことができる。この結果、モータ2の回転が過渡変動状態になっているときでも、適切なモータ制御を行うことができる。
モータECU30は、図9(a)に示すように前輪の加速度(減速度)afが所定値−βよりも小さくなると(af<−β)、図9(b)に示すようにスイッチ38をONにする。すなわち、モータECU30は、センサを使用したモータ制御を行う。
また、モータECU30は、図9(a)に示すように前輪の加速度(減速度)afが所定値−β以上であるときには(af≧−β、但しaf≦β)、図9(b)に示すようにスイッチ38をOFFにする(OFFを維持する)。すなわち、モータECU30は、センサレスのモータ制御(センサレス制御)を行う。
これにより、モータ2の回転が定常状態である通常時には、センサレス制御によるモータ制御を行い、モータ2の回転が過渡変動状態になっているときには、センサを使用したモータ制御を行うことができ、適切なモータ回転角を基にモータ制御を行うことができる。この結果、モータ2の回転が過渡変動状態になっているときでも、適切なモータ制御を行うことができる。
モータECU30は、図10(a)に示すようにアクセル開度ACCが所定値ACCthよりも大きくなると(ACC>ACCth)、図10(b)に示すようにスイッチ38をONにする。すなわち、モータECU30は、センサを使用したモータ制御を行う。
また、モータECU30は、図10(a)に示すようにアクセル開度ACCが所定値ACCth以下のときには(ACC≦ACCth)、図10(b)に示すようにスイッチ38をOFFにする(OFFを維持する)。すなわち、モータECU30は、センサレスのモータ制御(センサレス制御)を行う。
モータECU30は、図11(b)に示すようにブレーキがONになると、図11(c)に示すようにスイッチ38をONにする。すなわち、モータECU30は、センサを使用したモータ制御を行う。
また、モータECU30は、図11(a)に示すようにブレーキがOFFのときには、図11(b)に示すようにスイッチ38をOFFにする(OFFを維持する)。すなわち、モータECU30は、センサレスのモータ制御(センサレス制御)を行う。
ここで、ブレーキ(ブレーキペダル又はパーキングブレーキ)が操作されるような場合とは、車両を急停車させるような場合である。この場合、モータ2に大きな負荷がかかる等の理由により、モータ2の回転が定常状態から過渡変動状態に遷移する可能性が高い。すなわち、モータ2の回転が過渡変動状態になると予測される。モータECU30は、このような状況下でセンサを使用したモータ制御を行っている。
また、ブレーキの操作速度、例えばブレーキペダルの踏み込み速度がある値よりも大きくなっていることをスイッチ38をONにする条件とすることで、より適切に車両の急停車を検出することができる。
図12は、センサレス制御のモータ回転角信号(図12(a))、センサ信号(図12(b))、制御モード(図12(c))及び最終角度(図12(d))の関係を示す。センサレス制御のモータ回転角信号は、モータ回転角推定部37の出力値である。センサ信号は、モータ回転角演算部39の出力値である。制御モードは、センサレス制御モード、センサ制御モード及びコンバインモードの何れかである。最終角度は、モータ回転角補正部42の出力値である。
モータECU30は、モータ2の回転が定常状態であるときには、図12(a)に示すモータ回転角信号を図12(d)に示す最終角度としてモータの制御を行う。すなわち、モータECU30は、図12(c)に示すように、センサレス制御モードによりモータを制御する。
また、モータECU30は、モータ2の回転が定常状態から過渡変動状態になったとき、又はモータ2の回転が定常状態から過渡変動状態になると予測したとき、図12(c)に示すようにコンバインモードを実施する。これにより、モータECU30は、図12(a)、図12(b)及び図12(d)に示すように、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角とモータ回転角演算部39が出力するモータ回転数とで相互補正して最終角度を算出し、その算出したモータ回転角を基にモータを制御する。このとき、最終角度は、モータ回転角演算部39が出力するモータ回転数に徐々に移行していく。
そして、モータECU30は、コンバインモードの実施後に、図12(b)に示すセンサ信号を図12(d)に示す最終角度としてモータの制御を行う。すなわち、モータECU30は、図12(c)に示すように、センサ制御モードによりモータを制御する。
(2−4)コンバインモード(センサ制御モード→センサレス制御モード)
さらに、モータECU30は、モータ2の回転が過渡変動状態から定常状態になったとき、図12(c)に示すようにコンバインモードを実施する。これにより、モータECU30は、図12(a)、図12(b)及び図12(d)に示すように、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角とモータ回転角演算部39が出力するモータ回転数とで相互補正して最終角度を算出し、その算出したモータ回転角を基にモータを制御する。このとき、最終角度は、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転数に徐々に移行していく。
(1)センサを使用したモータ制御からセンサレス制御によるモータ制御に切り換わったわったとき、その切り換わりの判定に使用したしきい値を異なる値に変更することもできる。ここで、切り換わりの判定に使用したしきい値とは、前記所定値α、β、ACCth等である。
具体的には、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角とモータ回転角演算部39が出力するモータ回転数とを比較して、基準値(例えば0°)で誤差がある場合、その基準値が合致するようにモータ回転角推定部37が出力するモータ回転角又はモータ回転角演算部39が出力するモータ回転角を補正する。例えば、モータ回転角演算部39が出力するモータ回転角の基準値に合致するように、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角の方を補正する。これにより、モータ回転角推定部37が出力するモータ回転角を補正した値を基に、センサレス制御を行うことができる。
具体的には、センサ制御モード時にモータ回転角推定部37が出力するモータ回転角とモータ回転角演算部39が出力するモータ回転角との誤差を得る。さらに、その誤差からq軸及びd軸のインダクタンスLq,Ldを推定する。そして、センサレス制御モード時に、その推定したq軸及びd軸のインダクタンスLq,Ldを用いてモータ2を制御する。
また、このように角速度の前回値(0〜2πの値)を基に回転角を算出する場合に、その回転角が基準値(例えば0°)に合致しないときには、その回転角をセンサ信号により補正することもできる。
(5)クランク角センサ6に限定されるものではなく、他のセンサを用いることもできる。
この場合、図15に示すように、モータ回転状態判定部40がステップS6でスイッチ38をONにすると、モータECU30は、車輪速センサ18を使用したモータ制御を行うこととなる。
この場合、図17に示すように、モータ回転状態判定部40がステップS6でスイッチ38をONにすると、モータECU30は、クランク角センサ6及び車輪速センサ18を使用したモータ制御を行うこととなる。
この場合、図19に示すように、モータ回転状態判定部40がステップS6でスイッチ38をONにすると、モータECU30は、ロータリエンコーダ61を使用したモータ制御を行うこととなる。
(9)ホールセンサ(ホール効果を使った磁気センサ)を用いることもできる。
具体的には、センサレス制御の環境に対応した数のホールセンサを用いる。センサレス制御の環境とは、例えば、モータ軸と車輪軸との間のギア比や、モータ軸に結合されているイナーシャの大きさ等である。
また、車両に搭載されるクランク角センサや車輪速センサを考慮し、クランク角センサや車輪速センサの精度に対応した数のホールセンサを用いる。例えば、クランク角センサや車輪速センサの精度が低いほど、ホールセンサの数を多くする。
図20(a)に示すような3つのホールセンサに応じた数のセンサ信号を基に、図20(b)に示すように、最終角度を得ることができる。これにより、モータ2の過渡変動状態が激しい場合でも、モータ制御の精度を向上させることができる。
(1)モータECU30は、センサを用いることなくモータの回転角を推定してモータ2を制御するセンサレス制御とセンサの検出値を用いるモータ制御とをモータ2の回転状態に応じて切り換えてモータ2を制御する。そして、モータECU30は、センサレス制御の制御域とセンサの検出値を用いるモータ制御の制御域との相互の切り換え領域で、センサレス制御で推定したモータ2の回転角とセンサの検出値から得たモータ回転角とを用いてモータを制御する。
さらに、センサレス制御の制御域とセンサの検出値を用いるモータ制御の制御域との相互の切り換え領域で、センサレス制御で推定したモータ2の回転角とセンサの検出値から得たモータ回転角とを用いてモータ2を制御することで、前記切り換え領域では、適切なモータ回転角を用いてモータ2を制御できる。例えば、制御切り換え時のモータ回転数変化によるモータの回転ショックを低減してモータ2を制御できる。
これにより、前記切り換え領域では、適切なモータ回転角を得ることができる。
(3)モータECU30は、前記切り換え領域でセンサレス制御域側に近づくほど、センサレス制御で推定したモータ2の回転角の重みを大きくし、前記切り換え領域でセンサの検出値を用いるモータ制御域側に近づくほど、センサの検出値から得たモータ回転角の重みを大きくする。
これにより、前記切り換え領域では、適切なモータ回転角を得ることができる。
これにより、モータ2の回転が定常状態にあるときにセンサレス制御を行うことで、最適シーンでセンサレス制御によりモータ制御できる。
これにより、クランク角センサ6、車輪速センサ18及びロータリエンコーダ61といった簡易なセンサでも高い精度でセンシングができて最適にモータ制御を行うことができる。
(6)複数のセンサ(例えばホールセンサ)を用いることもできる。
これにより、モータ2の過渡変動状態が激しい場合でも、モータ制御の精度を向上させることができる。
第2の実施形態では、本発明を適用したモータ制御装置である。第2の実施形態における車両の基本的構成は、前記図1及び図2に示した第1の実施形態における車両の構成と同一である。
第2の実施形態では、モータが過渡変動状態にあるときに、モータ制御の指令値を補正又は置き換えている。
図21は、第2の実施形態におけるモータECU30の具体的な構成を示す。図21に示すように、第2の実施形態では、車両はマップ(F/F項マップ)71を有する。モータECU30がマップ71を有する構成とすることもできる。
そして、マップ71は、モータ2の回転が過渡変動状態にあるときには、そのときの
モータ2の回転数、モータ加速度及びトルク指令値Tmに対応するd軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*を出力する。例えば、マップ71は、モータ回転状態判定部40によるモータ回転状態の判定結果からモータ2の回転が過渡変動状態にあることを判断し、d軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*を出力する。
この結果、モータECU30は、モータ2の回転が過渡変動状態にあるときには、マップ71が出力するd軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*を基に、モータ制御するようになる。
(1)クランク角センサ6に限定されるものではなく、他のセンサを用いることもできる。例えば、車輪速センサ(前記図14参照)やロータリエンコーダ(前記図18参照)を用いることもできる。
(2)前述のd軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*に対してしたと同様な手順により、d軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*以外の他の制御指令値を切り換え又は補正することもできる。
(1)マップ71により、モータ2の回転が定常状態にあると判定した場合にモータ2の制御に用いる制御指令値(ここではd軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*)を基に、モータ2の回転が過渡変動状態にあると判定した場合にモータ2の制御に用いる制御指令値(ここではd軸及びq軸電圧指令Vd*,Vq*)を補正する。
これにより、モータ2の回転状態が過渡変動状態あるときに適切にモータ2を制御できる。
Claims (7)
- 車輪を駆動するモータを制御する車両用モータ制御装置において、
前記モータの回転状態を判定するモータ回転状態判定手段と、
センサを用いることなく前記モータの回転角を推定してモータを制御するセンサレス制御をする制御手段と、
アクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
ブレーキペダルの操作状態及びパーキングブレーキの操作状態の少なくとも一方を検出するブレーキ状態センサと、
を備え、
前記制御手段は、前記モータ回転状態判定手段が前記モータの回転が過渡変動状態にあるか否かの判定、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度が所定値よりも大きいか否かの判定、前記ブレーキ状態センサの検出結果に基づき前記ブレーキペダルが操作状態である又は前記パーキングブレーキが操作状態であるか否かの判定、という少なくとも三つの判定を行う構成であり、前記過渡変動状態にあると判定した場合、前記アクセル開度が所定値よりも大きいと判定した場合、若しくは、前記ブレーキペダルが操作状態である又は前記パーキングブレーキが操作状態であると判定された場合には、前記センサレス制御からセンサの検出値を用いるモータ制御に切り換えて前記モータを制御しており、
前記制御手段は、前記センサレス制御の制御域と前記センサの検出値を用いるモータ制御の制御域との相互の切り換え領域で、前記センサレス制御で推定したモータの回転角とセンサの検出値から得たモータ回転角とを用いて前記モータを制御すること
を特徴とする車両用モータ制御装置。 - 前記制御手段は、前記切り換え領域で、前記センサレス制御で推定したモータの回転角及びセンサの検出値から得たモータ回転角それぞれを重み付けをしてモータ回転角を得て、その得たモータ回転角を用いて前記モータを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記制御手段は、前記切り換え領域で前記センサレス制御域側に近づくほど、前記センサレス制御で推定したモータの回転角の重みを大きくし、前記切り換え領域で前記センサの検出値を用いるモータ制御域側に近づくほど、前記センサの検出値から得たモータ回転角の重みを大きくすることを特徴とする請求項2に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記制御手段は、前記モータ回転状態判定手段が前記モータの回転が定常状態にあると判定した場合、前記センサレス制御をしており、
前記制御手段は、前記モータ回転状態判定手段の判定結果が前記定常状態と前記過渡変動状態とで相互に変化する場合、前記センサレス制御とセンサの検出値を用いるモータ制御とを相互に切り換えて前記モータを制御し、前記センサレス制御の制御域と前記センサの検出値を用いるモータ制御の制御域との相互の切り換え領域で、前記センサレス制御で推定したモータの回転角とセンサの検出値から得たモータ回転角とを用いて前記モータを制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用モータ制御装置。 - 前記モータ回転状態判定手段が前記モータの回転が定常状態にあると判定した場合に前記モータの制御に用いる制御指令値を基に、前記モータ回転状態判定手段が前記モータの回転が過渡変動状態にあると判定した場合に前記モータの制御に用いる制御指令値を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記車輪がさらにエンジンで駆動されるものであり、
前記センサの検出値を用いるモータ制御の該センサは、前記エンジンのクランク角を検出するクランク角検出手段、前記車輪の車輪速を検出する車輪速検出手段及び前記モータの回転角を検出するロータリエンコーダのうちの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用モータ制御装置。 - 車輪を駆動するモータを制御する車両用モータ制御方法において、
センサを用いることなくモータの回転角を推定してモータを制御するセンサレス制御とセンサの検出値を用いるモータ制御とをモータの回転状態に応じて切り換えてモータを制御しており、
前記モータ回転状態判定手段が前記モータの回転が過渡変動状態にあるか否かの判定、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度が所定値よりも大きいか否かの判定、前記ブレーキ状態センサの検出結果に基づき前記ブレーキペダルが操作状態である又は前記パーキングブレーキが操作状態であるか否かの判定、という少なくとも三つの判定を行う構成であり、前記過渡変動状態にあると判定した場合、前記アクセル開度が所定値よりも大きいと判定した場合、若しくは、前記ブレーキペダルが操作状態である又は前記パーキングブレーキが操作状態であると判定された場合には、センサレス制御からセンサの検出値を用いるモータ制御に切り換えてモータを制御し、
前記センサレス制御の制御域と前記センサの検出値を用いるモータ制御の制御域との相互の切り換え領域で、前記センサレス制御で推定したモータの回転角とセンサの検出値から得たモータ回転角とを用いて前記モータを制御すること
を特徴とする車両用モータ制御方法。
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