JP5339034B2 - スルホン酸化合物を含有する感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
例えば、素子表面が製造工程中に溶剤や熱に晒されるのを防ぐために設けられる保護膜は、保護する基板との密着性が高く耐溶剤性が高いだけでなく、透明性、耐熱性、さらには寸法安定性等の性能も良好であることが要求される。
またこのような保護膜を、カラー液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタの保護膜として使用する場合には、一般にその下地基板のカラーフィルタあるいはブラックマトリックス樹脂を平坦化する性能、すなわち平坦化膜としての性能を有することも要求される。
一般的な熱硬化の方法として、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂にエポキシ系の架橋剤を添加する方法がよく知られており、また、エポキシ基とカルボキシル基をアクリル樹脂中に導入することで熱硬化させる方法(特許文献1参照)なども提案されている。
これらの膜には、耐熱性、耐溶剤性、長時間焼成耐性、メタルスパッタ耐性などのプロセス耐性に優れていること、下地との密着性が良好であること、使用目的に合わせた様々なプロセス条件でパターンを形成し得る広いプロセスマージンを有すること、加えて、高感度且つ高透明性であること並びに現像後の膜ムラが少ないこと等の諸特性が要求される。
しかしエポキシ架橋系を含む樹脂組成物(溶液)は、室温での反応性が高く、すなわち保存安定性が低いという問題があった。しかも、ポストベーク時のベーク温度によりパターン形状が変化しやすく、精密な温度制御が必要とされていた。
すなわち、第1観点として、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有するポジ型感光性樹脂組成物に関する。
(A)成分:側鎖に脂肪族水酸基を有するアルカリ可溶性アクリル重合体、
(B)成分:1,2−キノンジアジド化合物、
(C)成分:スルホン酸化合物、
(D)成分:溶剤。
第2観点として、(A)成分のアルカリ可溶性アクリル重合体の数平均分子量がポリスチレン換算で2,000乃至30,000である、第1観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第3観点として、(A)成分の100質量部に対して、5乃至100質量部の(B)成分を含有することを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第4観点として、(A)成分の100質量部に対して、0.1乃至30質量部の(C)成分を含有することを特徴とする、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第5観点として、(E)成分として、界面活性剤を更にポジ型感光性樹脂組成物中に1.0質量%以下含有する、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第6観点として、(F)成分として、密着促進剤を更にポジ型感光性樹脂組成物中に0.1乃至20質量部含有する、第1観点乃至第5観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜に関する。
第8観点として、第7観点に記載の硬化膜を有する液晶表示素子に関する。
第9観点として、第7観点に記載の硬化膜からなる液晶ディスプレイ用アレイ平坦化膜に関する。
第10観点として、第7観点に記載の硬化膜からなる層間絶縁膜に関する。
また、本発明は、第1’観点として、下記(A)成分100質量部に基づいて、5乃至100質量部の(B)成分、0.1乃至30質量部の(C)成分を含有し、これらの成分が(D)成分に溶解されたポジ型感光性樹脂組成物に関する。
(A)成分:側鎖に脂肪族水酸基を有するアルカリ可溶性アクリル重合体、
(B)成分:1,2−キノンジアジド化合物、
(C)成分:スルホン酸化合物、
(D)成分:溶剤。
第2’観点として、(A)成分のアルカリ可溶性アクリル重合体の数平均分子量がポリスチレン換算で2,000乃至30,000である、第1’観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第3’観点として、(E)成分として、界面活性剤を更にポジ型感光性樹脂組成物中に1.0質量%以下含有する、第1’観点又は第2’観点に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第4’観点として、(F)成分として、密着促進剤を更にポジ型感光性樹脂組成物中に0.1乃至20質量部含有する、第1’観点乃至第3’観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
第5’観点として、第1’観点乃至第4’観点のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜に関する。
第6’観点として、第5’観点に記載の硬化膜を有する液晶表示素子に関する。
第7’観点として、第5’観点に記載の硬化膜からなる液晶ディスプレイ用アレイ平坦化膜に関する。
第8’観点として、第5’観点に記載の硬化膜からなる層間絶縁膜に関する。
以下、各成分の詳細を説明する。
(A)成分は、アクリル重合体の構造中に、脂肪族水酸基を有する側鎖(以下、単に特定側鎖とも称する)を持ち、且つポリスチレン換算数平均分子量(以下、数平均分子量と称す。)が2,000乃至30,000である、アルカリ可溶性アクリル重合体(以下、単にアクリル重合体とも称する)である。
(A)成分のアルカリ可溶性アクリル重合体は、斯かる構造を有し、アルカリに可溶なアクリル重合体であればよく、アクリル重合体を構成する高分子の主鎖の骨格や、特定側鎖以外に有し得る側鎖の種類などについて特に限定されない。
アルカリ可溶性置換基としてはカルボキシル基及びフェノール性水酸基等が挙げられる。本発明においては特にアルカリ可溶性置換基としてカルボキシル基を有するモノマーを好適に用いることができる。
クリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド等が挙げられる。
非反応性官能基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリルアミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物及びビニル化合物等が挙げられる。
以下、上記モノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
このようにして得られる特定側鎖を有するアクリル重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
本発明においては、上記特定側鎖を有するアクリル重合体の粉体をそのまま用いても良く、あるいはその粉体を、たとえば後述する(D)成分の溶剤に再溶解して溶液の状態と
して用いても良い。
また、本発明においては、(A)成分のアクリル重合体は、複数種の特定側鎖を有するアクリル重合体の混合物であってもよい。
(B)成分である1,2−キノンジアジド化合物としては、水酸基又はアミノ基のいずれか一方かを有する化合物、又は水酸基及びアミノ基の両方を有する化合物であって、これらの水酸基又はアミノ基(水酸基とアミノ基の両方を有する場合は、それらの合計量)のうち、好ましくは10乃至100モル%、特に好ましくは20乃至95モル%が1,2−キノンジアジドスルホン酸でエステル化、またはアミド化された化合物を用いることができる。
’−トリスヒドロキシフェニルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシフェニルエタン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,5−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)メチルなどのフェノール化合物、エタノール、2−プロパノール、4−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、2−ブトキシプロパノール、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの脂肪族アルコール類を挙げることができる。
イジン、p−トルイジン、4−アミノジフェニルメタン、4−アミノジフェニル、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのアニリン類、アミノシクロヘキサンを挙げることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物において、(C)成分としてスルホン酸化合物を用いることにより、ポリマー同士の熱架橋を促進させて、ポストベーク時にパターンがリフローすることを抑制することができる。
(C)成分であるスルホン酸化合物としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、m−キシレン−2−スルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
本発明に用いる(D)成分の溶剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を溶解し、且つ所望により添加される後述の(E)成分及び/又は(F)成分などを溶解するものであり、斯様な溶解能を有する溶剤であれば、その種類及び構造などは特に限定されるものでない。
斯様な(D)成分の溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ブタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
これら(D)成分の溶剤の中、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル等が、塗膜性が良好で安全性が高いという観点より好ましい。これら溶剤は、一般にフォトレジスト材料のための溶剤として用いられている。
(E)成分は、界面活性剤である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物にあっては、その塗布性を向上させるという目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に界面活性剤を含有することができる。
(E)成分の界面活性剤は、一種単独で、または二種以上の組合せで使用することができる。
界面活性剤が使用される場合、その含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物100質量%中に通常1.0質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。(E)成分の界面
活性剤の使用量が1.0質量%を超える量に設定されても、上記塗布性の改良効果は鈍くなり、経済的でなくなる。
(F)成分は、密着促進剤である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物は現像後の基板との密着性を向上させる目的で、密着促進剤を添加してもよい。このような密着促進剤の具
体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’‐ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−ピペリジニル)プロピルトリエトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環状化合物や、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。
(F)成分として、前記密着性促進剤のうち1種又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの密着促進剤の添加量は、(A)成分の100質量部に対して、通常、20質量部以下、好ましくは0.1乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部である。20質量部を超えると塗膜の耐熱性が低下する場合があり、また、0.1質量部未満では密着促進剤の十分な効果が得られない場合がある。
更に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、レオロジー調整剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤、または多価フェノール、多価カルボン酸等の溶解促進剤等を含有することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)成分の側鎖に脂肪族水酸基を有するアルカリ可溶性アルカリ重合体、(B)成分の1,2−キノンジアジド化合物、(C)成分のスルホン酸化合物及び(D)成分の溶剤を含有し、且つ、それぞれ所望により、(E)成分の界面活性剤、(F)成分の密着促進剤、及びその他添加剤のうち一種以上を更に含有することができる組成物である。
[1]:(A)成分100質量部に基づいて、5乃至100質量部の(B)成分、0.1乃至30質量部の(C)成分を含有し、これら成分が(D)成分の溶剤に溶解されたポジ型感光性樹脂組成物。
[2]:上記[1]の組成物において、更に(E)成分を(A)成分100質量部に基づいて、1.0質量%以下含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[3]:上記[1]又は[2]の組成物において、更に(F)成分を(A)成分100質量部に基づいて0.1乃至20質量部含有するポジ型感光性樹脂組成物。
タなどを用いて濾過した後、使用することが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、金属例えばアルミニウム、モリブデン、クロムなどが被覆された基板、ガラス基板、石英基板、ITO基板等)の上に、回転塗布、流し塗布、ロール塗布、スリット塗布、スリットに続いた回転塗布、インクジェット塗布などによって塗布し、その後、ホットプレートまたはオーブン等で予備乾燥することにより、塗膜を形成することができる。その後、この塗膜を加熱処理することにより、ポジ型感光性樹脂膜が形成される。
以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
CHMI:N−シクロヘキシルマレイミド
PTSA:p−トルエンスルホン酸
CAMSA:カンファスルホン酸
PSA:プロピルスルホン酸
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
QD:α、α、α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン1molと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1.5molとの縮合反応によって合成される化合物。
CL1:ダイセル化学工業(株)製 エポリードGT−401(脂環式エポキシ樹脂)
MPTS:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
R30:大日本インキ化学工業(株)製 メガファック R−30(商品名)
以下の合成例に従い得られた特定側鎖を有するアクリル重合体の数平均分子量及び重量平均分子量を、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF804L)を用い、溶出溶媒テトラヒドロフランを流量1ml/分でカラム中に(カラム温度40℃)流して溶離させるという条件で測定した。なお、下記の数平均分子量(以下、Mnと称す。)及び重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は、ポリスチレン換算値にて表される。
特定側鎖を有するアクリル重合体を構成するモノマー成分として、MAA 10.9g、CHMI 35.3g、HEMA 25.5g、MMA 28.3gを使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN 5gを使用し、これらを溶剤PGMEA 150g中において温度60℃乃至100℃で重合反応させることにより、Mn3,800、Mw6,700である(A)成分の溶液(共重合体濃度:40.0質量%)を得た。(P1)
特定側鎖を有するアクリル重合体を構成するモノマー成分として、MAA 12.9g、CHMI 35.3g、HEMA 25.5g、MMA 26.3gを使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN 5gを使用し、これらを溶剤PGMEA 150g中において温度60℃乃至100℃で重合反応させることにより、Mn4,100、Mw6,900である(A)成分の溶液(共重合体濃度:40.0質量%)を得た。(P2)
次の表1に示す組成に従い、(A)成分の溶液に、(B)成分及び(C)成分、(D)成分の溶剤、更に(E)成分及び(F)成分を所定の割合で混合し、室温で3時間撹拌して均一な溶液とすることにより、各実施例及び各比較例のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
硬化膜の溶剤耐性を各々測定し、それらの評価を行った。
ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。膜厚はFILMETRICS製 F20を用いて測定した。この塗膜にキヤノン(株)製紫外線照射装置PLA−600FAにより365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を一定時間照射した。その後0.4質量%の水酸化テトラメチ
ルアンモニウム(以下、TMAHと称す)水溶液に60秒間浸漬することで現像を行った後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。露光部において溶け残りのなくなる最低の露光量(mJ/cm2)を感度とした。
ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この膜を0.4質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬した後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。次いで、この膜の厚さを測定することで、現像による未露光部の膜減り度合いを評価した。この評価における膜厚は、FILMETRICS製 F20を用いて測定した。
ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜を230℃で30分加熱することによりポストベークを行い、膜厚2.1μmの硬化膜を形成した。この塗膜をNMP中に1分間室温にて浸漬させ、浸漬前後の膜厚変化がないものを○、膜厚の減少が見られたものを×とした。
ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度90℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜にキヤノン(株)製紫外線照射装置PLA−600FAにより365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を8μmのライン&スペースパタ
ーンのマスクを介して150mJ/cm2照射した。その後0.4質量%TMAH水溶液
に60秒間浸漬することで現像を行った後、超純水で20秒間流水洗浄を行い、パターンを形成した。作製したパターンを140℃のホットプレートにて3分間焼成した後続いて230℃のホットプレートにて15分間焼成したものと、140℃にて焼成せずに230℃にて15分間のみ焼成したものについて、夫々走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、焼成時間の違いによるパターン線幅の変化量を測定した。
ポジ型感光性樹脂組成物を石英基板上にスピンコーターを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜にキヤノン(株)製紫外線照射装置PLA−600FAにより365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を120秒間照射した。その後、この膜
を温度230℃で30分間ホットプレート上においてポストベークを行い、硬化膜を形成した。この硬化膜を紫外線可視分光光度計((株)島津製作所製SHIMADSU UV−2550型番)を用いて、400nm波長の透過率を測定した。
以上の評価を行った結果を、次の表2に示す。
そして比較例2および3については、ポストベーク後には十分な溶剤耐性や高い透過率を有する硬化膜が得られるものの、実施例と比べて感度が低く、さらに、焼成温度の違いによりパターンの線幅に変化が生ずる結果となった。
Claims (8)
- 下記(A)成分100質量部に基づいて、5乃至100質量部の(B)成分、0.1乃至30質量部の(C)成分を含有し、これらの成分が(D)成分に溶解されたポジ型感光性樹脂組成物。
(A)成分:側鎖に脂肪族水酸基を有するアルカリ可溶性アクリル重合体、
(B)成分:1,2−キノンジアジド化合物、
(C)成分:スルホン酸化合物、
(D)成分:溶剤。 - (A)成分のアルカリ可溶性アクリル重合体の数平均分子量がポリスチレン換算で2,000乃至30,000である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- (E)成分として、界面活性剤を更にポジ型感光性樹脂組成物中に1.0質量%以下含有する、請求項1又は請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- (F)成分として、密着促進剤を更にポジ型感光性樹脂組成物中に0.1乃至20質量部含有する、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜。
- 請求項5に記載の硬化膜を有する液晶表示素子。
- 請求項5に記載の硬化膜からなる液晶ディスプレイ用アレイ平坦化膜。
- 請求項5に記載の硬化膜からなる層間絶縁膜。
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