[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5301531B2 - パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット - Google Patents

パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット Download PDF

Info

Publication number
JP5301531B2
JP5301531B2 JP2010505842A JP2010505842A JP5301531B2 JP 5301531 B2 JP5301531 B2 JP 5301531B2 JP 2010505842 A JP2010505842 A JP 2010505842A JP 2010505842 A JP2010505842 A JP 2010505842A JP 5301531 B2 JP5301531 B2 JP 5301531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
less
roughness
motif
sputtering target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010505842A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009123055A1 (ja
Inventor
啓 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2010505842A priority Critical patent/JP5301531B2/ja
Publication of JPWO2009123055A1 publication Critical patent/JPWO2009123055A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5301531B2 publication Critical patent/JP5301531B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • C23C14/3407Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
    • C23C14/3414Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/06Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material
    • C23C14/0688Cermets, e.g. mixtures of metal and one or more of carbides, nitrides, oxides or borides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット及びその表面加工方法に関する。
スパッタリング法は薄膜の形成手段として、すでに広く知られた技術である。その基本原理は、アルゴン等の希薄ガス中で、薄膜が形成される基板(陽極側)とそれに少し距離をおいて対向させた薄膜形成物質からなるターゲット(陰極側)の間に電圧を印加し、それによってアルゴンガスをプラズマ化するものであり、そこで発生したアルゴンイオンが陰極物質であるターゲットに衝突し、そのエネルギーによってターゲットの物質を外部に飛翔させ(叩き出し)、それによって対向する基板面に、その飛翔した物質を積層するものである。
このスパッタリングの原理を利用した薄膜形成装置は、2極バイアススパッタリング装置、高周波スパッタリング装置、プラズマスパッタリング装置などの、多くの工夫がなされているが、基本原理は同様である。
薄膜を形成する物質は、アルゴンイオンの標的になることからターゲットと称されるものであるが、イオンの衝突エネルギーによるものであるため、ターゲットを構成する薄膜形成物質が原子状又はその原子が集合したクラスター状として基板に積層されるので、微細かつ緻密な薄膜が形成される特徴があり、今日様々な電子部品に広範囲に適用されている理由である。
このような薄膜形成に利用されるスパッタリングは、最近では非常に高度な成膜法が要求されるようになり、作成された薄膜に欠陥が少ないことが大きな課題となっている。
スパッタリングにおけるこのような欠陥の発生は、スパッタリング法によるだけでなく、ターゲットそのものに起因することが多い。このようなターゲットに起因する欠陥の発生原因としてパーティクルやノジュールの発生がある。
本来ターゲットからスパッタされた(飛翔した)物質が対向する基板に付着するのであるが、必ずしも垂直にスパッタされるとは限らず、様々な方向に飛来する。このような飛来物質は基板以外のスパッタ装置内の機器に付着するが、それがある時、剥落かつ浮遊し、それが基板に再付着したものである。
このような物質をパーティクルと称しているが、本来の予定された薄膜物質ではなく、また大きなクラスター状として付着することが多いので、例えば電子機器の微細な配線膜においては、短絡の原因となり、不良品発生の原因となる。このようなパーティクル発生は、ターゲットからの物質の飛来に原因し、すなわちターゲットの表面状態によって増減することが分かっている。
また、一般にスパッタリングによってターゲット面の物質が均一に減っていく(エロージョンされる)のではなく、構成物質とスパッタリング装置の固有の特性、電圧のかけ方等により、特定の領域、例えばリング状にエロージョンされるという傾向がある。また、ターゲット物質の種類又はターゲットの製造方法により、ターゲットにぶつぶつ状の突起物質が無数に残存した、いわゆるノジュールと称する物質が形成されることがある。
これは薄膜形成物質の一つであるので、直接薄膜に影響を与えるものではないが、このノジュールの突起に微小なアーク(マイクロアーキング)を発生し、これが原因でパーティクルが増大する原因となっていることが観察される。
また、ノジュールが多量に発生すると、スパッタレートが変化(遅延)し、成膜のコントロールができなくなる。時としてこの粗大なノジュールが剥れ、基板に付着するということもある。
この場合は、ノジュールそのものが、大きな障害要因となる。このようなことから、一旦スパッタリングを停止し、ノジュールを除去する作業を行うことがある。これは、作業能率の低下になるという問題がある。
最近、ターゲットは均一な物質からなるのではなく、延性のあるマトリックス相に金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の物質が混在した状態で使用されることが多い。このような場合には、特にノジュールやパーティクルの発生が多くなるという問題が発生する。
従来技術としては、高融点金属合金用スパッタリングターゲットの表面部に、機械加工時に発生する微小クラック又は欠陥部などの加工欠陥層(破砕層)を除去したスパッタリングターゲット(特許文献1参照)あるいはスパッタリングターゲットの表面粗さを調節し、残留汚染物の量、表面の水素含有量及び加工変質層の厚さを減少させ、膜の均一化、ノジュール及びパーティクル発生の抑制する技術が開示されている(特許文献2参照)。
しかし、これらはノジュールやパーティクルの発生がターゲットの表面状態に大きく影響することが予想されるが、問題の解決に至っていないのが現状である。
特開平3−257158号公報 特開平11−1766号公報
本発明は、延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が多く存在するターゲット表面を改善し、スパッタリングの際にノジュールやパーティクルの発生を防止又は抑制できる表面特性に優れたスパッタリングターゲット及びその表面加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、1)延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットの表面であって、中心線平均表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均粗さRzが0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARが120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWが1500μm以上であることを特徴とするパーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット、2)延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が、少なくとも平均粒径で0.5〜50μmのサイズを有することを特徴とする1)記載のスパッタリングターゲット、を提供する。
また、本発明は、3)延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットの表面を、予め切削加工による一次加工を行い、次に研磨による仕上げ加工を行うことによって、中心線平均表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均粗さRzが0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARが120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWが1500μm以上のなだらかな表面に形成することを特徴とするパーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲットの表面加工方法、4)切削加工による一次加工により、ターゲット素材の表面から1mm〜10mmの範囲を切削することを特徴とする3)記載のスパッタリングターゲットの表面加工方法、5)研磨による仕上げ加工により、切削加工による一次加工後の表面から1μm〜50μmの範囲を研磨することを特徴とする3)又は4)記載のスパッタリングターゲットの表面加工方法、を提供する。
本発明は、延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットの表面を、予め切削加工による一次加工を行い、次に研磨による仕上げ加工することにより、なだらかな表面の表面特性に優れたターゲットが得られ、このターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生及びターゲット使用後のノジュールの発生が著しく減少するという優れた効果を有する。
本発明の表面加工の対象となるターゲットは、延性に富むマトリックス相とその中に体積比率で1〜50%の金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が混在しているターゲットである。このようなターゲットの典型的なものは、磁性材料であるが、例えば、延性のある材料としては、Co、Cr、Pt、Bなどが挙げられる。しかし、本願発明は、これらの材料に限られることはなく、他の同様な材料に適用できることは言うまでもない。
このような延性のない物質が混在しているターゲット素材を、例えばバイトによる切削加工を行うと、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が存在する場所を起点として、クラック、抜け落ちによる窪み、場合によってはかけらが窪みに残存したような形の疵(きず)が形成される。
このような表面欠陥は、延性のない材料の部分が平均粒径で0.5〜50μm以上のサイズに均一に微細分散していても発生し易い。また、その場合の硬度を測定すると、延性に富むマトリックス相のビッカース硬度が400以下であり、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質のビッカース硬度が400以上であり、その硬度差が1.5倍である場合が多い。
したがって、このような場合に、本発明の表面加工方法が、特に効力を発揮する。
本発明は、切削加工による一次加工により、ターゲット素材の表面から、好ましくは1mm〜10mmの範囲を切削する一次加工を行った後に、研磨による仕上げ加工を行う。1mm〜10mmの範囲を切削する理由は、それ以前に形成されたターゲット素材表面の欠陥を効果的に除去するためのものである。切削は、バイト又はチップを用いた旋盤加工により行うことが望ましい。
この切削加工(一次加工)により、上記のように、クラック、抜け落ちによる窪み等の欠陥が発生するが、これを例えば#80〜#400の粗い砥粒のサンドペーパー又は砥石を用いて研磨する。これによって、上記のクラック、抜け落ちによる窪み等の欠陥が消去され、平滑なターゲット面が形成される。
#80〜#400の粗い砥粒のサンドペーパー又は砥石は、切削加工によって生じた金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質を起点とした欠陥を効率良く除去し、延性に富んだマトリックス相を含め、平滑な面を作製できる最適範囲である。この場合、鏡面研磨の必要は無く、クラックの抜け落ち、くぼみが除去できれば良い。
平滑でクラック、抜け落ちによる窪み等の表面欠陥のないターゲットを作製する場合に、ターゲット素材を最初から#80〜#400の粗い砥粒のサンドペーパー又は砥石を用いて研磨することが考えられる。しかし、この場合は研磨加工に要する時間が膨大となり、また延性に富んだマトリックスの物質が砥石に付着して砥石のメンテナンス頻度が高くなるという問題が発生する。
しかも、特に手加工による研磨加工では、表面粗さでは差がない場合でも、外周と中心部が多く研磨されるということが起こり易く、ターゲット表面にうねりが生じるという問題が発生する。したがって、切削加工を行わずに研磨加工のみでターゲットの表面加工を行うことは現実としては、実施不能である。
次に、本願発明は、旋盤を用いた切削による一次加工を行ってターゲット形状に仕上げた後、純水滴下による湿式一次研磨→アルミナ研磨剤滴下による湿式二次研磨の工程からなるSSP(Sputtering Target Surface Polishing)加工を行う。これによって、中心線平均表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均粗さRzが0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARが120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWが1500μm以上を達成することができ、ターゲットの表面は平滑かつ非常になだらかな表面を得ることができる。
なお、中心線平均表面粗さRa、十点平均粗さRz、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR及びうねりモチーフ平均長さAWについては、JISで規格化された表面粗さの定義(JIS B0601、JIS B0631参照)なので、説明は省略する。
本発明において、重要なことは、中心線平均表面粗さRaを0.1μm以下、十点平均粗さRzを0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARを120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWを1500μm以上として、なだらかな表面のスパッタリングターゲットを得るということである。
これによって、延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が多く存在するターゲットの表面を改善することが可能となり、スパッタリングの際にノジュールやパーティクルの発生を防止又は抑制できる大きな効果を得ることができる。
実施例及び比較例
次に、実施例について説明する。なお、本実施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
本実施例1では、Co、Cr、Pt、Bを原料とし、溶解及び圧延からなる製造工程で製造したターゲット原材料を、旋盤を用いた切削による一次加工を行ってターゲット形状に仕上げた後、純水滴下による湿式一次研磨→アルミナ研磨剤滴下による湿式二次研磨の工程からなるSSP(Sputtering Target Surface Polishing)加工を行って表面を調整し、ターゲットを得た。
この表面粗さを調整したターゲットの、平均表面粗さ、すなわち中心線平均表面粗さRa、十点平均粗さRz、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR、うねりモチーフ平均長さAWの、測定結果を表1に示す。測定点は、ターゲット表面の3点で、表1に示す数値は、3点の平均値である。
この表1に示すように、Ra:0.053μm、Rz:0.337μm、AR:119.87μm、AW:1567.40μmとなった。いずれも、本願発明の、中心線平均表面粗さRa:0.1μm以下、十点平均粗さRz:0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR:120μm以下、うねりモチーフ平均長さAW:1500μm以上の範囲にあり、表面の粗さが小さく、かつ非常になだらかなターゲット表面を得ることができた。
次に、このターゲットを使用し、Ar1.5Pa雰囲気中、30w/cmのDCスパッタリング条件で基板上にスパッタ膜を形成した。
スパッタリングを行った場合のパーティクルを、観察すると、パーティクルの寸法は20μm×20μm(「長径×短径」以下同様。)程度以下であり、10μm×10μm程度の酸化物粒径との差異が少なく、剥がれ率が大きく減少した。この結果も、同様に表1に示す。また、パーティクル起因の不良率発生を1.8%にまで、低減することができた。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様にCo、Cr、Pt、Bを原料とし、溶解及び圧延からなる製造条件で製造したターゲットを使用し、旋盤を用いた切削による一次加工を行った。この場合の切り込み量は0.5mmである。この後研磨加工を行ってはいない。
このターゲットの、平均表面粗さ、すなわち中心線平均表面粗さRa、十点平均粗さRz、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR、うねりモチーフ平均長さAWの、測定結果を同様に、表1に示す。測定点は、ターゲット表面の3点で、表1に示す数値は、3点の平均値である。
この表1に示すように、Ra:1.633μm、Rz:7.397μm、AR:180.40μm、AW:1115.47μmとなった。いずれも、本願発明の、中心線平均表面粗さRa:0.1μm以下、十点平均粗さRz:0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR:120μm以下、うねりモチーフ平均長さAW:1500μm以上の範囲から大きく外れ、表面の粗さが大きく、かつ凹凸の激しいターゲット表面であった。
次に、このターゲットを使用し、Ar1.5Pa雰囲気中、30w/cmのDCスパッタリング条件で基板上にスパッタ膜を形成した。
このスパッタリングを行った場合のパーティクルを、観察すると、20μm×100μm程度のサイズのパーティクルが発生し、剥がれが多数発生した。この結果も、同様に表1に示す。また、パーティクル起因の不良率発生が20%程度まで、増加した。
(比較例2)
比較例1での旋盤を用いた切削による一次加工を行った後、平研加工してターゲットを作製した。他は比較例と同様である。
このターゲットの、平均表面粗さ、すなわち中心線平均表面粗さRa、十点平均粗さRz、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR、うねりモチーフ平均長さAWの、測定結果を同様に、表1に示す。測定点は、ターゲット表面の3点で、表1に示す数値は、3点の平均値である。
この表1に示すように、Ra:0.333μm、Rz:2.047μm、AR:171.10μm、AW:1215.00μmとなった。旋盤加工のみの場合と比べ、若干の改善はあるが、いずれも、本願発明の、中心線平均表面粗さRa:0.1μm以下、十点平均粗さRz:0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)AR:120μm以下、うねりモチーフ平均長さAW:1500μm以上の範囲から大きく外れており、表面の粗さが大きく、かつ凹凸の激しいターゲット表面であった。
次に、このターゲットを使用し、Ar1.5Pa雰囲気中、30w/cmのDCスパッタリング条件で基板上にスパッタ膜を形成した。
このスパッタリングを行った場合のパーティクルを、観察すると、20μm×(40〜100)μm程度のサイズのパーティクルが発生し、剥がれが多数発生した。この結果も、同様に表1に示す。また、パーティクル起因の不良率発生が15%程度まで、増加した。
上記の実施例1と比較例1−2の対比から明らかなように、実施例では、表面粗さが著しく小さく、またなだらかな表面を形成しており、薄膜の形成において、特に問題となるターゲットのスパッタリング使用後のノジュール発生数及びパーティクルのサイズが小さくなり、パーティクルの剥がれが少なく、パーティクルの発生に起因する不良率が低下しているのが確認できる。
したがって、本発明の切削加工と研磨加工による表面加工方法は、延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットの表面加工において、優れた効果を有することが分かる。
本発明は、ターゲットの表面を、中心線平均表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均粗さRzが0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARが120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWが1500μm以上とすることにより、表面特性に優れたターゲットが得ることができ、このターゲットを用いてスパッタリングすることにより、パーティクルの発生及びターゲット使用後のノジュールの発生が著しく減少するという優れた効果を有するので、特に延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットに有効である。

Claims (5)

  1. 延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットの表面であって、中心線平均表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均粗さRzが0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARが120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWが1500μm以上であることを特徴とするパーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット。
  2. 延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が、少なくとも平均粒径で0.5〜50μmのサイズを有することを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  3. 延性に富むマトリックス相内に、金属間化合物、酸化物、炭化物、炭窒化物、その他の延性のない物質が体積比率で1〜50%存在するターゲットの表面を、予め切削加工による一次加工を行い、次に純水滴下による湿式一次研磨を行い、さらに、アルミナ研磨剤滴下による湿式二次研磨を行うことによって、中心線平均表面粗さRaが0.1μm以下、十点平均粗さRzが0.4μm以下、局部山頂間距離(粗さモチーフ)ARが120μm以下、うねりモチーフ平均長さAWが1500μm以上のなだらかな表面に形成することを特徴とするパーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲットの表面加工方法。
  4. 切削加工による一次加工により、ターゲット素材の表面から1mm〜10mmの範囲を切削することを特徴とする請求項3記載のスパッタリングターゲットの表面加工方法。
  5. 研磨による仕上げ加工により、切削加工による一次加工後の表面から1μm〜50μmの範囲を研磨することを特徴とする請求項3又は4記載のスパッタリングターゲットの表面加工方法。
JP2010505842A 2008-04-03 2009-03-27 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット Active JP5301531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010505842A JP5301531B2 (ja) 2008-04-03 2009-03-27 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008096806 2008-04-03
JP2008096806 2008-04-03
PCT/JP2009/056299 WO2009123055A1 (ja) 2008-04-03 2009-03-27 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット
JP2010505842A JP5301531B2 (ja) 2008-04-03 2009-03-27 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009123055A1 JPWO2009123055A1 (ja) 2011-07-28
JP5301531B2 true JP5301531B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=41135433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010505842A Active JP5301531B2 (ja) 2008-04-03 2009-03-27 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8936706B2 (ja)
JP (1) JP5301531B2 (ja)
CN (1) CN101990584B (ja)
MY (1) MY150458A (ja)
TW (1) TWI447248B (ja)
WO (1) WO2009123055A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010101051A1 (ja) 2009-03-03 2010-09-10 日鉱金属株式会社 スパッタリングターゲット及びその製造方法
MY148731A (en) 2009-08-06 2013-05-31 Jx Nippon Mining & Metals Corp Inorganic-particle-dispersed sputtering target
WO2011077933A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 Jx日鉱日石金属株式会社 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット及び同ターゲットの製造方法
MY157156A (en) 2010-07-20 2016-05-13 Jx Nippon Mining & Metals Corp Sputtering target of ferromagnetic material with low generation of particles
MY150826A (en) 2010-07-20 2014-02-28 Jx Nippon Mining & Metals Corp Sputtering target of perromagnetic material with low generation of particles
CN103081009B (zh) 2010-08-31 2016-05-18 吉坤日矿日石金属株式会社 Fe-Pt型强磁性材料溅射靶
DE102010042828A1 (de) * 2010-10-22 2012-04-26 Walter Ag Target für Lichtbogenverfahren
JP2015504479A (ja) 2011-11-08 2015-02-12 トーソー エスエムディー,インク. 特別な表面処理及び優れた粒子性能を有するシリコンスパッターターゲット及びその製造方法
CN104126026B (zh) 2012-02-23 2016-03-23 吉坤日矿日石金属株式会社 含有铬氧化物的强磁性材料溅射靶
SG11201404067PA (en) 2012-06-18 2014-10-30 Jx Nippon Mining & Metals Corp Sputtering target for magnetic recording film
US10325762B2 (en) 2012-07-20 2019-06-18 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Sputtering target for forming magnetic recording film and process for producing same
JP6066018B2 (ja) 2014-07-03 2017-01-25 住友金属鉱山株式会社 スパッタリング用ターゲット材とその製造方法
CN108203806B (zh) * 2016-12-20 2020-04-28 宁波江丰电子材料股份有限公司 镍靶材制作方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0860352A (ja) * 1994-06-13 1996-03-05 Tosoh Corp Itoスパッタリングターゲット
WO2005083148A1 (ja) * 2004-03-01 2005-09-09 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. 表面欠陥の少ないスパッタリングターゲット及びその表面加工方法
JP2007031808A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Mitsubishi Materials Corp パーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4895592A (en) 1987-12-14 1990-01-23 Eastman Kodak Company High purity sputtering target material and method for preparing high purity sputtering target materials
JPH03257158A (ja) 1990-03-07 1991-11-15 Toshiba Corp スパッタリングターゲット
AU8629491A (en) * 1990-08-30 1992-03-30 Materials Research Corporation Pretextured cathode sputtering target and method of preparation thereof and sputtering therewith
JP2794382B2 (ja) 1993-05-07 1998-09-03 株式会社ジャパンエナジー スパッタリング用シリサイドターゲット及びその製造方法
US5630918A (en) 1994-06-13 1997-05-20 Tosoh Corporation ITO sputtering target
US6033620A (en) * 1995-04-18 2000-03-07 Tosoh Corporation Process of preparing high-density sintered ITO compact and sputtering target
JP3867328B2 (ja) 1996-12-04 2007-01-10 ソニー株式会社 スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP3755559B2 (ja) 1997-04-15 2006-03-15 株式会社日鉱マテリアルズ スパッタリングターゲット
US6599377B2 (en) 1999-10-01 2003-07-29 Heraeus, Inc. Wrought processing of brittle target alloy for sputtering applications
JP4761605B2 (ja) 2000-05-09 2011-08-31 株式会社東芝 スパッタリングターゲット
JP2002069623A (ja) 2000-08-30 2002-03-08 Hitachi Metals Ltd Co−Cr−Pt−B系ターゲットおよび磁気記録媒体
JP2002208125A (ja) 2001-01-05 2002-07-26 Hitachi Metals Ltd Co−Cr−Pt系ターゲット材および磁気記録媒体
KR20060127267A (ko) 2004-03-26 2006-12-11 닛코킨조쿠 가부시키가이샤 코발트-크롬-백금-붕소계 합금 스퍼터링 타겟트
JP4826066B2 (ja) * 2004-04-27 2011-11-30 住友金属鉱山株式会社 非晶質の透明導電性薄膜およびその製造方法、並びに、該非晶質の透明導電性薄膜を得るためのスパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP2006176808A (ja) 2004-12-21 2006-07-06 Mitsubishi Materials Corp 磁気記録膜形成用CoCrPt−SiO2スパッタリングターゲットの製造方法
WO2007080781A1 (ja) 2006-01-13 2007-07-19 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. 非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット
US8568576B2 (en) 2008-03-28 2013-10-29 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Sputtering target of nonmagnetic-particle-dispersed ferromagnetic material
WO2010101051A1 (ja) 2009-03-03 2010-09-10 日鉱金属株式会社 スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP4673448B2 (ja) 2009-03-27 2011-04-20 Jx日鉱日石金属株式会社 非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット
MY148731A (en) 2009-08-06 2013-05-31 Jx Nippon Mining & Metals Corp Inorganic-particle-dispersed sputtering target
MY149640A (en) 2009-12-11 2013-09-13 Jx Nippon Mining & Metals Corp Sputtering target comprising oxide phase dispersed in co or co alloy phase, magnetic thin film made of co or co alloy phase and oxide phase, and magnetic recording medium using the said thin film
WO2011077933A1 (ja) 2009-12-25 2011-06-30 Jx日鉱日石金属株式会社 パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット及び同ターゲットの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0860352A (ja) * 1994-06-13 1996-03-05 Tosoh Corp Itoスパッタリングターゲット
WO2005083148A1 (ja) * 2004-03-01 2005-09-09 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. 表面欠陥の少ないスパッタリングターゲット及びその表面加工方法
JP2007031808A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Mitsubishi Materials Corp パーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用スパッタリングターゲット

Also Published As

Publication number Publication date
CN101990584A (zh) 2011-03-23
CN101990584B (zh) 2013-05-08
US8936706B2 (en) 2015-01-20
TW200948998A (en) 2009-12-01
TWI447248B (zh) 2014-08-01
MY150458A (en) 2014-01-30
JPWO2009123055A1 (ja) 2011-07-28
US20110048935A1 (en) 2011-03-03
WO2009123055A1 (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5301531B2 (ja) パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット
JP4827033B2 (ja) 表面欠陥の少ないスパッタリングターゲット及びその表面加工方法
JP4846872B2 (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP4897113B2 (ja) パーティクルの発生の少ないスパッタリングターゲット及び同ターゲットの製造方法
JP5744958B2 (ja) イッテルビウムスパッタリングターゲット
JP2008106287A (ja) 窒化物含有ターゲット材
KR20160100817A (ko) 절삭 공구
KR20160145474A (ko) 표면 피복 질화붕소 소결체 공구
JP2008056957A (ja) 窒化物含有ターゲット材
JP6778409B1 (ja) V合金ターゲット
JP6778408B1 (ja) V合金ターゲット
JP2015033757A (ja) チタン又はチタン合金加工用の被覆切削工具及びその製造方法並びにそれを用いたチタン又はチタン合金の加工方法
JPH06136523A (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5301531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250