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JP5238185B2 - 直接酸化型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を水素に改質せずに直接用いる直接酸化型燃料電池に関する。
ユビキタスネットワーク社会の進展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、ディジタルスチルカメラ等のモバイル機器の需要が大きく伸びている。モバイル機器の電源として、充電が不要であり、燃料を補給すれば機器を継続して利用することができる燃料電池の早期実用化が期待されている。
燃料電池の中でも、メタノール、ジメチルエーテル等の有機燃料を水素に改質せずに、アノードに直接供給して酸化し発電する直接酸化型燃料電池が、活発に研究開発されている。これは、直接酸化型燃料電池が、有機燃料の持つ理論エネルギー密度の高さ、システムの簡素化、燃料貯蔵のしやすさの面等から注目されているからである。
直接酸化型燃料電池は、固体高分子電解質膜とその両側に配置されたアノードおよびカソードとを含む膜−電極接合体(以下、MAEと称す)、およびMAEを挟み込むセパレータを有する単位セルを備える。アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層と拡散層を含む。このような直接酸化型燃料電池は、アノードに燃料と水を供給し、カソードに酸化剤を供給することで発電する。
例えば、燃料としてメタノールを用いる直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCと称す)の電極反応は、以下の通りである。
アノード:CH3OH+H2O → CO2+6H++6e-
カソード:3/2O2+6H++6e- → 3H2
すなわち、アノードでは、メタノールと水が反応して二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成される。プロトンは電解質膜を通ってカソードに到達し、電子は外部回路を経由してカソードに到達する。カソードでは、酸素ガス、プロトンおよび外部回路を経由したカソードに到達した電子が結合して水が生成される。
しかしながら、このDMFCの実用化にはいくつかの問題点が存在している。
その一つは、耐久性確保に関する問題である。DMFCの発電性能の初期劣化は、発電時間とともに、カソードの触媒層内部またはカソードの触媒層と拡散層との界面部分に水が蓄積し、酸素ガスの拡散性が低下することによるカソード過電圧増加が主原因と考えられている。さらに、この初期劣化は、メタノールが未反応のまま電解質膜を通過しカソードに達する現象であるメタノールクロスオーバー(以下、MCOと称す)の影響を強く受ける。MCO量の増加は、カソード活性化過電圧の増加を引き起こすとともに、発生した二酸化炭素ガスにより酸素ガスの拡散性がさらに低下し、その結果、発電性能が大幅に低下する。
上記初期劣化は、MCO量の多い燃料流路の上流部で生じやすく、特に、MEAを介して、燃料流路の上流部と対向している酸化剤流路内の酸素ガス濃度が低い場合に顕著となる。つまり、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とが逆方向の時に起こりやすい劣化であると考えられる。なお、直接酸化型燃料電池においては、従来より、水素ガスを燃料として用いる燃料電池と同様に、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とが逆方向になるように構成されている。これは、アノードとカソードとが電解質膜を挟んで対向している発電領域において、電流密度を均一化させるために、過電圧のバランスを維持するためである。
この初期劣化を改善するために、カソードに多量の酸化剤を供給する方法が考えられる。しかし、酸化剤供給手段である空気ポンプやブロワ等を大型化する必要がある。また、このような手段の大型化により、駆動電力が増大する。さらに、酸化剤の供給量を多くしすぎると、MEAを構成している固体高分子電解質膜や触媒層中の高分子電解質が乾燥し、プロトン伝導性が悪化する。その結果、発電特性が大幅に低下する。
一方、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向に関して、固体高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCと称す)においては、従来から数多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、発電領域の投影面積を100%としたとき、燃料流路を流れる燃料の向きと酸化剤流路を流れる酸化剤の向きとが逆向きとなる対向流領域が発電領域の70%以上を占める燃料電池が開示されている。
特許文献2には、単位セルの積層方向を重力方向に対して垂直とし、かつアノード側とカソード側の反応面における湿度分布が互いに逆分布となるように、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給口、排出口、およびガス流路を配置した燃料電池が開示されている。
特開2006−202570号公報 特開2002−184428号公報
しかしながら、上記のような従来技術の構成を用いたとしても、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域における過電圧の増加を抑制することはできない。このため、優れた耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供することは困難である。
特許文献1および特許文献2に代表される技術のように、発電領域内の水分布の均一化を促進させるために、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向にして、水分を発電領域内部で循環させる構成が考えられる。しかし、燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域での過電圧の増加を抜本的に解決することはできない。
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するもので、連続発電時に、MCO量の多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域での過電圧の増加を抑制し、優れた耐久性を有する直接酸化型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の両側にそれぞれ配置された、触媒層と拡散層を含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側セパレータ、ならびに前記カソードに酸素ガスを含む酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソード側セパレータを具備した少なくとも1つの単位セルを有する。燃料流路および酸化剤流路は、何れも蛇行形状を有するように構成されると共に、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度が、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くなるように構成されている。
すなわち、本発明者らは、従来より一般的に行われている燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向にする、つまり燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度を燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも低くするのではなく、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度を燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くすることにより、燃料電池の耐久性を向上できることを見出した。
本発明の一実施形態において、前記燃料の流れ方向と前記酸化剤の流れ方向とが同一方向であることが好ましい。つまり、燃料流路の上流部と酸化剤流路の上流部とが対向していることが好ましい。
さらに、このとき、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とは、重力方向(重力が作用する方向)と同一方向であることがさらに好ましい。つまり、燃料流路の上流部と酸化剤流路の上流部とが、重力方向の上方に位置し、燃料流路の下流部と酸化剤流路の下流部とが、重力方向の下方に位置することが好ましい。
ここで、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向とは、燃料流路および酸化剤流路に沿った流れの方向を指すのではなく、発電領域中における燃料の全体としての平均的な流れの方向および酸化剤の全体としての平均的な流れの方向のことをいう。例えば、燃料電池の対向する第1端部および第2端部に、それぞれ燃料入口および燃料出口が設けられている場合、第1端部から第2端部に向かう方向が燃料の流れ方向である。このことは、酸化剤の流れ方向についても同様である。
燃料経路の上流部とは、上記燃料の流れ方向において、発電領域(セパレータのアノードとが接している領域)の燃料入口側の1/4の領域のことをいい、燃料経路の下流部とは、発電領域の燃料出口側の1/4の領域のことをいう。このことは、酸化剤流路においても同様である。
本発明の別の実施形態において、前記燃料の流れ方向と前記酸化剤の流れ方向とが逆方向であり、前記燃料流路の上流部に対向する前記酸化剤流路内に酸素ガス濃度の高い酸化剤が供給されることが好ましい。つまり、燃料流路の上流部と酸化剤流路の下流部とが対向しており、燃料流路の下流部と酸化剤流路の上流部とが対向しており、前記酸化剤流路の下流部が、酸素ガス濃度が高い酸化剤が供給される第2の酸化剤供給口を有することが好ましい。
また、本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の両側にそれぞれ配置された、触媒層と拡散層を含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側セパレータ、ならびに前記カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソード側セパレータを具備し、燃料流路および酸化剤流路が何れも蛇行形状を有するように構成されている少なくとも1つの単位セルを有する直接酸化型燃料電池の運転方法に関する。この運転方法においては、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度が、燃料流路の下流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くなるように、燃料流路および酸化剤流路に、燃料および酸化剤を供給する。
本発明の燃料電池においては、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度が、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度よりも高くなるように、燃料および酸化剤が供給される。これにより、クロスオーバーするメタノールの量が多い燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域における過電圧の増加を抑制することができる。さらに、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路に低湿度の酸化剤が供給されるため、触媒層の細孔部の水閉塞が起こりにくく、酸素ガスの拡散性を確保することもできる。その結果、耐久性に優れた直接酸化型燃料電池を提供することができる。
以下に、本発明を、図面を参照しながら説明するが、本発明は、これらの実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本発明の直接酸化型燃料電池は、電解質膜とその両側にそれぞれ配置されたアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、アノードに接するアノード側セパレータ、ならびにカソードに接するカソード側セパレータを具備する少なくとも1つの単位セルを有する。アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層および拡散層を含む。アノード側セパレータは、アノードに接する面に、アノードに燃料を供給するための燃料流路を有する。カソード側セパレータは、カソードに接する面に、カソードに酸素ガスを含む酸化剤を供給するための酸化剤流路を有する。
本発明の直接酸化型燃料電池においては、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度が、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度よりも高くなるように、燃料および酸化剤が、それぞれ燃料流路および酸化剤流路に供給される。
図1および2に、本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池を示す。本実施形態の燃料電池においては、燃料流路の上流部と酸化剤流路の上流部とを対向させて、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向が同一方向とされ、且つ、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向が重力方向に対して垂直となるように、燃料電池が構成されている。
図1の燃料電池は、1つの単位セル1から構成されている。単位セル1は、電解質膜10と、電解質膜10を挟むアノード11およびカソード12とからなる膜−電極接合体(MEA)13、並びにMEA13を挟むアノード側セパレータ14およびカソード側セパレータ15を備える。
アノード11は、電解質膜10に接するアノード触媒層16とアノード側セパレータ14に対向するアノード拡散層17を含む。カソード12は、電解質膜10に接するカソード触媒層18とカソード側セパレータ15に対向するカソード拡散層19を含む。
アノード11およびカソード12の周囲には、それぞれ、燃料、酸化剤、および反応生成物の外部への漏洩を防止するために、電解質膜10を挟んでガスケット22および23が配置されている。さらに、図1の燃料電池は、セパレータ14および15の両側に、それぞれ、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、並びに端板30および31を有する。単位セル1は、締結手段(図示せず)により一体化されている。
電解質膜10は、プロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性等に優れていることが好ましい。電解質膜10を構成する材料(高分子電解質)は、電解質膜10が前記特性を有すれば、特に限定されない。
アノード触媒層16およびカソード触媒層18は、厚さ10〜100μm程度の薄膜であり、触媒金属微粒子を担持した導電性炭素粒子または触媒金属微粒子と、高分子電解質とを主成分とする。アノード触媒層16の触媒金属には、例えば、白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金微粒子を用いることができる。カソード触媒層18の触媒金属には、例えば、Pt微粒子を用いることができる。各触媒層に含まれる高分子電解質は、電解質膜10を構成する材料と同一であることが好ましい。
アノード側セパレータ14は、アノード11と対向する面に、アノードに燃料を供給し、未使用燃料および反応生成物を排出する燃料流路20を有する。カソード側セパレータ15は、カソードと対向する面に、カソードに酸化剤を供給し、未使用酸化剤および反応生成物を排出する酸化剤流路21を有する。
燃料流路および酸化剤流路の形状は、特に限定されないが、発電領域全体を通るような蛇行形状を有していることが好ましい。各々の流路の溝幅は、0.5〜5mmであることが好ましい。また、2つ以上の流路が設けられる場合、流路間の間隔は、0.5〜5mmであることが好ましい。これは、燃料や酸化剤が流路内を移動する際の圧力損失の低減および電子伝導性の確保とともに、発電領域への燃料や酸化剤の供給および発電領域からの反応生成物の排出を容易にするためである。
図2に、本実施形態の直接酸化型燃料電池における燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向と重力方向との関係の一例を示す。図2の燃料電池においては、上記のように、燃料の流れ方向(矢印A)および酸化剤の流れ方向(矢印B)が同一方向であり、且つ、前記燃料電池は、燃料および酸化剤の流れ方向が重力方向に対して垂直方向となるように配置されている。なお、図2に示される燃料電池において、MEAとそれを挟み込むセパレータのみが示され、他の構成要素は省略されている。このことは、以下の図面においても同様である。
図2において、アノード側セパレータ14に設けられた燃料入口32およびカソード側セパレータ15に設けられた酸化剤入口39は、単位セルの同じ側に位置している。アノード側セパレータ14に設けられた燃料出口34およびカソード側セパレータ15に設けられた酸化剤出口41は、燃料入口32および酸化剤入口39が設けられた側とは反対側に位置している。なお、本実施形態の燃料電池において、燃料流路20の上流部が酸化剤流路21の上流部と対向するように配置され、且つ燃料流路20の下流部が酸化剤流路21の下流部と対向するように配置されている。つまり、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とが同一方向となっている。
なお、本実施形態において、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向が同一になるのであれば、燃料入口、燃料出口、酸化剤入口、および酸化剤出口の位置は、前記に限定されない。
燃料入口32は、単位セル1の周囲に設けられた外部マニホルド内の燃料供給部33に接続されている。燃料出口34は、単位セル1の周囲に設けられた外部マニホルド内の燃料排出部35に接続されている。
燃料タンク36には、所定濃度のメタノール水溶液やジメチルエーテル水溶液等の燃料が貯蔵されている。燃料タンク36中の燃料は、ポンプ37により所定流量に調整された後、供給管38を介して燃料供給部33に供給される。その後、アノード側セパレータ14に設けられた燃料流路20に沿って発電領域内部を蛇行しながら流れる。なお、燃料は、全体としては、重力方向に垂直である燃料移動方向Aの向きに移動する。そして、発電に利用されずに残存した余剰燃料と反応生成物である二酸化炭素とが燃料排出部35から排出される。
酸化剤入口39は、単位セル1の周囲に設けられた外部マニホルド内の酸化剤供給部40に接続されている。酸化剤出口41は、単位セル1の周囲に設けられた外部マニホルド内の酸化剤排出部42に接続されている。
酸素ガスを含む酸化剤は、例えば、ファンのような酸化剤供給装置43を用いて、酸化剤供給部40に供給される。酸化剤は、セパレータ15の酸化剤流路21に沿って発電領域内部を蛇行しながら流れる。酸化剤は、全体としては、重力方向に垂直である酸化剤移動方向Bの向きに移動する。そして、発電に利用されずに残存した余剰酸化剤と水とが酸化剤排出部42から排出される。なお、酸化剤としては、例えば、酸素ガスを含む混合ガスを用いることができる。このようなガスとしては、例えば、空気等が挙げられる。
本実施形態においては、酸化剤に含まれる酸素ガスの濃度は、酸化剤が酸化剤流路を進行するにつれて低下する。よって、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路の酸素ガス濃度が、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路の酸素ガス濃度よりも高くなる。
上記のように、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度を高くしているため、クロスオーバーしたメタノールの酸化によるカソード過電圧の増加を抑制することが可能となる。さらに、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路に、低湿度の酸化剤が供給される。このため、触媒層の細孔部の水閉塞が起こりにくく、酸化剤の拡散性が確保される。その結果、耐久性に優れた直接酸化型燃料電池を提供することができる。
燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とは、図2に示されるように、同じであることが好ましい。これにより、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度を、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度よりも、容易に高くすることができる。
燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向は、重力方向に対して、図2に示されるように垂直であってもよいし、重力方向と同じ方向であってもよい。
次に、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向が、重力方向と同じ場合について、説明する。
(実施の形態2)
本実施形態における直接酸化型燃料電池を、図3を参照しながら説明する。本実施形態の燃料電池は、実施の形態1と基本的には同一の単位セル構造を有しているが、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とがともに重力方向と同一方向となるように構成されている。つまり、燃料流路の上流部と酸化剤流路の上流部とが、重力方向の上方に位置し、燃料流路の下流部と酸化剤流路の下流部とが、重力方向の下方に位置している。
なお、本実施形態における直接酸化型燃料電池の構造を示す縦断面略図については、図1を参照して説明した実施の形態1と基本的には同一構成であるため、その説明は省略する。
図3に、本実施形態の直接酸化型燃料電池における燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向と重力方向との関係の一例を示す。図3においても、燃料および酸化剤の供給方法は、実施の形態1と基本的に同じである。
図3において、アノード側セパレータ14の燃料入口32は、外部マニホルド内の燃料供給部33に接続され、燃料出口34は、外部マニホルド内の燃料排出部35に接続されている。
燃料タンク36中の燃料は、ポンプ37により所定流量に調整された後、供給管38を介して燃料供給部33に供給される。その後、燃料は、アノード側セパレータ14の燃料流路20に沿って発電領域内部を蛇行しながら流れる。燃料は、全体としては、重力方向と同一方向である燃料移動方向Aの向きに移動する。発電に利用されずに残存した余剰燃料と反応生成物である二酸化炭素とが燃料排出部35から排出される。
カソード側セパレータ15の酸化剤入口39は、外部マニホルド内の酸化剤供給部40に接続され、酸化剤出口41は、外部マニホルド内の酸化剤排出部42に接続されている。酸化剤は、酸化剤供給装置43を用いて、酸化剤供給部40に供給される。その後、酸化剤は、酸化剤流路21に沿って発電領域内部を蛇行しながら流れる。酸化剤は、全体としては、重力方向と同一方向である酸化剤移動方向Bの向きに移動する。発電に利用されずに残存した余剰酸化剤と水とが酸化剤排出部42から排出される。
本実施形態においても、酸化剤に含まれる酸素ガスの濃度は、酸化剤が酸化剤流路を進行するにつれて低下する。よって、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度は、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くなる。
さらに、本実施形態においては、燃料および酸化剤の流れ方向が、重力方向と同じになっている。このため、燃料流路の上流部に対向しているカソード側の発電領域での水排出性が改善される。よって、カソードにおける凝縮水による細孔閉塞が抑制され、カソードにおける酸素ガスの拡散性がさらに向上される。したがって、燃料電池の耐久性をさらに向上させることができる。
(実施の形態3)
本実施形態の燃料電池においては、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向とし、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路(つまり、酸化剤流路の下流部)内に、酸素ガス濃度の高い酸化剤を別途供給するように構成されている。このような構成により、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度を、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くしている。
なお、本実施形態で用いられる燃料電池の構造は、実施の形態1で用いた燃料電池と基本的には同一構成であるため、その説明は省略する。
図4に、本実施形態の燃料電池に含まれるカソード側セパレータ51の正面図を示す。カソード側セパレータ51のカソードと接する面には、酸化剤入口52a、酸化剤出口52b、および酸化剤入口52aと酸化剤出口52bとを連通して酸化剤を流す役割を担う酸化剤流路52が形成されている。酸化剤流路52の形状は、特に限定されないが、カソード12に接している発電領域54(点線で囲まれている領域)の全体を通るような蛇行形状を有していることが好ましい。
本実施形態においては、さらに、酸化剤入口52aの近傍であり、かつ発電領域54の外部に位置する分岐部52cと、酸化剤流路52の下流側の湾曲部52dに設けられた第2の酸化剤供給口52eとを連通して酸化剤を流す役割を担う酸化剤供給用流路53が形成されている。酸化剤供給用流路53は、発電領域54の外部を通るように配置されているために、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内(つまり、酸化剤流路の下流部内)に、低湿度で酸素ガス濃度の高い酸化剤を供給することができる。
酸化剤供給用流路53の溝幅は、酸化剤が流路内を移動する際の圧力損失の低減ならびに電子伝導性の確保のために、0.5〜5mmであることが好ましい。
なお、酸化剤供給用流路53は、図4に示されるように、1つであってもよいし、2つ以上設けられてもよい。また、酸化剤供給用流路が2つ以上設けられる場合、各流路は、異なる湾曲部に接続されていてもよいし、同じ湾曲部に接続されていてもよい。
図5に、図4に示されるカソード側セパレータを備える燃料電池における燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向と重力方向との関係の一例を示す。図5の燃料電池において、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向とし、かつ、酸化剤の流れ方向と重力方向とを同一方向としている。なお、図5の燃料電池において、燃料入口と酸化剤出口が、それぞれアノード側セパレータおよびカソード側セパレータの下部側に設けられ、燃料出口と酸化剤入口が、それぞれアノード側セパレータおよびカソード側セパレータの上部側に設けられている。
カソード側セパレータ51の酸化剤入口52aは、単位セルの周囲に設けられた外部マニホルド内の酸化剤供給部55に接続されている。酸化剤出口52bは、外部マニホルド内の酸化剤排出部56に接続されている。酸化剤は、酸化剤供給装置57(例えば、ファン)を用いて、酸化剤供給部55に供給される。その後、酸化剤は、酸化剤流路52に沿って発電領域内部を蛇行しながら流れる。さらに、酸化剤の一部は、酸化剤入口の近傍で分岐し発電領域外部に配置された酸化剤供給用流路を経由した後、酸化剤流路の下流側の湾曲部に設けられた第2の酸化剤供給口に供給される。本実施形態において、酸化剤は、全体として、燃料の移動方向Aとは反対向きである方向Bの向きに移動する。発電に利用されずに残存した余剰酸化剤と水とは、酸化剤排出部56から排出される。
なお、アノードへの燃料供給は、燃料の流れ方向を重力方向と逆方向としたこと以外は、実施の形態2(図3)の場合と同様である。
上記のような構成とすることにより、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度を、燃料流路の下流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガスの濃度より高くすることができるとともに、カソード側の全発電領域内での酸素ガス濃度を高く維持することができる。よって、カソード過電圧を発電領域内で均一に低減されるため、燃料電池の耐久性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態において、燃料および酸化剤の流れ方向は、図5に示されるように重力方向と平行であってもよいし、重力方向に対して垂直であってもよい。
なお、上記実施の形態1〜3では、単位セル1の周囲に外部マニホルドを設けた直接酸化型燃料電池の一例を示したが、セパレータおよびMEAの周縁部に、燃料流路、酸化剤流路に接続する内部マニホルドを設けてもよい。
以下、本発明を、実施例に基づいて詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明を何ら限定するものではない。
《実施例1》
アノード触媒粒子として、平均粒径3nmのPt−Ru合金微粒子(Pt:Ruの重量比=2:1)を用いた。
カソード触媒粒子としては、平均粒径3nmのPtを担持させた導電性炭素粒子を用いた。前記導電性炭素粒子としては、カーボンブラック(三菱化学(株)製のケッチェンブラックEC)を用い、その平均一次粒子径は30nmであった。Ptの量は、Ptとカーボンブラックの合計の50重量%とした。
アノード触媒粒子をイソプロパノール水溶液中に超音波分散させた後、この分散液に高分子電解質を添加し、ビーズミルで高分散させることにより、アノード触媒ペーストを調製した。この際、アノード触媒ペースト中の触媒粒子と高分子電解質の重量比を1:1とした。
カソード触媒ペーストは、カソード触媒粒子を用いたこと以外、アノード触媒ペーストと同様な方法で調製した。この際、カソード触媒ペースト中の触媒粒子と高分子電解質の重量比を1:1とした。
アノード触媒ペーストおよびカソード触媒ペーストにおいて、高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子(株)製のFlemion)を用いた。
アノード触媒ペースおよびカソード触媒ペーストを、それぞれ、ドクターブレードを用いてポリテトラフルオロエチレンシート(ニチアス(株)製のナフロンPTFEシート)上に塗布し、大気中60℃で2時間乾燥した。こうして、片面にアノード触媒層を備えるアノード触媒シートおよび片面にカソード触媒層を備えるカソード触媒シートを得た。
次に、各触媒シートを6cm×6cmのサイズに切断した。切断後の各触媒シートと電解質膜とを、電解質膜2を中心にして、各触媒層が電解質膜2に接するように積層し、ホットプレス法(130℃、7MPa、5分間)により熱接合した。電解質膜2としては、パーフルオロアルキルスルホン酸イオン交換膜(DuPont社製のNafion112)を用いた。
このようにして得られた接合体からポリテトラフルオロエチレンシートを剥がすことにより、膜−触媒層接合体(CCM)を作製した。アノード触媒層7中のPt−Ru触媒の量は5.8mg/cm2であり、カソード触媒層9中のPt触媒の量は1.3mg/cm2であった。
次に、上記CCMの両側に、それぞれ6cm×6cmのサイズに切断されたアノード拡散層8およびカソード拡散層10を積層し、ホットプレス法(130℃、4MPa、3分間)により、CCMにアノード拡散層およびカソード拡散層を接合した。
アノード拡散層8としては、カーボンペーパー(東レ(株)製のTGP−H090)を用いた。このカーボンペーパーの片面には、厚さ約30μmの撥水性のカーボン層(ポリテトラフルオロエチレンを40重量%含む)を形成しておいた。アノード拡散層のカーボン層に含まれる炭素材料としては、ファーネスブラック(Cabot社製のVulcan XC−72)を用いた。カソード拡散層10としては、片面に撥水性のカーボン層が付与されたカーボンクロス(E−TEK社製のLT2500W)を用いた。アノード拡散層およびアノード拡散層は、CCMに撥水性のカーボン層が接するように積層した。
得られた接合体のアノード3およびカソード4の周囲に、かつ電解質膜2を挟み込むように、ガスケット13および14を熱溶着(130℃、4MPa、5分間)することで、膜−電極接合体(MEA)を作製した。ガスケットとしては、シリコーンゴム層とポリエーテルイミド層とシリコーンゴム層の3層からなるものを用いた。
このMEAを、外寸が10cm×10cmの、セパレータ14および15、集電板24および25、シート状のヒータ26および27、絶縁板28および29、ならびに端板30および31で両側から挟み込み、締結ロッドで固定して、単位セルaを得た。この時の締結圧は、セパレータの面積あたりで20kgf/cm2とした。セパレータ14および15は、厚みが4mmの樹脂含浸黒鉛材(東海カーボン(株)製のG347B)を用いた。セパレータ14のアノードに接する面およびセパレータ15のカソードに接する面には、それぞれ、幅1.5mm、深さ1mmのサーペンタイン型の燃料流路11および酸化剤流路12が形成されていた。燃料流路11および酸化剤流路12の全長は、約780mmであった。
集電板24および25としては、金メッキ処理を施したステンレス鋼板を使用した。シート状のヒータには、サミコンヒータ(坂口電熱(株)製)を用いた。
以上のような方法で得られた単位セルaにおいて、図2に示すように、燃料流路の上流部と酸化剤流路の上流部とを対向させ、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向を同一方向とし、且つ、前記単位セルaを、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向を重力方向に対して垂直方向となるように配置した。こうして、実施の形態1の直接酸化型燃料電池(燃料電池A)を得た。
《実施例2》
実施例1で得られた単位セルaにおいて、図3に示すように、燃料流路の上流部と酸化剤流路の上流部とを対向させ、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向を同一方向とし、且つ、前記単位セルaを、燃料および酸化剤の流れ方向を重力方向と同一方向になるように配置した。こうして、実施の形態2の直接酸化型燃料電池(燃料電池B)を得た。
《実施例3》
カソード側セパレータとして、図4に示されるような、酸化剤流路52の下流側の湾曲部52dに接続された酸化剤供給用流路53を有するセパレータ51を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、単位セルbを作製した。カソード側セパレータ51において、酸化剤流路の幅、深さ、および全長は、実施例1と同じにした。
酸化剤供給用流路の幅は、1.5mmとし、深さは1mmとし、全長は約60mmとした。
図5に示されるように、この単位セルbにおいて、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向とし、且つ、前記単位セルbを、酸化剤の流れ方向を重力方向に対して同一方向となるように配置した。このようにして、実施の形態3の直接酸化型燃料電池(燃料電池C)を得た。
《比較例1》
実施例1で得られた単位セルaにおいて、燃料流路の上流部と酸化剤流路の下流部とを対向させ、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向とし、且つ、前記単位セルaを、燃料の流れ方向および酸化剤の流れ方向を重力方向に対して垂直方向となるように配置した。こうして、比較燃料電池1を得た。
《比較例2》
実施例1で得られた単位セルaにおいて、燃料流路の上流部と酸化剤流路の下流部とを対向させ、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とを逆方向とし、且つ、前記単位セルaを、酸化剤の流れ方向が重力方向に対して同一方向となるように配置した。こうして、比較燃料電池2を得た。
実施例1〜3で作製した燃料電池A〜Cおよび比較例1〜2で作製した燃料電池1〜2の耐久特性を、以下のようにして評価した。評価方法を以下に示す。
[評価]
(1)耐久特性
4Mメタノール水溶液を流量0.2ml/minでアノードに供給し、空気を流量0.2L/minでカソードに供給し、電池温度60℃にて、電圧0.4Vで発電させた。発電開始から4時間経過したときの電流密度と前記電圧値から、電力密度を算出した。得られた値を初期電力密度とした。
この後、各燃料電池を、電圧0.4Vで1000時間連続して発電し、1000時間経過したときの電流密度と前記電圧値から、1000時間経過後の電力密度を算出した。初期電力密度に対する1000時間経過後の電力密度の比率を、電力密度維持率とした。結果を表1に示す。表1において、電力密度維持率は、百分率値で表している。なお、表1には、燃料と酸化剤の流れの方向および酸化剤供給用流路の有無についても示す。
Figure 0005238185
表1に示されるように、燃料電池A〜Cの電力密度維持率は、非常に高い値であった。本発明においては、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度を高くすることができるため、クロスオーバーメタノールの酸化によるカソード過電圧の増加を抑制することができる。さらに、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路に低湿度の空気を供給することができるため、触媒層の細孔部の水閉塞が起こりにくくなり、酸素ガスの拡散性を長期間維持することが可能となる。その結果、燃料電池の耐久特性を飛躍的に向上させることができると考えられる。
これに対して、比較燃料電池1〜2の電力密度維持率は、燃料電池A〜Cの電力密度維持率と比較して、顕著に低い値であった。これらの比較燃料電池では、燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向とが逆方向となっており、このため、燃料流路の上流部に対向する酸化剤流路内の酸素ガス濃度が低い。この場合、カソードに蓄積した水、発生した二酸化炭素等の影響により、MEAにおける酸素ガスの拡散性が低下するとともに、これに伴う電流密度の低下によるMCO量の増加が生じる。このようなことが主原因となって、発電を長期間にわたって行った場合、発電初期に比べて、カソード過電圧が著しく増大し、その結果として、比較燃料電池1〜2の耐久特性が悪化したと推察される。
本発明の直接酸化型燃料電池は、メタノール、ジメチルエーテル等を水素に改質せずに燃料として直接用いることができるとともに、優れた耐久性を有するため、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノートPC、ビデオカメラ等の携帯用小型電子機器用の電源として有用である。また、本発明の直接酸化型燃料電池は、電動スクータ用電源等にも適用することができる。
本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池の構造を概略的に示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池における燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向と重力方向との関係を示す概略図である。 本発明の別の実施形態に係る直接酸化型燃料電池における燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向と重力方向との関係を示す概略図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る直接酸化型燃料電池に含まれるカソード側セパレータの正面図である。 図4に示されるカソード側セパレータを含む直接酸化型燃料電池における燃料の流れ方向と酸化剤の流れ方向と重力方向との関係を示す概略図である。
符号の説明
1 単位セル
10 電解質膜
11 アノード
12 カソード
13 膜−電極接合体
14 アノード側セパレータ
15、51 カソード側セパレータ
16 アノード触媒層
17 アノード拡散層
18 カソード触媒層
19 カソード拡散層
20 燃料流路
21、52 酸化剤流路
22、23 ガスケット
24、25 集電板
26、27 シート状のヒータ
28、29 絶縁板
30、31 端板
32 燃料入口
33 燃料供給部
34 燃料出口
35 燃料排出部
36 燃料タンク
37 ポンプ
38 供給管
39、52a 酸化剤入口
40、55 酸化剤供給部
41、52b 酸化剤出口
42、56 酸化剤排出部
43、57 酸化剤供給装置
52c 分岐部
52d 湾曲部
52e 第2の酸化剤供給口
53 酸化剤供給用流路
54 発電領域

Claims (5)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の両側にそれぞれ配置された、触媒層と拡散層とを含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、
    前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側セパレータ、ならびに
    前記カソードに酸素ガスを含む酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソード側セパレータを具備した少なくとも1つの単位セルを有する直接酸化型燃料電池であって、
    前記燃料流路および前記酸化剤流路が、何れも蛇行形状を有するように構成されると共に、前記燃料流路の上流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素ガス濃度が、前記燃料流路の下流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くなるように構成されており、前記燃料の流れ方向と前記酸化剤の流れ方向とが同一方向であると共に、これらの流れ方向は重力方向と同一方向である、直接酸化型燃料電池。
  2. 電解質膜と、前記電解質膜の両側にそれぞれ配置された、触媒層と拡散層とを含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、
    前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側セパレータ、ならびに
    前記カソードに酸素ガスを含む酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソード側セパレータを具備した少なくとも1つの単位セルを有する直接酸化型燃料電池であって、
    前記燃料流路および前記酸化剤流路が、何れも蛇行形状を有するように構成されると共に、前記燃料流路の上流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素ガス濃度が、前記燃料流路の下流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素ガス濃度よりも高くなるように構成されている、直接酸化型燃料電池。
  3. 前記燃料の流れ方向と前記酸化剤の流れ方向とが同一方向である、請求項2記載の直接酸化型燃料電池。
  4. 前記燃料の流れ方向と前記酸化剤の流れ方向とが逆方向であり、前記燃料流路の上流部に対向する前記酸化剤流路内に酸素濃度の高い酸化剤が供給される、請求項2記載の直接酸化型燃料電池。
  5. 電解質膜と、前記電解質膜の両側にそれぞれ配置された、触媒層と拡散層を含むアノードおよびカソードとを備える膜−電極接合体、前記アノードに燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側セパレータ、ならびに前記カソードに酸化剤を供給するための酸化剤流路を有するカソード側セパレータを具備し、前記燃料流路および前記酸化剤流路が何れも蛇行形状を有するように構成されている少なくとも1つの単位セルを有する直接酸化型燃料電池の運転方法であって、
    前記燃料流路の上流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素濃度が、前記燃料流路の下流部に対向する前記酸化剤流路内の酸素濃度よりも高くなるように、前記燃料流路および前記酸化剤流路に、前記燃料および前記酸化剤を供給する、運転方法。
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