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JP5369046B2 - 光ファイバアレイ、光スイッチ、光ファイバ及び端面加工方法 - Google Patents

光ファイバアレイ、光スイッチ、光ファイバ及び端面加工方法 Download PDF

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JP5369046B2 JP2010104178A JP2010104178A JP5369046B2 JP 5369046 B2 JP5369046 B2 JP 5369046B2 JP 2010104178 A JP2010104178 A JP 2010104178A JP 2010104178 A JP2010104178 A JP 2010104178A JP 5369046 B2 JP5369046 B2 JP 5369046B2
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Description

本発明は、光ファイバアレイ、光スイッチ、光ファイバ及び端面加工方法に関する。
従来、光アイソレータや光スイッチでは、光ファイバの端面から出力光を取り出し、光ファイバの端面に再び光を入力することが行われている。光の入出力が行われる光ファイバの端面では、反射戻り光の影響を軽減する目的で端面を傾斜させたり、波長選択の目的で端面にフィルタを形成したりすることがある。
例えば、特許文献1では、シングルモード光ファイバの先にグレイデッドインデックス光ファイバとコアレス光ファイバを設けるとともに、コアレス光ファイバの端面を光軸に対して傾斜させている。このグレイデッドインデックス光ファイバは、中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が変化したGRINレンズ(屈折率分布型レンズ)と等価な構造であり、ここでは、シングルモード光ファイバの光を平行光に変換するコリメータレンズとして機能している。グレイデッドインデックス光ファイバの端面を傾斜させてしまうと、レンズとしての光学特性が変わってしまうため、グレイデッドインデックス光ファイバの先にコアレス光ファイバを接続し、このコアレス光ファイバの端面を光軸に対して傾斜させている。
特開2006−47951号公報
従来、光の入出力が行われる光ファイバの端面において、反射戻り光の影響を軽減する目的で端面を傾斜させようとすると、端面を斜めに研磨する必要があった。例えば特許文献1では、光ファイバの先に位置するコアレス光ファイバの端面を斜めに研磨する必要があった。
しかし、端面を斜めに研磨する処理は、研磨加工のための工数を要するため、製造コストがかかってしまう。また、端面を斜め研磨する場合に限らず、例えば光ファイバの端面にフィルタを形成する場合などのように、光の入出力が行われる光ファイバの端面を加工する場合には製造コストがかかっている。
本発明は、光の入出力が行われる光ファイバの端面の加工を低コストにすることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、複数の光ファイバと、複数の前記光ファイバを支持する基板と、前記基板に支持された複数の前記光ファイバを押さえるための押さえ板と、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、一方の面が複数の前記光ファイバの端面の側を向き、他方の面が外側に向くように、複数の前記光ファイバの端面に対して固定された平板とを有し、複数の前記光ファイバの端面と前記平板との間に、前記平板を接着固定する接着剤となる屈折率整合剤が充填されており、前記平板の一方の面と前記平板の他方の面とが平行であり、前記基板に傾斜面が形成されており、前記押さえ板に傾斜面が形成されており、前記基板の前記傾斜面及び前記押さえ板の前記傾斜面を固定面として前記平板が固定されることによって、前記平板の一方の面及び他方の面が、複数の前記光ファイバの光軸に対して斜めになるように、前記平板が固定されていることを特徴とする光ファイバアレイである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、光ファイバの端面の加工を低コストにすることができる。
第1実施形態の光ファイバアレイ1の分解図である。 第1実施形態の光ファイバアレイ1の製造方法のフロー図である。 図3A及び図3Bは、レンズドファイバをV溝に載せる手順の説明図である。 図4A〜図4Cは、比較用の説明図である。図4Dは、第1実施形態の光ファイバアレイ1における光ファイバの端面の説明図である。 図5Aは、比較用の図4Cの光ファイバの端面を前から見た図である。図5Bは、図4Cの光ファイバを複数配列させた様子の説明図である。 図6Aは、第1実施形態の第1変形例の光ファイバアレイ1の分解図である。図6Bは、第1変形例における光ファイバの端面の説明図である。 図7Aは、第2変形例の光ファイバアレイ1の分解図である。図7Bは、第2変形例における光ファイバの端面の説明図である。 第2実施形態の光ファイバアレイ1の分解図である。 第2実施形態の光ファイバアレイ1の製造方法のフロー図である。 図10A及び図10Bは、光ファイバアレイ1の使用例の説明図である。図10Aは、1×8の光スイッチ3の説明図である。図10Bは、発光レーザモジュール5の説明図である。 光アイソレータ7の説明図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
光ファイバと、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、一方の面が前記光ファイバの端面の側を向き、他方の面が外側に向くように、前記光ファイバの端面に対して固定された平板とを有することを特徴とする光ファイバアレイが明らかになる。このような光ファイバアレイによれば、光の入出力が行われる光ファイバの端面の加工を低コストにすることができる。
前記光ファイバを複数備え、前記平板は、一方の面が複数の前記光ファイバの端面の側を向き、他方の面が外側に向くように、複数の前記光ファイバの端面に対して固定されていることが望ましい。これにより、どの光ファイバの出射面(又は入射面)も、その向きを揃えることができる。
前記光ファイバの端面と前記平板との間に、屈折率整合剤が充填されていることが望ましい。これにより、フレネル反射を抑えることができる。
前記屈折率整合剤は、前記平板を接着固定する接着剤であることが望ましい。これにより、平板を接着しながら、屈折率整合剤を充填できる。
前記平板の他方の面が、前記光ファイバの光軸に対して斜めになるように、前記平板が固定されていることが望ましい。これにより、反射戻り光の影響を軽減することができる。
また、前記平板の一方の面と前記平板の他方の面とが平行であり、前記光ファイバの光軸に対して斜めに設けられた固定面に前記平板が固定されていることによって、前記平板の他方の面が、前記光ファイバの光軸に対して斜めになっていることが望ましい。また、前記平板の他方の面は前記平板の一方の面に対して傾斜しており、前記光ファイバの光軸に対して垂直に設けられた固定面に前記平板が固定されていることによって、前記平板の他方の面が、前記光ファイバの光軸に対して斜めになっていることが望ましい。これにより、低コストで反射戻り光の影響を軽減することができる。
成膜処理が施された前記平板が前記光ファイバの端面に対して固定されていることが望ましい。これにより、例えば反射防止膜やフィルターなどを設けることができる。
前記光ファイバは、GRINレンズを有することが望ましい。これにより、平行光を入出力できる。
また、このような光ファイバアレイを備えた光スイッチも明らかになる。このような光スイッチによれば、複数の光ファイバから出射される光の光軸の向きが揃っているため、組立作業が容易になる。
光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、一方の面が前記光ファイバの端面の側を向き、他方の面が外側に向くように、前記光ファイバの端面に対して固定された平板を有することを特徴とする光ファイバが明らかになる。このような光ファイバによれば、光の入出力が行われる光ファイバの端面の加工を低コストにすることができる。
光ファイバを用意する工程と、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板を用意する工程と、前記平板の一方の面が前記光ファイバの端面の側を向き、前記平板の他方の面が外側に向くように、前記光ファイバの端面に対して前記平板を固定する工程とを有することを特徴とする端面加工方法が明らかとなる。このような方法によれば、光ファイバの端面の加工を低コストで行うことができる。
複数の光ファイバが用意され、前記平板の一方の面が前記複数の光ファイバの端面の側に向くように、前記複数の光ファイバの端面に対して前記平板が固定されることが望ましい。これにより、複数の光ファイバの端面を一括して加工できるので、低コストである。
前記平板を固定する工程の前に、前記平板に成膜処理を予め施すことが望ましい。また、成膜装置に複数の平板をセットして、前記複数の平板に対して一度に成膜処理を施すことが望ましい。これにより、光ファイバの端面の加工を低コストで行うことができる。
===第1実施形態===
<全体構成>
図1は、第1実施形態の光ファイバアレイ1の分解図である。
以下の説明において、単に「光ファイバ」と記載した場合は、光を伝搬するコアとその周辺を覆うクラッドから構成されたものを意味するが、光を伝搬する他の部材(例えばGRINレンズ)が一体的に融着接続されている場合には、その部材も含めたものを意味する。融着接続以外の方法(例えば接着剤による接着)によって接続された部材は、一体的に融着接続されていないので、「光ファイバ」には含まれないことになる。
また、「光ファイバの端面」とは、光ファイバを伝搬する光が入出力する端面を意味する。例えばシングルモード光ファイバの先にGRINレンズが一体的に融着接続されていれば、GRINレンズの端面が「光ファイバの端面」となる。
また、以下の説明では、図に示すように、前後、上下、左右を定義する。すなわち、光ファイバに沿って「前後方向」を定義し、光ファイバから見て端面の側を「前」、逆側を「後」とする。また、複数の光ファイバの並ぶ方向を「左右方向」と定義し、前側から見て「右」と「左」を定義する。また、前後方向及び左右方向と垂直な方向を「上下方向」とし、光ファイバから見てV溝の側を「下」、逆側を「上」とする。
光ファイバアレイ1は、複数のレンズドファイバ10と、V溝基板20と、押さえ板30と、平板40とを有する。また、V溝基板20、押さえ板30及び平板40によって囲まれた空間には、接着剤(不図示)が充填されている。この光ファイバアレイ1は、コリメータアレイとして機能する。
レンズドファイバ10は、シングルモード光ファイバ11の先にGRINレンズ12(屈折率分布型レンズ)を設けた光ファイバである。GRINレンズ12は、中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が小さくなっている。グレイデッドインデックス光ファイバも中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が小さいので、GRINレンズ12としてグレイデッドインデックス光ファイバが用いられている。また、GRINレンズ12がコリメータレンズとして機能するように所定の長さになっている。具体的には、GRINレンズ12は、GRINレンズ12内に1周期の定在波が立つのに必要な長さであるピッチ長を(2n+1)/4倍した長さになっている(なお、n=0,1,2,・・・)。これにより、シングルモード光ファイバ11からGRINレンズ12に入射する光は、GRINレンズ12内で平行光に変換されて、GRINレンズ12から出力される。逆に、GRINレンズ12に入射する平行光は、GRINレンズ12内で収束して、GRINレンズ12からシングルモード光ファイバ11に入力される。
なお、レンズドファイバ10のシングルモード光ファイバ11とGRINレンズ12は、融着接続されている。シングルモード光ファイバ11とGRINレンズ12は同じ径(例えば125μm)であるが、融着点ではファイバ径よりも若干太くなっている。但し、シングルモード光ファイバ11とGRINレンズ12の径は同じである必要はなく、シングルモード光ファイバ11よりもGRINレンズ12の径が太くても良い。
V溝基板20は、レンズドファイバ10を配列させるための部材である。V溝基板20には、複数のV溝21が形成されている。各レンズドファイバ10は、V溝基板20のV溝21によって支持されて、配列させられる。レンズドファイバ10におけるシングルモード光ファイバ11の部分がV溝21によって支持されており、GRINレンズ12の部分はV溝21から前側に突出している。
V溝基板20の前面は、接着面22になる。図中では接着面22にハッチングが施されている。この接着面22に平板40が接着固定されることになるので、接着面22は平板40を固定するための固定面になる。接着面22は光ファイバの光軸に対して約8度程度斜めになっている。このため、V溝基板20の接着面22に平板40が接着されると、平板40が光ファイバの光軸に対して斜めに取り付けられる。
V溝21の前側には、接着剤を充填するための受け部23が形成されている。V溝21から突出しているGRINレンズ12は、受け部23の上に位置している。受け部23の前後方向の長さは、GRINレンズ12の長さよりも長くなっている。このため、GRINレンズ12の先がV溝基板20の接着面22よりも前に突出することはない。受け部23に接着剤が充填されることによって、レンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)と平板40との間に接着剤が充填される。
押さえ板30は、V溝基板20に支持されたレンズドファイバ10を押さえるための部材である。レンズドファイバ10の断面を前から見たとき、V溝21の2点と押さえ板30の1点の計3点によってレンズドファイバ10が固定される。押さえ板30の前面も接着面31(固定面)になる。図中では接着面31にハッチングが施されている。押さえ板30の接着面31も、光ファイバの光軸に対して斜めになっている。このため、押さえ板30の接着面31に平板40が接着されると、平板40が光ファイバの光軸に対して斜めに取り付けられる。
平板40は、光の入出射面となる内平面41と外平面42を有する光透過性の光学部材である。平板40は石英で構成されており、レンズドファイバ10を伝搬する光を透過可能である。平板40の内平面41はレンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)の側を向いており、外平面42は光ファイバアレイ1の外側を向いている。これにより、レンズドファイバ10を伝搬した光が平板40を介して外側に出射し、逆に、外側から入射した光が平板40を介してレンズドファイバ10に入射する。
平板40の形状は、左右方向に長い直方体状である。このため、左右方向から見た平板40の断面は長方形になっており、平板40の内平面41と外平面42は平行になっている。但し、平板40の形状は、この形状に限られるものではなく、例えば前後方向から見て丸型、台形、菱形などの種々の形状でも良い。
平板40は、光ファイバの光軸に対して斜めに配置されている。V溝基板20の接着面22と押さえ板30の接着面31が斜めに形成されているため、これらの接着面に平板40が接着固定されることによって、平板40が光軸に対して斜めに配置されている。平板40の内平面41及び外平面42が光軸に対して斜めになっているため、平板40の端面での反射戻り光の影響を軽減することができる。
V溝基板20、押さえ板30及び平板40は、レンズドファイバ10と同じ材質の石英から構成されている。これにより、温度変化による伸縮の影響を小さくすることができる。
レンズドファイバ10、V溝基板20、押さえ板30及び平板40は、接着剤によって接着固定されている。また、V溝基板20、押さえ板30及び平板40によって囲まれた空間には、接着剤が充填される(図1では接着剤は不図示)。言い換えると、V溝基板20の受け部23には接着剤が充填される。これにより、レンズドファイバ10の端面と平板40の内平面41との間にも接着剤が充填される。
接着剤の屈折率は、レンズドファイバ10や平板40の屈折率(石英の屈折率)と同程度に調整されている。言い換えると、接着剤の屈折率は、空気の屈折率よりも、レンズドファイバ10や平板40の屈折率と近くなるように調整されている。このため、レンズドファイバ10の端面と平板40の内平面41との間に接着剤を充填することによって、接着剤を充填しない場合と比べてフレネル反射を抑えることができる。つまり、接着剤は、屈折率整合剤を兼ねている。
また、光の損失を抑えるため、接着剤には光の透過性の良いものが用いられる。
第1実施形態によれば、レンズドファイバ10の端面を斜め研磨する代わりに、平板40を光ファイバの光軸に対して斜めに配置することによって、反射戻り光の影響を軽減している。言い換えると、第1実施形態では、平板40を光ファイバの光軸に対して斜めに配置することによって、光ファイバの端面の斜め研磨が不要な構成になっている。
<製造方法>
図2は、第1実施形態の光ファイバアレイ1の製造方法のフロー図である。
まず、レンズドファイバ10を用意する(S101)。既に説明した通り、レンズドファイバ10では、シングルモード光ファイバ11の先にGRINレンズ12が融着接続されている。シングルモード光ファイバ11とGRINレンズ12は同じ径(例えば125μm)であるが、融着点ではファイバ径よりも若干太くなっている。
なお、レンズドファイバ10の先にはコアレス光ファイバは不要である。また、レンズドファイバ10の端面は斜め研磨されていなくて良い。
次に、レンズドファイバ10をV溝基板20のV溝21に載せる(S102)。既に説明した通り、レンズドファイバ10におけるシングルモード光ファイバ11の部分がV溝21によって支持されており、GRINレンズ12の部分はV溝21から前側に突出している。但し、この段階では、図1に示す状態よりもGRINレンズ12が前側に位置するように、レンズドファイバ10をV溝基板20のV溝21に載せる。これにより、レンズドファイバ10のシングルモード光ファイバ11とGRINレンズ12との融着点は、V溝21の前側端部よりも前側に位置している(図3A参照)。
次に、V溝基板20と押さえ板30とでレンズドファイバ10を把持する(S103)。このとき、まず押さえ板30をレンズドファイバ10の上に軽く置き、その後、シングルモード光ファイバ11を軽く後側に引っ張り、レンズドファイバ10の前後方向の位置決めを行う。レンズドファイバ10のシングルモード光ファイバ11とGRINレンズ12との融着点が若干太くなっているため、シングルモード光ファイバ11を後側に引っ張ったとき、融着点がV溝21の前側端部にぶつかり、レンズドファイバ10の前後方向が位置決めされる(図3B参照)。なお、S102において図1に示す状態よりもGRINレンズ12を前側に位置させたのは、このためである。これにより、複数のレンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)の前後方向の位置を揃えることができる。
また、上記のS101〜S103の処理と並行して、平板40を準備する(S204)。既に説明した通り、用意すべき平板40は、左右方向に長い直方体状の石英からなる光学部材である。左右方向から見た平板40の断面は長方形になっており、平板40の内平面41と外平面42は平行になっている。
次に、接着剤を塗布して、レンズドファイバ10、V溝基板20、押さえ板30及び平板40を接着固定する(S105)。V溝21とレンズドファイバ10の間には隙間があるため、この隙間に接着剤が入り込み、V溝基板20とレンズドファイバ10が接着される。また、平板40の内平面41がレンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)の側を向き、外平面42が光ファイバアレイ1の外側を向くように、レンズドファイバ10の端面に対して平板40を接着固定する。このとき、平板40は、V溝基板20の接着面22及び押さえ板30の接着面31に接着固定される。V溝基板20の接着面22及び押さえ板30の接着面31が光ファイバの光軸に対して斜めになっているため、平板40が光ファイバの光軸に対して斜めに接着固定される。これにより、平板40の内平面41及び外平面42が光ファイバの光軸に対して斜めになり、反射戻り光の影響を軽減することができる。
なお、V溝基板20の接着面22と押さえ板30の接着面31が予め斜めに形成されているため、平板40を所望の角度(ここでは約8度)でV溝基板20に接着固定することが容易になっている。もし仮にV溝基板20や押さえ板30の接着面31が斜めに形成されていなければ、治具などで平板40を斜めにしながら接着する必要が生じるが、この場合、接着剤の硬化収縮によって平板40を所望の角度に保つことが難しい。
また、平板40などを接着固定する際に、V溝基板20、押さえ板30及び平板40によって囲まれた空間に接着剤が充填される(受け部23に接着剤が充填される)。これにより、レンズドファイバ10の端面と平板40の内平面41との間に接着剤が充填され、フレネル反射を抑えることができる。
接着剤には、例えば紫外線硬化型接着剤が用いられる。接着面に接着剤が塗布され、受け部23の空間に接着剤が充填された後、紫外線が照射されて接着剤が硬化する。但し、紫外線硬化型接着剤の代わりに、熱硬化型接着剤が用いられても良い。
接着剤が固化すれば、図1に示した光ファイバアレイ1が完成する。
第1実施形態の製造方法によれば、光ファイバの端面の斜め研磨が不要であるため、低コストで行うことができる。また、1枚の平板40を接着固定するだけで複数の光ファイバの端面を一括して加工できるので、工数を減らすことができ、低コストである。
<比較1>
図4A〜図4Cは、比較用の説明図である。
図4Aでは、シングルモード光ファイバ11の先にGRINレンズ12が設けられており、GRINレンズ12によってシングルモード光ファイバ11の光が平行光に変換されている。但し、この構成では、GRINレンズ12の端面が光軸に対して傾斜していないため、端面での反射戻り光が問題になる。
図4Bでは、GRINレンズ12の端面が光軸に対して傾斜している。この構成では、端面での反射戻り光の問題は軽減されたとしても、GRINレンズ12の中心軸からの距離に応じてGRINレンズ12の長さが異なってしまう。この結果、GRINレンズ12の光学特性が変わってしまい、GRINレンズ12がコリメータレンズとしての機能を果たせなくなるため、シングルモード光ファイバ11の光を平行光に変換できなくなる。
図4Cでは、GRINレンズ12の先にコアレス光ファイバ13が設けられており、コアレス光ファイバ13の端面が光軸に対して傾斜している。この構成であれば、端面での反射戻り光の影響が軽減されると共に、GRINレンズ12はコリメータレンズとして機能できる。但し、この構成では、GRINレンズ12の先にコアレス光ファイバ13を接続する必要があるため、融着接続のための工数を要する。また、コアレス光ファイバ13の端面を斜めに研磨する必要があり、研磨加工のための工数を要する。
図4Dは、第1実施形態の光ファイバアレイ1における光ファイバの端面の説明図である。シングルモード光ファイバ11の先にGRINレンズ12が設けられており、GRINレンズ12の先に斜め配置された平板40が接着固定されている。また、GRINレンズ12と平板40との間には、屈折率整合剤として機能する接着剤が充填されている。
第1実施形態では、GRINレンズ12の端面は斜め研磨されておらず、GRINレンズ12がコリメータレンズとしての機能を果たすことができる。また、GRINレンズ12の端面を斜めに研磨する必要がないため、研磨加工の工数を減らすことができる。なお、第1実施形態では端面を斜め研磨する代わりに平板40を斜めに配置して接着固定するだけなので、コアレス光ファイバの融着処理や斜め研磨処理と比べると低コストで行うことができる。
<比較2>
図5Aは、前述の比較用の図4Cの光ファイバの端面を前から見た図である。図中の矢印は、端面の向きを示すための記号であり、斜め研磨された端面上の最後部(最も後に位置する縁)から最前部(最も前に位置する縁)に向かう方向を示している。
図5Bは、前述の図4Cの光ファイバを複数配列させた様子の説明図である。このように、斜め研磨された光ファイバを個々に配置させると、端面の向きがバラバラになってしまう。また、それぞれの光ファイバの端面の向きを精度良く合わせようとすると、加工処理に時間やコストがかかってしまう。
図5Cは、前述の図4Dの光ファイバアレイ1(第1実施形態の光ファイバアレイ1)における光の出射面(又は入射面)の説明図である。図中の円は、平板40の外平面42における光ファイバの光の出射面(又は入射面)を示している。つまり、光ファイバに入出力する光は、図中の円の内部を通過することになる。図中の矢印は、外平面42における光の出射面(又は入射面)の最後部から最前部に向かう方向を示している。なお、説明の簡略化のため、光ファイバの数を8本から4本に減らしている。
図に示すとおり、第1実施形態では、1枚の平板40を斜めに配置するだけなので、どの光ファイバの光の出射面(又は入射面)も平板40の外平面42上に位置するため、それぞれの光ファイバの光の出射面(又は入射面)は向きが揃っている。そして、第1実施形態の光ファイバアレイ1を用いて光スイッチなどの光部品を構成すれば、それぞれの光ファイバからの出射光(又は入射面)の光軸の向きが揃っているため、光ファイバアレイ1に入出力する光との光軸調整が容易になり、光部品の組立作業が容易になる(後述)。
また、第1実施形態では、1枚の平板40を斜めに配置して接着固定するだけなので、それぞれの光ファイバの光の出射面(又は入射面)の向きを揃えることが容易である。
<第1変形例>
上記の説明では、平板40の形状は、断面が長方形状であり、内平面41と外平面42が平行であった。但し、平板40の形状は、このような形状に限られるものではない。
図6Aは、第1実施形態の第1変形例の光ファイバアレイ1の分解図である。図6Bは、第1変形例における光ファイバの端面の説明図である。第1変形例では、平板40の形状は三角柱状である。
V溝基板20の接着面22は、光ファイバの光軸に対して垂直な面になっている。同様に、押さえ板30の接着面31も、光ファイバの光軸に対して垂直な面になっている。前述の図1の構成と比較すると、第1変形例では、V溝基板20の接着面22と押さえ板30の接着面31を斜めに形成する必要がないため、V溝基板20と押さえ板30の形状を簡素化できる。
平板40は、三角柱状をしている。このため、左右方向から見た平板40の断面は、三角形になっている。第1変形例においても、平板40の内平面41はレンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)の側を向いており、外平面42は光ファイバアレイ1の外側を向いている。但し、第1変形例では、平板40の外平面42は、内平面41に対して斜めになっている。
V溝基板20の接着面22と押さえ板30の接着面31が光ファイバの光軸に垂直であるため、平板40をV溝基板20及び押さえ板30に接着固定すると、平板40の内平面41は光ファイバの光軸に対して垂直に配置される。一方、平板40の外平面42は内平面41に対して斜めになっているため、平板40の外平面42は、光ファイバの光軸に対して斜めに配置される。このため、平板40の端面での反射戻り光の影響を軽減することができる。
V溝基板20、押さえ板30及び平板40によって囲まれた空間には、接着剤が充填される(図6Aでは接着剤は不図示)。言い換えると、V溝基板20の受け部23には接着剤が充填される。これにより、レンズドファイバ10の端面と平板40の内平面41との間に接着剤が充填される。
この第1変形例の光ファイバアレイ1によれば、レンズドファイバ10の端面を斜め研磨する代わりに、平板40の外平面42を光ファイバの光軸に対して斜めに配置できる。言い換えると、第1変形例の光ファイバアレイ1は、光ファイバの端面の斜め研磨が不要な構成になっている。
また、この変形例によれば、V溝基板20の接着面22と押さえ板30の接着面31を斜めに形成しなくても、平板40の外平面42を光ファイバの光軸に対して斜めに配置できる。このため、平板40をV溝基板20や押さえ板30に接着固定する作業が容易になる。
<第2変形例>
図7Aは、第2変形例の光ファイバアレイ1の分解図である。図7Bは、第2変形例における光ファイバの端面の説明図である。第1変形例と比べると、平板40の形状が異なっている。
第1変形例では、平板40が三角柱状であるため、平板40の内平面41と外平面42との角度が小さい場合、平板40が薄くなってしまう。これに対し、第2変形例では、平板40の形状を台形柱状にしているため、平板40の内平面41と外平面42との角度が小さくても、平板40を所望の厚さに設定できる。これにより、平板40を所望の強度に設定できる。
===第2実施形態===
<本体構成>
図8は、第2実施形態の光ファイバアレイ1の分解図である。第2実施形態の平板40の表面には、反射防止膜42Aがコーティングされている。
V溝基板20の接着面22は、光ファイバの光軸に対して垂直な面になっている。同様に、押さえ板30の接着面31も、光ファイバの光軸に対して垂直な面になっている。前述の図1の構成と比較すると、第1変形例では、V溝基板20の接着面22と押さえ板30の接着面31を斜めに形成する必要がないため、V溝基板20と押さえ板30の形状を簡素化できる。
平板40は、光の入出射面となる内平面41と外平面42を有する光透過性の光学部材である。平板40の内平面41はレンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)の側を向いており、外平面42は光ファイバアレイ1の外側を向いている。これにより、レンズドファイバ10を伝搬した光が平板40を介して外側に出射し、逆に、外側から入射した光が平板40を介してレンズドファイバ10に入射する。
平板40の外平面42には反射防止膜42Aがコーティングされている。図中では反射防止膜42Aが形成された面を黒く塗りつぶしている。光ファイバを伝搬する光は、この黒い面を通過することになる。反射防止膜42Aは、屈折率の異なる2種類の薄膜を積層したものである。これにより、平板40の端面での反射戻り光の影響を軽減することができる。
V溝基板20、押さえ板30及び平板40によって囲まれた空間には、接着剤が充填される(図6Aでは接着剤は不図示)。言い換えると、V溝基板20の受け部23には接着剤が充填される。これにより、レンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)と平板40の内平面41との間に接着剤が充填される。
第2実施形態によれば、レンズドファイバ10の端面に反射防止膜を形成する代わりに、反射防止膜42Aを有する平板40を配置することによって、反射戻り光の影響を軽減している。言い換えると、第2実施形態では、反射防止膜42Aを有する平板40を配置することによって、光ファイバの端面に反射防止膜を形成する処理が不要な構成になっている。
<製造方法>
図9は、第2実施形態の光ファイバアレイ1の製造方法のフロー図である。図中のS201〜S203は、第1実施形態の図2のS101〜S103と同じであるので、説明を省略する。
第2実施形態では、反射防止膜42Aが予めコーティングされた平板40を用意する(S204)。反射防止膜42Aは、蒸着装置などの成膜装置に平板40をセットし、屈折率の異なる2種類の薄膜を積層することによって形成される。成膜装置が1度に処理できる容積には限りがあるが、成膜処理の対象物は平板40単体であるため、成膜装置に多数の平板40をセットすることができる。つまり、成膜装置は多数の平板40に対して1度に成膜処理を施すことができるので、製造コストを下げることができる。
そして、接着剤を塗布して、レンズドファイバ10、V溝基板20、押さえ板30及び平板40を接着固定する(S205)。V溝21とレンズドファイバ10の間には隙間があるため、この隙間に接着剤が入り込み、V溝基板20とレンズドファイバ10が接着される。また、平板40の内平面41がレンズドファイバ10の端面(GRINレンズ12の端面)の側を向き、外平面42が光ファイバアレイ1の外側を向くように、レンズドファイバ10の端面に対して平板40を接着固定する。このとき、平板40は、V溝基板20の接着面22及び押さえ板30の接着面31に接着固定される。
また、平板40などを接着固定する際に、V溝基板20、押さえ板30及び平板40によって囲まれた空間に接着剤が充填される(受け部23に接着剤が充填される)。これにより、レンズドファイバ10の端面と平板40の内平面41との間に接着剤が充填され、フレネル反射を抑えることができる。
第2実施形態の製造方法によれば、光ファイバの端面に反射防止膜を形成する処理が不要であるため、低コストで行うことができる。また、1枚の平板40を接着固定するだけで複数の光ファイバの端面を一括して加工できるので、工数を減らすことができ、低コストである。
また、第2実施形態では、平板40をV溝基板20等に接着してから平板40の外平面42に反射防止膜42Aをコーティングするのではなく、反射防止膜42Aが予めコーティングされた平板40を用意し、このような平板40をV溝基板20等に接着している。これにより、光が入出力する光ファイバの端面に、反射防止膜42Aを低コストで形成できる。
<比較1>
反射防止膜42Aを有しない平板40をV溝基板20等に接着してから平板40に反射防止膜42Aを形成することが考えられる。但し、この場合、容積に限りのある成膜装置に光ファイバアレイ1(レンズドファイバ10、V溝基板20、押さえ板30及び平板40)をセットする必要があるため、成膜装置が1度に処理できる数が少なくなってしまう。
このため、平板40をV溝基板20等に接着してから平板40に反射防止膜42Aを形成する方法では、製造コストが高くなってしまう。
<比較2>
光ファイバの端面に反射防止膜を直接形成することも考えられる。但し、この場合、反射防止膜を形成する光ファイバの端面の面積は小さいものの、ある程度の長さの光ファイバを成膜装置にセットする必要があるため、成膜装置が1度に処理できる量は少ない。また、光ファイバの端部を例えばフェルールに保持させて、フェルールごと成膜装置にセットする場合には、成膜装置が1度に処理できる量は更に少なくなってしまう。
このため、光ファイバの端面に反射防止膜を直接形成する方法では、製造コストが高くなってしまう。
<変形例>
上記の説明では、平板40に反射防止膜42Aが形成されていた。但し、平板40に形成される薄膜は、これに限られるものではない。例えば、波長選択フィルタが平板40に形成されていても良いし、他の機能を果たす薄膜が平板40に形成されても良い。また、薄膜ではなく厚膜であっても良い。
===使用例===
図10A及び図10Bは、光ファイバアレイ1の使用例の説明図である。
図10Aは、1×8の光スイッチ3の説明図である。光スイッチ3は、固定部3Aと可動部3Bとを有する。固定部3Aは、前述の光ファイバアレイ1と同様の構成であり、8本の光ファイバが固定されている。可動部3Bも、前述の光ファイバアレイ1とほぼ同様の構成であり、1本の光ファイバを保持しつつ、固定部3Aに対向しながら図中の矢印の方向に移動可能である。
固定部3Aが前述の光ファイバアレイ1と同様の構成であれば、前述の図5Cで説明したように、固定部3Aのそれぞれの光ファイバの光の出射面(又は入射面)の向きが揃っている。このため、例えば、可動部3Bの光ファイバの光軸と、固定部3Aの図中の1番上及び1番下の2本の光ファイバの光軸との位置を調整するだけで、固定部3Aの他の光ファイバの光軸との位置も調整することができる。このように、固定部3Aのそれぞれの光ファイバの光の出射面(又は入射面)の向きが揃っているので、固定部3Aと可動部3Bとの組み立てが容易になる。
また、仮に光ファイバの光の出射面(又は入射面)の向きがバラバラな場合、いくら位置調整しても、固定部3Aの全ての光ファイバの光軸を可動部3Bの光ファイバの光軸に合わせられない場合が生じ得る。この場合、光スイッチの製造時の歩留まりが悪くなってしまう。これに対し、固定部3Aが前述の光ファイバアレイ1と同様の構成であれば、固定部3Aのそれぞれの光ファイバの光の出射面(又は入射面)の向きが揃っているため、固定部3Aの全ての光ファイバの光軸を可動部3Bの光ファイバの光軸に合わせることができ、光スイッチ3の製造時の歩留まりが向上する。
図10Bは、発光レーザモジュール5の説明図である。発光レーザモジュール5は、発光レーザアレイ5Aと、受光側光ファイバアレイ5Bとを有する。発光レーザアレイ5Aは、複数の面発光レーザと、それぞれの面発光レーザに対応して設けられた複数のレンズとから構成されている。受光側光ファイバアレイ5Bは、前述の光ファイバアレイ1と同様の構成であり、発光レーザアレイ5Aに対向して設けられている。
このように、発光レーザモジュール5に前述の光ファイバアレイ1を用いることによって、光スイッチ3の場合と同様に、光部品の組み立てが容易になる。また、発光レーザモジュール5に前述の光ファイバアレイ1を用いることによって、光スイッチ3の場合と同様に、発光レーザモジュール5の製造時の歩留まりが向上する。
以上説明した通り、前述の光ファイバアレイ1を用いることによって、光スイッチ3及び発光レーザモジュール5などの光部品の組み立てが容易になり、光部品を安価に製造することが可能である。
また、前述の光ファイバアレイ1は、比較例の図5Bのように端面の向きがバラバラになっていないため、光スイッチ3及び発光レーザモジュール5などの光部品の製造時の歩留まりを向上させることもできる。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、例えば以下のように変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<光ファイバの配置について>
前述の実施形態では、複数の光ファイバが左右方向に1列(一次元的)に並んでいた。但し、これに限られるものではない。例えば、複数の光ファイバが並ぶ列を2列に配列するなど、光ファイバを二次元的に配列しても良い。光ファイバを二次元的に配列する場合、例えば複数の光ファイバを円形に配列しても良い。
<光ファイバの数について>
前述の実施形態では、複数の光ファイバに対して、平板40が接着固定されていた。但し、これに限られるものではない。例えば、1本の光ファイバに対して、平板が接着固定されていても良い。
図11は、このような構成を採用した光アイソレータ7の説明図である。光アイソレータ7は、入射側光ファイバを保持する入射部7Aと、出射側光ファイバを保持する出射部7Bと、光アイソレータ素子7Cとを有する。入射部7Aと出射部7Bは、1本の光ファイバに対して平板が接着固定された構成になっている。光アイソレータ素子7Cは、入射側光ファイバから出射側光ファイバに向かって光を伝送させるが、出射側光ファイバから入射側光ファイバには光を伝送させない光素子である。
このような光アイソレータ7においても、1本の光ファイバに対して平板が接着固定された構成にすることによって、光スイッチ3の場合と同様に、組み立てが容易になる。
<光ファイバについて>
前述の実施形態では、シングルモード光ファイバ11の先にGRINレンズ12が設けられた光ファイバ(レンズドファイバ10)が用いられていた。但し、光ファイバの構成は、これに限られるものではない。
例えば、シングルモード光ファイバの先にGRINレンズが無くても良い(つまり、光ファイバアレイがコリメータアレイでなくても良い)。このような光ファイバの場合、光路にゴミ等があったり、光軸がずれたりすると接続損失が大きくなってしまう。但し、このような構成であっても、光ファイバの先に斜めに平板を配置したり、光ファイバの先に反射防止膜を有する平板を配置したりすることができる。そして、光ファイバの先に平板を接着固定するだけならば、光の入出力が行われる光ファイバの端面の加工を低コストで行うことができる。
また、シングルモード光ファイバ(SMF)の先ではなく、マルチモード光ファイバ(MMF)、分散シフト光ファイバ(DSF)、分散補償光ファイバ(DCF)、偏波保持光ファイバなどの光ファイバの先に平板を接着固定しても良い。また、これらの光ファイバやシングルモード光ファイバ(SMF)が1種類で単独で用いられる場合だけでなく、2種類以上の光ファイバが融着接続などにより組み合わされて用いられる場合にも、その光ファイバの先に平板を接着固定しても良い。この場合も、光の入出力が行われる光ファイバの端面の加工を低コストで行うことができる。
<接着剤について>
前述の実施形態の接着剤は屈折率整合剤を兼ねており、光ファイバの端面と平板との間に接着剤が充填されていた。但し、光ファイバの端面と平板との間に、接着剤とは別の屈折率整合剤を充填しても良い。この場合、接着剤と屈折率整合剤の両方を用意する必要があるものの、フレネル反射を抑えることができる。
<接着面について>
前述の実施形態では、V溝基板20と押さえ板30の両方にそれぞれ接着面が設けられていた。但し、いずれか一方の接着面が設けられていても良い。また、光ファイバの端面に対して平板を接着固定できるのであれば、V溝基板20や押さえ板30とは別の部材に接着面を設けても良い。
<固定方法について>
前述の実施形態では、接着剤を用いて、光ファイバの端面に対して平板を接着固定していた。但し、固定方法は、接着に限られるものではなく、他の方法でも良い。但し、接着による固定であれば、簡単な工程で光ファイバの端面に対して平板を固定できるので、低コストで行うことができる。
また、光ファイバの端面に対して平板を直接固定する必要性はなく、間接的に固定しても良い。例えば、光ファイバの側面をV溝基板に固定しつつ、平板をV溝基板に固定することによって、光ファイバの端面と平板とが間接的に固定されても良い。この場合、光ファイバの端面と平板との間に屈折率整合剤を充填すると良い。
1 光ファイバアレイ、
3 光スイッチ、3A 固定部、3B 可動部、
5 発光レーザモジュール、5A 発光レーザアレイ、5B 受光側光ファイバアレイ、
7 光アイソレータ、7A 入射部、7B 出射部、7C 光アイソレータ素子、
10 レンズドファイバ、11 シングルモード光ファイバ、12 GRINレンズ、
13 コアレス光ファイバ、
20 V溝基板、21 V溝、22 接着面(固定面)、23 受け部、
30 押さえ板、31 接着面(固定面)、
40 平板、41 内平面、42 外平面、42A 反射防止膜

Claims (7)

  1. 複数の光ファイバと、
    複数の前記光ファイバを支持する基板と、
    前記基板に支持された複数の前記光ファイバを押さえるための押さえ板と、
    前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板であって、一方の面が複数の前記光ファイバの端面の側を向き、他方の面が外側に向くように、複数の前記光ファイバの端面に対して固定された平板と
    を有し、
    複数の前記光ファイバの端面と前記平板との間に、前記平板を接着固定する接着剤となる屈折率整合剤が充填されており、
    前記平板の一方の面と前記平板の他方の面とが平行であり、
    前記基板に傾斜面が形成されており、前記押さえ板に傾斜面が形成されており、前記基板の前記傾斜面及び前記押さえ板の前記傾斜面を固定面として前記平板が固定されることによって、前記平板の一方の面及び他方の面が、複数の前記光ファイバの光軸に対して斜めになるように、前記平板が固定されている
    ことを特徴とする光ファイバアレイ。
  2. 請求項1に記載の光ファイバアレイであって、
    成膜処理が施された前記平板が前記光ファイバの端面に対して固定されていることを特徴とする光ファイバアレイ。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバアレイであって、
    前記光ファイバは、GRINレンズを有することを特徴とする光ファイバアレイ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバアレイを備えた光スイッチ。
  5. 複数の光ファイバを用意する工程と、
    複数の前記光ファイバを支持する基板を用意する工程と、
    前記基板に支持された複数の前記光ファイバを押さえるための押さえ板を用意する工程と、
    一方の面と他方の面とが平行であり、前記光ファイバを伝搬する光を透過可能な平板を用意する工程と、
    前記平板の一方の面が複数の前記光ファイバの端面の側を向き、前記平板の他方の面が外側に向くように、複数の前記光ファイバの端面に対して前記平板を固定する工程と
    を有し、
    複数の前記光ファイバの端面と前記平板との間に、前記平板を接着固定する接着剤となる屈折率整合剤を充填させ、
    前記基板に傾斜面が形成されており、前記押さえ板に傾斜面が形成されており、前記基板の前記傾斜面及び前記押さえ板の前記傾斜面を固定面として前記平板が固定されることによって、前記平板の一方の面及び他方の面が、複数の前記光ファイバの光軸に対して斜めになるように、前記平板を固定する
    ことを特徴とする端面加工方法。
  6. 請求項5に記載の端面加工方法であって、
    前記平板を固定する工程の前に、前記平板に成膜処理を予め施すことを特徴とする端面加工方法。
  7. 請求項6に記載の端面加工方法であって、
    成膜装置に複数の平板をセットして、前記複数の平板に対して一度に成膜処理を施すことを特徴とする端面加工方法。
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