JP5322206B2 - 3次元形状の計測方法および装置 - Google Patents
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Description
なお、本明細書における「洗濯物」とは、特に断りのない限り、2つ以上の角部を有する形状のあらゆる洗濯物を意味しており、具体例としては、シーツ、包布、タオル等の方形状の布類が挙げられる。
また、ワークの3次元形状を計測し、既知のワーク形状とマッチングをおこないワークを取り出すビンピッキングのための技術が近年提言されているが、ワークが柔軟物の場合にはその形状が変化するため、マッチングを行うことができないという問題があった。
そこで、布片を折り畳む装置が考え出されたが、洗濯脱水後の布片を山積みにし、山積みとなった布片から一枚一枚を掴み上げて、布片の対角の角部を稜として折り畳む手段を機械化した装置(例えば、特許文献2)があるが、従来の装置は操作が複雑で手間が掛かり、折り畳みの精度が悪いといった問題点があった。
また、出願人の関連会社により、おしぼり等の方形状布片を三角形状に折り畳んで吊す装置が提言された(特許文献4)。
また、複数のパターンを投影することを前提とするが、パターンが単純な場合には、布のように形状が不定の物体の3次元形状計測ができないという問題がある一方、パターンが複雑にするとステレオ画像の対応付けができなくなるという問題点がある。
[i]模様無しワークの形状を正確に計測できるよう、調密なパターンを配置し、さらに位置決め用の単純パターンを配置した。
[ii]調密パターンとしては格子パターンを用い、左右カメラが対応位置を取れるようにするため、格子を構成する線の方向を斜め45度に設定した。
[iii]粗位置決め用のパターンとしては、パターンマッチング時に変形の影響を受けにくい円形のドット状パターンとした。
[iv]円形のドット状パターンの間隔は、視覚センサーの考えている動作範囲内では、対応点が別のドットと重ならない様に設計した。
なお、異なる幅の線、異なる間隔の線、曲線、および、これらの組み合わせにより第2のパターンを構成できることは言うまでもない。この際、線を重ね合わせてもよいし、また、カラープロジェクタにより、異なる色の線によりパターンを構成してもよい。
[1]ステレオカメラの撮像領域に配置されたワークにパターンを投影し、ステレオカメラによりワークのパターン付きステレオ画像を取得し、ステレオ画像処理することによりワークの3次元形状を計測する方法であって、前記投影パターンは、前記ワークのパターン付きステレオ画像の対応付けを行うための空間的に粗な第1のパターンと、ワークの3次元形状を計測するための空間的に密な第2のパターンとを組み合わせて配置したものであることを特徴とする3次元形状の計測方法。
[2]前記第1のパターンについてステレオ画像処理することにより、最高点または最低点を抽出する第1工程、第1工程で抽出された最高点または最低点の近傍に位置する前記第2のパターンについてステレオ画像処理をすることによりワークの最高点または最低点を抽出する第2工程、を含むことを特徴とする[1]に記載の3次元形状の計測方法。
[3]前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして格子状パターンを配置することを特徴とする[1]または[2]に記載の3次元形状の計測方法。
[4]前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして線状パターンを配置することを特徴とする[1]または[2]に記載の3次元形状の計測方法。
[5]前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、前記工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、を含むことを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の3次元形状の計測方法。
[6]前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、前記ワークの段差エッジを3次元計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、上記2つの工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、を含むことを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の3次元形状の計測方法。
[7]前記ワークが、シート状の柔軟物であることを特徴とする[1]ないし[6]のいずれかに記載の3次元形状の計測方法。
[8]ステレオカメラを構成する一対の撮像素子と、前記ステレオカメラの撮像領域に配置されたワークにパターンを投影する投影装置と、前記ステレオカメラによりワークのパターン付きステレオ画像を取得し、ステレオ画像処理することによりワークの3次元形状を計測する制御部とを備える3次元形状の計測装置であって、前記投影装置は、前記ワークのパターン付きステレオ画像の対応付けを行うための空間的に粗な第1のパターンと、ワークの3次元形状を計測するための空間的に密な第2のパターンとを組み合わせて配置したものである投影パターンを投影可能であることを特徴とする3次元形状の計測装置。
[9]前記制御部は、前記第1のパターンについてステレオ画像処理することにより、最高点または最低点を抽出する第1工程、第1工程で抽出された最高点または最低点の近傍に位置する前記第2のパターンについてステレオ画像処理をすることによりワークの最高点または最低点を抽出する第2工程、を含むことを特徴とする[8]に記載の3次元形状の計測装置。
[10]前記投影装置は、前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして格子状パターンを配置した投影パターンを投影可能であることを特徴とする[8]または[9]に記載の3次元形状の計測装置。
[11]前記投影装置は、前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして線状パターンを配置した投影パターンを投影可能であることを特徴とする[8]または[9]に記載の3次元形状の計測装置。
[12]前記制御部は、前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、前記工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、を含むことを特徴とする[8]ないし[11]のいずれかに記載の3次元形状の計測装置。
[13]前記制御部は、前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、前記ワークの段差エッジを3次元計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、上記2つの工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、を含むことを特徴とする[8]ないし[11]のいずれかに記載の3次元形状の計測装置。
[14]前記投影装置は、前記一対の撮像素子の間に配置され、前記一対の撮像素子は、あおり光学系を構成することを特徴とする請求項[8]ないし[13]のいずれかに記載の3次元形状の計測装置。
また、模様や色彩が不鮮明な可変シート状物品の3次元形状を把握し、その2つの角部をロボットハンドにより掴むことが可能となる。
また、画像処理の対象領域を限定することにより、高速処理を実現することができる。
本発明の装置は、一定間隔に配置された複数の撮像素子と、該撮像素子の視野にパターンを投影する投影装置とを備えるステレオ撮像機構であり、好ましくは、前記投影装置は、複数のドット部を有する格子状のパターンを投影可能であること、より好ましくは、前記撮像素子が、前記投影装置を挟んで対称に配置されることを特徴とする。
図5に示すように、ロボットハンドによりワークの山6から1つずつワーク5を取り出す作業を行う場合、ワークの山6の撮像画像に対してステレオ画像処理を施し、ワークの山6の最高点を抽出する必要がある。しかしながら、ワーク5が無地の布のように特徴部位を把握しにくい場合には、対応点を見つけることが困難であることが少なくない。そこで、本発明では、図6に示す視覚センサー3を用いることにより、対応点を高精度に(誤り率を低く)自動抽出することを可能としている。
図7は、上記の視覚センサー3の具体的な構成の一態様を示すものである。図7に示すように、本発明の視覚センサー3は、中央にプロジェクタ31が配置され、その両側部にカメラ32,33が配置されている。プロジェクタ31は、LEDを光源とし、ガラス板等に所定のパターンを焼き付けたパターン基板を装着し、レンズで拡大投影する。ワーク5上に投影されたパターンを、左右のカメラ32,33で撮像し、カメラ間のパターンの対応付けを行い、ステレオ画像処理することで3次元形状を計算可能としている。左右のカメラ32,33のレンズは、左右それぞれの撮像素子と、布の山の中央を結ぶ直線上に有るように配置したあおり光学系とし、好ましくは中央よりにシフトを行う機能を持たせる(特許文献1参照)。ここで、あおり光学系とは、一般のステレオ光学系で近接した物体を見る場合、カメラを傾けるため遠近収差が発生するため、撮像面とレンズの平行度を保ったままレンズを中央にずらして配置することで、遠近収差の無い同一視野の画像を撮像することができる光学系である。ステレオ視覚センサー3をこのように構成することで、ステレオ対応付けの時、左右の画像間での同一点近傍の画像変形が少なく、対応付け処理が容易になる。
ステレオ視覚センサー3で観測する物体が高さZ1とZ2の間に有るとき、エピポーラライン34上でステレオ対応点が現れる位置は、右カメラの視点e2とZ1、Z2を結ぶ線が画面と交わる点、Q1とQ2の間に限られる。この長さは、光学系の設計が決まると、計算で求めることができる。そこで、粗く配置した粗パターン61(例えば、ドット状パターン)の投影時の間隔hαをQ1−Q2の間隔よりも長くしておけば、ステレオ対応を行うとき、誤対応を起こすことが無い。本発明のステレオ視覚センサー3は、このような投影パターン60をワーク5またはワークの山6に投影することにより、安定なステレオ対応を行うことを可能としている。発明者による度重なる試行の結果、図3および図4に示す投影パターンを用いてステレオ対応を行うとき、ドット状パターンは安定に対応づけられることが確認できた。
投影パターン60は、例えば、ガラス基板、或いはフィルムでマスクパターンとして精度良く製作した。ここでパターンの全体サイズやドット、格子線のサイズは下記式1を用いて決定した。
(数1)P=V×f/L
V(mm):ステレオカメラの視野
L(mm):カメラからターゲット(ワーク)までの作動距離
f(mm):投影レンズの焦点距離
P(mm):Vへの投影をカバーするマスクパターンのサイズ
マスクパターン上でのドットの直径や格子線の幅は、ターゲット面に投影するサイズに上記の式1を適用した値を用いる。
なお、上記の「ドット状」には、円、三角形、正方形、長方形、多角形、並びに、これらの重ね合わせおよび/または組み合わせてできる簡単な標識なども含まれる。
図9に示す処理方法においては、右上ブロック、右下ブロック、左上ブロック、左下ブロックの4領域に分けて処理される。まず、ドット状パターンに一番近い直線上の点P1を求め、P1を含む直線を直線1とする。直線1上で、ドット状パターンに近い交点を5つ探し、P2〜P6とする。これらの交点をもとに、各交点を含む直線1に交わる直線を直線6〜10とする。そして、直線6〜10に交わる直線として、直線1に平行な直線2〜5とする。
左右のカメラ32,33で対応が取れたドット状パターンの周りで、上記と同じ規則を適用して番号付けを行う。同じ番号付けが行われた直線郡を、対応直線とすることで、ステレオ対応を行うことができる。これにより、無地で積層された積層したワークの山6の3D形状を、調密に求めることができる。
まず、図10に示すように、パターン投影画像を左右カメラで取得する。次に、ドット状パターンで対応付けを行い、各ドットのそれぞれについてステレオ対応計算をし、3次元位置を求める。このドット状パターンの投影された位置の3次元位置データから、積層された布の形状を粗く求めると、図11のような出力が得られる。図11に示すドット状パターンのデータから、最高位置にあるドットを算出することができる。
続いて、図12に示すように、最高位置にあるドットの周りの領域を取り出す。この同じドット状パターンの周りの画像を、ドット状パターンの位置で重ねると、図13のような出力が得られる。そして、各直線の重なりのずれをもとに、ドット状パターンの位置からの相対高さを公知の手法により算出する。ここで、相対高さの算出手法については、特許文献1などに開示されるが、一例をあげると、計測対象上の基準点から計測対象までの高さhを、撮像手段から計測対象上の基準点までの高さHと、画像のずれ量dと、撮像手段間の距離Wから、下記式2で算出することができる。
(数2)h=Hd/(W+d)
相対高さを算出することにより、ワーク5が重なりあった全体のうちで、一番高い点を正確に求めることができる。その座標位置を計算し、ロボットハンドでその位置をつかむことで、1枚のワーク5をつかみ上げることができる。
本発明のステレオ視覚センサー3を用いたシステムの構成例を図27に示す。このシステムは、CPU、記憶部等が組み込まれたコンピュータ(PC)からなる制御装置201と、制御装置201に接続されたカメラとの通信インターフェース部202と、外部制御機器の制御を行うインターフェース234,235と、ステレオカメラ232,233と、プロジェクタ231と、プロジェクタ光源236の制御電源202と、カメラインターフェースケーブル204(IEEE−1394)と、プロジェクタ光源の制御ケーブル205(TTL)と、電源ケーブル206とを備えている。
制御装置201は、カメラに撮像命令を送信し、カメラからの画像情報を記憶部に記憶する。また、パターン光の点灯制御を行うためにPIOコネクタであるインターフェースポート234を有し、電源と制御ケーブル205を介して通信し、TTLレベルでの光源制御を行うことができる。電源202は、プロジェクタ231が安全かつ高輝度に点灯するための電力を供給する。
図27の構成例では、カメラの内部または近傍に制御電源を配置しカメラからTTLケーブルを接続し、カメラが持つ点灯制御機能をもちいてステレオ同期撮像している。ここで、PIOインターフェースを、制御装置201の内部に備える構成としてもよいし、PIOインターフェースを有するカメラを利用してもよい。かかる構成によれば、制御装置201とカメラ間のPIOケーブルが不要となり、IEEE−1394ケーブルだけですむこととなる。
また、2台のステレオカメラの間にプロジェクタを組み込むと、カメラの作動距離と視野に合わせて、その視野をカバーする投光パターン範囲を決定することが容易である。
また、投影レンズの焦点距離、イメージサークル、その他光学仕様からレンズ取り付け面からパターン設置部までの距離を計算し、本発明のパターン構成方法にもとづき設計されたパターンの大きさや間隔が、校正面上で設計通りになるようにマスクパターンを実装することが好ましい。
LEDを多数個実装するときは、LEDの配置を周辺部に多く配置するのが好ましい。一般にレンズの軸周辺に配置すると照度が高くなり、斜めにレンズに入光させると、投影面での照度が下がるからである。また、撮像レンズでも同様に画像の中央部が明るく、周辺部が暗くなる傾向があるので、得られる画像がさらに中央部と周辺部で輝度値が変動しやすくなるからである。また、周辺部に多く配置することで、画像中央部と周辺部との照度差変化を抑えることもできる。
本実施例のハンドリングシステムは、図14に示すように、図示しない搬送装置により目的地に落下されたワーク5が構成した山6を、第1のロボットハンド10および第2のロボットハンド20により折畳機4に自動投入することができる。
本実施例のハンドリングシステムは、プルアップハンド2、ステレオ視覚センサー3、認識用台7、第1のロボットハンド10、および第2のロボットハンド20を実質的な構成要素とする。
プルアップハンド2は、昇降スライダと、昇降スライダに取り付けられた把持部(チャック)とを備える。把持部によりワーク5を把持し、上方から吊り下げることができる。
ワークの山6の上方位置には、ステレオ視覚センサー3(全体撮像機構3)が設けられている。ステレオ視覚センサー3は、レンズと撮像素子が平行に構成されたあおり光学系を利用した相対ステレオ視覚センサーである(図7参照)。本実施例のステレオ視覚センサー3の観察視野は、概ね1200×1000mmである。
ステレオ視覚センサー3は、投影パターン60を投射するためのプロジェクタ31を有している。格子模様を有する投影パターンを投影することにより、レンズの歪みに起因する画像の歪みを取り除くこと、すなわち歪み補正をすることを容易にしている。
本実施例のステレオ視覚センサー3により、ミリメートル単位の凹凸を計測できることが確認できた。
手先撮像機構4は、シフト調整機構311、ライズ調整機構312、および、回転調整機構313を備えており、撮像視野をXY方向およびθ方向に対して調整可能に構成されている。
図16では、パターン基板306の背後に隣接してLED光源336を配置して照明系を構成しているが、光源とパターンの間に集光レンズを配置し光源の発光体の像を投影レンズの絞りに結像させるケラー照明系を用いて構成することもできる。
ロボットハンド10,20は、ワーク5を把持するためのフィンガー機構と、6軸の関節からなるアームとをそれぞれ備える。
ところで、従来、視覚認識センサーによりワーク特徴部のポーズを識別し、そのワークポーズ(ワーク姿勢)に対する手先部分のポーズを動作表現することで、ばら積みされた既知形状のワークを正確に把持できることが知られている。出現するワークポーズの方向性に対して対応するためには、従来6自由度のマニピュレータが使用されている。
なお、6自由度ではワーク姿勢に対応する手先部分のポーズを表現するための関節角の計算が比較的容易であるが、表現できない特異姿勢を到達範囲内に含んでいるためそのポーズの表現ができないことがある。したがって、計算の容易性やロボットハンドのコストの観点を捨象すれば、7軸の関節からなるアームを備えることが好ましい。
図14を参照しながら、本実施例のハンドリングシステムにおける作業工程の概要を説明する。
(a)最高点の検出
この工程では、ステレオ視覚センサー3での撮像データに基づき、ワークの山6の最高点を検出する。ここで、ワークの山6は、洗濯後、脱水された状態で積層された無模様単色のタオルの山である。ワークの山6の最高点をロボットハンド10または20により掴む。なお、ワークの山6の最高点を検出するための具体的な処理については後述する。
(b)ワークの端部の把持
(i)ロボットハンドにより掴んだワーク5を、平らな認識用台7の上に展開する。
(ii)手先撮像機構4によりワークの一方の概略端点を判定し、フィンガー機構により概略端点の近傍を掴む。
フィンガー機構で掴んだワークをプルアップハンド2に受け渡す。プルアップハンド2により吊されたワークの角部を手先撮像機構4により判定し、フィンガー機構によりワークの角部を把持する。
(d)ワークの他の角部の把持
ワークの角部を把持した状態で、ロボットハンドによりワークを上方に引き上げる。すると、他の角部がワークの下方に位置される。ワークの他の角部を手先撮像機構4により判定し、もう一方のロボットハンドのフィンガー機構によりワークの他の角部を把持する。
(e)ワークの折畳機への投入
2つの角部を掴まれたワークは、2つのロボットハンドにより展張された状態で、折畳機のコンベア上に載置される。折畳機によりワークは所定の折り数で折り畳まれる。
図16は、フィンガー機構によりワークを把持する手順の流れ図である。
まず、ユーザーにより、パーソナルコンピュータ等の入力手段から、ワーク5の把持位置情報が入力される(STEP1)。本実施例では、ワーク5の角部を撮像するための設定情報を入力する。
手先撮像機構によりワーク5を撮像し(STEP2)、その撮像データに画像処理を施すことにより把持位置の判定が行われる。より詳細には、特徴点としての端点(P1)、長辺点(P2)、短辺点(P3)が検出される箇所を把持位置とする(STEP3)。本実施例では、特徴点のXYZ座標をそれぞれ測定し、ワーク5の姿勢を算出可能としている。
ワーク5の把持位置が確定すると、把持位置までのロボットハンドの経路の計算が行われる(STEP4)。続いて、算出したロボットハンドの経路に、特異点が含まれるなどにより実現が不可能でないかのチェックが行われる(STEP5)。経路に不具合がある場合には、経路に不具合が含まれないことが確認されるまで経路の再計算が行われる。経路が確定すると、ロボットハンドへ経路情報が送信される(STEP6)。
模様や色彩が不鮮明(無模様、単色含む)なタオル等においては、その3次元形状を把握することは困難である。ステレオ視の原理により物体の空間座標を把握する際には、左右の撮像素子により得られた画像間で対応する箇所(対応点)を見つけることが必要となるが、模様や色彩が不鮮明なタオル等の画像において対応点を見つけやすい特徴的な箇所を抽出することは容易ではない。そこで、本実施例では、ワーク5に投影パターン60を投影することで、対応点の抽出を容易にすることを可能としている。
本実施例では、左右の撮像素子の間にプロジェクタを配置することで、撮像素子の視野に所定のパターンを投影することを可能としている。ただし、撮像素子とプロジェクタの配置は、この組み合わせに限られず、当業者が適宜変更することが可能である。
本実施例の投影パターン60は、図3と同一であり、複数の粗パターン61と調密パターン62との組み合わせからなる。投影パターン60は、対応点の検出が容易なものであれば、本実施例のパターンに限定されないことは言うまでもない。
左右の画像の対応するドットのペアが決定されると、格子パターンを構成するラインのナンバリングが実行される。ここで、ドットと最も近いラインに1が付され、隣接するラインに連続する番号(例えば、2,3,4・・・)を付していく。続いて、番号が付されたラインと交叉するラインに、連続する番号(例えば、6,7,8・・・)を付する。
ナンバリングをすることで、同じ番号が付されたドットのペアについての3次元位置座標が計算可能となる。
最高点の探索は、次の[1]〜[5]に記載されるアルゴリズムで行われる。
[1]本実施例では安定したイメージを得るために、背景差分法によるパターン抽出を行い、画像処理が行われた加工済み画像を用いて最高点の探索を行う。すなわち、投影パターンが投影されたイメージ(図18(i)参照)から、投影パターンが投影されていないイメージ(図18(ii)参照)を減算し、差分イメージ(図18(iii)参照)を取得する。
[2]投影画像のクリアーなイメージを取得するために、上記[1]で得られた差分イメージを2値化する。本実施例では、この処理に浮動閾値を使用した。
[3]2値化された差分イメージにおいて、ドット状パターンが検出され、ステレオ画像処理が行われる。これにより、ワークの山6の最高点のラフな分析が可能となり、最も高いドットを見つけることができる(図11参照)。
[4]最も高いドットの周辺の格子パターンのラインにより、方向の分析が行われる(図19参照)。
[5]対応するラインのペアについて、ステレオ画像処理が行われ、格子ラインの3次元座標が計算される。この様子を示したのが図20であり、同図中(i)は最も高いドットであり、(ii)は最高点である。このように、ドット状パターンの周辺の格子ラインについてのみ3次元位置座標を計算することにより、ワークの山6の最高点を高速に探索することが可能となる。
最高点を把持されたワーク5は、認識用台7の上に展開して載置される。認識用台7の上に載置されたワーク5の概略端点の抽出は、単純な2値化処理により行われる。図21(i)は、ワーク5の端部を撮像した画像であり、(ii)は(i)の画像を2値化した画像である。2値化した画像に画像処理を施して把持位置を算出し、ロボットハンドのフィンガー機構により把持位置を掴む(図14(b)参照)。
まず、左右のパターン無し画像を取得し、背景差分法によりパターン抽出し、2値化処理を行う。続いて、2値化処理を行った画像に対しラベリングを行う。ラベリングは、画像を左上から右下にかけてラスタ走査を行う過程で横方向に一定の規則をもってラベル番号を振り、ラベル番号が振られた各画素にグループ番号を振り、各グループ番号に対してソートを行うとともに面積、重心の計算をする工程である。
次に、2値化された画像に対して、ワーク5の輪郭を抽出するためのトラッキングを行う。トラッキングデータを利用し、任意の距離の三点の情報をもとにベクトルのなす角の計算を行うことで概略端点位置を決定する。任意の距離の三点が構成する角が、例えば、90度以下である場合には端点と判定し、把持位置の候補とする。但し、本実施例では、端点が無しと判定された場合には、輪郭の最も端にある位置を把持位置する例外処理を行っている。実際にハンドリングする際は、ワーク5の端点を把持すると、ワーク5を損傷したりするなどの問題があるため、2値化した画像における端点よりもやや内側の部分を把持位置とする。
端部をフィンガー機構により掴まれたワーク5は、プルアップハンド2に受け渡され、プルアップハンド2の把持部が上昇することで、吊り下げられた状態となる。概略的な端部を保持し吊り下げたタオル等の布を展開する場合、布の両端部を保持して拡げるためには、隣り合う2つ角部を識別し、その位置情報や姿勢情報を取得する必要がある。ここで位置情報については、ワークの端点の一点のデカルト座標で示される位置が分かればよい。また、姿勢情報については、ワークの端点のデカルト座標値と、長辺上および短辺上に適当な距離を離れて位置する長辺上の点および短辺上の点のデカルト座標値とを組み合わせることで算出できる。
まず、プルアップハンド2により吊されたワークの角部に投影パターンを投影し、左右のパターン無し画像を取得する。そして、背景差分法によりパターン抽出し、2値化処理を行う。ここまでは、上記《5》に記載した概略端点の抽出作業と同様である。続いて、上記《3》に記載したステレオ画像処理の手法により、ドット状パターンの対応付けおよび格子パターンの対応付けが行われ、3次元形状の抽出が行われる。
次に、上記《5》に記載した手法によりワーク5の輪郭を抽出するためのトラッキングを行い、曲率分析を実行して角部の候補を決定する(STEP11、図24(i)参照)。ここで、ワーク5に重なりが無い場合には、単純な2次元画像のトラッキングデータの曲率判定により角部を決定することができるが、ワーク5がタオル等の場合には重なりが生じることを避けられない。そこで、3次元の等高分析により、3次元の高さの分析を行い、奥行き段差の有無を判定する(STEP12)。続いて、角部候補について角部の判定が行われる(STEP13)。本実施例では、背景との輪郭線を曲率判定して得る角部候補と、3次元計測して得られた段差部分のエッジをトラッキングして得る角部候補のうち曲率が小さいものを選択する。このとき、ワーク5の姿勢がカメラの反対側に降り曲がっている場合には、そこは特徴点ではないと判定する。そして、その特徴点近傍の面の向きがカメラの方に向いた端点を特徴点として識別し、その端点周辺の3点の位置情報を識別する。以上により、角部の位置情報および姿勢情報が把握される(図24(ii)参照)。
2 プルアップハンド(吊し用ハンド)
3 ステレオ視覚センサー(ステレオ撮像機構)
4 ハンド用ステレオ視覚センサー(手先撮像機構)
5 ワーク(布類)
6 ワークの山
7 認識用台
8 折畳機
10 第1のロボットハンド
20 第2のロボットハンド
31,41 プロジェクタ(投影装置)
32,33,42,43 カメラ(撮像素子)
34 エピポーラライン
51 長辺
52 短辺
60 投影パターン
61 粗パターン
62 調密パターン
110 ロボットハンド
121 ガラス容器
122 幼芽
123 スリット光
131 スリット光投影系
132,133 カメラ
141 プロジェクタ
142 カメラ
301 投影レンズ
302,303 撮像レンズ
305 鏡筒
306 パターン基板
307 パターン取付リング
311 ライズ調整機構
312 シフト調整機構
313 回転調整機構
336 LED光源
342,343 撮像素子
Claims (14)
- ステレオカメラの撮像領域に配置されたワークにパターンを投影し、ステレオカメラによりワークのパターン付きステレオ画像を取得し、ステレオ画像処理することによりワークの3次元形状を計測する方法であって、
前記投影パターンは、前記ワークのパターン付きステレオ画像の対応付けを行うための空間的に粗な第1のパターンと、ワークの3次元形状を計測するための空間的に密な第2のパターンとを組み合わせて配置したものであることを特徴とする3次元形状の計測方法。 - 前記第1のパターンについてステレオ画像処理することにより、最高点または最低点を抽出する第1工程、
第1工程で抽出された最高点または最低点の近傍に位置する前記第2のパターンについてステレオ画像処理をすることによりワークの最高点または最低点を抽出する第2工程、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状の計測方法。 - 前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして格子状パターンを配置することを特徴とする請求項1または2に記載の3次元形状の計測方法。
- 前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして線状パターンを配置することを特徴とする請求項1または2に記載の3次元形状の計測方法。
- 前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、
前記工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、
前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、
を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の3次元形状の計測方法。 - 前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、
前記ワークの段差エッジを3次元計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、
上記2つの工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、
前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、
を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の3次元形状の計測方法。 - 前記ワークが、シート状の柔軟物であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の3次元形状の計測方法。
- ステレオカメラを構成する一対の撮像素子と、
前記ステレオカメラの撮像領域に配置されたワークにパターンを投影する投影装置と、
前記ステレオカメラによりワークのパターン付きステレオ画像を取得し、ステレオ画像処理することによりワークの3次元形状を計測する制御部とを備える3次元形状の計測装置であって、
前記投影装置は、前記ワークのパターン付きステレオ画像の対応付けを行うための空間的に粗な第1のパターンと、ワークの3次元形状を計測するための空間的に密な第2のパターンとを組み合わせて配置したものである投影パターンを投影可能であることを特徴とする3次元形状の計測装置。 - 前記制御部は、前記第1のパターンについてステレオ画像処理することにより、最高点または最低点を抽出する第1工程、
第1工程で抽出された最高点または最低点の近傍に位置する前記第2のパターンについてステレオ画像処理をすることによりワークの最高点または最低点を抽出する第2工程、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の3次元形状の計測装置。 - 前記投影装置は、前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして格子状パターンを配置した投影パターンを投影可能であることを特徴とする請求項8または9に記載の3次元形状の計測装置。
- 前記投影装置は、前記第1のパターンとしてドット状パターンを配置し、前記第2のパターンとして線状パターンを配置した投影パターンを投影可能であることを特徴とする請求項8または9に記載の3次元形状の計測装置。
- 前記制御部は、
前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、
前記工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、
前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、
を含むことを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載の3次元形状の計測装置。 - 前記制御部は、
前記ワークの2次元輪郭形状を計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、
前記ワークの段差エッジを3次元計測し、ワークの端部候補を抽出する工程、
上記2つの工程により抽出したワークの端部候補からワークの端部を選定する工程、
前記工程により選定したワークの端部についてステレオ画像処理することによりワークの端部の3次元位置情報を取得する工程、
を含むことを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載の3次元形状の計測装置。 - 前記投影装置は、前記一対の撮像素子の間に配置され、
前記一対の撮像素子は、あおり光学系を構成することを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の3次元形状の計測装置。
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