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JP5370666B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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JP5370666B2 JP2009211607A JP2009211607A JP5370666B2 JP 5370666 B2 JP5370666 B2 JP 5370666B2 JP 2009211607 A JP2009211607 A JP 2009211607A JP 2009211607 A JP2009211607 A JP 2009211607A JP 5370666 B2 JP5370666 B2 JP 5370666B2
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Description

本発明は、定着装置及び該定着装置を備える画像形成装置に関し、詳しくは搬送する記録媒体上のトナーを加熱して定着する定着装置及び電子写真方式を用いて形成するトナー画像を記録媒体上に転写した後に定着して画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ装置あるいはこれらの複合機等の前記定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ等による電子写真方式の画像形成装置における定着装置では、定着部材等に対してオイルを用いてトナーとの離型性をよくしつつ定着性能を維持している。特に、フルカラー電子写真装置では定着装置にオイルが多く用いられている。
また、昨今ではウォームアップ時間の短縮から定着装置の定着部材に無端状の定着ベルトを用いたものが多く採用されている(例えば、特許文献1参照。)。この定着装置では、定着ベルトに対してオイルを塗布するオイル塗布装置が設けられており、定着ベルトにオイルが塗布されると、定着ベルトの回動により定着ニップ部へ移動し、トナー画像が転写された記録媒体(転写紙)との離型性に寄与する。ついで、定着ニップ部では定着ベルトのオイルの一部が加圧ローラ表面に移っており、加圧ローラの離型性も改善されている。
しかしながら、従来の定着装置では加圧部材(加圧ローラ)側へのオイル付着量が少なくなることがあり、加圧部材などにおける定着処理済みの記録媒体の離型性が悪化することがあった。そこで、加圧部材におけるオイル不足を解消すべく、加圧部材側にもオイル塗布装置を設けた定着装置が提案されている。
ところで、画像形成装置では、厚紙、薄紙、コート紙、非コート紙等、多様な用紙への対応が要求されているが、その場合に電子写真方式においての定着装置では、用紙の厚みや種類によって用紙に付与する熱量の調整が必要である。
このとき、定着ニップ部の定着設定温度を変更することが行われるが、一般的に、定着部材の温度を上昇させる場合よりも低下させる方が時間を要する。定着部材の温度を上昇させる場合は、加熱手段を作動させることにより効率よく昇温が可能であるが、定着部材の温度を低下させる場合は、前記加熱手段をOFFとして、定着部材を空転させることにより、気中放熱をさせるのが一般的であるからである。この場合、気中放熱だけによって定着部材の温度を低下させる場合には、定着部材自身の暖まり方や熱容量によっては、該定着部材の温度を上昇させる場合の数倍の時間を要することがある。特に、加圧ローラなどの加圧部材は定着部材よりも熱容量が大きいことが多く、定着ニップ部の温度を低下させる場合は加圧部材の温度低下待ちになることが多い。
そこで、従来技術では、ファンで送風される風をローラに直接当てて空冷したり、冷却ローラを当接させたりして、加圧ローラを強制冷却する方法が知られている。しかしながら、前記空冷の方法では冷却効果が不十分であり、冷却ローラを加圧ローラに当接させる方法では加圧ローラ表層にキズが入り、画像品質に悪影響を及ぼす可能性があった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、画像品質を劣化させることなく加圧部材を効率的に冷却して、定着ニップ部の温度を低下させる場合の待ち時間を短縮可能な定着装置、及び該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 回転可能に設けられる定着部材と、前記定着部材を直接または間接的に加熱する加熱手段と、前記定着部材の下に回動可能に設けられ該定着部材に当接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、オイルを保持して前記加圧部材の下方に設けられるオイル槽を有し、該オイル槽に前記加圧部材の一部を浸漬させてオイルを塗布するオイル塗布装置と、前記オイル槽のオイルを冷却するオイル冷却装置と、を備える定着装置であって、
前記定着ニップ部の温度を低下させるとき、前記オイル冷却装置が前記オイル槽のオイルを冷却するとともに、該オイル槽に一部が浸漬している加圧部材を回動させて、該加圧部材を冷却することを特徴とする定着装置。
〔2〕 回転可能に設けられる定着部材と、前記定着部材を直接または間接的に加熱する加熱手段と、前記定着部材の下に回動可能に設けられ該定着部材に当接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、オイルを保持して前記加圧部材の下方に設けられるオイル槽を有し、該オイル槽に前記加圧部材の一部を浸漬させてオイルを塗布するオイル塗布装置と、前記オイル槽のオイルを冷却するオイル冷却装置と、を備える定着装置であって、
前記加圧部材を定着部材に当接させる加圧状態及び離間させる脱圧状態の切替を行う加圧脱圧手段を備え、前記定着ニップ部の温度を低下させるとき、前記オイル冷却装置が前記オイル槽のオイルを冷却するとともに、前記加圧脱圧手段が回動している前記加圧部材を定着部材から離間させて前記オイル槽により深く浸漬させて、該加圧部材を冷却することを特徴とする定着装置。
〔3〕 前記オイル冷却装置は、前記オイル槽の金属製ケーシングを空冷するファン機構を有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〔4〕 前記オイル冷却装置は、前記オイル槽の金属製ケーシングを冷却するペルチェ冷却機構を有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〔5〕 前記オイル冷却装置は、オイル槽の槽内から槽外に延出して設けられる熱伝導部材と、前記熱伝導部材のオイル槽外に延出した部分を空冷するファン機構と、を有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〔6〕 前記オイル冷却装置は、オイル槽の槽内から槽外に延出して設けられる熱伝導部材と、前記熱伝導部材のオイル槽外に延出した部分を冷却するペルチェ冷却機構と、を有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置。
〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、定着ニップ部の温度を低下させるときに、オイル槽に浸漬された加圧部材がオイル冷却装置で冷却されたオイルと直接接触することで、その冷却が早まるので、定着ニップ部が狙いの温度となるまでの待ち時間を短縮することができる。
本発明に係る定着装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置における加圧脱圧手段の構成を示す概略図である。 本発明に係る定着装置における第1オイル塗布装置の構成を示す断面図である。 本発明で用いる第1オイル塗布装置の要部構成を示す斜視図である。 本発明に係る定着装置における第2オイル塗布装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の要部構成(1)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の要部構成(2)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の要部構成(3)を示す概略図である。 本発明に係る定着装置の要部構成(4)を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。 図10の画像形成装置におけるオイル循環機構の構成を示す概略図である。 本発明に係る定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(1)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(2)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(3)を示す断面図である。
以下に、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の構成について説明する。
まず、本発明に係る定着装置の基本構成について説明する。
図1に示すように、本発明に用いる定着装置100は、定着カバー100cの内部に、定着ローラ11及び加熱ローラ14に一定のテンションで架け渡された第1ニップ形成部材である定着部材(定着ベルト12)と、該定着部材(定着ベルト12)に対して下側で回転自在に圧接し定着ニップ部(単にニップ部ともいう)Nを形成する第2ニップ形成部材である加圧部材(加圧ローラ13)と、前記定着ニップ部Nの記録媒体排出側であって先端が定着部材(定着ベルト12)に近接して配置され該定着部材(定着ベルト12)への記録媒体Pの巻き付きを防止する表面にフッ素コーティングが施された分離爪16aと、前記定着ニップ部Nの記録媒体排出側であって先端が加圧部材(加圧ローラ13)に当接して配置され該加圧部材(加圧ローラ13)への記録媒体Pの巻き付きを防止する表面にフッ素コーティングが施された分離爪16bと、クリーニングウェブを押し付けて定着ベルト12のクリーニングを行うクリーニング機構17と、を備える。
ここで、定着ベルト12は、無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコーンゴム層などの弾性層を形成した2層構造となっている。また、定着ローラ11は、金属の芯金にシリコーンゴムを有したものである。ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト12の熱を吸収しにくいように、発泡のシリコーンゴムを用いることもある。また、加熱ローラ14は、アルミ又は鉄の中空ローラで内部にハロゲンヒータなどのヒータ14hからなる加熱手段(熱源)を有している。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。また、加熱ローラ14の中空ローラの肉厚部分には複数の中空のパイプがその長手方向が加熱ローラ14の幅方向とされ、加熱ローラ14の円周方向に均等に埋め込まれたヒートパイプ14aを有する。ヒートパイプ14aにより、ヒータ14hからローラ表面への熱伝達が改善され、定着ベルト12が速く均一に加熱されるようになる。
定着装置100の駆動の際には、例えば加圧ローラ13が記録媒体Pを排出する方向(図1では反時計回り方向)に回動し、定着ベルト12がつれ回りする。あるいは、定着ローラ11の図中時計回り方向の回転駆動により定着ベルト12がテンションローラ15の押圧により適切なテンションが付与された状態で記録媒体Pを排出する方向(図1では時計回り方向)に回動するようにしてもよい。また、定着の際には、定着ベルト12は、加熱ローラ14内部に配置されたヒータ14hの発熱によりサーミスタ(不図示)で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。なお、本発明では、定着部材として、図1に示す定着ベルト12(無端ベルト)の形態を示したが、これに限定されるものではなく、中空円筒形状のローラ(定着ローラ)としてもよい。
加圧ローラ13は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコーンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラである。定着の際など必要なときに、加圧ローラ13は、内部に配置されたヒータ13hの発熱により所定の温度まで加熱される。
また、加圧ローラ13は、加圧脱圧手段30により、定着ベルト12に当接しての加圧状態及び離間しての脱圧状態の切替が可能となっている。
図2に、加圧ローラ13の加圧脱圧手段の構成を示す。
加圧脱圧手段30は、外部から入力される駆動力により回転する加圧カム31、第1加圧アーム32、第2加圧アーム33(図中斜線部分)、第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33のそれぞれの端部に固定された弾性部材34、定着装置100のフレームに固定された第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33の共通の支持軸35を有する。
ここで、加圧脱圧手段30により、加圧ローラ13を定着ベルト12側へ移動させて加圧すること、及び定着ベルト12から引き離す方向に移動させて脱圧することは、以下のようにして行われる。
(加圧動作)
まず、外部からの駆動力により加圧カム31が図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該加圧カム31が第1加圧アーム32のコマ部分を押し上げる(図2の(1)部分の矢印方向)。
第1加圧アーム32のコマ部分が押されると、第1加圧アーム32は支持軸35を中心軸として回転する(図2では反時計回り方向)。すると、第1加圧アーム32の支持軸35とは反対側の端部に固定されている弾性部材34もともに回転し、該弾性部材34が一定の圧力で第2加圧アーム33の端部を押し上げる(図2の(2)部分の矢印方向)。
つぎに、第2加圧アーム33の弾性部材34側の端部が押し上げられると、該第2加圧アーム33は支持軸35を中心軸として回転する(図2では反時計回り方向)。
ついで、第2加圧アームの弾性部材34側の端部と支持軸35の中間にある加圧部33aが加圧ローラ13の軸端部13jに当接し、定着ローラ11方向に押すように作用する(図2の(3)部分の矢印方向)。
最後に、加圧ローラ13が定着ベルト12を介して定着ローラ11に当接し、弾性部材34の弾性力に基づいた一定の圧力で加圧する状態となり定着ニップ部Nを形成する(図2の(4)部分の矢印方向)。
このように、定着装置100が駆動するときには加圧脱圧手段30により加圧ローラ13の定着ベルト12への押し当てが一定の圧力で定着ベルト12の方向へ押されることにより行われる。
(脱圧動作)
まず、外部からの駆動力により加圧カム31が前記加圧状態のときの角度位置からさらに一定の回転角だけ回転されると、該加圧カム31が第1加圧アーム32のコマ部分を押し上げることが解除される(図2の(1)部分の矢印とは反対方向)。
第1加圧アーム32の押し上げが解除されると、定着ニップ部N−加圧部33a−弾性部材34を経由した反発力を伴って第1加圧アーム32は支持軸35を中心軸として加圧の場合とは反対方向に回転する(図2では時計回り方向)。ついで、第1加圧アーム32の支持軸35とは反対側の端部に固定されている弾性部材34とともに第2加圧アーム33の端部も加圧の場合とは反対方向に引張られる(図2の(2)部分の矢印とは反対方向)。
つぎに、第2加圧アーム33の弾性部材34側の端部が引き下げられる方向に引張られると、該第2加圧アーム33は支持軸35を中心軸として加圧の場合とは反対方向に回転する(図2では時計回り方向)。
ついで、第2加圧アームの弾性部材34側の端部と支持軸35の中間にある加圧部33aが加圧の場合とは反対方向に回転するので加圧ローラ13の軸端部13jから離れる方向に移動する(図2の(3)部分の矢印とは反対方向)。
これにより、加圧ローラ13が押圧されることが解除されるので、加圧ローラ13は定着ローラ11から離間する方向に移動し、定着ニップ部Nの形成は解消されて脱圧状態となる(図2の(4)部分の矢印とは逆方向)。
このように、定着装置100の駆動が停止するとき、あるいは後述するように加圧ローラ13をオイル槽22aにより浸漬して冷却するときには加圧脱圧手段30により加圧ローラ13の定着ベルト12への押し当てが解除されて、定着ベルト12から離間する(脱圧状態)。
なお、分離爪16bは、加圧ローラ13が定着ベルト12に当接して加圧状態となるときには、加圧ローラ13に当接し、加圧ローラ13が定着ベルト12から離間して脱圧状態となるときには、加圧ローラ13から離間するようになっている。
また、本発明では、加圧部材として、図1に示す加圧ローラ13(ローラタイプ)の形態を示したが、これに限定されるものではなく、2つのローラに架け渡された無端ベルト状の加圧部材(ベルトタイプ)としてもよい。
定着装置100では、定着ベルト12、加圧ローラ13が回転駆動された状態で、定着ベルト12の表面は所定の温度まで加熱されており、定着ニップ部Nに未定着トナーTが形成された記録媒体Pが通され(図中、右側から左側方向への通紙)、定着ニップ部Nにおける加圧及び加熱により未定着トナーを記録媒体P上に熱融着させて定着を行う。
ついで、トナー定着された記録媒体Pは定着ニップ部Nから排出されるが、このとき記録媒体Pが定着ベルト12あるいは加圧ローラ13に巻き付いたまま出てくることがある。その対策として、定着ベルト12にオイルを塗布して離型性を改善する第1オイル塗布装置(オイル塗布手段)であるオイル塗布装置21と、加圧ローラ13にオイルを塗布して離型性を改善する第2オイル塗布装置であるオイル塗布装置22を備える。なお、ここで使用されるオイルは、耐熱性かつ不揮発性のオイルが好ましく、例えばシリコーンオイルが挙げられる。また、分離爪16a,16bの先端が記録媒体Pの先頭端部に当接することにより、該記録媒体Pを定着ベルト12あるいは加圧ローラ13から分離させるようになっている。定着ニップ部Nから排出された記録媒体Pは、所定の排出経路を通過して定着装置100から送り出される。
ここで、定着装置100に用いる第1オイル塗布装置の構成例について説明する。
図3に、本発明に係る定着装置における第1オイル塗布装置に関する要部概略図を示す。すなわち、本発明の定着装置100は、回動可能に設けられる定着部材(定着ベルト12)と、前記定着部材に当接し定着ニップ部(定着ニップ部N)を形成する加圧部材(加圧ローラ13)と、前記定着部材または加圧部材の所定幅にオイルを塗布するオイル塗布部(塗布ローラ23)と該オイル塗布部にオイルを供給するオイル供給部(オイル投入口21a,オイル溜り部21b,支持板21c,供給フェルト21d,供給ローラ21e,メータリングブレード21f)とを有する第1オイル塗布装置(オイル供給装置21)と、を備え、前記オイル供給部は、オイル供給装置(後述)から供給されてオイル投入口から投入されるオイルを溜めておく樋形状のくぼみであって長手方向が前記オイル塗布部の幅方向に対して平行に配置されるオイル溜り部(オイル溜り部21b)を隣接するオイル供給部材(供給フェルト21d)の上方に有し、前記オイル溜り部にオイルが投入されることにより該オイル溜り部上部からオイルが溢れ出て前記隣接するオイル供給部材に供給されるように構成したものである。
図4に、オイル供給部の要部であるオイル溜り部21b,支持板21c,供給フェルト21dの構成を斜視図で示す。
オイル溜り部21bは、断面がV字型の樋部21b2と、樋部21b2の長手方向の両端で樋の溝をせき止める態様で設けられる側板21b3と、からなる樋形状のくぼみである。このとき、支持板21cで供給ローラ21eの上方であって、樋部21b2の長手方向が供給ローラ21eの幅方向(すなわち塗布ローラ23の幅方向かつ定着ベルト12の幅方向)と平行になるように支持されている。なお、図4では、オイル溜り部21bは、支持板21cの端部折り返し部分と該折り返し部分に端部が固定された帯板により樋部21b2が形成され、さらに樋部21b2の長手両端に側板21b3が固定された構成を示したが、これに限定されず、樋部21b2が板金可能で成形されさらに側板21b3を取り付けたもの、あるいは樋部21b2,側板21b3が一体に成形されたものでも良い。また、オイル溜り部21bには使用オイルに反応せず、耐熱性がある金属材料またはプラスチックなどを用いるとよい。
また、オイル溜り部21b上部の開口端部のうち隣接するオイル供給部材(供給フェルト21d)に面する端部がそれ以外の端部(樋部21b2の他方の端部、側板21b3の端部)よりも高さ位置が低い口切部(口切部21b1)となっている。定着装置100の駆動時には、オイル溜り部21bの幅方向中央にオイル投入口21aからオイルがオイル溜り部21bから溢れ出るまで投入される(図中矢印位置から投入される)が、該口切部21b1からオイルが優先的に溢れ出るようになり隣接するオイル供給部材(供給フェルト21d),供給ローラ21eを経由してオイル塗布部(塗布ローラ23)に供給される。このとき、口切部21b1の全幅からオイルが溢れ出るので、供給フェルト21dを経由して供給ローラ21e及び塗布ローラ23の所定幅(例えば全幅)にオイルが供給され、ついで定着ベルト12の所定幅(例えば全幅)にオイルが塗布されるようになる。
支持板21cは、断面がU字型の樋形状であってオイル溜り部21b及び供給フェルト21dを支持するものである。このとき、金属材料を板金加工したものとするなど適度にばね特性を付与しておけば、供給フェルト21dを供給ローラ21eに一定の押圧力で当接することができる。
供給フェルト21dは、オイル溜り部21bに隣接して配置され、オイル溜り部21b上部からオイル塗布部(塗布ロール23)側にオイルを供給するものである。詳しくは、供給フェルト21dは、オイル溜り部21bと供給ローラ21eの間であって、オイル溜り部21bの口切部21b1の端部と同じ高さまたは該端部よりも上にせり出した状態でオイル溜り部21bに接して配置されている。また、供給フェルト21dは、例えば耐熱性のオイルとは反応しない繊維(例えば、メタ系アラミド繊維など)からなる圧縮シートであり、内部でオイルを保持しつつ繊維間を通過させてオイルを透過するものである。そのため、供給フェルト21dの繊維の目付け(メッシュ)は、不純物を濾過する目的のものよりも粗くてもよい。これにより、供給フェルト21dは、口切部21b1から溢れ出たオイルを受け、供給フェルト21dに沿ってオイルを流すことが可能である。ここでは、オイル溜り部21b上部から供給ローラ21eへと重力の作用(自由落下)によりオイルが流され、供給フェルト21dは供給ローラ21eとの接触部で該供給ローラ21eにオイルを供給する。
なお、オイル供給部は、これら以外に供給フェルト21dからオイルを受ける供給ローラ21e,供給ローラ21eのオイル付着量(保持量)を調整するメータリングブレード21fを有する。このうち、供給ローラ21eは、表面が使用するオイルに対応した材料からなり、例えばシリコーンゴムで形成されている。また、メータリングブレード21fは、供給ローラ21eにおけるオイル付着量を規制しつつ供給ローラ21e表面を傷つけないような材料からなるブレードであって、例えばフッ素ゴムで形成することが好ましい。
以上の構成により、オイル供給部からオイル塗布部へのオイル供給に際してはつぎのように行われる。
(S11) まず定着装置100の駆動が開始されると、加圧ローラ13の回動に定着ベルト12がつれ回りするとともに、供給ローラ21eの回転駆動が始まり、定着ベルト12,供給ローラ21eに接する塗布ローラ23の回転も開始する。
(S12) これと同時に、オイル投入口21aからオイルがオイル溜り部21bに投入が開始され、オイル溜り部21bにオイルが溜められる。
(S13) オイルの投入は継続して行われ、オイル溜り部21bからオイルが溢れ出る。このとき、口切部21b1の全幅からオイルが溢れ出て、供給フェルト21d(全幅)にオイルが供給される。
(S14) 供給フェルト21dでは内部をオイル溜り部21b上部側(上方)から下方に向けてオイルが透過していき、供給ローラ21eの接触部で該供給ローラ21eの所定幅にオイルを供給する。
(S15) 供給ローラ21eのオイルが供給された部分は該供給ローラ21eの回転により移動し、ついでメータリングブレード21fの当接により供給ローラ21eにおけるオイル付着量が規制される。
(S16) 供給ローラ21eのオイルが塗布ローラ23との当接部分で該塗布ローラ23の所定幅に供給される。最後に塗布ローラ23に付着したオイルが定着ベルト12の所定幅に塗布される。
以上のように、オイル塗布装置21では、オイル供給部からオイル塗布部へのオイル供給の過程で、オイル溜り部21bから供給ローラ21eへは重力の作用を利用して上方から下方でオイルを流れ落とす態様としていることから、十分な量のオイルを安定して供給することが可能である。
つぎに、定着装置100に用いる第2オイル塗布装置の構成例について説明する。
図5に、本発明で用いる定着装置100における第2オイル塗布装置に関する要部概略図を示す。
すなわち、本発明に係る定着装置100は、回動可能に設けられる第1ニップ形成部材(定着部材(定着ベルト12))と、前記第1ニップ形成部材の下に回動可能に設けられる第2ニップ形成部材(加圧部材(加圧ローラ13))と、が当接して定着ニップ部(定着ニップ部N)を形成可能に配置されており、オイル(オイルO)を保持して前記第2ニップ形成部材の下方に設けられ該第2ニップ形成部材の一部が浸漬されるオイル槽(オイル槽22a(サブオイルパン22a1))と、該オイル槽よりも第2ニップ形成部材の回動下流側でかつ定着ニップ部の手前に設けられ第2ニップ形成部材のオイル付着量を規制するオイル規制部材(ブレード22b)と、を有する第2オイル塗布装置(オイル塗布装置22)を備える。
ここで、オイル槽22aは、オイルOを保持し加圧ローラ13の一部が浸漬される浸漬槽であるサブオイルパン22a1と、サブオイルパン22a1全体が収納されるオイル受けであるメインオイルパン22a2とからなる2槽構造であって定着装置100のカバー100c内に固定配置されている。このとき、加圧ローラ13に塗布するオイルOがオイル塗布装置22外(オイル塗布装置21の余剰オイルを集めたオイル受け)からサブオイルパン22a1に供給され、該オイルOがサブオイルパン22a1内に溜められる構造になっている。なお、サブオイルパン22a1は矩形のオイルパンであるが、その長手方向の長さは少なくとも加圧ローラ13のローラ部分の幅以上とされている。
また、加圧ローラ13は、ローラ全幅であってローラ径方向の一部がサブオイルパン22a1内に常に装置として支障なく浸漬されるようになっている。すなわち、サブオイルパン2a1のオイルの液面は加圧状態の加圧ローラ13のローラ下端よりも十分高い位置にあり、加圧ローラ13が脱圧された状態で加圧ローラ13のローラ下端がサブオイルパン22a1の底面は接触しないようになっている。
メインオイルパン22a2は、サブオイルパン22a1から溢れたオイルOを受け止めるオイル受けである。また、メインオイルパン22a2の下部にはオイルOを回収するオイルタンク(後述)へのオイル排出口を有する。
なお、サブオイルパン22a1,メインオイルパン22a2にはともに使用オイルに反応せず、耐熱性がある金属材料またはプラスチックなどを用いるとよい。
また、ブレード22bは、少なくとも加圧ローラ13の幅と同等以上の幅をもつヘラ状の弾性部材であって、その長手方向が加圧ローラ13の幅方向表面に常に当接していて加圧ローラ13におけるオイル付着量を幅方向に均一にしつつ所定量となるように規制する。また、ブレード22bは供給ローラ21e表面を傷つけないような材料からなるブレードであって、例えばフッ素ゴムで形成されてなる。
ここで、加圧ローラ13は、表面が使用するオイルOに対応した材料からなり、例えばオイルOがシリコーンオイルである場合にはシリコーンゴムで形成されている。したがって、オイル槽22aのオイルO中に加圧ローラ13が浸漬されると、シリコーンゴムが膨潤しつつオイルOを保持するようになるが、ブレード22bはこの状態の加圧ローラ13表面に加圧ローラ13の下側の位置で当接して加圧ローラ13からオイルOをこそぎ落とすように作用する。具体的には、ブレード22bは、その先端と加圧ローラ13の接線とのなす角θが90度未満の鋭角であって、先端が加圧ローラ13の回転方向に対向するように配置されており、加圧ローラ13表面のオイルOの余剰分をオイル槽22aに向けてこそぎ落とすように機能する。これにより、加圧ローラ13の表面は離型性を確保するのに十分な量のオイルが幅方向に均一となった状態となる。また、加圧ローラ13における余剰のオイルはオイル槽22aに回収されて、再度加圧ローラ13へのオイル塗布に使用される循環系が構成される。
また、オイル塗布装置22は、オイル槽22aとブレード22bの間に、加圧ローラ13に接触して加圧ローラ13の表面をクリーニングするクリーニング部材であるクリーニングフェルト22cを有することが好ましい。また、クリーニングフェルト22cは、例えば耐熱性のオイルとは反応しない繊維(例えば、メタ系アラミド繊維など)からなる圧縮シートであり、微細な固形の不純物を内部に捕獲しつつ、オイルを透過するものである。これにより、加圧ローラ13の表面においてオイルOを残しつつオイルO中の微細な固形の不純物(例えば、ほこりや記録媒体Pに由来する炭酸カルシウムなど)を除去することが可能である。
また、クリーニングフェルト22cは適当な支持部材で加圧ローラ13に当接するように支持されているが、該支持部材を、金属材料を板金加工したものとするなど適度にばね特性を付与しておけば、クリーニングフェルト22cを加圧ローラ13に一定の押圧力で当接し、オイル付着量の調整をすることができる。
以上の構成により、オイル塗布部22から加圧ローラ13へのオイル塗布はつぎのように行われる。
(S21) まず定着装置100の駆動が開始されると、加圧ローラ13の回転駆動が始まり、ついで加圧ローラ13が加圧脱圧手段によって定着ベルト12に一定の圧力で当接して定着ニップ部Nを形成する。これと同時に定着ベルト12は加圧ローラ13の回動によりつれ回りを開始する。
(S22) 加圧ローラ13の回転により、オイル槽22a(サブオイルパン22a1)に浸漬されている加圧ローラ13のローラ表面が、オイルOが付着した状態で定着ニップ部N方向に引き上げられる。
(S23) ついで、加圧ローラ13の表面に付着したオイルOがクリーニングフェルト22cを通過して固形の不純物が取り除かれる。
(S24) つぎに、加圧ローラ13表面のオイルOの付着がブレード22bにより幅方向に均一になるように規制され、その状態で定着ニップ部Nに移動する。
以上のように、本発明では、定着ニップ部Nよりも下側にある加圧ローラ13に対して加圧ローラ13の下側のスペースを利用して浸漬方式によりオイル塗布を行っており、十分な量のオイルを安定して供給することが可能である。なお、オイル槽22aは、オイルOを保持して加圧ローラ13の下方に設けられ該加圧ローラ13の一部が浸漬されるサブオイルパン22a1だけからなるものであってもよい。
ところで、定着装置100では、厚紙、薄紙、コート紙、非コート紙等、多様な記録媒体Pへの対応が可能な構成となっているが、通紙する記録媒体Pを厚紙から薄紙に変更する場合などでは、定着ニップ部Nにおいて記録媒体Pに付与する熱量を低減させる、すなわち定着部材(定着ベルト12)の温度を低下させる必要がある。
このとき具体的には、定着ニップ部Nの定着設定温度の変更が行われ、それに対応する加熱制御が行われることになる。従来の定着装置では、ヒータ13h,14hへの電力投入をOFFとして、発熱させないようにした上で、定着ベルト12及び加圧ローラ13を空転させることにより、気中放熱をさせて温度低下を図ることを行うが、該定着ベルト12の温度を上昇させる場合の数倍の待ち時間を要することがあった。
発明者らがこの問題の詳細について検討を行い、定着ニップ部Nで定着ベルト12に接触する加圧ローラ13も温度を下げる必要があるところ、加圧ローラ13は定着ベルト12よりも熱容量が大きいことから、ヒータオフだけの放冷では定着ベルト12よりも目標温度まで低下するまでさらに長い待ち時間を要していることを把握した。そして、この知見を基にこの問題の解決を図るべく鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。以下、本発明の要部構成について説明する。
図6に、本発明に係る定着装置の要部構成(1)の断面図を示す。
本発明に係る定着装置(定着装置100)は、回転可能に設けられる定着部材(定着ベルト12)と、前記定着部材を直接または間接的に加熱する加熱手段(ヒータ14h)と、前記定着部材の下に回動可能に設けられ該定着部材に当接して定着ニップ部(定着ニップ部N)を形成する加圧部材(加圧ローラ13)と、オイルを保持して前記加圧部材の下方に設けられるオイル槽(オイル槽22a)を有し、該オイル槽に前記加圧部材の一部を浸漬させてオイルを塗布するオイル塗布装置(オイル塗布装置22)と、前記オイル槽のオイルを冷却するオイル冷却装置(オイル冷却装置24)と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、オイル冷却装置24は、オイル槽22aを直接または間接的に冷却する機構を有し、所定のタイミングでオイル槽22aを冷却することにより、オイル槽22a中のオイルOを冷却するものである。
図6では、オイル槽22aの金属製ケーシングに空気を吹き付けるように作動して空冷するファン機構24aを有するオイル冷却装置24を示している。詳しくは、例えばオイル槽22aのケーシングをアルミ板もしくは厚み1.2mm以下の鉄板によって形成しておき、オイル槽22aの下にファン機構24aを配置し、加圧ローラ13を冷却したい時にファン機構24aを作動させて、オイル槽22aのケーシング底部に空気を吹き付けるようにして空冷するものである。なお、この構成は、オイル槽22aがサブオイルパン22a1のみからなる場合に好適である。
図7に、本発明に係る定着装置の要部構成(2)の断面図を示す。
ここでは、オイル冷却装置24として、図6のファン機構24aに代えて、ペルチェ冷却機構24bをオイル槽22aの金属製ケーシングの底部に設けたものであり、それ以外の構成は図6と同じものとして同じ符号を付している。
ここで、ペルチェ冷却機構24bは、ペルティエ効果を利用した半導体素子である従来公知のペルチェ素子を用いた冷却装置である。詳しくは、例えばオイル槽22aのケーシングをアルミ板もしくは厚み1.2mm以下の鉄板によって形成しておき、オイル槽22aの底部にペルチェ冷却機構24bを配置し、加圧ローラ13を冷却したい時にペルチェ冷却機構24bを作動させて、オイル槽22aのケーシング底部側を冷却するものである。
図8に、本発明に係る定着装置の要部構成(3)を示す。図8(a)が定着装置100を記録媒体排出側から見た図であり、図8(b)が図8(a)において定着装置100を矢視Aから見た側面図である。
ここでは、オイル冷却装置24として、図6のファン機構24aに代えて、オイル槽22aの槽内から槽外に延出して設けられる熱伝導部材である熱伝導パイプ(ヒートパイプともいう)24cと、熱伝導パイプ24cのオイル槽22aの槽外に延出した部分を空冷するファン機構24aと、を設けている。また、それ以外の構成は図6と同じである。この構成は、オイル槽22aの下部にスペースがなく、図6のような配置構成を採用することができない場合に有効である。例えば、図5のようにオイル槽22aがサブオイルパン22a1とメインオイルパン22a2からなる場合に有効であり、この場合サブオイルパン22a1に熱伝導パイプ24cを設ける。
ここで、熱伝導パイプ24cはオイル槽22aに一体成型している。詳しくは、例えば2本の熱伝導パイプ24cをオイル槽22aの底部であって槽内のオイルOと直接接するように配置している(図8(b))。またこのとき、熱伝導パイプ24cは、その長手方向が加圧ローラ13の軸方向と平行となり、かつ加圧ローラ13が浸漬される部分の近傍となるように配置されている。
この構成では、加圧ローラ13を冷却したい時にファン機構24aを作動させて、熱伝導パイプ24cのオイル槽22aの槽外に延出した部分に空気を吹き付けるようにして空冷し、この熱伝導パイプ24cを介してオイル槽22aのオイルOを冷却することを行う。
図9に、本発明に係る定着装置の要部構成(4)を示す。
ここでは、オイル冷却装置24として、図8のファン機構24aに代えて、ペルチェ冷却機構24bを熱伝導パイプ24cのオイル槽22aの槽外に延出した部分に設けたものであり、それ以外の構成は図8と同じである。
この構成では、加圧ローラ13を冷却したい時にペルチェ冷却機構24bを作動させて、熱伝導パイプ24cのオイル槽22aの槽外に延出した部分を冷却し、この熱伝導パイプ24cを介してオイル槽22aのオイルOを冷却することを行う。
以上のような構成の定着装置100において、定着ニップ部Nの温度を低下させるときには、前述したいずれかのオイル冷却装置24を作動させてオイル槽22aのオイルOを冷却するとともに、該オイル槽22aに一部が浸漬している加圧ローラ13を回動させ、加圧ローラ13の主に外周部分の熱を冷えたオイルOで奪うことにより、加圧ローラ13を冷却することを行う。これにより、加圧ローラ13が効率的に冷却されるようになり、定着ニップ部Nの温度を短時間で所望の温度まで低下させることが可能となる。
なお、定着ニップ部Nの温度を低下させるときに、前述した加圧脱圧手段30を利用するとよい。すなわち、オイル冷却装置24を作動させてオイル槽22aのオイルOを冷却するとともに、加圧脱圧手段30を回動している加圧ローラ13を定着ベルト12から離間させるように動作させて、加圧ローラ13をオイル槽22aにより深く浸漬するようにして加圧ローラ13のオイルOへの接触面積を増加させ、加圧ローラ13の主に外周部分の熱をより多く冷えたオイルOで奪うことにより、加圧ローラ13をより冷却することを行う。これにより、加圧ローラ13がより効率的に冷却されるようになり、定着ニップ部Nの温度をより短時間で所望の温度まで低下させることが可能となる。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図10に、本発明に係る画像形成装置であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。
本発明の画像形成装置であるカラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有する高速機であり、画像形成部200Aに本発明の定着装置100を組み込んでいる。
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写ベルト210が配置されており、該転写ベルト210の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体205Y、205M、205C、205Kが転写ベルト210の転写面に沿って並置されている。
各感光体205Y、205M、205C、205Kはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する光書き込み装置201、帯電装置202Y,202M,202C,202K、現像装置203Y,203M,203C,203K、1次転写装置204Y,204M,204C,204K及びクリーニング装置が配置されている。また、各現像装置203Y,203M,203C,203Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。
転写ベルト210は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体205Y、205M、205C、205Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つであるローラ211に対向する位置に転写ローラ212が設けられている。また、転写ローラ212から定着装置100までの記録媒体Pの搬送経路は横パスとなっており、図6〜図9に示すような搬送ベルト213が設けられている。
給紙部200Bは、記録媒体としての記録媒体Pを積載収容する給紙トレイ220と、該給紙トレイ220内の記録媒体Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置200における画像形成に当たっては、感光体205Yの表面が帯電装置202Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体205Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置203Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置204Yにより転写ベルト210上に1次転写される。他の感光体205M、205C、205Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が転写ベルト210上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
つぎに、感光体205Y、205M、205C、205Kから転写ベルト210上に1次転写されたトナー像Tは、ローラ211、転写ローラ212により搬送されてきた記録媒体Pに転写される。トナー像Tが転写された記録媒体Pは、さらに定着装置100まで搬送され、定着ベルト12と加圧ローラ13との定着ニップ部Nにて定着が行なわれる。定着ベルト12,加圧ローラ13にはオイル塗布装置21,22によりそれぞれ適当量のオイルが塗布されており、また必要に応じて定着ニップ部Nの出側に配置された分離爪16a,16bが機能することから、記録媒体Pは定着ベルト12,加圧ローラ13に巻き付くことなく定着ニップ部Nの出側に排出される。
ついで、定着ニップ部Nから排出された記録媒体Pは排出経路に沿ってスタッカ215へ送り出される。
以上のように、本発明では定着装置100を有する画像形成装置により、より高度な定着分離機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(画像先端余白をより少なくすることが可能)への対応が可能となる。
なお、画像形成装置200では、定着装置100に付帯して、定着装置100で使用された記録媒体Pの離型性改善のためのオイルを回収するオイルタンク251、オイルタンク251内のオイルを再度定着装置100に供給するオイルポンプ252などのオイル循環機構を備えている。
図11に、画像形成装置200に備えられたオイル循環機構の概略構成を示す。
オイル循環機構250は、使用するオイルを保持するオイルタンク251と、圧電素子を用いたオイルポンプ252と、オイルポンプ252から定着装置100のオイル塗布装置21までをつなぐ搬送経路253と、オイル塗布装置21における余剰オイルを受けるオイル受け254と、オイル受け254のオイルをオイル塗布装置22まで搬送するチューブ255と、オイル塗布装置22からオイルタンク251までをつなぐ搬送経路256と、を備える。なお、オイルタンク251,オイルポンプ252,搬送経路253,256は定着装置100の外部にあり、オイル受け254,チューブ255は定着装置100の内部にある。また、オイルタンク251は、内部のオイル残量を検知するオイルニアエンドセンサ251aを有する。これにより、第1ニップ形成部材(定着ベルト12)にオイルOを塗布する第1オイル塗布装置(オイル塗布装置21)と、第2ニップ形成部材(加圧ローラ13)にオイルOを塗布する第2オイル塗布装置(オイル塗布装置22)を前提として、オイル塗布装置21における余剰オイルOを集めるオイル受け(オイル受け254)と、前記オイル受けからオイル塗布装置22にオイルOを供給する供給経路(チューブ255)と、オイル塗布装置22からオイルOを回収するオイル回収部(搬送経路256,オイルタンク251)と、前記オイル回収部に回収されたオイルOをオイル塗布装置21へ供給するオイル供給装置(オイルポンプ252,搬送経路253)と、からなるオイル循環機構250が構成される。
画像形成装置200では、オイル循環機構250により、以上の経路でオイルを循環使用し、オイル塗布装置21,22が定着ベルト12、加圧ローラ13にオイルを連続して塗布することを可能としている。
このような構成においては、オイル塗布装置21において定着ベルト12側で加熱されたオイルがオイル塗布装置22に送られるようになっており、定着ニップ部Nの温度を低下させるときの加圧ローラ13の冷却の阻害要因になる。本発明はこの場合にも有効であり、前述の通り、オイル冷却装置24を作動させてオイル塗布装置21から送られてきてオイル槽22aに溜まったオイルOを冷却するとともに、該オイル槽22aに一部が浸漬している加圧ローラ13を回動させ、加圧ローラ13の主に外周部分の熱を冷えたオイルOで奪うことにより、加圧ローラ13を冷却することを行う。これにより、加圧ローラ13が効率的に冷却されるようになり、定着ニップ部Nの温度を短時間で所望の温度まで低下させることが可能となる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、図1の定着装置100に代えて、ローラ同士が当接して定着ニップ部Nを形成する定着装置を用いてもよい。
図12は、本発明の定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(1)を示す断面図である。この定着装置100は、定着部材を図1の定着装置100おける定着ベルト方式のものから定着ローラ12Rに替えて、該定着ローラ12Rと加圧ローラ13が当接してニップ部Nを形成する構成となっている。また、定着ローラ12Rはヒータ12hにより加熱されるようになっている。
あるいは、図1の定着装置100に代えて、図13,図14に示す加圧ベルトを用いた方式の定着装置を用いてもよい。
図13は、本発明の定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(2)を示す断面図である。この定着装置100では、上側に回転自在に配置された定着ローラ12Rと、定着ローラ12Rの下にローラ13R,14R,15Rに回動自在に一定のテンションで架け渡された加圧ベルト13aと、が当接して加圧ベルト13aの裏面にある加圧パッドであるバックアップ部材13bにより定着ニップ部Nを形成可能に配置されている。また、定着ローラ12Rはヒータ12hにより加熱され、加圧ベルト13aはヒータ14hにより加熱されるようになっている。
また、少なくともバックアップ部材13bには、前述したものと同様の加圧制御が行われる加圧脱圧手段を備えている。
図14は、本発明の定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例(3)を示す断面図である。この定着装置100では、上側に回転自在に配置された定着ローラ12Rと、定着ローラ12Rの下に支持部材13eでテンションフリーの状態で支持された加圧ベルト13aと、が当接して加圧ベルト13aの裏面にある加圧部材であるバックアップ部材13dにより定着ニップ部Nを形成可能に配置されている。また、定着ローラ12Rはヒータ12hにより加熱されるようになっている。
また、少なくともバックアップ部材13dには、前述したものと同様の加圧制御が行われる加圧脱圧手段を備えている。
11,12R 定着ローラ
12 定着ベルト
12h,13h,14h ヒータ
13 加圧ローラ
13a 加圧ベルト
13b,13d バックアップ部材
13e 支持部材
13j 加圧ローラ軸端部
13R,14R,15R ローラ
14 加熱ローラ
14a ヒートパイプ
15 テンションローラ
16a,16b 分離爪
17 クリーニング機構
21,22 オイル塗布装置
21a オイル投入口
21b オイル溜り部
21b1 口切部
21b2 樋部
21b3 側板
21c 支持板
21d 供給フェルト
21e 供給ローラ
21f メータリングブレード
22a オイル槽
22a1 サブオイルパン(浸漬槽)
22a2 メインオイルパン(オイル受け)
22b ブレード
22c クリーニングフェルト
23 塗布ローラ
24 オイル冷却装置
24a ファン機構
24b ペルチェ冷却機構
24c 熱伝導パイプ
30 加圧脱圧手段
31 加圧カム
32 第1加圧アーム
33 第2加圧アーム
33a 加圧部
34 弾性部材
35 支持軸
100 定着装置
100c 定着カバー
200 画像形成装置(カラー複写機)
200A 画像形成部
200B 給紙部
201 光書込み装置
202Y,202C,202M,202K 帯電装置
203Y,203M,203C,203K 現像装置
204Y,204M,204C,204K 1次転写装置
205Y,205C,205M,205K 感光体
210 転写ベルト
211 従動ローラ
212 転写ローラ
213 搬送ベルト
215 スタッカ
220 給紙トレイ
250 オイル循環機構
251 オイルタンク
251a オイルニアエンドセンサ
252 オイルポンプ
253,256 搬送経路
254 オイル受け
255 チューブ
N 定着ニップ部
O オイル
P 記録媒体
T トナー
特開2003−302857号公報

Claims (7)

  1. 回転可能に設けられる定着部材と、
    前記定着部材を直接または間接的に加熱する加熱手段と、
    前記定着部材の下に回動可能に設けられ該定着部材に当接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、
    オイルを保持して前記加圧部材の下方に設けられるオイル槽を有し、該オイル槽に前記加圧部材の一部を浸漬させてオイルを塗布するオイル塗布装置と、
    前記オイル槽のオイルを冷却するオイル冷却装置と、を備える定着装置であって、
    前記定着ニップ部の温度を低下させるとき、前記オイル冷却装置が前記オイル槽のオイルを冷却するとともに、該オイル槽に一部が浸漬している加圧部材を回動させて、該加圧部材を冷却することを特徴とする定着装置。
  2. 回転可能に設けられる定着部材と、
    前記定着部材を直接または間接的に加熱する加熱手段と、
    前記定着部材の下に回動可能に設けられ該定着部材に当接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、
    オイルを保持して前記加圧部材の下方に設けられるオイル槽を有し、該オイル槽に前記加圧部材の一部を浸漬させてオイルを塗布するオイル塗布装置と、
    前記オイル槽のオイルを冷却するオイル冷却装置と、を備える定着装置であって、
    前記加圧部材を定着部材に当接させる加圧状態及び離間させる脱圧状態の切替を行う加圧脱圧手段を備え、
    前記定着ニップ部の温度を低下させるとき、前記オイル冷却装置が前記オイル槽のオイルを冷却するとともに、前記加圧脱圧手段が回動している前記加圧部材を定着部材から離間させて前記オイル槽により深く浸漬させて、該加圧部材を冷却することを特徴とする定着装置。
  3. 前記オイル冷却装置は、前記オイル槽の金属製ケーシングを空冷するファン機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記オイル冷却装置は、前記オイル槽の金属製ケーシングを冷却するペルチェ冷却機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 前記オイル冷却装置は、オイル槽の槽内から槽外に延出して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材のオイル槽外に延出した部分を空冷するファン機構と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 前記オイル冷却装置は、オイル槽の槽内から槽外に延出して設けられる熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材のオイル槽外に延出した部分を冷却するペルチェ冷却機構と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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