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JP5407172B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP5407172B2 JP2008119692A JP2008119692A JP5407172B2 JP 5407172 B2 JP5407172 B2 JP 5407172B2 JP 2008119692 A JP2008119692 A JP 2008119692A JP 2008119692 A JP2008119692 A JP 2008119692A JP 5407172 B2 JP5407172 B2 JP 5407172B2
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Description

本発明は、無端状のベルトを有する定着装置及び該定着装置が装着される画像形成装置に関するものである。
従来から、電子写真方式を利用した画像形成装置は公知技術となっている。例えば、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録紙(シートあるいは記録媒体)に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録紙上のトナー画像を定着し、定着された記録紙は、排紙経路を通り、装置外に排出される構成をとる。
ここで、定着装置には、対向するローラもしくは無端状のベルト(無端ベルトともいう)もしくはそれらの組み合わせにより構成された定着回転体が配置されており、記録紙を挟みこみ、熱および圧力を加え、上記トナー像を記録紙上に定着する。
定着回転体は例えば、2つのローラに掛け渡され、表面が加熱される定着ベルトと、定着ベルトに当接する加圧ローラが配置されている(例えば、特許文献1参照。)。あるいは、表面が加熱される定着ローラと、定着ローラに当接する加圧ベルトが配置される構成もある。いずれの構成の場合も、無端状のベルトを用いたベルト式定着装置である。
前記ベルト式定着装置は、無端状のベルトが少なくとも2つのローラに掛け渡された状態で定着装置のフレームに設置されている。このような構成の定着装置において、無端ベルトを交換するときには、無端ベルトや無端ベルトが掛け渡されるローラ以外の交換する必要のない周辺部品も同時に分解する必要があり、ベルト交換作業の効率が悪いものであった。また、無端ベルト及び無端ベルトが掛け渡される2つのローラを定着装置のフレームから着脱する際には、作業員は無端ベルトを持ち2つのローラが無端ベルトで吊り下げられた状態で着脱作業を行うようになるが、2つのローラが重量物(数〜十数kg)であるために無端ベルトが損傷を受けることがあった。
特開2008−58757号公報
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、ベルト交換等作業の際に無端ベルトの損傷がなく作業効率のよい定着装置及び該定着装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 2つのローラと、前記2つのローラに掛け渡される無端ベルトと、前記2つのローラの軸端部が嵌め込まれ、該2つのローラを所定の軸間隔で保持する2つの穴を有し前記2つのローラの軸両端部それぞれに配置された2つのローラ保持部材と、からなる無端ベルトユニットと、上側板と下側板からなり、前記上側板と前記下側板のそれぞれに前記2つのローラそれぞれの軸端部を支持する部分の一部が設けられ、前記上側板と前記下側板が合せられることにより前記2つのローラそれぞれの軸端部を支持する部分が形成されるフレームと、を備える定着装置。
〔2〕 前記ローラ保持部材の外周が前記無端ベルトの周長よりも小さく、前記2つの穴のうち、一方の穴が前記2つのローラの一方のローラの軸端部が固定される丸穴であり、他方の穴が他方のローラの軸端部が該2つのローラの軸間隔が変化するようにスライド可能に固定される長穴である前記〔1〕に記載の定着装置。
〔3〕 前記2つのローラ保持部材同士を結合するステーを備える前記〔1〕に記載の定着装置。
〔4〕 前記上側板は、前記下側板と共通の支持軸を中心に回転可能に設けられ、前記上側板を回転させて前記2つのローラそれぞれの軸端部を支持する部分を開放して、前記無端ベルトユニットのまま、前記フレームに着脱可能である前記〔1〕に記載の定着装置。
〔5〕 前記2つのローラの一方のローラに対して下側で回動可能に圧接し定着ニップ部を形成する加圧部材を備え、該加圧部材は、前記2つのローラが前記フレームに形成された軸端部を支持する部分にそれぞれ支持された状態で、前記一方のローラに対し加圧状態と脱圧状態の切替が可能である前記〔1〕に記載の定着装置。
〕 前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の定着装置を備える画像形成装置。
本発明によれば、一体化された無端ベルトユニットを交換すればよいので、無端ベルト交換のために分解される部品数が抑えられ、ベルト交換作業の効率化が図れる。また、無端ベルトユニットではローラ保持部材で2つのローラが保持されているので、定着装置のフレームからの着脱作業の際に無端ベルトを損傷させることなく安全に作業することができる。
以下に、本発明に係る定着装置について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明に係る定着装置100は、定着カバー100cの内部に、定着ローラ11及び加熱ローラ14に一定のテンションで架け渡された定着部材(定着ベルト12)と、該定着部材(定着ベルト12)に対して下側で回動可能に圧接し定着ニップ部Nを形成する加圧部材(加圧ローラ13)と、前記定着ニップ部Nのシート排出側であって先端が定着部材(定着ベルト12)に近接して配置され該定着部材(定着ベルト12)へのシートPの巻き付きを防止する分離爪16aと、前記定着ニップ部Nのシート排出側であって先端が加圧部材(加圧ローラ13)に当接して配置され該加圧部材(加圧ローラ13)へのシートPの巻き付きを防止する分離爪16bと、クリーニングウェブを押し付けて定着ベルト12のクリーニングを行うクリーニング機構17と、を備える。
ここで、定着ベルト12は、無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコンゴム層などの弾性層を形成した2層構造となっている。また、定着ローラ11は、金属の芯金にシリコンゴムを有したものである。ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト12の熱を吸収しにくいように、発泡のシリコンゴムを用いることもある。また、加熱ローラ14は、アルミ又は鉄の中空ローラで内部にハロゲンヒータなどのヒータ14hからなる熱源を有している。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。また、加熱ローラ14の中空ローラの肉厚部分には複数の中空のパイプがその長手方向が加熱ローラ14の幅方向とされ、加熱ローラ14の円周方向に均等に埋め込まれたヒートパイプ14aを有する。ヒートパイプ14aにより、ヒータ14hからローラ表面への熱伝達が改善され、定着ベルト12が速く均一に加熱されるようになる。
また、定着ローラ11、加熱ローラ14は、いずれもローラ径が50mmφ以上、例えば80mmφであり、ローラ長(幅)が300mmL以上、例えば400mmLである。いずれも金属ローラであるため、2つのローラ合計で数〜十数kg、例えば10kg程度の重量となる。
定着装置100の駆動の際には、例えば加圧ローラ13が外部から入力される駆動力によって駆動されて図中反時計回り方向に回転する。これに伴って、定着ローラ11が図中時計回り方向につれ回りされる結果、定着ベルト12がテンションローラ15の押圧により適切なテンションが付与された状態でシートPを排出する方向(図1では時計回り方向)に回転する。また、定着の際には、定着ベルト12は、加熱ローラ14内部に配置されたヒータ14hの発熱によりサーミスタ(不図示)で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。なお、本発明では、定着部材として、図1に示す定着ベルト12(無端ベルト)の形態を示したが、これに限定されるものではなく、中空円筒形状のローラ(定着ローラ)としてもよい。
加圧ローラ13は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラである。定着の際など必要なときに、加圧ローラ13は、内部に配置されたヒータ13hの発熱により所定の温度まで加熱される。
また、本発明では、加圧部材として、図1に示す加圧ローラ13(ローラタイプ)の形態を示したが、これに限定されるものではなく、2つのローラに架け渡された無端ベルト状の加圧部材(ベルトタイプ)としてもよい。
また、定着装置100では、定着ベルト12、加圧ローラ13が回転駆動された状態で、定着ベルト12の表面は所定の温度まで加熱されており、定着ニップ部Nに未定着トナーTが形成されたシートPが通され(図1中、右側から左側方向への通紙)、定着ニップ部Nにおける加圧及び加熱により未定着トナーをシートP上に熱融着させて定着を行う。
図1において、トナー定着されたシートPは定着ニップ部Nから排出されるが、このときシートPが定着ベルト12あるいは加圧ローラ13に巻き付いたまま出てくることがある。その対策として、定着ベルト12にオイルを塗布して離型性を改善するオイル塗布装置21と、加圧ローラ13にオイルを塗布して離型性を改善するオイル塗布装置22を備える。なお、ここで使用されるオイルは、耐熱性かつ不揮発性のオイルが好ましく、例えばシリコーンオイルが挙げられる。また、分離爪16a,16bの先端がシートPの先頭端部に当接することにより、該シートPを定着ベルト12あるいは加圧ローラ13から分離させるようになっている。定着ニップ部Nから排出されたシートPは、所定の排出経路を通過して定着装置100から送り出される。
このように、定着装置100では、定着ローラ11及び加熱ローラ14の2つのローラの軸両端が定着装置100のフレームに支持され定着ベルト12がこの2つのローラに掛け渡された状態で所定の駆動が行われる。ここで、従来の定着ベルト12の交換作業あるいは定着ベルト12に関する所定のメンテナンス作業の際には、定着ベルト12、定着ローラ11、加熱ローラ14とともに、それら以外の交換する必要のない周辺部品も同時に分解する必要があり、ベルト交換等作業の効率が悪いものであった。また、定着ベルト12、定着ローラ11及び加熱ローラ14を定着装置のフレームから着脱する際には、作業員は定着ベルト12を持ち前記2つのローラが定着ベルト12で引掛けて吊り下げられた状態で着脱作業を行うようになるが、2つのローラが重量物(数〜十数kg)であるために定着ベルト12が損傷を受けることがあった。
そこで発明者らは、定着ベルトのユニット化を図ればこれらの問題が解決できることに着目し鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。以下、本発明の詳細について説明する。
図2,図3に、本発明に係る定着装置100に備える定着ベルトユニットの構成を示す。図2は定着ベルトユニットの側面図、図3は定着ベルトユニットの上面図である。
すなわち、定着装置100は、第1ローラ(定着ローラ11)と、第2ローラ(加熱ローラ14)と、前記第1ローラと第2ローラに掛け渡される無端ベルト(定着ベルト12)と、2枚のめがね型側板であるローラ保持部材121と、からなる無端ベルトユニット(定着ベルトユニット120)を備えるものである。
ここで、ローラ保持部材121は、定着ローラ11及び加熱ローラ14の軸端部11j,14jが嵌め込まれ、定着ローラ11と加熱ローラ14を所定の軸間隔で保持する2つの穴121a,121bを有しており、定着ローラ11及び加熱ローラ14の軸両端部それぞれに配置されるものである。すなわち、2枚のローラ保持部材121それぞれでは、前記2つの穴のうち、一方の穴(丸穴)121aに定着ローラ11の軸端部11jが嵌め込まれ、他方の穴(長穴)121bに加熱ローラ14の軸端部14jが嵌め込まれている。また、ローラ保持部材121は、定着ローラ11及び加熱ローラ14が保持できる程度の剛性を有しており、例えばステンレス(板厚0.8mm)などの金属板を板金加工したものである。これにより、2つのローラ保持部材121が、定着ローラ11及び加熱ローラ14の軸両端で定着ローラ11及び加熱ローラ14を保持するので、定着ベルトユニット120を取り扱うときに、定着ローラ11,加熱ローラ14がよりぐらつくことがなくなり、定着ベルトユニット120の定着装置100のフレームへの着脱作業が容易となる。また、定着ベルト12の代わりに2つのローラ保持部材121を持つことで定着ローラ11及び加熱ローラ14を保持することができるので、同時に定着ベルト12の損傷を防止できる。
なお、定着ローラ11と加熱ローラ14の所定の軸間隔とは、定着装置100が駆動可能状態となるときの定着ローラ11と加熱ローラ14の間隔である。図2では加熱ローラ14が穴121bの第1位置Aに接している状態である。したがって、その状態で定着ベルトユニット120を定着装置100のフレームに装着するので、定着ローラ11及び加熱ローラ14の所定位置への据え付けが容易となり、ひいては定着ローラ11及び加熱ローラ14並びに定着ベルト12の配置精度が向上する。
定着ローラ11の軸端部11jは、定着ローラ11の軸の両端に設けられたベアリングである(図3)。これらのベアリングにはフランジが設けられており、ローラ保持部材121の穴121aは軸端部11jのフランジにより固定されている。また、加熱ローラ14の軸端部14jも、加熱ローラ14の軸の両端に設けられたベアリングであり、ローラ保持部材121の穴121bはこの軸端部14jに設けられたフランジにより固定されている(図3)。なお、定着ローラ11の一方の軸端部11jのさらに外側には外部からの駆動力が伝達され定着ローラ11が駆動されるための駆動ギヤ11gが設けられている。
また、ローラ保持部材121は、外周が定着ベルト12の周長よりも小さくなっている。さらに、ローラ保持部材121の前記2つの穴のうち、一方の穴121aは丸穴であり、定着ローラ11(または加熱ローラ14)の軸端部11j(14j)が嵌めこまれてその位置で固定されている。また、他方の穴121bは定着ローラ11と加熱ローラ14の軸間方向に延びる長穴であり、加熱ローラ14(または定着ローラ11)の軸端部14j(11j)が嵌め込まれて定着ローラ11と加熱ローラ14の軸間隔が変化するように第1位置A,第2位置Bの相互にスライド可能に固定される。これにより、例えば加熱ローラ14の軸端部14jが第1位置Aに接するようにスライドさせて加熱ローラ14を配置した状態とすると、定着ベルトユニット120を定着装置100のフレームに対して装着したときに、そのまま定着ローラ11及び加熱ローラ14を駆動可能な適切な位置に配置することができる。また、定着ベルトユニット120を定着装置100のフレームから取り外すときも、定着ローラ11及び加熱ローラ14がぐらつくことなく定着ベルト12が適度に張られた状態なので定着ベルト12を損傷させることなく容易に取り外し作業を行うことができる。さらに、定着ベルトユニット120を取り外した後に加熱ローラ14の軸端部14jが第2位置Bに接するように加熱ローラ14をスライドさせると、定着ベルト12が緩む方向に定着ローラ11と加熱ローラ14の軸間隔が縮まるため、定着ベルト12をローラ保持部材121外周に引っかかることなく通過させることができ、定着ベルトユニット120から定着ベルト12をスムーズに取り外すことができる。また、別の定着ベルト12を定着ローラ11及び加熱ローラ14に架け渡すように取り付けることができる。
また、2つのローラ保持部材121同士を結合する棒形状のステー122を備えるとよい。これにより、2つのローラ保持部材121同士が強固に固定されるので、定着ベルトユニット120を取り扱うときに、定着ローラ11,加熱ローラ14がよりぐらつくことがなくなり、定着ベルトユニット120の着脱作業が容易となる。図2では、ローラ保持部材121の中央部下側にステー122の一方の端部が溶接などにより固定された状態を示している。
以上の構成により、定着ベルトユニット120のまま、定着装置100のフレームに着脱可能となる。図4,図5にその様子を示す。図4は定着装置100のフレームに定着ベルトユニット120を装着して駆動可能な状態の側面図、図5は定着装置100のフレームから定着ベルトユニット120を取り外し可能な状態の側面図である。
図4に示すように、定着装置100のフレーム100fは、下側板100fa(板厚3.2mm程度)と、上側板100fbと、下側板100fa,上側板100fb共通の支持軸100fjと、からなり、定着ローラ11,加圧ローラ13,加熱ローラ14それぞれの軸端部を支持している。また、下側板100fa,上側板100fbそれぞれに定着ローラ11,加熱ローラ14それぞれの軸端部11j,14jを支持する部分の一部が設けられており、下側板100fa,上側板100fbが合わせられることにより定着ローラ11,加熱ローラ14それぞれの軸端部を支持する部分(軸受部(軸受穴))が形成される。なお、図4では定着装置100の一側面を示しており、定着装置100のローラ軸方向の反対側にもフレーム100fと同様の構成のフレームが定着ローラ11,加圧ローラ13,加熱ローラ14それぞれの軸端部を支持している。
ここで、上側板110fbは支持軸100fjを中心に回転可能である。すなわち、図4のように、下側板100fa,上側板100fbが合わせられて定着ローラ11,加熱ローラ14それぞれの軸端部を支持する部分(軸受部(軸受穴))が形成された状態から、上側板110fbは支持軸100fjを中心に回転して、図5のように、下側板100faから離れて、前記軸受部の上半分がなくなり定着ベルトユニット120が該軸受部に着脱可能な開放状態となる。またこのとき上側板100fbとともに、テンションローラ15やクリーニング機構17なども上方向に移動し、定着ベルト12から離れている。
定着ベルト12の交換等作業の際には、作業者は、以下のように作業を行う。
(S11) まず、加熱ヒータ14のヒータ14hを外す。つぎに、図5のように上側板100fbを支持軸100fjを中心に回転させて前記軸受部を開放し、定着ベルトユニット120を露出させる。
(S12) ついでローラ保持部材121を手でもって(例えば、右手で一方のローラ保持部材121をもち左手で他方のローラ保持部材121をもって)、定着ベルトユニット120をフレーム100f(下側板100a)から取り出すことを行う。
(S13) つぎに、定着装置100の外で定着ベルトユニット120について、加熱ローラ14をローラ保持部材121の長穴121bに沿って軸端部14jが第2位置Bに接するようにスライドさせて、定着ベルト12を緩めて定着ベルト12の交換等必要な作業を行う。ついで、加熱ローラ14をローラ保持部材121の長穴121bに沿って軸端部14jが第1位置Aに接するようにスライドさせて、定着ベルト12を適度に張る。
(S14) つぎに、軸受部が開放状態となったフレーム100fに対して、定着ベルトユニット120を手でもって定着ローラ11及び加熱ローラ14が下側板100faの所定位置(前記軸受部位置)になるようにセットする。
(S15) ついで、上側板100fbを支持軸100fjを中心に回転させて下側板100fa,上側板100fbを合わせて図4のように前記軸受部を形成して、作業を終了する。
以上のように、2つのローラ保持部材121を設けた定着ベルトユニット120により、定着装置100の周辺の余計な部品を分解することなく、分解される部品数が抑えられ、ベルト交換等作業の効率化を図ることができる。また、定着ベルトユニット120ではローラ保持部材121で2つのローラが保持されているので、定着ローラ11,加熱ローラ14,定着ベルト12の取り扱いが容易となり、定着装置100のフレーム100fからの着脱作業の際に定着ベルト12を損傷させることなく安全に作業することができる。さらに、定着ベルトユニット120における定着ベルト12の交換も容易である。
なお、定着ベルトユニット120がフレーム100fの軸受部にセットされたときに、2つのローラ保持部材121は、それぞれフレーム100f(下側板100fa)の内側となるように軸端部11j,14jに配置されている。このとき、2つのローラ保持部材121を、それぞれが隣接するフレーム100fと適度なクリアランスをもつように配置しておけば、定着ベルトユニット120を下側板100faにセットするときに軸方向の無駄な遊びがないためスムーズに定着ローラ11及び加熱ローラ14を下側板100faの所定位置(前記軸受部位置)にセットすることができる。
ところで、加圧ローラ13は、加圧脱圧手段30により、定着ベルト12に当接しての加圧状態及び離間しての脱圧状態の切替が可能となっている。
図6に、加圧ローラ13の加圧脱圧手段の構成を示す。
加圧脱圧手段30は、外部から入力される駆動力により回転する加圧カム31、第1加圧アーム32、加圧保持部材である第2加圧アーム33(図中斜線部分)、第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33のそれぞれの端部に固定された弾性部材34、定着装置100のフレームに固定された第1加圧アーム32及び第2加圧アーム33の共通の支持軸35を有する。
ここで、加圧脱圧手段30により、加圧ローラ13を定着ベルト12側へ移動させて加圧すること、及び定着ベルト12から引き離す方向に移動させて脱圧することは、以下のようにして行われる。
(加圧動作)
まず、外部からの駆動力により加圧カム31が図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該加圧カム31が第1加圧アーム32のコマ部分を押し上げる(図6の(1)部分の矢印方向)。
第1加圧アーム32のコマ部分が押されると、第1加圧アーム32は支持軸35を中心軸として回転する(図6では反時計回り方向)。すると、第1加圧アーム32の支持軸35とは反対側の端部に固定されている弾性部材34もともに回転し、該弾性部材34が一定の圧力で第2加圧アーム33の端部を押し上げる(図6の(2)部分の矢印方向)。
つぎに、第2加圧アーム33の弾性部材34側の端部が押し上げられると、該第2加圧アーム33は支持軸35を中心軸として回転する(図6では反時計回り方向)。
ついで、第2加圧アームの弾性部材34側の端部と支持軸35の中間にある加圧部33aが加圧ローラ13の軸13jに当接し、定着ローラ11方向に押すように作用する(図6の(3)部分の矢印方向)。
最後に、加圧ローラ13が定着ベルト12を介して定着ローラ11に当接し、弾性部材34の弾性力に基づいた一定の圧力で加圧する状態となり定着ニップ部Nを形成する(図6の(4)部分の矢印方向)。
このように、定着装置100が駆動するときには加圧脱圧手段30により加圧ローラ13の定着ベルト12への押し当てが一定の圧力で定着ベルト12の方向へ押されることにより行われる。
(脱圧動作)
まず、外部からの駆動力により加圧カム31が前記加圧状態のときの角度位置からさらに一定の回転角だけ回転されると、該加圧カム31が第1加圧アーム32のコマ部分を押し上げることが解除される(図6の(1)部分の矢印とは反対方向)。
第1加圧アーム32の押し上げが解除されると、定着ニップ部N−加圧部33a−弾性部材34を経由した反発力を伴って第1加圧アーム32は支持軸35を中心軸として加圧の場合とは反対方向に回転する(図6では時計回り方向)。ついで、第1加圧アーム32の支持軸35とは反対側の端部に固定されている弾性部材34とともに第2加圧アーム33の端部も加圧の場合とは反対方向に引張られる(図6の(2)部分の矢印とは反対方向)。
つぎに、第2加圧アーム33の弾性部材34側の端部が引き下げられる方向に引張られると、該第2加圧アーム33は支持軸35を中心軸として加圧の場合とは反対方向に回転する(図6では時計回り方向)。
ついで、第2加圧アームの弾性部材34側の端部と支持軸35の中間にある加圧部33aが加圧の場合とは反対方向に回転するので加圧ローラ13の軸13jから離れる方向に移動する(図6の(3)部分の矢印とは反対方向)。
これにより、加圧ローラ13が押圧されることが解除されるので、加圧ローラ13は定着ローラ11から離間する方向に移動し、定着ニップ部Nの形成は解消されて脱圧状態となる(図6の(4)部分の矢印とは逆方向)。
このように、定着装置100の駆動が停止するときには加圧脱圧手段30により加圧ローラ13の定着ベルト12への押し当てが解除されて、定着ベルト12から離間する(脱圧状態)。これにより、定着ベルトユニット120のフレーム100fからの取り外しが可能な状態となる。
なお、ここでは定着装置の上側に定着部材(定着ベルト12)、下側に加圧部材(加圧ローラ13)を配置した構成例を示したが、これに限定されるものではなく、上側にローラタイプの定着部材を配置し、その下にベルトタイプの加圧部材を配置した構成としてもよい。図7に、その構成例を示す。ここでは、上側に回転自在に配置された定着ローラ12aと、ローラ12aの下にローラR11,R14,R15に回動自在に架け渡された加圧ベルト13aと、が当接して加圧ベルト13aの裏面にある加圧パッドであるバックアップ部材13bにより定着ニップ部Nを形成可能に配置されている。この場合、本発明でいう無端ベルトユニットは、ローラR11,R14,R15と、加圧ベルト13aと、ローラR11,R14,R15をそれぞれの軸端部で保持する2つのローラ保持部材から構成される。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図8に、本発明に係る画像形成装置であるタンデム型のカラー複写機の構成を示す。
カラー複写機200は、装置本体中央部に位置する画像形成部200Aと、該画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bと、画像形成部200Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有する高速機であり、画像形成部200Aに本発明の定着装置100を組み込んでいる。
画像形成部200Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写ベルト210が配置されており、該転写ベルト210の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体205Y、205M、205C、205Kが転写ベルト210の転写面に沿って並置されている。
各感光体205Y、205M、205C、205Kはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する光書き込み装置201、帯電装置202Y,202M,202C,202K、現像装置203Y,203M,203C,203K、1次転写装置204Y,204M,204C,204K及びクリーニング装置が配置されている。また、各現像装置203Y,203M,203C,203Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。
転写ベルト210は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体205Y、205M、205C、205Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つであるローラ211に対向する位置に転写ローラ212が設けられている。また、転写ローラ212から定着装置100までのシートPの搬送経路は横パスとなっている。
なお、定着装置100に付帯して、定着装置100で使用されたシートPの離型性改善のためのオイルを回収するオイルタンク251、オイルタンク251内のオイルを再度定着装置100に供給するオイルポンプ252などのオイル循環機構を備えている。
給紙部200Bは、記録媒体としてのシートPを積載収容する給紙トレイ220と、該給紙トレイ220内のシートPを最上のものから順に1枚ずつ分離して、転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置200における画像形成に当たっては、感光体205Yの表面が帯電装置202Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体205Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置203Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置204Yにより転写ベルト210上に1次転写される。他の感光体205M、205C、205Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が転写ベルト210上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
つぎに、感光体205Y、205M、205C、205Kから転写ベルト210上に1次転写されたトナー像Tは、ローラ211、転写ローラ212により搬送されてきたシートPに転写される。トナー像Tが転写されたシートPは、さらに定着装置100まで搬送され、定着ベルト12と加圧ローラ13との定着ニップ部Nにて定着が行なわれる。
また、定着ベルト12,加圧ローラ13にはオイル塗布装置21,22によりそれぞれ適当量のオイルが塗布されており、また必要に応じて定着ニップ部Nの出側に配置された分離爪16a,16bが機能することから、シートPは定着ベルト12,加圧ローラ13に巻き付くことなく定着ニップ部Nの出側に排出される。
ついで、定着ニップ部Nから排出されたシートPは排出経路に沿ってスタッカ215へ送り出される。
以上のように、本発明に係る定着装置100を有する画像形成装置により、より高度な定着分離機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(画像先端余白をより少なくすることが可能)への対応が可能となる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係る定着装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置で用いる定着ベルトユニットの構成を示す側面図である。 本発明に係る定着装置で用いる定着ベルトユニットの構成を示す上面図である。 本発明に係る定着装置に定着ベルトユニットを装着した状態を示す概略図である。 本発明に係る定着装置に定着ベルトユニットを取り外す状態を示す概略図である。 本発明に係る定着装置における加圧脱圧手段の構成を示す概略図である。 本発明に係る定着装置における加圧部材、定着部材の別の構成例を示す断面図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
11,12a 定着ローラ
11g 定着ローラ駆動ギヤ
11j 定着ローラ軸端部(ベアリング)
12 定着ベルト
12b バックアップ部材
13 加圧ローラ
13a 加圧ベルト
13b バックアップ部材
13h,14h ヒータ
13j 加圧ローラ軸端部
14 加熱ローラ
14a ヒートパイプ
14j 加熱ローラ軸端部(ベアリング)
15 テンションローラ
16a,16b 分離爪
17 クリーニング機構
18a,18b,98 位置決めピン(位置基準部材)
21,22 オイル塗布装置
30 加圧脱圧手段
31 加圧カム
32 第1加圧アーム
33 第2加圧アーム
33a 加圧部
34 弾性部材
35,95 支持軸
100,900 定着装置
100c 定着カバー
100f フレーム(側板)
100fa 下側板
100fb 上側板
100fj 支持軸
120 定着ベルトユニット(無端ベルトユニット)
121 ローラ保持部材
121a 丸穴
121b 長穴
122 ステー
200 画像形成装置
200A 画像形成部
200B 給紙部
200a 位置決め穴
200b 本体駆動部
200f 本体フレーム
201 光書込み装置
202Y,202C,202M,202K 帯電装置
203Y,203M,203C,203K 現像装置
204Y,204M,204C,204K 1次転写装置
205Y,205C,205M,205K 感光体
210 転写ベルト
211 従動ローラ
212 転写ローラ
215 スタッカ
220 給紙トレイ
250 オイル循環機構
251 オイルタンク
252 オイルポンプ
A 第1位置
B 第2位置
O オイル
P シート(記録媒体)
R11,R14,R15 ローラ
T トナー

Claims (6)

  1. 2つのローラと、
    前記2つのローラに掛け渡される無端ベルトと、
    前記2つのローラの軸端部が嵌め込まれ、該2つのローラを所定の軸間隔で保持する2つの穴を有し前記2つのローラの軸両端部それぞれに配置された2つのローラ保持部材と、からなる無端ベルトユニットと、
    上側板と下側板からなり、前記上側板と前記下側板のそれぞれに前記2つのローラそれぞれの軸端部を支持する部分の一部が設けられ、前記上側板と前記下側板が合せられることにより前記2つのローラそれぞれの軸端部を支持する部分が形成されるフレームと、
    を備える定着装置。
  2. 前記ローラ保持部材の外周が前記無端ベルトの周長よりも小さく、前記2つの穴のうち、一方の穴が前記2つのローラの一方のローラの軸端部が固定される丸穴であり、他方の穴が他方のローラの軸端部が該2つのローラの軸間隔が変化するようにスライド可能に固定される長穴である請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記2つのローラ保持部材同士を結合するステーを備える請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記上側板は、前記下側板と共通の支持軸を中心に回転可能に設けられ、前記上側板を回転させて前記2つのローラそれぞれの軸端部を支持する部分を開放して、前記無端ベルトユニットのまま、前記フレームに着脱可能である請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記2つのローラの一方のローラに対して下側で回動可能に圧接し定着ニップ部を形成する加圧部材を備え、
    該加圧部材は、前記2つのローラが前記フレームに形成された軸端部を支持する部分にそれぞれ支持された状態で、前記一方のローラに対し加圧状態と脱圧状態の切替が可能である請求項1に記載の定着装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の定着装置を備える画像形成装置。
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