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JP5489673B2 - 燃料電池セルならびにそれを備えるセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 - Google Patents

燃料電池セルならびにそれを備えるセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 Download PDF

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JP5489673B2
JP5489673B2 JP2009269620A JP2009269620A JP5489673B2 JP 5489673 B2 JP5489673 B2 JP 5489673B2 JP 2009269620 A JP2009269620 A JP 2009269620A JP 2009269620 A JP2009269620 A JP 2009269620A JP 5489673 B2 JP5489673 B2 JP 5489673B2
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Description

本発明は、導電性支持体の表面に、インターコネクタと、燃料極層と、固体電解質層とを備え、固体電解質層上に中間層を介して燃料極層と対面するように空気極層が設けられている燃料電池セル、セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガス(燃料ガス)と空気(酸素含有ガス)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを複数個立設して電気的に直列に接続してなるセルスタックを、燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドに固定してセルスタック装置を構成し、そのセルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、空気極層と固体電解質層との間に、空気極層に含有される元素と固体電解質層に含有される元素とが拡散することを防止するための中間層を設けた燃料電池セルが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−59377号公報 特開2003−288914号公報
ところで、燃料電池セルの作製時や燃料電池装置の作動時において、燃料電池セルを構成する各部材の熱膨張差や還元処理に伴う変形により、燃料電池セルの内部に応力が生じ、中間層と空気極層とが剥離する場合があった。
それゆえ、本発明の目的は、燃料電池装置の作動時に中間層と空気極層とが剥離することを抑制できる燃料電池セル、セルスタック装置および燃料電池モジュールならびに燃料電池装置を提供することにある。
本発明の燃料電池セルは、導電性支持体の表面に、インターコネクタを備えるとともに
、該インターコネクタに隣接して、燃料極層、固体電解質層、中間層および空気極層がこの順に積層されてなる発電部を備える燃料電池セルであって、前記中間層の気孔率が40乃至60%であるとともに、該中間層における平均気孔径が1乃至3μmであり、前記空気極層が、前記中間層上に配置された第1空気極層と、該第1空気極層上に配置された第2空気極層とを有しており、前記第1空気極層の気孔率が、前記第2空気極層の気孔率よりも小さく、かつ前記中間層の気孔率以下であり、前記中間層の気孔率が、前記第2空気極層の気孔率よりも小さいことを特徴とする。
このような燃料電池セルにおいては中間層の気孔率が40乃至60%であるとともに、該中間層における平均気孔径が1乃至3μmであることから、燃料電池セルの作製時や燃料電池装置の作動時において、燃料電池セルを構成する各部材の熱膨張差や還元処理に伴う変形により、燃料電池セルの内部に応力が生じた場合においても、中間層に設けられた平均気孔径が1乃至3μmである多数の気孔により燃料電池セルの応力を効果的に緩和す
ることができ、中間層と空気極層との剥離を抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。このような燃料電池セルにおいては、第1空気極層の気孔率が第1空気極層上に配置された第2空気極層の気孔率よりも小さいことから、高い集電性を保持しつつ、中間層との接合面積を大きくすることができ、中間層と空気極層とが剥離を生じることを抑制することができる。さらに、第1空気極層の気孔率が中間層の気孔率以下であることから、発電時に空気極層に生じた応力を、中間層が緩和することができ、中間層と空気極層とが剥離を生じることをさらに抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。
また、本発明の燃料電池セルは、前記第1空気極層の気孔率が30〜55%であり、前記第2空気極層の気孔率が50〜70%であることが好ましい。
本発明のセルスタック装置は、上記のうちいずれかに記載の燃料電池セルを、集電部材を介して立設させた状態で複数個配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端部を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを具備することから、長期信頼性の向上したセルスタック装置とすることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記に記載のセルスタック装置を収納容器に収納してなることから、長期信頼性の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記に記載の燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることから、長期信頼性の向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルは、燃料電池セルの作製時や燃料電池装置の作動時において、燃料電池セルを構成する各部材の熱膨張差や還元処理に伴う変形により、燃料電池セルの内部に応力が生じた場合においても、中間層の気孔率が40乃至60%であるとともに、中間層における平均気孔径が1乃至3μmであり、空気極層が、中間層上に配置された第1
空気極層と、第1空気極層上に配置された第2空気極層とを有しており、第1空気極層の気孔率が、第2空気極層の気孔率よりも小さく、かつ中間層の気孔率以下であるため、多数の気孔により燃料電池セルの応力を効果的に緩和することができ、中間層と空気極層と
の剥離を抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。
本発明のセルスタック装置は、上記の燃料電池セルを、集電部材を介して立設させた状態で複数個配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端部を固定するとともに、前記燃料電池セルに反応ガスを供給するためのマニホールドとを具備することから長期信頼性の向上したセルスタック装置とすることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記のセルスタック装置を収納容器に収納してなることから、長期信頼性の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることから、長期信頼性の向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルの一例を示したものであり、(a)は横断面図、(b)は(a)の斜視図である。 本発明の燃料電池セルスタック装置の一例を示し、(a)は燃料電池セルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)の燃料電池セルスタック装置の点線枠で囲った部分の一部を拡大した平面図である。 本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
図1は、本発明の燃料電池セルの一例を示すものであり、(a)は横断面図、(b)は(a)の斜視図である。なお、両図面において、燃料電池セル1の各構成を一部拡大等して示している。また、同一の部材に関しては同一の符号を付するものとし、以下同様とする。
燃料電池セル1は、中空平板型の形状をしており、全体的に見て楕円柱状をした導電性支持体2を備えている。導電性支持体2の内部には、所定の間隔で長手方向の一端から他端まで貫通した燃料ガス流路3が複数形成されており、燃料電池セル1はこの導電性支持体2上に各種の部材が設けられた構造を有している。
導電性支持体2は、図1に示されている形状から理解されるように、互いに平行な一対の平坦面nと、一対の平坦面nをそれぞれ接続する弧状面(側面)mとで構成されている。平坦面nの一方の表面(下面)と両側の弧状面mを覆うように燃料極層4が設けられており、さらに、この燃料極層4を覆うように、固体電解質層5が積層されている。また、固体電解質層5の上には、中間層6を介して、燃料極層4と対面するように、空気極層7が積層されている。また、燃料極層4および固体電解質層5が積層されていない他方の平坦面nには、密着層8を介してインターコネクタ9が形成されている。
図1から明らかなように、燃料極層4および固体電解質層5は、両端の弧状面mを経由してインターコネクタ9(密着層8)の両側にまで延びており、導電性支持体2の表面が外部に露出しないように構成されている。なお、図1においては、燃料極層4が密着層8の側面に、固体電解質層5がインターコネクタ9の側面に重なる例を示しているが、密着層8やインターコネクタ9は適宜その厚みを調整することができ、例えば、燃料極層4および固体電解質層5が密着層8の側面に重なるように配置することもでき、また、燃料極層4の一部がインターコネクタ9の側面に重なるように配置することもできる。さらには、燃料極層4、固体電解質層5、密着層8およびインターコネクタ9の両端部がこの順に重なるように配置することもできる。
ここで、燃料電池セル1は、燃料極層4、固体電解質層5、中間層6および空気極層7が積層している部分が発電部として機能して発電する。即ち、空気極層7の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、かつ導電性支持体2内の燃料ガス流路3に燃料ガス(水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより発電する。そして、かかる発電によって生成した電流は、導電性支持体2に積層されたインターコネクタ9を介して集電される。
以下に、本発明の燃料電池セル1を構成する各部材について説明する。
導電性支持体2は、燃料ガスを燃料極層4まで透過させるためにガス透過性であること、インターコネクタ9を介して集電を行うために導電性であることが要求されることから、例えば、NiおよびNiOのうち少なくとも一方と、特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。
特定の希土類酸化物とは、導電性支持体2の熱膨張係数を固体電解質層5の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y、Lu(ルテチウム)、Yb、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd、Sm、Pr(プラセオジム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が、NiおよびNiOのうち少なくとも一方との組み合わせで使用することができる。このような希土類酸化物の具体例としては、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prを例示することができ、NiおよびNiOのうち少なくとも一方との固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層5とほとんど同程度であり、かつ安価であるという点から、Y、Ybが好ましい。
また、本発明においては、導電性支持体2の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を固体電解質層5と近似させるという点で、焼成−還元後における体積比率が、Ni:希土類元素酸化物(例えば、Ni:Y)が35:65〜65:35(Ni/(Ni+Y)がモル比で65〜86mol%)の範囲にあることが好ましい。なお、導電性支持体2中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
また、導電性支持体2は、ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、導電性支持体2の導電率は、50S/cm以上、より好ましくは300S/cm以上、特に好ましくは440S/cm以上とすることがよい。
なお、導電性支持体2の平坦面nの長さ(導電性支持体2の幅方向の長さ)は、通常、15〜35mm、弧状面mの長さ(弧の長さ)は、2〜8mmであり、導電性支持体2の厚み(平坦面n間の厚み)は1.5〜5mmであることが好ましい。
燃料極層4は、電極反応を生じさせるものであり、鉄族金属であるNiおよびNiOのうち少なくとも一方と、希土類元素が固溶したZrOとから形成することができる。なお、希土類元素としては、導電性支持体2において例示した希土類元素(Y等)を用いることができる。
燃料極層4において、NiおよびNiOのうち少なくとも一方と、希土類元素が固溶したZrOの含有量は、焼成−還元後における体積比率が、Ni:希土類元素が固溶したZrO(例えば、Ni:YSZ)が35:65〜65:35の範囲にあるのが好ましい。さらに、この燃料極層3の気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmであるのが好ましい。例えば、燃料極層4の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、後述する固体電解質層5と燃料極層4との間で熱膨張係数差等による剥離やクラックを生じるおそれがある。
固体電解質層5は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層5は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが5〜50μmであることが好ましい。
本発明の燃料電池セル1は、固体電解質層5と後述する空気極層7の間に、固体電解質層5と空気極層7との接合を強固とするとともに、固体電解質層5の成分と空気極層7の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で中間層6を備えている。
ここで、中間層6は、Ce(セリウム)と他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができ、例えば、(CeO1−x(REO1.5(REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数。)で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いることが好ましく、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeOからなることが好ましい。
また、本発明の燃料電池セル1は、中間層6の気孔率が40〜60%であり、平均気孔径が1〜3μmであることを特徴し、より好ましくは気孔率が50〜60%、平均気孔径が2〜3μmであることが好ましい。それにより、燃料電池セル1を構成する各部材の熱膨張差や還元処理に伴う変形により、中間層に設けられた平均気孔径が1〜3μmである多数の気孔により燃料電池セルの応力を効果的に緩和することができ、中間層6と空気極層7との剥離を抑制することができる。
なお、図示していないが、中間層6と固体電解質層5との間に、中間層6と固体電解質層5との接合を強化する目的で接合層を設けることもできる。それにより、接合層と中間層6との接合性が向上し中間層6と固体電解質層5との接合をより強固にすることができる。なお、接合層としては、セリウムを含んでなることが好ましく、例えば中間層6と同じ組成とすることもできる。
接合層を設けるにあたっては、固体電解質層5と同時焼成により設けることができる。なお、接合層を有する構成の燃料電池セルの作製にあたっては、固体電解質層5と接合層との同時焼成よりも200℃以上低い温度にて中間層6を焼成することが好ましい。なお、中間層6とは、第1空気極層7aと接合している層を示し、固体電解質層6と空気極層7との間に複数の層を設けた場合においても同様である。
空気極層7は、中間層6上に配置された第1空気極層7aと、第1空気極層7a上に配置された第2空気極層7bからなる。空気極層7(第1空気極層7aおよび第2空気極層7b)は、いわゆるABO型のペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなる導電性を有するセラミックスにより形成されるのが好ましく、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存するLaSrCoFeO系酸化物(例えばLaSrCoFeO)、LaMnO系酸化物(例えばLaSrMnO)、LaFeO系酸化物(例えばLaSrFeO)、LaCoO系酸化物(例えばLaSrCoO)の少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaSrCoFeO系酸化物が特に好ましい。なお、上記ペロブスカイト型酸化物においては、Bサイトに、Co(コバルト)とともにFe(鉄)やMn(マンガン)が存在しても良い。
具体的には、第2空気極層7bは、ガス透過性を有する必要があることから、気孔率が40%よりも大きい範囲、特に50〜70%の範囲にあることが好ましく、第1空気極層7aの気孔率は、第2空気極層7bよりも小さい気孔率とし、好ましくは30〜55%の範囲で適宜設定することができる。また、第1空気極層7aの気孔率は中間層6の気孔率以下とする。それにより、空気極層7に生じる応力を、中間層6にて緩和することができる。なお、集電性や接合強度の点から第1空気極層7aの気孔率の下限値は25%である。
なお、集電性という点から第1空気極層7aの厚みは5〜50μm、第2空気極層7bの厚みは30μm〜70μmであることが好ましく、空気極層7としての厚みは30〜100μmであることが好ましい。
また、導電性支持体2の空気極層7側と反対側の表面(一方の平坦面n)上には、密着層8を介してインターコネクタ9が積層されている。
インターコネクタ9は、導電性セラミックスにより形成されることが好ましいが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、耐還元性、耐酸化性を有する導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が使用され、特に導電性支持体2と固体電解質層5との熱膨張係数を近づける目的から、LaCrO系酸化物が用いられる。
また、インターコネクタ9の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜50μmであることが好ましい。この範囲よりも厚みが薄いと、ガスのリークを生じやすく、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがある。
さらに、導電性支持体2とインターコネクタ9との間には、インターコネクタ9と導電性支持体2との間の熱膨張係数差を軽減する等のために密着層8を設けることもできる。
密着層8は、例えば、希土類元素酸化物、希土類元素が固溶したZrO、希土類元素が固溶したCeOのうち少なくとも1種と、NiおよびNiOのうち少なくとも一方とから形成することができる。より具体的には、例えばYとNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成や、Yが固溶したZrO(YSZ)とNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成、Y、Sm、Gd等が固溶したCeOとNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成から形成することができる。なお、希土類元素酸化物や希土類元素が固溶したZrO(CeO)と、NiおよびNiOのうち少なくとも一方とは、焼成−還元後における体積比率が40:60〜60:40の範囲となるように形成することが好ましい。
また、図示していないが、インターコネクタ9の外面(上面)には、P型半導体層を設けることが好ましい。集電部材を、P型半導体層を介してインターコネクタ9に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくでき、集電性能の低下を有効に回避することが可能となる。
このようなP型半導体層としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
ところで、従来の燃料電池セルにおいては、燃料電池セルの作製時や燃料電池装置の作動時において、燃料電池セル1を構成する各部材の熱膨張差や還元処理に伴う変形により、燃料電池セルの内部に応力が生じ、中間層6と空気極層7(第1空気極層7a)とが剥離を生じる場合があり、燃料電池セルの長期信頼性が低下するおそれがあった。
それゆえ、図1に示す燃料電池セル1においては、中間層6の気孔率を40〜60%とし、平均気孔径を1〜3μmとすることにより、燃料電池セル1を構成する各部材の熱膨張差や還元処理に伴う変形により、燃料電池セル1の内部に応力が生じた場合においても、中間層6に設けられた平均気孔径が1〜3μmである多数の気孔により燃料電池セル1の応力を効果的に緩和することができ、中間層6と空気極層7との剥離を抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セル1とすることができる。
さらに、本発明の燃料電池セル1においては、第1空気極層7aの気孔率を、第1空気極層上7aに設けられた第2空気極層7bの気孔率よりも小さくすることで、高い集電性を保持しつつ、中間層6との接合面積を大きくすることができ、中間層6と空気極層7とが剥離を生じることを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池セル1においては、第1空気極層7aの気孔率を中間層6の気孔率以下とすることで、発電時に空気極層7が還元収縮した場合においても、中間層6が応力を緩和することができ、中間層6と空気極層7とが剥離を生じることをさらに抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セル1とすることができる。
以上説明した本発明の燃料電池セル1の作製方法について説明する。
先ず、NiおよびNiOの少なくとも一方の粉末と、Yなどの希土類酸化物の粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いて押出成形により導電性支持体成形体を作製し、これを乾燥する。なお、導電性支持体成形体として、導電性支持体成形体を900〜1000℃にて2〜6時間仮焼した仮焼体を用いてもよい。
次に、例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダーおよび溶媒を混合して燃料極層用スラリーを調製する。
さらに、希土類元素が固溶したZrO粉末に、トルエン、バインダー、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、7〜75μmの厚さに成形してシート状の固体電解質層成形体を作製する。得られたシート状の固体電解質層成形体上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層成形体が形成された積層体成形体を形成し、この積層体成形体を、燃料極層成形体を下面として導電性支持体成形体に積層する。
なお、燃料極層用スラリーを導電性支持体成形体の所定位置に塗布し乾燥して、固体電解質層成形体を導電性支持体成形体(燃料極層成形体)に積層しても良い。
続いて固体電解質層5と空気極層7との間に配置する中間層成形体を形成する。
例えば、GdO1.5が固溶したCeO粉末を800〜900℃にて2〜6時間、熱処理を行い、その後、湿式解砕して凝集度を5〜35に調整し、中間層成形体用の原料粉末を調整する。湿式解砕は溶媒を用いて10〜20時間ボールミルすることが望ましい。なお、中間層6をSmO1.5が固溶したCeO粉末より形成する場合も同様である。
そして、凝集度が調製された中間層成形体の原料粉末に、溶媒としてトルエンと、所定の気孔率となるように平均粒径が1〜3μmの造孔材とを添加して中間層用スラリーを作製し、このスラリーを固体電解質層成形体上に塗布して中間層成形体を作製する。なお、シート状の中間層成形体を作製し、これを固体電解質層成形体上に積層してもよい。なお、造孔材としては、一般的に知られるものを用いてよい。
続いて、インターコネクタ9用材料(例えば、LaCrMgO系酸化物粉末)、有機バインダー及び溶媒を混合してスラリーを調製し、インターコネクタ用シートを作製する。
続いて、導電性支持体2とインターコネクタ9との間に位置する密着層成形体を形成する。例えば、Yが固溶したZrOとNiOが体積比で40:60〜60:40の範囲となるように混合して乾燥し、有機バインダー等を加えて密着層用スラリーを調整する。調整した密着層用スラリーを、インターコネクタ用シートに塗布して密着層成形体を形成し、この密着層成形体側の面を導電性支持体成形体に積層する。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400〜1600℃にて2〜6時間、同時焼結(同時焼成)する。
なお、中間層6と固体電解質層5との間に接合層を設ける場合にあたり、接合層を中間層6と同じ組成より構成する場合には、上記の方法により調整された中間層成形体と同じ原料粉末と、トルエンとを添加して接合層用スラリーを作製し、固体電解質層成形体上に塗布して接合層成形体を作製する。続いて、導電性支持体成形体に、密着層成形体を積層し積層成形体を作製する。そして積層成形体を脱バインダー処理し、酸素雰囲気中、1400〜1600℃にて2〜6時間、同時焼成する。続いて、接合層の上面に、上述の中間層用スラリーを塗布した後、上記同時焼成時の温度よりも200℃以上低い温度にて焼成することで中間層6が積層された積層体を設けることができる。
続いて空気極層7を設けるにあたり、空気極層7を1層で構成する場合は、例えばLaCoO3系酸化物粉末と溶媒と造孔材とを含有するスラリーを固体電解質層5上にスクリーン印刷法にて塗布し、乾燥した後、1100〜1200℃にて1〜3時間焼成する。なお、造孔材としては、例えば5〜20μmの大きさ(径)を有する繊維状の形状のものを用いることができ、空気極層7が目的の気孔率となるように、20質量%以下の範囲で適宜加えることができる。
一方、空気極層7を2層で構成する場合は、まず第1空気極層7aの材料となる、例えば、LaSrCoFeO 系酸化物粉末と、溶媒と、造孔材とを含有するスラリーを固体電解質層5上にスクリーン印刷法にて塗布し、乾燥する。
続いて、第2空気極層7bの材料となる、例えば、LaSrCoFeO系酸化物粉末と、溶媒と、造孔剤とを含有するスラリーを、第1空気極層成形体上にスクリーン印刷法にて塗布し、乾燥した後、1100〜1200℃にて1〜3時間焼成する。なお、造孔材は、上述した造孔材を、第1空気極層7aおよび第2空気極層7bの目的とする気孔率に応じて適宜使用することができる。以上の工程により、燃料電池セル1を作製することができる。
以上のよう作製された本発明の燃料電池セル1は、中間層6の気孔率が40〜60%であるとともに、中間層6における平均気孔径が1〜3μmであることから、中間層6と空気極層7との剥離を抑制することができる。
なお、中間層6と空気極層7との剥離の有無を検出するにあたっては、燃料電池セル1のうち中間層6および空気極層7との界面が見えるように燃料電池セルを切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影して確認した。
剥離の有無を確認するにあたり、燃料電池セル1の切断する部位は任意でよく、また、1つの燃料電池セルにつき3〜10箇所の切断面を確認することが好ましい。観察する切断面を3箇所以上とすることで、より剥離の有無を検出するにあたって正確性を高めることができる。
また、本発明において気孔径とは、断面における気孔の面積を画像解析して求めた値が、円形であると仮定した場合のその円の直径と定義する。あわせて平均気孔径とは、任意の気孔10個における気孔径の平均値とする。
具体的には、燃料電池セル1を切断し、切断面をSEMにより撮影する。撮影した画像の中間層6における任意の気孔を10個選択する。選択したそれぞれの気孔の面積を求め、気孔の形状を円と仮定し、気孔の面積から円の直径を算出し、それぞれの気孔の気孔径を求める。求めたそれぞれの気孔における10個の気孔径を平均して平均気孔径とする。
気孔率は、燃料電池セル1を切断し、切断面をSEMにより撮影し、撮影した画像を2値化して、気孔を示す割合を全面積で除することにより求めることができる。
図2は、上述した燃料電池セル1の複数個を、集電部材13を介して電気的に直列に接続して構成されるセルスタック装置の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置11を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置11の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印にて示している。
なお、セルスタック装置11においては、各燃料電池セル1を集電部材14を介して配列することでセルスタック12を構成しており、各燃料電池セル1の下端が、燃料電池セル1に燃料ガスを供給するためのマニホールド15に、ガラスシール材等の接着剤により固定されている。また、燃料電池セル1の配列方向の両端から集電部材13を介してセルスタック12を挟持するように、マニホールド15に下端が固定された弾性変形可能な導電部材16を具備している。
また、図2に示す導電部材16においては、燃料電池セル1の配列方向に沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック12(燃料電池セル1)の発電により生じる電流を引出すための電流引出し部17が設けられている。
ここで、本発明のセルスタック装置11においては、上述した燃料電池セル1を用いて、セルスタック12を構成することにより、中間層6の気孔率が40〜60%であるとともに、中間層6における平均気孔径が1〜3μmであることから、中間層6に設けられた平均気孔径が1〜3μmである多数の気孔により燃料電池セル1の応力を効果的に緩和することができ、中間層6と空気極層7との剥離を抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セル1とすることができる。
図3は、本発明のセルスタック装置11を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュール18の一例を示す外観斜視図であり、直方体状の収納容器19の内部に、図4に示したセルスタック装置11を収納して構成されている。
なお、燃料電池セル1にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器20がセルスタック12の上方に配置されている。そして、改質器20で生成された燃料ガスは、ガス流通管21を介してマニホールド15に供給され、マニホールド15を介して燃料電池セル1の内部に設けられた燃料ガス流路3に供給される。
なお、図3においては、収納容器19の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置11および改質器20を後方に取り出した状態を示している。ここで、図3に示した燃料電池モジュール18においては、セルスタック装置11を、収納容器19内にスライドして収納することが可能である。なお、セルスタック装置11は、改質器20を含むものとしても良い。
また収納容器19の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材22は、図3においてはマニホールド15に並置されたセルスタック12の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル1の側方を下端部(一端部)から上端部(他端部)に向けて流れるように、燃料電池セル1の下端部に酸素含有ガスを供給する。そして、燃料電池セル1の燃料ガス流路3より排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル1の上端部側で燃焼させることにより、燃料電池セル1の温度を上昇させることができ、セルスタック装置11の起動を早めることができる。また、燃料電池セル1の上端部側にて、燃料電池セル1の燃料ガス流路から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、燃料電池セル1(セルスタック12)の上方に配置された改質器20を効率よく温めることができる。それにより、改質器20で効率よく改質反応を行うことができる。
さらに、本発明の燃料電池モジュール18においても、長期信頼性が向上した燃料電池セル1を用いて構成されるセルスタック装置11を収納容器19内に収納してなることから、長期信頼性が向上した燃料電池モジュール18とすることができる。
図4は、外装ケース内に図3で示した燃料電池モジュール18と、燃料電池セルスタック装置11を動作させるための補機とを収納してなる本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図4においては一部構成を省略して示している。
図4に示す燃料電池装置23は、支柱24と外装板25から構成される外装ケース内を仕切板26により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール18を収納するモジュール収納室27とし、下方側を燃料電池モジュール18を動作させるための補機類を収納する補機収納室28として構成されている。なお、補機収納室28に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板26には、補機収納室28の空気をモジュール収納室27側に流すための空気流通口29が設けられており、モジュール収納室27を構成する外装板25の一部に、モジュール収納室27内の空気を排気するための排気口30が設けられている。
このような燃料電池装置23においては、上述したように、長期信頼性を向上することができる燃料電池モジュール18をモジュール収納室27に収納して構成されることにより、長期信頼性の向上した燃料電池装置23とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の用紙を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成−還元後における体積比率が、NiOが48体積%、Yが52体積%になるように混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した坏土を押出成形法にて成形し、乾燥、脱脂して導電性支持体成形体を作製した。なお、試料No.1においては、Y粉末の焼成−還元後における体積比率が、NiOが45体積%、Yが55体積%となるようにした。
次に、8mol%のYが固溶したマイクロトラック法による粒径が0.8μmのZrO粉末(固体電解質層原料粉末)と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法にて厚み30μmの固体電解質層用シートを作製した。
次に平均粒径0.5μmのNiO粉末とYが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合した燃料極層用スラリーを作製し、固体電解質層用シート上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層成形体を形成し、燃料極層成形体側の面を下にして導電性支持体成形体の所定位置に積層して積層成形体を作製した。
続いて、上記のように成形体を積層した積層成形体を1000℃にて3時間仮焼処理して積層体仮焼体を作製した。
次に、CeOを85モル%、他の希土類元素の酸化物(GdO1.5)を15モル%含む複合酸化物を、溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて振動ミル又はボールミルにて粉砕し、900℃にて4時間仮焼処理を行い、再度ボールミルにて解砕処理し、セラミック粒子の凝集度を調整し、中間層用の原料粉末を得た。この粉末にアクリル系バインダーと、トルエンと、表1に記載した気孔率となるように造孔材とを適宜添加し、混合して作製した中間層用のスラリーを得られた積層仮焼体の固体電解質層仮焼体上に、スクリーン印刷法にて塗布し、中間層成形体を作製した。
次に、適宜粒径が調整されたNiO粉末と8mol%のYが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合した密着層用スラリーを作製した。
続いて、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒とを混合したインターコネクタ用スラリーを用いて、ドクターブレード法にて厚み30μmのインターコネクタ用シートを作製した。このインターコネクタ用シートの一方側表面に、上述の密着層用スラリーを塗布し、その密着層用スラリーを塗布した面を、燃料極層成形体および固体電解質層成形体が形成されていない導電性支持体成形体の他方側の平坦部上に積層した。
そして、これらの各層が積層された積層体を、大気中1510℃にて3時間同時焼成した。
次に、空気極層が1層構造の試料No.9を作製するにあたり、平均粒径2μmのLaSrCoFeOの粉末と、イソプロピルアルコールからなる混合液を作製し、積層焼結体の固体電解質層上に、スクリーン印刷法により塗布し、乾燥した。
なお、空気極層が2層構造の試料No.1〜8、10を作製するにあたっては、まず第1空気極層を、平均粒径2μmのLaSrCoFeOの粉末と、イソプロピルアルコールと、造孔材とからなる混合液を作製し、積層焼結体の固体電解質層上に、スクリーン印刷法により塗布、乾燥して、第1空気極層成形体を形成した。続いて第2空気極層を、平均粒径2μmのLaSrCoFeOの粉末と、イソプロピルアルコールと、造孔材とからなる混合液を作製し、第1空気極層上にスクリーン印刷法により塗布、乾燥して、第2空気極層成形体を形成した。その後、これらを1150℃にて2時間焼成した。なお、造孔材は表1に示す各試料の気孔率となるように適宜用いた。
なお、作製した燃料電池セルの寸法は25mm×200mmで、導電性支持体の厚み(平坦面n間の厚み)は2mm、気孔率35%、燃料極層の厚さは10μm、気孔率24%、第1空気極層の厚みは20μm、第2空気極層の厚みは50μm、固体電解質層の相対密度は97%であった。なお、空気極層が1層のみからなる試料No.9においては、空気極層の厚みは70μmであった。
ここで、各試料につき10個の燃料電池セルを作製し、燃料電池セルのうち、中間層および空気極層を含む任意の3箇所の断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、中間層と空気極層との剥離の有無を確認した。
Figure 0005489673
表1の結果より、本発明の範囲外である試料No.1、2、10は、10個中9個以上の燃料電池セルに中間層と空気極との剥離が生じていた。
一方、本発明である試料No.3、5においては、中間層と空気極層との剥離が生じた燃料電池セルは、10個中3個以下であった。



また、第1空気極層の気孔率が第2空気極層の気孔率より小さく、中間層の気孔率以下である試料No.3、5においては、中間層と空気極層との剥離が生じた燃料電池セルは、10個中1個以下であった。
さらに、中間層の気孔率を50〜60%とするとともに、中間層における平均気孔径が2〜3μmである試料No.6〜8においては、中間層と空気極層とに剥離が生じていなかった。
これにより、中間層の気孔率が40〜60%であるとともに、中間層における平均気孔径が1〜3μmとすることにより、中間層と空気極層との剥離が生じることを抑制できることがわかった。
また、第1空気極層の気孔率を、第2空気極層の気孔率よりも小さく、中間層の気孔率以下とすることにより、中間層と空気極層との剥離が生じることをさらに抑制できることがわかった。
1:燃料電池セル
2:導電性支持体
3:燃料ガス流路
4:燃料極層
5:固体電解質層
6:中間層
7:空気極層
7a:第1空気極層
7b:第2空気極層
8:密着層
9:インターコネクタ
11:セルスタック装置
18:燃料電池モジュール
23:燃料電池装置

Claims (5)

  1. 導電性支持体の表面に、インターコネクタを備えるとともに、該インターコネクタに隣接して、燃料極層、固体電解質層、中間層および空気極層がこの順に積層されてなる発電部を備える燃料電池セルであって、
    前記中間層の気孔率が40乃至60%であるとともに、該中間層における平均気孔径が1乃至3μmであり、
    前記空気極層が、前記中間層上に配置された第1空気極層と、該第1空気極層上に配置された第2空気極層とを有しており、
    前記第1空気極層の気孔率が、前記第2空気極層の気孔率よりも小さく、かつ前記中間層の気孔率以下であり、
    前記中間層の気孔率が、前記第2空気極層の気孔率よりも小さいことを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記第1空気極層の気孔率が30〜55%であり、前記第2空気極層の気孔率が50〜70%であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池セルを、集電部材を介して立設させた状態で複数個配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタックと、
    前記燃料電池セルの下端部を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを具備することを特徴とするセルスタック装置。
  4. 請求項に記載のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
  5. 請求項に記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
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