以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。図1において、画像形成装置100(ここでは一例としてデジタル複合機を示す)では、コピー動作を行う場合、後述する画像読取装置6において原稿の画像データを読み取り画像信号に変換する。一方、複合機本体2内の画像形成部3において、帯電ユニット4により図中のA方向に回転する感光体ドラム5が一様に帯電され、画像読取装置6で読み取られた原稿画像データに基づく露光ユニット(レーザ走査ユニット等)7からのレーザビームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像ユニット8により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。この現像ユニット8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙が給紙機構10から用紙搬送路11及びレジストローラ対12を経由して画像形成部3に搬送され、この画像形成部3において転写ローラ13(画像転写部)により感光体ドラム5の表面におけるトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、定着ローラ対14aを有する定着部14に搬送されてトナー像が定着される。定着部14を通過した用紙は、複数方向に分岐した用紙搬送路15に送られて、用紙搬送路15の分岐点に設けられた複数の経路切換ガイドを有する経路切換機構21、22によって用紙の搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、用紙搬送路16に送られて両面コピーされた後に)、第1排出トレイ17a、第2排出トレイ17bから成る用紙排出部に排出される。
また、図示しないが、感光体ドラム5の表面の残留電荷を除去する除電装置がクリーニング装置18の下流側に設けられている。さらに、給紙機構10は、複合機本体2に着脱自在に取り付けられ、用紙を収納する複数の給紙カセット10a、10bと、その上方に設けられるスタックバイパス(手差しトレイ)10cと、を備えてなり、これらは用紙搬送路11によって感光体ドラム5及び現像ユニット8等からなる画像形成部3に繋がっている。
装置本体上部には、画像読取装置6が配置されており、装置本体上面には画像読取装置6のコンタクトガラス25(図2参照)上に載置される原稿を押さえて保持するプラテン(原稿押さえ)24が開閉可能に設けられており、プラテン24上には原稿搬送装置27が付設されている。
用紙搬送路15は、具体的には、定着ローラ対14aの下流側において、まず左右二股に分岐し、一方の経路(図1では右方向に分岐する経路)は第1排出トレイ17aに連通するように構成されている。そして、他方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は搬送ローラ対19を経由して二股に分岐し、一方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は第2排出トレイ17bに連通するように構成されている。これに対し、他方の経路(図1では下方向に分岐する経路)は用紙搬送路16に連通するように構成されている。
図2は、本実施形態に係る原稿搬送装置周辺の内部構造を示す側面断面図である。原稿搬送装置27は、複数枚の原稿を整合して積載する原稿ガイド29aを備えた原稿給紙トレイ29と、原稿給紙トレイ29の下方に設けられた反転トレイ30とを有し、原稿給紙トレイ29及び反転トレイ30は原稿搬送装置27のフレームに対して各々の部材が装着されている。また、原稿搬送装置27のフレームに対し一端(図の左下)を回動支点としてカバー部材31が開閉可能に支持されており、このカバー部材31の側方には原稿排出トレイ32がプラテン24の上面の一部に直付けで形成されている。カバー部材31内には原稿給紙トレイ29から原稿排出トレイ32に至る原稿搬送路dが形成されており、カバー部材31を開放することで原稿搬送路dを開放し、ジャム処理が可能となっている。
カバー部材31内には、原稿搬送路dに沿ってピックアップローラ33、給紙ベルト34及び分離ローラ35、レジストローラ対36、第1搬送ローラ対(第1の搬送ローラ対)38、第2搬送ローラ対(第2の搬送ローラ対)39、及び第3搬送ローラ対40、反転ローラ対42、排出ローラ対43等から成る原稿搬送部材が設けられている。給紙ベルト34は駆動ローラ44aと従動ローラ44bに掛け回されており、下方から分離ローラ35が所定の圧力で接触している。分離ローラ35にはトルクリミッタが内蔵されており、回転負荷が所定トルクを下回る場合のみ給紙ベルト34と逆方向に回転し、回転負荷が所定トルクを上回る場合には給紙ベルト34と従動回転するようになっている。ピックアップローラ33の上方には原稿の上面位置を検知する上面検知センサ50が配置されている。
コンタクトガラス25は、自動読取用ガラス25aと手置き原稿用ガラス25bから成構成されている。なお、原稿搬送路dはレジストローラ対36から自動読取用ガラス25aに至る間において反転するように湾曲している。また、原稿搬送路dには、原稿の存否或いは通過を検知するための給紙センサSa、排出センサSbを含む複数の用紙検知センサが適所に設けられている。
次に、原稿搬送装置27を用いたシートスルー方式の原稿搬送動作について説明する。シートスルー方式においては、原稿給紙トレイ29に画像面を上向きにして複数枚の原稿をセットした後、画像形成装置100の操作パネル(不図示)のコピー開始ボタンがオンされると、昇降機構(図示せず)により上昇したリフト板45が原稿を介してピックアップローラ33を押し上げ、ピックアップローラ33を含む枠体(図示せず)の重さがリフト板45に加わることにより、原稿の上面が所定の圧力(給紙圧)でピックアップローラ33に押しつけられる。
ここで、ピックアップローラ33、駆動ローラ44a、従動ローラ44b及び給紙ベルト34は、図示しない枠体に配置されている。また、ピックアップローラ33は駆動ローラ44aと不図示のギアで連結されており、ローラ駆動モータ(図示せず)により駆動ローラ44aが回転すると、駆動ローラ44aと従動ローラ44bとにより張架された給紙ベルト34が回転駆動されると共に、ピックアップローラ33も回転駆動される。
原稿給紙トレイ29にセットされた原稿は、ピックアップローラ33によって通常上段の複数枚が給紙ベルト34と分離ローラ35のニップ部に送られる。そして、複数枚の原稿のうち分離ローラ35により最上の1枚のみが分離されてレジストローラ対36に向けて搬送される。その際、原稿の先端が給紙センサSaによって検出されてから所定の距離だけその原稿が搬送された後、ローラ駆動モータの作動停止によってピックアップローラ33及び給紙ベルト34の回転駆動が停止され一次給紙が終了する。一次給紙された原稿は、その先端がレジストローラ対36のニップ部に撓みが形成された状態で停止させられる。
一次給紙が終了してから所定時間経過後、二次給紙が開始される。つまり、二次給紙駆動モータ(図示せず)の作動によりレジストローラ対36が回転駆動される。原稿は、レジストローラ対36、第1搬送ローラ対38、第2搬送ローラ対39により、自動読取用ガラス25aを経て排出ローラ対43に向けて搬送された後、最終的には排出ローラ対43によって原稿排出トレイ32上に排出される。その際、排出センサSbにより原稿の後端通過を検知したことによって、原稿1枚の画像読み取りの完了を検出するようになっている。
ここで排出センサSbは、原稿の搬送完了毎に原稿枚数を計数するカウント機能を有しており、給紙センサSaが後続の原稿を検知していれば、2枚目以降の原稿搬送が上記と同様に続行される。なお、原稿は、自動読取用ガラス25aを通過する際に、搬送ガイド(搬送ガイド部材)71に案内され、読取ガイド(読取ガイド部材)73と自動読取用ガラス25aとの隙間を通過することによって、上方から自動読取用ガラス25aに向けて軽く押圧されながら搬送され、その原稿の画像が自動読取用ガラス25aを通じて画像読取装置6(図1参照)により読み取られるようになっている。なお、搬送ガイド71及び読取ガイド73の詳細については後述する。
また、両面原稿を読み取る場合は、例えば、自動読取用ガラス25aで原稿表面の画像を読み取った後、分岐爪47a、47b、及び47cにより原稿を反転トレイ30に振り分け、反転ローラ対42を逆転させて、原稿の裏面を上にした状態で再びレジストローラ対36の上流側に搬送し、自動読取用ガラス25aで原稿裏面の画像を読み取る二段読み取り法を用いることができる。
なお、二段階読み取り法を用いる場合、読み取り終了後の原稿をそのまま原稿排出トレイ32に順次排出すると、排出された原稿は原稿給紙トレイ29にセットした状態と表裏が逆になって積載されることになる。そこで、自動読取用ガラス25aで原稿裏面の画像を読み取った後、分岐爪47a〜47cを揺動させて原稿を再び反転トレイ30上へ導入し、第3搬送ローラ対40及び排出ローラ対43を介して原稿排出トレイ32へ排出する。これにより、各原稿の表裏が排出前にもう一度反転されるため、原稿給紙トレイ29にセットした状態を保持したまま原稿排出トレイ32上へ積載することができる。
続いて、原稿の画像を電気信号として読み取るための画像読取装置6の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る画像読取装置の内部構造を示す側面断面図である。画像読取装置6のフレーム6a内には、原稿の画像面に向けて光を照射するランプ(光源)61と、このランプ61からの光を効率よく原稿の画像面に与えるための反射板62と、原稿反射光を直接に受けて反射させる第1ミラー63と、この第1ミラー63からの反射光を受けて反射させる第2ミラー64と、この第2ミラー64からの反射光を受けて反射させる第3ミラー65と、が配設されている。
また、この第3ミラー65からの反射光を導入して集光するレンズ群(不図示)を保持した鏡胴66と、この鏡胴66のレンズ群で集光された原稿反射光を受けて電気信号に変換する光電変換素子を備えたライン型のCCD(光電変換部材)センサ(画像読取部)67と、がベースプレート70上に配設されている。なお、原稿反射光の光路を一点鎖線で示す。
ここで、ランプ61、反射板62及び第1ミラー63は第1キャリッジ68上に一体的に固定され、また、第2ミラー64及び第3ミラー65は第2キャリッジ69上に一体的に固定されている。これらの第1及び第2キャリッジ68、69は、走査手段を構成しており、相互に独立しているが連携して往復移動可能になっている。
つまり、上記のシートスルー方式で原稿画像の読取動作が行われる際は、第1キャリッジ68が自動読取用ガラス25aの第1画像読取領域(画像読取領域)R1の直下に移動して保持されるとともに、第2キャリッジ69が所定位置に保持され、他方、原稿固定方式の際は、第1キャリッジ68と第2キャリッジ69は相互に原稿反射光の光路長を一定に維持しながら手置き原稿用ガラス25bの第2画像読取領域R2の下方を往復移動(走査移動)する。また、第1キャリッジ68及び第2キャリッジ69は、不図示のキャリッジ駆動モータにより駆動されるようになっている。
このような構成のもと、ランプ61から照射されて原稿の画像面で反射した原稿反射光は、第1ミラー63〜第3ミラー65で反射して鏡胴66内のレンズ群に導入され、レンズ群で集光されてCCDセンサ67上に結像する。そして、このCCDセンサ67で光電変換処理がなされ、原稿画像は電気信号として読み取られる。
図4は、搬送ガイド及び読取ガイド周辺の構成を示す側面断面図であり、図5は、搬送ガイドに対する読取ガイドの支持状態を示す斜視図である。図2と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、搬送ガイド71における原稿搬送方向(図の矢印方向)上流側端部には、第1搬送ローラ対38を構成する第1駆動ローラ38aが配置され、下流側端部には、第2搬送ローラ対39を構成する第2駆動ローラ39aが配置されている。また、第1従動ローラ38bは第1駆動ローラ38aに圧接されて両者は第1ニップ部N1(図7参照)を形成し、第2従動ローラ39bは第2駆動ローラ39aに圧接されて両者は第2ニップ部(ニップ部)N2(図7参照)を形成している。
搬送ガイド71の下端部における原稿搬送方向中央部は、装置本体の前後方向(原稿の幅方向、図4の紙面とは垂直方向)に沿って上方に凹んでおり、かかる凹部には、読取ガイド73が搬送ガイド71に沿って配置されている。また、読取ガイド73における第1画像読取領域R1(図2参照)と対向する対向面73dに対し上流側には第1従動コロ(第1の回転部材)77、下流側には第2従動コロ(第2の回転部材)78が設けられている。これら第1及び第2従動コロ77、78の詳細については後述する。
レジストローラ対36から搬送された原稿は、原稿搬送路dを第1搬送ローラ対38によって搬送され、読取ガイド73の上流側の第1従動コロ77に案内されて、読取ガイド73の対向面73dと自動読取用ガラス25aとの隙間を通過する。かかる隙間を通過した後、原稿は、下流側の第2従動コロ78に案内され、第2搬送ローラ対39によって排出ローラ対43(図2参照)へと搬送される。
図5に示すように、搬送ガイド71の前面側(図の手前側)端部において読取ガイド73の上方には、原稿搬送方向(図の矢印方向)に沿って前面側に突出する板状の支持部71aが形成されている。支持部71aには、下方に突出する弾性材料から成る弾性部71bが、原稿搬送方向に沿って2つ形成されている。
弾性部71bは、後述する突出部73aを挟んだ位置に形成されており、弾性部71bの先端にはそれぞれ、弾性部71b間の内側に突出すると共に下方に向かって尖った爪部71cが形成されている。また、爪部71cにはそれぞれ、上記内側に向かって且つ上方に向かって傾斜した第1傾斜部71caが突設されている。また、支持部71aにおいて弾性部71bの間には、下方に突出する略円柱状の案内部71dが形成されている。
一方、読取ガイド73の前面側端部において、搬送ガイド71の支持部71aの下方であって2つの弾性部71bに挟まれた位置には、原稿搬送方向に沿って前面側に突出する板状の突出部73aが形成されている。突出部73aの原稿搬送方向両端部は、弾性部71bと摺動可能となっており、突出部73aには、案内部71dが摺動可能に貫通する貫通孔73aaが形成されている。これにより、突出部73aは、案内部71dに案内されながら、弾性部71bに摺動可能に挟持される。なお、案内部71dと貫通孔73aaとの摺動によって突出部73aが案内されるため、突出部73aが弾性部71bに対して摺動することなく移動可能に挟持される構成とすることもできる。
また、突出部73aの原稿搬送方向両端部が爪部71cに対して下方から押圧されると、該両端部が爪部71cを外側に押圧し、かかる押圧によって弾性部71bが撓む。これにより、突出部73aは爪部71cよりも上方に配置され、かかる上方に配置された後は、爪部71cによって下方への移動が規制される。このように、突出部73aは、スナップフィットにより弾性部71bと係合される。
なお、突出部73aが爪部71cよりも上方に配置されると、突出部73aは、上記の通り、弾性部71bによって摺動可能に挟持される。また、突出部73aの爪部71cと対向する両端部には、下方に向かって、第1傾斜部71caと係合可能な第2傾斜部73abが突設されており、突出部73aが爪部71cと上方から当接する際、第1傾斜部71caと第2傾斜部73abとが係合する。
突出部73aには、下方に向かって補強部73bが突設されている。かかる補強部73bは、突出部73aから下方に突設されると共に読取ガイド73の前面側端部からも前面側に突設されている。これにより、突出部73aと爪部71cとの係合時の衝撃に対する耐久性を向上させることができる。
また、支持部71aと突出部73aとの間には、上下方向に沿って案内部71dの周面を囲んでコイルバネ75が配置されている。かかるコイルバネ75によって、突出部73aは支持部71aに対して離間する方向(下方)に付勢される。コイルバネ75の付勢力は、原稿搬送装置27をコンタクトガラス25(図1参照)に対して開けたとき、突出部73aが爪部71cと係合してその下方への移動を規制され、閉じたとき、上下方向において読取ガイド73と搬送ガイド71とが当接しないような力に設定されている。
また、読取ガイド73の対向面73dにおける前面側及び背面側端部には、突起部73cが下方に向かって突設されている。これにより、原稿搬送装置27をコンタクトガラス25に対して閉じると、突起部73cと自動読取用ガラス25aとが当接し、読取ガイド73の対向面73dと自動読取用ガラス25a(図4参照)との間隔を一定にすることができる。
なお、読取ガイド73の背面側端部には、不図示の係合突起が形成されており、かかる係合突起が搬送ガイド71の背面側端部に形成された不図示の係合孔と係合する(引っ掛かる)ようになっており、かかる係合した状態で、係合突起は係合孔に対して上下方向に移動可能となり、且つ不図示のコイルバネによって係合部に対して離間する方向に付勢されようになっている。
そして、まず、読取ガイド73の背面側端部に形成された上記係合突起(不図示)を、搬送ガイド71に形成された上記係合孔(不図示)に係合させる。次いで、案内部71dの周面を囲むようにコイルバネ75を挿入し、読取ガイド73の前面側端部を搬送ガイド71の前面側端部の下方から上方に移動させると、突出部73aが弾性部71bとスナップフィットにより係合すると共に、案内部71dが突出部73aの貫通孔73aaを貫通する。
これにより、弾性部71bに突出部73aが摺動可能に挟持され、搬送ガイド71に対して読取ガイド73を摺動可能に固定して、組み立てることができる。このようにして、搬送ガイド71に対して読取ガイド73が組み立てられるため、部品点数の削減や組立時の省略化を図ることができる。
また、原稿搬送装置27(図1参照)を閉じたときには、突起部73cが自動読取用ガラス25a(図4参照)と当接し、読取ガイド73の下方への移動が規制される。このとき、上下方向において読取ガイド73と搬送ガイド71とが近づくため、突出部73aは、支持部71aの下方において爪部71cよりも上方に配置される。
一方、原稿搬送装置27(図1参照)を開けたときには、コイルバネ75の付勢力と読取ガイド73の自重とにより、読取ガイド73が下方に移動するが、突出部73aが爪部71cと係合するため、読取ガイド73の下方への移動が規制される。このとき、突出部73aの第2傾斜部73abと爪部71cの第1傾斜部71caとが係合するため、読取ガイド73aの下方への移動がより確実に規制される。また、かかる係合により、経時的な組立不良を防止できる。
次に、第1従動コロ77及び第2従動コロ78の配置について説明する。図6は、第1従動コロ及び第2従動コロの配置状態を下方から示す斜視図であり、図7は、第1従動コロ及び第2従動コロの配置状態を示す側面断面図であり、図8は、第1従動コロの第1平面S1からの突出量を示す側面図である。図4及び図5と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、読取ガイド73において、対向面73dを挟んで原稿搬送方向(図の矢印方向)上流側には、原稿搬送方向とは垂直方向(原稿の幅方向、図の上下方向)に3つの第1従動コロ77a、77b及び77cが、前面側(図の上側)から背面側(図の下側)に向かって順に配置されており、原稿搬送方向下流側には、幅方向に3つの第2従動コロ78a、78b及び78cが、前面側から背面側に向かって順に配置されている。
第1従動コロ77a〜77cのうち、最も前面側の第1従動コロ77aと、最も背面側の第1従動コロ77cとは、幅方向に沿って直線L1上に配置され、中央に配置された第1従動コロ77bは、第1従動コロ77a、77cよりも下流側に配置されている。これにより、原稿の後端が第1従動コロ77a〜77cを通過する際、該第1従動コロ77a〜77cを幅方向に同時に通過しないため、かかる通過の際の原稿の搬送負荷の変動を幅方向に分散させて、搬送速度の変動を抑制することができる。
また、図7及び図8に示すように、第1従動コロ77a〜77cは、その周面がいずれも、対向面73dの原稿搬送方向上流側端縁73daと、搬送ガイド71の第1従動コロ77a〜77cとは直近する下端縁71eと、を結ぶ第1平面(第1の平面)S1よりも下方に突出している。また、第1従動コロ77a〜77cの周面の第1平面S1に対する突出量D(すなわち原稿との当たり量)は、略等しくなるように設定されている。
これにより、対向面73dよりも上流側において搬送される原稿と従動して第1従動コロ77a〜77cが回転するため、原稿の搬送負荷を低減することができる。また、原稿が各第1従動コロ77a〜77cに対して略同じ圧接力で圧接されるため、原稿の搬送状態の変動をより抑制することができる。
一方、第2従動コロ78a〜78cは、いずれも幅方向に沿って直線L2上に配置されている。また、第2従動コロ78a〜78cの周面が、対向面73dの原稿搬送方向下流側端縁73dbと、第2搬送ローラ対39の第2ニップ部N2と、を結ぶ第2平面(第2の平面)S2と重なるように、第2従動コロ78a〜78cが配置されている。
これにより、対向面73dよりも下流側において搬送される原稿と従動して第2従動コロ78a〜78cが回転するため、原稿の搬送負荷を低減することができる。なお、第2従動コロ78a〜78cの周面と第2平面S2との重なり量、すなわち、該周面の第2平面S2に対する突出量は、第2従動コロ78a〜78cの回転によって原稿の搬送負荷を低減することができ、且つ、第2従動コロ78a〜78cに引っ掛かって搬送負荷が増加しないような程度に、適宜設定することができる。
また、原稿の後端が第2従動コロ78a〜78cを通過する際には、原稿が第1画像読取領域R1(図2参照)を通過しているため、かかる第2従動コロ78a〜78cを搬送方向に異なる位置にずらして配置する必要は、特にはない。しかし、その他、原稿搬送状態等に応じて搬送方向にずらして配置することもできる。
次に、原稿の搬送状態について説明する。図9は、原稿が搬送される状態を示す側面断面図である。図5〜図7と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。図9に示すように、原稿が第1搬送ローラ対38の第1ニップ部N1に進入すると、第1搬送ローラ対38によって下流側に搬送され、さらに第1従動コロ77a〜77cにより案内されて、読取ガイド73の対向面73dと自動読取用ガラス25aとの隙間を通過し、かかる隙間を通過した後、第2従動コロ78a〜78cに案内されて第2搬送ローラ対39の第2ニップ部N2に進入し、第2搬送ローラ対39によって排出ローラ43へと搬送される。
このとき、通常、第2搬送ローラ対39の搬送速度(回転速度)の方が、第1搬送ローラ対38の搬送速度よりも大きく設定されているため、対向面73dの下流側端縁73dbと第2ニップ部N2との間の方が、対向面73dの上流側端縁73daと第1ニップ部N1との間よりも、原稿に対して大きな張力がかかる。
しかし、ここでは第2従動コロ78a〜78cを設けたため、対向面73dの下流側端縁73dbと第2ニップ部N2との間での搬送負荷を低減することができる。また、第1従動コロ77a〜77cを設けたため、原稿の後端が第1従動コロ77a〜77cを幅方向に同時に通過することを回避することができ、原稿の搬送速度の変動を抑制することができる。
加えて、対向面73dの上流側端縁73daと第1ニップ部N1との間では、第1従動コロ77a〜77cの周面の、第1平面S1に対する突出量が略等しいため、原稿に対する圧接力を略等しくすることができる。
上記した通り、搬送ガイド71において読取ガイド73を挟んで搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ、原稿を搬送するための第1及び第2搬送ローラ対38、39を設け、読取ガイド73において対向面73dを挟んで原稿搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ、回転可能に支持され、搬送される原稿と従動回転する第1及び第2従動コロ77、78を原稿の幅方向に複数設け、第1従動コロ77a〜77cのうち、第1従動コロ77bを、他の第1従動コロ77a、77cとは原稿搬送方向に異なる位置に配置したため、原稿搬送時に読取ガイド73との摩擦によって生じる搬送負荷を低減させることができる。
加えて、原稿の後端が第1従動コロ77a〜77cを幅方向に同時に通過しないため、かかる通過の際の原稿の搬送負荷の変動を幅方向に分散させることができ、原稿の搬送速度の変動を抑制することができる。これにより、原稿搬送時の搬送負荷を低減させると共に、原稿の搬送状態の変動を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、第1従動コロ77bを、第1従動コロ77a、77cとは原稿搬送方向に異なる位置に配置したが、第1従動コロ77a〜77cのうち少なくとも1つ以上を、他の従動コロとは異なる配置にすれば、原稿の後端が第1従動コロ77a〜77cを幅方向に同時に通過することを回避することができる。従って、第1従動コロ77a〜77cの配置は、原稿搬送方向に異なる位置に配置されていれば、その配置や数量は、特に限定されない。
また、かかる配置は、第1画像読取領域R1(図2参照)における原稿の幅方向(原稿搬送方向とは垂直方向)の通過位置に応じて適宜設定することができ、例えば中央寄せの場合には、本実施形態で示したように、第1従動コロ77bを他とは異なる位置に配置することもできる。また、かかる配置は、原稿搬送状態等に応じても適宜設定することができる。また、例えば、上記実施形態では、また、第1従動コロ77a〜77cの数量は、2つ以上であれば良く、原稿や原稿搬送装置27の大きさ等に応じて適宜設定できる。
また、本実施形態では、第1従動コロ77a〜77cをそれぞれ、対向面73dの原稿搬送方向上流側端縁73daと、搬送ガイド71の第1従動コロ77a〜77cとは直近する下端縁71eと、を結ぶ第1平面S1に対して下方に突出させ、且つ、該第1平面S1に対する突出量を略等しくしたため、原稿が各第1従動コロ77a〜77cに対して略同じ圧接力で圧接される。これにより、原稿の搬送状態の変動をより抑制することができる。しかし、かかる突出量は、原稿の搬送状態等に応じて適宜設定することができ、第1従動コロ77a〜77cそれぞれで異なるものとすることもできる。
また、本実施形態では、第2従動コロ78a〜78cを、幅方向に沿って配置し、且つ、第2従動コロ78a〜78cの周面が対向面73dの原稿搬送方向下流側端縁73dbと、第2搬送ローラ対39の第2ニップ部N2と、を結ぶ第2平面S2と重なる位置に配置したため、原稿の搬送負荷をより低減し、原稿の搬送状態の変動をより抑制することができる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。上記実施形態で用いた搬送ガイド71、読取ガイド73や、これらの組立状態等は、特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
また、上記実施形態においては、画像読取装置6として、ピックアップローラ33と給紙ベルト34とをユニット化したものを用いているが、ピックアップローラ33を給紙ベルト34と別個に設けても良い。また、給紙ベルト34に代えて給紙ローラを配置する構成や、分離ローラ35に代えて分離パッドを配置する構成も可能である。