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JP5397737B2 - 着色組成物および有機el用カラーフィルタ - Google Patents

着色組成物および有機el用カラーフィルタ Download PDF

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JP5397737B2 JP2008251260A JP2008251260A JP5397737B2 JP 5397737 B2 JP5397737 B2 JP 5397737B2 JP 2008251260 A JP2008251260 A JP 2008251260A JP 2008251260 A JP2008251260 A JP 2008251260A JP 5397737 B2 JP5397737 B2 JP 5397737B2
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Description

本発明は、特定の構造を有する色材を含む着色組成物および該着色組成物により形成されてなる有機EL用カラーフィルタに関する。
近年、次世代型のディスプレイとして、エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子で構成されたELディスプレイが期待されている。EL素子には無機EL素子と有機EL素子とがあり、いずれのEL素子も自己発光性であるために視認性が高く、また完全固体素子であるために耐衝撃性に優れるとともに取り扱いが容易であるという利点がある。このため、グラフィックディスプレイの画素やテレビ画像表示装置の画素、あるいは面光源等としての研究開発および実用化が進められている。特に、画像表示装置のさらなる高精細化により、カラーフィルタのさらなる高透過率化および高色純度化が望まれており、カラーフィルタの材料および製造方法に関し、種々の研究が行われてきた。
カラーフィルタの材料である色材については、カラーフィルタの光学特性を左右するため、現在までに多くの研究がなされてきた。液晶ディスプレイ用カラーフィルタは、製造工程において配向膜焼成で200℃以上の高温工程を経るため、色材として用いられる顔料および染料の選択には耐熱性が問題となることがある。対して、有機EL用カラーフィルタは、このような高温工程を経ないため、180℃程度での耐熱性があれば実用化可能である。つまり、有機EL用カラーフィルタは、耐熱性への要求が低く、耐熱性の低い材料でも用いることが可能となる。しかし、耐光性に関しては、有機EL用途であっても更なる向上が望まれている。
現在までに、これらの問題点を解決するため、色材として用いられる顔料および染料について、種々の提案がなされてきた。例えば、トリフェニルメタン系染料を色材として含む色パターンに対し、耐光性を向上させるために金属錯体を添加することが提案されている(例えば、特許文献1)。さらに、染料の昇華を防ぎ、顔料のみを用いたカラーフィルタに比べて、耐熱性、耐光性、および耐薬品性等を向上させるために、重合性トリフェニルメタン染料を含むポリマーを用いることが提案されている(例えば、特許文献2)。さらにまた、インクジェット法によるカラーフィルタの製造において、着色部の耐熱性および色純度等を向上させるために、フタロシアニン系染料とトリフェニルメタン系染料とを特定の質量比で含むカラーフィルタ用インクを用いることが提案されている(例えば、特許文献3)。
また、アルコール系有機溶媒に対する溶解性を優れ、かつ、経時安定性に優れたインキ組成物を提供するために、酸性染料と、ナフタレンメタナミン類四級アンモニウム塩とからなる造塩染料を用いることが提案されている(例えば、特許文献4)。さらに、トリフェニルメタン系色素と分散剤とを含む着色組成物において、透明度を向上させるために、該分散剤に顔料の誘導体を用いることが提案されている(例えば、特許文献5)。さらにまた、耐熱性、耐光性、および色特性を向上させるために、染め付けレーキ顔料として、C.I.ピグメントレッド81:1等を用いることが提案されている(例えば、特許文献6)。
しかしながら、今尚、高透過率および高色純度を実現しながら、同時に、耐光性および耐熱性の向上をも実現できる着色組成物の開発が切望されている。
特開平11−223720号公報 特許第3736221号公報 特開平8−327998号公報 特開2004−307391号公報 特許第2891418号 特開2001−81348号公報
発明の概要
本発明者らは、今般、特定の構造を有する色材を含む着色組成物において、該色材の透過スペクトルにおける、波長420nm〜480nmの平均透過率および波長550nm〜600nmの平均透過率を特定の範囲内にすることで、高透過率および高色純度を実現しながら、同時に、耐光性および耐熱性も向上できることを知見した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
したがって、本発明は、
下記式(1):
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、もしくはハロゲン原子を表し、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、もしくは置換基を有していてもよいベンジル基を表す)
または下記式(2):
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、もしくはハロゲン原子を表し、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、もしくは置換基を有していてもよいベンジル基を表す)
の構造を有する色材を含む着色組成物であって、
前記色材の透過スペクトルにおける、波長420nm〜480nmの平均透過率が90%以上であり、かつ波長550nm〜600nmの平均透過率が5%未満であり、有機EL用カラーフィルタに用いられることを特徴とする、着色組成物である。
本発明によれば、高透過率および高色純度を実現しながら、同時に、耐光性および耐熱性も向上できる、着色組成物を提供することができる。
定義・測定方法
本発明において、色材の透過スペクトルにおける平均透過率とは、色材を30質量%濃度で均一に分散させて作製した厚さ2〜3μmの塗膜について、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて透過スペクトルを測定し、測定した透過スペクトルにおける特定波長間の透過率の平均値のことである。なお、色材には、顔料および/または染料が含まれる。また色度とは、CIE色度座標における値である。
着色組成物
本発明において、着色組成物は、上記式(1)または(2)の構造を有する色材を含むものであり、色材の透過スペクトルにおける、波長420nm〜480nmの平均透過率が90%以上であり、かつ波長550nm〜600nmの平均透過率が5%未満である。本発明の好ましい態様によれば、波長420nm〜480nmの平均透過率は、好ましくは95%以上であり、波長550nm〜600nmの平均透過率は、好ましくは3%未満である。平均透過率が上記範囲程度であれば、優れた透過率および色純度を得ることができる。
色材
本発明の好ましい態様によれば、上記式(1)または(2)の構造を有する色材は、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー61、およびC.I.ピグメントブルー62からなる群から選択される少なくとも一種である。より好ましくは、該色材は、C.I.ピグメントブルー1である。これらの色材を用いることで、透過率ならびに耐熱性および耐光性を向上させることができる。本発明においては、市販の顔料を用いることもでき、例えば例えば、FANAL BLUE D6340(C.I.ピグメントブルー1、BASF製)および718 Fast Blue conc.SF(大日精化工業製)等が好ましい。また、上記式(1)または(2)の構造を有する色材の含有量は、全色材の合計質量に対して、好ましくは30〜100質量%であり、より好ましくは40〜100質量%である。上記含有量であれば、高透過率および高色純度を実現しながら、同時に、耐光性および耐熱性もより向上することができる。
本発明の好ましい態様によれば、着色組成物は、色材として、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、およびC.I.ピグメントバイオレット29からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含むものである。これらの色材を用いることで、耐熱性および耐光性をより向上させることができる。本発明においては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、Fastogen Blue EP−7(大日本インキ製)、Chromofine Blue 5201A(大日精化工業製)、Cromopthal Violet GT(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、PV Fast Violet RL(クラリアント製)等が好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、色材の配合量(質量比)は、C.I.ピグメンブルー1:C.I.ピグメントブルー15:6=30:70〜100:0であり、より好ましくは、40:60〜100:0である。上記配合量であれば、高透過率および高色純度を実現しながら、同時に、耐光性および耐熱性もより向上することができる。
本発明の好ましい態様によれば、着色組成物は、上記の色材である顔料を溶剤に分散させた分散体である。顔料の分散方法は、特に限定されず、公知の分散機を用いて分散させることができる。分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。分散処理において用いるビーズの径は、好ましくは0.03〜2.00mmであり、より好ましくは0.10〜1.00mmである。
本発明においては、顔料を分散させる際に、ジルコニアビーズ等を適宜加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)等を用いて、数時間分散を行うことが好ましい。例えば、ビーズ径が比較的大きめな2mmジルコニアビーズで1時間分散後、さらにビーズ径が比較的小さめな0.1mmジルコニアビーズで2時間分散することが挙げられる。また、分散後、5.0μmのメンブランフィルタで濾過することが好ましい。これにより、顔料の分散性をより向上することができ、透過率をより向上させることができる。
その他の成分
本発明の好ましい態様によれば、着色組成物は、上記の色材以外にも、必要に応じて、溶剤、分散剤、モノマー、ポリマー、および重合開始剤等を含むものである。
溶剤
上記の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、および3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられる。本発明においては、市販の溶剤を用いることもでき、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社製)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(ダイセル化学工業株式会社製)、および3−メトキシブチルアセテート(ダイセル化学工業株式会社製)が好ましい。好ましい態様では、溶剤の含有量は、着色組成物の合計質量に対して20〜90質量%である。溶剤の含有量が上記範囲程度であれば、着色組成物の粘度を所望の範囲に調整し、顔料分散性や顔料分散経時安定性を向上させることができる。また、色材濃度を一定範囲内にすることができるため、着色組成物を調製後、目標とする色度座標を達成することができる。
分散剤
上記の分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できるが、これらの中でも高分子界面活性剤( 高分子分散剤)を用いることが好ましい。高分子界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、および3級アミン変性ポリウレタン類などが挙げられる。本発明においては、市販の分散剤を用いることもでき、例えば、ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、24000、26000、および28000等の各種ソルスパース分散剤(ゼネカ株式会社製)、ならびにDisperbyk111(ビックケミー・ジャパン株式会社製)が好ましい。好ましい態様では、分散剤の含有量は、着色組成物の合計質量に対して0.1〜10質量%である。
モノマー
上記のモノマーとしては、例えば、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート、アクリレート基を有するエポキシアクリレート樹脂、メタクリレート基を有するポリウレタンメタクリレート、メタクリレート基を有するポリエステルメタクリレート、ならびにメタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。本発明においては、市販のモノマーを用いることもでき、例えば、SR399(サートマー社製)、アロニックスM−400(東亞合成株式会社製)、およびアロニックスM−450(東亞合成株式会社製)が好ましい。好ましい態様では、モノマーの含有量は、着色組成物の合計質量に対して1〜40質量%である。
ポリマー
上記のポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、ならびにこれらの酸無水物等が挙げられる。本発明においては、市販のポリマーを用いることもでき、例えば、アロニックスM−5600(東亞合成株式会社製)、アロニックスM−6200(東亞合成株式会社製)、アロニックスM−7100(東亞合成株式会社製)、およびアロニックスM−9050(東亞合成株式会社製)が好ましい。好ましい態様では、ポリマーの含有量は、着色組成物の合計質量に対して1〜40質量%である。
重合開始剤
上記の重合開始剤としては、熱重合開始剤および光重合開始剤等を用いることができ、例えば、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、および1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。本発明においては、市販の重合開始剤を用いることもでき、例えば、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア907(いずれも、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)等のケトン系化合物、および2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’−テトラフェニル−1,2’ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)等のビイミダゾール系化合物が好ましい。好ましい態様では、重合開始剤の含有量は、着色組成物の合計質量に対して0.1〜20質量%である。
カラーフィルタ
本発明の好ましい態様によれば、カラーフィルタの着色画素部は、上記の着色組成物により形成されたものである。このようなカラーフィルタであれば、その構造等は特に限定されるものではない。好ましい態様では、カラーフィルタは、各色間にブラックマトリックスを設け、その他、保護層、透明電極層、樹脂層、および配向層等を備えるものであってもよい。また、本発明によるカラーフィルタは、有機EL用カラーフィルタである。有機EL用途であれば、OLED光源の青色発光ピーク波長での透過率が高いため、青色発光をより効率的に利用することができる。
カラーフィルタの製造方法
本発明によるカラーフィルタの製造方法は特に限定されないが、以下に示される好ましい態様に従い行うことができる。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上記の着色組成物を基材上に塗布し、減圧乾燥後、プリベークして、溶剤を除去する。組成物の塗布には、従来公知の方法を用いることでき、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、ビードコート法、およびスリット&スピンコート法等が挙げられる。続いて、紫外線を露光して、組成物を硬化させる。さらに、ポストベークすることで透明着色パターンを基材上に形成させることができる。好ましい態様においては、ポストベーク温度を200℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは150℃以下にすることが好ましい。ポストベーク温度が上記程度であれば、色材の透過率および色純度の低下を抑えることができるためである。有機EL表示装置工程では、配向膜焼成のような高温焼成工程がないため、上記ポストベーク温度においてもデガス成分を十分抑えることが可能である。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
実施例1
着色組成物の調製
まず、顔料に配合するための硬化性樹脂組成物を以下の方法で調製した。重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
共重合樹脂溶液(固形分50%)の組成
・メタクリル酸メチル(MMA)(株式会社クラレ製): 63質量部
・アクリル酸(AA)(日本触媒製): 12質量部
・メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)(日本触媒製): 6質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)(純正化学社製): 88質量部
・2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(商品名:ABN−R、株式会社日本ファインケム社製): 7質量部
・メタクリル酸グリシジル(GMA)(日本油脂株式会社製): 7質量部
・トリエチルアミン(和光純薬社製): 0.4質量部
・ハイドロキノン(精工化学社製): 0.2質量部
次に、下記の材料を室温で攪拌および混合して硬化性樹脂組成物を得た。
硬化性樹脂組成物の組成
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%): 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名:SR399、サートマー社製): 24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピコート180S70、油化シェルエポキシ社製): 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製):4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル(純正化学社製): 52質量部
続いて、下記の材料を、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製、ビーズ径:0.3mm)を用いて混合し、着色組成物を得た。
着色組成物の組成
・色材:C.I.ピグメントブルー1(商品名:FANAL BLUE D6340、BASF製): 4質量部
・上記硬化性樹脂組成物: 16質量部
・分散剤:Disperbyk111(ビックケミー・ジャパン社製): 1.6質量部
・上記硬化性樹脂組成物: 20.8質量部
・溶剤:3−メトキシブチルアセテート(ダイセル化学工業株式会社製):
73.6質量部
青色フィルタの製造
0.7mmのガラス基板(旭硝子株式会社製 AN材)にスピンコーターを用いて、上記組成物を塗布した後、80℃で3分間プリベークし、塗膜を乾燥させた。次に乾燥塗膜に高圧水銀ランプを用いて200mJ/cmで露光後、180℃で20分間ポストベークして青色フィルタを製造した。青色フィルタの着色層の膜厚は、2.3μmであった。
実施例2
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー56(商品名:Reflex Blue A6H−G31、クラリアント社製): 4質量部
実施例3
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー61(商品名:Reflex Blue R54、クラリアント社製): 4質量部
実施例4
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー62(商品名:FANAL BLUE D6380、BASF製): 4質量部
実施例5
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー1: 3.5質量部
C.I.ピグメントブルー15:6: 0.5質量部
実施例6
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー1: 2質量部
C.I.ピグメントブルー15:6: 2質量部
実施例7
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー1: 3.8質量部
C.I.ピグメントバイオレット19(商品名:Chromofine Red 6820、大日精化工業製): 0.2質量部
実施例8
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー1: 3.8質量部
C.I.ピグメントバイオレット23(商品名:Fast Violet GC302、山陽色素): 0.2質量部
実施例9
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー1: 3.8質量部
C.I.ピグメントバイオレット29(商品名:Paliogen Red Violet K5011、大日精化工業製): 0.2質量部
比較例1
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー15:6: 4質量部
比較例2
着色組成物の組成において、色材の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。
・色材:C.I.ピグメントブルー1: 0.5質量部
C.I.ピグメントブルー15:6: 3.5質量部
比較例3
着色組成物の組成は実施例1と同様にして、着色組成物を調製した。続いて、実施例1と同様の方法で青色フィルタを製造した。但し、下記の耐熱性試験において、設定温度を230℃とした。
光学特性試験
上記の実施例および比較例で製造した青色フィルタの透過スペクトルを、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定した。次に、上記で求めた透過スペクトルτ(λ)、C光源の分光スペクトルP(λ)、およびXYZ表色系における等色関数を用いて、下記数式1より色度座標(x、y)および輝度Yを算出した。結果は表1および表2に示されるとおりであった。
また、実施例および比較例で用いた色材の透過スペクトルを顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定し、波長420nm〜480nmの平均透過率および波長550nm〜600nmの平均透過率を求めた。結果は表3に示されるとおりであった。なお、測定した色材C.I.ピグメントブルー1およびC.I.ピグメントブルー15:6の透過スペクトルデータを図2に示す。
耐熱性試験
次に上記の実施例および比較例で製造した青色フィルタの耐熱性試験を以下の方法で行った。まず、表1に示される各設定温度(実施例1〜9および比較例1〜2は180℃)において、上記の実施例および比較例で製造した青色フィルタを30分加熱後、上記と同様にして透過スペクトルを測定した。次に、下記数式2より色差ΔE abを算出した。Xn=98.071、Yn=100.000、Zn=118.226である。なお、色差ΔEabは、数値が小さいほど耐熱性が高いことを示すものである。
耐光性試験
続いて、上記の実施例および比較例で製造した青色着色層の耐光性試験を以下の方法で行った。まず、耐光性試験前に、青色フィルタの透過スペクトルを、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定した。次に、青色フィルタを偏光板で挟み、青色フィルタの膜面に対し反対のガラス面側からキセノンアークランプを用いたキセノンフェードメーター(東洋精機社製 商品名:サンテストXLS+)により、300Wの出力で100時間照射した後に透過スペクトルを測定した。耐光性試験前後の分光スペクトルより、耐光性試験前と試験後の色差であるΔEabを算出して、青色フィルタの耐光性を評価した。なお、色差ΔEabは、数値が小さいほど耐光性が高いことを示すものである。
色差評価の結果は表1および表2に示されるとおりであり、本発明の組成を満たすカラーフィルタでは、耐熱性試験前後および耐光性試験前後での色差の値が小さく耐熱性および耐光性に優れるものであり、さらに輝度Yも優れている。また、実施例1の耐熱性試験前後の分光スペクトルは図1に示されるとおりであり、本発明の組成を満たすカラーフィルタでは、試験前後の分光スペクトルの変化が小さく、試験後であっても高い色純度および高透過率を維持していることがわかる。
実施例1の耐熱性試験前後の透過スペクトルである。 色材の透過スペクトルの比較データである。

Claims (3)

  1. C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、およびC.I.ピグメントブルー56からなる群から選択される少なくとも一種の色材を含む着色組成物であって、
    前記色材の透過スペクトルにおける、波長420nm〜480nmの平均透過率が90%以上であり、かつ波長550nm〜600nmの平均透過率が5%未満であり、有機EL用カラーフィルタに用いられることを特徴とする、着色組成物。
  2. 色材として、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、およびC.I.ピグメントバイオレット29からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む、請求項に記載の着色組成物。
  3. 着色画素部を有してなる有機EL用カラーフィルタであって、
    前記着色画素部が、請求項1または2に記載の着色組成物により形成されたものである、カラーフィルタ。
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