JP5338656B2 - 高分子電解質膜の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)加水分解性基を有するジオールモノマーを20〜100モル%含むジオールモノマー類とジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0〜20モル%となるようにして、溶剤に溶解し、塩基性化合物と接触させて加熱脱水し、電解質プレポリマー溶液を得る工程
(2)イオン性基を有するジオールモノマーを10モル%以上含むジオールモノマー類とイオン性基を有するジハライドモノマーを20〜100モル%含むジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が、工程(1)のイオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量の値+10〜100モル%となるようにして、前記工程(1)で得られた電解質プレポリマー溶液に添加し、加熱脱水して、電解質ポリマー溶液を得る工程
(3)前記工程(2)後の電解質ポリマー溶液を、直接遠心分離法で固液分離し、塗液とする工程
(4)前記工程(3)後の塗液を基材上に流延塗工し、溶媒を加熱蒸発することにより膜状物とする工程
(5)前記膜状物を前駆体とし、酸性水溶液と接触させて高分子電解質膜とする工程
なかでも、化合物の臭いや反応性、安定性等の点で、前記一般式(P3)および(P4)において、EがOである、すなわち、ケトン部位をケタール部位とする方法が最も好ましい。
特に好ましい芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、下記一般式(r1)〜(r10)で表される化合物、並びにこれらの芳香族ジヒドロキシ化合物由来の誘導体が挙げることができる。
(1)加水分解性基を有するジオールモノマーを20〜100モル%含むジオールモノマー類とジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0〜20モル%となるようにして、溶剤に溶解し、塩基性化合物と接触させて加熱脱水し、電解質プレポリマー溶液を得る工程
(2)イオン性基を有するジオールモノマーを10モル%以上含むジオールモノマー類とイオン性基を有するジハライドモノマーを20〜100モル%含むジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が、工程(1)のイオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量の値+10〜100モル%となるようにして、前記工程(1)で得られた電解質プレポリマー溶液に添加し、加熱脱水して、電解質ポリマー溶液を得る工程
(3)前記工程(2)後の電解質ポリマー溶液を、直接遠心分離法で固液分離し、塗液とする工程
(4)前記工程(3)後の塗液を基材上に流延塗工し、溶媒を加熱蒸発することにより膜状物とする工程
(5)前記膜状物を前駆体とし、酸性水溶液と接触させて電解質膜とする工程
工程(1)は耐久性に関連する機能を主に担うポリマー構造を形成する目的で実施する。加水分解性基を有するジオールモノマーの加水分解性基およびジオールモノマーの詳細は前述のとおりである。
工程(1)に工程(2)のモノマー類を混合した後は、工程(2)のモノマー類の反応による生成水や工程(1)の残りの反応による生成水や溶媒等の含水により持ち込まれた水分の加熱脱水を継続する工程が必要である。この時、塩基性化合物は、工程(2)のモノマー類と混合しスラリー状で追加しても良いが、あらかじめ工程(1)の段階で、工程(2)で追加するジオール類の反応に必要な量を仕込んでおくことが、生産性の観点から好ましい。塩基性化合物は通常、有機溶剤への溶解性が低く、スラリー状になる傾向にあり、反応途中の追加は、作業性が劣るだけでなく、混合作業時に仕込み組成がずれ、分子量が伸びない原因となる。
(6)イオン性基を有するジオールモノマーを10モル%以上含むジオールモノマー類とイオン性基を有するジハライドモノマーを20〜100モル%含むジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が、工程(7)の合計含有量の値+10〜100モル%となるようにして、溶剤に溶解し、塩基性化合物と接触させて加熱脱水し、電解質プレポリマー溶液を得る工程
(7)加水分解性基を有するジオールモノマーを20〜100モル%含むジオールモノマー類とジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0〜20モル%となるようにして、前記工程(6)で得られた電解質プレポリマー溶液に添加し、加熱脱水して、電解質ポリマー溶液を得る工程
すなわち、工程(1)と工程(2)の順番を入れ替えているだけで、先にプロトン伝導機能を主に担うポリマーユニットを形成した後、機械的強度など耐久性に関連する機能を主に担うポリマーユニット用のモノマー類を添加するものであり実質的に同一である。
(8)加水分解性基を有するジオールモノマーを20〜100モル%含むジオールモノマー類とジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0〜20モル%となるようにして、溶剤に溶解し、塩基性化合物と接触させて加熱脱水し、電解質プレポリマー溶液を得る工程
(9)イオン性基を有するジオールモノマーを10モル%以上含むジオールモノマー類とイオン性基を有するジハライドモノマーを20〜100モル%含むジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が、工程(8)のイオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量の値+10〜100モル%となるように、かつイオン性基を有するジオールモノマーを10モル%以上含むようにして、溶剤に溶解し、塩基性化合物と接触できる状態で加熱脱水し、電解質プレポリマー溶液を得る工程
(10)前記工程(8)の溶液および前記工程(9)の溶液を、直接混合し、加熱脱水する工程
すなわち、工程(1)と工程(2)を独立に行い、後で合わせるだけで、プロトン伝導機能を主に担うポリマーユニットと機械的強度など耐久性に関連する機能を主に担うポリマーユニット用を別々に形成したのち、反応液同士を直接混合する製造法であり実質的に同一である。
検体となる膜の試料を25℃の純水に24時間浸漬し、40℃で24時間真空乾燥した後、元素分析により測定した。炭素、水素、窒素の分析は全自動元素分析装置varioEL、硫黄の分析はフラスコ燃焼法・酢酸バリウム滴定、フッ素の分析はフラスコ燃焼・イオンクロマトグラフ法で実施した。ポリマーの組成比から単位グラムあたりのスルホン酸基密度(mmol/g)を算出した。
ポリマーの重量平均分子量をGPCにより測定した。紫外検出器と示差屈折計の一体型装置として東ソー製HLC−8022GPCを、またGPCカラムとして東ソー製TSK gel SuperHM−H(内径6.0mm、長さ15cm)2本を用い、N−メチル−2−ピロリドン溶媒(臭化リチウムを10mmol/L含有するN−メチル−2−ピロリドン溶媒)にて、サンプル濃度0.1wt%、流量0.2mL/min、温度40℃で測定し、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を求めた。
ミツトヨ製グラナイトコンパレータスタンドBSG−20にセットしたミツトヨ製ID−C112型を用いて測定した。
検体となる電解質膜(3.5〜4.5mg)をスルホン酸基が分解しない温度(例えば40〜100℃)で予備乾燥して水分を除去後、重量を測定する。この際、ポリマーの化学構造や高次構造が変化する可能性があるので、結晶化温度や熱分解温度以上に温度を上げない。重量を測定後、該電解質膜について、以下の条件にて1回目の昇温段階の温度変調示差走査熱量分析を行った。
測定温度範囲:25℃〜熱分解温度(例えば310℃)
昇温速度:5℃/分
振幅:±0.796℃
試料量:約4mg
試料パン:アルミニウム製クリンプパン
測定雰囲気:窒素 50ml/min
予備乾燥:真空乾燥 60℃、1時間
低温側からピークトップまでの熱量を2倍した値を結晶化熱量として計算した。また、検体が水分を含んでいたので、検出された水の蒸発熱量から水分量を計算し、高分子電解質材料の重量を補正した。なお、水の蒸発熱は2277J/gである。
結晶化熱量補正値(J/g)=結晶化熱量(J/g)×試料量(g)/(試料量−試料中の水の重量(g))
(5)透過電子顕微鏡(TEM)による相分離構造の観察
膜の試料を5×15mmの大きさに裁断し、可視硬化樹脂で包埋し、可視光を30 秒照射し固定した。
膜の乾燥湿潤サイクルを実際の発電状態で起こし機械的な耐久性および化学的な耐久性の総合的な指標とした。サイクル回数が大きいほど機械的および化学的耐久性が優れている。
・電子負荷装置;菊水電子工業社製 電子負荷装置“PLZ664WA”
・セル温度;常時80℃
・ガス加湿条件;アノード、カソードとも50%RH
・起動時供給ガス;アノードは水素、カソード空気
・起動時負荷電流;1A/cm2
・起動時ガス利用率;アノードは量論の70%、カソードは量論の40%
・起動時間;3分間
・停止時供給ガス流量;アノード水素は0.25L/min、カソード空気は1L/min
・停止時間;3分間
・起動と停止の切り替え時;アノードに乾燥窒素、カソードに乾燥空気を1L/minで1分間供給し電解質膜を乾燥させた。
上記(6)と同様に発電評価用モジュールとし、下記条件で発電評価を行ない、電圧が0.1V以下になるまで0A/cm2から1.2A/cm2まで電流を掃引した。本発明では電流密度1A/cm2時の電圧を比較した。
・電子負荷装置;菊水電子工業社製 電子負荷装置“PLZ664WA”
・セル温度;常時80℃
・ガス加湿条件;アノード、カソードとも30%RH
・ガス利用率;アノードは量論の70%、カソードは量論の40%
合成例1
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(K−DHBP)の合成
攪拌器、温度計及び留出管を備えた 500mlフラスコに、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン49.5g、エチレングリコール134g、オルトギ酸トリメチル96.9g及びp−トルエンスルホン酸1水和物0.50gを仕込み溶解する。その後78〜82℃で2時間保温攪拌した。更に、内温を120℃まで徐々に昇温、ギ酸メチル、メタノール、オルトギ酸トリメチルの留出が完全に止まるまで加熱した。この反応液を室温まで冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を5%炭酸カリウム水溶液100mlで洗浄し分液後、溶媒を留去した。残留物にジクロロメタン80mlを加え結晶を析出させ、濾過し、乾燥して2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソランを得た。
ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの合成
4,4’−ジフルオロベンゾフェノン109.1g(アルドリッチ試薬)を発煙硫酸(50%SO3)150mL(和光純薬試薬)中、100℃で10h反応させた。その後、多量の水中に少しずつ投入し、NaOHで中和した後、食塩200gを加え合成物を沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、エタノール水溶液で再結晶し、上記一般式(G2)で示されるジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを得た。純度は99.3%であった。
ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンの合成
攪拌器、温度計及び還流管を備えた 1Lフラスコに、合成例2で得られたジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン125g、15%NaOH水溶液を700mL加え、100℃で7時間加熱還流した。1M塩酸で中和し、留出管を備えた後、トルエンを加え、水を共沸させ、系外へと除去し、組成生物を得た。その後、再結晶を行い、上記一般式(G3)で示されるジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンを得た。
工程(1)
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4000mL反応容器に、前記合成例1で得た加水分解性基を含有するジオールモノマーであるK−DHBP28.93g(0.11mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン6.00g(アルドリッチ試薬、0.028mol)を入れ、窒素置換後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)170g、トルエン100g中で均一に溶解したのち、炭酸カリウム199g(アルドリッチ試薬、1。44mol)を加えた。
次ぎに別の容器にイオン性基を有するジハライドモノマーとして前記合成例2で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン255.4g(0.56mol)、NMP(1870g)、1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン140gを入れ均一に溶解した。さらに別の容器にイオン性基を有するジオールモノマーとして前記合成例3で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン46.85g(0.112mol)、NMP(340g)を入れ均一に溶解し、混合した。さらに前記合成例1で得たK−DHBP86.78g(0.336mol)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン23.99g(アルドリッチ試薬、0.112mol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100g、トルエン140g中を加え、均一に溶解したのち、前記反応容器に備え付けた滴下漏斗に仕込んで、窒素置換した。この工程でのイオン性基を有するジハライドモノマーはジハライドモノマー類中の100モル%、イオン性基を有するジオールモノマーはジオールモノマー類中の20モル%、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が60モル%であった。
重合原液Aを久保田製作所製インバーター・コンパクト高速冷却遠心機 型番6930 にアングルローターRA−800をセットし、25℃、30分間、遠心力20000Gで固液分離を行った。ケーキと上澄み液(塗液)がきれいに分離できたので、上澄み液を回収した。上澄み液のみを5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで加圧濾過して、セパラブルフラスコに移した。次に、撹拌しながら80℃で減圧蒸留し、上澄み液の粘度が10Pa・sになるまでNMPを除去し、塗液Aを得た。
基材として125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)を用い、塗液Aをスリットダイで流延塗工し、150℃で15分間乾燥した。
次に、乾燥膜をPETから剥離し、25℃の純水10分間浸漬し残存塩、残存モノマー、残存炭酸カリウム、残存NMP、残存1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン等を洗浄した後、60℃の10重量%の硫酸に30分間浸漬し、加水分解性基の加水分解とスルホン酸基の金属塩のプロトン交換を実施した。次にこの膜を洗浄液が中性になるまで純水で洗浄し、60℃で30分間乾燥し膜厚15μmの電解質膜Aを得た。
実施例1の工程(1)および(2)を工程(6)(7)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4L反応容器に、イオン性基を有するジハライドモノマーとして前記合成例2で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン255.4g(0.56mol)、NMP(1870g)、1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン140gを入れ均一に溶解した。また、別の容器にイオン性基を有するジオールモノマーとして前記合成例3で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン46.85g(0.112mol)、NMP(340g)を入れ均一に溶解し、混合した。その後、前記合成例1で得たK−DHBP86.78g(0.336mol)、および4,4’−ビフェノール20.86g(和光純薬試薬、0.112mol)を入れ、NMP100g、トルエン140gを加え、均一に溶解したのち、炭酸カリウム199g(アルドリッチ試薬、1.44mol)を加えた。この工程でのイオン性基を有するジハライドモノマーはジハライドモノマー類中の100モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーはジオールモノマー類中の20モル%、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が60.0モル%であった。
次ぎに別の容器に前記合成例1で得た加水分解性基を含有するジオールモノマーであるK−DHBP28.93g(0.11mol)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン6.00g(アルドリッチ試薬、0.028mol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン31.16g(アルドリッチ試薬、0.14mol)、NMP40g、トルエン60gを加え、均一に溶解したのち、前記反応容器に備え付けた滴下漏斗に仕込んで、窒素置換した。この工程でのジオールモノマー類中の加水分解性基を含有するジオールモノマーの含有量は80.0モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0モル%であった。
実施例1の工程(1)および(2)を工程(8)、(9)および(10)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4000mL反応容器に、前記合成例1で得た加水分解性基を含有するジオールモノマーであるK−DHBP28.93g(0.11mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン6.00g(アルドリッチ試薬、0.028mol)を入れ、窒素置換後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)170g、トルエン100g中で均一に溶解したのち、炭酸カリウム24g(アルドリッチ試薬、0.18mol)を加えた。
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4L反応容器に、イオン性基を有するジハライドモノマーとして前記合成例2で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン255.4g(0.56mol)、NMP(1870g)、1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン140gを入れ均一に溶解した。また、別の容器にイオン性基を有するジオールモノマーとして前記合成例3で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン46.85g(0.112mol)、NMP(340g)を入れ均一に溶解し、混合した。さらに前記合成例1で得たK−DHBP86.78g(0.336mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン23.99g(和光純薬試薬、0.112mol)を入れ、NMP100g、トルエン140gを加え、均一に溶解したのち、炭酸カリウム100g(アルドリッチ試薬、0.70mol)を加えた。この工程でのイオン性基を有するジハライドモノマーはジハライドモノマー類中の100モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が60.0モル%であった。この溶液を撹拌しながら加熱して反応液温度165℃でトルエンと水の共沸物を環流させながら、脱水を実施した。脱水量が5.1g(脱水率50%対量論値)に到達した時点で、反応液を0.5mlサンプリングして分子量を測定したところ重量平均分子量が5000であった。
上記工程(1)の反応容器内に工程(2)の反応液をチューブポンプで移し、均一に混合した後、反応液温度160℃で脱水を継続した。脱水量の合計が12.6g(脱水率100%対量論値)を越えた時点でトルエンの一部を留去し反応液温度を175℃に昇温し、炭酸ガスの発生減少するまで保持した。
工程(1)
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4000mL反応容器に、前記合成例1で得た加水分解性基を含有するジオールモノマーであるK−DHBP99.18g(0.38mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン20.57g(アルドリッチ試薬、0.096mol)を入れ、窒素置換後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)240g、トルエン140g中で均一に溶解したのち、炭酸カリウム138g(アルドリッチ試薬、1mol)を加えた。
次ぎに別の容器にイオン性基を有するジハライドモノマーとして前記合成例2で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン145.94g(0.35mol)、NMP(1070g)、1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン80gを入れ均一に溶解した後、さらに前記合成例1で得たK−DHBP66.12g(0.26mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン13.71g(アルドリッチ試薬、0.063mol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)240g、トルエン140g中を加え、均一に溶解したのち、前記反応容器に備え付けた滴下漏斗に仕込んで、窒素置換した。この工程でのイオン性基を有するジハライドはジハライド類中の100モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が52モル%であった。
重合原液Aを久保田製作所製インバーター・コンパクト高速冷却遠心機 型番6930 にアングルローターRA−800をセットし、25℃、30分間、遠心力20000Gで固液分離を行った。ケーキと上澄み液(塗液)がきれいに分離できたので、上澄み液を回収した。上澄み液のみを5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで加圧濾過して、セパラブルフラスコに移した。次に、撹拌しながら80℃で減圧蒸留し、上澄み液の粘度が10Pa・sになるまでNMPを除去し、塗液Aを得た。
基材として125μmのPETフィルム(東レ製“ルミラー(登録商標)”)を用い、塗液Aをスリットダイで流延塗工し、150℃で15分間乾燥した。
次に、乾燥膜をPETから剥離し、25℃の純水10分間浸漬し残存塩、残存モノマー、残存炭酸カリウム、残存NMP、残存1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン等を洗浄した後、60℃の10重量%の硫酸に30分間浸漬し、加水分解性基の加水分解とスルホン酸基の金属塩のプロトン交換を実施した。次にこの膜を洗浄液が中性になるまで純水で洗浄し、60℃で30分間乾燥し膜厚15μmの電解質膜Aを得た。この電解質膜Aのスルホン酸基密度は2.90mmol/gであった。この電解質膜Aを使用し高温低加湿発電評価を実施したところ、500mW/cm2であり、乾湿サイクル試験を実施したところ10000回であった。
実施例1の工程(1)および(2)を下記の様に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4L反応容器に、イオン性基を有するジハライドモノマーとして前記合成例2で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン180.91g(0.43mol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.0g(アルドリッチ試薬、0.046mol)、NMP(1350g)、1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン100gを入れ均一に溶解した後、さらに前記合成例1で得たK−DHBP65.08g(0.25mol)、および4,4’−ビフェノール31.28g(和光純薬試薬、0.17mol)を入れ、NMP210g、トルエン290gを加え、均一に溶解したのち、炭酸カリウム120g(アルドリッチ試薬、0.87mol)を加えた。この工程でのイオン性基を有するジハライドモノマーはジハライド類中の90.3モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が48.0モル%であった。
この溶液を撹拌しながら加熱して反応液温度165℃でトルエンと水の共沸物を環流させながら、脱水を実施した。脱水量が7.6g(脱水率100%対量論値)に到達した時点で、反応液を0.5mlサンプリングして分子量を測定したところ重量平均分子量が9000であった。
次ぎに別の容器に前記合成例1で得た加水分解性基を含有するジオールモノマーであるK−DHBP43.39g(0.17mol)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン24.0g(アルドリッチ試薬、0.11mol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン52.32g(アルドリッチ試薬、0.24mol)、NMP720g、トルエン130gを加え、均一に溶解したのち、前記反応容器に備え付けた滴下漏斗に仕込んで、窒素置換した。
この工程でのジオールモノマー類中の加水分解性基を含有するジオールモノマーの含有量は60.7モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0モル%であった。
工程(1)
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4000mL反応容器に、前記合成例1で得た加水分解性基を含有するジオールモノマーであるK−DHBP11.62g(0.045mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン28.92g(アルドリッチ試薬、0.135mol)を入れ、窒素置換後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)260g、トルエン40g中で均一に溶解したのち、炭酸カリウム31g(アルドリッチ試薬、1mol)を加えた。
撹拌機、窒素導入管、滴下漏斗をDean−Starkトラップを備えた4L反応容器に、イオン性基を有するジハライドモノマーとして前記合成例2で得たジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン191.55g(0.45mol)、NMP(1400g)、1,4,7,10,13,17-ヘキサオキサシクロオクタデカン105gを入れ均一に溶解した後、さらに前記合成例1で得たK−DHBP86.78g(0.34mol)、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン17.99g(和光純薬試薬、0.084mol)を入れ、NMP210g、トルエン300gを加え、均一に溶解したのち、炭酸カリウム120g(アルドリッチ試薬、0.87mol)を加えた。この工程でのイオン性基を有するジハライドモノマーはジハライド類中の100モル%であり、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が51.0モル%であった。この溶液を撹拌しながら加熱して反応液温度165℃でトルエンと水の共沸物を環流させながら、脱水を実施した。脱水量が3.8g(脱水率50%対量論値)に到達した時点で、反応液を0.5mlサンプリングして分子量を測定したところ重量平均分子量が5000であった。
上記工程(1)の反応容器内に工程(2)の反応液をチューブポンプで移し、均一に混合した後、反応液温度160℃で脱水を継続した。脱水量の合計が10.8g(脱水率100%対量論値)を越えた時点でトルエンの一部を留去し反応液温度を175℃に昇温し、炭酸ガスの発生減少するまで保持した。
Claims (2)
- ジオールモノマー類とジハライドモノマー類の脱塩重縮合によって得られる、加水分解性基およびイオン性基を含有するポリマーからなる膜状物を前駆体とする高分子電解質膜の製造方法であって、下記工程を有することを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
(1)加水分解性基を有するジオールモノマーを20〜100モル%含むジオールモノマー類とジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が0〜20モル%となるようにして、溶剤に溶解し、塩基性化合物と接触させて加熱脱水し、電解質プレポリマー溶液を得る工程
(2)イオン性基を有するジオールモノマーを10モル%以上含むジオールモノマー類とイオン性基を有するジハライドモノマーを20〜100モル%含むジハライドモノマー類を、イオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量が、工程(1)のイオン性基を有するジオールモノマーおよびイオン性基を有するジハライドモノマーの合計含有量の値+10〜100モル%となるようにして、前記工程(1)で得られた電解質プレポリマー溶液に添加し、加熱脱水して、電解質ポリマー溶液を得る工程
(3)前記工程(2)後の電解質ポリマー溶液を、直接遠心分離法で固液分離し、塗液とする工程
(4)前記工程(3)後の塗液を基材上に流延塗工し、溶媒を加熱蒸発することにより膜状物とする工程
(5)前記膜状物を前駆体とし、酸性水溶液と接触させて高分子電解質膜とする工程
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