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JP5327614B2 - 車体のピラー構造 - Google Patents

車体のピラー構造 Download PDF

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JP5327614B2 JP2009085255A JP2009085255A JP5327614B2 JP 5327614 B2 JP5327614 B2 JP 5327614B2 JP 2009085255 A JP2009085255 A JP 2009085255A JP 2009085255 A JP2009085255 A JP 2009085255A JP 5327614 B2 JP5327614 B2 JP 5327614B2
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Description

本発明は、略上下方向に沿って延在するピラーを備えた車体のピラー構造に関するものである。
車体の側部には車両前方側から順にフロントピラー、センターピラー、リヤピラーが配設されているが、センターピラーの下部にはシートベルトを巻き取るためのシートベルトリトラクタが内蔵されている。
ところで、近年、種々の安全装置を付加したシートベルトリトラクタが大型化する傾向にあり、これに伴ってシートベルトリトラクタを内蔵するセンターピラーに形成される開口部も大きくなる傾向にある。
他方、後席の乗員の乗降性を高めるためにはリヤドア開口部に大きな開口面積を確保する必要があり、リヤドア開口部の開口面積を大きくすると、センターピラーの開口部縁とリヤドア開口部縁間の幅が狭くなってしまい、その部分の強度が弱くなって開口部上部との強度差が大きくなる。このため、車両の側面衝突時に側方から衝撃荷重がセンターピラーに加わると、該センターピラーの強度の弱い開口部周囲の車室内側への変形量が大きくなるという問題がある。
又、一般的にリヤドアを支持するためのリヤドアヒンジはセンターピラーの車両後方側に取り付けられるため、車両の側面衝突時のセンターピラー下部の車室内側への変形量(侵入量)は車両後方側が特に大きくなる傾向にある。
ところで、特許文献1には、センターピラーのインナパネルやインナ補強部材に高張力鋼材料を使用し、車両の側面衝突時のセンターピラーの全体的な変形を抑制する提案がなされている。
特開2002−120758号公報
しかしながら、特許文献1において提案されたようにセンターピラーのインナパネルやインナ補強部材に高張力鋼材料を使用すると、センターピラーのインナパネルの成形性が悪化する他、材料費や加工費が増加するという問題が発生する。
車両の側面衝突時のセンターピラーの変形を小さく抑えるには、インナパネルの板厚を増やして強度を上げる方法が考えられるが、インナパネルの板厚を増やすと、必要でない箇所まで補強することとなって重量やコストが余分に増加するという問題が発生する。
又、重量増加を招くことなく材料強度を上げることによってセンターピラーの強度を高める方法も考えられるが、複雑な形状を有するインナパネルに強度の高い材料を用いると、その加工が困難であるという問題が発生する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、コストアップや重量増加を最小限に抑えつつ、車両の側面衝突時のピラーの車室内側への変形を抑制することができる車体のピラー構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、アウタパネルとインナパネルによって閉断面構造を構成して略上下方向に沿って延在し、上端部がルーフサイドレールに結合し下端部がサイドシルに結合するピラーを備えた車体のピラー構造であって、
前記ピラーのアウタパネルの車両側面視で前記インナパネルの開口部と重なる部分の車両後方側にドアヒンジが取り付けられ、
前記インナパネルの開口部の前記ドアヒンジが取り付けられた側である車両後方側の周囲の車両前後方向に平行な面とそれよりも上方の車両前後方向に平行な面、前記インナパネルの形状に沿って、補強部材を接合したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記補強部材を車両上下方向から見た断面形状が略L字状に構成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記補強部材を前記インナパネルの開口部の車両後方側の周囲の車両前後方向に平行な面とそれよりも上方の車両前後方向に平行な面それらに隣接する車幅方向に略平行な面の縦壁部に接合したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記補強部材を前記インナパネルの車幅方向外側の面に接合したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記補強部材を前記インナパネルの開口部の車両後方側のみに接合したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記補強部材を前記インナパネルの開口部に対して車両前後方向においてフロアクロスメンバから遠い側に接合したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ピラーのインナパネルの開口部周囲には車両の側面衝突時に大きな応力が集中するが、少なくともこの部分を補強部材によって補強したため、ピラーの車室内側への変形を抑制することができる。この場合、インナパネルの応力が集中する部分のみを補強部材によって部分的に補強するため、コストアップや重量増加を最小限に抑えることができる。
請求項3記載の発明によれば、平車両上下方向から見た断面形状が略L字状の補強部材をインナパネルの開口部周囲と車幅方向に略平行な面の縦壁部に接合したため、車両の側面衝突時にピラーに側方から入力される衝撃荷重に対する抗力を高めることができ、ピラーの車室内側への変形を一層効果的に抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、補強部材をインナパネルの車幅方向外側の面に接合したため、ドア開口フランジ部をスポット溶接する際に補強部材と溶接ガンとの干渉を考慮してピラーの閉断面積を減少させる必要がなく、インナパネルの車幅方向に略平行な面の縦壁部を溶接ガンに近づけてインナパネルの車両上下方向から見た断面形状をピラーの閉断面積が最大となるよう設定することができ、ピラーの強度と剛性を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、補強部材をインナパネルの開口部の車両後方(具体的には、側面衝突時の車室内側への変形量が大きい側)のみに接合したため、コストアップや重量増加を最小限に抑えつつ、車両の側面衝突時のピラーの車室内側への変形を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、補強部材をインナパネルの開口部に対して車両前後方向においてフロアクロスメンバから遠い側に接合した(遠い側が補強されている)ため、車両の側面衝突時にピラーに入力される衝撃荷重がフロアクロスメンバへと効率良く伝達され、衝撃荷重によるピラーの車室内側への変形が小さく抑えられる。
本発明に係るピラー構造を備えた車両のセンターピラー部分を車室内側から見た斜視図である。 図1のA部拡大詳細図である。 シートベルトリトラクタを組み込んだ状態を示すセンターピラー下部を車室内側から見た側面図である。 図3のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るピラー構造を備えた車両のセンターピラー部分を車室内側から見た斜視図、図2は図1のA部拡大詳細図、図3はシートベルトリトラクタを組み込んだ状態を示すセンターピラー下部を車室内側から見た側面図、図4は図3のB−B線断面図、図5は図3のC−C線断面図である。
図1に示すように、車体の側部の車体前後方向中央部には略上下方向に延在するセンターピラー1が配設されている。尚、図1には一方(右側)のセンターピラー1のみを示しているが、他方(左側)にも同様のセンターピラー1が配設されている。
上記センターピラー1は、その上端部がルーフサイドレール2に結合され、下端部がサイドシル3に結合されており、その車両前方にはフロントドア開口部4が形成され、車両後方にはリヤドア開口部5が形成されている。尚、フロントドア開口部4とリヤドア開口部5は、不図示のフロントドアとリヤドアによってそれぞれ開閉される。又、車室内の床面には車幅方向に延在するフロアクロスメンバ16が、車両前後方向でセンターピラー1の中央より前方側に配設されている。そして、フロアクロスメンバ16の車幅方向外側の端部がサイドシル3に結合されている。
而して、センターピラー1は、略上下方向に延在する閉断面構造の車体骨格部材であって、図5に示すように、車幅方向内側に配置されたインナパネル6と車幅方向外側に配置されたアウタパネル7によって閉断面構造を構成しており、その内部には、アウタパネル7の内面に沿うリヤドアヒンジリーンフォースメント8とこれの内面に接合されたセンターピラーリーンフォースメント9が収容されている。ここで、インナパネル6は、車両上下方向から見た断面形状が、車幅方向外側に向かって開口するコの字状の部材で構成され、アウタパネル7とリヤドアヒンジリーンフォースメント8及びセンターピラーリーンフォースメント9は、車両上下方向から見た断面形状が、車幅方向内側に向かって開口するコの字状の部材で構成されている。
そして、センターピラー1は、インナパネル6とアウタパネル7及びリヤドアヒンジリーンフォースメント8の車両前後に形成されたフランジ6a,7a,8a同士を重ね合わせ、これらのフランジ6a,7a,8aをスポット溶接することによって閉断面構造として構成されている。尚、センターピラーリーンフォースメント9は、リヤドアヒンジリーンフォースメント8の内面に部分的に接合されている。
ところで、センターピラー1のインナパネル6の下部には、図3及び図5に示すシートベルトリトラクタ10を組み込むための矩形の開口部11が形成されており、図5に示すように、アウタパネル7とリヤドアヒンジリーンフォースメント8及びセンターピラーリーンフォースメント9の側面視で開口部11と重なる部分の車両後方側には、不図示のリヤドアを支持するためのリヤドアヒンジ12が2本のボルト13とこれらに螺着されたナット14によって取り付けられている。そして、インナパネル6の車幅方向外側の面であって、開口部11の車両後方側(リヤドアヒンジ12が取り付けられた側)の周囲とそれよりも上方の車両前後方向に平行な面とそれらに隣接する車幅方向に略平行な面の縦壁部18には、インナパネル6の内面形状に沿った、車両上下方向から見た断面形状が略L字状の補強部材15が、複数箇所(図2及び図4に*にて示す箇所)をスポット溶接することによって接合され、その部分が補強部材15によって補強されている。又、図1に示すように、補強部材15はインナパネル6の開口部11に対して車両前後方向においてフロアクロスメンバ16から遠い側に接合されている。
而して、前記シートベルトリトラクタ10は、不図示のシートベルトを巻き取る装置であって、これには種々の安全装置が付加されるために大型化する傾向にあり、これに伴ってシートベルトリトラクタ10を内蔵するセンターピラー1に形成される開口部11も大きくなる傾向にある。
他方、後席の乗員の乗降性を高めるためにはリヤドア開口部5に大きな開口面積を確保する必要があり、リヤドア開口部5の開口面積を大きくすると、センターピラー1の開口部11の周縁とリヤドア開口部5の周縁間の幅W(図3及び図5参照)が狭くなってしまい、その部分の強度が弱くなってセンターピラー1の開口部11の上部との強度差が大きくなる。このため、車両の側面衝突時にセンターピラー1に図1に示す衝撃荷重Fが側方から加わった場合には、インナパネル6の強度の弱い開口部11の周囲の車室内側への変形量が大きくなる。
又、リヤドアを支持するためのリヤドアヒンジ12はセンターピラー1の車両後方側に取り付けられるため、車両の側面衝突時のセンターピラー1下部の車室内側への変形量(侵入量)は車両後方側が特に大きくなる傾向にある。
即ち、センターピラー1においては、インナパネル6の開口部11の周囲の車両後方側には車両の側面衝突時に大きな応力が集中するため、その部分の車室内側への変形量(侵入量)が大きくなるが、本実施の形態では、強度が弱くて変形量の大きな部分を補強部材15によって補強したため、側面衝突時のセンターピラー1の車室内側への変形を抑制することができる。この場合、本実施の形態では、センターピラー1において補強部材15をインナパネル6の開口部11の車両後方(具体的には、側面衝突時の車室内側への変形量が大きい側)のみに接合したため、コストアップや重量増加を最小限に抑えつつ、車両の側面衝突時のセンターピラー1の車室内側への変形を抑制することができる。
又、本実施の形態では、車両上下方向から見た断面形状が略L字状の補強部材15をインナパネル6の開口部11の周囲と車幅方向に略平行な面の縦壁部18に接合したため、車両の側面衝突時にセンターピラー1に側方から入力される衝撃荷重Fに対する抗力を高めることができ、センターピラー1の車室内側への変形を一層効果的に抑制することができる。
更に、本実施の形態では、補強部材15をセンターピラー1のインナパネル6の車幅方向外側の面(ピラー閉断面の内面側)に接合したため、図4に示すように、リヤドア開口部5に臨むフランジ6aを溶接ガン17によってスポット溶接する際に補強部材15と溶接ガン17との干渉を考慮してセンターピラー1の閉断面積を減少させる必要がなく(逆に、補強部材15をインナパネル6の車幅方向内側の面であるピラー閉断面の外面側に接合した場合は、インナパネル6の車両上下方向から見た断面形状を補強部材15の板厚分小さくする必要がある。)、インナパネル6の車幅方向に略平行な面の縦壁部18を溶接ガン17に近づけてインナパネル6の車両上下方向から見た断面形状をセンターピラー1の閉断面積が最大となるよう設定することができ、センターピラー1の強度と剛性を高めることができる。この結果、車両の側面衝突時のセンターピラー1の車室内側への変形を一層効果的に抑制することができる。
又、本実施の形態では、図1に示すように補強部材15をインナパネル6の開口部11に対して車両前後方向においてフロアクロスメンバ16から遠い側に接合したため(遠い側が補強されているため)、車両の側面衝突時にセンターピラー1に入力される衝撃荷重Fはセンターピラー1からフロアクロスメンバ16へと効率良く伝達され、衝撃荷重Fによるセンターピラー1の車室内側への変形が小さく抑えられる。
尚、本実施の形態では、センターピラー1のインナパネル6の開口部11よりも車両後方側のみに補強部材15を接合したが、センターピラー1に側方から入力される衝撃荷重Fが大きい場合には開口部11の車両前方部分にも補強部材15を接合するようにしても良い。
又、補強部材15はセンターピラー1に形成されたシートベルトリトラクタ10用の開口部11の周囲のみならず、センターピラー1において断面強度が急激に或は不連続に変化する部位の周囲、例えばドアヒンジ取付用孔やドアハーネル取付用孔の周囲に補強部材15を接合してそれらの部分を補強するようにしても良い。
更に、以上は本発明をセンターピラー1に対して適用した形態について説明したが、本発明は、フロントピラーやリヤピラーに対しても同様に適用可能であることは勿論である。
1 センターピラー
2 ルーフサイドレール
3 サイドシル
4 フロントドア開口部
5 リヤドア開口部
6 インナパネル
6a インナパネルのフランジ
7 アウタパネル
7a アウタパネルのフランジ
8 リヤドアヒンジリーンフォースメント
8a リヤドアヒンジリーンフォースメントのフランジ
9 センターピラーリーンフォースメント
10 シートベルトリトラクタ
11 センターピラーの開口部
12 リヤドアヒンジ
13 ボルト
14 ナット
15 補強部材
16 フロアクロスメンバ
17 溶接ガン
18 縦壁部
F 衝撃荷重

Claims (6)

  1. アウタパネルとインナパネルによって閉断面構造を構成して略上下方向に沿って延在し、上端部がルーフサイドレールに結合し下端部がサイドシルに結合するピラーを備えた車体のピラー構造であって、
    前記ピラーのアウタパネルの車両側面視で前記インナパネルの開口部と重なる部分の車両後方側にドアヒンジが取り付けられ、
    前記インナパネルの開口部の前記ドアヒンジが取り付けられた側である車両後方側の周囲の車両前後方向に平行な面とそれよりも上方の車両前後方向に平行な面、前記インナパネルの形状に沿って、補強部材を接合したことを特徴とする車体のピラー構造。
  2. 前記補強部材を車両上下方向から見た断面形状が略L字状に構成したことを特徴とする請求項1記載の車体のピラー構造。
  3. 前記補強部材を前記インナパネルの開口部の車両後方側の周囲の車両前後方向に平行な面とそれよりも上方の車両前後方向に平行な面それらに隣接する車幅方向に略平行な面の縦壁部に接合したことを特徴とする請求項2記載の車体のピラー構造。
  4. 前記補強部材を前記インナパネルの車幅方向外側の面に接合したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車体のピラー構造。
  5. 前記補強部材を前記インナパネルの開口部の車両後方側のみに接合したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車体のピラー構造。
  6. 前記補強部材を前記インナパネルの開口部に対して車両前後方向においてフロアクロスメンバから遠い側に接合したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の車体のピラー構造。
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