JP5494274B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
上述した特許文献1に開示された電動ブレーキ装置においては、ブレーキペダルに踏力センサを設け、ブレーキペダルの操作力を検出している。また、ピストンの前端には荷重センサが取り付けられており、ディスクロータに付与した制動力に対応する荷重として、ピストンのブレーキパッドに対する押圧力を検出している。当該電動ブレーキ装置は、ブレーキペダルの踏力およびブレーキパッドに対する押圧力に基づいて、電動モータの作動を制御している。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作動制御を精度よく行うことのできる電動ブレーキ装置を提供することにある。
また、駆動機構の出力部材と回動部材との間において、出力部材の回転は回動部材に伝達されるとともに、出力部材から回動部材に向けて、双方の回転軸方向には荷重が伝達されないように形成されている。したがって、駆動機構の斜歯により形成された歯車に発生したスラスト力が、回動部材へと伝わることがなく、ディスクへ付与した制動力に対応した荷重として、荷重センサがブレーキパッドからの反力を正確に検出することができる。これにより、電動モータの作動制御を精度よく行うことができる。
これにより、回動部材の回転に拘わらず、荷重センサは回転することがない。したがって、壁面との間で回転方向に摺動することなく押圧されるため、摩耗が発生することがなく、荷重センサの長寿命化が実現できる。
電動ブレーキ装置1のマウンティング11は、図示しない車両のナックルアーム(車体に該当する)に取り付けられて固定されている。マウンティング11には、第1ブレーキパッド21aおよび第2ブレーキパッド21bが保持されている(図1において、第2ブレーキパッド21bのみ示す)。
第1ギヤ部材151は、スリーブ部材142により出力シャフト141と接続されており、これにより、電動モータ14の駆動力が入力されている。第1ギヤ部材151と出力シャフト141との間においては、後述する第3ギヤ部材153とスクリュー181との接続箇所と同様に、オルダムカップリングが形成されている。
入力部181aは、スリーブ部材19を介して第3ギヤ部材153の軸部153aと接続されている。これにより、入力部181aと軸部153aとの間には、オルダムカップリングが形成され、第3ギヤ部材153の回転力がスクリュー181に伝達される。入力部181aと軸部153aとの間の連結機構については、後述する。
さらに、回転軸方向において、ボールベアリング182のアウタレース182aとキャリパ131の段部131bとの間には、ウェイブワッシャ184が設けられており、キャリパ131に対してアウタレース182aを、第3ギヤ部材153に向けて回転軸方向に付勢している。これにより、センサホルダ16およびスクリュー181は、ボールベアリング182を介して、ともに第3ギヤ部材153に向けて(図2において右方に)付勢されており、荷重センサ17は、常時、ハウジングプレート132に当接している。
荷重センサ17が、ハウジングプレート132に当接することにより、センサホルダ16、荷重センサ17、ボールベアリング182、スラストベアリング183およびスクリュー181の回転軸方向における位置決めが行われている。尚、ウェイブワッシャ184は、金属製のリング状の薄板を波打たせた形状に形成されている。
ナット185と当接部205との間には、押圧部材186が介装されている。押圧部材186は略ディスク状を呈しており、その内周側にはスクリュー181の回転部181cが挿入されている。また、押圧部材186のナット185と対向した面は平坦に形成されており、当接部205と対向した側には球状面186aが形成されている。
ピストン20の第3ギヤ部材153よりの位置には、スナップリング206が装着されている。スナップリング206の内径はナット185の外径よりも小さく、収容空間203の開口付近に取り付けられることにより、収容空間203からナット185が抜け出ることを防止している。
第1ブレーキパッド21aおよび第2ブレーキパッド21bは、それぞれ裏板211a,211b、裏板211a,211bに接合されたライニング212a,212bおよび裏板211a,211bに装着されたシム213a,213bを備え、前述したマウンティング11に支持されている。
上述した構成において、運転者がブレーキペダル5を操作すると、コントローラ22は、踏力センサ6の検出値に基づいて、電動モータ14のコイルへ供給する電流を調整し、その作動を制御する。コントローラ22は、荷重センサ17により検出された第1ブレーキパッド21aからの反力が、ブレーキ踏力に見合った値となるように電動モータ14の作動を制御する。
したがって、伝達孔191と横係合部181a1および縦係合部153a1との間には、半径方向の隙間が形成されており、入力部181aと軸部153aとの間に多少の軸心のずれがあっても、スリーブ部材19によって、ずれを吸収して双方を連結することが可能である。
スリーブ部材19によって入力部181aと軸部153aとが連結された状態において、軸部153aが回転すると、伝達孔191と縦係合部153a1および横係合部181a1とが係合するため、スリーブ部材19を介して入力部181aに回転力が伝達される。
また、減速機構15の第3ギヤ部材153とスクリュー181との間において、第3ギヤ部材153の回転はスクリュー181に伝達されるように形成されているとともに、第3ギヤ部材153からスクリュー181に向けて、双方の回転軸方向には荷重が伝達されないように隙間が設けられている。したがって、斜歯により形成された第3ギヤ部材153に発生したスラスト力が、スクリュー181へと伝わることがなく、ディスクロータ4へ付与した制動力に対応する荷重として、荷重センサ17が第1ブレーキパッド21aからの反力を正確に検出することができる。これにより、電動モータ14の作動制御を精度よく行うことができる。
これにより、スクリュー181の回転に拘わらず、荷重センサ17は回転することがない。したがって、ハウジングプレート132の壁面との間で回転方向に摺動することなく押圧されるため、摩耗が発生することがなく、荷重センサ17の長寿命化が実現できる。
また、第3ギヤ部材153とスクリュー181との間においては、等速で回転力が伝達されるため、ディスクロータ4に付与する制動力を、容易に制御することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
第3ギヤ部材153とスクリュー181との間において、オルダムカップリングのみでなく、スプラインやキー止めを使用することにより、第3ギヤ部材153からスクリュー181への回転は伝達するが、回転軸方向の荷重は伝達しない連結機構を形成してもよい。
また、電動モータ14には、同期機、誘導機、直流機等のあらゆるモータが使用可能である。
また、本発明は、ディスクロータ4をブレーキハウジング13の押圧部131fとピストン20とで挟圧する浮動型のディスクブレーキのみではなく、ディスクロータ4の双方の側面をピストンにて押圧する対向型のディスクブレーキにも適用可能である。
Claims (3)
- 車体に取り付けられたハウジングと、
前記ハウジングに対し移動可能に取り付けられたピストンと、
車輪とともに回転するディスクと前記ピストンとの間に介装されたブレーキパッドと、
前記ハウジングに取り付けられた電動モータと、
斜歯により形成された複数の歯車が互いに噛合することにより形成され、前記ハウジング内において、前記電動モータの駆動力を伝達する駆動機構と、
前記ハウジング内において前記ピストンの軸方向に延び、前記駆動機構の出力部材により回転される回動部材と、
前記回動部材と噛合するとともに前記ハウジングに対して回転不能とされ、前記回動部材の回転により前記ピストンの軸方向に移動して、前記ピストンを前記ディスクに向けて付勢する直進部材と、
前記ハウジング内に設けられ、前記ブレーキパッドから前記回動部材を介して伝達された前記ピストンの軸方向の反力であって、前記ディスクから離れる向きの前記反力を検出する荷重センサと、
を備え、
前記荷重センサによる検出値に基づいて前記電動モータを作動させることにより、前記直進部材により付勢された前記ピストンが、前記ブレーキパッドを前記ディスクに向けて付勢することにより前記車輪に制動力を付与し、
前記駆動機構の前記出力部材と前記回動部材との間において、前記出力部材の回転は前記回動部材に伝達されるともに、前記出力部材から前記回動部材に向けて、双方の回転軸方向には荷重が伝達されないように形成されていることを特徴とする電動ブレーキ装置。 - 前記ハウジング内には、前記ピストンの軸方向において、前記回動部材に対し前記ピストンとは反対側に位置するように保持部材が設けられ、
前記保持部材は、
前記ハウジングに対し前記ピストンの軸方向に移動可能に保持されているとともに、回転不能に取り付けられており、
前記回動部材は、
前記保持部材に対して回転可能に取り付けられ、
前記荷重センサは、
前記保持部材において、前記回動部材と対向する部位とは反対側に取り付けられていることにより、前記ハウジングの壁面と対向しており、
前記ブレーキパッドからの前記反力により前記回動部材が前記ピストンの軸方向に前記保持部材を付勢し、前記荷重センサが前記壁面に押圧されることにより、前記ブレーキパッドからの前記反力を検出することを特徴とする請求項1記載の電動ブレーキ装置。 - 前記出力部材と前記回動部材との間においては、オルダムカップリングにより回転力が伝達されることを特徴とする請求項1または2に記載の電動ブレーキ装置。
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