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JP5339396B1 - 電子部品搬送装置 - Google Patents

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JP5339396B1
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Abstract

電気特性をテストしようとする電子部品を予め所望の温度に加熱した後、電気特性をテストする電子部品搬送装置に関し、テストの信頼性を向上させた電子部品搬送装置を提供する。ヒーターユニット3とテストユニット2とを配置する。ヒーターユニット3は、電子部品Pを加熱する。テストユニット2は、加熱された電子部品Pの電気特性を検査する。ヒーターユニット3とテストユニット2は隣り合って搬送経路1R上に配置される。そして、ヒーターユニット3とテストユニット2との間の搬送経路1Rに、当該搬送経路1Rを囲み、電子部品Pを保温するユニット間保温カバー4を備える。

Description

本発明は、電気特性のテストに適した温度に電子部品を予め加熱してから、電気特性のテストを行う電子部品搬送装置に関する。
半導体素子等の電子部品は、ダイシング、マウンティング、ボンディング、及びシーリング等の各組み立て工程を経て個片に分離された後、各種検査等の後工程が行われる。後工程としては、マーキング処理、外観検査、電気特性検査、リード成形処理、電子部品の分類、又はこれら各処理の複合が挙げられる。
この後工程は、主に電子部品を工程処理ユニットに搬送する電子部品搬送装置によって実施される。電子部品搬送装置は、電子部品を整列搬送する搬送機構と搬送経路上の各種の工程処理ユニットにより構成される。搬送機構は、一般的にターンテーブル搬送方式や直線搬送方式等が用いられ、搬送経路上に並べられた各種の工程処理ユニットに電子部品を順番に供給していく。この搬送機構は、真空吸着、静電吸着、ベルヌーイチャック、又は機械的なチャック機構で構成され、電子部品を保持する保持手段を有する。
電子部品搬送装置による電気特性のテストでは、電子部品に対して電流を流したり、電圧を印加したりすることによって、電子部品の電圧、電流、抵抗、又は周波数等の電気特性を測定している。従来、電子部品の用途はオーディオ、テレビ、パソコン等の屋内で使用する機器が主体であった。しかし、近年は、自動車のIT化に伴い自動車用として多種多様な用途で用いられるようになってきている。そのため、自動車の使用する環境、極端な例では、砂漠地帯や北極圏等、主に高温下や低温下での使用に対応する性能が求められている。
電子部品の電気特性は環境の温度によって大きく変わることがある。そこで、高温環境下での電子部品の電気特性をテストする場合、電子部品を予め例えば150℃に加熱しておく。そのため、電子部品搬送装置では、電気特性をテストするテストユニットと電子部品を加熱するヒーターユニットとが並べて配置され、ヒーターユニットで電子部品を予め所望の温度に加熱し、加熱した電子部品をテストユニットに搬送し、搬送された電子部品をテストユニットでテストしている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−133716号公報
特許文献1の電子部品搬送装置では、テストユニットに搬送する際、電子部品をヒータで加熱されている環境から一旦取り出さねばならない。そのため、搬送中は室温や空調等による外気の影響を受け、電子部品が冷却されてしまう。
搬送中の冷却により電子部品の温度がテストの設定温度とずれてしまうと、テスト結果に大きな誤差が生じてしまい、テストの信頼性を損なうおそれがある。電子部品を構成する各部材は、それぞれ所定の熱膨張係数及び熱抵抗を有しているため、温度変化によって電気特性が大きく変わってしまいかねないからである。
そこで、従来は、搬送中の電子部品が一定程度冷却されてしまうことを考慮して、テストの設定温度よりも高めに電子部品を加熱しておく等の対策を実施していた。しかしながら、搬送中の電子部品の冷却を考慮した加熱は、厳密性を欠くおそれがあり、テストに対する絶対的な信頼性を担保できるわけではない。
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたもので、電子部品を予め所望の温度に加熱してから電気特性をテストする電子部品搬送装置に関し、テストの信頼性を向上させた電子部品搬送装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子部品搬送装置は、電子部品を搬送しながら各種の工程処理を行う電子部品搬送装置であって、前記電子部品の搬送経路と、前記電子部品を保持して前記搬送経路に沿って間欠移動する保持手段と、前記搬送経路上の一地点に配置され、前記電子部品を加熱するヒーターユニットと、前記ヒーターユニットの隣に前記搬送経路上に配置され、加熱された前記電子部品の電気特性を検査するテストユニットと、前記ヒーターユニットと前記テストユニットとの間の前記搬送経路を囲み、前記電子部品を保温するユニット間保温カバーと、を備え、前記ユニット間保温カバーは、前記搬送経路に沿った溝と、前記溝の内壁面を形成する金属部と、前記金属部に対して放熱するヒータと、を備え、前記保持手段は、前記電子部品を保持しつつ前記溝内を移動すること、を特徴とする。
本発明に係る電子部品搬送装置は、電子部品を搬送しながら各種の工程処理を行う電子部品搬送装置であって、前記電子部品の搬送経路と、前記電子部品を保持して前記搬送経路に沿って間欠移動する保持手段と、前記搬送経路上の一地点に配置され、前記電子部品を加熱するヒーターユニットと、前記ヒーターユニットの隣に前記搬送経路上に配置され、加熱された前記電子部品の電気特性を検査するテストユニットと、前記ヒーターユニットと前記テストユニットとの間の前記搬送経路を囲み、前記電子部品を保温するユニット間保温カバーと、を備え、前記ヒーターユニットは、当該ヒーターユニットと前記保持手段との間で前記電子部品を受け渡しする受渡箇所からユニット外縁にかけての前記搬送経路を囲み、搬送中の前記電子部品を保温するヒータ側保温カバーを前記ユニット間保温カバーに連接させて有すること、を特徴とする。
前記ユニット間保温カバーは、前記搬送経路に沿った樹脂製の溝を有し、前記保持手段は、前記電子部品を保持しつつ前記樹脂製の溝内を移動するようにしてもよい。
前記ヒータ側保温カバーは、前記搬送経路に沿った樹脂製の溝を有し、前記保持手段は、前記電子部品を保持しつつ前記樹脂製の溝内を移動するようにしてもよい。
前記テストユニットは、電気特性の検査で前記電子部品を接触させる接触子と、前記接触子の近くに配置されるヒータと、を備えるようにしてもよい。
前記テストユニットは、当該テストユニットと前記保持手段との間で前記電子部品を受け渡しする受渡箇所からユニット外縁にかけての前記搬送経路を覆い、搬送中の前記電子部品を保温するテスタ側保温カバーを前記ユニット間保温カバーに連接させて有するようにしてもよい。
前記テスタ側保温カバーは、前記搬送経路に沿った樹脂製の溝を有し、前記保持手段は、前記電子部品を保持しつつ前記樹脂製の溝内を移動するようにしてもよい。
前記テスタ側保温カバーは、内部に埋設されたヒータを有するようにしてもよい。
本発明によれば、ヒーターユニットとテストユニットとの間の搬送経路では、ヒーターユニットで加熱された電子部品が外気に晒されにくくなるため、電子部品を保温したままテストユニットへ搬送することができる。そのため、電子部品が冷却されてしまって電気特性のテストに大きな誤差が生じることを回避することができ、テストの信頼性を損なうことがない。また、テストユニットでテストされるまでの間に電子部品の温度が下がることを見越して過剰に加熱する必要はなく、コスト削減を図ることができる。さらには、その過剰な加熱による電子部品の損傷や電子部品搬送装置の損傷を防止できる。
電子部品搬送装置の一部構成を示す平面図である。 ヒーターユニットを示す断面図である。 テストユニットを示す断面図である。 第1の実施形態に係るユニット間保温カバーを示す断面図である。 第2の実施形態に係るユニット間保温カバーを示す断面図である。 第3の実施形態に係るテストユニットを示す断面図である。 電子部品搬送装置の全体構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
以下、本発明に係る電子部品搬送装置の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(電子部品搬送装置)
図1に示す電子部品搬送装置は、電子部品Pを整列搬送しながら各種の工程処理を行う後工程処理装置として使用される。電子部品Pは、電気製品に使用される部品であり、半導体素子が含まれ、半導体素子としては、トランジスタや集積回路や抵抗やコンデンサ等が挙げられる。
電子部品Pは、ターンテーブル1と保持部11とによって、各種の工程処理へ順次搬送される。ターンテーブル1は、中心軸で間欠的に一定ピッチずつ回転する。保持部11は、電子部品Pを着脱可能に保持する保持機構を有し、ターンテーブル1の外周に沿って等間隔で離間して取り付けられている。保持機構の配置間隔は、ターンテーブル1の1ピッチの回転角度と等しい。また、保持部11は、昇降機構を有し、電子部品Pを受け渡すために各工程処理のステージに対して昇降する。すなわち、電子部品Pの搬送経路1Rは、保持部11の移動軌跡であり、保持部11はターンテーブル1に取り付けられているために搬送経路1Rは環状である。
電子部品搬送装置が行う工程処理としては、少なくとも、電気特性をテストする処理と、そのテストのために電子部品Pを所望の温度に予め加熱しておく処理とが含まれる。従って、電子部品Pが搬送される搬送経路1R上には、テストユニット2とヒーターユニット3とが配置されている。テストユニット2は、電子部品Pの電気特性をテストする。ヒーターユニット3は、電気特性のテストに先立って電子部品Pを加熱する。
テストユニット2とヒーターユニット3とは隣り合って配置され、それぞれ保持部11の停止位置に位置合わせされている。テストユニット2とヒーターユニット3の配置間隔は、ターンテーブル1の1ピッチの回転角度と等しい。電子部品Pの搬送方向Dにおいて、ヒーターユニット3が上流側、テストユニット2が下流側に配置されている。
搬送経路1Rに沿って搬送されてきた電子部品Pは、ヒーターユニット3と保持部11との間で受け渡しされ、ヒーターユニット3にて所望の温度に加熱される。ヒーターユニット3で加熱された電子部品Pは、隣のテストユニット2に搬送され、電気特性がテストされる。
(ヒーターユニット)
図1及び図2に示すように、ヒーターユニット3は、中心軸で回転するヒーティングテーブル31と、ヒーティングテーブル31を加熱するヒータ34を有する。ヒーティングテーブル31の中心軸は、テーブルが拡がる平面に対して垂直に設けられる。この中心軸は、モータ35の駆動軸と接続されている。
ヒーティングテーブル31には、上面に収納穴32が設けられている。収納穴32は、電子部品Pを収納するポケットである。収納穴32は、ヒーティングテーブル31の周に沿って複数配設されている。各収納穴32の配設位置を結んだ配設ラインと搬送経路1Rとは、1点で重複している。電子部品Pは、この重複点で受け渡しされる。換言すると、保持部11の停止位置に重複点が位置するようにヒーティングテーブル31は位置合わせされている。
電子部品Pを保持した保持部11は、重複点で停止し、停止位置の直下に存在する空の収納穴32へ向けて電子部品Pを離脱させ、その収納穴32に電子部品Pを収納させる。また、その保持部11は、ヒーティングテーブル31が収納穴32の1配設ピッチ分回転することにより直下に位置した収納穴32から電子部品Pをピックアップし、テストユニット2へ向けて搬送する。
ヒータ34は、電力を熱に変換する電熱コイル等を内蔵しており、ヒーティングテーブル31を加熱する。収納穴32に収納された電子部品Pは、ヒーティングテーブル31の回転に従って配設ラインを一周する間にヒーティングテーブル31を介して所望の温度まで加熱される。所望の温度は、電気特性をテストするために設定された温度である。例えば、150℃の電子部品Pが有する電気特性をテストしたい場合、ヒーターユニット3では、この150℃まで電子部品Pを加熱する。加熱終了からテストまでのタイムラグを考慮して、電子部品Pがテスト環境よりも高めの温度となるように加熱温度を調節してもよい。
(テストユニット)
図1及び図3に示すように、テストユニット2は、ユニット本体22の上部に接触子23を備えている。接触子23は、電子部品Pの電極に対応して配置された金属板又はピンであり、例えば、銅又はベリリウム銅等の合金、ステンレス鋼、又は、タングステン又はその合金又は超合金からなる。この接触子23は、保持部11によってテストユニット2に搬送された電子部品Pの電極と電気的に接触する。
ユニット本体22は、接触子23を介して電子部品Pに電流を流したり、電圧を印加したりすることで、電子部品Pの電圧、電流、抵抗、又は周波数等の電気特性を測定する。印加と測定を共通の接触子で行うシングルコンタクト方式と、印加と測定を別々の接触子で行うケルビンコンタクト方式のどちらを採用してもよい。このユニット本体22には、予め、電気特性の許容範囲を示す数値データが記憶されており、測定結果と数値データとを比較して、電子部品Pの良又は不良を判定する。
(保温カバー)
ヒーターユニット3で加熱された電子部品Pは、保温されながらテストユニット2まで搬送される。図1乃至4に示すように、この電子部品搬送装置は、ヒーターユニット3で加熱された電子部品Pを保温するユニット間保温カバー4とヒータ側保温カバー33とテスタ側保温カバー21とを備えている。尚、保温には、電子部品Pの温度を維持する他、電気特性のテスト結果に影響を与えない程度の温度低下も含まれる。
図1に示すように、ユニット間保温カバー4は、テストユニット2とヒーターユニット3との間の搬送経路1Rを内包する溝G1を有する。ヒータ側保温カバー33は、ヒーターユニット3との電子部品Pの受渡箇所から搬送方向Dの下流側にあたるユニット外縁にかけての搬送経路1Rを内包する溝G2を有する。テスタ側保温カバー21は、搬送方向Dの上流側にあたるユニット外縁から電子部品Pの受渡箇所にかけての搬送経路1Rを内包する溝G3を有する。
図2乃至図4に示すように、この溝G1〜G3は搬送経路1Rとは中心線が一致するように形成されており、その幅は保持部11の保持機構及び電子部品Pと接触しない程度に広い。また、溝G1〜G3を画成している各カバーの両内側壁は、保持部11によって搬送される電子部品Pの位置よりも高く立ち上がっている。そのため、電子部品Pは、ヒーターユニット3の受渡箇所とテストユニット2の受渡箇所との間において溝G1〜G3内を移動する。
このユニット間保温カバー4とヒータ側保温カバー33とテスタ側保温カバー21は、少なくとも溝G1〜G3を画成する壁面が樹脂等の断熱作用を有する素材からなる。樹脂としては、例えば、発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレン等が挙げられる。そのため、溝G内には熱がこもり、電子部品Pは、溝G1〜G3内を搬送されている間は保温状態となる。
尚、図2に示すように、ヒータ側保温カバー33は、ヒーティングテーブル31の上面を覆うように配置される。収納穴32の配設ラインと搬送経路1Rとの重複点、すなわち電子部品Pの受渡箇所においては、ヒータ側保温カバー33の底面は開口している。電子部品Pは、この開口箇所を通じてヒータ側保温カバー33を通過し、下方のヒーティングテーブル31の収納穴32に至る。開口箇所以外については、溝G2は底面を有するようにしてもよい。
また、図3に示すように、テスタ側保温カバー21は、ユニット本体22の上面を覆うように配置される。但し、接触子23の配置箇所、すなわち電子部品Pの受渡箇所においては、テスタ側保温カバー21の底面は開口している。電子部品Pは、この開口箇所を通じてテスタ側保温カバー21を通過し、下方の接触子23に至る。開口箇所以外については、溝G3は底面を有するようにしてもよい。
(作用)
以上の電子部品搬送装置では、電子部品Pを保持した保持部11は、ターンテーブル1の回転に従って搬送経路1Rを間欠的に移動し、ヒーターユニット3の直上に達する。ヒーターユニット3の直上に達すると、保持部11は、ヒーターユニット3の受渡箇所に向けて下降し、空の収納穴32に電子部品Pを収納する。
電子部品Pが収納された収納穴32は、ヒーティングテーブル31の回転に従って、収納穴32の配設ライン上を一周する。ヒーティングテーブル31は、ヒータ34により加熱されており、収納穴32に収納されている電子部品Pは、配設ラインを一周する間にヒーティングテーブル31から伝熱されて、電気特性のテスト環境下の温度にまで加熱される。
ヒーティングテーブル31は、電気特性のテスト環境下の温度にまで加熱された電子部品Pをヒーターユニット3の受渡箇所に位置させる。この電子部品Pが受渡箇所に位置したときに直上に存在している保持部11は、受渡箇所に向けて下降し、電子部品Pを受け取った後、搬送のために上昇する。
そして、保持部11は、加熱済みの電子部品Pを保持し、ヒータ側保温カバー33の溝G2内を移動する。このとき、加熱済みの電子部品Pは、ヒータ側保温カバー33によって囲まれているため、外気に対して放熱しにくくなっている。
溝G2の終点に到達すると、次に保持部11は、ユニット間保温カバー4の溝G1内を移動する。そのため、ヒーターユニット3とテストユニット2との間の搬送経路1R内においても、電子部品Pは、ヒータ側保温カバー33によって囲まれ、外気に対して放熱しにくくなっている。
溝G1の終点に到達すると、次に保持部11は、テスタ側保温カバー21の溝G3内を移動する。そのため、テストユニット2の外縁から受渡箇所との間の搬送経路1R内においても、電子部品Pは、テスタ側保温カバー21によって囲まれ、外気に対して放熱しにくくなっている。
このように、電子部品Pは、ヒーターユニット3の受渡箇所からテストユニット2の受渡箇所に至るまで、各保温カバー33、4、及び21によって保温される。そして、電子部品Pは、保持部11の下降によって接触子23と接触し、電気特性のテスト環境下の温度を維持したまま電気特性をテストされる。
(効果)
このように、電子部品Pを搬送しながら各種の工程処理を行う電子部品搬送装置は、保持部11によって電子部品Pを保持しながら搬送経路1Rに沿って間欠移動する。搬送経路1R上の一地点には、電子部品Pを加熱するヒーターユニット3と、ヒーターユニット3の隣に搬送経路1R上に配置され、加熱された電子部品Pの電気特性を検査するテストユニット2とを備える。そして、ヒーターユニット3とテストユニット2との間の搬送経路1Rには、当該搬送経路1Rを囲み、電子部品Pを保温するユニット間保温カバー4を備えるようにした。
これによって、ヒーターユニット3とテストユニット2との間の搬送経路1Rでは、ヒーターユニット3で加熱された電子部品Pが外気に晒されにくくなるため、電子部品Pを保温したままテストユニット2へ搬送することができる。そのため、電子部品Pが冷却されてしまって電気特性のテストに大きな誤差が生じることを回避することができ、テストの信頼性を損なうことがない。また、テストユニット2でテストされるまでの間に電子部品Pの温度が下がることを見越して過剰に加熱する必要はなく、コスト削減を図ることができる。さらには、その過剰な加熱による電子部品Pの損傷や電子部品搬送装置の損傷を防止できる。
また、ヒーターユニット3は、電子部品Pを受け渡しする受渡箇所からユニット外縁にかけての搬送経路1Rを囲み、搬送中の電子部品Pを保温するヒータ側保温カバー33を、ユニット間保温カバー4に連接させて有するようにしてもよい。また、テストユニット2は、電子部品Pを受け渡しする受渡箇所からユニット外縁にかけての搬送経路1Rを覆い、搬送中の電子部品Pを保温するテスタ側保温カバー21を、ユニット間保温カバー4に連接させて有するようにしてもよい。
これにより、電子部品Pの保温能力は増大し、電気特性のテストにおける誤差を更に低減させ、更なるコスト削減、及び電子部品Pの損傷や電子部品搬送装置の損傷をさらに防止できる。
(第2の実施形態)
(保温カバー)
図5は、第2の実施形態に係る電子部品搬送装置の保温カバーを示す断面図である。図5に示すように、ユニット間保温カバー4の溝G1には、電熱コイル等のヒータ42が埋設されている。溝G1の内壁面は、熱伝導性が高い金属部41となっており、ヒータ42は、この金属部41に伝熱する。このヒータ42及び金属部41は、溝G1内を通過する電子部品Pを保温する。
このように、ユニット間保温カバー4には、搬送経路1Rに沿った溝G1の内壁面を金属部41により形成し、金属部41に対して放熱するヒータ42を備え、保持部11は、この溝G1内を電子部品Pを保持しつつ移動するようにした。これにより、電子部品Pの保温能力は更に増大し、電気特性のテストにおける誤差を更に低減させることができる。また、冷却を見越したヒーターユニット3における過剰な加熱が更に必要なくなり、電子部品Pの損傷や電子部品搬送装置の損傷をより防止できる。
このヒータ42と金属部41は、ユニット間保温カバー4の溝G1の他、ヒータ側保温カバー33の溝G2やテスタ側保温カバー21の溝G3にも設けるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る電子部品搬送装置のテストユニット2を示す断面図である。図6に示すように、テストユニット2には、電熱コイル等のヒータ24、25、26が埋設されている。
ヒータ24は、ユニット本体22に埋設され、接触子23の近くに配置される。具体的には、接触子23の直下に位置する。ヒータ25、26は、テスタ側保温カバー21に埋設され、接触子23を挟み込むように配置する。これらヒータ24、25、及び26は全て設置してもよいし、いくつかを選択的に設置してもよい。テスタ側保温カバー21の接触子23を挟み込む内壁面は、熱伝導性が高い金属部を用いてもよい。金属部を用いた場合には、ヒータ25、26の熱は、溝G3内に伝わりやすくなる。
このように、テストユニット2側にもヒータ24、25、又は26を備え、保持部11は、これらヒータ24、25、又は26で暖められた溝G3内で電子部品Pの電気特性のテストを行うようにした。これにより、電子部品Pの保温能力は更に増大し、電気特性のテストにおける誤差を更に低減させることができる。また、冷却を見越したヒーターユニット3における過剰な加熱が更に必要なくなり、電子部品Pの損傷や電子部品搬送装置の損傷をより防止できる。
(第4の実施形態)
図7に第1乃至3の実施形態で示した保温カバーの適用例を示す。図7の(a)は、電子部品搬送装置の上面図、(b)は電子部品搬送装置の側面図である。
図7に示す電子部品搬送装置は、工程処理として、電子部品Pの加熱及び電気特性のテストの他、マーキング、外観検査、分類ソート、及び梱包のうちの全て又はいくつが行われる。そのため、この電子部品搬送装置の搬送経路1R上には、ヒーターユニット3及びテストユニット2、及びその間のユニット間保温カバー4の他に、パーツフィーダ、マーキングユニット、外観検査ユニット、テストコンタクトユニット、分類ソートユニット、姿勢判別ユニット、姿勢補正ユニット、テーピングユニット、不良品排出ユニット等の各工程処理ユニット5が配置される。
これら工程処理ユニット5は、ターンテーブル1を取り囲んで外周方向に等間隔離間して配置される。配置間隔は、ターンテーブル1の1ピッチの回転角度と同一若しくは整数倍に等しい。工程処理ユニット5の配置位置は、保持部11の停止位置Lと一致する。停止位置Lには、何れかの搬送処理ユニットの1機が配置される。尚、停止位置Lの数≧工程処理ユニット5の数であれば、これらの数は同数でなくともよく、工程処理ユニット5が配置されない停止位置Lが存在していてもよい。
パーツフィーダは、電子部品搬送装置に電子部品Pを供給する装置である。このパーツフィーダは、例えば、円形の振動パーツフィーダと直線型の供給振動フィーダとを組み合わせて、ターンテーブル1の外周端直下の搬送経路終端まで多数の電子部品Pを整列させて連続的に搬送する。
マーキングユニットは、電子部品Pに臨んでレーザ照射用のレンズを有し、レーザを電子部品Pに照射してマーキングを行う。
外観検査ユニットは、カメラを有し、電子部品Pを撮影し、画像から電子部品Pの電極形状、表面の欠陥、キズ、汚れ、異物等の有無を検査する。
分類ソートユニットは、電気特性及び外観検査の結果に応じて電子部品Pを不良品と良品とに分類し、そのレベルに応じて分類してシュートする。
姿勢判別ユニットは、カメラを有し、電子部品Pの姿勢を判別する。姿勢補正ユニットは、姿勢判別ユニットが判別した姿勢に応じて、電子部品Pの方向合わせと、保持位置の位置決めを行う。
テーピングユニットは、良品と判定された電子部品Pを収納する。不良品排出ユニットは、テーピング梱包されなかった電子部品Pを電子部品搬送装置から排出する。
ターンテーブル1の中心は、下方に配置されたダイレクトドライブモータ12の駆動軸で支持されている。
保持部11は、電子部品Pを吸着及び離脱させる吸着ノズル111である。吸着ノズル111のパイプ内部は、図示しない真空発生装置の空気圧回路と連通しており、吸着ノズル111は、負圧の発生によって電子部品Pを吸着し、真空破壊によって電子部品Pを離脱させる。
この吸着ノズル111は、ターンテーブル1の外周部に取り付けられた支持部112によって、その下端をターンテーブル1の下面に突出させるように支持されており、その突出端が電子部品Pを吸着及び離脱させる吸着部111aとなっている。支持部112は、吸着ノズル111をレール等によって摺動可能に支持している。
吸着ノズル111の各停止位置Lには、操作ロッド114を備える駆動部113が配置されている。駆動部113は、具体的にはモータであり、操作ロッド114を上下動させる。操作ロッド114は、その下端を吸着ノズル111の上端に設けられる被押圧部111bに対向させて配置されており、駆動部113の駆動に応じて吸着ノズル111の被押圧部111bと当接し、押圧力を付与して吸着ノズル111を下方に押し下げる。
このような電子部品搬送装置は、図示しない搬送制御部を備え、ダイレクトドライブモータ12、吸着ノズル111を昇降させる駆動部113、真空発生装置、及び各種の工程処理ユニット5に電気信号を送出することで、これらの動作タイミングを制御している。すなわち、搬送制御部は、制御プログラムを格納するROM、CPU、及びドライバを備え、制御プログラムに従い、インターフェースを介して各駆動機構に各タイミングで動作信号を出力している。
以上のような電子部品搬送装置においては、ターンテーブル1を用いた回転搬送方式の他、直線搬送方式や、複数のターンテーブル1で一の搬送経路を構成するようにしてもよく、いずれの方式であっても保温カバーを適用することができる。また、保持部11としては、真空の発生及び破壊により電子部品を吸着及び離脱させる吸着ノズル111に代えて、静電吸着方式、ベルヌーイチャック方式、又は電子部品Pを機械的に挟持するチャック機構を配してもよい。また、ヒーターユニット3、テストユニット2、及びその間のユニット間保温カバー4を有するものであれば、上記した種類の工程処理ユニット5に限られず、その他の種類の工程処理を実施するユニットと置き換えることが可能であり、また配置順序も適宜変更可能である。
1 ターンテーブル
1R 搬送経路
11 保持部
111 吸着ノズル
111a 吸着部
111b 被押圧部
112 支持部
113 駆動部
114 操作ロッド
12 モータ
2 テストユニット
21 テスタ側保温カバー
22 ユニット本体
23 接触子
24 ヒータ
25 ヒータ
26 ヒータ
3 ヒーターユニット
31 ヒーティングテーブル
32 収納穴
33 ヒータ側保温カバー
34 ヒータ
35 モータ
4 ユニット間保温カバー
41 金属部
42 ヒータ
5 工程処理ユニット
G 溝
G1 溝
G2 溝
G3 溝
D 搬送方向
L 停止位置
P 電子部品

Claims (8)

  1. 電子部品を搬送しながら各種の工程処理を行う電子部品搬送装置であって、
    前記電子部品の搬送経路と、
    前記電子部品を保持して前記搬送経路に沿って間欠移動する保持手段と、
    前記搬送経路上の一地点に配置され、前記電子部品を加熱するヒーターユニットと、
    前記ヒーターユニットの隣に前記搬送経路上に配置され、加熱された前記電子部品の電気特性を検査するテストユニットと、
    前記ヒーターユニットと前記テストユニットとの間の前記搬送経路を囲み、前記電子部品を保温するユニット間保温カバーと、
    を備え、
    前記ユニット間保温カバーは、
    前記搬送経路に沿った溝と、
    前記溝の内壁面を形成する金属部と、
    前記金属部に対して放熱するヒータと、
    を備え、
    前記保持手段は、
    前記電子部品を保持しつつ前記溝内を移動すること、
    を特徴とする電子部品搬送装置。
  2. 電子部品を搬送しながら各種の工程処理を行う電子部品搬送装置であって、
    前記電子部品の搬送経路と、
    前記電子部品を保持して前記搬送経路に沿って間欠移動する保持手段と、
    前記搬送経路上の一地点に配置され、前記電子部品を加熱するヒーターユニットと、
    前記ヒーターユニットの隣に前記搬送経路上に配置され、加熱された前記電子部品の電気特性を検査するテストユニットと、
    前記ヒーターユニットと前記テストユニットとの間の前記搬送経路を囲み、前記電子部品を保温するユニット間保温カバーと、
    を備え、
    前記ヒーターユニットは、
    当該ヒーターユニットと前記保持手段との間で前記電子部品を受け渡しする受渡箇所からユニット外縁にかけての前記搬送経路を囲み、搬送中の前記電子部品を保温するヒータ側保温カバーを前記ユニット間保温カバーに連接させて有すること、
    を特徴とする電子部品搬送装置。
  3. 前記ユニット間保温カバーは、
    前記搬送経路に沿った樹脂製の溝を有し、
    前記保持手段は、
    前記電子部品を保持しつつ前記樹脂製の溝内を移動すること、
    を特徴とする請求項1記載の電子部品搬送装置。
  4. 前記ヒータ側保温カバーは、
    前記搬送経路に沿った樹脂製の溝を有し、
    前記保持手段は、
    前記電子部品を保持しつつ前記樹脂製の溝内を移動すること、
    を特徴とする請求項に記載の電子部品搬送装置。
  5. 前記テストユニットは、
    電気特性の検査で前記電子部品を接触させる接触子と、
    前記接触子の近くに配置されるヒータと、
    を備えること、
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の電子部品搬送装置。
  6. 前記テストユニットは、
    当該テストユニットと前記保持手段との間で前記電子部品を受け渡しする受渡箇所からユニット外縁にかけての前記搬送経路を覆い、搬送中の前記電子部品を保温するテスタ側保温カバーを前記ユニット間保温カバーに連接させて有すること、
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の電子部品搬送装置。
  7. 前記テスタ側保温カバーは、
    前記搬送経路に沿った樹脂製の溝を有し、
    前記保持手段は、
    前記電子部品を保持しつつ前記樹脂製の溝内を移動すること、
    を特徴とする請求項記載の電子部品搬送装置。
  8. 前記テスタ側保温カバーは、
    内部に埋設されたヒータを有すること、
    を特徴とする請求項記載の電子部品搬送装置。
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