JP5335633B2 - 回転電機および回転電機の製造方法 - Google Patents
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Description
また、固定子は円筒形状であり、コア体をコイルが巻回されたティース部が内周側になるように曲げ加工することにより形成している。
また、コア体には、固定子のコイル占有率を高めるため、直線帯状のコア体や、ティース部の突出方向とは逆の方向に曲がった形状のコア体が用いられる。これらのコア体には、コア体を円筒形状にする曲げ加工を容易にするため、そのコア基部にスリットが設けられており、コア体は、各1個のティース部を備えた固定子片がスリットにより形成される薄肉連結部で結合された形状である(例えば、特許文献1参照)。
そのため、スロット数が多い固定子では、コア基部にスリットを形成できないので、薄肉連結部を有しない直線帯状のコア体を、筒状に加工して用いている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2に記載の回転電機の固定子は、コア基部にスリットが設けられていない直線帯状のコア体を、折り曲げて円筒形状に加工するので、折り曲げ加工時に発生するコア体の面外変形がさらに大きくなるとの問題があった。
図1は、本発明の実施の形態1に係わる回転電機における、固定子を形成するユニットコアの正面模式図(a)と、ユニットコアのコア片にコイルが巻回された状態の正面断面模式図(b)と、コア片にコイルが巻回されたユニットコアを折り曲げて形成した円弧状ユニットコアの正面断面模式図(c)とである。
図2は、本発明の実施の形態1に係わる回転電機における、円弧状ユニットコアの複数台を集めて形成した円筒状の固定子の正面断面模式図(a)と、固定子に回転子を配設した回転電機の正面断面模式図(b)とである。
各コア片2は、同じ側に突出した磁極ティース4を有している。またユニットコア5は、磁極ティース4がコア基部3から突出した方向とは逆の方向に、薄肉連結部6を基点として屈曲している。
また、ユニットコア5は、電磁鋼板から、例えば打ち抜き等の加工によって得られたユニットコア板を複数枚積層し、カシメや溶接等で接合して形成されている。
また、図1(c)に示すように、磁極ティース4にコイル7が巻回されたユニットコア5は、各コア片間のスリット9を閉じるように、薄肉連結部6を基点として折り曲げられて、円弧状固定子体1aが形成される。
そして、図2(a)に示すように、3個の円弧状固定子体1aを組み合わせることにより、コア片2を円状に配列したコア体とコイル7とを備えた円筒状の固定子1が形成される。各円弧状固定子体1a同士の衝合部10は、溶接、接着等で接合されている。
さらに、図2(b)に示すように、円筒状の固定子1の内部に、固定子1と同軸に回転子11が配設されて回転電機100となる。
図3(a)に示す、折り曲げる前のユニットコア5の薄肉連結部6は、ユニットコア板の積層方向の幅が、積層厚さと同じ部分(積層厚部と記す)6aと、狭くなった部分(狭厚部と記す)6bとを備えている。そして、積層厚部6aはユニットコア5を円弧状固定子体1aとした場合の径方向における外周側にあり、狭厚部6bはスリット9側、すなわち磁極ティース4が突出している内周側に設けられている。
そして、テーパ形状の狭厚部6bの断面は、矩形形状の積層厚部6aとの接合部から内周側に向かって、断面の幅が連続的に狭くなっている。
また、連結部断面が矩形形状からテーパ形状にかわる位置は、図3に示すユニットコア5を薄肉連結部6で折り曲げる場合の、薄肉連結部6の折り曲げ中心軸の位置、あるいは折り曲げ中心軸の位置より内周側にある。そして、折り曲げ中心軸より内周側にある連結部断面が矩形形状からテーパ形状にかわる位置の下限は、テーパ形状の狭厚部6bの長さが、折り曲げ中心軸から薄肉連結部6の内周側端部までの長さの1/3、好ましくは1/2、より好ましくは2/3となる位置である。
しかし、本実施の形態では、回転子1を形成するユニットコア5の薄肉連結部6は、連結部断面が矩形形状の積層厚部6aと、積層厚部6aより内周側にある連結部断面がテーパ形状の狭厚部6bとからなる。そして、連結部断面が矩形形状からテーパ形状にかわる位置は、ユニットコア5を薄肉連結部6で折り曲げる場合の、薄肉連結部6の折り曲げ中心軸の位置、あるいは折り曲げ中心軸の位置より内周側にある。
すなわち、本実施の形態のユニットコア5は、薄肉連結部6の折り曲げ中心軸の位置から内周側の圧縮側に行くほど、薄肉連結部6の厚さが薄くなっているので、ユニットコア5を折り曲げた時に生じる薄肉連結部6の面外変形量が小さく、ユニットコアの積厚方向の矯正加工が不要である。
そして、このようなユニットコアが回転子に用いられた本実施の形態の回転電機100は、固定子の製造工程を少なくできるとともに、製造設備を省略できるので、コストダウンが可能である。
また、本実施の形態では、ユニットコアは、コア片の磁極ティースが突出した方向とは逆の方向に、薄肉連結部を基点として屈曲しているが、これに限定されず、図4に示すように3固のコア片2が薄肉連結部6で結合され、直線状に並んだユニットコア5bであっても良い。
また、本実施の形態では、コイルは磁極ティースに絶縁物を介して巻回しているが、予め巻回して形成したコイルを磁極ティースに挿入しても良い。
図5は、本発明の実施の形態2に係わる回転電機の固定子に用いられるユニットコアの薄肉連結部の連結部断面を示す模式図である。
本実施の形態の回転電機は、固定子に用いられるユニットコアが、積層厚部と狭厚部とを有する薄肉連結部を備え、図5に示すように、薄肉連結部における連結部断面が、積層厚部では矩形形状であり、狭厚部では積層厚部との接合部から内周側に向かって、断面の幅が段階的に狭くなっていく形状である以外、実施の形態1の回転電機と同様である。
また、図5(b)の断面図に示すように、本実施の形態における第2の薄肉連結部27の連結部断面は、積層厚部26aでは矩形形状であり、狭厚部27bでは、積層厚部27aとの接合部より、積層されたコア片の片方の表面側が段階的に狭くなっていく形状である。
図6は、本発明の実施の形態3に係わる回転電機における、固定子を形成するコア体の正面模式図(a)と、薄肉連結部の拡大正面模式図(b)と、薄肉連結部のB−B断面の模式図(c)とである。
本実施の形態の回転電機は、固定子に用いられるコア体が、図6(a)に示すように、固定子を形成するのに必要な数のコア片32が、薄肉連結部36で結合され、且つ直線帯状に並んだコア体35である以外、実施の形態1の回転電機100と同様である。
そして、図6(b)に示すように、薄肉連結部36は、コア基部33に設けられたスリット39によって形成されている。
また、本実施の形態の回転電機は、固定子として必要な数のコア片32が、直線帯状に並んだコア体35を用いて、固定子が形成されるので、両端のコア片32を接合することにより、固定子が形成でき、製造工程を少なくできる。
また、薄肉連結部の連結部断面は、実施の形態2の回転電機に用いられたユニットコアの連結部断面と同様であっても良い。
図7は、本発明の実施の形態4に係わる回転電機の固定子に用いられるユニットコアの正面模式図(a)と、厚肉連結部のC−C断面の模式図(b)とである。
本実施の形態の回転電機は、図7(a)に示すように、固定子に用いられるユニットコア45は、コア基部43にスリットが設けられておらず、コア片42がスリットを有しない連結部(厚肉連結部と記す)46で結合されている以外、実施の形態1の回転電機と同様である。そして、厚肉連結部46は、積層厚部46aと積層厚みの幅が狭くなった狭厚部46bとからなり、狭厚部46bが、磁極ティース44が突出した側(内周側と記す)に形成されている。
そのため、本実施の形態の回転電機は、実施の形態1の回転電機と同様な効果を有するとともに、ユニットコアの厚肉連結部は、断面積が大きいので、コア片の連結部の強度が高く、固定子製造時のハンドリングにおいて、コア体が折り曲がる等の不具合が発生するのを防止できる。
また、厚肉連結部の連結部断面は、実施の形態2の回転電機の固定子に用いられたユニットコアの薄肉連結部の連結部断面と同様であっても良い。
また、このようなコア片の結合構造は、実施の形態3の回転電機の固定子にも適用でき、同様な効果が得られる。
図8は、本発明の実施の形態5に係わる回転電機における固定子を形成するコア体の正面模式図(a)と、スロット形成部のD−D断面の模式図(b)とである。
図8(a)は、固定子を形成するコア体の全体を示したものではなく、このコア体の構造を示す部分正面模式図である。
本実施の形態の回転電機では、図8(a)に示すように、固定子に用いられるコア体は、コア基部53から全て同じ側に突出した複数の磁極ティース54を備えた直線帯状のコア体55である。
そして、第1の狭厚部56bは、コア体55のスロット側の反対側(外周側と記す)に設けられ、第2の狭厚部56cは、コア体55のスロット側(内周側と記す)に設けられている。
そして、テーパ形状の狭厚部56b,56cの断面は、矩形形状の積層厚部56aとの接合部から離れる方向に向かって、断面の幅が連続的に狭くなっている。
また、スロット形成部56の積層断面が、矩形形状からテーパ形状にかわる位置は、図8(a)に示すコア体55を円筒状にするために折り曲げる場合の、スロット形成部56における折り曲げ中心軸の位置より、第1の狭厚部56bでは、外周側にあり、第2の狭厚部56cでは内周側にある。
さらに、円筒状の固定子内部に、固定子と同軸に回転子が配設されて回転電機となる。
そして、第1の狭厚部56bは、コア体55を円筒状にするために折り曲げる場合の、スロット形成部56における折り曲げ中心軸の位置より、外周側の伸張側に設けられている。第2の狭厚部56cは、コア体55を円筒状にするために折り曲げる場合の、スロット形成部56における折り曲げ中心軸の位置より、内周側の圧縮側に設けられている。
また、第1の狭厚部56bがスロット形成部56の折り曲げ中心軸の位置より、外周側の伸張側に設けられているので、コア体55を折り曲げて円筒状の固定子にする場合の、曲げ加工に要する力が小さくなり、曲げ加工に必要な設備の小型化と省スペース化と低コスト化が図れ、この面からも回転電機のコストダウンが可能である。
5 ユニットコア、6 薄肉連結部、6a 積層厚部、6b 狭厚部、7 コイル、
9 スリット、10 衝合部、11 回転子、26 第1の薄肉連結部、
26a 積層厚部、26b 狭厚部、27 第2の薄肉連結部、27a 積層厚部、
27b 狭厚分、32 コア片、33 コア基部、34 磁極ティース、35 コア体、
36 薄肉連結部、36a 積層厚部、36b 狭厚部、39 スリット、
42 コア片、43 コア基部、44 磁極ティース、45 ユニットコア、
46 厚肉連結部、46a 積層厚部、46b 狭厚部、53 コア基部、
54 磁極ティース、55 コア体、56 スロット形成部、56a 積層厚部、
56b 第1の狭厚部、56c 第2の狭厚部、59 スロット、100 回転電機。
Claims (7)
- コア基部と磁極ティースを備える複数のコア片が厚肉連結部で結合されたユニットコア板を複数枚積層してユニットコアを形成する第一工程と、
積層された上記磁極ティースにコイルを巻回する第二工程と、
上記ユニットコアを上記厚肉連結部で折り曲げて、上記コア基部が外周側、上記磁極ティースが内周側となるように、上記コイルが設けられた円筒状の固定子を形成する第三工程と、
上記円筒状の固定子の内部に、上記固定子の軸と同軸に回転子を配設する第四工程と、を含み、
上記第三工程の折り曲げ前における上記厚肉連結部は、上記固定子の外周側となる積層厚部と上記固定子の内周側となる狭厚部とを備え、上記コア基部および上記積層厚部の積層方向の幅は互いに等しく一定であり、上記狭厚部の積層方向の幅は上記積層厚部の積層方向の幅より狭く、上記第三工程において上記厚肉連結部が変形する回転電機の製造方法。 - 折り曲げ前における上記厚肉連結部の連結部断面が、上記積層厚部では矩形形状であり、上記狭厚部では上記積層厚部から内周側に向かって、断面の幅が連続的に狭くなっていくテーパ形状であり、
上記連結部断面において上記矩形形状から上記テーパ形状にかわる位置が、上記厚肉連結部の折り曲げ中心軸の位置、あるいは上記折り曲げ中心軸の位置より内周側にある請求項1に記載の回転電機の製造方法。 - 折り曲げ前における上記厚肉連結部の連結部断面が、上記積層厚部では矩形形状であり、上記狭厚部では上記積層厚部との接合部から内周側に向かって、断面の幅が段階的に狭くなっていく形状であり、
上記連結部断面において上記矩形形状から上記断面の幅が段階的に狭くなる形状にかわる位置が、上記厚肉連結部の折り曲げ中心軸の位置、あるいは上記折り曲げ中心軸の位置より内周側にあることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の製造方法。 - 複数の上記ユニットコアを組み合わせて上記円筒状の固定子を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機の製造方法。
- 折り曲げ前における上記ユニットコアは、上記コア片が直線帯状に並んで上記厚肉連結部で結合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転電機の製造方法。
- コア基部から同じ側に突出した複数の磁極ティースを有する直線帯状のコア体と、上記コア体の上記磁極ティースに巻装されるコイルとを備え、且つ上記コア体を折り曲げて、上記コイルが設けられた上記コア体を円筒状にして形成された固定子と、上記円筒状の固定子の内部に、上記固定子の軸と同軸に回転子が配設された回転電機であって、上記コア体のスロット形成部が、積層厚部と第1の狭厚部と第2の狭厚部とからなり、上記第1の狭厚部が上記コア体の外周側に設けられ、上記第2の狭厚部が上記コア体の内周側に設けられた回転電機。
- 上記スロット形成部の積層断面は、上記積層厚部では矩形形状であり、上記第1の狭厚部と上記第2の狭厚部では、上記積層厚部との接合部から離れる方向に向かって、断面の幅が連続的に狭くなっていくテーパ形状であり、且つ上記スロット形成部の積層断面が、上記矩形形状から上記テーパ形状にかわる位置は、上記コア体を円筒状にするために折り曲げる場合の、上記スロット形成部における折り曲げ中心軸の位置より、上記第1の狭厚部では外周側にあり、上記第2の狭厚部では内周側にあることを特徴とする請求項6記載の回転電機。
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