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JP5310665B2 - 部品実装システム及び部品実装システムにおける基板搬送方法 - Google Patents

部品実装システム及び部品実装システムにおける基板搬送方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板に対する部品実装関連の作業を行う複数台の部品実装用装置が連結されて成る部品実装システム及び部品実装システムにおける基板搬送方法に関するものである。
部品実装システムは、基板に半田を印刷する半田印刷機、半田印刷機により半田が印刷された基板に部品(電子部品)を装着する部品実装機、部品実装機により部品が実装された基板の検査を行う検査機、検査機により検査が行われた基板の半田リフロー処理を行うリフロー炉等の複数台の部品実装用装置が連結されて成る。
部品実装システムを構成する各部品実装用装置は基板を作業位置に位置決めする位置決めコンベアのほか、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装用装置との間で基板の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアを備えている。各部品実装用装置は、位置決めコンベアにより基板を位置決めし、基板に対する所要の作業を実行しながら、作業を施す前後の基板を基板受け渡し用コンベア上に待機させておくことができるので、部品実装システム全体における基板の搬送をスムーズに行うことができる。また、隣接する2台の部品実装用装置の間では、対向させた一対の基板受け渡し用コンベアに基板を跨らせた状態で待機させることもできる(例えば、特許文献1)。
特開2009−54619号公報
しかしながら、従来の部品実装システムでは、隣接する部品実装用装置同士で互いの基板受け渡し用コンベアの長さを把握しているわけではないので、搬送対象となっている基板の長さ(サイズ)に応じた適切な位置に基板を待機させるといったフレキシブルな基板搬送を行うことはできず、基板の生産性の向上の妨げとなっていた。
そこで本発明は、基板の長さに応じた適切な位置に基板を待機させて基板の生産性を向上させることができる部品実装システム及び部品実装システムにおける基板搬送方法を提供すること目的とする。
請求項1に記載の部品実装システムは、基板に対する部品実装関連の作業を行う複数台の部品実装用装置が連結されて成り、各部品実装用装置が、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装用装置との間で基板の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアとしての搬入コンベア及び搬出コンベアを備えた部品実装システムであって、各部品実装用装置は、自機が備える搬出コンベアの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアの長さのデータ及び搬送対象となっている基板の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア及び下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアにより形成される基板搬送領域内における基板の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択する待機位置選択手段と、待機位置選択手段により選択された待機位置で基板が停止するように、自機が備える搬出コンベアを作動させて基板を搬送する基板搬送制御手段とを備えた。
請求項2に記載の部品実装システムは、請求項1に記載の部品実装システムであって、各部品実装用装置は、下流側に隣接する他の部品実装用装置が備える搬入コンベアの長さのデータをその部品実装用装置との通信により取得する。
請求項3に記載の部品搬送システムおける基板搬送方法は、基板に対する部品実装関連の作業を行う複数台の部品実装用装置が連結されて成り、各部品実装用装置が、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装用装置との間で基板の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアとしての搬入コンベア及び搬出コンベアを備えた部品実装システムにおける基板搬送方法であって、各部品実装用装置が、自機が備える搬出コンベアの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアの長さのデータ及び搬送対象となっている基板の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア及び下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアにより形成される基板搬送領域内における基板の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択する工程と、各部品実装用装置が、選択した待機位置で基板が停止するように、自機が備える搬出コンベアを作動させて基板を搬送する工程とを含む。
請求項4に記載の基板実装システムにおける基板搬送方法は、請求項3に記載の部品実装システムにおける基板搬送方法であって、各部品実装用装置は、下流側に隣接する他の部品実装用装置が備える搬入コンベアの長さのデータをその部品実装用装置との通信により取得する。
本発明では、部品実装システムを構成する各部品実装用装置が、自機が備える搬出コンベアの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアの長さのデータ及び搬送対象となっている基板の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア及び下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアにより形成される基板搬送領域内における基板の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択し、その選択した待機位置に基板を停止させるように自機が備える搬出コンベアを作動させる。このため、基板の長さ(サイズ)に応じた適切な位置に基板を待機させるフレキシブルな基板の搬送を行うことができ、これにより基板の生産性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態における部品実装システムの斜視図 本発明の一実施の形態における部品実装システムを構成する部品実装機の平面図 本発明の一実施の形態における部品実装機が備える基板搬送路及び装着ヘッドの斜視図 本発明の一実施の形態における部品実装機の制御系統を示すブロック図 (a)(b)(c)本発明の一実施の形態における基板の待機位置の例を示す図 (a)(b)本発明の一実施の形態における基板の待機位置の例を示す図 本発明の一実施の形態における基板の待機位置の例を示す図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示す本発明の一実施の形態における部品実装システム1は、基板2の電極2a上に部品(電子部品)3の装着を施す部品実装用装置である部品実装機4が基板2の搬送方向(図1中に示す矢印A)に複数台連結された構成となっている。これら複数台の部品実装機4の上流側(基板2の流れの上流側)には通常、基板2の電極2a上に半田の印刷を施す部品実装用装置である半田印刷機が設置され、複数台の部品実装機4の下流側には部品3の実装がなされた基板2の検査を行う部品実装用装置である検査機及び検査機による検査を終えた基板2に半田リフロー処理工程を施す部品実装用装置であるリフロー炉等が設置されるが、本実施の形態では、部品実装機4以外の部品実装用装置の図示及び説明はここでは省略する。以下、説明の便宜上、部品実装システム1を構成する各部品実装機4における基板2の搬送方向に沿った水平面内方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。
図2において、各部品実装機4は、カバー部材11(図1も参照)により覆われた基台12と、基台12に設けられて基板2の搬送及び位置決めを行う基板搬送路13と、基台12に設置されて部品3を供給する部品供給手段としての複数のテープフィーダ14と、基台12に設けられたロボット機構15により水平面内方向に移動され、基板搬送路13により位置決めされた基板2にテープフィーダ14よりピックアップした部品3の装着を行う2つの装着ヘッド16を備えている。
基板搬送路13は、基台12の中央部に設けられて基板2を所定の作業位置(図2及び図3に示す位置)に位置決めする位置決めコンベア13aのほか、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装機4との間で基板2の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアとしての搬入コンベア13bと搬出コンベア13cを備えている。すなわち基板搬送路13は、位置決めコンベア13aの上流側に、上流側の部品実装機4から送られてきた基板2を搬入して位置決めコンベア13aに受け渡す搬入コンベア13bを備えるとともに、位置決めコンベア13aの下流側に、位置決めコンベア13aから送られてきた基板2を受け取って下流側の部品実装機4に搬出する搬出コンベア13cを備えた構成となっている。
図2において、ロボット機構15は、X軸方向に対向する基台12の両端部の一端側において、基板搬送路13を跨ぐようにY軸方向に延びて設けられたビーム状のY軸テーブル15a、Y軸テーブル15aに一端が支持されてX軸方向に延び、Y軸テーブル15aに沿って移動自在に設けられた2つのビーム状のX軸テーブル15b及び各X軸テーブル15b上をX軸方向に移動自在に設けられた2つのプレート状の移動ステージ15cから成り、2つの移動ステージ15cのそれぞれには、下方に延びた複数の吸着ノズル16N(図3)が昇降及び上下軸(Z軸)回り回転自在に設けられた前述の装着ヘッド16がひとつずつ取り付けられている。
図2において、ロボット機構15が備える2つの移動ステージ15cのそれぞれには、撮像視野を下方に向けた基板カメラ18(図3も参照)が設けられており、基板搬送路13を挟んでY軸方向に対向する基台12上の両領域のそれぞれには、撮像視野を上方に向けた部品カメラ19が設けられている。
図2において、複数のテープフィーダ14は基板搬送路13を挟んでY軸方向に対向する基台12の両端部のそれぞれにX軸方向に並んで設けられており、それぞれ基台12の中央部側(基板搬送路13側)の端部に設けられた部品供給口14aに部品3を連続的に供給する。
基板搬送路13(搬入コンベア13b、位置決めコンベア13a及び搬出コンベア13c)による基板2の搬送及び位置決め動作は、部品実装機4が備える制御装置30(図4)の作業実行制御部30a(図4)が図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路駆動部31(図4)の作動制御を行うことによってなされ、各テープフィーダ14による部品供給口14aへの部品3の供給動作は、制御装置30の作業実行制御部30aが図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動部32(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
ロボット機構15による各装着ヘッド16の水平面内での移動動作は、制御装置30の作業実行制御部30aが図示しないアクチュエータ等から成るロボット機構駆動部33(図4)の作動制御(Y軸テーブル15aに対する各X軸テーブル15bのY軸方向への移動制御及び各X軸テーブル15bに対する各移動ステージ15cのX軸方向への移動制御)を行うことによってなされ、各吸着ノズル16Nの装着ヘッド16に対する昇降及び上下軸回りの回転動作は、制御装置30の作業実行制御部30aが図示しないアクチュエータ等から成るノズル駆動部34(図4)の作動制御を行うことによってなされる。また、各吸着ノズル16Nによる部品3の吸着及び離脱動作は、制御装置30の作業実行制御部30aが図示しないアクチュエータ等から成る真空圧供給部35(図4)の作動制御を行って吸着ノズル16N内に真空圧を供給し、或いは真空圧の供給を解除することによってなされる。
基板カメラ18及び部品カメラ19による撮像動作は、制御装置30の作業実行制御部30aによって制御される(図4)。基板カメラ18及び部品カメラ19の撮像動作によって得られた画像データは画像データ記憶部36(図4)に取り込まれて記憶され、制御装置30が備える画像認識部30b(図4)において画像認識される。
図2及び図3において、位置決めコンベア13a、搬入コンベア13b及び搬出コンベア13cには、基板搬送路13によって搬送される基板2の進行方向の先頭部を検出するための基板検出器としての位置決め用基板検出器17a、搬入側基板検出器17b及び搬出側基板検出器17cが設けられている。
位置決め用基板検出器17aは、位置決めコンベア13aにおいて、基板2の長さ(基板2の搬送方向、すなわちX軸方向の長さ)に応じて基板2の位置決めを行う位置を変更できるように位置決めコンベア13aの中間部よりも基板2の出口側の位置に複数設けられている。また、搬入側基板検出器17bは搬入コンベア13bの基板2の出口側の端部に設けられており、搬出側基板検出器17cは搬出コンベア13cの基板2の出口側の端部に設けられている。各位置決め用基板検出器17a、搬入側基板検出器17b及び搬出側基板検出器17cはそれぞれY軸方向に対向して一対ずつ設けられており、一方が検査光Lを投光する投光器、他方がその検査光Lを受光する受光器から成り、搬送される基板2の先頭部が検査光Lに差し掛かると、受光器が検査光Lの受光状態から非受光状態に切り替わるようになっている。
各位置決め用基板検出器17aから出力される基板2の先頭部の検出情報(受光器が検査光Lの受光状態から非受光状態に切り替わった情報)、搬入側基板検出器17bから出力される基板2の先頭部の検出情報及び搬出側基板検出器17cから出力される基板2の先頭部の検出情報はそれぞれ制御装置30に入力される(図4)。
各部品実装機4が実行する部品実装工程では、制御装置30は先ず、基板搬送路13を構成する搬入コンベア13b及び位置決めコンベア13aの作動制御を行って上流側に位置する他の部品実装機4から供給される基板2を搬入し、所定の作業位置に位置決めする。ここで、基板2の位置決めは、位置決めコンベア13aに備えられた複数の位置決め用基板検出器17aのうち、基板2の長さに応じて選択した一の位置決め用基板検出器17aにより基板2の先頭部が検出されたときに、作業実行制御部30aが位置決めコンベア13aの作動を停止させることによって行う。
制御装置30は、基板2の位置決めを行ったら、ロボット機構駆動部33の作動制御を行って基板2の上方に基板カメラ18を(装着ヘッド16を)移動させ、基板2に設けられた基板マーク(図示せず)の撮像を行う。そして、得られた基板マークの画像を画像認識部30bにおいて画像認識し、基板2の正規の作業位置からの位置ずれを求める。
制御装置30は、基板2の位置ずれを求めたら、装着ヘッド16をテープフィーダ14の上方に移動させ、テープフィーダ14の部品供給口14aに供給された部品3を吸着ノズル16Nによって真空吸着によりピックアップする。そして、ピックアップした部品3が部品カメラ19の上方を通過するように装着ヘッド16を移動させ、部品カメラ19による部品3の撮像を行って画像認識し、部品3の異常(変形や欠損など)の有無の検査を行うとともに、部品3の吸着ノズル16Nに対する位置ずれ(吸着ずれ)を求める。
制御装置30は部品3の画像認識を行ったら、装着ヘッド16を基板2の上方に移動させ、吸着ノズル16Nによりピックアップした部品3が基板2上の目標装着位置である電極2a(この電極2a上には半田印刷機によって半田が印刷されている)に接触させるとともに、吸着ノズル16Nへの真空圧の供給を解除して部品3を基板2に装着する。このとき制御装置30は、基板2の位置決め時に求めた基板2の位置ずれと、部品3の画像認識時に求めた部品3の吸着ずれが修正されるように、基板2に対する吸着ノズル16Nの位置補正(回転補正を含む)を行う。
制御装置30は、基板2に装着すべき部品3の装着が終了したら、位置決めコンベア13aと搬出コンベア13cを連動作動させ、下流側の部品実装機4に搬出する。
本実施の形態における部品実装システム1では、隣接する部品実装機4同士の間において、互いに対向させている一対の基板受け渡し用コンベア、すなわち、相対的に上流側に位置する部品実装機4(上流側の部品実装機4)が備える搬出コンベア13cと、相対的に下流側に位置する部品実装機4(下流側の部品実装機4)の間で基板2の受け渡しをする際、搬送対象となっている基板2をその長さに応じた適切な位置に待機させることができるようになっているので、以下にその説明を行う。
図4において、部品実装システム1を構成する各部品実装機4が備える制御装置30には長さデータ記憶部37が繋がっており、この長さデータ記憶部37には、自機が備える搬入コンベア13bの長さのデータと、搬出コンベア13cの長さ(ともに基板2の搬送方向の長さ)のデータが記憶されている。
また、図4において、制御装置30は通信部38と繋がっている。この通信部38は、上流側に隣接する他の部品実装機4が備える通信部38及び下流側に隣接する他の部品実装機4が備える通信部38と繋がっているため、各部品実装機4が備える制御装置30は、上流側及び下流側に隣接する他の部品実装機4が備える制御装置30との間で通信(データのやり取り)をすることが可能である。
各部品実装機4の制御装置30は、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装機4との間で基板2の搬送を行うときは、先ず、通信部38を介して、上流側又は下流側に隣接する部品実装機4との間で、互いに対向させている一対の基板受け渡し用コンベア(上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13c及び下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13b)それぞれの長さのデータ及び搬送対象となっている基板2の長さのデータの送受信を行う(データ送受信工程)。
すなわち、各部品実装機4の制御装置30は、上流側の部品実装機4に対しては、自機が備える搬入コンベア13bの長さのデータを送信する一方、上流側の部品実装機4からは、その上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13cの長さのデータを受信して長さデータ記憶部37に記憶させる。また、下流側の部品実装機4に対しては、自機が備える搬出コンベア13cの長さのデータを送信する一方、下流側の部品実装機4からは、その下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さのデータを受信して長さデータ記憶部37に記憶させる。
これにより長さデータ記憶部37には、自機及び隣接する部品実装機4の基板受け渡し用コンベア(搬入コンベア13b及び搬出コンベア13c)それぞれの長さのデータ及び搬送対象となっている基板2の長さのデータ(以下、これらのデータを「長さデータ」と総称する)が長さデータ記憶部37に記憶された状態となる(データ記憶工程)。
なお、搬送対象となっている基板2の長さのデータは必ずしも通信部38を介した通信によらなくてもよく、オペレータによって直接長さデータ記憶部37に入力されるのであってもよい。
上記長さデータが長さデータ記憶部37に記憶された状態となったら、制御装置30の待機位置選択部30c(図4)が、長さデータ記憶部37に記憶された長さデータに基づいて、上流側及び下流側に隣接する他の部品実装機4との間で互いに対向させている一対の基板受け渡し用コンベア(搬入コンベア13b及び搬出コンベア13c)により形成される基板搬送領域(図5、図6及び図7において一点鎖線で囲んで示す領域)R内における基板2の待機位置を、予め定めた複数の候補の中から選択する(待機位置選択工程)。
ここで、基板2の待機位置の候補は、搬入コンベア13bに設けた搬入側基板検出器17b及び搬出コンベア13cに設けた搬出側基板検出器17cのいずれか一方によって基板2の先頭部が検出される位置となる。本実施の形態では、隣接する2台の部品実装機4の間において、上流側の部品実装機4が備える搬出側基板検出器17cによって基板2の先頭部が検出される第1の基板待機位置と、下流側の部品実装機4が備える搬入側基板検出器17bによって基板2の先頭部が検出される第2の基板待機位置とのいずれか一方を基板2の待機位置の候補とすることができる。なお、基板2をこれら2つの基板待機位置(第1の基板待機位置及び第2の基板待機位置)の双方を待機位置の候補とすることができるかどうかは、隣接する2台の部品実装機4のうち、上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13cの長さと、下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さと、搬送対象となっている基板2の長さの大小関係によって定まる。
例えば、図5、図6及び図7に示すように、隣接する2台の部品実装機4のうち、上流側の部品実装機4(図5、図6及び図7において紙面左側に位置する部品実装機4)が備える搬出コンベア13cの長さScが、下流側の部品実装機4(図5、図6及び図7において紙面右側に位置する部品実装機4)が備える搬入コンベア13bの長さSbよりも大きい場合には、基板2の長さWがSbよりも小さい第1のケース(W<Sb<Scのとき)と、基板2の長さWがSbよりも大きく、かつScよりも小さい第2のケース(Sb<W<Scのとき)には、第1の基板待機位置(図5(a)及び図6(a))と第2の基板待機位置(図5(b)及び図6(b))のいずれもが基板2の待機位置の候補となるが、基板2の長さWがScよりも大きい第3のケース(Sb<Sc<Wのとき)では、第2の基板待機位置(図7)のみが基板2の待機位置の候補となる。
ここで、第1のケースにおいて基板2を第2の基板待機位置に停止させた状態では、基板2は下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13b内に収まり、上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13cとの間を跨がないことから、上流側に位置する部品実装機4が備える搬出コンベア13cにも(すなわち第1の基板待機位置にも)基板2を待機させることが可能である(図5(c))。
一方、第2のケースにおいて基板2を第2の基板待機位置に停止させた状態及び第3のケースにおいて基板2を第2の基板待機位置に停止させた状態では、基板2は下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13b内には収まらず、上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13cとの間を跨ぐことから、第1のケースとは異なり、上流側に位置する部品実装機4が備える搬出コンベア13cに基板2を待機させることはできない。
このように、本実施の形態における部品実装システム1では、各部品実装機4が、自機が備える搬出コンベア13cの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さのデータ及び搬送対象となっている基板の長さのデータを通信によって提供しあって共有し、その共有したデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア13c及び下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bにより形成される基板搬送領域R内における基板2の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択することができるようになっている。
各部品実装機4の制御装置30は、上述の待機位置選択工程が終了したら、待機位置選択工程で選択した待機位置で基板2が停止するように、自機が備える基板受け渡し用コンベア(上流側の部品実装機4であれば搬出コンベア13c、下流側の部品実装機4であれば搬入コンベア13b)を作動させて基板2を搬送する(基板搬送工程)。
ここで、上記第1のケースにおいて、各部品実装機4の制御装置30の待機位置選択部30cが、基板2の待機位置として第1の基板待機位置を選択した場合には、上流側の部品実装機4が備える制御装置30の基板停止判断部30dは、搬出側基板検出器17cにより基板2の先頭部が検出されたとき、搬出コンベア13cによる基板2の搬送作動を停止させる指令を自機の作業実行制御部30aに出力し、その指令を受けた上流側の部品実装機4の制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(上流側の部品実装機4)が備える搬出コンベア13cの作動を停止させる。これにより基板2は第1の基板待機位置に停止する(図5(a))。
一方、第1のケースにおいて、各部品実装機4の制御装置30の待機位置選択部30cが、基板2の待機位置として第2の基板待機位置を選択した場合には、上流側の部品実装機4の制御装置30の基板停止判断部30dは、自機が備える搬出側基板検出器17cにより基板2の先頭部が検出されたときであっても、その基板2の検出信号を無視するが、下流側の部品実装機4の制御装置30の基板停止判断部30dは、自機が備える搬入側基板検出器17bにより基板2の先頭部が検出されたとき、搬入コンベア13bによる基板2の搬送作動を停止させる指令を自機の制御装置30の作業実行制御部30aに出力し、その指令を受けた下流側の部品実装機4の制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(下流側の部品実装機4)が備える搬入コンベア13bの作動を停止させる。これにより基板2は第2の基板待機位置に停止する(図5(b))。
第2のケースにおいて、各部品実装機4の制御装置30の待機位置選択部30cが、基板2の待機位置として第1の基板待機位置を選択した場合には、上流側の部品実装機4が備える制御装置30の基板停止判断部30dは、搬出側基板検出器17cにより基板2の先頭部が検出されたとき、搬出コンベア13cによる基板2の搬送作動を停止させる指令を自機の作業実行制御部30aに出力し、その指令を受けた上流側の部品実装機4の制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(上流側の部品実装機4)が備える搬出コンベア13cの作動を停止させる。これにより基板2は第1の基板待機位置に停止する(図6(a))。
一方、第2のケースにおいて、各部品実装機4の制御装置30の待機位置選択部30cが、基板2の待機位置として第2の基板待機位置を選択した場合には、上流側の部品実装機4の制御装置30の基板停止判断部30dは、自機が備える搬出側基板検出器17cにより基板2の先頭部が検出されたときであっても、その基板2の検出信号を無視するが、下流側の部品実装機4の制御装置30の基板停止判断部30dは、自機が備える搬入側基板検出器17bにより基板2の先頭部が検出されたとき、搬入コンベア13bによる基板2の搬送作動を停止させる指令を自機の制御装置30の作業実行制御部30aに出力するとともに、上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13cによる基板2の搬送動作を停止させる指令を上流側の制御装置30の作業実行制御部30aに出力する。そして、その指令を受けた下流側の部品実装機4が備える制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(下流側の部品実装機4)の搬入コンベア13bの作動を停止させ、上流側の部品実装機4が備える制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(上流側の部品実装機4)の搬出コンベア13cの作動を停止させる。これにより基板2は第2の基板待機位置に停止する(図6(b))。
第3のケースにおいて、各部品実装機4の制御装置30の待機位置選択部30cが、基板2の待機位置として第2の基板待機位置を選択した場合には、上流側の部品実装機4の制御装置30の基板停止判断部30dは、自機が備える搬出側基板検出器17cにより基板2の先頭部が検出されたときであっても、その基板2の検出信号を無視するが、下流側の部品実装機4の制御装置30の基板停止判断部30dは、自機が備える搬入側基板検出器17bにより基板2の先頭部が検出されたとき、搬入コンベア13bによる基板2の搬送作動を停止させる指令を自機の制御装置30の作業実行制御部30aに出力するとともに、上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13cによる基板2の搬送動作を停止させる指令を上流側の制御装置30の作業実行制御部30aに出力する。そして、その指令を受けた下流側の部品実装機4が備える制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(下流側の部品実装機4)の搬入コンベア13bの作動を停止させ、上流側の部品実装機4が備える制御装置30の作業実行制御部30aは、自機(上流側の部品実装機4)の搬出コンベア13cの作動を停止させる。これにより基板2は第2の基板待機位置に停止する(図7)。
以上説明したように、本実施の形態における部品実装システム1は複数台の部品実装機4が連結されて成り、各部品実装機4が、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装機4との間で基板2の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアとしての搬入コンベア13b及び搬出コンベア13cを備えている。そして、各部品実装機4は、自機が備える搬出コンベア13cの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さのデータ及び搬送対象となっている基板2の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア13c及び下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bにより形成される基板搬送領域R内における基板2の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択する待機位置選択手段としての制御装置30の待機位置選択部30cと、待機位置選択部30cにより選択された待機位置で基板2が停止するように、自機が備える搬出コンベア13cを作動させて基板2を搬送する基板搬送制御手段(制御装置30の作業実行制御部30a)を備えたものとなっている。
また、本実施の形態における基板搬送方法は、上記本実施の形態における部品実装システム1による部品実装方法であり、各部品実装機4が、自機が備える搬出コンベア13cの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さのデータ及び搬送対象となっている基板2の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア13c及び下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bにより形成される基板搬送領域R内における基板2の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択する工程(待機位置選択工程)と、各部品実装機4が、選択した待機位置で基板2が停止するように、自機が備える搬出コンベア13cを作動させて基板2を搬送する工程(基板搬送工程)を含むものとなっている。
本実施の形態における部品実装システム1及びこの部品実装システム1における基板搬送方法では、部品実装システム1を構成する各部品実装機4が、自機が備える搬出コンベア13cの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さのデータ及び搬送対象となっている基板2の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア13c及び下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bにより形成される基板搬送領域R内における基板2の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択し、その選択した待機位置に基板2を停止させるように自機が備える搬出コンベア13cを作動させる。このため、基板2の長さ(サイズ)に応じた適切な位置に基板2を待機させるフレキシブルな基板2の搬送を行うことができ、これにより基板2の生産性を向上させることができる。
また、本実施の形態における部品実装システム1及び部品実装システム1における基板搬送方法では、各部品実装機4は、下流側に隣接する他の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さのデータをその部品実装機4との通信により取得するようになっているので、部品実装システム1を構成する部品実装機4の入れ替え等を行った場合であっても隣接する部品実装機4同士で自動的に必要なデータ(搬入コンベア13b及び搬出コンベア13cそれぞれの長さのデータ)が送受信されて共有状態にされるので、この部品実装システム1のオペレータ(図示せず)が手作業でデータの入力等を行う場合と比較して、作業性が向上する。
また、隣接する2台の部品実装機4の間に基板2の搬送のみを行う基板搬送装置(図示せず)が設けられているような場合であっても、基板搬送装置を隣接する2台の部品実装機4のうち、上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13c又は下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13bと連動して作動させることができるのであれば、その基板搬送装置の長さ(基板2の搬送方向の長さ)を上流側の部品実装機4が備える搬出コンベア13c又は下流側の部品実装機4が備える搬入コンベア13bの長さに加算し、かつ、必要に応じて基板搬送装置上に基板2の先頭部を検出する基板検出器を設けることによって、上記と同様の基板2の搬送制御を行うことができる。
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、部品実装機4の間での基板2の搬送についてのみ説明したが、部品実装機4以外の部品実装用装置(例えば前述の半田印刷機や検査機、リフロー炉等)についても、その部品実装用装置が、基板2に対する部品実装関連の作業を行う部品実装用装置であって、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装用装置との間で基板2の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアを備えたものであれば、その部品実装用装置を含む隣接する2台の部品実装用装置の間で同様の基板2の搬送を行うことができる。
基板の長さに応じた適切な位置に基板を待機させて基板の生産性を向上させることができる部品実装システム及び部品実装システムにおける基板搬送方法を提供する。
1 部品実装システム
2 基板
4 部品実装機(部品実装用装置)
13b 搬入コンベア(基板受け渡し用コンベア)
13c 搬出コンベア(基板受け渡し用コンベア)
30a 作業実行制御部(基板搬送制御手段)
30c 待機位置選択部(待機位置選択手段)
37 長さデータ記憶部(データ記憶部)
R 基板搬送領域

Claims (4)

  1. 基板に対する部品実装関連の作業を行う複数台の部品実装用装置が連結されて成り、各部品実装用装置が、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装用装置との間で基板の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアとしての搬入コンベア及び搬出コンベアを備えた部品実装システムであって、
    各部品実装用装置は、
    自機が備える搬出コンベアの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアの長さのデータ及び搬送対象となっている基板の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア及び下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアにより形成される基板搬送領域内における基板の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択する待機位置選択手段と、
    待機位置選択手段により選択された待機位置で基板が停止するように、自機が備える搬出コンベアを作動させて基板を搬送する基板搬送制御手段とを備えたことを特徴とする部品実装システム。
  2. 各部品実装用装置は、下流側に隣接する他の部品実装用装置が備える搬入コンベアの長さのデータをその部品実装用装置との通信により取得することを特徴とする請求項1に記載の部品実装システム。
  3. 基板に対する部品実装関連の作業を行う複数台の部品実装用装置が連結されて成り、各部品実装用装置が、上流側又は下流側に隣接する他の部品実装用装置との間で基板の受け渡し用に用いる基板受け渡し用コンベアとしての搬入コンベア及び搬出コンベアを備えた部品実装システムにおける基板搬送方法であって、
    各部品実装用装置が、自機が備える搬出コンベアの長さのデータ、下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアの長さのデータ及び搬送対象となっている基板の長さのデータに基づいて、自機が備える搬出コンベア及び下流側に隣接する他の部品実装装置が備える搬入コンベアにより形成される基板搬送領域内における基板の待機位置を予め定めた複数の候補の中から選択する工程と、
    各部品実装用装置が、選択した待機位置で基板が停止するように、自機が備える搬出コンベアを作動させて基板を搬送する工程とを含むことを特徴とする部品実装システムにおける基板搬送方法。
  4. 各部品実装用装置は、下流側に隣接する他の部品実装用装置が備える搬入コンベアの長さのデータをその部品実装用装置との通信により取得すること特徴とする請求項3に記載の部品実装システムにおける基板搬送方法。
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