JP5487884B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Description
このような問題を解決するために、画像の重み付け合成が従来から用いられている。例えば、特許文献1では、2組の合成画像のうち、より明るい方の明度情報をもとに重みが変わる関数f、gを用意し、合成後の画像D0を、下式(1)により求めている。
D0=(D1×T2/T1)×f(D2)+D2×g(D2) ・・・(1)
また、特許文献2では、オーバーラップ領域(信号の80%〜100%)を予め設定しておき、2つの画像を合成する際に、より長い露光時間の画像がオーバーラップ領域に達している部分、即ちハイライト部分で、飽和しにくいより短い露光時間の画像との重み付け合成を行っている。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、多段露光によって得られた画像を重み付け合成するのに好適な画像処理装置、画像処理方法、撮像装置及び電子機器を提供できる。
上記のひとつの画像処理装置において、前記3種類以上の露光量で撮像された画像において、最小の露光量で撮像された画像を第3の画像とし、前記第3の画像の次に大きい露光量で撮像された画像を第4の画像としたときに、前記重み計算部において、前記第3の画像の重みが前記第4の画像の輝度を基に算出され、最大の露光量で撮像された画像を第5の画像とし、前記第5の画像の次に小さい露光量で撮像された画像を第6の画像としたときに、前記重み計算部において、前記第5の画像の重みが前記第6の画像の輝度を基に算出されることが好ましい。
上記のひとつの画像処理装置において、前記統計情報は、複数の前記画像合成の結果から求めた平均輝度であることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明にかかるひとつの画像処理方法は、3種類以上の露光量で被写体を撮像して得られた3種類以上の画像を用いた画像合成を行う画像処理方法であって、第1の画像の輝度と第2の画像の輝度とに基づき前記画像合成における前記第1の画像の重みを算出する重み計算のステップと、前記重み計算部において算出された重みを用いて前記画像合成を行う画像合成のステップと、前記画像合成の結果の画像から得られる統計情報により前記3種類以上の露光量を調整するための情報を生成する画像解析のステップと、を含み前記第1の画像の露光量は前記3種類以上の露光量において最小となる露光量以外並びに最大となる露光量以外の露光量であり、前記第2の画像の露光量は前記第1の画像の露光量よりも大きく、且つ、前記3種類以上の露光量の中で前記第1の画像の露光量の次に大きい露光量であることを特徴とする。
上記のひとつの画像処理方法において、前記3種類以上の露光量で撮像された画像において、最小の露光量で撮像された画像を第3の画像とし、前記第3の画像の次に大きい露光量で撮像された画像を第4の画像としたときに、前記重み計算のステップにおいて、前記第3の画像の重みが前記第4の画像の輝度を基に算出され、最大の露光量で撮像された画像を第5の画像とし、前記第5の画像の次に小さい露光量で撮像された画像を第6の画像としたときに、前記重み計算のステップにおいて、前記第5の画像の重みが前記第6の画像の輝度を基に算出されることが好ましい。
上記のひとつの画像処理方法において、前記統計情報は、複数の前記画像合成の結果から求めた平均輝度であることが好ましい。
〔形態1〕 上記目的を達成するために、形態1の画像処理装置は、
3種類以上の露光量で被写体を撮像して得られた3種類以上の画像のうち、第1の画像の輝度と、該第1の画像の次に露光量の大きい第2の画像の輝度とに基づき、該第1の画像に対して画像合成時に用いる重みを算出する重み算出手段と、
前記重み算出手段で算出した重みを用いて、前記3種類以上の画像の重み付け加算を行い、画像を合成する画像合成手段と、を備える。
例えば、4種類の露光量L1、L2、L3、L4(L1<L2<L3<L)で被写体を撮像して得られた画像S1〜S4について重みの算出を行う場合に、例えば、画像S2の重みについては、S2の輝度と、S3の輝度とに基づき重みが算出されることになる。
重みが算出されると、画像合成手段によって、算出した重みを用いて、3種類以上の画像の重み付け加算が行われ、画像が合成される。
以上のことから、合成する画像のうち、露光量の大きさが隣り合う2つの画像の明度に基づき露光量の小さい方の画像の重みを算出することができる。これにより、露光量の大きい方の画像の明度のみに基づき重みを算出するよりも滑らかな線形合成が可能になるという効果が得られる。
前記重み算出手段は、前記3種類以上の画像のうち、露光量が最小及び最大となる2種類の画像以外の画像について、前記第1の画像の輝度と、前記第2の画像の輝度とに基づき重みを算出する。
このような構成であれば、重み算出手段によって、露光量が最小及び最大となる2種類の画像を除く、残りの中間の露光量について、第1の画像の輝度と第2の画像の輝度とに基づき重みが算出される。
これにより、露光量の大きい方の画像の明度のみに基づき重みを算出するよりも滑らかな線形合成が可能になるという効果が得られる。
前記重み算出手段は、前記重みを、画像の輝度を要素xとし、関数値が輝度の大きさに応じて増加する関数F(x)によって算出した値を用いて算出する。
このような構成であれば、重み算出手段によって、輝度xの大きさに応じて増加する関数F(x)によって算出した値を用いて第1の画像に対する重みを算出することができる。
従って、露光量の大きい方の画像の明度のみに基づき重みを算出するよりも滑らかな線形合成が可能になるという効果が得られる。
前記重み算出手段は、前記関数として、前記要素xに対する算出値が、より急峻に変化する第1の関数F1(x)と、より緩やかに変化する第2の関数F2(x)とを切り替えて用いる。
このような構成であれば、重み算出手段によって、重みの算出に、第1の関数F1(x)と、第2の関数F2(x)とを切り替えて用いることができる。
つまり、より急峻に変化する関数F1(x)を用いた場合は、該当の画像の混合度合いをより強くすることができ、より緩やかに変化する関数F2(x)を用いた場合は、該当の画像の混合度合いをより弱くすることができる。
これによって、複数種類の画像の混合度合いを変化させることができ、より適切な重みを算出することができるという効果が得られる。
3種類以上の露光量で被写体を撮像して得られた3種類以上の画像のうち、第1の画像の輝度と、該第1の画像の次に露光量の大きい第2の画像の輝度とに基づき、該第1の画像に対して画像合成時に用いる重みを算出する重み算出ステップと、
前記重み算出ステップで算出した重みを用いて、前記3種類以上の画像の重み付け加算を行い、画像を合成する画像合成ステップと、を含む。
このような構成であれば、形態1に記載の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
3種類以上の露光量で被写体を撮像して得られた3種類以上の画像のうち、第1の画像の輝度と、該第1の画像の次に露光量の大きい第2の画像の輝度とに基づき、該第1の画像に対して画像合成時に用いる重みを算出する重み算出ステップと、
前記重み算出ステップで算出した重みを用いて、前記3種類以上の画像の重み付け加算を行い、画像を合成する画像合成ステップとを有する処理をコンピューターに実行させるためのプログラムを含む。
このような構成であれば、コンピューターによってプログラムが実行されると、形態1に記載の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
N種類(Nは3以上の自然数)の露光量で被写体を撮像する撮像手段と、
形態1乃至4のいずれか1に記載の画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、前記撮像手段で撮像して得られたN種類の露光量に対応するN種類の画像のうち、少なくとも画像合成に用いる3種類以上の画像について、前記第1の画像に対する重みを算出する。
このような構成であれば、形態1に記載の画像処理装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態8〕 また、上記目的を達成するために、形態6の電子機器は、
形態7に記載の撮像装置を備える。
このような構成であれば、形態7に記載の撮像装置と同等の作用及び効果が得られる。
まず、本発明に係る撮像装置の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る撮像装置1の構成を示すブロック図である。
撮像装置1は、図1に示すように、撮像素子10と、SW(スイッチ)11と、第1〜第4メモリ12〜15と、映像信号処理部16と、フレームメモリ17と、制御部18と、画像解析部19と、操作部20とを含んで構成される。
撮像素子10は、複数種類の露光量で被写体を撮像する機能を有し、図2(a)に示すように、レンズ10aと、マイクロレンズ10bと、カラーフィルタアレイ10cと、HDRセンサ10dとを含んで構成される。
レンズ10aは、被写体からの反射光を集光して、マイクロレンズへと導くものである。なお、撮像条件などに応じて、単焦点レンズ、ズームレンズ、オートアイリスレンズなどの種類がある。
カラーフィルタアレイ10cは、マイクロレンズ10bを透過した光から所定の1種類の色要素に対応する波長の光を分離して該分離した光を対応する各画素に入射するカラーフィルター部(以下、CF部と称す)を少なくとも画素数分含んで構成されるものである。
HDRセンサ10dは、図2(b)に示すように、基準タイミング発生器50と、走査ラインスキャナ54と、センサセルアレイ56と、水平転送部58とを含んで構成される。
基準タイミング発生器50は、制御部18からの垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、基準タイミング信号を発生し、これを走査ラインスキャナ54に出力する。
更に、走査ラインスキャナ54は、リセット後で且つ設定された露光時間T1〜T4の電荷の蓄積が行われたラインを画素信号の読出ラインとして有効にする読出しライン選択信号を生成する。そして、該生成した読出ライン選択信号をセンサセルアレイ56に出力する。
センサセルアレイ56は、CMOS技術を用いて構成された、受光素子(フォトダイオードなど)を含む複数のセンサセル(画素)が2次元マトリクス状に配設された構成の受光領域を備え、各画素のラインに対して、アドレス線、リセット線及び読出し線が共通に接続された構成を有している。
このような構成によって、センサセルアレイ56は、走査ラインスキャナ54から供給される選択信号に基づき、アドレス線により、リセット動作又は読出し動作を行わせる画素のラインを有効に(選択)する。そして、当該選択信号で選択したラインの各画素に対して、リセット動作を行わせる場合はリセット線を介してリセット動作を指示する信号を入力し、画素信号の読出しを行わせる場合は、読出し線を介して蓄積電荷の転送を指示する信号を入力する。更に、選択信号によって選択された各画素おいては、リセット動作を指示する信号が入力されたときはリセット動作が行われ、蓄積電荷の転送を指示する信号が入力されたときは、信号線を介して水平転送部58への蓄積電荷の転送が行われる。
図1に戻って、SW11は、撮像素子10から画像データS1〜S4が入力されると、これと対応して入力された識別信号に基づきスイッチを切り替え、第1〜第4メモリ12〜15のうち識別信号が示す露光時間に対応するメモリに、入力された画像データを出力する。具体的に、露光時間T1の画像データS1を第1メモリ12に、露光時間T2の画像データS2を第1メモリ13に、露光時間T3の画像データS3を第3メモリ14に、露光時間T4の画像データS4を第4メモリ15に出力する。
重み計算部16aは、露光時間T1〜T4に対応する画素データS1〜S4について、画像合成時に用いる重みW1〜W4(x,y)(以下、合成重みW1〜W4(x,y)と称す)を計算する機能を有している。
F(x)=(x/255)n ・・・(2)
W1(x,y)=F(S2(x,y)) ・・・(3)
W2(x,y)=F(S3(x,y))−W1
=F(S3(x,y))−F(S2(x,y)) ・・・(4)
W3(x,y)=F(S4(x,y))−W2−W1
=F(S4(x,y))−F(S3(x,y)) ・・・(5)
W4(x,y)=1−W3(x,y)−W2(x,y)−W1(x,y)
=1−F(S4(x,y)) ・・・(6)
なお、重み計算部16aは、上式(2)〜(6)に従って計算して得られた合成重みW1〜W4(x,y)の情報を、合成部16cに出力する。
正規化部16bは、メモリ12〜15からの画素データS1〜S4(x,y)及び制御部18からの露光比情報に基づき、画素データS1〜S4(x,y)の正規化処理を行う。本実施の形態において、露光比情報は、露光時間T1〜T4の情報となる。
N1(x,y)=S1(x,y)×T4/T1 ・・・(7)
N2(x,y)=S2(x,y)×T4/T2 ・・・(8)
N3(x,y)=S3(x,y)×T4/T3 ・・・(9)
N4(x,y)=S4(x,y)×T4/T4 ・・・(10)
なお、正規化部16bは、上式(7)〜(10)に従って計算して得られた正規化画素データN1〜N4(x,y)の情報を、合成部16cに出力する。
具体的に、本実施形態において、合成部16cは、下式(11)に基づき、正規化画素データN1〜N4(x,y)をW1〜W4(x,y)で重み付けしてから合成し、HDR画素データHDR(x,y)を生成する。
HDR(x,y)=W1(x,y)×N1(x,y)+W2(x,y)×N2(x,y)+W3(x,y)×N3(x,y)+W4(x,y)×N4(x,y)
・・・(11)
なお、合成部16cは、上式(11)に従って計算して得られたHDR画素データHDR(x,y)を、フレームメモリ17に格納する。
図1に戻って、フレームメモリ17は、映像信号処理部16において合成後のHDR画像データを記憶するメモリである。
更に、制御部18は、調整後の露光比に対応する露光比情報又は新規に生成した露光比情報に基づき露光量信号を生成し、生成した露光量信号及び各種制御信号を撮像素子10に送信する機能も有している。ここで、各種制御信号は、垂直同期信号、水平同期信号、ピクセルクロックなどを含む。
具体的に、本実施形態の撮像素子10は、制御部18から出力される露光量信号に応じた4種類の露光量L1〜L4に対応する露光時間T1〜T4で同一被写体を撮像する。
また、本実施形態では、制御部18は、撮像環境の明るさに応じて露光量比を最適な比となるように調整するようになっている。そのために、制御部18は、画像解析部19から得たHDR画像データの平均輝度Lavと、予め用意された高輝度側の閾値Lthと、低輝度側の閾値Ltlとをそれぞれ比較する。
操作部20は、撮像時、撮像画像の閲覧時、複数種類の撮像モードのうち任意のモードを選択時などにユーザによって操作されるもので、ユーザの操作内容に応じた情報を制御部18に出力する機能を有している。
本実施形態においては、センサセルアレイ56の露光領域(走査領域)に対して、露光時間T1の画素信号の非破壊読み出しを行う非破壊読み出しラインL1と、露光時間T2の画素信号の非破壊読み出しを行う非破壊読み出しラインL2とを設定する。更に、露光時間T3の画素信号の非破壊読み出しを行う非破壊読み出しラインL3を設定する。更に、各画素のラインの蓄積電荷のリセット及び露光時間T4の画素信号の読み出しを行う読み出し&リセットラインL4&Rを設定する。なお、T1〜T4の関係は、「T1<T2<T3<T4」となっている。そして、リセットされてから、まずT1経過時に非破壊読み出しラインL1が設定される。次にT2経過時に非破壊読み出しラインL2が設定され、次にT3経過時に非破壊読み出しラインL3が設定され、次にT4経過時に読み出し&リセットラインL4&Rが設定される。
撮像装置1の電源が投入されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、制御部18において、最短露光時間Tmin及び最長露光時間Tmaxの初期値を設定して、ステップS102に移行する。初期値の設定は、操作部20を介してユーザが入力又は選択した値を用いても良いし、標準露光時間として予め設定されている初期値を用いてもよい。
T2=(T12×T4)1/3 ・・・(12)
T3=(T1×T42)1/3 ・・・(13)
なお、センサセルアレイにおける1ラインの走査時間を水平同期信号の呼称であるHSYNCの頭文字を取り、1Hと表している。例えば、センサセルアレイの総ライン数500ラインに対して、フレームレートが30[fps]の場合は、1Hの期間は1/30秒を500ラインで除算した時間、つまり1/15000秒、換言すれば1/15ミリ秒(約67μ秒)となる。
なお、撮像処理が開始されると、撮像素子10は、制御部18からの露光量信号及び各種制御信号に基づき、露光量L1〜L4(露光時間T1〜T4)で被写体を撮像する。そして、撮像により得られた画像データS1〜S4を、第1〜第4メモリ12〜15に順次出力して、ステップS106に移行する。
ステップS108では、制御部18において、撮像処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し、そうでない場合(No)は、ステップS110に移行する。
露光比調整処理が実行されると、撮像素子10は、調整後の露光量信号に基づき、撮像処理を実行する。
ステップS106に移行すると、映像信号処理部16においてHDR合成処理が開始され、図6に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、映像信号処理部16において、第1〜第4メモリ12〜15から画素データS1〜S4を1ライン分取得して、ステップS202に移行する。
なお、本実施形態においては、画素データS1〜S4(x,y)は、輝度の情報(輝度値)と、画素の位置情報(行及び列の位置情報)とを含むデータであることとする。また、画素データS1〜S4が位置情報を持たず、映像信号処理部16において、水平同期信号及びピクセルクロックをカウントすることで、画素の位置情報を生成する構成としてもよい。
ステップS202では、映像信号処理部16において、1ライン分の画素データS1〜S4の中から、合成重みW1〜W4及び正規化画素データN1〜N4の計算処理が未処理の1画素分の画素データS1〜S4(x,y)を選択する。そして、選択した画素データS1〜S4(x,y)を正規化部16bに出力し、選択した画素データS1〜S4(x,y)のうちS2〜S4(x,y)を重み計算部16aに出力して、ステップS204に移行する。
ステップS206では、重み計算部16aにおいて、ステップS202で選択された画素データS3(x,y)に基づき、上式(2)から、まず、F(S3(x,y))を計算する。次に、該計算したF(S3(x,y))と、ステップS204で計算したF(S2(x,y))と、上式(4)とから、合成重みW2(x,y)として、「W2(x,y)=F(S3(x,y))−F(S2(x,y))」を計算して、ステップS208に移行する。
ステップS210では、重み計算部16aにおいて、ステップS208で計算したF(S4(x,y))と、上式(6)とから、合成重みW4(x,y)として、「W4(x,y)=1−F(S4(x,y))」を計算して、ステップS212に移行する。
なお、ステップS204〜S210において計算した合成重みW1〜W4(x,y)は、合成部16cに出力される。
なお、ステップS212〜S216で計算した正規化画素データN1〜N3(x,y)と、「N4(x,y)=S4(x,y)」である正規化画素データN4(x,y)とは、合成部16cに出力される。
具体的に、合成部16cは、上式(11)から、HDR画素データHDR(x,y)として、「HDR(x,y)=W1(x,y)×N1(x,y)+W2(x,y)×N2(x,y)+W3(x,y)×N3(x,y)+W4(x,y)×N4(x,y)」を計算する。
ステップS222では、映像信号処理部16において、1ライン分の画素データS1〜S4について、HDR合成処理が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(Yes)は、ステップS224に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS202に移行する。
なお、ステップS204〜S210の処理と、ステップS212〜S216の処理とは、順次行ってもよいし、並列に行ってもよい。
ステップS110に移行して、露光比調整処理が開始されると、図7に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、制御部18において、フレームメモリ17からHDR合成処理によって生成された1フレーム分(1画像分)のHDR画像データを取得し、取得したHDR画像データから平均輝度Lavを算出して、ステップS302に移行する。
ステップS304に移行した場合は、制御部18において、最短露光時間Tminを、予め設定された時間だけ減少して、ステップS306に移行する。つまり、撮像環境が比較的明るい状態であるので、白飛びしない画像を得るために最短露光時間Tminを減少する調整を行う。なお、減少する時間は、平均輝度に応じてその都度適切な値を算出するようにしてもよいし、平均輝度の大きさに対応する値をテーブルとして予め用意するようにしてもよい。
例えば、露光時間がT1〜T4の4種類の場合に、露光比情報として「T1:T2:T3:T4=Tmin(減):Tmid1(再):Tmid2(再):Tmax(初)」を生成する。なお、各露光時間の後ろに付した、(減)は減少調整後の、(再)は再計算後の、(初)は初期設定時の各露光時間であることを示す。更に、制御部18は、生成した露光比情報に基づき露光量信号を生成する。そして、生成した露光比情報を映像信号処理部16に出力し、生成した露光量信号と各種制御信号とを撮像素子10に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
例えば、露光時間がT1〜T4の4種類の場合に、露光比情報は、「T1:T2:T3:T4=Tmin(初):Tmid1(再):Tmid2(再):Tmax(増)」となる。なお、露光時間Tmaxの後ろに付した(増)は増加調整後の露光時間であることを示す。更に、制御部18は、生成した露光比情報に基づき露光量信号を生成する。そして、生成した露光比情報を映像信号処理部16に出力し、生成した露光量信号と各種制御信号とを撮像素子10に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
ステップS316では、制御部18において、ステップS314で設定されたTmin及びTmaxを用いて、中間露光時間Tmidを再計算し、再計算したTmidと、初期設定時のTmin及び増加後のTmaxとに基づき露光比情報を生成する。
ここで、図8(a)〜(d)は、比率が均等となるように決定された露光時間T1〜T4における入射光に対する応答信号S1〜S4の一例を示す図である。また、図9(a)〜(d)は、入射光に対する合成重みW1〜W4の一例を示す図である。また、図10は、図9(a)〜(d)を重ねて表示した図である。また、図11は、図8(a)〜(d)における入射光の軸を対数で表した場合の図である。
具体的に、まず、操作部20を介したユーザからの指示又は予め設定された値に基づき、露光時間T1及びT3の初期値が設定される(ステップS100)。ここでは、初期値として、「T1=2H、T4=500H」が設定されたとする。
更に、制御部18は、露光比情報「T1:T2:T3:T4=2:13:79:500」の情報を含む露光量信号を生成し、生成した露光比情報を映像信号処理部16に出力し、生成した露光量信号及び各種制御信号を撮像素子10に送信する。
引き続き、撮像素子10において、被写体の撮像が開始されると、被写体から反射された光は、レンズ10aで集光されてマイクロレンズ10bに入射される。レンズ10aからの入射光は、マイクロレンズ10bにおいて平行化されて、カラーフィルタアレイ10cを介してセンサセルアレイの各画素に入射される。
以降、撮像が行われている間は、上記の手順でL1〜L3&Rの設定、画素信号S1〜S3の読み出し及びリセット処理が繰り返し行われる。
上記のようにして、比率が略均等となる露光時間T1、T2、T3、T4で撮像して得られる画素信号S1〜S4は、図11に示すように、入射光を対数で表したグラフにおいて略均等な間隔で並ぶ。
HDR合成処理が開始されると、映像信号処理部16は、第1〜第4メモリ12〜15から、1ライン分の画素データS1〜S4を取得する(ステップS200)。
映像信号処理部16は、取得した1ライン分の画素データS1〜S4のうち、合成重みW1〜W4及び正規化画素データN1〜N4の計算処理が未処理の1画素分の画素データS1〜S4(x,y)を選択する。そして、画素データS2〜S4(x,y)を重み計算部16aに出力し、画素データS1〜S4(x,y)を正規化部16bに出力する(ステップS202)。
例えば、画素データS2(x,y)の輝度値が「10」であるとする。また、ここでは、上式(2)におけるnを「2」とする。この場合は、「F(S2(x,y))=(10/255)2≒1.538×10-3」となり、上式(3)から、「W1(x,y)=1.538×10-3」となる。
ここで、合成重みW1(x,y)は、図9(a)に示すように、入射光量が少ないうちは比較的緩やかに変化し、ある入射光量を境に一定値となる。換言すると、S2(x,y)の明度(輝度値)が大きいほどW1(x,y)は大きくなり、S2(x,y)の明度が飽和状態となる明度のときにW1(x,y)は最大となる。
ここで、合成重みW2(x,y)は、図9(b)に示すように、入射光量に対して、W1(x,y)と比較して急峻に上昇し、ある入射光量を境に低下する。換言すると、S3(x,y)の明度(輝度値)が大きいほどW2(x,y)は大きくなるが、S2(x,y)の明度も大きいときはW2(x,y)は小さくなる。また、S2(x,y)、S3(x,y)が両方とも飽和しているときはW2(x,y)は最小値「0」となる。
ここで、合成重みW3(x,y)は、図9(c)に示すように、入射光量に対して、W2(x,y)と比較して急峻に上昇し、ある入射光量を境にW2(x,y)と比較して急峻に低下する。具体的に、S4(x,y)の明度(輝度値)が大きいほどW3(x,y)は大きくなるが、S3(x,y)の明度も大きいときはW3(x,y)は小さくなる。また、S3(x,y)、S4(x,y)が両方とも飽和しているときはW3(x,y)は最小値「0」となる。
例えば、上記数値例の値を用いた場合に、「W4=1−F(S4(x,y))=1−0.3706=0.6294」となる。
なお、重み計算部16aは、上記のようにして算出した合成重みW1〜W4(x,y)を、合成部16cに出力する。
具体的に、画素データS1(x,y)と、露光時間T1、T4とを、上式(7)に代入して、正規化画素データN1(x,y)として、「N1(x,y)=S1(x,y)×T4/T1」を計算する。
露光時間T1、T4として上記数値例を用い、画素データS1(x,y)の輝度値が「2」である場合に、「N1(x,y)=2×500/2=500」となる。
具体的に、画素データS2(x,y)と、露光時間T2、T4とを、上式(8)に代入して、正規化画素データN2(x,y)として、「N2(x,y)=S2(x,y)×T4/T2」を計算する。
露光時間T2、T4、画素データS2(x,y)として上記数値例を用いた場合に、「N2(x,y)=10×500/13≒385」となる。
具体的に、画素データS3(x,y)と、露光時間T3、T4とを、上式(9)に代入して、正規化画素データN3(x,y)として、「N3(x,y)=S3(x,y)×T4/T3」を計算する。
なお、露光時間T4を基準としているため、画素データS4(x,y)は、そのままの値を用いる(上式(10))。上記数値例で言うと、「N4(x,y)=160」となる。
なお、正規化部16bは、上記のようにして算出した正規化画素データN1〜N4(x,y)を、合成部16cに出力する。
具体的に、上式(11)に示すように、正規化画素データN1〜N4(x,y)を、合成重みW1〜W4で重み付けすると共に加算して、HDR画素データHDR(x,y)を計算する。つまり、HDR画素データHDR(x,y)として、「HDR(x,y)=W1(x,y)×N1(x,y)+W2(x,y)×N2(x,y)+W3(x,y)×N3(x,y)+W4(x,y)×N4(x,y)」を計算する。
上式(11)に上記各数値を代入すると、「HDR(x,y)=1.538×10-3×500+0.02307×385+0.3706×253+0.6294×160≒0.769+8.88+93.8+101≒204」となる。
上記のようにして、各画素の合成重みW1〜W4(x,y)、正規化画素データN1〜N4(x,y)、HDR画素データHDR(x,y)を順次計算する。このHDR合成処理は、1フレーム分の画素についてHDR合成処理が終了するまで行われる(ステップS222及びS224の「Yes」の分岐)。
露光比調整処理が開始されると、画像解析部19は、1フレーム分のHDR画素データを、フレームメモリ17から取得する。そして、取得したHDR画素データに基づき、撮像環境の明るさに係る統計情報として、1フレーム分の平均輝度Lavを算出し、算出したLavを制御部18に出力する(ステップS300)。なお、1フレーム分に限らず、複数フレーム分のHDR画素データを用いて複数フレーム分の平均輝度を算出するようにしてもよい。
制御部18は、画像解析部19から平均輝度Lavを取得すると、Lavと、高輝度側の閾値Lthとを比較し、LavがLthより大きいか否かを判定する。ここでは、高輝度側の閾値Lthを「192」、低輝度側の閾値Ltlを「64」とする。
つまり、S2に対する合成重みW2については、S2とその次に露光時間の長いS3の両方の明度(輝度値)を用いて計算するので、S2の明度だけ用いた場合と比較して、より自然で適切な合成重みW2を計算することができる。
同様に、S3に対する合成重みW3については、S3とその次に露光時間の長いS4の両方の明度(輝度値)を用いて計算するので、S3の明度だけ用いた場合と比較して、より自然で適切な合成重みW3を計算することができる。
これによって、HDR合成処理で用いる画素データS1〜S4の露光量の比が常に一定となるため、暗部から明部に渡って、輝度が均等になり且つノイズの少ない合成画像を得ることができる。
更に、撮像環境が明るいと判断された場合は、最短露光時間Tmin(T1)を減少させる調整を行い、撮像環境が暗いと判断された場合は、最長露光時間Tmax(T4)を増加させる調整を行うことができる。
これによって、露光量比(露光時間比)を、撮像環境の明るさに適した露光量比に自動で調整することができる。
上記実施形態において、撮像素子10及び制御部18は、形態7に記載の撮像手段に対応し、重み計算部16aは、形態1乃至4のいずれか1に記載の重み算出手段に対応し、正規化部16b及び合成部16cは、形態1に記載の画像合成手段に対応する。
なお、上記実施形態における、撮像装置1は、表示装置、メモリ装置等の不図示の他の装置と組み合わせて、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子機器を構成することが可能である。
また、上記実施形態において、合成重みを用いるときに、上式(2)に示す関数F(x)を用いた構成を例に挙げたが、この構成に限らない。
また、上記実施形態において、比率が均等となる複数種類の露光量を、露光時間を制御することで実現する構成としたが、この構成に限らず、撮像素子10の機能に応じて、例えば、アイリス(絞り)や、撮像感度などを制御して実現する構成としてもよい。
また、上記実施形態において、撮像素子10のHDRセンサ10dが、CMOS技術を用いて構成されたセンサセルアレイ56を有する構成としたが、この構成に限らない。例えば、CCDから構成されるセンサセルアレイを有する構成など他の構成としてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 3種類以上の露光量で被写体を撮像して得られた3種類以上の画像を用いた画像合成を行う画像処理装置であって、
第1の画像の輝度と第2の画像の輝度とに基づき前記画像合成における前記第1の画像の重みを算出する重み計算部と、
前記重み計算部において算出された重みを用いて前記画像合成を行う画像合成部と、
前記画像合成の結果の画像から得られる統計情報により前記3種類以上の露光量を調整するための情報を生成する画像解析部と、を含み
前記第1の画像の露光量は前記3種類以上の露光量において最小となる露光量以外及び最大となる露光量以外の露光量であり、
前記第2の画像の露光量は前記第1の画像の露光量よりも大きく、且つ、前記3種類以上の露光量の中で前記第1の画像の露光量の次に大きい露光量であることを特徴とする画像処理装置。 - 前記3種類以上の露光量で撮像された画像において、
最小の露光量で撮像された画像を第3の画像とし、前記第3の画像の次に大きい露光量で撮像された画像を第4の画像としたときに、
前記重み計算部において、前記第3の画像の重みが前記第4の画像の輝度を基に算出され、
最大の露光量で撮像された画像を第5の画像としたときに、
前記重み計算部において、前記第5の画像の重みが前記3種類以上の露光量で撮像された画像のうち前記第3の画像以外の画像の輝度を基に算出されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記統計情報は、複数の前記画像合成の結果から求めた平均輝度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 3種類以上の露光量で被写体を撮像して得られた3種類以上の画像を用いた画像合成を行う画像処理方法であって、
第1の画像の輝度と第2の画像の輝度とに基づき前記画像合成における前記第1の画像の重みを算出する重み計算のステップと、
前記重み計算部において算出された重みを用いて前記画像合成を行う画像合成のステップと、
前記画像合成の結果の画像から得られる統計情報により前記3種類以上の露光量を調整するための情報を生成する画像解析のステップと、を含み
前記第1の画像の露光量は前記3種類以上の露光量において最小となる露光量以外並びに最大となる露光量以外の露光量であり、
前記第2の画像の露光量は前記第1の画像の露光量よりも大きく、且つ、前記3種類以上の露光量の中で前記第1の画像の露光量の次に大きい露光量であることを特徴とする画像処理方法。 - 前記3種類以上の露光量で撮像された画像において、
最小の露光量で撮像された画像を第3の画像とし、前記第3の画像の次に大きい露光量で撮像された画像を第4の画像としたときに、
前記重み計算のステップにおいて、前記第3の画像の重みが前記第4の画像の輝度を基に算出され、
最大の露光量で撮像された画像を第5の画像としたときに、
前記重み計算のステップにおいて、前記第5の画像の重みが前記3種類以上の露光量で撮像された画像のうち前記第3の画像以外の画像の輝度を基に算出されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。 - 前記統計情報は、複数の前記画像合成の結果から求めた平均輝度であることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理方法。
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