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JP5317677B2 - メッキ基板の接着方法、表面改質メッキ基板および複合成型体 - Google Patents

メッキ基板の接着方法、表面改質メッキ基板および複合成型体 Download PDF

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本発明は、メッキ基板を接着剤により接着対象物に優れた接着性で接着するための接着方法に関するものである。さらに、本発明は、そのような接着方法において接着対象物に接着されるための表面改質メッキ基板、並びにメッキ基板が接着対象物に接着剤により接着された複合成型体に関するものである。
より具体的には、本発明は、例えば電子部品におけるメッキされたリードフレームとエポキシ樹脂系接着剤あるいはシリコーン樹脂系樹脂との接着強度を高める方法に関するものである。その特徴は、メッキ基板の表面にポリドーパミン薄膜をコーティングすることにより、エポキシ系接着剤あるいはシリコーン樹脂系接着剤等との密着性の向上を図るものである。その用途は、例えばメッキをリードフレームに使用した電子デバイス製品における接着である。
メッキ基板表面と、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等の接着剤との接着強度が弱いことが、例えばリードフレームに樹脂モールドされた電子デバイスにおける接着信頼性の低下をもたらして来ている。
従来は、そのような接着信頼性の低下を解決するために、シランカップリング剤の適用により、メッキ基板表面にシラノール基を植え付けた後、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等の接着剤と接着反応させることで、接着力が補強されているが、その接着強度が十分でない(特許文献1参照)。
一方、最近になって、P.B.Messersmithらにより開発された、種々な材質の表面にイガイのように吸着するための、カテコール(DOPA)とアミン(リジン)両方の官能基を有するドーパミンを利用した汎用表面修飾法が紹介されている(非特許文献1)。その手法によれば、ドーパミン水溶液(2mg/mL、pH8.5)に修飾対象物を浸漬するとドーパミンの高分子薄膜の自発的な堆積が起こり、貴金属(Au,Ag,Pt,Pd)、金属の自然酸化膜(Cu,ステンレス、NiTi形状記憶合金)、酸化物(TiO2,S,Al23,Nb25)、半導体(GaAs,Si34)、セラミック、合成ポリマー(PS,PE,PC,PET,PTFEなど)の全ての材質の表面にポリドーパミンをコーティングすることが可能であることが紹介されている。但し、メッキ基板の記載がなく、またコーティングされた被着体の接着性に関してはなんら検討されていない。
特開平6−73316号公報 渡辺栄治、Dojin news,No.125,P.12(2007)
本発明は、貝類の一種のイガイが分泌するドーパミンが海中の物質によく付着する性質に着目し、このドーパミンを接着性の悪いメッキ基材表面に塗布した後、エポキシ樹脂系あるいはシリコーン樹脂系接着剤を塗布し、メッキ基材表面と接着剤の密着性を向上させることによって、上記の問題点を解決しようとするものである。
本願の請求項1に記載の発明(以下「本願の第一発明」という)は、メッキ基板を接着剤により接着対象物に接着するメッキ基板の接着方法であって、メッキ基板の表面にドーパミン溶液を接触させることにより、メッキ基板表面にポリドーパミン薄膜を形成させる前処理工程、および前処理工程で形成したメッキ基板表面における官能基と接着剤の官能基との相互作用により接着性を発現させる接着工程を含む、メッキ基板の接着方法を提供するものである。メッキ基板がドーパミン溶液中に浸漬されると、その浸漬されたメッキ基板の表面においてドーパミンの高分子、即ちポリドーパミンの薄膜の自発的な堆積が起こり、ポリドーパミン薄膜が形成される。図1において、かかる本願の第一発明でのメッキ基板の接着方法が模式的に示される。
かかる本願の第一発明では、メッキ基板の表面を前処理工程により処理して、そのメッキ基板の表面にポリドーパミン薄膜を形成させることによって、その形成されたポリドーパミン薄膜の官能基と接着剤の官能基との間の相互作用による優れた接着性を発現させることが可能である。
本願の請求項4に記載の発明(以下「本願の第二発明」という)は、メッキ基板が接着剤により接着対象物に接着されてなる複合成型体であって、メッキ基板の表面がドーパミン溶液に接触されることによりメッキ基板表面にポリドーパミン薄膜が形成され、次いでメッキ基板表面に形成されたポリドーパミン薄膜の官能基と接着剤の官能基との相互作用により接着性が発現されることによって接着されてなる、複合成型体を提供するものである。
かかる本願の第二発明では、第一発明と同様に、そのメッキ基板の表面にポリドーパミン薄膜が形成されることによって、その形成されたポリドーパミン薄膜の官能基と接着剤の官能基との間の相互作用による優れた接着性が発現された、メッキ基板が接着対象物に接着剤により接着された複合成型体を得ることが可能である。
本願の請求項5に記載の発明(以下「本願の第三発明」という)は、メッキ基板の表面がドーパミン溶液に接触されることによりメッキ基板表面にポリドーパミン薄膜が形成されてなる、表面改質メッキ基板を提供するものである。
かかる本願の第三発明におけるメッキ基板は、上記の本発明の第一発明におけるメッキ基板の接着方法において、メッキ基板の表面にドーパミン溶液を接触させることにより、メッキ基板表面にポリドーパミン薄膜を形成させる前処理工程によって得られるものに相当する。
かかる本願の第三発明では、接着剤により接着対象物に接着されるメッキ基板として有用な、優れた接着性を発現させることが可能な表面改質メッキ基板が提供される。
これらの本願発明を利用することによって、従来接着力の弱さが問題であったメッキ基板とエポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等の接着剤との接着が強力に行えるので、信頼性の高いリードフレーム型樹脂封止半導体素子が実現できる。
本発明における「メッキ基板」とは、メッキが施された基板を意味し、その「メッキ」の非限定的な例としては、無電解メッキ、電解メッキ等が挙げられる。
また「基板」の非限定的な例としては、リードフレーム等の、半導体素子用の樹脂系回路用基板、セラミック系回路用基板、放熱用基板等に用いられる基板が挙げられる。その基板の具体例として、ガラス繊維−エポキシ樹脂積層板、ガラス繊維−BTレジン積層板、ガラス繊維−変性PPE積層板、ポリイミドフレキシブル基板等の樹脂系回路基板:窒化アルミニウム焼結体、アルミナ焼結体、ムライト焼結体等のセラミック系回路基板:窒化アルミニウム焼結体、両面銅張り窒化アルミニウム焼結体、無酸素銅等の放熱用基板や、リードフレーム等が挙げられる。
本発明における「ドーパミン溶液」とは、ドーパミン(2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)エチルアミン、(HO)263CH2CH2NH2)を溶媒に溶解したものであって、その好ましい溶媒としては通常水が用いられる。尚、かかる溶媒としては、水に換えて、又は水と共にメタノール、エタノール等の有機溶媒等を必要に応じて使用することも出来る。また、ドーパミン溶液には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、シランカップリング剤等の成分を含有させることも出来る。
メッキ基板表面にドーパミン溶液を接触させる方法としては、ポリドーパミン薄膜の自発的な堆積が起こる方法であればいかなる方法でもよく、具体的には浸漬、塗布、噴霧等が挙げられ、中でも浸漬が好ましい。尚、ドーパミン溶液を接触させるときの温度としては、0〜100℃、好ましくは20〜40℃であり、時間としては1分〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
また、本発明における「ポリドーパミン薄膜」とはポリドーパミンの薄膜を意味し、薄膜の厚さは1〜100nm、好ましくは1〜50nmである。
本願の第一発明におけるメッキ基板の接着方法の好ましい一つの態様として、接着剤がエポキシ樹脂系接着剤またはシリコーン樹脂系接着剤である、メッキ基板の接着方法が挙げられる。
かかるエポキシ樹脂系接着剤としては、エポキシ樹脂を主成分とした公知の熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤が用いられ、そのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型‐エポキシ樹脂、ノボラック型‐エポキシ樹脂、ビスフェノールA型‐ジグリジルエーテル系エポキシ樹脂又は縮合ビスフェノールA型‐ジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、あるいはフェノールノボラック型‐ポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型‐ジグリシジルエーテル又はグリシジルアミン系の樹脂等が挙げられ、中でもビスフェノールA型‐エポキシ樹脂が、汎用性、コスト面の点で好ましい。
そのエポキシ樹脂系接着剤には、例えば、ペースト状で主剤と硬化剤の二液を混合後に硬化を行うタイプのものと、硬化剤が混合済みでフィルム状でBステージ(半硬化)可能なタイプの二種類が挙げられる。エポキシ樹脂系接着剤に用いられる硬化剤としては、例えば、変性脂肪族ポリアミン、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系、レゾルシノール系などのフェノールベースの化合物や、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族などの骨格をベースとしてエポキシ化されたエポキシ樹脂やイソシアネート化合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂系接着剤には必要に応じて硬化促進剤等が含有されても良い。
本願の第一発明の好ましい態様におけるシリコーン樹脂系接着剤としては、シリコーン樹脂系接着剤(シラノールまたはシロキサン含有)、硬化性シリコーン樹脂系接着剤、硬化性シリコーン変性有機樹脂系接着剤、熱可塑性シリコーン変性有機樹脂系接着剤などが挙げられる。硬化性シリコーン樹脂系接着剤としては、末端反応性ポリジオルガノシロキサンをベース樹脂として縮合反応により硬化するもの、付加反応により硬化するもの、紫外線により硬化するもの、有機過酸化物のラジカル反応により硬化するものが例示される。硬化性シリコーン変性有機樹脂系接着剤としては、硬化性シリコーン変性エポキシ樹脂系接着剤、硬化性シリコーン変性フェノール樹脂系接着剤、硬化性シリコーン変性ポリイミド樹脂系接着剤などが挙げられ、熱可塑性シリコーン変性有機樹脂系接着剤にはポリイミドシリコーン樹脂系接着剤、などが例示される。これらの中でも、硬化性シリコーン変性エポキシ樹脂系接着剤が、接着性、速硬化性の点で好ましい。
尚、本願の第一発明におけるメッキ基板の接着方法では、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤以外の接着剤も使用可能であって、例えば、エポキシアミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリイミド系接着剤、フッ素樹脂系接着剤、ポリフェニレンエーテル樹脂系接着剤、ポリアミド系接着剤、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリアミドイミド樹脂系接着剤、ポリエステルイミド樹脂系接着剤などが挙げられる。より具体的には、エポキシ基、シリコーン基以外の官能基である、ビニル、スチリル、ヒドロキシ、カルボキシル、メタクリロキシ、アクリロキシ、アミノ、イミノ、シアノ、アミド、ウレイド、イソシアネート、シロキサンの群から選択される官能基を有する接着剤として、アクリル樹脂系接着剤(アクリロキシ、カルボキシルまたはビニル含有)、ウレタン樹脂系接着剤(イソシアネートまたはヒドロキシ含有)、シアノアクリレート系接着剤(アクリロキシ、シアノまたはビニル含有)、スチレン-ブタジエンゴム系接着剤(スチリルまたはビニル含有)、ニトリルゴム系接着剤(ビニルまたはシアノ含有)、ポリアミド樹脂系接着剤(アミド、アミノまたはカルボキシル含有)、ポリイミド系接着剤(イミノ、アミドまたはカルボキシル含有)、ポリメタクリレート樹脂系接着剤(メタクリロキシまたはビニル含有)、ユリア樹脂系接着剤(ウレイド含有)等が挙げられる。
本願の第一発明におけるメッキ基板の接着方法の好ましいもう一つの態様として、メッキ基板が無電解メッキされた基板である、メッキ基板の接着方法が挙げられる。
かかる無電解メッキとしては、無電解銅メッキ、無電解ニッケルメッキ、無電解スズメッキ、無電解金メッキ、無電解銀メッキ、無電解銀金メッキ、無電解銀パラジウムメッキおよび無電解銀コバルトメッキ等が挙げられるが、それらの中でも、無電解ニッケルメッキが、ワイヤボンディング性、耐腐食性の点で好ましい。
本願の第二発明におけるメッキ基板が接着剤により接着対象物に接着されてなる複合成型体の好ましい態様としては、上記の第一発明のメッキ基板の接着方法における好ましい態様により得られる複合成型体が挙げられる。
また、本願の第三発明における、メッキ基板表面がドーパミン溶液に接触されることによりメッキ基板表面にポリドーパミン薄膜が形成されてなる、表面改質メッキ基板の好ましい態様としては、上記の第一発明のメッキ基板の接着方法における好ましい態様により得られるものが挙げられる。
本願のこれらの発明における接着対象物については、特に限定されるものではないが、より具体的には、使用される接着剤に応じて、樹脂成型体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド等)、金属(Al、Cu等)、セラミックス等が適宜に選択され得る。
以下に本願発明についての実施例を挙げて更に具体的に本願発明を説明するが、それらの実施例によって本願発明が何ら限定されるものではない。
実施例1
無電解Niメッキ基板表面にポリドーパミン薄膜をコーティングする方法、エポキシ樹脂系接着剤を塗布する方法、メッキ基板と接着剤の接合強度を測定する方法の実施例を以下に述べる。
(1)pH8.5の10mM Tris‐HClの水溶液1mL当たり2mgのドーパミン塩酸塩を添加することにより、ドーパミン溶液を作製した。実験では、10mM Tris‐HClの水溶液225mLに少量の苛性ソーダ溶液を添加することによりpH8.5に調整した後、450mgのドーパミン塩酸塩を溶解させた。
(2)りん青銅(Sn:6wt%、P:0.02wt%を含有し残部がCuからなる)に無電解Niメッキした基板(長さ:50mm、幅:10mm、厚さ:1mm)を、上記pH8.5の0.2%ドーパミン水溶液に室温(23℃)で浸漬することにより、ポリドーパミン薄膜をコーティングした。浸漬時間が20時間の場合に、ポリドーパミン薄膜の膜厚は約40nmであった。
(3)ポリドーパミン薄膜をコーティングする前後の無電解Niメッキ基板の表面をX線光電子分光法(XPS)により分析した。その測定条件は、
・ 光電子脱出角度:45度
・ X線源:AlKα(1486.7eV)、14kV、200W、
・ 試料チャンバー内真空度:1×10‐8Torr
・ 温度:室温
・ 各元素のスキャン範囲
1s:275−300eV
1s:522−542eV
Si2p:95−115eV
・ ステップ:0.1eV
・ 積算時間:100ミリ秒
・ 積算回数:10回
である。このとき測定時の帯電に伴うピークの補正のため、C1sの主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eVに合わせる。次いで、C1sピーク面積[C1s]を、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、O1sピーク面積[O1s]を、528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、Si2pピーク面積[Si2p]を、98〜110eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。表面ケイ素組成は、上記O1sピーク面積[O1s]、C1sピーク面積[C1s]、Si2pピーク面積[Si2p]、および装置固有の感度補正値(C1s[0.314]、O1s[0.733]、Si2p[0.368])から、次式により求められる。
[Si](%)=100×[Si2p]/(([C1s]/0.314+[O1s]/0.733+[Si2p]/0.368)×0.368)
尚、使用されるX線光電子分光分析装置は、アルバック・ファイ製APEXなどの標準的なものである。
図2は、ポリドーパミンコーティング前の無電解Niメッキ基板のXPS測定結果である。図3は、ポリドーパミンコーティング後の表面のXPS測定結果である。コーティング前の無電解Niメッキでは、図2に示されるように酸素、炭素のピークの他に、無電解Niメッキの成分であるNi,Pのピークが観測されたのに対して、コーティング後では、図3に示されるようにポリドーパミンの成分である酸素、炭素、窒素のピークが観測され、Ni,Pのピークは消失している。従って、無電解Niメッキ表面は、ポリドーパミンで完全に被覆されていることが分かる。
(4)ポリドーパミン薄膜で被覆された無電解Niメッキ基板を、直径2mmの穴を空けたテフロン(登録商標)テープでマスクして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性脂肪族ポリアミン硬化剤を3:2の重量比で混合したエポキシ樹脂系接着剤を、その直径2mmの穴を介して無電解Niメッキ基板上に室温(23℃)で塗布することにより、図4に断面図で示すように無電解Niメッキ基板1上のポリドーパミン薄膜2の上に直径2mmのエポキシボール3を形成した。その後、90℃で3時間のキュアを行った。
(5)万能型ボンドテスター(デイジ社製)を用いて、ボールシェアテストによりエポキシ樹脂系接着剤の付着強度を評価した。図5はボールシェアテスト法の説明図であり、そこでは、15で示されるシェア方向に移動するシェアツール14によって、無電解Niメッキ基板11上のポリドーパミン薄膜12上のエポキシボール13が剥がされることによって、エポキシボール13の付着強度が測定される。付着強度の側定例を図6に示す。ポリドーパミンコーティング後の無電解Niメッキ基板の場合には、ポリドーパミンコーティング前の無電解Niメッキ基板の場合に比して約15倍の付着強度の改善が見られた。尚、図6に示されるように、ポリドーパミンコーティングではなくて、エポキシシランカップリング剤を無電解Niメッキ基板に塗布する従来の方法に比して、ポリドーパミンコーティング後の無電解Niメッキ基板の場合に約1.5倍の付着強度が得られた。
図7に、各材料の結合の状態の概念図を示す。無電解Niメッキ基板とポリドーパミン薄膜との付着力は、ドーパミンを分泌する貝類の1種であるイガイが海中の物質に強く付着するという現象を利用したものに相当している(非特許文献1参照)。ポリドーパミン薄膜とエポキシ樹脂系接着剤との付着力は、エポキシ樹脂と混合した硬化剤(変性脂肪族ポリアミン)中のアミノ基がポリドーパミン中のアミノ基と強く結合するためと考えられる。
本願発明におけるメッキ基板の接着方法のフローチャートを示す説明図である。 ポリドーパミン薄膜形成前のメッキ基板のX線光電子分光分析の結果を示す説明図である。 本願発明における表面改質メッキ基板のX線光電子分光分析の結果を示す説明図である。 エポキシボールを形成したメッキ基板の断面図である。 ボールシェアテスト法の説明図である。 付着強度の側定例を示す説明図である。 本願発明における各材料の結合の状態を示す概念図である。

Claims (5)

  1. メッキ基板を接着剤により接着対象物に接着するメッキ基板の接着方法であって、
    該メッキ基板の表面にドーパミン溶液を接触させることにより、該メッキ基板表面にポリドーパミン薄膜を形成させる前処理工程、および
    該前処理工程で形成した該メッキ基板表面における官能基と該接着剤の官能基との相互作用により接着性を発現させる接着工程
    を含む、メッキ基板の接着方法。
  2. 前記接着剤が、エポキシ樹脂系接着剤またはシリコーン樹脂系接着剤である、請求項1に記載のメッキ基板の接着方法。
  3. 前記メッキ基板が、無電解メッキされた基板である、請求項1に記載のメッキ基板の接着方法。
  4. メッキ基板が接着剤により接着対象物に接着されてなる複合成型体であって、該メッキ基板の表面がドーパミン溶液に接触されることにより該メッキ基板表面にポリドーパミン薄膜が形成され、次いで該メッキ基板表面に形成された該ポリドーパミン薄膜の官能基と該接着剤の官能基との相互作用により接着性が発現されることによって接着されてなる、複合成型体。
  5. メッキ基板の表面がドーパミン溶液に接触されることにより該メッキ基板表面にポリドーパミン薄膜が形成されてなる、表面改質メッキ基板。
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