JP5304574B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の空気調和装置1の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
空気調和装置1では、上述したフェーズを判断して、そのフェーズに応じて、スイングパターンを利用者が不快感を軽減するように変更する。本実施形態においては、空気調和装置1は、上記のシステム構成を用いて、7つのフェーズに応じて、スイングパターンを変更する。
冷房運転の立ち上げ期では、空気調和装置から吹き出される吹出温度が十分に低くなっておらず、単に水平吹きとするだけではなかなか冷房が効かないため利用者に不快感を与える原因となることが多い。また、下吹きの時間を多くしすぎると生暖かい風を利用者に当てることになり、これも不快感の原因となると考えられる。パターン1では、冷房運転の立ち上げ期に行うパターンとして設定され、上記のような問題を解決するために、冷房運転開始直後の風量にバラツキができるようなスイングパターンとしている。
冷房運転の安定期では、冷房運転の開始から十分に時間が経過した後の状態であり、空気調和装置から吹き出される吹出温度が十分に低くなったと判定された状態である。そして、冷房運転の安定期では、室内空間が冷たい空気の層と暖かい空気の層とに分かれる。このように、空間の空気が垂直方向に対して温度分布の偏りが生じてしまうと、空調の効率が低下し、かつ、利用者に不快感を与えてしまう。ただし、冷房運転の場合には、吹出口から供給される風を利用者に直接当てると、ドラフトによる不快感を利用者に与える恐れがある。また、スイング動作を単調な固定パターンとしてしまうと、利用者が感じる快適さを徐々に低下させてしまう。したがって、冷房運転の安定期においては、これらの問題を解決するために、温度分布に偏りが生じた場合(温度ムラ有りの場合)と、そうでない場合(温度ムラ無しの場合)とに分けて、それぞれに最適なスイングパターンが適用される。
暖房運転の立ち上げ期では、空気調和装置から吹き出される吹出温度が十分に高くなっておらず、単に下吹きをとするだけでは利用者に冷風を直接当てることになり、利用者にドラフトによる不快感を与えてしまう。また、水平吹きの状態にしたままでは利用者が位置する室内空間の下部に暖かい風を送ることはできない。したがって、適切な頻度で下吹きにする必要がある。パターン4は、このような暖房運転の立ち上げ期に行うパターンであり、上記のような問題を解決するために、暖房運転開始直後の下吹きの頻度を少なくしている。
暖房運転の中間期とは、暖房運転の立ち上げ期よりも吹出温度が高くなっているがまだ十分に温まっていない状態のことである。すなわち、暖房運転の中間期は、暖房運転の立ち上げ期から、吹出温度が十分に温まり、かつ、室内温度も温まった状態の暖房運転の安定期までの間に段階的に定義した状態である。そして、暖房運転の中間期にはさらに段階的に2つに分けている。暖房運転の中間期では、吹出温度が立ち上げ期よりも高くなっているため、立ち上げ期よりも頻繁にした吹きとしても利用者にドラフトによる不快感を与える可能性が低くなる。パターン5およびパターン6は、このような暖房運転の中間期に行うスイングパターンであり、暖房運転の立ち上げ期よりも下吹きの頻度を多くしている。
暖房運転の安定期とは、吹出温度が十分に高くなっており、室内が十分に温まった状態である。暖房運転の安定期では、吹出温度が中間期よりも高くなっているため、立ち上げ期よりも頻繁にした吹きとしても利用者にドラフトによる不快感を与える可能性が低くなる。パターン7は、このような暖房運転の安定期に行うスイングパターンであり、暖房運転の中間期よりも下吹きの頻度をさらに多くしている。
空気調和装置1では、吹出温度、室内温度(本実施形態では吸込温度)、および設定温度等を監視して、上述した7つのフェーズの判定を行っている。図14〜17は、各フェーズを判定する処理の流れを示すフローチャート図である。
次に、ステップS3において、冷房運転モードであると判定された場合(ステップS4〜ステップS12)について図15に基づいて説明する。
次に、ステップS3において、暖房運転モードであると判定された場合(ステップS13〜ステップS27)について図16,17に基づいて説明する。
(1)
本実施形態の空気調和装置1では、2つの運転モード(冷房運転モードおよび暖房運転モード)をさらにその条件(立ち上げ期、安定期、中間期)により細分化した7つのフェーズ(冷房運転では3つ、暖房運転では4つ)と7つのスイングパターンとが関連づけられて、メモリ42に記憶されている。スイングパターン処理部41bは、フェーズ判定部41aにより判定された7つのフェーズに応じたスイングパターンを選択する。空気調和装置1の立ち上げ期から空気調和装置1による室内の空調制御が十分に行われた状態である安定期までのそれぞれのフェーズがフェーズ判定部41aにより判定される。そして、スイングパターン処理部41bは、選択したスイングパターンに基づいて、空気調和装置のフラップのスイング動作に係る制御指令を生成する。すなわち、空気調和装置1は、空気調和装置においてその時の条件により判定されたフェーズに応じて、空気調和装置が設置されている空間の快適性(例えば、不快指数など)を考慮したスイングパターンを実行することになる。また空気調和装置1では、スイングパターン処理部41bがスイングパターンを実行する際に、継続時間決定部41cが、複数のスイングパターンに基づき、フラップが所定の姿勢を維持する時間を継続時間として決定しており、決定された継続時間をスイングパターン処理部41に伝えている。ここで、空気調和装置の立ち上げ期から安定期までの状態には、室内に温度ムラがある状態である中間期等が含まれる。また、選択されたスイングパターンにより、冷房運転モードでは、安定期より立ち上げ期に、垂直方向に近い方向の空気が頻繁に吐き出され、暖房運転モードでは、立ち上げ期より安定期に、垂直方向に近い方向の空気が頻繁に吐き出される。
本実施形態の空気調和装置では、吹出温度、吸込温度、および床温度を検出しており、フェーズ判定部41aは検出された温度とその時の運転モードとに基づいて7つのフェーズの判定を行っている。
本実施形態の空気調和装置1では、メモリ42が空気調和装置の有する4つのフラップ22a〜22dそれぞれに関連づけられた複数のスイングパターンを記憶している。また、本実施形態の空気調和装置1では、4つの吹出口21a〜21dに対応するIDがメモリ42に記憶される。そして、記憶されたIDに基づいて、隣接する二つの吹出口である吹出口21a,21dおよび吹出口21b,21cに設けられる二組のフラップのペアがペア設定部41dにより決定される。同一のペアに設定された各フラップ22a〜22dは、スイングパターン処理部により生成された制御指令に基づいて、そのスイングパターンが同期される。また、空気調和装置1では、4つの吹出口21a〜21dに設けられた4つのフラップのうち、各ペアが異なるタイミングで同一のスイングパターンを実行する。すなわち、同一ペアの2つのフラップ(第1ペアとする)と、第1ペアと異なる2つのフラップ(第2ペア)とが、異なるタイミングのスイングパターンが実行されることになり、このときに第1ペアと第2ペアとに実行されるスイングパターンは同一のものである。
(1)
上記実施形態およびその変形例における空気調和装置3では、空気調和装置1の室内機2が4方向へ空気を吹き出すことができる天井設置型の室内機である場合を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、2方向へ空気を吹き出すことができる天井設置型の室内機であっても良いし、1方向へ空気を吹き出す天井設置型または壁掛け型の室内機であっても良い。
上記実施形態では、空調制御部4は、室外機3に搭載されているが、これに限らずに、集中リモコン、空調コントローラ、中央監視装置など、空気調和装置1に内蔵されずに単体で機能するものであっても良い。なお、この場合に、空調制御部4は、空気調和装置1と通信線で接続され、各種情報の送受信を行うことになる。
上記実施形態では、空気調和装置1は、1台の室外機3に1台の室内機2が対応するペア式の空気調和装置であるが、これに限らずに、1台の室外機3に複数台の室内機2が対応するマルチ式の空気調和装置であっても良い。
上記実施形態では、冷房運転のフェーズの判定や暖房運転のフェーズの判定を、吹出温度と設定温度との関係に基づいて行っているがこれに限るものではない。
上記実施形態では、冷房運転において温度ムラを自動判定して温度ムラの解消を行うスイングパターン(パターン2)を実行させているが、これに限らずに、利用者が温度ムラを感じた場合に温度ムラを解消するスイングパターンを実行させても構わない。
上記実施形態では、暖房運転における温度ムラの判定を行っていないが、温度ムラの判定を冷房運転における温度ムラの判定(ステップS10参照)と同様に行っても良い。
上記実施形態では、室内温度として吸込温度センサ26が取得した温度値を利用しているが、これに限らずに、検出された吸込温度と床温度とから利用者が存在する高さ付近の室内温度を推測しても良いし、室内の温度を取得できる室内温度センサを(例えば利用者が存在する高さに)設けて、その温度センサが取得した温度値を室内温度として利用しても良い。なお、室内温度センサを設ける場合には、空調制御部4と通信線で接続しても良いし、無線(ZigBeeなど)で接続しても良い。
上記実施形態では、冷房運転および暖房運転が共に、利用者にドラフト感を与えないというドラフト回避の観点で有効なスイングパターンを提案しているが、暖房運転の場合(特に暖房運転の安定期)にはこれに限らない。暖房運転の安定期においては吹出温度が十分に高くなっているため、利用者の要望に応じて(例えば利用者がリモコンで操作するなどして)、ドラフト感の回避よりも足下を暖めるスイングパターン(図18参照)を選択できるようにしても良い。
4 空調制御部(制御装置)
21a〜21d 吹出口
22a〜22d フラップ
26 吸込温度センサ(温度取得部)
27 床温度センサ(温度取得部)
41a フェーズ判定部(運転モード判定部、フェーズ判定部)
41b パターン選択部(スイングパターン選択部)
41c 継続時間決定部(繰り返し時間間隔決定部)
41d ペア設定部
41e パターン指令生成部(制御指令生成部)
42 メモリ(スイングパターン記憶領域、ID記憶領域)
H 水平面
α 第1角度
β 第2角度
Claims (7)
- 空気調和装置(1)のフラップ(22a〜22d)を上下にスイングさせるスイング動作を制御する制御装置(4)であって、
前記空気調和装置の運転モードである冷房運転モードおよび暖房運転モードを少なくとも判定する運転モード判定部(41a)と、
前記スイング動作に関する情報である複数のスイングパターンを記憶するスイングパターン記憶領域(42)と、
前記複数のスイングパターンのうち、前記運転モード判定部によって判定された結果に応じたスイングパターンに基づき、前記空気調和装置の制御指令を生成する制御指令生成部(41e)と、
前記フラップ(22a〜22d)の傾きが第1の姿勢から第2の姿勢に変化し、さらに前記第1の姿勢に変化するまでの時間間隔である第1繰り返し時間間隔と、前記フラップの傾きが前記第2の姿勢から前記第1の姿勢に変化し、さらに前記第2の姿勢に変化するまでの時間間隔である第2繰り返し時間間隔とを、前記複数のスイングパターンに基づき決定する繰り返し時間間隔決定部(41c)と、
前記空気調和装置(1)が設置された室内における所定の温度値を取得する温度値取得部(26,27)と、
前記運転モード判定部によって判定された結果と、前記温度値取得部(26,27)によって取得された前記所定の温度値とに基づき、前記複数のスイングパターンから所定のスイングパターンを選択するスイングパターン選択部(41b)と、
前記空気調和装置(1)の立上がり時から、前記空気調和装置(1)による前記室内の空調制御が十分に行われた状態である安定時までのそれぞれのフェーズを判定するフェーズ判定部(41a)と、
を備え、
前記複数のスイングパターンは、前記運転モードと関連づけられており、
前記スイング動作は、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢とを繰り返す動作であり、
前記第1の姿勢においては、前記フラップ(22a〜22d)が水平面(H)に対して第1角度(α)だけ傾き、前記空気調和装置(1)から吐き出される空気が水平方向に近い方向に流れ、
前記第2の姿勢においては、前記フラップ(22a〜22d)が前記水平面(H)に対して第2角度(β)だけ傾き、前記空気調和装置(1)から吐き出される空気が垂直方向に近い方向に流れ、
前記スイングパターン選択部(41b)は、前記フェーズ判定部(41a)によって判定されたフェーズに基づいて前記スイングパターンを選択し、
前記繰り返し時間間隔決定部(41c)は、前記スイングパターン選択部(41b)によって選択された前記所定のスイングパターンに基づき、前記第1繰り返し時間間隔および第2繰り返し時間間隔を決定し、かつ、前記冷房運転モードでは前記立上がり時から前記安定時に向けて前記第1繰り返し時間間隔及び前記第2繰り返し時間間隔を長くし、前記暖房運転モードでは前記立上がり時から前記安定時に向けて前記第1繰り返し時間間隔及び前記第2繰り返し時間間隔を短くし、
前記制御指令生成部(41e)は、前記繰り返し時間間隔決定部によって決定された前記第1繰り返し時間間隔および第2繰り返し時間間隔に応じた前記制御指令を生成する、
制御装置(4)。 - 前記繰り返し時間間隔決定部(41c)は、少なくとも前記冷房運転モードにおいて、複数の前記第1繰り返し時間間隔を決定する、
請求項1に記載の制御装置(4)。 - 前記空気調和装置(1)は、四つの吹出口(21a〜21d)を有する空気調和装置(1)であって、
前記スイングパターン記憶領域(42)は、前記四つの吹出口(21a〜21d)にそれぞれ設けられた前記フラップ(22a〜22d)に対する前記複数のスイングパターンを記憶する、
請求項1又は2に記載の制御装置(4)。 - 前記四つの吹出口(21a〜21d)は、第1の吹出口(21a)と、前記第1の吹出口(21a)に対して対称に配置された第3の吹出口(21c)と、前記第1の吹出口(21a)の一端側近傍から前記第3の吹出口(21c)の一端側近傍に伸び、前記第1の吹出口(21a)および前記第3の吹出口(21c)に隣接する第2の吹出口(21b)と、前記第1の吹出口(21a)の他端側近傍から前記第3の吹出口(21c)の他端側近傍に伸びて前記第2の吹出口(21b)に対して対称に配置され、前記第1の吹出口(21a)および前記第3の吹出口(21c)に隣接する第4の吹出口(21d)と、からなり、
前記四つの吹出口(21a〜21d)に対応するIDを記憶するID記憶領域(42)と、
前記ID記憶領域に記憶された前記IDに基づき、隣接する二つの吹出口に設けられた二つのフラップからなる二組のペアを設定するペア設定部(41d)と、
をさらに備え、
前記制御指令生成部(41e)は、同一のペアに属する二つのフラップを同期させる制御指令を生成する、
請求項3に記載の制御装置(4)。 - 前記制御指令生成部(41e)は、前記二組のペアに、異なるタイミングで同一のスイングパターンを実行させる、
請求項4に記載の制御装置(4)。 - 前記ペア設定部(41d)は、所定の条件で前記ペアを変更する、
請求項4または5に記載の制御装置(4)。 - 前記温度取得部(26,27)は、前記室内機に取り付けられた温度センサで検知された値を取得する、
請求項1〜6のいずれかに記載の制御装置(4)。
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