JP5375556B2 - 電子写真用トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
2.7≦Y+Z≦3.0 (I)
(Yはプロピオニル基の置換度である;Zはブチリル基の置換度である)。
2.7≦Y+Z≦3.0 (I)
(Yはプロピオニル基の置換度である;Zはブチリル基の置換度である)。
に関する。
また本発明に係る電子写真用トナーは、帯電性、機械的強度、低温定着性およびオイルレス定着性などにも優れている。
本発明に係るポリ乳酸(PLA)は、ポリD−乳酸、ポリL−乳酸、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、またはそれらの混合物が使用される。好ましいポリ乳酸はポリL−乳酸、D−乳酸とL−乳酸との共重合体またはそれらの混合物である。
本発明に係るセルロースエステル樹脂は、アセチル基、プロピオニル基およびブチリル基などの炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有する、セルロースの脂肪酸エステルであって、主としてプロピオニル基および/またはブチリル基などの置換基を有するものが使用される。詳しくは、例えば、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびセルロースプロピオネートブチレートからなる群から選ばれる少なくとも1種類のセルロースエステル樹脂であることが好ましい。
2.70≦Y+Z≦3.00 (I−1)
上記式中、Yはプロピオニル基の置換度であり、Zはブチリル基の置換度である。
2.75≦Y+Z≦2.95 (I−2)
2.80≦Y+Z≦2.90 (I−3)
乾燥したセルロースエステル1.90gを精秤し、アセトン70m1とジメチルスルホキシド30m1を加え溶解した後、更にアセトン50m1を加えた。撹拌しながら1N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水100m1を加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として1N硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行なった。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
X=(162.14×TA)/{1−42.14×TA+((1−56.06×TA)×(P/A)+(1−70.09×TA)×(Bt/A))}
Y=X×(P/A)
Z=X×(Bt/A)
DS=X+Y+Z
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:1N硫酸の力価
W:試料質量(g)
TA:全有機酸量(mol/g)
P/A:イオンクロマトグラフで測定した酢酸とプロピオン酸とのモル比
Bt/A:イオンクロマトグラフで測定した酢酸と酪酸とのモル比
X:酢酸による置換度
Y:プロピオン酸による置換度
Z:酪酸による置換度
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(目立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。
得られたセルロースエステル樹脂の洗浄は、水洗、アルコール洗浄等を実施し、残留酸成分は100ppm未満、低分子量体(分子量10,000以下)は5質量%未満に除去することが望ましい。残留酸成分、低分子量体が多いと劣化、着色等が著しくなる恐れがある。
本発明に係るトナー用バインダー樹脂は、前記のポリ乳酸(PLA)とセルロースエステル(CE)樹脂を適度な比率で配合することで、本発明の目的が達成される。上述したように、汎用的なトナー用バインダー樹脂と比較した場合、PLAは脆性が劣位であり、CE樹脂は吸湿性と耐熱性が劣位である。それぞれ、単独ではバインダー樹脂としての特性を満足し得ないが、適度な比率で配合することにより、互いの弱点を補完しバインダー樹脂としての特性を満足することができる。具体的な配合質量比はPLA:CE樹脂で95:5〜70:30、好ましくは90:10〜75:25である。PLAの比率が大きすぎる場合(CE樹脂の比率が小さすぎる場合)、脆性が大となり、機械的強度が低下し、スペント、感光体上へのフィルミングなどの不具合が生じる。PLAの比率が小さすぎる場合(CE樹脂の比率が大きすぎる場合)、吸湿性が大となり、帯電性能が著しく低下する。また、脆性が改善されるものの、バインダー樹脂の溶融温度が大となり、低温定着性において不利に働く。前記配合比においてのみ、比較的低い溶融温度、耐吸湿性、良好な靭性が確保され、バインダー樹脂として求められる低温定着性、帯電性、機械的強度を満足することができる。
色材としては、以下に示すような有機ないしは無機の各種各色の顔料が挙げられる。
すなわち、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイト、フラーレン、カーボンナノチューブなどがある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。
本発明のトナーには可塑剤が含有されることが好ましい。本発明のトナーに可塑剤を添加することにより、帯電性、機械的強度、低温定着性、オイルレス定着性がより一層向上する。特に耐熱性およびオイルレス定着性が著しく向上する。トナーを乾式粉砕法で製造するに際し、可塑剤を添加することにより、溶融温度を有効に低減できるため、耐熱性が著しく向上する。定着時において、可塑剤が有効にしみだして、定着ローラ表面に被膜を形成し、トナー成分の定着ローラ表面への付着を防止するため、オイルレス定着性が著しく向上する。
リン酸エステル化合物:具体的には、トリアセチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸アルキルエステル、トリシクロベンチルホスフェート、シクロヘキシルホスフェート等のリン酸シクロアルキルエステル、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクデルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリナフチルホスフェート、トリキシリルオスフェート、トリスオルトービフェニルホスフェート等のリン酸アリールエステルが挙げられる。これらの置換基は、同一でもあっても異なっていてもよく、さらに置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、アリール基のミックスでもよく、また置換基同志が共有結合で結合していてもよい。また、エチレンビス(ジメチルホスフェート)、ブチレンビス(ジエチルホスフェート)等のアルキレンビス(ジアルキルホスフェート)、エチレンビス(ジフェニルホスフェート)、プロピレンビス(ジナフチルホスフェート)等のアルキレンビス(ジアリールホスフェート)、フェニレンビス(ジブチルホスフェート)、ビフェニレンビス(ジオクチルホスフェート)等のアリーレンビス(ジアルキルホスフェート)、フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ナフチレンビス(ジトルイルホスフェート)等のアリーレンビス(ジアリールホスフェート)等の多価リン酸エステル化合物が挙げられる。これらの置換基は、同一でもあっても異なっていてもよく、さらに置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、アリール基のミックスでもよく、また置換基同志が共有結合で結合していてもよい。
エチレングリコールエステル化合物:具体的には、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレート等のエチレングリコールアルキルエステル、エチレングリコールジシクロプロピルカルボキシレート、エチレングリコールジシクロヘキルカルボキシレート等のエチレングリコールシクロアルキルエステル、エチレングリコールジベンゾエート、エチレングリコールジ4−メチルベンゾエート等のエチレングリコールアリールエステルが挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキレート基、アリレート基は、同一でもあっても異なっていてもよく、さらに置換されていてもよい。またアルキレート基、シクロアルキレート基、アリレート基のミックスでもよく、またこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。
ポリエチレングリコールエステル化合物およびポリプロピレングリコールエステル化合物の具体例として、以下の化合物が挙げられる。
グリセリンエステル化合物のアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、アリレート基は、同一でもあっても異なっていてもよく、さらに置換されていてもよい。またアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、アリレート基のミックスでもよく、またこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。
多価カルボン酸エステル化合物:具体的には、トリドデシルトリカルバレート、トリブチル−meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸アルキルエステル、トリシクロヘキシルトリカルバレート、トリシクロプロピル−2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル、トリフェニル2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート、テトラ3−メチルフェニルテトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸アリールエステル、テトラヘキシル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボキシレート、テトラブチル−1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボキシレート等のシクロアルキル多価カルボン酸アルキルエステル、テトラシクロプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボキシレート、トリシクロヘキシル−1,3,5−シクロヘキシルトリカルボキシレート等のシクロアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル、トリフェニル−1,3,5−シクロヘキシルトリカルボキシレート、ヘキサ4−メチルフェニル−1,2,3,4,5,6−シクロヘキシルヘキサカルボキシレート等のシクロアルキル多価カルボン酸アリールエステル、トリドデシルベンゼン−1,2,4−トリカルボキシレート、テトラオクチルベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボキシレート等のアリール多価カルボン酸アルキルエステル、トリシクロペンチルベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、テトラシクロヘキシルベンゼン−1,2,3,5−テトラカルボキシレート等のアリール多価カルボン酸シクロアルキルエステル、トリフェニルベンゼン−1,3,5−テトラカルトキシレート、ヘキサ4−メチルフェニルベンゼン−1,2,3,4,5,6−ヘキサカルボキシレート等のアリール多価カルボン酸アリールエステルが挙げられる。これらアルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基は、同一でもあっても異なっていてもよく、また一置換でもよく、これらの置換基はさらに置換されていてもよい。アルキル基、シクロアルキル基、アリールオキシ基はミックスでもよく、またこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。さらにフタル酸の芳香環も置換されていてよく、ダイマー、トリマー、テトラマー等の多量体でもよい。またフタル酸エステルの部分構造が、ポリマーの一部、あるいは規則的にポリマーヘペンダントされていてもよく、酸化防止剤、酸捕捉剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されていてもよい。
本発明のトナーには酸化防止剤が含有されることが好ましい。酸化防止剤を添加することにより、加熱溶融混練時の熱酸化劣化を低減でき、耐ストレス性がより一層向上する。
上記タイプのイオウ系化合物は、例えば、住友化学工業株式会社から、“Sumili
zer TPL−R”及び“Sumilizer TP−D”という商品名で市販されて
いる。
本発明のトナーには正または負の荷電制御剤が含有されてよい。
正荷電制御剤としては、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)などのニグロシン系染料、P−51(オリエント化学工業社製)、コピーチャージPX VP435(クラリアント社製)などの第4級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、およびPLZ1001(四国化成工業社製)などのイミダゾール化合物等が挙げられる。
負荷電制御剤としては、ボントロンS−22(オリエント化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業社製)などの金属錯体、チオインジゴ系顔料、コピーチャージNXVP434(クラリアント社製)などの第4級アンモニウム塩、ボントロンE−89(オリエント化学工業社製)などのカリックスアレーン化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カーボンなどのフッ素化合物などが挙げられる。負荷電制御剤となる金属錯体は、上記に示したもの以外にもオキシカルボン酸金属錯体、ジカルボン酸金具錯体、アミノ酸金具錯体、ジケトン金属錯体、ジアミン金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体骨格金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体骨格金属錯体などの各種の構造を有したものであってもよい。
荷電制御剤の配合量は、帯電性のさらなる向上の観点から、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部使用することが好ましい。
本発明のトナーには磁性粉が含有されてよい。
磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイト、あるいは各種フェライト等が挙げられる。
本発明のトナーには離型剤が含有されてよい。本発明においては離型剤を含有させなくても、本発明のトナーをオイルレス定着用トナーとして使用することができる。
離型剤としては、各種のワックスを用いることができ、例えば、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン、あるいは、酸化型のポリプロピレンや酸化型のポリエチレン等のポリオレフィン系ワックス、カルナバワックス、エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス、水添ホホバ油、パラフィンワックス等が挙げられる。
離型剤の配合量は、バインダー樹脂100質量部に対して1〜20質量部、より好ましくは2〜10質量部が望ましい。
本発明のトナーには、流動化剤が外添されていることが好ましい。
流動化剤としてはトナーの分野で公知の無機微粒子が使用可能である。
好ましい流動化剤としては、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ微粒子を用いることができる。具体的には、日本アエロジル社製のR976、R976S、R974、R972、NX90、NAX50など、ワッカーケミー社製のHDK H3004、H2050、H2000、H1018など、キャボット社製CAB−0−SIL TG−811Fなどが挙げられる。
流動化剤の添加量は、トナー母粒子に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%が好適である。
本発明に係る電子写真用トナーは、粉砕法によって製造できる。詳しくは、まず、少なくともバインダー樹脂および色材、ならびに所望により、可塑剤、酸化防止剤、荷電制御剤、磁性粉、離型剤などの添加剤を溶融・混練し、冷却後、粉砕し、トナー母粒子を得る。次いで、トナー母粒子に対して流動化剤を添加し、混合してトナーを得ることができる。
本発明に係る電子写真用トナーは、現像ローラと規制ブレードとの間隙でトナーの帯電を行う一成分現像剤として使用してもよいし、またはキャリアとの摩擦によりトナーの帯電を行う二成分現像剤として使用してもよい。
Polymers for Advanced Technologies, vol.14(2003), p478 を参考にして、各種のセルロースエステルを合成した。
セルロースを100質量部と、塩化リチウム420質量部と、酢酸3質量部、酪酸を200質量部とを、ジメチルアセトアミド1000質量部(体積で10倍)に混合した溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を380質量部、ジメチルアミノピリジン130 質量部、ジメチルアミノピリジン−トシル酸塩130質量部を室温で加え、DCCが完全に消費されるまで24時間攪拌した。反応終了後、5000質量部の蒸留水を加えて生成した白色沈殿を濾別した。濾別した固形物を純水で数回洗浄した後、メタノールで24時間ソックスレー抽出を行い、最後に65〜70℃で真空乾燥することでセルロースエステルCE1を得た。
酢酸3質量部を5質量部、酪酸200質量部を180質量部に変更した以外は、セルロースエステル樹脂CE1と同様にして合成を行い、セルロースエステル樹脂CE2を得た。
酢酸3質量部を4質量部、酪酸200質量部をプロピオン酸150質量部に変更した以外は、セルロースエステル樹脂CE1と同様にして合成を行い、セルロースエステル樹脂CE3を得た。
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートブチレート、CAB553−0.4を使用した。
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートプロピオネート、CAP504を使用した。
(トナーNo.1A)
・ポリ乳酸(バインダー樹脂;NatureWorks PLA Po1ymer 7000D;Cargil−Dow社製;ガラス転移温度Tg55℃、融点145℃)
80質量部
・セルロースエステル樹脂CE1(バインダー樹脂) 20質量部
・グリセリントリベンゾエート(可塑剤、分子量404、融点75℃) 15質量部
・C.I.Pigment Blue 15−3 6.0質量部
・AO1(酸化防止剤の混合物)
Irganoxl0l0(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5質量部
SumilizerGP(住友化学社製) 0.25質量部
SumilizerGS(住友化学社製) 0.25質量部
・LR−147(荷電制御剤;日本カーリット社製) 0.1質量部
上記乾燥後バインダー樹脂と上記添加剤をDP<−30℃に管理されたタンブラーミキサーに投入し、攪拌、混合した。得られた混合物を2軸式押出し機PCM−30(池貝社製)にて以下の設定条件にて溶融混練し、冷却後、カッターミルで粗粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕させた。この微粉砕物を風力分級機で分級し、体積平均粒径6.0μmのトナー母粒子1を得た。
Feed量;20kg/hr。
バレル温度;(バレル1−2)20℃;(バレル3)150℃;(バレル4−9)200℃;(アダプター/ダイス)200℃。
スクリュー回転数;200rpm。
滞留時間;30秒。
表2に記載の組成に変更した以外は、トナーNo.1Aの製造方法と同様の方法によりトナーNo.2A〜10A/1B〜6Bを得た。トナーNo.7Aに用いたポリ乳酸は、LACEA H−280(三井化学社製;ガラス転移温度Tg53℃、融点143℃)である。
<粒径、粒径分布の測定>
コールターカウンター(コールター社製)により体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpを測定した。また、粒径分布は体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dpで表わすことができ、Dv/Dpが1に近いほど粒径分布はシャープである。
(キャリアの製造例)
スチレン、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびメタクリル酸からなるスチレン−アクリル系共重合体(モル比 1.5:7:1.0:0.5)80質量部と、ブチル化メラミン樹脂20質量部とをトルエンで希釈することにより、固形分比2重量%のスチレン−アクリル樹脂溶液を調製した。芯材として焼成フェライト粉(F−300:平均粒径50μm、嵩密度2.53g/cm3;パウダーテック社製)を用い、上記スチレン−アクリル樹脂溶液をスピラーコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥した。得られたキャリアを熱風循環式オーブン中にて140℃で2時間放置して焼成した。冷却後、フェライト粉バルクを目開き210μmと90μmのスクリーンメッシュを取り付けたフルイ振とう器を用いて解砕し、樹脂コートされたフェライト粉に対して、塗布、焼成、解砕の各処理をさらに3回繰り返して樹脂被覆キャリアを得た。こうして得られたキャリアの平均粒径は52μm、電気抵抗は約3×1010Ωcmであった。
得られたトナーと上記のキャリアとを5:95の重量比率で混合し、評価用現像剤を調製した。この現像剤30gを容量50ccのポリエチレン瓶に入れ、1200rpmで90分回転混合した。そして、所定の帯電量に帯電させたフィルムに接触させ、フィルムに付着するトナー重量とフィルム帯電量の変化量を測定することによりトナーの帯電量Qを求めた。上記測定は常温常湿環境(25℃、湿度60%)で行った。
◎;25μC/g≦Q<30μC/g(最良);
○;20μC/g≦Q<25μC/g、30μC/g≦Q<35μC/g(良);
△;15μC/g≦Q<20μC/g、35μC/g≦Q<40μC/g(可;実用上問題なし);
×;Q<15μC/g、Q≧40μC/g(不可;実用上問題あり)。
評価用現像剤を回転混合前に24時間高温高湿下(30℃、湿度85%)および低温低湿下(10℃、湿度15%)で保管し、上記の方法により、帯電量測定を高温高湿および低温低湿環境で行った。
帯電量変動幅(QD;μC/g)=|高温高湿下での帯電量−低温低湿下での帯電量|
◎;QD≦10μC/g(最良);
○;10μC/g<QD≦15μC/g(良);
△;15μC/g<QD≦20μC/g(可;実用上問題なし);
×;20μC/g<QD(不可;実用上問題あり)。
Bizhub C350の現像器に上述の評価用現像剤400gを入れ、外部攪拌装置により60分、現像器を連続攪拌させて耐ストレス性試験を実施した。試験前後のトナーの粒径測定を行い、その個数平均粒径の変化の度合いより耐ストレス性を評価した。
耐ストレス性試験前の個数平均粒径Dp
耐ストレス性試験後の個数平均粒径afrDp
耐ストレス性 Dp/afrDp(1に近いほど耐ストレス性が良好。数値が大となると耐ストレス性劣位)
◎;Dp/afrDp≦1.05(最良);
○;1.05<Dp/afrDp≦1.10(良);
△;1.10<Dp/afrDp≦1.20(可;実用上問題なし);
×;1.20<Dp/afrDp(不可;実用上問題あり)。
Bizhub C350を用い、付着量が0.6〜0.7mg/cm2となるよう調整して末定着画像を作製した。実機(Bizhub C350)と同じ素材の定着ローラーを具備した外部定着機を用いて、定着温度100〜240℃、システムスピード(CS)120〜210mm/sの範囲で定着性を評価した。外部定着機の定着温度は上部定着ローラー中央部表面から5cmの位置に具備された非接触式温度計により制御されている。オイルレス性能も評価するため、シリコンオイルなどの離型剤は塗布していない。オフセットが発生した場合、評価終了後にシリコンオイルでローラーを清掃し、入念に乾拭きを行いオイルを除去した。
定着可能温度領域とは、オフセット及び定着不良が発生しない定着可能な温度領域である。定着不良とは、BEMCOTで5回程度、定着画像を擦った時にトナーがBEMCOTに付着する現象を言う。表中の表記において、例えば、150−200は、定着可能な下限温度が150℃、上限温度が200℃であることを示している。定着可能な下限温度は低温定着性の指標であり、上限温度−下限温度は非オフセット温度領域と呼ばれオイルレス性能の指標である。定着可能な下限温度は低いほど優位であり、オイルレス性能は温度幅が広いほど優位となる。
◎;最良;
○;良;
△;可(実用上問題なし);
×;不可(実用上問題あり)。
ASTM D3417及びD3418(DSC法)に従って、Tg及びTmの測定を実施した。なお、測定は2回行い、2回目のチャートからTg及びTmを求めた。
試料重量;10−20mg
試料容器;アルミパン
昇温速度;10℃/mim
測定温度;30℃−200℃
比較例1、2(トナーNo.1B、2B)は、PLAとCE樹脂との配合比が規定範囲外のサンプルである。トナーNo.1BはPLAの増量に伴い脆性が顕著となり、耐ストレス性が劣位となり、トナーNo.2Bは、CE樹脂の増量に伴い吸湿性が顕著となり、帯電量及び帯電量変動幅が劣位となった。
比較例3、4(トナーNo.3B、4B)は、CE樹脂の置換度が規定範囲外のサンプルである。トナーNo.3B、4Bは、プロピオニル基置換度およびブチリル基置換度の総置換度が低いため、吸湿性及びTg、融点が高くなり、帯電量及び帯電量変動幅、低温定着性が劣位となった。
AO1;
Irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5質量部
SumilizerGP(住友化学社製) 0.25質量部
SumilizerGS(住友化学社製) 0.25質量部
Tinuvinl44 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 1質量部
Claims (4)
- 少なくともバインダー樹脂および色材を含有し、前記バインダー樹脂がポリ乳酸(PLA)およびセルロースエステル(CE)樹脂を含み、前記CE樹脂は炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、かつ下記式(I)を満たすセルロースエステル樹脂であり、PLAとCE樹脂との配合質量比がPLA:CE樹脂=95:5〜70:30の範囲内であることを特徴とする電子写真用トナー;
2.7≦Y+Z≦3.0 (I)
(Yはプロピオニル基の置換度である;Zはブチリル基の置換度である)。 - 可塑剤をさらに含有し、該可塑剤としてエステル系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 酸化防止剤をさらに含有し、該酸化防止剤としてヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、アミン系化合物、イオウ系化合物およびアクリレート系化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
- 少なくともバインダー樹脂および色材を溶融・混練し、粉砕する粉砕法によって製造する電子写真用トナーの製造方法であって、前記バインダー樹脂がポリ乳酸(PLA)およびセルロースエステル(CE)樹脂を含み、前記CE樹脂は炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、かつ下記式(I)を満たすセルロースエステル樹脂であり、PLAとCE樹脂との配合質量比がPLA:CE樹脂=95:5〜70:30の範囲内であることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法;
2.7≦Y+Z≦3.0 (I)
(Yはプロピオニル基の置換度である;Zはブチリル基の置換度である)。
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