JP5402433B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
電解質膜と該電解質膜の両面に形成された触媒電極層とを有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
氷点下の温度条件に曝されることに起因して進行する前記触媒電極層の劣化の程度を反映する値である低温起因劣化値を取得する低温起因劣化値取得部と、
前記触媒電極層の抵抗値を測定する触媒抵抗測定部と、
前記低温起因劣化値取得部が取得した前記低温起因劣化値に基づいて、前記触媒電極層の抵抗値を測定する必要の有無を判断する抵抗測定判断部と、
前記抵抗測定判断部が、前記触媒電極層の抵抗値を測定する必要があると判断したときに、前記触媒抵抗測定部による前記触媒電極層の抵抗値の測定を行なわせる測定制御部と、
を備える燃料電池システム。
適用例1記載の燃料電池システムであって、さらに、前記測定制御部が測定した前記触媒電極層の抵抗値が、予め定めた基準値を超えるか否かを判断する抵抗上昇判断部と、前記燃料電池内部における湿潤状態を上昇させる制御を行なう湿潤状態上昇部と、前記抵抗上昇判断部が、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断したときに、前記湿潤状態上昇部による燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御を行なわせる湿潤状態上昇制御部とを備える燃料電池システム。適用例2に記載の燃料電池システムによれば、氷点下の温度条件に曝されることに起因して触媒電極層の劣化が進行したときには、燃料電池内部における湿潤状態を上昇させて、触媒電極層の抵抗値の上昇を抑制することができる。そのため、触媒電極層の抵抗測定を行なう頻度を抑制しても、必要な判断を行なって、燃料電池の性能を維持するために必要な処理を実行することが可能になる。
電解質膜と該電解質膜の両面に形成された触媒電極層とを有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
氷点下の温度条件に曝されることに起因して進行する前記触媒電極層の劣化の程度を反映する値である低温起因劣化値を取得する低温起因劣化値取得部と、
前記低温起因劣化値取得部が取得した前記低温起因劣化値が、予め定めた基準値を超えるか否かを判断する低温起因劣化判断部と、
前記燃料電池内部における湿潤状態を上昇させる制御を行なう湿潤状態上昇部と、
前記低温起因劣化判断部が、前記低温起因劣化値が前記基準値を超えると判断したときに、前記湿潤状態上昇部による燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御を行なわせる湿潤状態上昇制御部と
を備える燃料電池システム。
適用例1ないし3いずれか記載の燃料電池システムであって、前記低温起因劣化値は、氷点下の温度条件に曝されて前記電解質膜で応力が発生することに起因して進行する前記触媒電極層の劣化の程度を反映する値であり、前記応力の大きさを反映する値と該応力が発生していた時間とを乗じて積算することによって取得される値である燃料電池システム。適用例4に記載の燃料電池システムによれば、電解質膜で応力が発生することに起因して進行する触媒電極層の劣化の程度を、精度良く求めることが可能になる。
適用例4記載の燃料電池システムであって、前記応力の大きさを反映する値は、前記燃料電池の温度が0℃を下回った度合いであり、前記低温起因劣化値は、前記燃料電池の温度が0℃を下回った度合いと、各度合いにおいて0℃を下回った時間とを掛け合わせて積算した値としての氷点下履歴積算値である燃料電池システム。適用例5に記載の燃料電池システムによれば、上記氷点下履歴積算値に基づいて、触媒電極層の劣化の進行状態を、精度良く求めることが可能になる。
適用例4記載の燃料電池システムであって、前記低温起因劣化値は、前記燃料電池の温度が0℃を下回っている条件下において、前記燃料電池が備える電解質膜で発生した応力と、該応力を発生していた時間とを掛け合わせて積算した値としての応力積算値である燃料電池システム。適用例6に記載の燃料電池システムによれば、上記応力積算値を用いることにより、触媒電極層の劣化の進行状態を求める精度をさらに向上させることができる。
適用例2記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御は、前記燃料電池に供給する燃料ガスおよび/または酸化ガス中の水蒸気量を、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断された時点における水蒸気量よりも増加させる制御である燃料電池システム。適用例7に記載の燃料電池システムによれば、燃料ガスおよび/または酸化ガス中の水蒸気量を増加させることにより、触媒電極層の湿潤状態を高め、触媒電極層の抵抗値の上昇を抑制することができる。
適用例3記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御は、前記燃料電池に供給する燃料ガスおよび/または酸化ガス中の水蒸気量を、前記低温起因劣化値が前記基準値を超えると判断された時点における水蒸気量よりも増加させる制御である燃料電池システム。適用例8に記載の燃料電池システムによれば、燃料ガスおよび/または酸化ガス中の水蒸気量を増加させることにより、触媒電極層の湿潤状態を高め、触媒電極層の抵抗値の上昇を抑制することができる。
適用例2記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御は、前記燃料電池の内部温度を、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断された時点における内部温度よりも低く設定する制御である燃料電池システム。適用例9に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池の内部温度を低くすることにより、触媒電極層の湿潤状態を高め、触媒電極層の抵抗値の上昇を抑制することができる。
適用例3記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御は、前記燃料電池の内部温度を、前記低温起因劣化値が前記基準値を超えると判断された時点における内部温度よりも低く設定する制御である燃料電池システム。適用例10に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池の内部温度を低くすることにより、触媒電極層の湿潤状態を高め、触媒電極層の抵抗値の上昇を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施例である燃料電池システム10の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム10は、燃料電池20と、燃料ガス供給部30と、酸化ガス供給部40と、窒素供給部42と、交流インピーダンス測定部70と、制御部50と、を備えている。燃料電池20の正負両端子には、負荷60、例えば、インバータを介して接続されるモータ等が接続されている。この燃料電池20の正負両極端子には、さらに、負荷60に並列に、上記交流インピーダンス測定部70が接続されている。
燃料電池は、一般に、使用時間が長くなるほど、燃料電池を構成する各部が劣化することによって、性能低下が引き起こされる。このように経時的に進行する燃料電池の性能低下を引き起こす主要な要因の一つとして、燃料電池が氷点下の温度条件に曝されることによって進行する触媒電極層の劣化が挙げられる。燃料電池の温度が低下するときには、燃料電池の構成部材の内、特に電解質膜が大きく収縮する。また、燃料電池が氷点下の温度条件になるときには、燃料電池内に残留する液水が凍結し、これによって、液水が残留する多数の細孔が内部に形成されて電解質膜上に設けられた触媒電極層全体が、凍結し、硬くなる。そのため、氷点下の温度条件では、凍結によって硬くなった触媒電極層との界面において、温度低下により収縮した電解質膜で熱応力が発生して、触媒電極層の劣化、具体的には、触媒電極層の電解質膜からの部分的な剥離等が生じる。このような触媒電極層の劣化は、燃料電池の温度が低く、電解質膜の収縮が大きいほど、また、燃料電池が氷点下の温度条件に曝される時間が長いほど、劣化の進行度合いが大きくなる。
図5は、燃料電池システム10の起動時に制御部50において実行される触媒電極層劣化判断処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池システム10を起動したときに実行される。このような動作を行なう際に、制御部50は、複数の機能ブロックとして働く。図6は、制御部50が備える機能ブロックを表わす説明図である。図6に示すように、本実施例の制御部50は、氷点下履歴積算部51と、抵抗測定判断部52と、測定制御部53と、抵抗上昇判断部54と、湿潤状態上昇制御部55と、発電制御部56と、を備えている。
第1実施例では、氷点下履歴積算値に基づいて触媒電極層の抵抗値測定の要否を判断し、必要と判断された場合には触媒電極層の抵抗値測定を行なって、触媒電極層の劣化の進行が実際に検出されると、供給ガスの加湿量を増加させているが、異なる構成としても良い。以下に、第2実施例として、氷点下履歴積算値に基づいて触媒電極層の劣化の進行を判断し、触媒電極層の劣化が進行していると判断されたときには、供給ガスの加湿量を増加させる制御を行なう構成について説明する。第2実施例の燃料電池システムは、第1実施例の燃料電池システム10と同様の構成を備えており、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。なお、第2実施例の燃料電池システムは、図1における交流インピーダンス測定部70は備えていない。
第1実施例では、燃料電池20が氷点下の温度条件に曝されることに起因して進行する触媒電極層の劣化の程度を反映する値である低温起因劣化値として、氷点下履歴積算値を用いているが、異なる構成としても良い。第1実施例の氷点下履歴積算値を求める際には、燃料電池の温度が0℃を下回った度合いと、各度合いにおいて0℃を下回った時間とを掛け合わせて積算した。上記のような0℃を下回った度合いと同様に、氷点下の温度条件に曝されて電解質膜で発生する応力の大きさを反映する値を用いるならば、この反映する値と、応力が発生していた時間とを乗じて積算することにより、同様の低温起因劣化値を求めることができる。以下に、上記低温起因劣化値として、電解質膜で生じる応力の積算値を用い、触媒電極層の抵抗値測定の要否を判断する構成を、第3実施例として説明する。第3実施例の燃料電池システムは、第1実施例の燃料電池システム10と同様の構成を備えており、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
y=0.000281x2−0.0748x+1.71 …(3)
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1あるいは第2実施例では、触媒電極層の抵抗値上昇を抑制するために、加湿部36,46における加湿温度1℃ずつ上昇させることで、燃料電池20に供給するガスの加湿量を増加させているが、異なる構成としても良い。例えば、加湿温度の上昇の幅を、1℃以外としても良く、また、測定した触媒電極層の抵抗値と基準値との差に応じて、加湿温度の上昇の幅を適宜変更しても良い。測定した触媒電極層の抵抗値と基準値との差が大きいほど加湿温度の上昇の幅を大きくすれば、触媒電極層の劣化が進行した場合であっても、速やかに電池性能を回復させることができる。また、第1ないし第3実施例とは異なり、加湿部としてバブラ以外の構成を用いる場合には、実施例と同様の判断を行なった上で、用いる加湿部の種類に応じて、適宜、加湿量を増加させる制御を行なえばよい。
第1あるいは第3実施例では、交流インピーダンス測定部70によって、燃料電池20の正負両極端子に交流の電圧を入力しつつ、正負両極端子間を流れる交流の電流を検出することにより、正負両極端子間の交流インピーダンスを測定しているが、異なる構成としても良い。例えば、実施例のようにスタック全体として触媒電極層の抵抗を測定するのではなく、スタックを構成する特定のセルについて、交流インピーダンス法により触媒電極層の抵抗を測定することとしても良い。この場合には、上記特定のセルにおける触媒電極層の抵抗上昇に基づいて、燃料電池内の湿潤状態を上昇させる制御を行なうことにより、実施例と同様の効果を得ることができる。あるいは、連続して配置された複数のセルであって、スタックを構成する一部のセルについて、触媒電極層の抵抗を測定する動作を行なっても良い。
第1ないし第3実施例では、触媒電極層の劣化が検出されたときには、供給ガスの加湿量を増加させることによって、燃料電池内部における湿潤状態を上昇させ、触媒電極層の抵抗上昇を抑制しているが、異なる構成としても良い。例えば、燃料電池20内部を循環させる冷媒を制御することによって、燃料電池20の内部温度を低下させる制御を行なっても良い。具体的には、実施例における加湿温度の上昇の動作に代えて、燃料電池20に供給する冷媒の流量の設定値を増加させたり、燃料電池20に供給する冷媒の温度をより低く設定する動作を行なえばよい。また、燃料電池20に供給する酸化ガスの流量を減少させて(負荷要求から理論的に必要とされる酸化ガス量に対する、実際に燃料電池20に供給する酸化ガス量の割合を減少させて)、酸化ガス流れによる燃料電池内部(特に触媒電極層および電解質膜)からの水の持ち去り量を抑制しても良い。また、燃料ガス流路と酸化ガス流路の少なくとも一方において、燃料電池からのガスの出口部に設けた背圧弁の開度を絞って背圧を上昇させることによって、ガス流れによる燃料電池内部からの水の持ち去り量を抑制しても良い。あるいは、燃料電池20からの出力がほぼ一定であるような運転制御を行なう場合には、触媒電極層の抵抗値に応じて燃料電池20からの出力電流値を次第に増加させて、発電に伴う生成水量を増加させても良い。結果的に燃料電池内部の水分量、具体的には触媒電極層の含水量が増加する制御であれば、同様の効果を得ることができる。
第1実施例の構成と、第2実施例の構成とを組み合わせることとしても良い。すなわち、通常は、第2実施例のように、氷点下履歴積算値に基づいて、燃料電池の湿潤状態を上昇させる制御を行なう。そして、上記のように氷点下履歴積算値に基づいて湿潤状態を上昇させる制御を行なう頻度よりも低い頻度で、第1実施例のように触媒電極層の抵抗値を測定し、測定した抵抗値に基づいて、燃料電池の湿潤状態を上昇させる制御を行なえばよい。このような構成とすれば、触媒電極層の抵抗値を測定する頻度を第1実施例よりもさらに低くすると共に、触媒電極層の抵抗上昇を抑制する動作の信頼性を、第2実施例に比べて高めることができる。上記構成において、氷点下履歴積算値に代えて、第3実施例と同様の低温熱応力積算値を用いる場合にも、触媒電極層の抵抗測定の頻度を抑えつつ、触媒電極層の抵抗抑制の信頼性を高める同様の効果が得られる。
第1ないし第3実施例の燃料電池システムでは、触媒電極層の抵抗値上昇を抑制して電池性能の維持を図っているが、このような構成では、触媒電極層の劣化状態そのものを回復することはできない。そのため、触媒電極層の劣化状態がある程度進行したと判断されるときには、劣化の進行を使用者に報知する報知部をさらに備えて、燃料電池の点検や交換を促すことが望ましい。例えば、第1実施例において、ステップS120で用いる氷点下履歴基準値が、用意した複数の氷点下履歴基準値の内の最大値、あるいは最大値に近い特定の値に達したときに、触媒電極層の劣化状態が、抵抗値を抑制できる限界に近い状態となったと判断して、使用者に報知すれば良い。あるいは、第1実施例のステップS160において、供給ガスの加湿量を予め設定した基準値まで増加させても、ステップS150において触媒電極層の抵抗値を充分に小さくすることができなくなった場合には、触媒電極層の劣化状態が、抵抗値を抑制できる限界に近い状態となったと判断して、使用者に報知すれば良い。使用者への報知は、例えば、使用者が視認可能な位置に設けた表示部への表示や、音声による報知とすることができる。
第1ないし第3実施例では、触媒電極層の抵抗値が上昇していると判断されたときには、燃料ガスと酸化ガスの両方の加湿量を増加させているが、いずれか一方のガスの加湿量のみを増加させても良い。この場合には、加湿量を増加させたガスが供給される触媒電極層において、抵抗値上昇を抑制する効果を顕著に得ることができる。
20…燃料電池
21…単セル
22…電解質膜
23…アノード電極
24…カソード電極
25,26…ガス拡散層
27,28…セパレータ
27a…単セル内燃料ガス流路
28a…単セル内酸化ガス流路
30…燃料ガス供給部
35…燃料ガス供給路
36,46…加湿部
40…酸化ガス供給部
41…酸化ガス供給路
42…窒素供給部
43…窒素ガス供給路
44…切替弁
45…カソードガス供給路
50,150,250…制御部
51…氷点下履歴積算部
52…抵抗測定判断部
53…測定制御部
54…抵抗上昇判断部
55…湿潤状態上昇制御部
56…発電制御部
60…負荷
62…温度センサ
70…交流インピーダンス測定部
72…周波数掃引部
74…インピーダンス測定部
251…低温熱応力積算部
Claims (10)
- 電解質膜と該電解質膜の両面に形成された触媒電極層とを有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
氷点下の温度条件に曝されることに起因して進行する前記触媒電極層の劣化の程度を反映する値である低温起因劣化値を取得する低温起因劣化値取得部と、
前記触媒電極層の抵抗値を測定する触媒抵抗測定部と、
前記低温起因劣化値取得部が取得した前記低温起因劣化値に基づいて、前記触媒電極層の抵抗値を測定する必要の有無を判断する抵抗測定判断部と、
前記抵抗測定判断部が、前記触媒電極層の抵抗値を測定する必要があると判断したときに、前記触媒抵抗測定部による前記触媒電極層の抵抗値の測定を行なわせる測定制御部と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、さらに、
前記測定制御部が測定した前記触媒電極層の抵抗値が、予め定めた基準値を超えるか否かを判断する抵抗上昇判断部と、
前記燃料電池内部における湿潤状態を上昇させる制御を行なう湿潤状態上昇部と、
前記抵抗上昇判断部が、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断したときに、前記湿潤状態上昇部による燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御を行なわせる湿潤状態上昇制御部と
を備える燃料電池システム。 - 電解質膜と該電解質膜の両面に形成された触媒電極層とを有する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
氷点下の温度条件に曝されることに起因して進行する前記触媒電極層の劣化の程度を反映する値である低温起因劣化値を取得する低温起因劣化値取得部と、
前記低温起因劣化値取得部が取得した前記低温起因劣化値が、予め定めた基準値を超えるか否かを判断する低温起因劣化判断部と、
前記燃料電池内部における湿潤状態を上昇させる制御を行なう湿潤状態上昇部と、
前記低温起因劣化判断部が、前記低温起因劣化値が前記基準値を超えると判断したときに、前記湿潤状態上昇部による燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御を行なわせる湿潤状態上昇制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池システムであって、
前記低温起因劣化値は、氷点下の温度条件に曝されて前記電解質膜で応力が発生することに起因して進行する前記触媒電極層の劣化の程度を反映する値であり、前記応力の大きさを反映する値と該応力が発生していた時間とを乗じて積算することによって取得される値である
燃料電池システム。 - 請求項4記載の燃料電池システムであって、
前記応力の大きさを反映する値は、前記燃料電池の温度が0℃を下回った度合いであり、
前記低温起因劣化値は、前記燃料電池の温度が0℃を下回った度合いと、各度合いにおいて0℃を下回った時間とを掛け合わせて積算した値としての氷点下履歴積算値である
燃料電池システム。 - 請求項4記載の燃料電池システムであって、
前記低温起因劣化値は、前記燃料電池の温度が0℃を下回っている条件下において、前記燃料電池が備える電解質膜で発生した応力と、該応力を発生していた時間とを掛け合わせて積算した値としての応力積算値である
燃料電池システム。 - 請求項2記載の燃料電池システムであって、
前記触媒抵抗測定部は、前記燃料電池に対して燃料ガスおよび非酸化ガスを供給する非電気化学反応状態で前記触媒電極層の抵抗値を測定し、
前記燃料電池システムは、前記抵抗上昇判断部が、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断したときには、前記抵抗値が前記基準値以下になるまで、前記湿潤状態上昇部による前記燃料ガスおよび/または前記非酸化ガスの水蒸気量を増加させる動作と、前記触媒抵抗測定部による前記抵抗値の測定の動作とを繰り返し行ない、
前記湿潤状態上昇制御部は、前記抵抗上昇判断部が、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断した後の発電時には、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御として、前記燃料ガス中の水蒸気量を、前記抵抗値が前記基準値以下になったと判断された時の前記燃料ガス中の水蒸気量にすると共に、前記燃料電池に供給する酸化ガス中の水蒸気量を、前記抵抗値が前記基準値以下になったと判断された時の前記非酸化ガス中の水蒸気量にする制御を行なう
燃料電池システム。 - 請求項3記載の燃料電池システムであって、
前記湿潤状態上昇制御部は、前記低温起因劣化判断部が、前記低温起因劣化値が前記基準値を超えると判断したときには、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御として、発電時に前記燃料電池に供給する燃料ガスおよび/または酸化ガス中の水蒸気量を、それまでに設定されていた値よりも増加させる制御を行なう
燃料電池システム。 - 請求項2記載の燃料電池システムであって、
前記触媒抵抗測定部は、前記燃料電池に対して燃料ガスおよび非酸化ガスを供給する非電気化学反応状態で前記触媒電極層の抵抗値を測定し、
前記燃料電池システムは、前記抵抗上昇判断部が、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断したときには、前記抵抗値が前記基準値以下になるまで、前記湿潤状態上昇部によって前記燃料電池の内部温度を低下させる動作と、前記触媒抵抗測定部による前記抵抗値の測定の動作とを繰り返し行ない、
前記湿潤状態上昇制御部は、前記抵抗上昇判断部が、前記抵抗値が前記基準値を超えると判断した後の発電時には、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御として、前記燃料電池の内部温度を、前記抵抗値が前記基準値以下になったと判断された時の前記燃料電池の内部温度とする制御を行なう
燃料電池システム。 - 請求項3記載の燃料電池システムであって、
前記湿潤状態上昇制御部は、前記低温起因劣化判断部が、前記低温起因劣化値が前記基準値を超えると判断したときには、前記燃料電池の湿潤状態を上昇させるための前記制御として、発電時の前記燃料電池の内部温度を低下させる制御を行なう
燃料電池システム。
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