JP5312125B2 - インクジェット記録用油性インク - Google Patents
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Description
<1> 下記一般式(1)で表されるアゾ顔料、分子内にポリエステル鎖を有する高分子分散剤、分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂、及び有機溶媒を少なくとも含むインクジェット記録用油性インクである。
<3> 前記一般式(1)中のG1、G2が、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルキル基であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載のインクジェット記録用油性インクである。
<4> 前記一般式(1)中のZが、6員の含窒素ヘテロ環であることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用油性インクである。
<5> 前記有機溶媒の少なくとも1種が、下記一般式(α)で表されるポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテルであることを特徴とする前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用油性インクである。
R21−(OC2H4)n−OR22 ・・・一般式(α)
〔一般式(α)中、R21、R22は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよく、nは2〜4の整数を表す。〕
R31−(OC2H4)n−OH ・・・一般式(β)
〔式中、R31は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは3〜6の整数を表す。〕
R41−(OC3H6)n−OH ・・・一般式(γ)
〔式中、R41は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜3の整数を表す。〕
<7> 前記有機溶媒の少なくとも1種が、炭化水素系溶剤及びラクトン系溶剤の少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用油性インクである。
<8> 前記分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂が、(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用油性インクである。
<9> 前記(メタ)アクリル樹脂が、メチルメタクリレートの単独重合体もしくはメチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの共重合体であることを特徴とする前記<8>に記載のインクジェット記録用油性インクである。
本発明のインクジェット記録用油性インクは、以下に示す一般式(1)で表されるアゾ顔料より選ばれる少なくとも1種と、分子内にポリエステル鎖を有する高分子分散剤の少なくとも1種と、分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂の少なくとも1種と、有機溶媒の少なくとも1種とを少なくとも用いて構成されたものである。本発明のインクジェット記録用油性インクは、これら成分のほか、必要に応じて、さらに他の成分が含まれてもよい。
特に、引火点が70℃以上、沸点が150℃以上(好ましくは、20℃における蒸気圧が5mmHg以下)である有機溶媒を用いた構成では、安全性をも向上する。
本発明のインクジェット記録用油性インクは、着色剤として、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料の少なくとも1種を含有する。このアゾ顔料は、一般式(1)で表される構造であっても、その互変異性体であってもよく、それらの塩及び水和物であってもよい。
Zが6員含窒素ヘテロ環の場合、色素分子の分子内、分子間作用が、水素結合性、分子の平面性の点からもより向上しやすい点で好ましい。
尚、Zで表される5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基は、さらに縮環していてもよい。
Y1及びY2として特に好ましくは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基、メチルチオ基であり、その中でも水素原子が最も好ましい。尚、Y1及びY2は同一であっても異なっていてもよい。
またG1及びG2がアルキル基を表す場合、総炭素数5以下のアルキル基であることが好ましく、総炭素数3以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基が最も好ましい。尚、G1及びG2は同一であっても異なっていてもよい。
W1及びW2で表されるアルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
具体的には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられる。ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
W1及びW2が、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基、又は総炭素数5以下のアルキルアミノ基の場合、色素分子が分子内及び分子間で相互作用を強固に形成しやすくなり、より安定な分子配列の顔料を構成しやすくなることで、良好な色相、高い堅牢性(耐光・ガス・熱・水・薬品)の点で好ましい。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
例えば、一般式(1)で表されるアゾ顔料には、下記一般式(1’)で表されるアゾ−ヒドラゾンの互変異性体が考えられる。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
またG1、G2で表されるアルキル基としては、総炭素数5以下のアルキル基がより好ましく、総炭素数3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
X11、X12は、それぞれ独立に上記一般式(1)中のZで表される含窒素ヘテロ環化合物に由来する2価の基(Het.)中のヘテロ原子を表す。
また、本発明において、一般式(1)で表されるアゾ顔料は、分子内水素結合又は分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましい。本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料は、少なくとも1個以上の分子内交叉水素結合を形成する置換基を有することが好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有することがより好ましく、少なくとも3個以上の分子内水素結合を形成する置換基を有し、且つ、それらの水素結合の少なくとも2個が分子内交叉水素結合を形成する置換基を有する場合が特に好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(2)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環を構成する窒素原子、水素原子及びヘテロ原子(アゾ基又はその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子とカルボニル基の酸素原子又はアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合(分子内水素結合)を容易に形成し易いことが挙げられる。
これらの構造が好ましい要因としては、上記一般式(2)で示すように、アゾ顔料が含有するヘテロ環基を構成する窒素原子、アミノ基の水素原子及びヘテロ原子(例えば、アゾ基又はその互変異性体であるヒドラゾン基の窒素原子、カルボニル基の酸素原子又はアミノ基の窒素原子)が少なくとも4個以上の分子内水素結合を容易に形成し易く、且つ、少なくとも2個以上の分子内の交叉水素結合を容易に形成し易いことが挙げられる。
その結果、分子の平面性が上がり、更に分子内・分子間相互作用が向上し、例えば一般式(2)で表されるアゾ顔料の結晶性が高くなり(高次構造を形成し易くなり)、顔料としての要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
本発明における一般式(1)で表されるアゾ顔料に結晶多形が存在する場合、その結晶型はどの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であってもよいが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多形の混入が少ないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ顔料の含有量はアゾ顔料全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、更に好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。
アゾ顔料における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。
また、上記一般式(B)で表される化合物は、国際公開第06/082669号や特開2006−57076号公報に記載の方法、及び、それに準じた方法で製造することができる。
カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(B)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは、25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、又はこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機又は有機の酸又は塩基を加えてもよい。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
本発明のインクジェット記録用油性インクは、分子内にポリエステル鎖を有する高分子分散剤の少なくとも1種を含有する。高分子の分散剤を用いることにより、顔料の分散安定性などがより向上する。分子内にポリエステル鎖を有する高分子分散剤としては、油性インクに一般に用いられている分散剤を任意に用いることができる。なお、本発明における「高分子」とは、重量平均分子量が3000以上の樹脂であることをいう。本明細書において分子内にポリエステル鎖を有する高分子分散剤を適宜高分子分散剤と称する。
高分子分散剤は、分子内にポリエステル鎖を有する。柔軟なポリエステル鎖を含むことにより、顔料に対する吸着性が増し分散性が向上する。具体的には、例えば、特開昭54−37082号公報、特開昭61−174939号公報などに記載のポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物、特開平9−169821号公報に記載のポリアリルアミンの側鎖のアミノ基をポリエステルで修飾した化合物、特開平9−171253号公報に記載のポリエステル型マクロモノマーを共重合成分とするグラフト重合体、特開昭60−166318号公報に記載のポリエステルポリオール付加ポリウレタン等が好適に挙げられる。
本発明のインクジェット記録用油性インクは、有機溶媒の少なくとも1種を含有する。有機溶剤としては、例えば、アルコール系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、アミン系化合物、グリコール系化合物、グリコールエーテル系化合物、芳香族系化合物などの溶剤や、炭化水素系溶剤、ラクトン系溶剤などを挙げることができる。
R21−(OC2H4)n−OR22 ・・・一般式(α)
R31−(OC2H4)n−OH ・・・一般式(β)
R41−(OC3H6)n−OH ・・・一般式(γ)
これらの中では、ジ又はトリエチレングリコール系化合物に比べ、ジ又はトリプロピレングリコール系化合物の方が、より安全性が高い点で好ましく、インク溶媒として特に好適である。
前記ポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルは、沸点が大気圧下で170〜245℃が好適であり、より好ましくは180〜240℃のものであり、揮発抑制性をインクに付与することができる。
また、引火点が70℃以上である主溶媒は、その沸点が150℃以上、20℃における蒸気圧が5mmHg以下であり、作業環境にも優れる。
本発明においては、上記の有機溶媒に加えあるいはそれとは別に、炭化水素系溶剤を用いることができる。有機溶媒と親和性のある顔料分散剤や樹脂などは、炭化水素系溶剤を添加することにより、溶媒に対する溶解力が多少低下し、顔料への吸着力が向上し、インクの流動性が増し、保存安定性を高めることができる。このような効果を有する炭化水素系溶剤を用いる場合、好ましくは、インクの引火点が70℃未満とならないようにその量を決め、通常は全有機溶媒に対して1〜30質量%とするのが好ましく、より好ましくは3〜20質量%とする。
炭化水素系溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用できる。
更に、ラクトン系溶剤を用いることができる。ラクトン系溶剤は、エステル結合による環状構造を持つ化合物であり、5員環構造のγ−ラクトンや6員環構造のδ−ラクトン、7員環構造のε−ラクトン等がある。ラクトン系溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクタムが挙げられる。
本発明のインクジェット記録用油性インクは、分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂の少なくとも1種を含有する。分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂を含有することにより、画像の耐擦過性をより向上させることができる。本明細書において分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂を適宜、樹脂と称する。
また、前記ポリエーテル構造は、前記有機溶媒との親和性がよく、顔料の分散安定性に優れており、記録物の定着性を高めることができる。このようなアニオン性樹脂としては、ポリエーテル構造を有するマクロモノマーと、アニオン性モノマーと、必要に応じてカチオン性モノマー、ノニオン性モノマー、疎水性モノマー、親水性モノマーなどの他のモノマーとを共重合させて合成されたものを用いることができる。ポリエーテル構造を有するマクロモノマーには、アクリロイル基やメタクリロイル基に直接又はアルキル基を介してメトキシポリエチレングリコールやメトキシポリプロピレングリコールが結合したマクロモノマーが好適に用いられ、また、アニオン性モノマーなどの他のモノマーには、前記高分子分散剤を合成するためのモノマーとして例示したのと同様のものが好適に用いられる。前記アニオン性樹脂としては、これらモノマーを共重合してなる(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
また、油性インク中の顔料粒子の分散平均粒子径としては、体積基準平均粒径D50で50〜150nmが好ましく、60〜100nmがより好ましい。D50は、50nm以上であると、記録物の耐光性の点で適当であり、150nm以下であると、吐出性が良好であり、より解像度の高い精細な記録物が得られる。
これらは、前記有機溶媒の選択や他の成分の種類や量を適宜調整することにより容易に調整することができる。
[合成例1]
〜例示化合物(Pig.−1)の合成〜
前記一般式(1)で表される化合物のうち、既述の例示化合物(Pig.−1)の合成スキームを以下に示す。
シアノ酢酸メチル29.7g(0.3モル)にオルトギ酸トリメチル42.4g(0.4モル)、無水酢酸20.4g(0.2モル)、p−トルエンスルホン酸0.5gを加えて110℃(外温)に加熱し、反応系から生じる低沸点成分を留去しながら20時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行ない、前記中間体(a)14.1g(黄色粉末、収率30%)を得た。得られた中間体(a)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、CDCl3):7.96(s,1H), 4.15(s,3H), 3.81(s,3H)
メチルヒドラジン7.4mL(141ミリモル)にイソプロパノール150mLを加えて15℃(内温)に冷却し、この混合液に中間体(a)7.0g(49.6ミリモル)を徐々に添加した後、50℃に加熱して1時間40分攪拌した。この反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラム精製を行ない、前記中間体(b)10.5g(白色粉末、収率50%)を得た。得られた中間体(b)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、CDCl3):7.60(s,1H), 4.95(brs,2H), 3.80(s,3H), 3.60(s,3H)
ヒドラジン1水和物130mLにメタノール100mLを加えて10℃(内温)に冷却し、この混合液に4,6−ジクロロピリミジン50.0g(336ミリモル)を徐々に添加(内温20℃以下)した後、50℃に加熱して4時間30分攪拌した。反応液から析出した結晶をろ取、イソプロパノールでかけ洗い後、乾燥を行ない、前記中間体(c)43.1gを得た(白色粉末、収率92%)。得られた中間体(c)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、d6-DMSO):7.82(s,1H), 7.55(s,2H), 5.96(s,1H), 4.12(s,4H)
中間体(c)35.0g(0.25モル)、ピバロイルアセトニトリル68.8g(0.55モル)に水900mLを加えて室温で攪拌した。この懸濁液に1M塩酸水をpH3になるように滴下した後、50℃に加熱して8時間攪拌した。この反応液に8M水酸化カリウム水溶液を滴下してpH8に調整して、更に1M塩酸水を滴下してpH6に調整して析出した結晶をろ取、イソプロパノールでかけ洗い後、乾燥を行ない前記中間体(d)83.0gを得た(白色粉末、収率94%)。得られた中間体(d)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、d6-DMSO):8.73(s,1H), 7.97(s,1H), 6.88(s,4H), 5.35(s,2H), 1.22(s,18H)
濃硫酸4.1mLに酢酸18.5mLを加えて氷冷で攪拌し、40%ニトロシル硫酸3.85g(12.1ミリモル)を滴下した。この混合液に中間体(b)1.71g(11.0ミリモル)を徐々に添加(内温0℃以下)した後、0℃で2時間攪拌した。この反応液に尿素150mgを添加し、さらに0℃で15分攪拌して、ジアゾ液Aを調製した。
中間体(d)にメタノール50mLを加えて加熱溶解させた後、氷冷で攪拌した混合液に前記ジアゾ液Aをゆっくり滴下した(内温10℃以下)。この反応液を室温で2時間攪拌した後、析出した結晶をろ取、メタノールでかけ洗いして前記例示化合物(Pig.−1)の粗結晶を得た。さらに前記粗結晶に水を加えて攪拌した後、この懸濁液を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、さらにジメチルアセトアミド20mLを加えて、80℃で2時間攪拌した。析出した結晶をろ取、さらにメタノールで懸濁洗浄し得られた結晶をろ取、乾燥して例示化合物(Pig.−1)2.0gを得た(黄色粉末、収率79%)。
更に、前記一般式(1)で表される化合物として、前記合成スキームと同様にして、既述の例示化合物(Pig.−5)、例示化合物(Pig.−18)、例示化合物(Pig.−19)、及び例示化合物(Pig.−52)を合成した。
−イエロー顔料分散体の調製−
以下の組成中の諸成分を混合し、ディゾルバーで均一になるまで攪拌し、得られた予備分散液を、さらに縦型ビーズミル(アイメックス(株)製のレディーミル)で0.1mmφジルコニアビーズを用いて3〜6時間分散し、イエロー顔料分散体YP−1を調製した。
<イエロー顔料分散体YP−1の組成>
・例示化合物(Pig.−1;一般式(1)で表されるアゾ顔料)・・・20.0部
・ソルスパーズ32000 ・・・12.0部
(ルブリソール社製、ポリエステル系化合物)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル ・・・68.0部
得られたイエロー顔料分散体YP−1について、光散乱回折式の粒度分布測定装置LA910〔(株)堀場製作所製〕を用い、体積基準平均粒径D50を測定し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:D50が100nm未満であった。
B:D50が100nm以上、150nm未満であった。
C:D50が150nm以上であった。
次に、得られたイエロー顔料分散体YP−1を用い、下記組成の諸成分を混合して油性インクYI−1を調製した。
<油性インクYI−1の組成>
・前記イエロー顔料分散体YP−1 ・・・25.0部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・18.0部
(引火点74℃、沸点190℃)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル ・・・30.5部
(引火点71℃、沸点189℃)
・テトラエチレングリコールモノブチルエーテル ・・・6.5部
(引火点143℃、沸点278℃)
・γ−ブチロラクトン(ラクトン系溶剤) ・・・15.0部
(引火点98℃、沸点203℃)
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
得られた油性インクYI−1について、下記の測定、評価を行なった。測定及び評価の結果は、下記表1に示す。
得られた油性インクYI−1を、PET製容器に入れて密栓し、60℃恒温槽中で14日間保存し、保存後の粘度及び平均粒子径を測定した。また、同様の方法で保存前の油性インクYI−1の粘度及び平均粒子径も測定した。粘度は、R100型粘度計(東機産業社製)により25℃、コーンの回転数20rpmの条件にて測定した。平均粒子径は、光散乱回折式の粒度分布測定装置LA910〔(株)堀場製作所製〕を用い、体積基準平均粒径D50を測定した。それぞれの測定値を指標にして、下記の評価基準にしたがってインク安定性の評価をした。評価結果は下記表1に示す。
<評価基準>
A:粘度及び平均粒子径ともに、保存前の値の±6%以内であった。
B:粘度及び平均粒子径いずれかの値が、保存前の値の±6%を超えるものであった。
得られた油性インクYI−1を、PET製容器に入れて密栓し、60℃恒温槽中で14日間保存した。記録媒体として富士フイルム社製の「画彩 写真仕上げPro」を、インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意した。60℃恒温槽中で14日間保存して得た油性インクYI−1をインクジェット装置に装填し、ヘッドから30分間吐出した後、メンテナンス作業として、15KPaの圧力で10秒間加圧した後にクリーンワイパーFF−390c〔(株)クラレ製〕でワイプを行なった後、さらに5分間吐出を継続し、5分経過した後に前記記録媒体(画彩写真仕上げPro)上にベタ記録及び細線記録して得られた画像(5cm×5cm)を観察した。そして、観察した画像を下記の評価基準にしたがって目視により評価した。
<評価基準>
A:白抜けの発生等によるドット欠けの発生が認められず、良好な画像が得られた。
B:白抜けの発生等によるドット欠けなどの画像故障が僅かに認められたが、実用上支障を来さない程度であった。
C:白抜けの発生等によるドット欠けなどの画像故障が多く認められた。
前記「2.吐出回復性」の評価と同様に、インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、これに得られた油性インクYI−1を装填して、ポリ塩化ビニルフィルム(ビューカル900:リンテック社製)に記録を行なった。その記録面(記録画像)に対して、ラビングテスター(テスター産業(株)製、型式AB301)を用い、試験用布片(金巾3号)にて加重200g、50往復の条件で擦過試験を行ない、下記の評価基準にしたがって目視によりインキの剥がれの有無を評価した。評価結果は表1に示す。
<評価基準>
A:インクの剥がれは認められなかった。
B:僅かにインクの剥がれが認められたが、実用上支障を来さない程度であった。
C:インクの剥がれが目立ち、実用上支障を来す程度であった。
前記「2.吐出回復性」の評価と同様に、インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、これに得られた油性インクYI−1を装填して、富士フイルム社製の「画彩 写真仕上げPro」に細線を記録した後、40℃のイオン交換水中に24時間浸漬した。浸漬後、細線の滲みの有無を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果は下記表1に示す。
<評価基準>
A:滲みは認められなかった。
B:僅かに滲みが認められたが、実用上支障を来さない程度であった。
C:滲みが認められた。
前記「2.吐出回復性」の評価と同様に、インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、これに得られた油性インクYI−1を装填して、富士フイルム社製の「画彩 写真仕上げPro」にベタ記録を行なった。乾燥後、ベタ画像部のコックリング(波打ち)の有無を目視により観察した。観察した画像を下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果は下記表1に示す。
<評価基準>
A:コックリング(波打ち)の発生は認められなかった。
B:コックリング(波打ち)の発生が僅かに認められたが、実用上支障を来さない程度であった。
C:コックリング(波打ち)の発生が目立ち、実用上支障を来す程度であった。
実施例1において、顔料を例示化合物(Pig.−1)から既述の例示化合物(Pig.−18;一般式(1)で表される化合物)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、油性インクを調製し、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、顔料を例示化合物(Pig.−1)から既述の例示化合物(Pig.−47;一般式(1)で表される化合物)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、油性インクを調製し、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、「イエロー顔料分散体YP−1の組成」中の分散溶媒であるジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点71℃、沸点189℃)をトリエチレングリコールジエチルエーテル(引火点111℃、沸点216℃)に代えてイエロー顔料分散体YP−4を調製し、得られたイエロー顔料分散体YP−4を用い、下記組成の油性インクYI−4を調製すると共に、油性インクYI−1を油性インクYI−4に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
<油性インクYI−4の組成>
・イエロー顔料分散体YP−4 ・・・25.0部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・18.0部
(引火点74℃、沸点190℃)
・トリエチレングリコールジエチルエーテル ・・・30.5部
(引火点111℃、沸点216℃)
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・6.5部
(引火点138℃、沸点249℃)
・γ−バレロラクトン(ラクトン系溶剤) ・・・15.0部
(引火点81℃、沸点205−208℃)
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
実施例1において、「イエロー顔料分散体YP−1の組成」の分散溶媒であるジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点71℃、沸点189℃)をトリプロピレングリコールジメチルエーテル(引火点104℃、沸点215℃)に代えてイエロー顔料分散体YP−5を調製し、得られたイエロー顔料分散体YP−5を用い、下記組成の油性インクYI−5を調製すると共に、油性インクYI−1を油性インクYI−5に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
<油性インクYI−5の組成>
・イエロー顔料分散体YP−5 ・・・25.0部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・18.0部
(引火点74℃、沸点190℃)
・トリプロピレングリコールジメチルエーテル ・・・30.5部
(引火点104℃、沸点215℃)
・クエン酸トリエチル ・・・6.5部
(引火点151℃、沸点294℃)
・ε−カプロラクタン(ラクトン系溶剤) ・・・15.0部
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
実施例1において、「イエロー顔料分散体YP−1の組成」の分散溶媒であるジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点71℃、沸点189℃)をエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル(引火点83℃、沸点192℃)に代えてイエロー顔料分散体YP−6を調製し、得られたイエロー顔料分散体YP−6を用い、下記組成の油性インクYI−6を調製すると共に、油性インクYI−1を油性インクYI−6に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
<油性インクYI−6の組成>
・イエロー顔料分散体YP−6 ・・・25.0部
・エチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル ・・・60.0部
(引火点83℃、沸点192℃)
・スーパゾルFP30(炭化水素系溶剤) ・・・10.0部
(出光興産社製、ノンアロマパラフィン系溶剤)
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
実施例1において、油性インクYI−1を下記の油性インクYI−7に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。なお、油性インクYI−7は、下記組成の諸成分を混合して調製した。
<油性インクYI−7の組成>
・前記イエロー顔料分散体YP−1 ・・・25.0部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル・・・34.0部
(引火点71℃、沸点189℃)
・プロピレンカーボネート(炭化水素系溶剤) ・・・36.0部
(引火点132℃、沸点242℃)
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
実施例1において、「イエロー顔料分散体YP−1の組成」の分散溶媒であるジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点71℃、沸点189℃)をプロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル(引火点46.5℃、沸点146℃)に代えてイエロー顔料分散体YP−8を調製し、得られたイエロー顔料分散体YP−8を用い、下記組成の油性インクYI−8を調製すると共に、油性インクYI−1を油性インクYI−8に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
<油性インクYI−8の組成>
・イエロー顔料分散体YP−8 ・・・25.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルモノメチルエステル ・・・60.0部
(引火点46.5℃、沸点146℃)
・スーパゾルFP30(炭化水素系溶剤) ・・・10.0部
(出光興産社製、ノンアロマパラフィン系溶剤)
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
実施例1において、油性インクYI−1を下記の油性インクYI−9に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。なお、油性インクYI−9は、下記組成の諸成分を混合して調製した。
<油性インクYI−9の組成>
・前記イエロー顔料分散体YP−1 ・・・25.0部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・21.8部
(引火点74℃、沸点190℃)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル ・・・40.4部
(引火点71℃、沸点189℃)
・テトラエチレングリコールモノブチルエーテル ・・・7.8部
(引火点143℃、沸点278℃)
・Elvacite 2013(樹脂) ・・・5.0部
(デュポン社製、メチルメタクリレート・ブチルメタクリレート共重合体)
実施例1において、顔料を例示化合物(Pig.−1)から既述の例示化合物(Pig.−5;一般式(1)で表される化合物)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、油性インクを調製し、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、顔料を例示化合物(Pig.−1)から既述の例示化合物(Pig.−19;一般式(1)で表される化合物)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、油性インクを調製し、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、顔料を例示化合物(Pig.−1)からYELLOW PIGMENT E4GN(バイエル社製、ニッケル錯体アゾ顔料)に代え、ソルスパーズ32000をソルスパーズ17000(ルブリソール社製)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、油性インクを調製し、評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
実施例1において、油性インクYI−1を下記の油性インクYI−11に代えたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。なお、油性インクYI−11は、下記組成の諸成分を混合して調製した。
<油性インクYI−11の組成>
・前記イエロー顔料分散体YP−1 ・・・25.0部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・19.3部
(引火点74℃、沸点190℃)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル ・・・33.8部
(引火点71℃、沸点189℃)
・テトラエチレングリコールモノブチルエーテル ・・・6.9部
(引火点143℃、沸点278℃)
・γ−ブチロラクトン(ラクトン系溶剤) ・・・15.0部
(引火点98℃、沸点203℃)
実施例1において、油性インクYI−1を、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターPM−4000専用のイエローインク(水性顔料インク)に代え、実施例1と同様にして評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表されるアゾ顔料、分子内にポリエステル鎖を有する高分子分散剤、分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂、及び有機溶媒を少なくとも含むインクジェット記録用油性インク。
〔一般式(1)中、Zは5〜8員の含窒素ヘテロ環に由来する2価の基を表し、Y1、Y2、R11、及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、G1及びG2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、W1及びW2は、それぞれ独立にアルコキシ基、アミノ基、アルキル基又はアリール基を表す。〕 - 前記一般式(1)中のW1、W2が、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルコキシ基、アミノ基、又は総炭素数3以下のアルキルアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用油性インク。
- 前記一般式(1)中のG1、G2が、それぞれ独立に、総炭素数3以下のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用油性インク。
- 前記一般式(1)中のZが、6員の含窒素ヘテロ環であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用油性インク。
- 前記有機溶媒の少なくとも1種が、下記一般式(α)で表されるポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用油性インク。
R21−(OC2H4)n−OR22 ・・・一般式(α)
〔一般式(α)中、R21、R22は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよく、nは2〜4の整数を表す。〕 - 前記有機溶媒の少なくとも1種が、下記一般式(β)で表されるポリオキシエチレングリコールモノアルキルエーテル、下記一般式(γ)で表されるポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びクエン酸トリエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用油性インク。
R31−(OC2H4)n−OH ・・・一般式(β)
〔式中、R31は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは3〜6の整数を表す。〕
R41−(OC3H6)n−OH ・・・一般式(γ)
〔式中、R41は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜3の整数を表す。〕 - 前記有機溶媒の少なくとも1種が、炭化水素系溶剤及びラクトン系溶剤の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用油性インク。
- 前記分子内にポリエステル鎖を有さず、かつアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する樹脂が、(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用油性インク。
- 前記(メタ)アクリル樹脂が、メチルメタクリレートの単独重合体もしくはメチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの共重合体であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録用油性インク。
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