JP5330865B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、周方向主溝の内部に、周方向主溝を完全に横断する傾斜陸部が配置されているので、雪上走行時、周方向主溝に入り込んだ雪が傾斜陸部に引っ掛かるため、周方向主溝に入り込んだ雪が溝内を周方向にずれることが阻止され、雪上トラクション性能、及び雪上ブレーキ性能といった雪上性能を向上させることができる。
これにより、ウエットハイドロプレーニング性能、及び雪上性能を向上することが出来る。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記他方の陸部に喰い込むように形成されている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、互いに逆方向に傾斜する2つの前記傾斜陸部がタイヤ周方向に接している。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記傾斜陸部を高さが漸減する方向に沿った断面で見た時に、前記傾斜陸部の輪郭形状は中央部分が凹んでいる。
周方向主溝内に配置した傾斜陸部の中央部分を凹ませることで、雪上走行時に効果的なエッジ効果が得られると同時に、強度のある雪柱を周方向主溝内に形成することができ、雪上走行性能の向上を図ることができる。
請求項6に記載の空気入りタイヤでは、周方向主溝内の水の一部が傾斜陸部のタイヤ回転方向側の縁部に導かれて傾斜ラグ溝へ向かう。このとき、傾斜陸部のタイヤ回転方向側の縁部と、傾斜ラグ溝のタイヤ回転方向とは反対側の溝壁面(=陸部のタイヤ回転方向側の陸部側壁面)とが段差無く連続して繋がっているため、周方向主溝内の水の一部は、よりスムーズに傾斜ラグ溝に進入することができ、傾斜ラグ溝による排水性が更に向上する。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド12には、タイヤ赤道面CLの両側に、タイヤ周方向に沿って延びるセンター側周方向主溝14が配置され、センター側周方向主溝14のタイヤ軸方向外側には、ショルダー側周方向主溝16が配置されている。なお、符号12Eはトレッド12の接地端である。
この1対のセンター側周方向主溝14の間、即ちタイヤ赤道面CL上には、タイヤ周方向に連続して延びるセンターリブ18が配置されている。このセンターリブ18には、タイヤ軸方向に対して傾斜するサイプ20が形成されている。
タイヤ軸方向に対する傾斜角度(平均値)は、第1の傾斜ラグ溝22、第2の傾斜ラグ溝24、第3の傾斜ラグ溝26の順に大きくなっている。
ここで、第1の傾斜ラグ溝22と第2の傾斜ラグ溝24との間の陸部が第1のブロック28、第2の傾斜ラグ溝24と第3の傾斜ラグ溝26との間の陸部が第2のブロック30、第3の傾斜ラグ溝26と第1の傾斜ラグ溝22との間の陸部が第3のブロック32とされている。
第1の傾斜陸部34は、第1のブロック28からセンターリブ18に向かうにしたがってその高さが漸減しており、センターリブ側の端部においては、センター側周方向主溝14の溝底と同一レベル(溝底から計測する高さが零)となっている。なお、本実施形態では、第1の傾斜陸部34のタイヤ赤道面側の端部が、センターリブ18に喰い込むように形成されている。
第3のブロック32は、タイヤ赤道面側の端部、及びタイヤ幅方向外側の端部に各々傾斜面(面取り)38が形成されている。また、第3のブロック32には、略タイヤ軸方向に延びるサイプ40が形成されている。なお、第3のブロック32は、タイヤ軸方向外側の端部がショルダー側周方向主溝16の幅方向中央付近に配置されている。
なお、トレッド12を平面視した図2(A)で示すように、第2の傾斜陸部50のタイヤ回転方向側(矢印R方向側)の端縁(辺)50Aは、第3のブロック32のタイヤ回転方向側のブロック側壁面32Aとは段差無くスムーズに繋がっている。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、センター側周方向主溝14の内部に、センター側周方向主溝14を完全に横断する第1の傾斜陸部34、及び第2の傾斜陸部50が配置されているので、雪上走行時、センター側周方向主溝14に入り込んだ雪が第1の傾斜陸部34、及び第2の傾斜陸部50に引っ掛かるため、センター側周方向主溝14に入り込んだ雪が溝内を周方向にずれることが阻止され、雪上トラクション性能、及び雪上ブレーキ性能といった雪上性能を向上させることができる。
これにより、本実施形態の空気入りタイヤ10は、ウエットハイドロプレーニング性能、及び雪上性能を向上することが出来る。
本発明の効果を確かめるために、従来例のタイヤ、比較例のタイヤ2種、及び本発明の適用された実施例のタイヤを用意し、ウエットハイドロプレーンニング性能、ウエット制動性能、ドライ制動性能、ウエット操縦安定性能、ドライ操縦安定性能、雪上操縦安定性能、雪上トラクション性能、及び雪上制動性能の比較を実車に装着して行った。
従来例のタイヤ:図3に示すトレッドパターンを有するタイヤである。図3において、符号100,102は周方向主溝、符号104,108,110はラグ溝、符号106は細溝、符号110はサイプ、符号112Eは接地端を示している。なお、傾斜ラグ溝104は、溝幅が5〜6mm、溝角度が45°、溝深さが9mmである。
比較例1のタイヤ:実施例のタイヤから、第2の傾斜陸部を取り除いたタイヤである(図4参照。センター側周方向主溝14では第1の傾斜陸部34のみが横断している。)。
比較例2のタイヤ:実施例のタイヤから、第1の傾斜陸部を取り除いたタイヤである(図5参照。センター側周方向主溝14では第2の傾斜陸部50のみが横断している。)。
なお、実施例、及び比較例において、傾斜ラグ溝の溝幅は4〜6mm、溝角度は、タイヤ周方向に対して30〜67°、溝深さは8mmである。
・ウエットハイドロプレーンニング性能(直進):水深5mmのウエット路面を直進で通過する際のハイドロプレーニング発生限界速度でのフィーリング評価。評価は、従来例を100とする指数表示とし、数値が大きいほどウエットハイドロプレーンニング性能に優れていることを表している。
12 トレッド
14 センター側周方向主溝
16 ショルダー側周方向主溝
18 センターリブ(陸部)
22 第1の傾斜ラグ溝
24 第2の傾斜ラグ溝
26 第3の傾斜ラグ溝
28 第1のブロック(陸部)
30 第2のブロック(陸部)
32 第3のブロック(陸部)
34 第1の傾斜陸部
34A 端縁
34B 端縁
50 第2の傾斜陸部
Claims (6)
- 路面に接地するトレッドと、
前記トレッドに設けられ、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝と、
前記トレッドに設けられ、前記周方向主溝からタイヤ軸方向外側に向けて延びると共にタイヤ赤道面側の端部がタイヤ軸方向外側の端部よりも先に接地するようにタイヤ軸方向に対して傾斜する傾斜ラグ溝と、
前記周方向主溝を挟んで一方の陸部から他方の陸部に向けて高さが漸減するように延びて、前記周方向主溝を完全に横断する傾斜陸部と、
を有する空気入りタイヤ。 - 前記傾斜陸部は、前記一方の陸部側のみが傾斜している請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記傾斜陸部の端部が、前記他方の陸部に喰い込むように形成されている請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 互いに逆方向に傾斜する2つの前記傾斜陸部がタイヤ周方向に接している請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記傾斜陸部を高さが漸減する方向に沿った断面で見た時に、前記傾斜陸部の輪郭形状は中央部分が凹んでいる、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記傾斜陸部のタイヤ回転方向側の縁部と、前記傾斜ラグ溝のタイヤ回転方向とは反対側の溝壁面とが段差無く連続して繋がっている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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