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JP5340997B2 - 塗膜除去ボルト及びその製造方法 - Google Patents

塗膜除去ボルト及びその製造方法 Download PDF

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JP5340997B2 JP2010045366A JP2010045366A JP5340997B2 JP 5340997 B2 JP5340997 B2 JP 5340997B2 JP 2010045366 A JP2010045366 A JP 2010045366A JP 2010045366 A JP2010045366 A JP 2010045366A JP 5340997 B2 JP5340997 B2 JP 5340997B2
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Description

本発明は塗膜除去ボルト及びその製造方法に関するものである。より詳しくは、雌ねじ部に塗料が付着し塗膜が形成されているナットその他の雌ねじ部を備えた部材(以下「ナット等」という。)に螺入する際に、雌ねじ部の塗膜を除去しつつ円滑にナット等に螺入することができ、十分な締付力でもってナット等と締結することができる塗膜除去ボルト及びその製造方法に関するものである。
一般に、ボルトを用いて複数の部材を互いに締結することにより組み立てられる一方、少なくとも一部の部材に塗装が施される組立体の製作過程においては、ある部材に塗装が施された後、この部材に他の部材がボルト締結される場合がある。例えば、自動車の車体の組み立て過程においては、まず車体の主要部をなす板状部材にナットを溶接し、次にこの板状部材に塗装を施し、この後ナットにボルトを螺入することにより他の部材を板状部材に固定する場合がある。
この場合、板状部材に塗装を行う際に、ナットの雌ねじ部に塗料が付着する。とくに、ナットの雌ねじ部のねじ山間の谷部、あるいはねじ山のフランク面にはかなりの量の塗料が付着する。このように、雌ねじ部に塗料が付着して塗膜が形成されたナットにボルトを螺入する場合、雌ねじ部に付着している塗料により、ナットの雌ねじ部とボルトの雄ねじ部との間のクリアランスが過少又は皆無となり、雌ねじ部と雄ねじ部との間の摩擦力が増大し締付異常が発生することがある。このような締付異常が発生すると、ボルトとナットとの間に十分な締付軸力が得られず、ボルトとナットとを強固ないしは確実に締結することができない。
また、例えばボルトが自動車のアースボルトである場合、該ボルトと車体ないしは該車体に溶接されたナットとの間に通電性を確保することが必要であるが、ナットの雌ねじ部に塗料が付着していると、塗料が絶縁性のものであるときには、ボルトと車体ないしはナットと間の通電性を十分に確保することができない。
そこで、図1〜図3に示すように、雄ねじ部1が形成されたボルト軸部2の外周面に、ボルト先端部3からボルトヘッド部4側に向かってボルト中心軸方向に伸びる溝5を形成する一方、溝5の周縁部近傍の部分では、雄ねじ部1のねじ山の高さをその他の部分よりも高くした塗料除去ボルトが提案されている(特許文献1参照)。この従来の塗料除去ボルトでは、溝5の周縁部近傍の部分に形成されたねじ山の高さが高い部分6(以下「ねじ山隆起部6」という。)により、該塗料除去ボルトが螺入されるナット等の雌ねじ部(図示せず)に付着した塗料を除去するようにしている。なお、特許文献1に開示された塗料除去ボルトでは、溝5の一方の側の周縁部のねじ山隆起部6は刃6aとして形成され、他方の側のねじ山隆起部6は逃げ部6bとして形成されている。
この従来の塗料除去ボルトのねじ山隆起部6はおよそ次のような手順で形成される。すなわち、雄ねじ部1を形成する前に冷間加工によりボルト軸部2に溝5を形成する。その際、図4に示すように、溝5の周縁部に突出部7が形成される。この後、ボルト軸部2に転造成形により雄ねじ部1を形成する。その結果、突出部7に対応する部分はねじ山の高さが高くなってねじ山隆起部6(刃6a及び逃げ部6b)となり、突出部7以外の部分は通常の高さのねじ山(以下「正規ねじ山部」という。)となる。
特開平05−318017号公報
図5及び図6に示すように、特許文献1に開示された従来の塗料除去ボルトにおいては、ねじ山隆起部6(刃6a及び逃げ部6b)の高さは正規ねじ山部の高さHよりも高いので、ナット等に塗料除去ボルトを螺入する際に、ねじ山隆起部6により雌ねじ部に付着している塗料を除去することができる。
しかしながら、塗料除去ボルトをナット等に螺入する際に、ねじ山隆起部6(刃6a及び逃げ部6b)をナット等の雌ねじ部と干渉ないしは係合させる際には、ねじ山隆起部6の正規ねじ山部より高い部分、すなわち正規ねじ山部に比べて体積が増加している部分(以下「体積増加部分」という。)を、図6中に矢印Pで示すように塑性流動により変形させながら塗料除去ボルトをナット等に螺入しなければならない。また、塗料除去ボルトは逃げ溝6bを備えているが、ねじ山隆起部6の体積増加部分と雌ねじ部のねじ山との間の干渉度合いが大き過ぎると、この部位で塗料除去ボルトの素材を塑性流動させるための摩擦力が増大し、適正な締付力が得られず、正常な締付を行うことができなくなるといった問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、雌ねじ部に塗料が付着して塗膜が形成されたナット等にボルトを螺入する際に、塗料ないしは塗膜を除去しつつ適正な締付力でボルトをナット等に締結することを可能にする手段を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る塗膜除去ボルトにおいては、ボルト軸部の雄ねじ部が形成された部分の外周部に、ボルト先端からボルト末端側に向かって伸びる溝部が形成されている。そして、溝部の少なくとも一方の側縁部(溝肩部)の近傍において雄ねじ部に、該雄ねじ部のねじ山の頂部近傍部がボルト軸線方向に突出するように変形されてなるねじ山変形部が形成されている。なお、ねじ山変形部は、溝部の両側縁部の近傍にそれぞれ形成されているのが好ましい。また、溝部は複数形成されているのが好ましい。この塗膜除去ボルトは、例えば下記のような製造方法で製造することができる。
すなわち、まず、冷間鍛造成形により、ボルト材料のボルト軸部の外周面に、ボルト先端からボルト末端側に向かって伸びる溝部を形成する。次に、ネジ転造成形により、ボルト軸部の外周面に雄ねじ部を形成する。この後、溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍において、雄ねじ部のねじ山の頂部近傍部がボルト軸線方向に突出するように雄ねじ部を塑性変形させることによりねじ山変形部を形成する。これにより、塗膜除去ボルトが完成する。
本発明に係る塗膜除去ボルトにおいては、ねじ山変形部は、雄ねじ部の頂部近傍部がボルト末端側に傾倒する(倒れる)ように塑性変形させられたものであるのが好ましい。この塗膜除去ボルトは、例えば下記のような製造方法で製造することができる。
すなわち、まず、冷間鍛造成形により、ボルト材料のボルト軸部の外周面に、ボルト先端からボルト末端側に向かって伸びる溝部を形成する。次に、ねじ転造成形により、ボルト軸部の外周面に雄ねじ部を形成する。そして、溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍に対応する部分以外の部分ではボルト軸部の横断面の外周形状に符合(フィット)する形状を有する一方、溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍に対応する部分ではボルト軸部の横断面の外周形状よりも縮小された形状を有する中空部を備えた金型を準備する。この後、中空部の形状とボルト軸部の横断面の外周形状とが符合する位置関係を維持しつつ、ボルト材料をボルト先端側から上記中空部に圧入し、中空部の周壁により、溝部の側縁部の近傍で上記雄ねじ部の頂部近傍部を、ボルト末端側に傾倒するように塑性変形させてねじ山変形部を形成する。これにより、塗膜除去ボルトが完成する。
本発明に係る塗膜除去ボルトにおいては、ねじ山変形部は、雄ねじ部の頂部近傍部がボルト径方向に圧潰されボルト先端側及びボルト末端側にはみ出すように塑性変形させられたものであってもよい。この塗膜除去ボルトは、例えば下記のとおりの製造方法で製造することができる。
すなわち、まず、冷間鍛造成形により、ボルト材料のボルト軸部の外周面に、ボルト先端からボルト末端側に向かって伸びる溝部を形成する。次に、ねじ転造成形により、ボルト軸部の外周面に雄ねじ部を形成する。この後、溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍に対応する部分において雄ねじ部の頂部近傍部を、押圧部材を用いてプレス成形によりボルト径方向に圧潰しボルト先端側及びボルト末端側にはみ出すように塑性変形させてねじ山変形部を形成する。これにより、塗膜除去ボルトが完成する。
本発明に係る塗膜除去ボルトによれば、雌ねじ部に塗料が付着して塗膜が形成されたナット等に該塗膜除去ボルトを螺入する際に、ねじ山変形部により塗膜を剥離し、剥離した塗料ないしは塗膜を溝部を経由して外部に除去することができる。このように、塗料ないしは塗膜をナット等の雌ねじ部から除去することができるので、適正な締付力でボルトをナット等に円滑に螺入して強固に締結することができる。また、ボルトとナット等との間に導電性をもたせる必要がある場合、例えば塗膜除去ボルトが自動車のアースボルトである場合は、ボルトとナット等との間に導電性を確実に確保することができる。
ねじ山変形部は、正規ねじ山部すなわち普通のねじ山部を、例えばボルト末端側に傾倒するように塑性変形させ、あるいは雄ねじ部の頂部近傍部をボルト径方向に圧潰して塑性変形させることにより形成されたものであるので、ねじ山変形部の形成によりねじ山部の体積増加は生じない。すなわち、ねじ山変形部を伴ったねじ山部の体積は、正規ねじ山部の体積と実質的に同一である。このため、ねじ山変形部とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、この部位で塗膜除去ボルトの素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大せず、適正な締付力でもって塗膜除去ボルトをナット等に強固に締め付けることができる。
本発明に係る塗膜除去ボルトの製造方法によれば、前記のとおりの効果を奏する各種塗膜除去ボルトを容易にかつ安価に製造することができる。
従来の塗料除去ボルト側面図である。 図1に示す塗料除去ボルトの下面図である。 図1に示す塗料除去ボルトの軸部のねじ山が形成された部分の模式的な側面断面図である。 図1に示す塗料除去ボルトを製造する過程において、溝が形成された状態における塗料除去ボル材料の側面図である。 図1に示す塗料除去ボルトのねじ山の模式的な側面断面図であり、ねじ山隆起部の高さと通常ねじ山部の高さの相違を示している。 図1に示す塗料除去ボルトの拡大された下面図であり、該塗料除去ボルトを雌ねじに螺入する際におけるねじ山隆起部の塑性流動の態様を示している。 塗膜除去機能をもたせるためにボルトのねじ山を変形させる1つの手法を示す図である。 塗膜除去機能をもたせるためにボルトのねじ山を変形させるもう1つの手法を示す図である。 軸部に溝が形成されたボルトの側面図である。 本発明の実施形態1に係るボルトの側面図である。 図12に示すボルトのA−A線断面図であり、溝肩部におけるねじ山の形状を示している。 図10に示すボルトの溝まわりの軸部を拡大して示す側面図である。 本発明の実施形態2に係るボルトの側面図である。 図15に示すボルトのB−B線断面図であり、溝肩部におけるねじ山の形状を示している。 図13に示すボルトの溝まわりの軸部を拡大して示す側面図である。 (a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態1に係るボルトの製造過程の途中にあるボルト材料の上面図、側面図及び下面図であり、溝が形成された後においてねじ山が形成される前の状態を示している。 図16(b)に示すボルト材料のC−C線断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態1に係るボルトの製造過程の途中にあるボルト材料の上面図、側面図及び下面図であり、ねじ山が形成された後の状態を示している。 図18(b)に示すボルト材料のD−D線断面図である。 図18(b)に示すボルト材料のD−D線断面図である。 金型及び該金型内に配置されたボルト材料の軸部の上面断面図(横断面図)である。 (a)はねじ山を変形させる前の状態におけるボルト材料の側面図であり、(b)は(a)に示すボルト材料を変形させるための金型の側面図であり、(c)は(b)に示す金型を矢印Fで示す方向からみた下面図である。 ねじ山を変形させた後の状態におけるボルト材料の側面図である。
(本発明の前提となる技術思想)
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。まず、図7〜図9を参照しつつ、本発明の前提となる技術思想を説明する。特許文献1にも開示されているように、ボルトのねじ山部の一部を隆起させてねじ山隆起部を設けると、該ボルトがナット等に螺入されたときに、ねじ山隆起部がナット等の雌ねじ部と干渉する。そして、この干渉により雌ねじ部に付着している塗料を剥離させ除去することができる。しかしながら、前記のとおり、ねじ山隆起部を設けると、ねじ山の体積増加により、ねじ山隆起部がナット等の雌ねじ部と干渉するときにボルト素材を塑性流動させるための摩擦力が増大し、適正な締付力が得られないといった問題が生じる。
そこで、図7に示すように、ボルト材料に正規ねじ山部10を形成した後、この正規ねじ山部10をボルト径方向下向きにプレスないしは圧潰してボルト中心軸の伸びる方向(図7中の位置関係では左右方向)の両側にはみ出すように塑性変形させてねじ山変形部11(以下「プレスねじ山変形部11」という。)を形成するといった手法が考えられる。なお、このようなプレスねじ山変形部11は、例えば、まずボルト材料に正規ねじ山部10を形成し、この正規ねじ山部10の所定の部分の頂部に、当接面が平坦な押圧部材12を当接させ、この押圧部材12に所定の成形荷重Lを加えることにより形成することができる。
この場合、プレスねじ山変形部11を伴ったねじ山部の体積は、正規ねじ山部10の体積と実質的に同一であるので、プレスねじ山変形部11とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、ボルト素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大しない。
しかしながら、剥離された塗料がボルトの雄ねじ部とナット等の雌ねじ部との隙間に溜まり、これにより摩擦力が増大する。また、ボルトとナット等との間に導電性をもたせる必要がある場合、例えばボルトが自動車のアースボルトである場合は、ボルトとナット等との間の導電性を十分に確保することができない。なお、プレスねじ山変形部11とナット等の雌ねじ部との干渉度合いが大きい場合、プレスねじ山変形部11は元の正規ねじ山部10の形状に復元しにくいので、ナット等に螺入したときに、ボルトとナット等との間の締付摩擦力の増大や、ボルトとナット等の固着(ガジリ付き)が生じるおそれがある。
また、図8に示すように、ボルト材料に正規ねじ山部10を形成した後、この正規ねじ山部10を、その頂部近傍部がボルト末端側(図8中の位置関係では左向き)に傾倒するように塑性変形させてねじ山変形部13(以下「傾倒ねじ山変形部13」という。)を形成するといった手法が考えられる。
この場合、傾倒ねじ山変形部13を伴ったねじ山部の体積は、正規ねじ山部10の体積と実質的に同一であるので、傾倒ねじ山変形部13とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、ボルト素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大しない。
しかしながら、この場合も、剥離された塗料がボルトの雄ねじ部とナット等の雌ねじ部との隙間に溜まり、これにより摩擦力が増大する。また、ボルトとナット等との間に導電性をもたせる必要がある場合、ボルトとナット等との間の導電性を十分に確保することができない。なお、この場合も、傾倒ねじ山変形部13とナット等の雌ねじ部との干渉度合いが大きい場合、傾倒ねじ山変形部13は元の正規ねじ山部10の形状に復元しにくいので、ナット等に螺入したときに、ボルトとナット等との間の締付摩擦力の増大や、ボルトとナット等の固着(ガジリ付き)が生じるおそれがある。
(実施形態1に係る塗膜除去ボルト)
以下、図9〜図12を参照しつつ、本発明の実施形態1に係る塗膜除去ボルトの構成及び機能を具体的に説明する。図9は、溝部は形成されているものの、ねじ山変形部が形成されていない、本願発明に係る塗膜除去ボルトとの比較のための比較例であるボルト15の側面図であり、図10は本発明の実施形態1に係る溝部及び傾倒ねじ山変形部が形成された塗膜除去ボルト16Aの側面図である。
図9に示すように、比較例に係るボルト15は、ボルトヘッド部17とボルト軸部18とを有し、ボルト軸部18の外周面には雄ねじ部19が形成されている。ボルト軸部18の先端部近傍には雄ねじが形成されていない先端テーパ部20が設けられる一方、末端部近傍には雄ねじが形成されていないボルト首部21が設けられている。そして、ボルト軸部18の外周部には、先端テーパ部20からボルト首部21ないしはボルトヘッド部17に向かって、ボルト中心軸と平行な方向に直線状に伸びる2つの溝部22が設けられている。両溝部22は、ボルト15の円周方向に関して、互いに中心角で180°ずれた位置に配置されている。なお、各溝部22は、ボルト首部21よりややボルト先端側の部位において雄ねじ部19が形成された部分で終端している。
図10に示すように、本発明の実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aは、基本的には比較例に係るボルト15と同様に、ボルトヘッド部17と、ボルト軸部18と、雄ねじ部19と、先端テーパ部20と、ボルト首部21と、2つの溝部22とを備えている。さらに、塗膜除去ボルト16Aにおいては、各溝部22の両側縁部24(溝肩部)の近傍において雄ねじ部19に、該雄ねじ部19のねじ山の頂部近傍部がボルト首部21側ないしはボルトヘッド部17側に、すなわち圧力側フランク面方向に傾倒するように塑性変形されてなる傾倒ねじ山変形部25が形成されている。ただし、ボルト先端側の1つの小径の雄ねじと、ボルト末端側のいくつかの雄ねじとには、傾倒ねじ山変形部25は形成されていない。
前記のとおり、塗膜除去ボルト16Aの傾倒ねじ山変形部25は、図9に示すような普通の雄ねじ部19すなわち正規ねじ山部を、ボルト首部21側すなわち圧力側フランク面方向に傾倒するように塑性変形させることにより形成されたものである。したがって、傾倒ねじ山変形部25の形成により雄ねじ部19の体積増加は生じない。すなわち、傾倒ねじ山変形部25が形成された雄ねじ部の体積は、傾倒ねじ山変形部25が形成されていない正規の雄ねじ部の体積と実質的に同一である。
なお、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aは2つの溝部22を備えているが、溝部22の数は2つに限定されるわけではなく、1つであってもよく、また3つ以上であってもよい。各溝部22の深さはとくには限定されないが、該塗膜除去ボルト16Aを螺入すべきナット等に付着している塗料ないしは塗膜が多い場合は、その量に応じて溝部22の深さを深くするのが好ましい。また、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aでは、ボルト締付回転方向に関して溝部22の先行側及び後行側の両側縁部24(溝肩部)の近傍にそれぞれ雄ねじ部19に傾倒ねじ山変形部25を形成しているが(図12参照)、溝部22の先行側又は後行側のいずれか一方の側縁部24の近傍にのみ傾倒ねじ山変形部25を形成してもよい。
塗膜除去ボルト16Aにおいて、溝部22は、該塗膜除去ボルト16Aが螺入されるナット等の雌ねじ部から剥離して除去した塗料ないしは塗膜を外部に円滑に排出する機能を有する。さらに、溝部22は、後で詳しく説明するように、該溝部22の両側縁部24(両溝肩部)の近傍において雄ねじ部19に形成された傾倒ねじ山変形部25が、ナット等の雌ねじ部と干渉して変形するときの抵抗を低減する機能を有する。
以下、図11及び図12を参照しつつ、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aにおける溝部22及び傾倒ねじ山変形部25の機能ないしは作用・効果を説明する。塗膜除去ボルト16Aを図12中の矢印Rで示すようにボルト中心軸まわりに回転させ、雌ねじ部に塗料ないしは塗膜が付着しているナット等に螺入する際に、傾倒ねじ山変形部25は、塗膜除去ボルト16Aの回転に伴い、ナット等の雌ねじ部に付着している塗料ないしは塗膜を剥離する。このように剥離された塗料は、塗膜除去ボルト16Aのボルト中心軸まわりの回転に伴い、溝部22を経由して外部に押し出され、排出される。
このように、傾倒ねじ山変形部25及び溝部22によって、塗料ないしは塗膜がナット等の雌ねじ部から外部に除去されるので、適正な締付力で塗膜除去ボルト16Aをナット等に円滑に螺入して強固に締結することができる。また、塗膜除去ボルト16Aとナット等との間に導電性をもたせる必要がある場合、例えば塗膜除去ボルト16Aが自動車のアースボルトである場合は、塗膜除去ボルト16Aとナット等との間の導電性を確実に確保することができる。
前記のとおり、傾倒ねじ山変形部25の形成により雄ねじ部19の体積増加は生じないので、傾倒ねじ山変形部25が形成された雄ねじ部の体積は、傾倒ねじ山変形部25が形成されていない正規の雄ねじ部の体積と実質的に同一である。このため、傾倒ねじ山変形部25とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、この部位で塗膜除去ボルト16Aの素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大せず、適正な締付力でもって塗膜除去ボルト16Aをナット等に強固に締め付けることができる。
また、塗膜除去ボルト16Aをナット等に螺入する際には、ボルト首部21側すなわち圧力側フランク面方向に突起している傾倒ねじ山変形部25は、ナット等の雌ねじ部のフランク面と干渉する。他方、傾倒ねじ山変形部25は、溝部22の側縁部24(溝肩部)に形成されているので、雄ねじ部19の基部によって片持ち梁(カンチレバー)の形態で支持されているだけであり、さほど堅固に支持されていない。
このため、傾倒ねじ山変形部25とナット等の雌ねじ部との干渉度合いが大きい場合は、図11中の矢印Qで示すように、傾倒ねじ山変形部25は雌ねじ部のフランク面によって容易に変形させられ、おおむね元の形状すなわち正規の雄ねじ部19の形状に復帰する。このため、塗膜除去ボルト16Aとナット等との間の締付摩擦力の増大、あるいは塗膜除去ボルト16Aとナット等の固着(ガジリ付き)は生じない。したがって、傾倒ねじ山変形部25とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、この部位で塗膜除去ボルト16Aの素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大せず、適正な締付力でもって塗膜除去ボルト16Aをナット等に強固に締め付けることができる。
なお、図8に示すように溝部を設けず単純に傾倒ねじ山変形部13を設けたボルトでは、前記のとおり、傾倒ねじ山変形部13とナット等の雌ねじ部との干渉度合いが大きい場合、傾倒ねじ山変形部13は元の正規ねじ山部10の形状に復元しにくいので、ナット等に螺入したときに、ボルトとナット等との間の締付摩擦力の増大やボルトとナット等の固着が生じる。
(実施形態2に係る塗膜除去ボルト)
以下、図13〜図15を参照しつつ、本発明の実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bの構成及び機能を具体的に説明する。ただし、実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bは前記の実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aと多くの共通点をもつので、説明の重複を避けるため、以下では主として実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aと異なる点を説明する。なお、図13〜図15に示す塗膜除去ボルト16Bにおいて、図10〜図12に示す実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aと共通する構成要素には、同一の参照番号を付している。
図13〜図15に示すように、実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bにおいては、各溝部22の両側縁部24(溝肩部)の近傍において雄ねじ部19に、該雄ねじ部19のねじ山の頂部近傍部が下向きにプレス(圧潰)され、正規のフランク面に対して、ボルト中心軸の伸びる方向の両側にはみ出すように塑性変形されてなるプレス型ねじ山変形部27が形成されている。ただし、ボルト先端側のいくつかの雄ねじと、ボルト末端側のいくつかの雄ねじにはプレスねじ山変形部27は形成されていない。なお、プレスねじ山変形部27の頂部はほぼ平坦である。
前記のとおり、塗膜除去ボルト16Bのプレスねじ山変形部27は、図9に示すような普通の雄ねじ部19すなわち正規ねじ山部を、正規のフランク面に対して、ボルト中心軸の伸びる方向にはみ出すように塑性変形させることにより形成されたものである。したがって、プレスねじ山変形部27の形成により雄ねじ部19の体積増加は生じない。すなわち、プレスねじ山変形部27が形成された雄ねじ部の体積は、プレスねじ山変形部27が形成されていない正規の雄ねじ部の体積と実質的に同一である。
塗膜除去ボルト16Bにおいて、溝部22は、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aの場合と同様に、ナット等の雌ねじ部から剥離して除去した塗料ないしは塗膜を外部に円滑に排出する機能を有する。さらに、溝部22は、該溝部22の両側縁部24(溝肩部)近傍において雄ねじ部19に形成されたプレスねじ山変形部27が、ナット等の雌ねじ部と干渉して変形するときの抵抗を低減する機能を有する。
以下、実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bにおける溝部22及びプレスねじ山変形部27の機能ないしは作用・効果を説明する。塗膜除去ボルト16Bをボルト中心軸まわりに回転させ、雌ねじ部に塗料ないしは塗膜が付着しているナット等に螺入する際に、プレスねじ山変形部27は、塗膜除去ボルト16Bの回転に伴い、ナット等の雌ねじ部に付着している塗料ないしは塗膜を剥離する。このように剥離された塗料は、塗膜除去ボルト16Bのボルト中心軸まわりの回転に伴い、溝部22を経由して外部に押し出され、排出される。
このように、プレスねじ山変形部27及び溝部22によって、塗料ないしは塗膜がナット等の雌ねじ部から外部に除去されるので、適正な締付力で塗膜除去ボルト16Bをナット等に円滑に螺入して強固に締結することができる。また、塗膜除去ボルト16Bとナット等との間に導電性をもたせる必要がある場合、例えば塗膜除去ボルト16Bが自動車のアースボルトである場合は、塗膜除去ボルト16Bとナット等との間の導電性を確実に確保することができる。
前記のとおり、プレスねじ山変形部27の形成により雄ねじ部19の体積増加は生じないので、プレスねじ山変形部27が形成された雄ねじ部の体積は、プレスねじ山変形部27が形成されていない正規の雄ねじ部の体積と実質的に同一である。このため、プレスねじ山変形部27とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、この部位で塗膜除去ボルト16Bの素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大せず、適正な締付力でもって塗膜除去ボルト16Bをナット等に強固に締め付けることができる。
また、塗膜除去ボルト16Bをナット等に螺入する際には、ボルト中心軸方向に関して両側にはみ出しているプレスねじ山変形部27は、ナット等の雌ねじ部のフランク面と干渉する。他方、プレスねじ山変形部27は溝部22の側縁部24(溝肩部)に形成されているので、さほど堅固に支持されていない。
このため、プレスねじ山変形部27とナット等の雌ねじ部との干渉度合いが大きい場合は、プレスねじ山変形部27は雌ねじ部のフランク面によって容易に変形させられ、おおむね元の形状すなわち正規の雄ねじ部19の形状に復帰する。このため、塗膜除去ボルト16Bとナット等との間の締付摩擦力の増大、あるいは塗膜除去ボルト16Bとナット等の固着(ガジリ付き)は生じない。したがって、プレスねじ山変形部27とナット等の雌ねじ部との間の干渉度合いが大きい場合でも、この部位で塗膜除去ボルト16Bの素材を塑性流動させるための摩擦力はさほど増大せず、適正な締付力でもって塗膜除去ボルト16Bをナット等に強固に締め付けることができる。
なお、図7に示すように溝部を設けず単純にプレスねじ山変形部11を設けたボルトでは、前記のとおり、プレスねじ山変形部11とナット等の雌ねじ部との干渉度合いが大きい場合、プレスねじ山変形部11は元の正規ねじ山部10の形状に復元しにくいので、ナット等に螺入したときに、ボルトとナット等との間の締付摩擦力の増大やボルトとナット等の固着が生じるおそれがある。
(実施形態1に係る塗膜除去ボルトの製造方法)
以下、図16〜図22を参照しつつ、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aの製造方法を説明する。この塗膜除去ボルト16Aの製造方法においては、まず図16(a)〜(c)及び図17に示すように、所定の金属材料からなりボルトヘッド部17及びボルト軸部18を備えたボルト材料30に対して冷間鍛造成形が施され、ボルト軸部18の外周面に、ボルト材料先端又はボルト材料先端近傍部からボルト材料末端側に向かってボルト材料中心軸方向に直線状に伸びる2つの溝部22が形成される。両溝部22は、ボルト材料30の円周方向に関して、互いに中心角で180°ずれた位置に配置されている。溝部22のボルト材料中心軸方向に伸びる両側縁部24(溝肩部)は、傾倒ねじ山変形部25を形成するための金型32(図21参照)の損傷を防止するため、R形状(丸められた形状)に形成される。なお、溝部22の側縁部24がエッジ状である場合は、金型32に損傷が生じやすい。
次に、図18(a)〜(c)、図19及び図20に示すように、ボルト材料30にねじ転造成形が施され、ボルト軸部18の外周面に雄ねじ部19が形成される。なお、溝部22は、ボルト首部21よりややボルト先端側の部位において雄ねじ部19が形成された部分で終端している。ここで、ボルト軸部18の先端部近傍には雄ねじが形成されていない先端テーパ部20が存在する一方、末端部近傍には雄ねじが形成されていないボルト首部21が存在する。なお、図19中において、T(二点鎖線)は、ねじ転造成形が施される前のボルト材料30の外周面ないしは外径を示している。また、図20中において、G1及びG2は、それぞれ、雄ねじ部19の外径及び谷径を示している。前記のとおり溝部22の側縁部24(溝肩部)がR形状に形成されているので、溝部22の側縁部24に対応する部分34では雄ねじ部19はR形状となる。
この後、図21〜図23に示すように、溝部22の両側縁部24の近傍において、雄ねじ部19の頂部近傍部をボルト材料末端側に傾倒するように塑性変形させて傾倒ねじ山変形部25を形成する。具体的には、まず、中空部33を備えた金型32を準備する。図21に示すように、金型32の中空部33は、溝部22の側縁部24の近傍に対応する部分以外の部分では、J1及びJ2で示すように、ボルト軸部18の横断面の外周形状に符合(フィット)する形状を備えている。他方、溝部22の側縁部24の近傍に対応する部分では、J3で示すように、ボルト軸部18の横断面の外周形状J4よりも縮小された形状を備えている。なお、図21は、金型32の断面と、ねじ耘造成形が施された後におけるボルト材料30のボルト軸部18の雄ねじ部19の横断面とを重ね合わせた図であり、実線は金型32の形状を示し、二点鎖線は雄ねじ部19の横断面を示している。
そして、図22(a)〜(c)及び図23に示すように、中空部33の形状とボルト軸部18の横断面の外周形状とが符合する位置関係を維持しつつ同軸状に、ボルト材料30をボルト先端側から金型32の中空部33に圧入する。かくして、中空部33の周壁により、溝部22の側縁31の近傍で雄ねじ部19の頂部近傍部が、ボルト末端側に傾倒するように塑性変形させられ、傾倒ねじ山変形部25が形成される。以上により、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aが完成する。なお、図22(a)〜(c)は傾倒ねじ山変形部25が形成される前の状態を示し、図23は傾倒ねじ山変形部25が形成された後の状態を示している。
前記のとおり、金型32の中空部33は、溝部22の側縁部24の近傍に対応する部分ではボルト軸部18の横断面の外周形状よりも縮小された形状を有するので、ボルト材料30を中空部33に圧入したときに、雄ねじ部19の中空部33よりも外側の部分、すなわち図21中にSで示す領域に対応する部分が傾倒ないしは塑性変形させられて傾倒ねじ山変形部25となる。ここで、図21中のSで示す領域を増減することにより、雄ねじ部19の塑性変形量ないしは傾倒ねじ山変形部25の大きさを増減することができる。なお、ボルト軸部18に形成された溝部22は、ボルト材料30を中空部33に圧入する際に、ボルト材料30と金型32とを位置決めする機能を有する。この製造方法によれば、実施形態1に係る塗膜除去ボルト16Aを、容易にかつ安価に製造することができる。
(実施形態2に係る塗膜除去ボルトの製造方法)
以下、実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bの製造方法を説明する。この塗膜除去ボルト16Bの製造方法においては、塗膜除去ボルト16Aの製造方法の場合と同様に、所定の金属材料からなりボルトヘッド部17及びボルト軸部18を備えたボルト材料30に対して冷間鍛造成形が施され、ボルト軸部18の外周面に、ボルト材料先端又はボルト材料先端近傍部からボルト材料末端側に向かってボルト材料中心軸方向に直線状に伸びる2つの溝部22が形成される(図16(a)〜(c)及び図17参照)。次に、塗膜除去ボルト16Aの製造方法の場合と同様に、ボルト材料30にねじ転造成形が施され、ボルト軸部18の外周面に雄ねじ部19が形成される(図18(a)〜(c)、図19及び図20参照)。
この後、溝部22の両側縁部24の近傍に対応する部分において雄ねじ部19の頂部近傍部を、押圧部材(図7参照)を用いてボルト径方向にプレス成形を施して圧潰し、雄ねじ部19の頂部近傍部をボルト先端側及びボルト末端側の両側にはみ出すように塑性変形させてプレスねじ山変形部27を形成する。以上により、実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bが完成する。この製造方法によれば、実施形態2に係る塗膜除去ボルト16Bを、容易にかつ安価に製造することができる。
1 ねじ山、2 ボルト軸部、3 ボルト先端部、4 ボルトヘッド部、5 溝、6 ねじ山隆起部、6a 刃、6b 逃げ部、7 突出部、10 正規ねじ山部、11 プレスねじ山変形部、12 押圧部材、13 傾倒ねじ山変形部、15 ボルト、16A 塗膜除去ボルト、16B 塗膜除去ボルト、17 ボルトヘッド部、18 ボルト軸部、19 雄ねじ部、20 先端テーパ部、21 ボルト首部、22 溝部、24 側縁部、25 傾倒ねじ山変形部、27 プレスねじ山変形部、30 ボルト材料、32 金型、33 中空部。

Claims (6)

  1. ボルト軸部の雄ねじ部が形成された部分の外周部に、ボルト先端又はボルト先端近傍部からボルト末端側に向かって伸びる溝部が形成され、
    上記溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍において上記雄ねじ部に、該雄ねじ部のねじ山の頂部近傍部がボルト軸線方向に突出するように塑性変形されてなるねじ山変形部が形成されていることを特徴とする塗膜除去ボルト。
  2. 上記ねじ山変形部は、上記雄ねじ部の頂部近傍部がボルト末端側に傾倒するように塑性変形させられたものであることを特徴とする、請求項1に記載の塗膜除去ボルト。
  3. 上記ねじ山変形部は、上記雄ねじ部の頂部近傍部がボルト径方向に圧潰されボルト先端側及びボルト末端側にはみ出すように塑性変形させられたものであることを特徴とする、請求項1に記載の塗膜除去ボルト。
  4. 請求項1に記載の塗膜除去ボルトの製造方法であって、
    冷間鍛造成形により、ボルト材料のボルト軸部の外周面に、ボルト材料先端又はボルト材料先端近傍部からボルト材料末端側に向かって伸びる溝部を形成し、
    ねじ転造成形により、ボルト軸部の外周面に雄ねじ部を形成し、
    上記溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍において、上記雄ねじ部のねじ山の頂部近傍部がボルト軸線方向に突出するように上記雄ねじ部を塑性変形させることによりねじ山変形部を形成することを特徴とする塗膜除去ボルトの製造方法。
  5. 請求項2に記載の塗膜除去ボルトの製造方法であって、
    冷間鍛造成形により、ボルト材料のボルト軸部の外周面に、ボルト材料先端又はボルト材料先端近傍部からボルト材料末端側に向かって伸びる溝部を形成し、
    ねじ転造成形により、ボルト軸部の外周面に雄ねじ部を形成し、
    上記溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍に対応する部分以外の部分ではボルト軸部の横断面の外周形状に符合する形状を有する一方、上記溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍に対応する部分では上記ボルト軸部の横断面の外周形状よりも縮小された形状を有する中空部を備えた金型を準備し、
    上記中空部の形状と上記ボルト軸部の横断面の外周形状とが符合する位置関係を維持しつつ、上記ボルト材料をボルト先端側から上記中空部に圧入し、上記中空部の周壁により、上記溝部の側縁部の近傍で上記雄ねじ部の頂部近傍部を、ボルト材料末端側に傾倒するように塑性変形させてねじ山変形部を形成することを特徴とする塗膜除去ボルトの製造方法。
  6. 請求項3に記載の塗膜除去ボルトの製造方法であって、
    冷間鍛造成形により、ボルト材料のボルト軸部の外周面に、ボルト材料先端又はボルト材料先端近傍部からボルト材料末端側に向かって伸びる溝部を形成し、
    ねじ転造成形により、ボルト軸部の外周面に雄ねじ部を形成し、
    上記溝部の少なくとも一方の側縁部の近傍に対応する部分において上記雄ねじ部の頂部近傍部を、押圧部材を用いてプレス成形によりボルト径方向に圧潰しボルト先端側及びボルト末端側にはみ出すように塑性変形させてねじ山変形部を形成することを特徴とする塗膜除去ボルトの製造方法。
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