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JP5450960B2 - モータ駆動装置およびそれを用いた冷却装置 - Google Patents

モータ駆動装置およびそれを用いた冷却装置 Download PDF

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JP5450960B2 JP2008012190A JP2008012190A JP5450960B2 JP 5450960 B2 JP5450960 B2 JP 5450960B2 JP 2008012190 A JP2008012190 A JP 2008012190A JP 2008012190 A JP2008012190 A JP 2008012190A JP 5450960 B2 JP5450960 B2 JP 5450960B2
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Description

本発明は、モータ駆動技術に関し、特にそのトルク制御技術に関する。
近年のパーソナルコンピュータやワークステーションの高速化にともない、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用LSI(Large Scale Integrated Circuit)の動作速度は上昇の一途をたどっている。
このようなLSIは、その動作速度、すなわちクロック周波数が高くなるにつれて発熱量も大きくなる。LSIからの発熱は、そのLSI自体を熱暴走に導いたり、あるいは周囲の回路に対して影響を及ぼすという問題がある。したがって、LSIの適切な熱冷却はきわめて重要な技術となっている。
LSIを冷却するための技術の一例として、冷却ファンによる空冷式の冷却方法がある。この方法においては、たとえば、LSIの表面に対向して冷却ファンを配設し、冷たい空気を冷却ファンによりLSI表面に吹き付ける。冷却ファンによるLSIの冷却に際して、LSI付近の温度をモニタし、その温度に応じてファンの回転を変化させることにより冷却の程度を調整することが行われている(特許文献1、2参照)。
特許文献3から5には、回転数の目標値に応じて、モータのトルクを適切に設定する駆動技術が開示される。
特開平7−31190号公報 特開2001−284868号公報 特開2007−68344号公報 特開2007−68347号公報 特開2007−68348号公報
本発明はこうした状況においてなされたものであり、その目的は、従来と異なる手法によってモータを駆動するためのモータ駆動装置、特に、トルクを指示する入力信号と、実際のモータのトルク(回転数)の関係をシフトさせることが可能なモータ駆動装置の提供にある。
本発明のある態様のモータ駆動装置は、モータの回転数を指示する入力信号に応じた電流によって一端の電位が固定された第1キャパシタを充放電する充放電回路と、第1キャパシタの電圧を所定のしきい値電圧と比較するコンパレータと、モータの回転と同期した周期信号のエッジとコンパレータから出力される比較信号のエッジのタイミングに応じたレベルを有する制御信号を生成するとともに、充放電回路の充放電状態を切りかえる制御信号生成部と、制御信号に応じたトルクでモータを駆動する駆動部と、を備える。
比較信号のエッジの間隔は、入力信号に応じて変化する。そこで比較信号と周期信号のエッジのタイミングに応じたレベルを有する制御信号を生成することにより、入力信号に応じた回転数でモータを駆動できる。
制御信号生成部は、周期信号の所定エッジと、コンパレータからの比較信号の所定エッジごとにレベルが遷移するパルス信号を生成するパルス生成部と、パルス生成部からのパルス信号のレベルに応じて、一端の電位の固定された第2キャパシタを充放電するチャージポンプ回路と、を含んでもよい。制御信号生成部は、チャージポンプ回路の第2キャパシタの他端の電位を、制御信号として出力してもよい。充放電回路は、パルス信号のレベルに応じて充電状態と放電状態を切りかえてもよい。
この場合、パルス信号を周期信号と同期させることができる。
制御信号生成部は、周期信号の所定エッジと、コンパレータからの比較信号の所定エッジごとにレベルが遷移するパルス信号を生成するパルス生成部と、積分アンプと、を含んでもよい。積分アンプは、一端にパルス信号が入力された入力抵抗と、反転入力端子に入力抵抗の他端が接続された演算増幅器と、演算増幅器の非反転入力端子と出力端子の間に設けられた帰還抵抗と、帰還抵抗と並列に設けられたキャパシタと、を含み、演算増幅器の出力端子の電位を制御信号として出力してもよい。充放電回路は、パルス信号のレベルに応じて充電状態と放電状態を切りかえてもよい。
この場合、パルス信号を周期信号と同期させることができる。
充放電回路は、入力信号に応じた第1電流を生成する第1電流源と、所定の第2電流を生成する第2電流源と、を含み、第1電流と第2電流を合成した電流によって第1キャパシタを充放電してもよい。
この場合、第2電流によって入力信号とトルク(回転数)の関係をシフトさせることができる。
第1電流源は、第1電流を所定の範囲に制限してもよい。この場合、トルクを制限することができる。
入力信号は、モータの回転数の目標値に応じたデューティ比を有するパルス変調された信号であり、モータ駆動装置は、入力信号を平滑化するフィルタをさらに備えてもよい。充放電回路は、フィルタにより平滑化された入力信号を電流に変換する電圧電流変換回路を含んでもよい。
この場合、CPUからは出力されるパルス変調された入力信号にもとづいてモータのトルクを設定できる。
モータ駆動装置は、フィルタを構成するシャントキャパシタを接続するためのキャパシタ端子をさらに備えてもよい。入力信号がアナログ電圧であるとき、キャパシタ端子から入力信号を入力可能に構成されてもよい。
この場合、入力信号が、サーミスタを利用して得られる温度に依存した電圧レベルを有するアナログ電圧の場合でもモータを駆動できる。
モータ駆動装置は、モータの回転数を指示する入力信号として、回転数に応じたデューティ比を有するデジタル信号と、回転数に応じた電圧レベルを有するアナログ電圧と、を受けてもよい。充放電回路は、2つの入力信号のうち、回転数を高める信号に応じた電流を生成し、第1キャパシタを充放電してもよい。
この場合、CPU(Central Processing Unit)やマイコンなどからのデジタル信号と、サーミスタなどにより生成されるアナログ電圧の両方にもとづいて回転数を制御できる。
本発明の別の態様もまた、モータ駆動装置である。この装置は、モータの回転数を指示する入力信号に応じたパルス幅を有し、かつモータの回転と同期した周期信号に応じた周期を有するパルス信号を生成するパルス生成部と、パルス信号のデューティ比に応じたレベルを有する制御信号を生成する時間電圧変換部と、制御信号に応じたトルクでモータを駆動する駆動部と、を備える。
この態様によると、パルス信号のデューティ比は、モータの回転数と入力信号に応じた値に設定される。このパルス信号に応じた制御信号を生成することにより、モータを入力信号に応じたトルクで駆動できる。
本発明のさらに別の態様は、冷却装置である。この装置は、ファンモータと、ファンモータを駆動する上述のいずれかのモータ駆動装置と、を備える。
この態様によれば、ファンモータの回転数を制御信号に応じて設定することができ、冷却対象を所望の程度で冷却することができる。
本発明のさらに別の態様は、モータ駆動方法である。この方法は、モータの回転数を指示する入力信号に応じた電流を生成するステップと、電流よって一端の電位が固定された第1キャパシタを充放電するステップと、第1キャパシタの電圧を所定のしきい値電圧と比較し、大小関係に応じたレベルを有する比較信号を生成するステップと、モータの回転と同期した周期信号のエッジと比較信号のエッジのタイミングに応じたレベルを有する制御信号を生成するステップと、モータの回転と同期した周期信号のエッジと比較信号のエッジのタイミングに応じて第1キャパシタの充放電状態を切りかえるステップと、制御信号に応じたトルクでモータを駆動するステップと、を備える。
本発明のさらに別の態様も、モータ駆動方法である。この方法は、モータの回転と同期した周期信号を生成するステップと、モータの回転数を指示する入力信号に応じたパルス幅を有するパルス信号を生成するステップと、周期信号の周期とパルス信号のパルス幅の時間比率に応じたレベルを有する制御信号を生成するステップと、制御信号に応じたトルクでモータを駆動するステップと、を備える。
本発明のさらに別の態様も、モータ駆動方法である。この方法は、モータの回転数を指示する入力信号に応じたパルス幅を有し、かつモータの回転と同期した周期信号に応じた周期を有するパルス信号を生成するステップと、パルス信号のデューティ比に応じたレベルを有する制御信号を生成するステップと、制御信号に応じたトルクでモータを駆動するステップと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係るモータ駆動装置により、モータを入力信号に応じた回転数で駆動できる。
本発明の実施の形態について、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの電子計算機に搭載され、CPUなどを冷却するためのファンモータを駆動させるためのファンモータ駆動装置を例に説明する。
はじめに、図1を参照して実施の形態に係るモータ駆動装置200全体の構成を説明する。図1は、実施の形態に係るモータ駆動装置200を含む冷却装置300の構成を示す。冷却装置300は、モータ駆動装置200およびファンモータ202を含む。ファンモータ202は、冷却対象のCPU(図示せず)に近接して配置されている。モータ駆動装置200は、ファンモータ202のトルク(回転数)を指示するための制御入力信号(以下、単に制御信号という)S1にもとづいてファンモータ202を駆動する。入力信号S1は、サーミスタなどを利用して得られる周囲温度Taに応じたアナログ電圧であってもよいし、CPUなどのホストプロセッサからのデジタル信号であってもよい。
モータ駆動装置200は、制御回路100とスイッチング回路102を含む。ファンモータ202は単相モータであって、スイッチング回路102はHブリッジ回路である。なおファンモータ202は多相モータであってもよく、この場合、スイッチング回路102の回路形式を適宜変更すればよい。
制御回路100は、入力信号S1にもとづいてスイッチング回路102のトランジスタM1〜M4を目標トルクに応じたデューティ比を有するパルス幅変調信号(以下、PWM信号)によってスイッチング駆動する。
制御回路100は、回転数制御回路10、駆動部40、バイアス回路70、ホールコンパレータ72を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化された機能ICである。スイッチング回路102は、制御回路100に集積化されてもよいし、外付けのディスクリート素子で構成されてもよい。
ホール素子104は、ファンモータ202のロータの位置に応じた信号レベルを有するホール信号H+、H−を生成し、制御回路100へと出力する。ホールコンパレータ72は、ホール信号H+、H−のレベルを比較し、ファンモータ202の回転と同期した周期信号(以下、FG信号と記す)を生成する。バイアス回路70はホール素子104に供給すべきバイアス電圧を生成する。抵抗R10、R11はホール素子104のバイアスレベルを調節するために設けられる。
回転数制御回路10は、入力信号S1およびFG信号にもとづいて、ファンモータ202のトルクに応じた電圧レベルを有するアナログの制御電圧Vcontを生成する。駆動部40は、制御電圧Vcontに応じたトルクが得られるように、スイッチング回路102を介してファンモータ202を駆動する。
駆動部40は、パルス幅変調器50、ロジック部56、プリドライバ58を含む。パルス幅変調器50は、制御電圧Vcontのレベルに応じたデューティ比を有するPWM信号Spwmを生成する。パルス幅変調器50は、三角波またはのこぎり波(ランプ波形)の周期電圧Voscを生成するオシレータ54と、周期電圧Voscと制御電圧Vcontを比較するPWMコンパレータ52を含んでもよい。PWMコンパレータ52の出力は、PWM信号Spwmとして後段のロジック部56に入力される。なお、パルス幅変調器50の構成は図1のそれに限定されない。
ロジック部56は、FG信号およびPWM信号Spwmにもとづいて、スイッチング回路102のトランジスタM1〜M4のゲートに与えるべき駆動信号Sd1〜Sd4を生成する。プリドライバ58は駆動信号Sd1〜Sd4を増幅し、トランジスタM1〜M4のゲートに供給する。
スイッチング回路102は、ファンモータ202のコイル電流の経路上に設けられた電流検出抵抗Rdを含む。検出抵抗Rdに生ずる電圧降下は、コイル電流に比例する。ロジック部56は検出抵抗Rdの電圧降下を監視して過電流保護やトルクの制御を行う。この機能は公知の技術を用いればよく、特に限定されない。
実施の形態に係るモータ駆動装置200は、FG信号および入力信号S1にもとづいて制御電圧Vcontを生成する回転数制御回路10に特徴を有している。以下、回転数制御回路10の構成について詳細に説明する。
図2は、実施の形態に係る回転数制御回路10の構成を示す回路図である。回転数制御回路10は、フィルタ12、充放電回路20、第1キャパシタC1、第1コンパレータCMP1、制御信号生成部30ならびに外付けされる周辺部品を含んで構成される。
入力信号S1がパルス変調されたデジタル信号である場合、入力信号S1は入力端子P1に与えられる。この場合の入力信号S1は、ファンモータ202の回転数(トルク)の目標値に応じたデューティ比を有する。フィルタ12は、入力信号S1を平滑化し、入力信号S1の平均レベル(デューティ比)に応じたレベルを有する直流電圧V1に変換する。フィルタ12は、インバータ14、バッファ16、抵抗R3、外付けされるキャパシタC3を含む。インバータ14は入力信号S1を反転する。抵抗R3およびキャパシタC3は、1次のローパスフィルタを構成しており、バッファ16の出力の高周波成分を除去し、直流電圧V1に変換する。入力信号S1のデューティ比が大きいほど、直流電圧V1は小さくなる。インバータ14を除外した場合、入力信号S1のデューティ比が大きいほど、直流電圧V1は大きくなる。したがって、インバータ14の有無によって、入力信号S1のデューティ比とトルクの関係を設定できる。
入力信号S1がトルクに応じたレベルを有するアナログの直流電圧(V1)である場合、キャパシタC3が接続されるキャパシタ端子P2に直接入力されてもよい。
第1キャパシタC1は一端が接地され、その電位が固定されている。充放電回路20は、モータの回転数を指示する入力信号S1に応じた電流Ictによって第1キャパシタC1を充放電する。
充放電回路20は第1キャパシタC1を充放電することにより、のこぎり波状の周期電圧Vctを生成する。
第1コンパレータCMP1は、第1キャパシタC1の電圧Vctを所定のしきい値電圧Vthと比較し、Vct>Vthのときハイレベル、Vct<Vthのときローレベルとなる比較信号S2を生成する。
制御信号生成部30は、ファンモータ202の回転と同期したFG信号(周期信号)のエッジと、第1コンパレータCMP1から出力される比較信号S2を受ける。制御信号生成部30は、2つの信号のエッジのタイミング(時間差)に応じた電圧レベルを有するアナログの制御電圧Vcontを生成する。さらに制御信号生成部30は、2つの比較信号S2およびFG信号のエッジを利用して充放電回路20の充放電状態を切りかえる。
制御信号生成部30は、パルス生成部32、チャージポンプ回路34を含む。パルス生成部32は、FG信号の所定エッジと、比較信号S2の所定エッジごとにレベルが遷移するパルス信号S3を生成する。FG信号の所定エッジは、ポジティブエッジ、ネガティブエッジのいずれかでもよいし、あるいは両エッジであってもよい。また比較信号S2の所定エッジは、ポジティブエッジ、ネガティブエッジのいずれでもよい。
たとえば、パルス生成部32は、FG信号の両エッジごとにパルス信号S3をハイレベルに遷移させ、比較信号S2のポジティブエッジごとにパルス信号S3をローレベルに遷移させる。
チャージポンプ回路34は、パルス生成部32からのパルス信号S3のレベルに応じて、一端の電位の固定された第2キャパシタC2を充放電する。たとえばチャージポンプ回路34はパルス信号S3がハイレベルのとき第2キャパシタC2を所定の充電電流Ichで充電し、ローレベルのとき第2キャパシタC2を所定の放電電流Idisで放電する。その結果、第2キャパシタC2には、パルス信号S3のデューティ比に応じた制御電圧Vcontが現れる。パルス信号S3のハイ期間が長いほど、つまりデューティ比が大きいほど、制御電圧Vcontは高くなる。
以上が回転数制御回路10および制御回路100の構成である。図3は、図2の回転数制御回路10の動作状態を示すタイムチャートである。図3のタイムチャートは、入力信号S1により指示されるトルクが第1の値のときの動作を実線で、第2の値のときの動作を破線で示す。
FG信号のエッジが現れると、パルス信号S3がハイレベルとなり、充放電回路20が第1キャパシタC1の充電を開始し、キャパシタ電圧Vctが上昇する。キャパシタ電圧Vctがしきい値電圧Vthに達すると、比較信号S2がハイレベルとなる。比較信号S2がハイレベルとなると、パルス信号S3がローレベルに遷移し充放電回路20は第1キャパシタC1の電荷を放電する。その結果、キャパシタ電圧Vctは低下する。次にFG信号のエッジが現れると、パルス信号S3が再びハイレベルとなる。回転数制御回路10は以上の動作を繰り返す。
入力信号S1のレベルが変化すると、充放電回路20の充電電流Ictが変化する。その結果、FG信号のエッジによって充電が開始されてから、キャパシタ電圧Vctがしきい値電圧Vthに達するまでの時間が変化する。その結果、パルス信号S3のパルス幅、すなわちデューティ比が、入力信号S1のレベルに応じて変化する。制御電圧Vcontは、パルス信号S3のデューティ比に応じて第2キャパシタC2を充放電することにより生成されるから、制御電圧Vcontの電圧値は、パルス信号S3のデューティ比に応じた値となる。
このように、実施の形態に係る回転数制御回路10によれば、FG信号と同期しながら、入力信号S1のレベルに応じた電圧レベルを有する制御電圧Vcontを生成することができ、ひいては入力信号S1に応じたトルクでファンモータ202を駆動できる。
図4は、入力信号S1のデューティ比とファンモータ202の回転数の関係(入出力特性)を示す図である。実施の形態では、入力信号S1のデューティ比が大きいほど、制御電圧Vcontの電圧レベルは低下する。駆動部40が、制御電圧Vcontが低いほど、高トルクでファンモータ202を駆動する場合、入力信号S1のデューティ比が大きいほど高トルク、高回転でファンモータ202が駆動される。図4には、第2電流I2の値を変化させたときの入出力特性が示されている。
なお、入力信号S1と制御電圧Vcontの大小関係が所望の関係を満たせばよく、入力信号S1のデューティ比と直流電圧V1の大小関係、直流電圧V1と第1電流I1の大小関係、第1電流I1と充電電流Ictの大小関係、パルス信号S3のデューティ比と制御電圧Vcontの大小関係は、それぞれ任意に設定すればよい。
以上が回転数制御回路10および制御回路100の構成および動作である。次に、各ブロックの詳細な構成および動作を説明する。
充放電回路20は、第1電流源22、第2電流源26、電流合成部29、充電スイッチSW1、放電スイッチM10を含む。
第1電流源22は、入力信号S1に応じた第1電流I1を生成する。充放電回路20は、充電状態において充電スイッチSW1をオンし、第1電流I1に応じた充電電流Ictを第1キャパシタC1に供給する。放電状態において、放電スイッチM10をオンし、第1キャパシタC1の電荷を放電する。
以上の基本構成に加えて、充放電回路20は以下の特徴を有する。
第2電流源26は、所定の第2電流I2を生成する。電流合成部29は、第1電流I1と第2電流I2を合成した電流を充電電流Ictとして出力する。
Ict=I2−I1
で与えられる。電流合成部29はカレントミラー回路などを利用して構成すればよく、その構成は任意である。
入力信号S1に応じた第1電流I1に、入力信号S1に依存しない第2電流I2を合成することにより、充電電流Ictをシフトさせることができる。詳しくは後述するが、その結果、第2電流I2の値に応じて、デューティ比とトルクの関係をシフトさせることができる。
第1電流源22は、第1演算増幅器24、バイポーラトランジスタQ1および外付けされる抵抗R1を含んで構成される。第1演算増幅器24の非反転入力端子には直流電圧V1が入力される。抵抗R1は、バイポーラトランジスタQ1のエミッタと接地端子間に接続される。第1演算増幅器24の反転入力端子は、バイポーラトランジスタQ1のエミッタと接続され、その出力端子はバイポーラトランジスタQ1のベースと接続される。その結果、バイポーラトランジスタQ1には、
I1=V1/R1
で与えられる第1電流が流れる。
図2の第1電流源22は、第1電流I1を所定の範囲に制限する機能を備える。このために、第1演算増幅器24は2つの非反転入力端子を備える。2つめの非反転入力端子には、クランプの目標値を設定するための電圧VCLが入力される。電圧VCLは、所定の電圧を抵抗R10、R11によって分圧して生成される。第1演算増幅器24は、2つの非反転入力端子の電圧のうち低い方と反転入力端子の電圧の誤差を増幅する。その結果、V1<VCLの領域では、I1=V1/R1となる。V1>VCLの領域では、I1は目標値ICL=VCL/R1にクランプされる。
第2電流源26は、第2演算増幅器28およびバイポーラトランジスタQ2および抵抗R2を含み、第1電流源22と同様に構成される。第2電流I2は、
I2=Vref/R2
で与えられる。
Ict=I2−I1が成り立つから、第1電流I1に上限値が設定されると、充電電流Ictの下限値は、I2−ICLに設定される。図3のタイムチャートから明らかなように、充電電流Ictの下限値を設定すると、パルス信号S3のオン時間(ハイレベルの期間)に上限値が設定される。その結果、制御電圧Vcontに上限値を設定でき、ファンモータ202のトルク(回転数)に下限を設定することができる。
論理レベルを反転すれば、トルクに上限を設定することも可能である。
充放電回路20を図2の構成とした場合、第1抵抗R1の抵抗値および第1キャパシタC1の容量値に応じて、図4の入出力特性の傾きを調節することができる。
また、図4に示すように、第2電流I2を変化させることにより、デューティ比とファンモータ202の回転数の関係をシフトすることができる。第2電流I2は、第2抵抗R2の抵抗値に応じて変化させることができる。つまり、R1とR2の大小関係に応じて、デューティ比と回転数の関係を調節できる。
いま、バッファ16の電源電圧Vddと、第2電流源26の基準電圧Vrefが等しいと仮定する。この場合、R1=R2に設定すれば、デューティ比が0%のときの第1電流I1と第2電流I2が等しくなるため、充電電流Ictは0となり、回転数を0に設定できる。
R2=R1/(1−A/100)に設定する場合、つまりR1<R2の場合、デューティ比がA%のときの回転数がデューティ比0%のときの回転数と一致するようにシフトする。
反対に、R2=R1/(1+B/100)に設定する場合、つまりR1>R2の場合、デューティ比がB%のとき、回転数が0%となるようにシフトする。
図3の回転数制御回路10によれば、第1抵抗R1、第2抵抗R2を変化させることにより入出力特性をシフトさせることができる。
図3の回転数制御回路10は、別の観点からみると、以下の構成を有する回路と把握することも可能である。
回転数制御回路10のパルス生成部36は、モータの回転数を指示する入力信号S1に応じたパルス幅を有するパルス信号S2を生成する。制御信号生成部30は、モータの回転と同期したFG信号の周期とパルス信号S2のパルス幅の時間比率に応じたレベルを有する制御電圧Vcontを生成する。駆動部40は、制御電圧Vcontに応じたトルクでファンモータ202を駆動する。
また別の観点によると、回転数制御回路10は、フィルタ12、パルス生成部36、時間電圧変換部38を備える。
フィルタ12は、入力信号S1を平滑化し、入力信号S1の平均レベル(デューティ比)に応じたレベルを有する直流電圧V1に変換する。パルス生成部36は、ファンモータ202の回転数を指示する入力信号S1に応じたパルス幅を有し、かつファンモータ202の回転と同期したFG信号に応じた周期を有するパルス信号S3を生成する。時間電圧変換部38は、パルス信号S3のデューティ比に応じたレベルを有する制御電圧Vcontを生成する。
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
図5は、変形例に係る制御信号生成部30aの構成を示す回路図である。図5の制御信号生成部30aは、図2のチャージポンプ回路34の代わりに積分アンプ回路34aを備えている。この積分アンプ回路34aは上述の時間電圧変換部38として認識することも可能である。積分アンプ回路34aは、演算増幅器35、入力抵抗R20、帰還抵抗R21、第2キャパシタC2aを備える。
入力抵抗R20は、一端が演算増幅器35の反転入力端子に接続され、他端にパルス信号S3が入力される。帰還抵抗R21は、演算増幅器35の反転入力端子と出力端子の間に設けられる。第2キャパシタC2aは帰還抵抗R21と並列に、回転数制御回路10に外付けされる。演算増幅器35の反転入力端子にはしきい値電圧Vth2が入力される。
積分アンプ回路34aは、パルス信号S3の電圧レベルがしきい値電圧Vth2より高いとき(ハイレベル期間T1という)、第2キャパシタC2aを充電し、しきい値電圧Vth2より低いとき(ローレベル期間T2という)、第2キャパシタC2aを放電する。積分アンプ回路34aは、しきい値電圧Vth2によってスライスされるパルス信号S3の上側と下側の面積が等しくなるように動作する。
その結果、ハイレベルの期間T1とローレベルの期間T2の時間比率に応じて、第2キャパシタC2aの充放電が行われ、パルス信号S3のデューティ比に応じたレベルを有する制御電圧Vcontを生成することができる。
図2の回転数制御回路10は、ファンモータ202の回転数(トルク)の目標値に応じたデューティ比を有するデジタルの入力信号S1、もしくは回転数の目標値に応じたレベルを有するアナログの直流電圧V1のいずれかを受けてファンモータ202を制御する構成としたが、以下の変形例を用いてもよい。
変形例において回転数制御回路10は、回転数を指示する入力信号として、デジタルの入力信号S1およびアナログの入力電圧V2を両方受ける。図6は、2つの入力信号を受ける回転数制御回路10の入力部を示す回路図である。入力部11は、フィルタ12および信号選択部13を備える。フィルタ12はデジタルの入力信号S1を平滑化して直流電圧V1を出力する。信号選択部13は、フィルタ12から出力される直流電圧V1と、外部から入力されるアナログの入力電圧V2を受ける。信号選択部13は、2つの電圧V1、V2のうち、回転数を高める電圧レベルを有する方を選択し第1電流源22へと出力する。信号選択部13の機能は、最大値回路もしくは最小値回路で実現することができ、あるいは、後段の第1演算増幅器24の非反転入力端子を増やして、それぞれに電圧V1、V2を入力することで実現でき、その方法は問わない。図6の変形例によれば、CPUからのデジタル制御と、サーミスタからの温度情報の両方を考慮してファンモータ202の回転数を制御できる。
実施の形態において、モータ駆動装置200を構成する素子はすべて一体集積化されていてもよく、または別の集積回路に分けて構成されていてもよく、さらにはその一部がディスクリート部品で構成されていてもよい。どの部分を集積化するかは、コストや占有面積、用途などに応じて決めればよい。
また、実施の形態において、冷却装置300を電子計算機に搭載してCPUを冷却する場合について説明したが、本発明の用途はこれには限定されず、発熱体を冷却するさまざまなアプリケーションに用いることができる。さらにいえば、本実施の形態に係るモータ駆動装置200の用途は、ファンモータの駆動に限定されるものではなく、その他の各種モータの駆動に用いることができる。
実施の形態に係るモータ駆動装置を含む冷却装置の構成を示す図である。 実施の形態に係る回転数制御回路の構成を示す回路図である。 図2の回転数制御回路の動作状態を示すタイムチャートである。 入力信号のデューティ比とファンモータの回転数の関係(入出力特性)を示す図である。 変形例に係る制御信号生成部の構成を示す回路図である。 2つの入力信号を受ける回転数制御回路の入力部を示す回路図である。
符号の説明
10…回転数制御回路、12…フィルタ、14…インバータ、16…バッファ、20…充放電回路、22…第1電流源、24…第1演算増幅器、26…第2電流源、28…第2演算増幅器、29…電流合成部、SW1…充電スイッチ、M10…放電スイッチ、CMP1…第1コンパレータ、30…制御信号生成部、32…パルス生成部、34…チャージポンプ回路、36…パルス生成部、38…時間電圧変換部、40…駆動部、50…パルス幅変調器、52…PWMコンパレータ、54…オシレータ、56…ロジック部、58…プリドライバ、100…制御回路、102…スイッチング回路、104…ホール素子、200…モータ駆動装置、202…ファンモータ、300…冷却装置、C1…第1キャパシタ、C2…第2キャパシタ、70…バイアス回路、72…ホールコンパレータ、S1…入力信号、S2…比較信号、S3…パルス信号。

Claims (6)

  1. モータの回転数を指示する入力信号に応じた充放電電流によって一端の電位の固定された第1キャパシタを充放電する充放電回路と、
    前記第1キャパシタの電圧を所定のしきい値電圧と比較するコンパレータと、
    前記モータの回転と同期した周期信号のエッジと前記コンパレータから出力される比較信号のエッジのタイミングに応じたレベルを有する制御信号を生成するとともに、前記充放電回路の充放電状態を切りかえる制御信号生成部と、
    前記制御信号に応じたトルクで前記モータを駆動する駆動部と、
    を備え、
    前記制御信号生成部は、
    前記周期信号の所定エッジと、前記コンパレータからの前記比較信号の所定エッジごとにレベルが遷移するパルス信号を生成するパルス生成部と、
    前記パルス生成部からのパルス信号のレベルに応じて、一端の電位の固定された第2キャパシタを充放電するチャージポンプ回路と、
    を含み、前記チャージポンプ回路の第2キャパシタの他端の電位を、前記制御信号として出力し、
    前記充放電回路は、
    前記入力信号に応じた第1電流を生成する第1電流源と、
    前記入力信号に依存せず、前記充放電電流をシフトさせるための所定の第2電流を生成する第2電流源と、
    を含み、前記第1電流と第2電流を合成することにより前記充放電電流を生成し、その充放電状態が、前記パルス信号のレベルに応じて切りかえられることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記第1電流源は、前記第1電流を所定の範囲に制限することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記入力信号は、モータの回転数の目標値に応じたデューティ比を有するパルス変調された信号であり、
    前記モータ駆動装置は、前記入力信号を平滑化するフィルタをさらに備え、
    前記第1電流源は、前記フィルタにより平滑化された前記入力信号を前記第1電流に変換する電圧電流変換回路を含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記フィルタを構成するシャントキャパシタを接続するためのキャパシタ端子をさらに備え、
    前記入力信号がアナログ電圧であるとき、前記キャパシタ端子から前記入力信号を入力可能に構成されることを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動装置。
  5. モータの回転数を指示する入力信号として、回転数に応じたデューティ比を有するデジタル信号と、回転数に応じた電圧レベルを有するアナログ電圧と、を受け、前記充放電回路は、2つの入力信号のうち、回転数を高める信号に応じて前記第1電流を生成し、前記第1キャパシタを充放電することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  6. ファンモータと、
    前記ファンモータを駆動する請求項1から5のいずれかに記載のモータ駆動装置と、
    を備えることを特徴とする冷却装置。
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