JP5476796B2 - ナノインプリントモールドおよびパターン形成方法 - Google Patents
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Description
上記のナノインプリント技術の一つの方法として、光インプリント法が知られている。この光インプリント法では、例えば、基材表面に光硬化性の樹脂層を形成し、この樹脂層に所望の凹凸構造を有するモールド(型部材)を圧着する。そして、この状態でモールド側から樹脂層に紫外線を照射して樹脂層を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から離型する。これにより、モールドが有する凹凸が反転した凹凸構造を被加工物である樹脂層に形成することができる(特許文献2)。このような光インプリント法は、従来のフォトリソグラフィ技術では形成が困難なナノメートルオーダーの微細パターンの形成が可能であり、次世代リソグラフィ技術として有望視されている。
一方、上記の特許文献4のような平行度の制御は、レーザー光をモールドの表面に照射するので、上記のような問題はなく、モールドの表面側に反射平面が存在し、その反射平面の厚みが、例えば、4mmを超えるような十分な厚みを有していれば、モールド表面の位置検出が可能である。このことを、図16を参照して説明する。モールド61が十分な厚みを有する場合には、モールド61に対して光源71から斜めに入射した入射光Aがモールド61の表面で反射された光(表面反射光B1)のピーク位置と、モールド61に入射して裏面で反射された光(反射戻り光B2)のピーク位置とが離れており、これらが光束位置検出器72で同時に検出されることはない。
f=exp(-x2/a2) +αexp(-(x-d)2/a2)
ここで、dは反射光と反射戻り光との位置ずれ量であり、
d=2Dcosθtan(sin-1(sinθ/ns))である
で表される系において、前記断面強度分布プロファイルの微分値が0となるXの値に1/(2tanθcosθ)を乗じた値が10μm以下となるような強度比αの範囲を求め、反射戻り光の強度が該強度比αの範囲を満たすような反射防止構造を備えるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された反射防止層からなり、該反射防止層の屈折率nは1.30以下であり、また、検出光の波長をλとしたときに、前記反射防止層の厚みLは、位相条件より、
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足するような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に反射防止層が積層されてなる2層構造であり、前記基材の裏面側に位置する反射防止層の屈折率は、前記基材の屈折率よりも大きいような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された光吸収層からなるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の内部に位置する低光透過率層であるような構成とした。
f=exp(-x 2 /a 2 ) +αexp(-(x-d) 2 /a 2 )
ここで、dは反射光と反射戻り光との位置ずれ量であり、
d=2Dcosθtan(sin -1 (sinθ/ns))である
で表される系において、前記断面強度分布プロファイルの微分値が0となるXの値に1/(2tanθcosθ)を乗じた値が10μm以下となるような強度比αの範囲を求め、反射戻り光の強度が該強度比αの範囲を満たすような反射防止構造を備えるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に設けた粗面部であるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された反射防止層からなり、該反射防止層の屈折率nは1.30以下であり、また、検出光の波長をλとしたときに、前記反射防止層の厚みLは、位相条件より、
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足するような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に反射防止層が積層されてなる2層構造であり、前記基材の裏面側に位置する反射防止層の屈折率は、前記基材の屈折率よりも大きいような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された光吸収層からなるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記光吸収層は、前記基材の屈折率との差が±12%以下である屈折率を有する材料からなり、かつ、検出光に対する吸光度が前記強度比αを満たすものであるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記反射防止部は、前記基材の内部に位置する低光透過率層であるような構成とした。
また、本発明のパターン形成方法は、モールドと被加工物との間の平行度を高い精度で確保することができるので、微細パターンを高い精度で形成することができる。
[ナノインプリントモールド]
図1は本発明のナノインプリントモールドの一実施形態を示す断面図である。図1において、ナノインプリントモールド1は、透明な基材2と、この基材2の表面2a側に形成された凹凸パターン3と、基材の裏面2b側に形成された反射防止部4とを有している。また、本発明のナノインプリントモールドは、図2に示すように、反射防止部4を基材2の内部に備えるものであってもよい。
f=exp(-x2/a2) +αexp(-(x-d)2/a2)
ここで、dは反射光と反射戻り光との位置ずれ量であり、
d=2Dcosθtan(sin-1(sinθ/ns))である
で表される系において、
断面強度分布プロファイルの微分値が0となるXの値に1/(2tanθcosθ)を乗じた値が10μm以下となるような強度比αの範囲を求め、反射戻り光の強度が該強度比αの範囲を満たすような反射防止構造を備えるものである。
ナノインプリントモールド1を構成する凹凸パターン3,13は、基材2,12の表面2a,12aに形成されたマイクロ〜ナノオーダーの微小な凹凸構造である。このような凹凸パターン3,13の寸法などは用途等に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。
尚、図7では、反射防止部4について説明しているが、反射防止部14も同様とすることができる。以下の図8〜図11を用いた反射防止部4についての説明においても同様である。
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足するように設定することができる。したがって、反射率が極小となる厚みは周期的に存在し、反射防止層22の厚みLは、極小となる厚みに対して、±0.03μm、好ましくは±0.02μmの範囲で適宜設定することができる。また、この位相条件では、ある厚みに対して、短波長側に反射率が極小となる波長が存在する。すなわち、反射防止層22は、屈折率と厚みを調整することによって多波長に対して薄膜干渉による低反射機能を発現することができる。したがって、検出光の波長が異なる複数のインプリント装置に対して使用することができる。
R=[1−ns(n2/n1)2]2/[1+ns(n2/n1)2]2
で与えられる。反射率Rを0とするためには、ns(n2/n1)2が1となるように材料を選択すればよい。ここでは、吸収が無視できる透明材料を用い、n1L1=n2L2=λ/4となる厚みで積層構造を形成した場合を記載したが、この条件に限定されず、薄膜の光学定数で定義される特性行列の計算によって、材料と厚みを適宜設定することができる。このような2層構造の反射防止部4は、それぞれ選択した材料を用いて、スピンコート等の塗布方法で塗布し乾燥(硬化)する方法、スパッタリング等の真空成膜法で形成することができる。
このように、光吸収層24の屈折率が基材2の屈折率に近く(屈折率整合している)、かつ、光吸収層24の吸光度が所定の範囲にあり、上述のような反射防止構造を有するので、低反射作用が発現される。したがって、検出光の波長が異なる複数のインプリント装置に対して使用することができる。
図12は、本発明のナノインプリントモールドの製造例を説明するための工程図である。まず、透明な基材2の裏面2b側に反射防止部4を形成する(図12(A))。使用する基材2は、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、パイレックス(登録商標)ガラス、青板ガラス、ソーダガラス、BK−7等を挙げることができる。基材2の厚みは4mm以下であり、用途などによって適宜設定することができ、また、厚みの下限は特に制限はなく、凹凸パターン3の形状、寸法や基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができる。
反射防止部4の形成は、上述の粗面部21、反射防止層22、内側反射防止層23、光吸収層24、低光透過率層25の説明で記述したように行うことができ、ここでの説明は省略する。
次いで、基材2に対して高さ検出光を照射し、高さ検出光が基材2の表面2aで反射された反射光(表面反射光のピーク位置)を検出して基材2の高さを検出し、検出した基材2の表面位置に適するように電子線のフォーカス位置を制御しながらレジスト膜7に対して電子線を照射して、所望のパターン潜像を形成する。
次に、レジスト膜7を現像してレジストパターン8を形成し(図12(C))、このレジストパターン8をマスクとして基材2に凹凸パターン3を形成する。その後、不要となったレジストパターン8とクロム薄膜6を除去することにより、ナノインプリントモールド1が得られる(図12(D))。レジストパターン8をマスクとした凹凸パターン3の形成は、例えば、化学エッチング、反応性イオンエッチング等を用いて行うことができる。凹凸パターンの寸法等は用途等に応じて適宜設定することができる。
尚、本発明のナノインプリントモールドは、凹凸パターン3の形成をエッチングではなく、基材2上に構造物を配設することによって行ってもよい。
次に、本発明のパターン形成方法の一例を図13〜図15を参照して説明する。
図13に示されるように、本発明のナノインプリントモールド1の裏面2b側を真空チャック31によって吸着保持してインプリント装置に装着する。図示例では、ナノインプリントモールド1は図1に例示されるものであり、基材2の裏面2b側に反射防止部4を備えている。また、基板42の表面に光硬化性の樹脂層43を備えた被加工物41を基板ステージ(図示せず)に載置する。図示例のインプリント装置では、照明光学系36からの紫外線を適切な部位に照射するために、ブラインド37が照明光学系36とナノインプリントモールド1との間に介在している。このインプリント装置は、一対の光源33と光束位置検出器34からなるモールド位置検出手段を複数対備えている。そして、インプリント装置に装着したモールド1の複数のポイントに光源33から検出光を照射し、モールド1の表面2aで反射した反射光を光束位置検出器34で検出して、モールド1の複数の測定ポイントでの表面位置情報(高さ、傾き)を得ることができる。このように検出光を照射して表面位置を測定する複数のポイントは、図3、図6に示されるように反射防止部が形成されており、モールドの基材に入射した光が裏面で反射されることを防止あるいは抑制することが可能な領域から任意に設定することができる。また、測定ポイントの数は2個以上、好ましくは4個以上であるが、特に制限はなく、表面位置の測定精度を高めるために、測定ポイントはモールドに均等に振り分けることが好ましい。
その後、図15に示されるように、ナノインプリントモールド1を樹脂層43から離型する。これにより、ナノインプリントモールド1が有する凹凸パターン3が反転した凹凸構造44が樹脂層43に転写形成される。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
厚み675μmの石英ガラス((株)アトック製 合成石英ウェーハ、屈折率1.45)をナノインプリントモールド用基材として準備した。この基材の裏面に機械研磨により粗面化を施して粗面部(反射防止部)を形成した。ここでは、粗面化処理の程度を変化させ、下記の表1に示されるような種々の平均粗さRaを有する粗面部を形成して、5種の基材を作製した。尚、平均粗さRaの測定は、アルバック社製 段差計測装置DEKTAK8000を用いて行った。
このような基材の表面には、例えば、図12を参照しながら上述したようにして凹凸パターンを形成し、本発明のナノインプリントモールドを製造することができる。但し、本実施例では、モールドの表面位置の検出精度を評価することを目的とし、このため凹凸パターンを形成せずに、反射防止部を形成した上記基材をナノインプリントモールドとみなして、下記のように、モールドの表面位置の検出を行った。以下の実施例においても同様である。
これに対して、粗面化処理を施していない試料1−1、平均粗さRaが0.4μm未満である試料1−2では、表面位置のズレ量ΔDが10μmを超えるものであった。
尚、比較試料は4mmを超える十分な厚みを有しているので、高い精度でモールドの表面位置検出が可能であった。
実施例1と同様の石英ガラスをナノインプリントモールド用基材として準備した。この基材の裏面にスピンコート法によりポーラスシリカナノ粒子分散液を塗布し成膜して反射防止層(反射防止部)を形成した。この反射防止層の屈折率は1.27であった。ここでは、反射防止層の厚みを変化させ、下記の表2に示される5種(試料2−2〜試料2−6)のナノインプリントモールド(凹凸パターンは形成せず)を作製した。すなわち、反射防止層の厚みLは、n=1.27で、検出光の波長をλ(680nm)としたときに、位相条件より、
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足するように設定することができるので、試料2−3〜試料2−5の反射防止層の厚みは、上記式を満足する反射防止層の厚みL(m=1のときL=0.135μm)に対して、±0.005μmの範囲で設定した。また、試料2−2と試料2−6は、上記式を満足する反射防止層の厚みLの±0.005μmの範囲から外れるように反射防止層の厚みを設定した。
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足する反射防止層の厚みLを設定した。
次に、各ナノインプリントモールドについて、実施例1と同様にして、合成光B″のピーク位置と表面反射光B1のピーク位置のズレ量d′、および、表面位置のズレ量ΔDを算出して、下記の表2に示した。
これに対して、反射防止層の厚みが上記式を満足する反射防止層の厚みLの±0.005μmの範囲から外れる試料2−2および試料2−6は、反射防止層を形成していない試料2−1に比べて表面位置のズレ量ΔDが小さいものの、その値は10μmを超えるものであった。
また、反射防止層の屈折率が1.30を超える試料2−7、2−8は、表面位置のズレ量ΔDが10μmを超えるものであった。
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足するように設定することができ、m=1では、反射防止層の厚みLは0.142μmとなり、このとき表面位置のズレ量ΔDは0μmとなる。したがって、反射防止膜は、振幅条件を満たす屈折率により近い材料を選択することが重要であり、このことは、上記の試料2−3〜試料2〜5、試料2−7の表面位置のズレ量ΔDに対する試料2−8の表面位置のズレ量ΔDの対比から明らかである。
実施例1と同様の石英ガラスをナノインプリントモールド用基材として準備した。この基材の裏面にスパッタリング法により、酸化マグネシウム(屈折率1.70)、または、クロム(屈折率2.51)を成膜して、1層目の反射防止層を形成した。次いで、この反射防止層上にスピンコート法によりテフロン(登録商標)AFを塗布し成膜して2層目の反射防止層(屈折率1.3)を形成し、2層構造の反射防止部として、2種(試料3−1〜試料3−2)のナノインプリントモールド(凹凸パターンは形成せず)を作製した。
2層構造の反射防止部の形成では、2層構造における振幅条件、および、位相条件を満たすよう薄膜の光学定数で定義される特性行列を用いて反射率を求めることにより、厚みを下記表3に示すように設定した。
次に、各ナノインプリントモールドについて、実施例1と同様にして、合成光B″のピーク位置と表面反射光B1のピーク位置のズレ量d′、および、表面位置のズレ量ΔDを算出して、下記の表3に示した。
実施例1と同様の石英ガラスをナノインプリントモールド用基材として準備した。この基材の裏面にスピンコート法により赤色吸収有機顔料色素を含む顔料レジストを塗布し成膜して光吸収層(反射防止部)を形成し、下記の表4に示される6種(試料4−2〜試料4−7)のナノインプリントモールド(凹凸パターンは形成せず)を作製した。ここでは、顔料レジストとして、吸収係数の異なる3種の顔料レジストを使用し、各顔料レジストに対して、光吸収層の厚みを変化させた。光吸収層の屈折率は何れの顔料レジストを用いたものであっても1.45であった。このように、光吸収層の屈折率を基材と同じ1.45としたので、光吸収層と基材との界面での反射率をほぼ0にすることができた。尚、各光吸収層の吸光度を下記の表4に示した。
また、基材の屈折率(1.45)と異なる屈折率を有する材料を用いて光吸収層を形成して2種(試料4−8、試料4−9)のナノインプリントモールド(凹凸パターンは形成せず)を作製した。尚、光吸収層の厚みは、試料4−8、試料4−9共に、光吸収能がほぼ飽和する5μmとした。
次に、各ナノインプリントモールドについて、実施例1と同様にして、合成光B″のピーク位置と表面反射光B1のピーク位置のズレ量d′、および、表面位置のズレ量ΔDを算出して、下記の表4に示した。
これに対して、光吸収層の吸光度が1.04未満である試料4−2、試料4−4、試料4−6は、光吸収層を形成していない試料4−1に比べて表面位置のズレ量ΔDが小さいものの、その値が10μmを超えるものであった。
また、光吸収層の屈折率が1.28〜1.62の範囲内(基材の屈折率1.45との差が±12%以下)である試料4−8は、表面位置のズレ量ΔDが10μm以下であり、極めて高い精度でモールドの表面位置を検出できることが確認された。
これに対して、反射防止層の屈折率が上記の範囲(基材の屈折率との差が±12%以下)から外れる試料4−9は、表面位置のズレ量ΔDが10μmを超えるものであった。
実施例1と同様の石英ガラスをナノインプリントモールド用基材として準備した。この基材の表面から、レーザー光を400μJのエネルギーで基材内部に収斂し絶縁破壊を発生させて低光透過率層(反射防止部)を深さ100〜500μmの位置に形成した。ここでは、レーザー照射条件を変化させて低光透過率層の厚みを制御することにより、光透過率が異なる4種(試料5−2〜試料5−5)のナノインプリントモールド(凹凸パターンは形成せず)を作製した。尚、基材の光透過率は、光透過率測定装置(大塚電子(株)製 MCPD)を用いて測定した。
次に、各ナノインプリントモールドについて、実施例1と同様にして、合成光B″のピーク位置と表面反射光B1のピーク位置のズレ量d′、および、表面位置のズレ量ΔDを算出して、下記の表5に示した。
これに対して、光透過率が上記の範囲から外れる試料5−2は、絶縁破壊層を形成していない試料5−1に比べて表面位置のズレ量ΔDが小さいものの、その値が10μmを超えるものであった。尚、光透過率5%未満のモールドは、極めて高い精度での表面位置検出が可能であるが、インプリント工程での転写樹脂硬化の時間が長くなりスループットが低くなるため、インプリントモールドとして適さないものであった。
2,12…基材
3,13…凹凸パターン
4,14…反射防止部
10A…パターン領域
10B…非パターン領域
21…粗面部
22…反射防止層
23a,23b…反射防止層
24…光吸収層
25…低光透過率層
Claims (15)
- 厚みが4mm以下である透明な基材と、該基材の表面側に形成された凹凸パターンと、反射防止部とを有し、該反射防止部は前記基材の裏面側の少なくとも一部の領域、あるいは前記基材の内部の少なくとも一部の領域に位置し、前記基材の表面は、前記凹凸パターンが形成されたパターン領域と、該パターン領域の周囲に位置する非パターン領域とに画定され、前記パターン領域は前記非パターン領域に対して凸状であり、前記反射防止部は前記パターン領域から前記基材に入射した検出光が反射して前記パターン領域から出射するのを防止することを特徴としたナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、検出光(ガウシアンビーム)の広がりをa、基材の表面への入射角をθとする光学的な基材の表面位置検出機構にて、基材表面から反射防止部までの厚さがD、基材の屈折率がnsであり、基材表面からの反射光と反射防止部と基材との界面あるいは基材裏面からの反射戻り光との強度比がαであり、合成されるガウシアンビームの断面強度分布が
f=exp(-x2/a2) +αexp(-(x-d)2/a2)
ここで、dは反射光と反射戻り光との位置ずれ量であり、
d=2Dcosθtan(sin-1(sinθ/ns))である
で表される系において、
前記断面強度分布プロファイルの微分値が0となるXの値に1/(2tanθcosθ)を乗じた値が10μm以下となるような強度比αの範囲を求め、反射戻り光の強度が該強度比αの範囲を満たすような反射防止構造を備えることを特徴とした請求項1に記載のナノインプリントモールド。 - 前記反射防止部は、前記基材の裏面に設けた粗面部であることを特徴とした請求項1または請求項2に記載のナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された反射防止層からなり、該反射防止層の屈折率nは1.30以下であり、また、検出光の波長をλとしたときに、前記反射防止層の厚みLは、位相条件より、
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足することを特徴とした請求項1または請求項2に記載のナノインプリントモールド。 - 前記反射防止部は、前記基材の裏面に反射防止層が積層されてなる2層構造であり、前記基材の裏面側に位置する反射防止層の屈折率は、前記基材の屈折率よりも大きいことを特徴とした請求項4に記載のナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された光吸収層からなることを特徴とした請求項1または請求項2に記載のナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、前記基材の内部に位置する低光透過率層であることを特徴とした請求項1または請求項2に記載のナノインプリントモールド。
- 厚みが4mm以下である透明な基材と、該基材の表面側に形成された凹凸パターンと、反射防止部とを有し、該反射防止部は前記基材の裏面側の少なくとも一部の領域、あるいは前記基材の内部の少なくとも一部の領域に位置し、
前記反射防止部は、検出光(ガウシアンビーム)の広がりをa、基材の表面への入射角をθとする光学的な基材の表面位置検出機構にて、基材表面から反射防止部までの厚さがD、基材の屈折率がnsであり、基材表面からの反射光と反射防止部と基材との界面あるいは基材裏面からの反射戻り光との強度比がαであり、合成されるガウシアンビームの断面強度分布が
f=exp(-x 2 /a 2 ) +αexp(-(x-d) 2 /a 2 )
ここで、dは反射光と反射戻り光との位置ずれ量であり、
d=2Dcosθtan(sin -1 (sinθ/ns))である
で表される系において、
前記断面強度分布プロファイルの微分値が0となるXの値に1/(2tanθcosθ)を乗じた値が10μm以下となるような強度比αの範囲を求め、反射戻り光の強度が該強度比αの範囲を満たすような反射防止構造を備えることを特徴としたナノインプリントモールド。 - 前記反射防止部は、前記基材の裏面に設けた粗面部であることを特徴とした請求項8に記載のナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された反射防止層からなり、該反射防止層の屈折率nは1.30以下であり、また、検出光の波長をλとしたときに、前記反射防止層の厚みLは、位相条件より、
nL=(2m−1)λ/4 (mは整数)
を満足することを特徴とした請求項8に記載のナノインプリントモールド。 - 前記反射防止部は、前記基材の裏面に反射防止層が積層されてなる2層構造であり、前記基材の裏面側に位置する反射防止層の屈折率は、前記基材の屈折率よりも大きいことを特徴とした請求項10に記載のナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、前記基材の裏面に配設された光吸収層からなることを特徴とした請求項8に記載のナノインプリントモールド。
- 前記光吸収層は、前記基材の屈折率との差が±12%以下である屈折率を有する材料からなり、かつ、検出光に対する吸光度が前記強度比αを満たすものであることを特徴とした請求項12に記載のナノインプリントモールド。
- 前記反射防止部は、前記基材の内部に位置する低光透過率層であることを特徴とした請求項8に記載のナノインプリントモールド。
- 基材表面に光硬化性の樹脂層を備えた被加工物と、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のナノインプリントモールドとの間の平行度を確保し、ナノインプリントモールドの凹凸パターン形成面を前記樹脂層に接触させ、この状態で前記ナノインプリントモールドを介して前記被加工物に紫外線を照射して前記樹脂層を硬化させ、その後、前記ナノインプリントモールドを前記樹脂層から離型することを特徴としたパターン形成方法。
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