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JP5334970B2 - アルキル化芳香族化合物の製造方法およびフェノールの製造方法 - Google Patents

アルキル化芳香族化合物の製造方法およびフェノールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルキル化芳香族化合物の製造方法およびフェノールの製造方法に関する。
クメンを出発原料としてフェノールを製造するクメン法は公知であるが、クメン法においては生成フェノールと等モル量のアセトンが常に副生する。副生するアセトンは溶剤または有機合成原料として広範囲な用途があるが、その時々の市場の動向によってはアセトンが過剰であったり、市況が悪い場合があり、製造するフェノールの経済性を低下させる原因となっている。クメンは通常ベンゼンをプロピレンでアルキル化することにより製造されている。プロピレンはナフサの熱分解で製造されており同時に併産されるエチレンとプロピレンの需要バランスによりプロピレンが不足しクメン生産の隘路となる場合が多い。
この隘路を避ける目的でフェノール製造時に併産されるアセトンを水素添加してイソプロパノールとし、これを更に脱水してプロピレンとし、クメン製造などの原料としてリサイクル使用する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながらこの方法では水添工程と脱水工程という2つの工程が増えるという問題点がある。
そこで工程短縮のために、アセトンへの水素添加によって得られたイソプロパノールを脱水せずにそのままアルキル化剤として使用しベンゼンと反応させてクメンを製造する方法が提案されている(特許文献2〜4参照)。特許文献4には、トリクルベッド反応器を使用する方法も開示されているが、ガスの流量については記載がない。
特開平2−174737号公報 特開平2−231442号公報 特開平11−35497号公報 特表2003−523985号公報
アルコールをアルキル化剤として使用してアルキル化芳香族化合物を製造する場合、反応中に、反応したアルキル化剤と当量の水が生成する。この水によりアルキル化触媒である固体酸触媒は被毒されることは公知であり、そのために従来のアルキル化剤にオレフィンを使用した方法と比較して触媒の活性の低下や触媒寿命の低減が予想される。よって、従来の方法より触媒量は多く必要になり、触媒当たりの芳香族化合物(ベンゼン)とアルコール(イソプロパノール)との処理量である液重量基準空間速度(WHSV)は低くなる。これにより、反応器が過大になり機器費増大の要因となる。
上述のような不都合は、アルキル化剤にアルコールを用いて、工業的にアルキル化芳香族化合物を製造する上では解決すべき課題である。
本発明は、固体酸触媒の存在下で、芳香族化合物とアルコールとを含む原料を反応させてアルキル化芳香族化合物を製造する方法であって、コンパクトな反応器を使用でき、効率よくクメン等のアルキル化芳香族化合物を製造するための方法を提供することを目的とする。また、該方法によってクメンを得る工程を有するフェノールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、アルキル化触媒として固体酸触媒を充填した固定床反応器において、イソプロパノール等のアルコールをアルキル剤として用いて芳香族化合物をアルキル化する際に、反応器にガスを流通させることで極めて高いアルキル化剤転化率・クメン類選択率が得られる事を見出した。
すなわち、本発明に係るアルキル化芳香族化合物の製造方法およびフェノールの製造方法は以下の(1)〜(7)に関する。
(1) 芳香族化合物とアルコールとを含む原料を、固体酸触媒を充填した固定床反応器中に、気液下降並流方式で反応器に導入することによりアルキル化芳香族化合物を製造する方法であって、
前記原料がガス流通下で反応器に導入され、
下記式(1)で規定する反応ガス流量が、固体酸触媒層入口で0.05以上の値であることを特徴とするアルキル化芳香族化合物の製造方法。
ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1) ・・・(1)
(ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水のガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表す。)
(2) 反応器内の流動状態が、トリクルベッド領域であることを特徴とする(1)に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
(3) ガスが窒素、水素、および希ガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする(1)または(2)に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
(4) 固体酸触媒がゼオライトである(1)〜(3)のいずれかに記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
(5) ゼオライトが10〜12員環構造を有するゼオライトである(4)に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
(6) 芳香族化合物がベンゼンであり、アルコールがイソプロパノールである(1)〜(5)のいずれかに記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
(7) 下記工程(a)〜工程(e)を含むフェノールの製造方法において、工程(d)を(6)に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法に従って実施することを特徴とするフェノールの製造方法。
工程(a):クメンを酸化してクメンヒドロペルオキシドへ変換する工程
工程(b):クメンヒドロペルオキシドを酸分解させてフェノールとアセトンとを得る工程
工程(c):上記工程(b)において得られるアセトンに水素添加してイソプロパノールへ変換する工程
工程(d):上記工程(c)で得られるイソプロパノールを用いて、ベンゼンとイソプロパノールとを反応させてクメンを合成する工程
工程(e):上記工程(d)で得られるクメンを工程(a)へ循環する工程
本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法によれば、イソプロパノール等のアルコールおよびベンゼン等の芳香族化合物(原料)を反応器に導入する際に、ガス流通下で行うことにより、従来よりも高収率で、かつ工業上、実用的な方法でクメン等のアルキル化芳香族化合物を得ることができる。
本発明のフェノールの製造方法においては、上記アルキル化芳香族化合物の製造方法を適用することにより、フェノールの製造の際に併産するアセトンを再使用することが可能となる。
図1は「触媒講座第6巻(工学編2) 触媒反応装置とその設計」、触媒学会、講談社、1985年12月、第1刷、p.182に記載の気液下降並流充填層での流動領域を示す図に、実施例、比較例の流動状態をプロットしたものである。
本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法は、芳香族化合物とアルコールとを含む原料を、固体酸触媒を充填した固定床反応器中に、気液下降並流方式で反応器に導入することによりアルキル化芳香族化合物を製造する方法であって、前記原料がガス流通下で反応器に導入され、下記式(1)で規定する反応ガス流量が、固体酸触媒層入口で0.05以上の値であることを特徴とする。
ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1) ・・・(1)
(ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水のガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表す。)
なお、固体酸触媒層とは、固定床反応器中に固体酸触媒を充填することにより形成される触媒層を示す。
本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法における反応は、固体酸触媒を用いた芳香族化合物のアルコールによるアルキル化であり、液固2相反応である。しかしながら、本発明においては、原料をガス流通下で反応器に導入することにより、アルキル化反応の反応成績が著しく向上する。
図1に気液下降並流での流動領域を示す。この流動領域図は、空気-水系から得られたデータに基づいて作成されたものであり、それ以外の系については物性の違いに基づく補正項を考慮することにより作成される(「触媒講座第6巻(工学編2) 触媒反応装置とその設計」、触媒学会、講談社、1985年12月、第1刷、p.182)。なお、図1において、斜線の部分は境界の存在する範囲を表している。この図のx、y軸は以下のように定義されている。
X軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl)2]1/3 (kgm-2s-1)
Y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1)
ここで、ρl、ρg、ρair、及びρwaterはそれぞれ、反応液の密度、反応ガスの密度、空気のガス密度及び水のガス密度を表し、σ及びσwaterはそれぞれ反応液及び水の表面張力を表し、ul及びugは反応液及び反応ガスの空塔基準流速を表す。
なお、本発明において、反応ガスとは、反応器内の気相成分を意味する。すなわち、反応ガスには、気体として存在する全成分が含まれ、具体的には原料を気液下降並流方式で導入するために用いるガス以外にも、気化した芳香族化合物やアルコール、さらには気化したアルキル化芳香族化合物、水等が含まれる。また本発明において、反応液とは、反応器内の液相成分を意味する。すなわち、反応液には液体として存在する全成分が含まれ、具体的には原料として導入する芳香族化合物やアルコール、液相に溶解したガス、さらにはアルキル化芳香族化合物、水等が含まれる。
また、本発明において反応器内の流動状態が、トリクルベッド領域(灌液流)であることが好ましい。トリクルベッド領域においては、液がしずくの様に触媒の外表面を滴下しており、また、触媒の狭い空隙に付着して停滞している液もある。いずれにしても液体は個々のかたまりとして散在しており、分散相を形成している。一方、気体は触媒および液体のまわりを囲んで連続相を形成している。
反応器内の流動状態がトリクルベット領域であると、特開平11−116523号公報にあるように系内濃度分布が均一で穏やかな運転が可能となり、高度の耐圧設備にする必要がなく、また触媒にかかる物理的な負荷も低減し触媒破損を防止することができる。
また、本発明においては、下記式(1)で規定する反応ガス流量が、固体酸触媒層入口で0.05以上の値である。
ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1) ・・・(1)
(ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水のガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表す。)
上記式(1)は、図1の流動領域図のy軸に相当する式である。式(1)で規定する反応ガス量が0.05以上では、高いクメン類選択率であり好ましい。反応ガス量は0.08〜0.6であることがより好ましい。
なお、図1においてはx軸は反応液(反応器内の液相成分)の流量であり、式(2)で表わされる。本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法により、効率よくアルキル化芳香族化合物を得ることが可能であるが、式(2)で表わされる反応液流量は、式(1)で表わされる反応ガス流量と比べ、本発明の製造方法に与える影響は少なかった。
ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl)2]1/3 (kgm-2s-1) ・・・(2)
(ここで、ρlは反応液の密度、ρwaterは水のガス密度、σは反応液の表面張力、σwaterは水の表面張力、ulは反応液の空塔基準流速を表す。)
本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法は、前述のように反応器内の流動状態が、トリクルベッド領域であることが好ましく、トリクルベッド領域となる範囲であれば、反応液流量は本発明の製造方法に悪影響をおよぼすことはない。
本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法において、前記芳香族化合物としては、ベンゼン、ナフタレン等が挙げられ、中でもベンゼンが好適である。また、前記アルコールとしては、イソプロパノール、2−ブタノール等が挙げられ、中でもイソプロパノールが好適である。
すなわち、本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法は、芳香族化合物としてはベンゼンであり、アルコールとしてはイソプロパノールであることが好ましく、この場合に得られるアルキル化芳香族化合物は、クメンである。
本発明に用いるガスは、通常窒素、水素および希ガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスである。
本発明に用いる固体酸触媒は、酸としての機能を持つ触媒であり、一般的に固体酸と呼ばれるものであれば良く、ゼオライト、シリカアルミナ、アルミナ、硫酸イオン担持ジルコニア、WO3担持ジルコニアなどを用いることができる。
特に、ケイ素とアルミニウムから構成される無機の結晶性多孔質化合物であるゼオライトは耐熱性や目的とするアルキル化芳香族化合物(クメン)の選択率の面から本発明に好適な固体酸触媒である。
アルキル化芳香族化合物として、クメンを製造する際には、ゼオライトとしては、クメンの分子径と同程度の細孔を有する、10〜12員環構造を有するゼオライトが好ましい。
12員環構造を有するゼオライトの例としては、Y型、USY型、モルデナイト型、脱アルミニウムモルデナイト型、β型、MCM−22型、MCM−56型などが挙げられ、とくにβ型、MCM−22型、MCM−56型が好適な構造である。
これらゼオライトのケイ素とアルミニウムの組成比は2/1〜200/1の範囲にあれば良く、特に活性と熱安定性の面から5/1〜100/1のものが好ましい。さらにゼオライト骨格に含まれるアルミニウム原子を、Ga、Ti、Fe、Mn、Bなどのアルミウム以外の金属で置換した、いわゆる同型置換したゼオライトを用いることも出来る。
固体酸触媒の形状は特に制限は無く、球状・円柱状・押し出し状・破砕状いずれでもよく、またその粒子の大きさも、例えば0.01mm〜100mmの範囲のものを用いることができ、反応器の大きさに応じ選定すればよい。
本発明における原料の供給速度は、高生産性を達成するために好ましくは触媒重量に対する液重量基準空間速度(WHSV)が通常は50以下の範囲、より好ましくは20以下の範囲、さらに好ましくは10以下の範囲である。また、液重量基準空間速度(WHSV)は通常1以上である。
上記範囲では、高収率でクメンを製造することができる。
また、本発明に用いる芳香族化合物は、原理的には、アルコールと等モル以上あればよく、分離回収の点からは、好適な範囲は、アルコールに対して、1〜10倍モル、好ましくは、1〜5倍モルである。
本発明に用いるガスは、分離回収の点からは、好適な範囲は、アルコールに対して、1〜20倍モル、好ましくは、1〜10倍モルである。
本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方法では、気液下降並流方式で原料を固定床反応器中に導入するが、該反応器内の反応温度は、100〜300℃の範囲、好ましくは120〜250℃の範囲である。また、反応圧力は0.5〜10MPaG、好ましくは2〜5MPaGの範囲である。
本発明のフェノールの製造方法は、下記工程(a)〜工程(e)を含むフェノールの製造方法において、工程(d)を前述のアルキル化芳香族化合物の製造方法に従って実施することを特徴とする。なお、フェノールの製造方法の工程(d)として、前述のアルキル化芳香族化合物の製造方法を実施する場合には、前記芳香族化合物がベンゼンであり、アルコールがイソプロパノールである。
工程(a):クメンを酸化してクメンヒドロペルオキシドへ変換する工程
工程(b):クメンヒドロペルオキシドを酸分解させてフェノールとアセトンとを得る工程
工程(c):上記工程(b)において得られるアセトンに水素添加してイソプロパノールへ変換する工程
工程(d):上記工程(c)で得られるイソプロパノールを用いて、ベンゼンとイソプロパノールとを反応させてクメンを合成する工程
工程(e):上記工程(d)で得られるクメンを工程(a)へ循環する工程
本発明のフェノールノ製造方法は、工程(a)および(b)においてクメンからフェノールを生成し、副生するアセトンを工程(c)でイソプロパノールに水素化し、工程(d)において、クメンを生成し、工程(e)において、工程(d)で得られたクメンを工程(a)に循環するため、理論上はアセトンを反応系外から導入する必要がなく、コストの面でも優れている。なお実際のプラントにおいては、アセトンを100%回収することは困難であり、少なくとも減少した分のアセトンは新たに反応系に導入される。
また本発明のフェノールの製造方法においては、種々の改良法を提供しても問題ない。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの例に限定するものではない。
〔実施例1〕
原料としてイソプロパノールおよびベンゼンを用い、該原料からクメンを生成する触媒試験を行った。
内径:38.4mm、長さ:4800mmのステンレス製縦型反応管にβゼオライト触媒(φ1.5mmのペレット状、東ソー製):2435gを充填した。充填後、イソプロパノール:24L/hを反応器上部より流し、1時間触媒洗浄を実施した。
反応器圧力:3MPaG、予熱温度:175℃に保ち、反応器上部よりベンゼン:8.1L/h、イソプロパノール:0.65L/h、水素:1900NL/hを送り込み反応を行った。本条件での液重量基準空間速度(WHSV)は3.0である。反応器下部より排出される反応液とガスの混合物を気液分離槽、さらに油相と水相を油水分離槽に分け、12時間連続反応を続行したところで反応液ならびに廃ガスをそれぞれガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、イソプロパノール転化率:100%・クメン類選択率:92.8%と高い選択性を示した。
また、この条件における流動領域の判別を行った。固体酸触媒層(アルキル化触媒層)入口の反応ガス流量はPSRK式(化学工学便覧改定6版、化学工学会編集)を用い、さらにベンゼン・クメンへの水素溶解度データ(Ipatieff V.,Oil Gas J. 32,14-15,(1993)およびSokolov V., J.Appl.Chem.USSR, 50(6), 1347-1349,(1977))、ベンゼン・クメンの水への溶解度データ(Thompson W.H.,J.Chem.Eng.Data, 9(4), 516-520,(1964)およびEnglin B.A.,Khim.Tekhnol.Topl.Masel, 10(9), 42-46,(1965))、ベンゼン/水共沸データ(Burd S.D.,Proc.Am.Petrol.Inst.Ref.Div.,48,464-476,(1968))の文献データを回帰して修正した推算式より算出した。
なお、物性算出には上記推算式および実施例反応条件を定常プロセスシミュレーター(アスペンテック社)に入力して推算した。結果を表1に示す。
実施例1において流動状態はトリクルベット領域であり、反応ガス流量は0.280であった。
x軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl)2]1/3 (kgm-2s-1)=2.263
y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1)=0.280
〔実施例2〕
実施例1に記載した実験装置及び実験条件において、水素:500 NL/hにした以外は実施例1と同様にして触媒試験を実施した。その結果、イソプロパノール転化率:100%・クメン類選択率:86.9%と高い選択率となった。
また、実施例2において、流動状態はトリクルベッド領域であり、反応ガス流量は0.075であった。
x軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl)2]1/3 (kgm-2s-1)=4.269
y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1)=0.075
〔比較例1〕
実施例1に記載した実験装置及び実験条件において、水素:190NL/hにして以外は実施例1と同様にして触媒試験を実施した。その結果、イソプロパノール転化率:50.5%・クメン類選択率:42.6%と低い選択率となった。また、副生成物としてプロパン・プロピレンが大量に生成した。
また、比較例1において、流動状態はトリクルベッド領域にあるが、反応ガス流量は、0.026であった。
x軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl)2]1/3 (kgm-2s-1)=4.771
y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1)=0.026
Figure 0005334970
1・・・灌液流
2・・・噴霧流
3・・・脈動流
4・・・気泡流

Claims (6)

  1. 芳香族化合物とアルコールとを含む原料を、固体酸触媒を充填した固定床反応器中に、気液下降並流方式で反応器に導入することによりアルキル化芳香族化合物を製造する方法であって、
    前記原料がガス流通下で反応器に導入され、
    前記反応器内の流動状態が、トリクルベッド領域であり、
    下記式(1)で規定する反応ガス流量が、固体酸触媒層入口で0.05以上の値であることを特徴とするアルキル化芳香族化合物の製造方法。
    ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1) ・・・(1)
    (ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水のガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表す。)
  2. ガスが窒素、水素、および希ガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする請求項1に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
  3. 固体酸触媒がゼオライトである請求項1または2に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
  4. ゼオライトが10〜12員環構造を有するゼオライトである請求項に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
  5. 芳香族化合物がベンゼンであり、アルコールがイソプロパノールである請求項1〜のいずれかに記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
  6. 下記工程(a)〜工程(e)を含むフェノールの製造方法において、工程(d)を請求項に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法に従って実施することを特徴とするフェノールの製造方法。
    工程(a):クメンを酸化してクメンヒドロペルオキシドへ変換する工程
    工程(b):クメンヒドロペルオキシドを酸分解させてフェノールとアセトンとを得る工程
    工程(c):上記工程(b)において得られるアセトンに水素添加してイソプロパノールへ変換する工程
    工程(d):上記工程(c)で得られるイソプロパノールを用いて、ベンゼンとイソプロパノールとを反応させてクメンを合成する工程
    工程(e):上記工程(d)で得られるクメンを工程(a)へ循環する工程
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