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JP5204473B2 - 電力供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、住宅、店舗、オフィスなどの建築物に配置された機器への給電に際して、商用電源のような主電源とは別に、主電源の停電時などに電源供給のバックアップを行う分散電源を設けた電力供給システムに関するものである。
一般に、この種の電力供給システムとして、商用電源のような主電源が停電していない定常時において主電源の電力を用いてバックアップ用の二次電池を充電しておき、主電源の停電時には、二次電池の電力を用いて電源のバックアップを行う構成のものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−103679号公報
ところで、特許文献1に記載の構成では、バックアップ用の二次電池の電力を主電源と同様に負荷に供給しており、二次電池の容量には限りがあるから、主電源の停止状態が長時間に及ぶときには対応できないという問題があり、この問題を解決するために分散電源として発電機を併用する構成を採用している。しかしながら、分散電源として二次電池のほかに発電機が必須であるから、分散電源がコスト高になるという問題を有している。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、分散電源の電力を無駄なく利用することにより、分散電源の容量が限られている場合でも分散電源の電力のみで長時間に亘って運転することを可能にした電力供給システムを提供することにある。
請求項1の発明は、主電源の停止時に給電のバックアップが可能な分散電源を備える電力供給装置と、主電源と分散電源とのうち少なくとも主電源からは電力供給線路を介して給電され主電源と分散電源との一方から供給される電力を受けて駆動される複数の機器と、それぞれの機器を利用する空間領域における人の存否を検出する人検出装置と、主電源の停止時において人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において利用される機器で分散電源からの電力を優先的に受電可能とする給電制御部とを備え、前記給電制御部と前記機器と前記人検出装置とは通信可能であって、前記機器は、前記電力供給線路と主機能部との間に挿入され通信によりオンオフが指示されるスイッチ要素と、スイッチ要素のオンオフとは関係なく通電される通信機能部とを備え、前記給電制御部は、前記主電源の停止時において前記人検出装置が人の存在を検出していると、当該人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において利用される機器のスイッチ要素をオンにするように指示を与え、他の機器へは主電源の停止後にスイッチ要素をオフにするように指示を与えて分散電源からの受電を停止させることを特徴とする。
なお、受電可能とは、主電源が停止していても機器を運転する場合には主電源が停止していない場合と同様に給電を可能にするという意味である。また、優先的とは、人の存在する空間領域において利用される機器は主電源が停止していないときと同様にとくに制限することなく運転可能とし、他の機器では運転可能であっても運転を制限することを意味する。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記人検出装置により人の存在が検出される空間領域において利用される前記機器は、照明機器を含むことを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記機器の配置される空間領域は、目的照度を得るために照明光を必要とする空間領域であることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項2又は3の発明において、前記給電制御部は、前記人検出装置により人の存在が検出されていると、前記照明機器のうち当該空間領域の出口に誘導する位置の照明機器を強制的に点灯させることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記機器と前記給電制御部との一方は、動作状態に応じた動作データを記憶する不揮発性の記憶手段を備え、給電制御部は、前記主電源が停止すると前記人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において利用される機器を除く機器について前記分散電源からの電力を用いて動作データを記憶手段に書き込ませた後に分散電源からの受電を停止させることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記電力供給装置は直流電力を供給し、前記機器は直流電力により駆動される直流機器であることを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、主電源の停止時に人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において使用される機器で分散電源からの電力を優先的に受電可能としているから、人が存在していない空間領域において使用される機器では分散電源の電力がほとんど消費されることがなく、分散電源の容量が限られている場合でも比較的長い時間に亘って必要な機器への電力供給が可能になる。
さらに、人の存在が検出されている空間領域において利用される機器を除く機器では、主電源の停止後に分散電源からの受電を停止させるから、人の存在が検出されている空間領域において利用される機器でのみ分散電源からの受電が許可されることになり、人の存在しない場所での不要な電力消費が生じないようにして、分散電源の容量が限られている場合でも比較的長い時間に亘って必要な機器への電力供給が可能になる。すなわち、機器は、電力供給路と主機能部との間に挿入されたスイッチ要素と、スイッチ要素のオンオフに関係なく通電される通信機能部とを備え、人検出装置が人の存在を検出している空間領域で利用される機器はスイッチ要素がオンになるように指示され、他の機器はスイッチ要素がオフになるように指示されるので、人が存在する空間領域で利用される機器は、分散電源からの電力を優先的に受電することが可能になる。
請求項2の発明の構成によれば、人の存在する空間領域では少なくとも照明機器に給電可能とするから、照明機器を点灯させているときに、主電源の停止に伴って照明機器が急に消灯するのを防止できる。たとえば、階段灯の照明機器が急に消灯すると足元の安全を確保できない場合があるが、少なくとも照明機器に給電して点灯状態を継続させることができるから、安全の確保が可能になる。
請求項3の発明の構成によれば、目的照度を得るために照明光を必要とする空間領域に照明機器を含む機器を配置しているから、主電源の停止に伴って照明光が得られなくなると周囲の視認が困難になるような場所において、分散電源からの受電を照明機器で優先的に行うから、照明光を確保することができることにより、安全の確保が可能になる。
請求項4の発明の構成によれば、主電源の停止時に空間領域の出口に誘導する位置の照明機器を強制的に点灯させるから、当該照明機器が誘導灯として機能し、主電源が停止したときに移動経路の指針を与えるために照明機器を用いることができる。たとえば、入浴中に落雷等により主電源が停止した場合に、脱衣場の照明機器を点灯させておくことにより、着衣を行った後に脱衣場から退室することが可能になる。
請求項5の発明の構成によれば、主電源の停止後に受電が停止される機器が、動作状態に応じた動作データを生成する機器(組込みシステムを構成する機器、コンピュータ、コンピュータ周辺機器等)である場合には、動作データを不揮発性の記憶手段に保存してから分散電源からの受電を停止させるから、主電源の復電時の異常動作を防止するために機器をリセットする必要がなく、主電源の復電時に機器の動作状態を主電源の停止前の状態に復帰させることが可能になる。
請求項6の発明の構成によれば、機器が直流であるから、分散電源として二次電池を用いる場合に交流電力に変換する必要がなく、分散電源では出力電圧の制御のみを行えばよく、分散電源の構成が簡単になる。
以下に説明する実施形態は、本発明を適用する建築物として戸建て住宅の家屋を想定して説明するが、本発明の技術思想を集合住宅に適用することを妨げるものではない。図3は本実施形態を適用する電力供給システムの全体構成である。家屋Hには、図3に示すように、直流電力を出力する直流電力供給装置(電力供給装置)101と、直流電力により駆動される負荷としての直流機器(機器)102とが設けられ、直流電力供給装置101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給装置101と直流機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流供給線路Wdc上で直流電力供給装置101から直流機器102への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
直流供給線路Wdcは、直流電力供給装置101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなる玄関システムK103、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102および玄関システムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102と玄関システムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント131に接続される直流機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
上述した直流コンセント131、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント131、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
これらの直流アウトレットは、直流機器102に直接設けた接触子(図示せず)または接続線を介して設けた接触子(図示せず)が差し込まれる差込式の接続口が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受けが器体に保持された構造を有している。すなわち、直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
ところで、直流電力供給装置101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
直流電力供給装置101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給装置101を構成する主電源および分散電源から直流機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器102に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給装置101を設けることができるから、直流電力供給装置101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
以下では、図1を参照して本実施形態の要部について説明する。図1において実線は電力の供給経路を示し、破線は通信経路を示している。また、図示する構成では、直流機器102が直流供給線路Wdcに直接接続されるほか、直流機器102が直流アウトレットを介して直流供給線路Wdcに接続される場合も例示している。直流アウトレットに直流機器102を接続する場合には、直流アウトレットと直流機器102とを合わせた構成が「機器」に相当する。また、直流アウトレットは、直流コンセント131と引掛シーリング132とのどちらでもよいが、以下では直流アウトレットとして直流コンセント131を例示する。
上述のように、通信信号は直流電圧に重畳しているが、通信信号を伝送する通信路を直流供給線路Wdcとは別に設けてもよい。直流電力供給装置101は、AC/DCコンバータ112を含み交流電源ACを電源とする主電源10と、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163のうち少なくとも二次電池162を含む分散電源11とを備える。
また、図示例では、直流電力供給装置101において、主電源10の停止(停電や線間電圧の異常低下)を検出する停電検出部12と、主電源10と分散電源11とを直流供給線路Wdcに選択的に接続する切換スイッチ13と、停電検出部12が主電源10の停止を検出したときに受電を許可する直流機器102を指定する給電制御部14とを備える。給電制御部14は、停電検出部12から主電源10に関する動作情報を受け取る機能と、直流機器102、直流コンセント131、人検出装置103のいずれかと通信する機能とを有している。人検出装置103については後述する。
切換スイッチ13は、停電検出部12により制御されており、通常時は主電源10を直流供給線路Wdcに接続し、主電源10が停止すると分散電源11を直流供給線路Wdcに接続する。すなわち、主電源10の停止時に分散電源11が直流供給線路Wdcに接続され、直流機器102への給電のバックアップを行う。停電検出部12と切換スイッチ13とは協調制御部113に設けられる。
直流機器102への給電のバックアップを行う分散電源は、直流電力供給装置101だけではなく、直流コンセント131に、二次電池を備えたバックアップ電源33として設ける場合もある。
本実施形態の特徴は、直流機器102を利用する空間領域における人の存否を検出する人検出装置103を設け、人検出装置103の検出結果に応じて直流機器102への給電を制御する点にある。人検出装置103は、人体から放射される熱線を検知する焦電形赤外線センサなどを用いて人の存否を検出する人感センサ41を備え、人感センサ41による人の検出の有無を他装置に通知する通信機能部42を備える。人感センサ41の検知領域は、直流機器102を利用する空間領域での人の存否を検出するように設定される。
たとえば、直流機器102が照明機器であるときには、照明機器によって照明される空間領域あるいは照明機器を視認可能な空間領域を検知領域とするように人感センサ41が配置される。
まず、直流電力供給装置101に設けた給電制御部14と通信する通信機能部21を直流機器102が備えている場合について説明し、その後、直流コンセント131に停電検出部12と通信する通信機能部31が設けられている場合について説明する。直流コンセント131に通信機能部31を設ける場合には、直流機器102として通信機能部を備えていないものを用いることができる。以下では、通信機能部21を備える場合に直流機器102aと表し、通信機能部21を備えない場合に直流機器102bと表す。
直流機器102aは、期待される動作を奏する主機能部20を備え、直流供給線路Wdcと主機能部20との間には、電磁継電器あるいは半導体リレーからなるスイッチ要素22が挿入される。スイッチ要素22のオンオフの指示は、通信機能部21を通してスイッチやセンサを備えた他装置や給電制御部14によりなされる。
直流機器102aは、主電源10が停止していないときには、他装置からの指示によりスイッチ要素22がオンになると主機能部20に通電され主機能部20が運転される。また、他装置からの指示によりスイッチ要素22がオフになると主機能部20が停止する。ただし、スイッチ要素22をオンにしても主機能部20の運転が開始されない構成とし、スイッチ要素22がオンであるときに主機能部20に付設した図示しないスイッチを操作することにより、主機能部20の運転が開始されるようにしてもよい。
給電制御部14では、停電検出部12により主電源10の停止が検出されると、人検出装置103の通信機能部42と通信をすることにより、直流機器102aを利用する空間領域における人の存否を確認する。ここで、人の存在を検出した人検出装置103が存在するときには、当該人検出装置103の検知領域である空間領域において利用される直流機器102に対してスイッチ要素22をオンにするように指示を与える。
スイッチ要素22は、主電源10の停止前においてオンである場合とオフである場合とがあるが、オンである場合にはオンを継続し、オフである場合にはオンに反転させる。つまり、分散電源11からの電力を優先的に受電することが可能になる。したがって、主電源10の停止時に、直流機器102aを利用する空間領域における人の存在を人感センサ41が検出しているときには、直流機器102aの主機能部20を分散電源11の電力で動作させることができる。
たとえば、直流機器102aが照明機器である場合を想定する。照明機器がとくに必要になる空間領域は、集合住宅などにおいて窓のない浴室、便所、化粧室のように照明光がなければ周囲を確認することができない空間領域であり、このような空間領域では、人が存在するときに必ず照明機器を点灯させる必要がある。つまり、主電源10が停止したとき、このような空間領域に人が存在していれば、照明機器の点灯を指示するスイッチの操作を行うことなく照明機器を強制的に点灯させる必要がある。
また、浴室において入浴中に落雷による停電などで照明機器が消灯したとすると、浴室の照明機器を点灯させるだけではなく、脱衣場(洗面所など)で着衣を行った後に脱衣場から出るまで照明機器を点灯させておく必要があるから、照明としてだけではなく、行動経路の指針となる誘導を行うために照明機器を点灯させるのが望ましい。つまり、照明機器を誘導灯として機能させるのが望ましい。
あるいは、階段灯のような照明機器では、階段を昇降している間に照明機器が消灯すると安全の確保ができないことがあるから、階段の昇降が終了するまでは照明機器を点灯させる必要があり、とくに階段の段差が認識できるように誘導するのが望ましい。
このように、主電源10の停止時には人検出装置103により人が検出されている空間領域では、直流機器102aに強制的に給電するか、少なくとも直流機器102aでの受電を可能にしておくことが望ましい。
一方、人検出装置103により人が検出されない空間領域では、通常は直流機器102aは使用しないから、このような空間領域において利用される直流機器102aについては、スイッチ要素22をオフにするように給電制御部14から指示を与える。つまり、直流機器102aを利用する空間領域に人が存在しなければ、当該直流機器102aでの受電を禁止し、当該直流機器102aが運転中であっても動作を停止させる。なお、スイッチ要素22がオフでも通信機能部21には通電されており、この直流機器102aでも通信は可能になっている。
このように、人が存在する空間領域の直流機器102aのみで受電を許可するから、分散電源11から給電される直流機器102aの台数を制限することにより、分散電源11の電力で給電している期間における消費電力が低減されることにより、容量の限られた分散電源11であっても、必要な直流機器102aを比較的長い期間に亘って運転することが可能になる。なお、宅内サーバ116において複数の直流機器102aの連動関係を設定している場合には、人検出装置103により人が検出されている空間領域に存在しない直流機器102aであっても連動関係に従って駆動させることが可能である。
上述の例では、通信機能部21を備える直流機器102aを直流供給線路Wdcに接続している場合を示したが、通信機能部を備えていない直流機器102bを用いる場合には、直流コンセント131の通信機能部31を利用して同様の動作を行うことが可能である。
図示例では、直流コンセント131の器体内に人検出装置としての人感センサ35を設けている。人感センサ35は直流コンセント131の近傍領域、つまり、直流コンセント131に接続される直流機器102bを利用する空間領域における人の存否を検出する。また、直流コンセント131は二次電池を備えるバックアップ電源33を内蔵しており、二次電池は主電源10から給電されている期間に充電され、主電源10が停止すると、バックアップ電源33から直流機器102bに給電する。
人感センサ35およびバックアップ電源33は、直流コンセント131に必須の構成ではなく、人感センサ35を直流コンセント131とは別に設けたものを用いることができる。また、バックアップ電源33を分散電源として用いずに、直流電力供給装置101に設けた分散電源の電力を用いることが可能である。ただし、これらの構成を採用することにより、別途の人検出装置が不要になって省施工かつ省スペースになり、またバックアップ電源33を設けることにより分散電源11の負荷を軽減できる利点がある。
ところで、図示する直流コンセント131は、直流供給線路Wdcと接続するための電線接続口36と、直流機器102bを接続するためのレセプタクル37とを備え、電線接続口36とレセプタクル37との間に電磁継電器または半導体リレーからなる2個のスイッチ要素32a,32bが直列に挿入されている。スイッチ要素32a,32bのオンオフは給電制御部34により制御される。
給電制御部34は、停電検出部12から主電源10の停止が通信機能部31に通知され、かつ人検出装置としての人感センサ35により人の存在が検出されていないとスイッチ要素32a,32bをオフにする。電線接続口36に近いスイッチ要素32aは、主電源10の停止が通知されるとオフになり、レセプタクル37に近い推知要素32bは、主電源10の停止が通知され、かつ人感センサ35により人の存在が検出されているときにはオンになる。また、主電源10が停止していないときには、直流機器102bの運転が他装置から指示されると、両スイッチ要素32a,32bがともにオンになる。
バックアップ電源33は、両スイッチ要素32a,32bの間に接続されており、スイッチ要素32aがオフになりスイッチ要素32bがオンになるとバックアップ電源32から直流機器102bへの給電がなされる。すなわち、図示する直流コンセント131は、主電源10が停止したときに、人感センサ35によって人の存在が検出されていないとスイッチ要素32a,32bをオフにし、人感センサ35によって人の存在が検出されているとスイッチ要素32bをオンにすることで、レセプタクル37に給電し、直流機器102bでの受電を可能にする。
直流機器102bが、引掛シーリング132に接続される照明機器などであってスイッチを備えていない場合には、レセプタクル37に給電されると運転を開始し、直流機器102bがスイッチを備えている場合には、レセプタクル37に給電されただけでは運転されず、スイッチを投入することにより運転を開始する。
なお、上述の構成例では直流コンセント131に2個のスイッチ要素32a,32bを設けているが、バックアップ電源33を直流コンセント131に設けない場合には、1個のスイッチ要素を設ければよい。また、給電制御部36についても必須ではなく、直流電力給電装置101に設けた給電制御部14を用いて通信機能部31を通してスイッチ要素のオンオフを制御するようにしてもよい。
直流機器102aを例として上述した動作を図2にまとめる。まず、主電源10の停止が停電検出部12により検出されると(S1)、人検出装置103において人の存否が検出され、人の存在を検出している人検出装置103が存在するときには(S2:Yes)、当該人検出装置10の検知領域に関係付けられている直流機器102aのスイッチ要素22をオンにすることにより(S3)、当該直流機器102aの主機能部20への給電を開始する(S4)。また、人の存在を検出していない人検出装置103が存在するときには(S2:No)、当該人検出装置10の検知領域に関係付けられている直流機器102aのスイッチ要素22をオフにすることにより(S5)、当該直流機器102aの主機能部20への給電を停止する(S6)。上述の処理はすべての直流機器102に対して行う(S7)。主電源10が復電したときには(S8)、主電源10からの給電を行う定常動作に復帰させる(S9)。
直流機器102が、組込みシステムを構成する機器、コンピュータ、コンピュータ周辺機器のように動作中に動作データを発生させる構成である場合には、動作データを発生させている主機能部20への給電を急に停止させると動作データが消失し、復電時に主機能部20をリセットさせなければ安全に動作させることができないという問題が生じる。
そこで、この種の直流機器102には、主機能部20の動作状態に応じた動作データを記憶するためにEEPROMのような不揮発性の記憶手段(図示せず)を直流機器102に設けている。この種の直流機器102では、主電源10が停止したときに、人感センサ41(35)により人が検出されている空間領域おいて利用される直流機器102を除いては、分散電源11からの電力を継続して受電することを一時的に許容し、この間に動作データを記憶手段に書き込ませ、書き込みが終了すると分散電源11からの電力の受電を停止させるのが望ましい。
このような構成を採用すると、主電源10が停止して分散電源11から電力が供給される状態に切り替わると、動作データが記憶手段に待避され、その後に、直流供給線路Wdcからの受電が停止されるのであり、主電源10が復電したときには、記憶手段から読み出した動作データを用いることにより、主電源10の停止前の状態から直流機器102を動作させることが可能になる。要するに、復電時の主機能部20のリセットが不要であり、復電後に直流機器102を従前の状態で動作させることが可能になる。
なお、記憶手段は、直流機器102に設けるほか、宅内サーバ116やセンタサーバ200に設けた構成を採用することも可能である。上述したように、直流コンセント131や引掛シーリング132のような直流アウトレットに人感センサ35を内蔵している場合には、記憶手段も直流アウトレットに内蔵させればよい。
本実施携帯の構成を採用することにより、主電源10の停止時に、人検出装置41(35)により人の存在が検出されている空間領域において使用される直流機器102では分散電源11からの電力を受電し、人が存在していない空間領域において使用される直流機器102では分散電源11の電力をほとんど受電しないから、分散電源11の容量が限られている場合でも比較的長い時間に亘って必要な直流機器102への電力供給が可能になる。
上述した実施形態では、電力供給装置として直流電力供給装置101を例示したが、交流電力供給装置を用いることも可能である。この場合、直流機器102に代えて機器として交流機器を用いることになる。
本発明の実施形態を示す要部ブロック図である。 同上の動作説明図である。 同上の全体構成を示す構成図である。
符号の説明
10 主電源
11 分散電源
14 給電制御部
34 給電制御部
35 人感センサ(人検出装置)
41 人感センサ(人検出装置)
101 電力供給装置
102 直流機器(機器)
H 家屋(建築物)
Wdc 直流供給線路

Claims (6)

  1. 主電源の停止時に給電のバックアップが可能な分散電源を備える電力供給装置と、主電源と分散電源とのうち少なくとも主電源からは電力供給線路を介して給電され主電源と分散電源との一方から供給される電力を受けて駆動される複数の機器と、それぞれの機器を利用する空間領域における人の存否を検出する人検出装置と、主電源の停止時において人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において利用される機器で分散電源からの電力を優先的に受電可能とする給電制御部とを備え、前記給電制御部と前記機器と前記人検出装置とは通信可能であって、前記機器は、前記電力供給線路と主機能部との間に挿入され通信によりオンオフが指示されるスイッチ要素と、スイッチ要素のオンオフとは関係なく通電される通信機能部とを備え、前記給電制御部は、前記主電源の停止時において前記人検出装置が人の存在を検出していると、当該人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において利用される機器のスイッチ要素をオンにするように指示を与え、他の機器へは主電源の停止後にスイッチ要素をオフにするように指示を与えて分散電源からの受電を停止させることを特徴とする電力供給システム。
  2. 前記人検出装置により人の存在が検出される空間領域において利用される前記機器は、照明機器を含むことを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
  3. 前記機器の配置される空間領域は、目的照度を得るために照明光を必要とする空間領域であることを特徴とする請求項2記載の電力供給システム。
  4. 前記給電制御部は、前記人検出装置により人の存在が検出されていると、前記照明機器のうち当該空間領域の出口に誘導する位置の照明機器を強制的に点灯させることを特徴とする請求項2又は3記載の電力供給システム。
  5. 前記機器と前記給電制御部との一方は、動作状態に応じた動作データを記憶する不揮発性の記憶手段を備え、給電制御部は、前記主電源が停止すると前記人検出装置により人の存在が検出されている空間領域において利用される機器を除く機器について前記分散電源からの電力を用いて動作データを記憶手段に書き込ませた後に分散電源からの受電を停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力供給システム。
  6. 前記電力供給装置は直流電力を供給し、前記機器は直流電力により駆動される直流機器であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力供給システム。
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