JP5313117B2 - 腐食検査システム、腐食検査装置、及び腐食検査方法 - Google Patents
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Description
腐食検査システム100は、アコースティックエミッションと呼ばれる現象により配管200に生じている腐食210から放出された弾性波を検出し、検出信号を信号処理することによって、配管200に生じている腐食210の位置、及び腐食量を特定するシステムである。アコースティックエミッションとは、材料が変形したり亀裂が発生したりする際に、材料が内部に蓄えていた歪エネルギーを弾性波として放出する現象のことをいう。腐食検査システム100は、2つのAE(Acoustic Emission)センサ110a、110b(以下、AEセンサ110と総称する)、AE信号処理装置120、及び出力装置140を備える。なお、腐食検査装置は、腐食検査システム100の一例である。
AE信号は、性質を異にする2種類の信号に分類される。(a)に示すAE信号の波形は、鋭く立ち上がってから減衰する突発型と呼ばれるAE信号の波形である。突発型のAE信号の波形は、主に固体内で生ずる亀裂進展や変態に伴い放出されるため、破壊の進展に対応して検出される。突発型のAE信号の波形の振幅値は、亀裂の大きさや進展量と相関がある。また、突発型のAE信号は、例えば、1個の亀裂が進展すると1つ発生する。したがって、突発型のAE信号の発生数は、亀裂の進行数と相関がある。
AE信号処理装置120は、減衰率データ格納部121、腐食量データ格納部122、周波数成分取出部123a、123b(以下、周波数成分取出部123と総称する)、判定部124a、124b(以下、判定部124と総称する)、腐食位置特定部125、減衰率特定部126、検出エネルギー値算出部127、放出エネルギー値算出部128、及び腐食量特定部129を備える。
まず、腐食検査システム100が備えるAEセンサ110a、及びAEセンサ110bが、配管200に伝播している弾性波を検出する(S101)。AEセンサ110a、及びAEセンサ110bは、検出した弾性波に応じたAE信号を出力する。なお、AEセンサ110a、及びAEセンサ110bが検出する弾性波は、必ずしも配管200における腐食210から放出された弾性波であるとは限らない。
110 AEセンサ
120 AE信号処理装置
121 減衰率データ格納部
122 腐食量データ格納部
123 周波数成分取出部
124 判定部
125 腐食位置特定部
126 減衰率特定部
127 検出エネルギー値算出部
128 放出エネルギー値算出部
129 腐食量特定部
130 通信ケーブル
200 配管
210 腐食
220 フランジ
Claims (8)
- 検査対象物の腐食を検査する腐食検査システムであって、
前記検査対象物を放射状に伝播している弾性波を、当該検査対象物の表面上の任意の位置において検出する第1の弾性波検出部と、
前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出する位置とは異なる位置において当該弾性波を検出する第2の弾性波検出部と、
前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出する度に、当該弾性波の検出信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域の周波数成分を取り出す第1の周波数成分取出部と、
前記第2の弾性波検出部が弾性波を検出する度に、当該弾性波の検出信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域の周波数成分を取り出す第2の周波数成分取出部と、
前記第1の周波数成分取出部が周波数成分を取り出す度に、当該周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する第1の判定部と、
前記第2の周波数成分取出部が周波数成分を取り出す度に、当該周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する第2の判定部と、
前記周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えていると前記第1の判定部、及び前記第2の判定部がそれぞれ判定する度に、前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出した時刻と、前記第2の弾性波検出部が弾性波を検出した時刻との時間差に基づいて、前記放出源の位置を腐食の位置として特定する腐食位置特定部と、
前記腐食位置特定部が腐食の位置を特定する度に、前記第1の弾性波検出部、又は前記第2の弾性波検出部が弾性波を検出した位置との距離に基づいて、当該弾性波が放出されてから検出されるまでの減衰率を特定する減衰率特定部と、
前記周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えていると前記第1の判定部、及び前記第2の判定部がそれぞれ判定する度に、前記第1の周波数成分取出部、又は前記第2の周波数成分取出部が取り出した周波数成分のうち、当該閾値を超えている間の周波数成分の振幅値を積分することによって、前記第1の弾性波検出部、又は前記第2の弾性波検出部が検出した弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する検出エネルギー値算出部と、
前記減衰率特定部が減衰率を算出して、前記検出エネルギー値算出部が検出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する度に、当該減衰率と、当該検出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値とに基づいて、放出されたときの当該弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する放出エネルギー値算出部と、
前記腐食位置特定部が何度も同じ個所を腐食の位置として特定している場合に、前記放出エネルギー値算出部が算出した放出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値のうち、当該位置から放出された弾性波のエネルギーの大きさを示す値を加算した値に基づいて、当該位置における腐食の腐食量を特定する腐食量特定部と
を備える腐食検査システム。 - 前記検査対象物における腐食量を示す腐食量データと、当該腐食量の腐食が生じている場合に当該腐食箇所から放出される弾性波のエネルギーの大きさを示す放出エネルギーデータとを対応付けて格納する腐食量データ格納部
を更に備え、
前記腐食量特定部は、前記腐食量データ格納部において、前記放出エネルギー値算出部が算出した値と一致する放出エネルギーデータと対応付けられた腐食量データを参照することによって、前記腐食の位置における腐食量を特定する
請求項1に記載の腐食検査システム。 - 前記腐食量データ格納部には、前記検査対象物において意図的に腐食を発生させる試験を行った試験結果に基づいて決定される、前記腐食量データと前記放出エネルギーデータとの対応関係が格納されている
請求項2に記載の腐食検査システム。 - 前記検査対象物における腐食の位置からの距離を示す距離データと、当該距離において前記腐食から放出される弾性波の減衰率を示す減衰率データとを対応付けて格納する減衰率データ格納部
を更に備え、
前記減衰率特定部は、前記減衰率データ格納部において、前記腐食位置特定部が特定した腐食の位置と、前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出した位置との距離と一致する距離データと対応付けられた減衰率データを参照することによって、前記弾性波が放出されてから検出されるまでの減衰率を特定する
請求項1又は2に記載の腐食検査システム。 - 前記減衰率データ格納部には、前記検査対象物において意図的にアコースティックエミッションによる弾性波を発生させる試験を行った試験結果に基づいて決定される、前記距離データと前記減衰率データとの対応関係が格納されている
請求項4に記載の腐食検査システム。 - 前記第1の弾性波検出部は、前記検査対象物の長手方向の一端において弾性波を検出し、
前記第2の弾性波検出部は、前記検査対象物の長手方向の他端において弾性波を検出する
請求項1から5のいずれか一項に記載の腐食検査システム。 - 検査対象物の腐食を検査する腐食検査装置であって、
前記検査対象物を放射状に伝播している弾性波を、当該検査対象物の表面上の任意の位置において検出する第1の弾性波検出部と、
前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出する位置とは異なる位置において当該弾性波を検出する第2の弾性波検出部と、
前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出する度に、当該弾性波の検出信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域の周波数成分を取り出す第1の周波数成分取出部と、
前記第2の弾性波検出部が弾性波を検出する度に、当該弾性波の検出信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域の周波数成分を取り出す第2の周波数成分取出部と、
前記第1の周波数成分取出部が周波数成分を取り出す度に、当該周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する第1の判定部と、
前記第2の周波数成分取出部が周波数成分を取り出す度に、当該周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する第2の判定部と、
前記周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えていると前記第1の判定部、及び前記第2の判定部がそれぞれ判定する度に、前記第1の弾性波検出部が弾性波を検出した時刻と、前記第2の弾性波検出部が弾性波を検出した時刻との時間差に基づいて、前記放出源の位置を腐食の位置として特定する腐食位置特定部と、
前記腐食位置特定部が腐食の位置を特定する度に、前記第1の弾性波検出部、又は前記第2の弾性波検出部が弾性波を検出した位置との距離に基づいて、当該弾性波が放出されてから検出されるまでの減衰率を特定する減衰率特定部と、
前記周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えていると前記第1の判定部、及び前記第2の判定部がそれぞれ判定する度に、前記第1の周波数成分取出部、又は前記第2の周波数成分取出部が取り出した周波数成分のうち、当該閾値を超えている間の周波数成分の振幅値を積分することによって、前記第1の弾性波検出部、又は前記第2の弾性波検出部が検出した弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する検出エネルギー値算出部と、
前記減衰率特定部が減衰率を算出して、前記検出エネルギー値算出部が検出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する度に、当該減衰率と、当該検出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値とに基づいて、放出されたときの当該弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する放出エネルギー値算出部と、
前記腐食位置特定部が何度も同じ個所を腐食の位置として特定している場合に、前記放出エネルギー値算出部が算出した放出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値のうち、当該位置から放出された弾性波のエネルギーの大きさを示す値を加算した値に基づいて、当該位置における腐食の腐食量を特定する腐食量特定部と
を備える腐食検査装置。 - 検査対象物の腐食を検査する腐食検査方法であって、
前記検査対象物を放射状に伝播している弾性波を、当該検査対象物の表面上の任意の位置において検出する第1の弾性波検出段階と、
前記第1の弾性波検出段階において弾性波が検出される位置とは異なる位置において当該弾性波を検出する第2の弾性波検出段階と、
前記第1の弾性波検出段階において弾性波が検出される度に、当該弾性波の検出信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域の周波数成分を取り出す第1の周波数成分取出段階と、
前記第2の弾性波検出段階において弾性波が検出される度に、当該弾性波の検出信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域の周波数成分を取り出す第2の周波数成分取出段階と、
前記第1の周波数成分取出段階において周波数成分が取り出される度に、当該周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する第1の判定段階と、
前記第2の周波数成分取出段階において周波数成分が取り出される度に、当該周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えたか否かを判定する第2の判定段階と、
前記周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えていると前記第1の判定段階、及び前記第2の判定段階においてそれぞれ判定される度に、前記第1の弾性波検出段階において弾性波が検出された時刻と、前記第2の弾性波検出段階において弾性波が検出された時刻との時間差に基づいて、前記放出源の位置を腐食の位置として特定する腐食位置特定段階と、
前記腐食位置特定段階において腐食の位置が特定される度に、前記第1の弾性波検出段階、又は前記第2の弾性波検出段階において弾性波が検出された位置との距離に基づいて、当該弾性波が放出されてから検出されるまでの減衰率を特定する減衰率特定段階と、
前記周波数成分の振幅の値が予め定められた閾値を超えていると前記第1の判定段階、及び前記第2の判定段階においてそれぞれ判定される度に、前記第1の周波数成分取出段階、又は前記第2の周波数成分取出段階において取り出された周波数成分のうち、当該閾値を超えている間の周波数成分の振幅値を積分することによって、前記第1の弾性波検出段階、又は前記第2の弾性波検出段階において検出された弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する検出エネルギー値算出段階と、
前記減衰率特定段階において減衰率が算出されて、前記検出エネルギー値算出段階において検出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値が算出される度に、当該減衰率と、当該検出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値とに基づいて、放出されたときの当該弾性波のエネルギーの大きさを示す値を算出する放出エネルギー値算出段階と、
前記腐食位置特定段階において何度も同じ個所が腐食の位置として特定されている場合に、前記放出エネルギー値算出段階において算出された放出されたときの前記弾性波のエネルギーの大きさを示す値のうち、当該位置から放出された弾性波のエネルギーの大きさを示す値を加算した値に基づいて、当該位置における腐食の腐食量を特定する腐食量特定段階と
を備える腐食検査方法。
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