JP5220323B2 - イオン性ポリマー、並びに、これを用いた電解質及び電気化学デバイス - Google Patents
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Description
なかでも、リチウム電池は、高エネルギー密度で起電力が高い電池として、携帯電話,PHS(簡易携帯電話),小型コンピューター等の携帯機器類に用いられている。一般に、リチウム電池に用いられる電解質は、有機溶媒にLiPF6やLiBF4等の電解質塩を溶解したものが多く用いられているが、これらの電解質は液体であるため、漏液、凍結、蒸発といった問題があると同時に、形状の自由度・軽量化が困難であるといった問題があった。
[式中、n=3〜9の整数、M1 +は、アルカリ金属イオンを示す。]
[式中、nは前記一般式(I)で表わされる構造単位と同様]
[式中、m=3〜50の整数、M2 +は、アルカリ金属イオンを示す。]
[式中、mは前記一般式(III)で表わされる構造単位と同様]
よって、本発明のイオン性ポリマーによれば、高いカチオン輸率を確実に発現できるイオン性ポリマーとすることができる。
[式中、n=3〜9の整数、M1 +は、アルカリ金属イオンを示す。]
一方、一般式(i−1)で表わされる化合物の10以上の整数であると、充分な重合度が得られないことから、一般式(I)で表わされる構造単位において、nは9以下とされている。
次いで、このポリマーと、化学式PhM1で表わされるフェニルアルカリ化合物とのイオン化反応を行うことによって、一般式(I)で表わされる構造単位を有する本発明に係るイオン性ポリマーが得られる。この製造方法によれば、本発明に係るイオン性ポリマーは、一般式(II)で表わされる構造単位をさらに有し得る。
一般式(i−1)で表わされる化合物と、式(X)で表わされるメシチルボランとのモル比は、等量から、メシチルボランが一般式(i−1)で表わされる化合物に対して小過剰となるようにするのが好ましい。
ここで、一般式(i−1)で表わされる化合物の溶媒中の濃度は、0.5モル/L〜2モル/Lとされるのが好ましい。
重合物質は、n−ヘキサンへの再沈殿やエーテルによる洗浄等の精製工程を経て、一般式(II)で表わされる構造単位を有するポリマーとされるのが好ましい。
一般式(II)で表わされる構造単位を有するポリマーの分子量は、温度条件、混合時間などの重合条件を変えることによって、調整できる。
上記ヒドロホウ素化重合によれば、一般式(II)で表わされる構造単位を有するポリマーの分子量は、通常、3000〜10000の範囲とされる。
イオン化反応は、0℃〜30℃においてテトラヒドロフラン,ジエチルエーテル等の溶媒中で、両者を6時間〜12時間撹拌することにより好適に実施できる。
ここで、一般式(II)で表わされる構造単位を有するポリマーの溶媒中の濃度は、1mol/L以上とされるのが好ましい。
イオン化反応後の物質は、ヘキサンへの再沈殿,エーテルによる洗浄等の精製工程を経て、一般式(I)で表わされる構造単位を有するイオン性ポリマーとされるのが好ましい。
一般式(II)で表わされる構造単位の繰り返し数dに対するフェニルアルカリ化合物の比を10モル%となるように、一般式(II)で表わされる構造単位を有するポリマーと、フェニルアルカリ化合物とを混合すれば、e:f=5:95〜10:90程度のイオン性ポリマーを好適に得ることができる。
[式中、m=3〜50の整数、M2 +は、アルカリ金属イオンを示す。]
一方、一般式(ii−1)で表わされる化合物のmが51以上の整数であると、充分な重合度が得られないことから、一般式(III)で表わされる構造単位において、mは50以下とされている。
次いで、このポリマーと、化学式PhM2で表わされるフェニルアルカリ化合物とのイオン化反応を行うことによって、一般式(III)で表わされる構造単位を有するイオン性ポリマー(参考例)が得られる。この製造方法によれば、該イオン性ポリマーは、一般式(IV)で表わされる構造単位をさらに有し得る。
一般式(ii−1)で表わされる化合物と、式(X)で表わされるメシチルボランとのモル比は、ほぼ1:1、もしくは、メシチルボランが一般式(ii−1)で表わされる化合物に対して小過剰となるようにするのが好ましい。
ここで、一般式(ii−1)で表わされる化合物の溶媒中の濃度は、1mol/L以上とされるのが好ましい。
重合物質は、n−ヘキサンへの再沈殿やエーテルによる洗浄等の精製工程を経て、一般式(IV)で表わされる構造単位を有するポリマーとされるのが好ましい。
一般式(IV)で表わされる構造単位を有するポリマーの分子量は、温度条件、混合時間などの重合条件を変えることによって、調整できる。
上記脱ヒドロカップリング重合によれば、一般式(IV)で表わされる構造単位を有するポリマーの分子量は、通常、900〜2500の範囲とされる。
イオン化反応は、0℃〜30℃とされたテトラヒドロフラン,ジエチルエーテル等の溶媒中で、両者を6時間〜12時間混合することにより好適に実施できる。
ここで、一般式(IV)で表わされる構造単位を有するポリマーの溶媒中の濃度は、1mol/Lであるのが好ましい。
イオン化反応後の物質は、ヘキサンへの再沈殿,エーテルによる洗浄等の精製工程を経て、一般式(IV)で表わされる構造単位を有するイオン性ポリマーとされるのが好ましい。
一般式(IV)で表わされる構造単位の繰り返し数gに対するフェニルアルカリ化合物の比を10モル%となるように、一般式(IV)で表わされる構造単位を有するポリマーと、フェニルアルカリ化合物とを混合すれば、h:i=5:95〜10:90のイオン性ポリマーを好適に得ることができる。
イオン性ポリマーの応用例としては、後述するように、電気化学デバイス等の電解質を好適に挙げることができる。
また、本発明の実施形態に係る電解質は、必要に応じて、さらに別のイオン性化合物を含有することもできる。
前記式(i−1)で表される化合物(n=4)0.510gとメチシルボラン0.318gとを20℃、アルゴン下でテトラヒドロフラン2ml中で、6時間撹拌させた後に、tert−ブチルフェノール0.45gを添加した。さらに、n−ヘキサン中での再沈殿により精製することにより、一般式(II)で表される構造単位を有するポリマーDを0.193g得た(収率25%、下記1H−NMR参照)。ポリマーDの分子量は、約2900であった。
テトラエチレングリコール0.298gとメシチルボラン0.289gとを20℃、アルゴン下でテトラヒドロフラン1.5ml中で、6時間撹拌させた後に、tert−ブチルフェノール0.45gを添加した。さらに、n−ヘキサン中での再沈殿により精製することにより、一般式(IV)で表される構造単位を有するポリマーHを0.759gで得た(収率80%、下記1H−NMR,11B−NMR参照)。ポリマーHの分子量は、約1900であった。
11B−NMR(溶媒:CDCl3)δ(ppm):31.5
前記式(i−1)で表される化合物(n=3)0.435gとメチシルボラン0.313gとを20℃、アルゴン下でテトラヒドロフラン2ml中で、6時間撹拌させた後に、tert−ブチルフェノール0.45gを添加した。さらに、n−ヘキサン中での再沈殿により精製することにより、一般式(II)で表される構造単位を有するポリマーBを0.190g得た(収率27%)。ポリマーBの分子量は、約2400であった。
ポリマーB0.313gと、LiCF3SO3 0.013gを、20℃のテトラヒドロフラン中で3時間撹拌させ、溶媒を除き減圧乾燥することにより得られた生成物を比較例1の電解質とする。
前記(参考例1)で製造したポリマーH0.289gと、LiClO4 0.011gを、20℃のテトラヒドロフラン中で3時間撹拌させ、溶媒を除き減圧乾燥することにより得られた得られた生成物を比較例2の電解質とする。
前記(参考例1)で製造したポリマーH0.612gと、LiCF3SO3 0.029gを、20℃のテトラヒドロフラン中で3時間撹拌させ、溶媒を除き減圧乾燥することにより得られた得られた生成物を比較例3の電解質とする。
次に、実施例に係る電解質の電気的特性を評価した。厚さ100μmの金属リチウムをニックル板集電体に圧着してなる一対の電極を用意し、実施例と比較例の電解質を用いて電気化学デバイスを作成した。電極は直径13mmの円形とした。前記電気化学デバイスを用い、直流分極法によりリチウムイオン輸率を測定した。測定温度はいずれも30℃とした。結果を表1に示す。
以上のことから、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、燃料電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスの電解質として本発明に係る電解質を用いると、漏液がなく形状自由度の高い電気化学デバイスを提供できるだけでなく、放電等直流成分の多い用途に用いた場合の分極を小さくできるので、放電性能、繰り返し充放電サイクル性能等電気的特性に優れた高い電気化学デバイスを提供することができる。
Claims (4)
- 下記一般式(I)で表わされる構造単位を有するイオン性ポリマー。
- 下記一般式(II)で表わされる構造単位をさらに有し、一般式(I)で表わされる構造単位と、一般式(II)で表わされる構造単位とのモル比(e:f)がe:f=5:95〜10:90である請求項1に記載のイオン性ポリマー。
- 請求項1又は2に記載のイオン性ポリマーを含有する電解質。
- 請求項3に記載の電解質を備える電気化学デバイス。
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