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JP5329102B2 - 吸収パッド - Google Patents

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JP5329102B2 JP2008021443A JP2008021443A JP5329102B2 JP 5329102 B2 JP5329102 B2 JP 5329102B2 JP 2008021443 A JP2008021443 A JP 2008021443A JP 2008021443 A JP2008021443 A JP 2008021443A JP 5329102 B2 JP5329102 B2 JP 5329102B2
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Description

本発明は、尿や経血等の排泄物を吸収するために使用される吸収パッドに関するものである。
例えば成人向けの使い捨ておむつにおいては、交換頻度を考慮して、内面に尿吸収を目的とした吸収パッドを用いることが一般的になっている(例えば特許文献1参照)。このような吸収パッドは、不透液性バックシートと透液性トップシートとの間に吸収体が介在されるとともに、不透液性バックシートおよび透液性トップシートが吸収体の前端よりも前側及び後端よりも後側にそれぞれ延出され、これら延出部分により吸収体の存在しない前エンドフラップ部及び後エンドフラップ部がそれぞれ形成された構造を有している。製品によっては、不透液性バックシートの裏面を、より肌触りに優れた不織布で被覆することも行われている。
また、このような構造を有する吸収パッドにおいては、装着時のズレ防止のため、裏面に粘着剤や面ファスナー(メカニカルファスナー)のフックテープが取り付けられており、これらの止着手段を介しておむつ又は下着の内面に止着することが一般的となっている。中でも、面ファスナーのフックテープはフック状の突起を多数有しており、このフック状の突起が、下着又はおむつ内面の繊維に絡まることにより係止できるものであり、止着及び剥離を繰り返しても止着能力が低下しないという利点を有している。
しかし、面ファスナーの角部が肌に接触すると、着用者の肌を傷つけてしまうという問題があり、このため、面ファスナーの角を丸く面取りしたり(特許文献1参照)、シートによって覆い隠したりすることが提案されている(特許文献2参照)
特開2005−287791号公報 特許3764010号
しかしながら、面ファスナーのフックテープは素材全体が硬いため、角部以外の部分が肌に接触しても肌を傷付けるおそれが高い。よって、上記特許文献2記載の吸収パッドでは、面ファスナーのフックテープによる肌の傷付きを完全に防止できるものではない。
そこで、本発明の主たる課題は、面ファスナーのフックテープによる肌の傷付きを防止することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
透液性トップシートと不透液性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記不透液性シートの裏面に、フック状突起を有するフックテープがフック面を外側にして固着された吸収パッドにおいて、
前記不透液性バックシートの裏面全体を前記フックテープごと覆うように、前記フック状突起の貫通孔を有する不織布からなるカバーシートが積層され、このカバーシートにより吸収パッドの裏面全体が形成されており、
前記カバーシートは前記不透液性シートに固定され、かつ前記フックテープには固定されておらず、
前記貫通孔は、前記カバーシートに多数形成されたスリット、又は前記カバーシートをなす不織布の繊維間隙であり、
前記フックテープの使用前には、前記カバーシートから前記フックテープのフック状突起が外部に露出しておらず、前記フックテープの使用時には、前記フック状突起を前記カバーシートの貫通孔を介して外面側に突出させ、この突出部分をおむつ又は下着に対して着脱可能に係止するように構成されている、
ことを特徴とする吸収パッド。
(作用効果)
本項記載の発明は、フックテープの全体が、不織布からなり肌触り性に優れたカバーシートによって被覆され、露出しないため、フックテープの周縁やフック状突起による肌の傷付きを完全に防止できるだけでなく、フックテープの使用前には、カバーシートからフックテープのフック状突起を外部に露出させなくて済むため、フックテープが誤って下着等に係止されるといった事態や、製品パッケージから取り出す際にフックテープを誤って他の製品に引っ掛けて破損させてしまうといった事態も防止できる利点がある。
例えばカバーシートとして嵩高な不織布を用いれば、その繊維間隙をフック状突起の貫通孔として利用できるが、より確実にフック状突起を外部に突出させるため、及びカバーシートの不織布の制限を少なくするためには、スリットを加工形成するのが好ましい。
<請求項記載の発明>
前記カバーシートは厚み方向の圧縮復元性を有しており、厚み方向に圧縮されていない状態では前記フック状突起の高さよりも厚みがあり、且つ前記フックテープ側へ押し付けたときには厚みが減少して、その外面側に前記フック状突起が突出するように構成されている、請求項1記載の吸収パッド。
(作用効果)
本項記載のように構成されていると、フックテープの使用前のみならず、使用後においても、自動的にフック状突起が引っ込みカバーシートに隠れるようになるため、パッド使用前のみならず使用後においても、フックテープの誤係止を防止できる利点がある。また、押し付け力を調節することによって、フック状突起の露出度合いを可変的に調節することができる、つまり係止力を調節できるという副次的利点ももたらされる。
以上、本発明によれば、面ファスナーのフックテープによる肌の傷付きを防止できる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について尿吸収パッドの例を引いて説明するが、本発明は生理用ナプキン等の他の吸収パッドにも適用できるものである。なお、以下の説明において「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、殆ど多くの製品では前後方向中央部及びその前後近傍の部分である。具体的には、成人向け製品の場合、製品の前後方向中央を基準として±150mmの範囲である。また、「腹側部分」及び「前側部分」は股間部よりも前側の部分を意味し、「背側部分」及び「後側部分」は股間部よりも後側の部分を意味する。
(テープ式使い捨ておむつについて)
図1〜図6は、本発明に係るテープ式使い捨ておむつの一例100を示しており、この使い捨ておむつ100は、外面に外装シート12が積層された不透液性バックシート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されているものである。
不透液性バックシート1としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート1の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2であるのが好ましく、厚みは0.01〜0.1mmであるのが好ましい。
外装シート12としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。外装シート12に用いる不織布の繊維目付けは13〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
透液性トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。透液性トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。吸収体4におけるパルプ目付けは100〜500g/m2程度、厚みは1〜15mm程度であるのが望ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0〜300g/m2程度であるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
不透液性バックシート1は、吸収体3の周囲より外方に延在して略矩形状をなしている。不透液性バックシート1の側方延在部の内面にはバリヤーシート4の幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。バリヤーシート4の幅方向中央側の部分4cはトップシート2上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材4Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材4G及び後述する細長状弾性部材13としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
透液性トップシート2は、吸収体3より若干大きめの砂時計形状とされ、吸収体3側縁より若干外方に延在する部分がバリヤーシート4と不透液性バックシート1との間に介在され不透液性バックシート1側にホットメルト接着剤等により固着されている。この固着部分は図3及び図4では点模様で示されている。バリヤーシート4の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
不透液性バックシート1の外面を不織布で覆う場合には、不透液性バックシート1に代えて、外装不織布を吸収体3の周囲より外方に延在させてバリヤーシート4の側部とともに、吸収体8の存在しないサイドフラップ部SFを構成することもできる。この場合、不透液性バックシート1をサイドフラップ部SFまで延在させず、トップシート2と同様の形状とすることができる。
図3及び図4にも示されるように、両バリヤーシート4,4は、幅方向外側の部分4xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート2表面およびバックシート1内面)に着脱しないように固定されるとともに、幅方向中央側の部分4cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に着脱しないように固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に固定されていない。この非固定部分は、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立可能なバリヤー部となる部分であり、その起立基端4bはバリヤーシート4における幅方向外側の固定部分4xと内側の部分4cとの境に位置する。
使い捨ておむつ100の前後方向両端部では、不透液性バックシート1および透液性トップシート2が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成され、このうち背側のエンドフラップ部EFにおいては、複数本、図示の例では3本の糸状弾性部材7,7…が幅方向に沿って配設されている。この糸状弾性部材7としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。
また、背側B1の胴回り部における両サイドフラップ部SFには、それぞれファスニングテープ5,5が側方に突出するように取り付けられるとともに、使い捨ておむつ100の腹側F1の胴回り部表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が貼着されており、このフロントターゲットテープ6にファスニングテープ5の接合片8aを止着することによって使い捨ておむつ100が身体に装着されるようになっている。
図示例のファスニングテープ5は、1枚のファスニング基材シート8の内端側を使い捨ておむつ100側に接着して取り付けられ、先端側には外側縁から延在して上下2段で側方に突出する接合片8a、8aが形成され、接合片8a、8aの間のファスニング基材シート8部分に対し、外側縁から内側に向かい、かつ水平方向に沿ってミシン目10が設けられているものであるが、これに限られず公知のファスニングテープを用いることができる。ファスニング基材シート8としては、種々のシート材を使用することができるが、好ましくは坪量40〜80g/m2の単層又は複層の不織布を用いるのがよい。加工法は強度特性に優れたスパンボンドが好ましい。接合片8a、8aの内面側(透液性表面シート2側)には、表面にフック状突起を多数有するフックテープ(メカニカルファスナーの雄材)9,9がそれぞれ取り付けられ、フック状突起が着脱可能に掛止される表面を有するフロントターゲットテープ(メカニカルファスナーの雌材)6へ接合可能となっている。
特徴的には、おむつ100幅方向両側における吸収体3の裏面側に、腹側部分F1から背側部分B1にわたり延在するとともに、股間部C1で幅方向中央側に膨出するように、複数本の細長状弾性部材13がそれぞれ設けられている。この弾性部材13は、本実施形態では外装シート12とバックシート1との間に接着剤を用いて固定されているが、バックシート1の内面に固定することもできる。
特に本実施形態においては、サイドフラップ部SFにおいて、脚周りに沿うように形成された括れ部分に沿って延在する複数本(図示例では5本)の外側弾性部材13sと、腹側及び背側のサイドフラップ部SFに始端及び終端を有し、股間側の部分において吸収体と重なる部分まで内側に膨出延在する複数本(図示例では3本)の内側弾性部材13iとが設けられている。
内側弾性部材13iは、股間部C1から離間するにつれて幅方向外側に位置変化するものであり、その変化の傾き(前後方向に対する)は腹側に延在する部分よりも背側に延在する部分の方が急になっており、外側弾性部材13sに近接した後は外側弾性部材に沿って一定の間隔で延在されている。
股間部C1における幅方向一方側の内側弾性部材13iと幅方向他方側の内側弾性部材13iとの最小幅方向間隔d1は適宜定めることができるが、10〜150mmであるのが好ましい。この間隔d1が狭すぎると、後述する吸収パッド200の弾性部材33と重なり易くなるか又は重なる面積が大きくなり、また広過ぎると、吸収パッド200の幅方向両側と重ならなくなるか又は重なる面積が少なくなり、いずれにせよ、フィット性の向上効果が乏しくなるおそれがある。
細長状弾性部材13s,13iとしては、糸状、紐状、帯状等の適宜の形状の合成又は天然ゴムを用いることができる。合成ゴムを用いる場合、太さ400〜1200dtex程度のものを伸張率180〜300%程度で設けるのが好ましい。また、外側弾性部材13sは2〜10mmの間隔で1〜10本程度並設するのが好ましく、内側弾性部材13iは2〜15mmの間隔で1〜10本程度並設するのが好ましい。
(吸収パッドについて)
図7〜11は、吸収パッドの参考例200を示している。この吸収パッド200は、紙おむつ100の内面に敷いて使用されることを想定したものであり、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び背側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)L1は350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より狭い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、腹側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び背側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。
吸収パッド200は、不透液性バックシート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。
吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体23はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体23の形状は、相対的に前側の部分が後側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。
吸収体23における繊維目付け及び吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また吸収性ポリマーの目付け0〜400g/m2程度とするのが好ましい。
吸収体23の裏面側には、不透液性バックシート21が吸収体3の周縁より所定長さ食み出すように設けられている。不透液性バックシート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
吸収体23の表面側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体3の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
吸収パッド200の前後方向両端部では、透液性トップシート1が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。
吸収パッド200の両側部では、不透液性バックシート21が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはバリヤーシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図9及び図10では点模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。
エンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SF以外の吸収体介在部分が本体部BDを構成する。図示形態では、吸収体3の前端及び後端はそれぞれ幅方向に沿う直線状をなしているため、前後エンドフラップ部EFと本体部BDとの境界BL(折り目となる)も同様の直線状となるが、これらは円弧状等の曲線状をなしていても、へ字状等の屈曲線状をなしていても良い。各エンドフラップ部EFの寸法は適宜定めることができるが、エンドフラップ部EFにおいて不透液性バックシート21と透液性トップシート22およびバリヤーシート24とが確実に貼り合わせられるため、少なくとも一部が本体部BDとの境界BLから10mm以上食み出しているのが好ましく、また各エンドフラップ部EFの面積は2000〜12000mm2程度確保されているのが好ましい。
バリヤーシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
バリヤーシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両バリヤーシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面およびバックシート21表面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部の間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図10に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能なバリヤー部となる部分であり、その起立基端24bはバリヤーシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
そして、特徴的には、不透液性バックシート21の裏面側における本体部BDにおける前後エンドフラップ部EF近傍には、矩形状のフックテープ31が取り付けられている。このフックテープ31は、基材シート31aの表面に細かなフック状突起32を多数有しており、透液性トップシート2を構成する不織布に対して着脱可能に接合可能となっている。具体的には、フック状突起32の形状は図12に示すようにキノコ型に設けられていることによって、透液性トップシート2を構成する不織布繊維にフック状突起32が絡まり、フックテープ31が接合される。また、フック状突起32の形状は、他に、レ字状、J字状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。なお、フックテープ31はホットメルト接着剤等により取り付けることができる。粘着剤層はベタ塗りであっても、散点状等のパターン塗りであっても良い。不透液性バックシート21とカバーシート30との間にシート状部材が配置されている場合、フックテープ31はそのシート状部材に接着しても良いが、シート状部材が不織布などのポリシートに比べて接着性の低い材質から形成されている場合には、ポリシートからなる不透液性バックシート21に接着されていることが好ましい。
基材シート31aは特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリエチレン等の合成樹脂を用いることができる。また、基材シート31aの厚みは特に限定されるものではないが柔軟性および強度を両立させることを考えると、50〜300μmとするのが好ましい。
フック状突起32の素材は基材シート31aと同様のものを採用することができる。フック状突起32の高さはメス材や止着特性に応じて適宜設定することができる。通常、基材シート31表面からフック状突起先端までの高さH1は、100〜2000μmの範囲内で設定するのが好ましい。フック状突起32の数密度、すなわち単位面積当りに配置されるフック状突起の数は、20〜600個/cm2、特に150〜350個/cm2とするのが好ましい。フック状突起32の数密度は適宜定めることができるが、あまり疎らであったり、密であったりすると、止着力が弱くなる。また、フック状突起32の付け根間のピッチpとしては、20〜2000μmであるのが好ましく、80〜700μmであると更に好ましい。
不透液性バックシート21の裏面側は、カバーシート30によって覆われており、カバーシート30と不透液性バックシート21とは、接着剤を用いて固定されている。このカバーシート30としては、各種の不織布を用いることができ、該不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。カバーシート30は、不織布で形成すると吸収パッド200外面の肌触り感が向上するため、不織布で形成することが好ましい。
カバーシート30の本体部BDにおける前後エンドフラップ部EF近傍には、矩形状の切り抜き30kが設けられており、この切り抜き30kよりフックテープ31のフック状突起32が吸収パッド200の外面に露出するようになっている。切り抜き30kは少なくともフックテープ31よりも小さく形成されており、カバーシート30を不透液性バックシート21の裏面側に積層した際に、カバーシート30がフックテープ31の周縁部全体及び不透液性バックシート21全体を被覆するようになっている。このようにフックテープ31の周縁部全体及び不透液性バックシート21全体が被覆されていることによって、フックテープ31の周縁部を保護することができるため、フックテープ31の周縁部からの剥がれを防止することができる。また、このようにフックテープ31の周縁部を被覆していると、フックテープ31の周縁部が着用者の肌に当たってしまうことがないため、装着感の悪化や肌トラブルを防止することができる。
フックテープ31の配置は、上記のように配置するのが好ましいが、この他にも、前後エンドフラップ部EFの幅方向両端の4カ所に設けること、サイドフラップ部SF全体に亘って設けること、前後エンドフラップ部EFのいずれか一方に設けること、吸収パッド200の前後方向中央の1カ所に設けること、前後エンドフラップ部EFの二カ所に設けること、がそれぞれ提案される。ただし、どのような配置を採用する場合でも、フックテープ31の接合力を十分に確保するため、フックテープ31の露出面積が吸収パッド200裏面側の面積の5%以上になるよう構成することが好ましい。かくして構成された吸収パッド200は、使用に際して、図11に示されるように、おむつ100の透液性トップシート2の表面側に止着される。
(本発明の実施形態)
次に、本発明における実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。図13および図14に示すように、不透液性バックシート21の裏面側における前後エンドフラップ部EFには、矩形状のフックテープ31が取り付けられている。そして、不透液性バックシート21の裏面側には、これらのフックテープ31ごと覆うようにカバーシート30が積層されている。カバーシート30と不透液性バックシート21とは接着剤を用いて固定されている。ただし、カバーシート30におけるフックテープ31と重なる部分については、接着剤等の固着手段によって固定されていない。
図15に示すように、カバーシート30におけるフックテープ31と重なる部分には、多数の細かなスリット30cが、少なくともフック状突起32の先端部32aが通過できるだけの幅をもって設けられており、カバーシート30と不透液性バックシート21とを積層した状態において、このスリット30cを通ってフックテープ31のフック状突起32の先端部32aと足部32bの一部とが吸収パッド200外面に露出するようになっている。この場合、カバーシート30の厚みは、フック状突起32の足部32bの高さH2よりも薄くなっている。カバーシート30の厚みは、足部32bの高さH2の10%〜100%とする。
カバーシート30上に設けられるスリット30cは、連続したスリットでなくとも良い。つまり、フック状突起32の先端部32aがカバーシート30を通過できれば良く、カバーシート30を形成する不織布を先端部32aが貫通可能であれば、カバーシート30にスリットを設ける必要はない。スリットを設けない場合、カバーシート30を形成する不織布の坪量を10〜40g/m2とし、繊度を0.5〜10dtexとし、厚みを足部32bの高さH2の10%〜100%とし、製造方法をエアスルー、スパンボンド、またはSMMS等の製造方法とし、繊維長を1〜500mmとし、先端部32aの平面方向(幅方向軸−前後方向軸)における最大幅W2を150μm〜450μmとすることによって、カバーシート30が製品として耐えうる強度を保持しつつ、フック状突起32の先端部32aがカバーシート30を貫通可能となり、先端部32aおよび足部32bがカバーシート30の裏面側から突出する。
また、図16(a)に示すように、カバーシート30の厚みをフック状突起32の高さH2と同じか、それよりも厚く形成することもできる。この場合、使用に際しては、図16(b)に示すように、カバーシート30を厚み方向に圧縮することによってフック状突起32を露出させる。つまり、非使用時においては、カバーシート30の裏面側からフック状突起32が露出しないため、フックテープ31の未装着時や装着時におけるフック状突起32の突出による肌トラブルや、パッケージに梱包された製品を取り出す際に隣接する製品を傷つけてしまうことを防止することができ、且つ、フックテープ31の使用時には、カバーシートを圧縮するだけで簡単にフック状突起32を突出させることができる。
このように、カバーシート30の厚みをフック状突起32の高さH2と同じか、それよりも厚く形成する場合、図15で説明した形態のように、スリット30cを設けることの他、スリットを設けずに形成することも可能である。スリットを設けない場合、カバーシート30を形成する不織布の坪量を10〜40g/m2とし、繊度を0.5〜10dtexとし、厚みをフック状突起32の高さH1の100%〜200%とし、製造方法をエアスルー、スパンボンド、またはSMMS等の製造方法とし、繊維長を1〜500mmとし、先端部32aの平面方向(幅方向軸−前後方向軸)における最大幅W2を150μm〜450μmとする。
サイドフラップ部SFは、図17に示すように、製品状態で内側に巻き込んだ状態でも良く、この場合、両バリヤーシート24,24は、不透液性バックシート21の裏面に接着されている。また、このように構成する際には、フックテープ31の幅方向長さは、サイドフラップ部SF分だけ短く形成すれば良い。
本発明は、吸収パッドである限り、使い捨ておむつと組み合わせて用いられるものの他、生理用ナプキンにも利用可能である。生理用ナプキンのように下着の内面にパッドを固定する場合には、止着手段(必要であれば接合手段も同様)は下着への止着が可能なものとされる。
テープ式使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。 図1のV−V断面図である。 図1のX−X断面図である。 図1のW−W断面図である。 要部拡大平面図である。 テープ式使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。 吸収パッドの展開状態の表面側を示す平面図である。 吸収パッドの展開状態の裏面側を示す平面図である。 図7のY−Y断面図である。 図7のZ−Z断面図である。 吸収パッドを取り付けた状態の、テープ式使い捨ておむつの展開状態の表面側を示す平面図である。 フックテープの拡大図である。 吸収パッドの展開状態の裏面側を示す平面図である。 図13のS−S断面図である。 フックテープおよびカバーシートの積層状態を示す拡大図である。 フックテープおよびカバーシートの積層状態を示す拡大図である。 他の形態の吸収パッドの断面図である。
1,21…不透液性バックシート、2,22…透液性トップシート、3,23…吸収体、4,24…バリヤーシート、5…ファスニングテープ、6…ターゲットテープ、7…弾性部材、8…基材シート、9…フックテープ、10…ミシン目、12…カバーシート、13i,13s…弾性部材、30…カバーシート、31…フックテープ、32…フック状突起、100…テープ式使い捨ておむつ、200…吸収パッド。

Claims (2)

  1. 透液性トップシートと不透液性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記不透液性シートの裏面に、フック状突起を有するフックテープがフック面を外側にして固着された吸収パッドにおいて、
    前記不透液性バックシートの裏面全体を前記フックテープごと覆うように、前記フック状突起の貫通孔を有する不織布からなるカバーシートが積層され、このカバーシートにより吸収パッドの裏面全体が形成されており、
    前記カバーシートは前記不透液性シートに固定され、かつ前記フックテープには固定されておらず、
    前記貫通孔は、前記カバーシートに多数形成されたスリット、又は前記カバーシートをなす不織布の繊維間隙であり、
    前記フックテープの使用前には、前記カバーシートから前記フックテープのフック状突起が外部に露出しておらず、前記フックテープの使用時には、前記フック状突起を前記カバーシートの貫通孔を介して外面側に突出させ、この突出部分をおむつ又は下着に対して着脱可能に係止するように構成されている、
    ことを特徴とする吸収パッド。
  2. 前記カバーシートは、厚み方向に圧縮されていない状態では前記フック状突起の高さよりも厚みがあり、且つ前記フックテープ側へ押し付けたときには厚みが減少して、その外面側に前記フック状突起が突出するように構成されている、請求項1記載の吸収パッド。
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