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JP5297543B2 - テクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびその製造方法 - Google Patents

テクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびその製造方法 Download PDF

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JP5297543B2 JP2012060148A JP2012060148A JP5297543B2 JP 5297543 B2 JP5297543 B2 JP 5297543B2 JP 2012060148 A JP2012060148 A JP 2012060148A JP 2012060148 A JP2012060148 A JP 2012060148A JP 5297543 B2 JP5297543 B2 JP 5297543B2
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Description

本発明は、テクスチャ形成面を有するシリコン基板と、その製造方法に関する。
シリコン太陽電池(光電変換素子)などにおいて、シリコン基板の受光面にテクスチャと称される凹凸形状を設けて、入射光の反射を抑え、かつシリコン基板に取り込んだ光を外部に漏らさないようにしている。シリコン基板の表面へのテクスチャ形成は、一般的にアルカリ(KOH)水溶液をエッチャントとするウェットプロセスにより行われている。ウェットプロセスによるテクスチャ形成は、後処理としてフッ化水素による洗浄工程や、熱処理工程などが必要とされる。そのため、シリコン基板表面を汚染する恐れがあるばかりか、コスト面からも不利な点があった。
しかも、ウェットプロセスにより形成できるシリコン基板表面のテクスチャは、一般的に逆ピラミッド状に窪んだ矩形の開口などに限定され(特許文献1などを参照)、反射抑制などの点から必ずしも最適な形状ではない場合がある。
一方で、シリコン基板の表面へのテクスチャ形成をドライプロセスにて行う方法も提案されている。例えば、1)プラズマによる反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)といわれる手法を用いる方法、2)シリコン基板のある大気圧雰囲気下の反応室に、ClF,XeF,BrFおよびBrFのいずれかのガスを導入することで、シリコン基板表面をエッチングする方法が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2000−150937号公報 特開平10−313128号公報
前述の通り、ウェットプロセスにより形成できるシリコン基板表面のテクスチャは、反射抑制などの点から必ずしも最適な形状ではない。つまり、反射率をより低下させるには、より精密な形状加工が求められる。より具体的にいえば、単にシリコン基板表面に窪みを形成するだけではなく;その窪みを形成する面自体にも凹凸形状を設けることで、さらに効果的に反射抑制が実現できる。
また前述の通り、シリコン基板表面のテクスチャの形成をドライプロセスにて行う方法も提案されている。しかしながら、当該手法によっては、所望のテクスチャ構造が得られない場合があった。その理由の一つは、ClF,XeF,BrFおよびBrFなどのガスはシリコン基板と発熱反応を起こし、シリコン基板の温度を上昇させて、異方的なエッチングができない場合があるためである。さらには、エッチングガスの組成も好適化されていなかったため、適切なテクスチャ構造が得られにくかった。
そこで本発明は、太陽電池のシリコン基板にとって適切であり、より反射率の低いテクスチャ形成面を有するシリコン基板を提供することを目的とする。さらに本発明は、太陽電池のシリコン基板にとって適切であり、より反射効率の低いテクスチャ形成面を有するシリコン基板を、ウェットエッチングではなく、ドライエッチングによって提供する方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下に示すテクスチャ形成面を有するシリコン基板、およびそれを含む太陽電池に関する。
[1]テクスチャを形成されたテクスチャ形成面を有する基板面方位(100)のシリコン基板であって、
前記テクスチャ形成面には、複数の逆錐状の凹部が形成され、かつ前記逆錐状の凹部の錐面は階段状であり、
前記テクスチャ形成面を受光面とする、太陽電池用シリコン基板。
[2]前記逆錐状の凹部は、逆四角錐状の凹部である、[1]に記載のシリコン基板。
[3]前記逆錐状の凹部は、逆円錐状の凹部である、[1]に記載のシリコン基板。
[4]前記逆錐状の凹部の開口径は、0.5〜10μmである、[1]〜[3]の何れかに記載のシリコン基板。
[5]前記逆錐状の凹部の深さは、0.1〜5μmである、[1]〜[3]の何れかに記載のシリコン基板。
[6]前記逆錐状の錐面を構成する階段状の段差は、0.01〜1μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載のシリコン基板。
[7]前記テクスチャ形成面における前記逆錐状の凹部の密度は、1〜100個/100μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載のシリコン基板。
[8]前記シリコン基板のテクスチャ形成面への入射光(波長0.5〜10μm)の吸光率は80%以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載のシリコン基板。
[9]前記[1]〜[8]の何れか一項に記載のシリコン基板を含み、前記テクスチャ形成面を受光面とする太陽電池。
また本発明は、以下に示すテクスチャ形成面を有するシリコン基板の製造方法に関する。
[10]前記[1]に記載のシリコン基板の製造方法であって、
ステージに載置された基板面方位(100)のシリコン基板を用意するステップと、大気圧から80KPaの減圧環境下にて、前記ステージの温度を25℃以下に保持しながら、前記シリコン基板表面にエッチングガスを吹き付けるステップとを有し、
前記エッチングガスには、不活性ガスと、酸素原子を含有するガスと、ClF ガスと、が含まれる、製造方法。
本発明のシリコン基板はテクスチャ形成面を有しており、そのテクスチャ形成面での反射率が低く、吸光率が高い。よって、テクスチャ形成面を受光面とすることで、太陽電池用のシリコン基板として好適に用いられる。
本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面の第一の例を示す。図1Aは、テクスチャ形成面を模式的に示す図である。 本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面の第一の例を示す。図1Bおよび図1Cは、実施例1で作製したテクスチャ形成面の電子顕微鏡写真(上面斜視)である。 本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面の第二の例を示す。図2Aは、テクスチャ形成面を模式的に示す図である。 本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面の第二の例を示す。図2Bおよび図2Cは、実施例2で作製したテクスチャ形成面の電子顕微鏡写真(上面斜視、断面)である。 シリコン基板をドライエッチングしたが、所望のテクスチャ形成面が得られなかった例を示す。図3Aおよび図3Bは、比較例1で作製したテクスチャ形成面の電子顕微鏡写真(上面斜視、断面)である。 シリコン基板をドライエッチングしたが、所望のテクスチャ形成面が得られなかった例を示す。図4Aおよび図4Bは、比較例2で作製したテクスチャ形成面の電子顕微鏡写真(上面斜視、断面)である。 図5Aは逆錐状の凹部を概念的に説明するシリコン基板の断面図であり、図5Bは逆錐状の凹部の錐面を概念的に説明するシリコン基板の断面拡大図である。 実施例で用いたテクスチャ形成装置の概要を示す。 図7Aは、基板面方位(100)のシリコン基板のテクスチャ未形成面(参考例)、比較例1で得られたシリコン基板の被エッチング面、および実施例1で得られたシリコン基板のテクスチャ形成面における反射率を示すグラフであり;図7Bは、基板面方位(100)のシリコン基板のテクスチャ未形成面(参考例)、比較例1で得られたシリコン基板の被エッチング面、および実施例1で得られたシリコン基板のテクスチャ形成面における吸光率を示すグラフである。
1.テクスチャ形成面を有するシリコン基板について
本発明のシリコン基板は、基板表面にテクスチャが形成されていることを特徴とする。テクスチャが形成された基板表面を、テクスチャ形成面という。
シリコン基板は、単結晶シリコンであることが好ましく;p型ドーピングされていてもよいし、n型ドーピングされていてもよいし、真性シリコンであってもよい。いずれにしても、シリコン基板は、基板面方位(100)のシリコン基板である。基板面方位(100)以外の基板面方位を有するシリコン基板には、本発明におけるテクスチャ形成面が実現されにくい。
テクスチャ形成面とは、低反射表面を意味する。低反射表面とは、0.5〜1.0μmの波長の光に対する鏡面の反射率を100%とした場合の反射率が、約20%以下の表面であることが好ましく、約10%以下の表面であることがより好ましく、実質的に反射率が0%の表面をいう。また、本発明のテクスチャ形成面を有するシリコン基板の吸光率(波長領域0.5〜1.0μm)は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。吸光率は、積分球分光光度計にて測定することができ;式「吸光率(%)=100×{入射光強度−(反射光強度+透過光強度)}/入射光強度」で求めることができる。
図5Aは逆錐状の凹部を概念的に説明するシリコン基板の断面図である。例えばシリコン基板の(100)面をエッチングして得られた、(100)面と面方位が同一のテクスチャ形成面に凹部が形成されている。なお、エッチング制御により、シリコン基板の(100)面とテクスチャ形成面は略同一となる場合がある。このように、具体的な本発明のテクスチャ形成面は、複数の逆錐状の凹部を有する。テクスチャ形成面には、複数の逆錐状の凹部が密集していることが好ましい。逆錐状とは、逆四角錐状、逆円錐状などを意味するが、特に限定されない。図1Aには、逆四角錐(台)状の凹部が形成されたテクスチャ形成面が模式的に示され(上面斜視図);図2Aには、逆円錐状の凹部が形成されたテクスチャ形成面が模式的に示される(上面斜視図)。なお、複数の凹部は、それぞれ独立して形成されている必要はなく、例えば複数の凹部が尾根で連なるような形状をしていても構わない。
逆錐状の凹部とは、凹部の開口部から凹部の底面にむかって、その開口面積が減少していく窪みを意味する。「逆錐」とは、頂点を有する逆錐である必要はなく、頂点を有さない逆錐台をも含む。
逆錐状の凹部の開口部面の径L(図5A参照)は、通常0.5〜10μmであり、5〜10μmであってもよい。凹部の開口部面の径Lとは、凹部の開口部面の最長径を意味する。複数の逆錐状の凹部が、同一の径Lを有している必要はなく、それぞれ異なる径を有していても構わない。
逆錐状の凹部の深さD(図5A参照)は、通常0.1〜5μmであり、1〜5μmであってもよい。凹部の深さとは、凹部の開口部面から、凹部の最低面までの間隔を意味する。複数の逆錐状の凹部が、同一の深さDを有している必要はなく、それぞれ異なる径を有していても構わない。
複数の逆錐状の凹部は不定形であることが好ましい。複数の逆錐状の凹部がそれぞれ異なる径Lや深さDを有することで、均一の径Lや深さDを有する逆錐状の凹部よりも、幅広い波長領域の光を吸収しやすくなるからである。
逆錐状の凹部の錐面は、階段状になっている。階段状の段差d(図5B参照)は、0.01〜1μmの範囲内にある。階段状の段の幅l(図5B参照)は、0.01〜1μmの範囲内にあることが好ましい。複数の逆錐状の凹部は、同一の階段状の錐面を有している必要はなく、それぞれ異なる錐面を有していても構わない。
錐面が階段状になっていることが、本発明のシリコン基板のテクスチャ形成面の特徴の一つである。すなわち、従来のウェットエッチング法によって、逆四角錘状の凹部を有するテクスチャ形成面を得ることはできたが、本発明のように錐面を階段状にすることはできなかった。
テクスチャ形成面には、複数の逆錐状の凹部があるが;複数の逆錐状の凹部は、それぞれ別個の形状を有していてもよい。また、テクスチャ形成面における凹部の密度は、単位面積(100μm)あたり1〜100個であることが好ましい。なお、凹部が逆四角錐や逆円錐の場合はその頂点の数を、凹部が逆四角錐台や逆円錐台の場合はその底面の数を、数えるものとする。
上記の通り、テクスチャ形成面には複数の逆錐状の凹部があるが、それとともに、それ以外の形状が形成されていても構わない。例えば、錐面が階段状ではなく平坦な逆錐状の凹部があってもよいし、逆錐状ではない凹部があっても構わない。
また、シリコン基板表面の全面にテクスチャが形成されていてもよく、その一部にテクスチャが形成されていてもよい。例えば、本発明のシリコン基板を太陽電池用のシリコン基板として用いる場合に、受光面側に配置する表面電極(コネクタ電極,バー電極,グリッド電極などを含む)を配置する領域には、テクスチャを形成することなく、平坦状にされていることが好ましい。
2.テクスチャ形成面を有するシリコン基板の製造方法について
本発明のシリコン基板の製造方法は、基板面方位(100)のシリコン基板を用意するステップと、シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップとを含む。好ましくは、シリコン基板に冷却ガスを吹き付けるステップをさらに含み;エッチングガスを吹き付けるステップと冷却ガスを吹き付けるステップとを交互に繰り返してもよい。
基板面方位(100)のシリコン基板とは、主面方位が(100)面である単結晶シリコン基板である。シリコン基板は半導体ウェハであってもよいし、他の基板に積層された半導体層であってもよい。いずれにしても、主方位面である(100)面にテクスチャを形成する。
また、用意するシリコン基板は、真性シリコンであってもよく、p型またはn型にドーピングされたシリコンであってもよい。太陽電池用のシリコン基板を得る場合には、p型にドーピングされたシリコン基板を用意することが多い。
シリコン基板へのエッチングガスの吹き付けは、大気圧から80KPaの減圧下にて行われることが好ましく、さらに30KPa以下であることが好ましく、20KPa以下であることがより好ましく、10KPa以下であることがさらに好ましく、50KPa以下であってもよい。より減圧条件下でエッチングを行うほど緻密な形状が得られるが、圧力が高いほうが緻密な形状が得られやすい。
エッチングガスには、少なくともClF,XeF,BrF,BrFおよびNFのうちの少なくとも一つのガス(「フッ素含有ガス」とも称する)を含む。エッチングガスに含まれるフッ素含有ガスは、これらのガスの2種以上の混合ガスであってもよい。
フッ素含有ガスの分子は、シリコン基板の表面に物理吸着して、エッチングサイトに移動する。エッチングサイトに到達したガス分子は分解し、シリコンと反応して揮発性のフッ素化合物を生成する。それにより、シリコン基板表面がエッチングされ、テクスチャが形成される。
エッチングガスには、フッ素含有ガスとともに、さらに不活性ガスが含まれていることが好ましい。不活性ガスとは、窒素ガス、アルゴンやヘリウムなどであり、シリコンとの反応性のないガスであればよい。エッチングガスに含まれる不活性ガスは、2種以上のガスの混合ガスであってもよい。
エッチングガスにおける不活性ガスの合計濃度(体積濃度)は、フッ素含有ガスの合計濃度に対して、3倍以上であることが好ましく、10倍以上または20倍以上であってもよい。
エッチングガスにおける不活性ガスの濃度が低く、フッ素含有ガスの濃度が相対的に高くなると、シリコン基板表面を等方的にエッチングしやすくなる場合があり、シリコン基板表面に所望のテクスチャが形成しにくいことがある。
さらに、エッチングガスには、フッ素含有ガスとともに、その分子内に酸素原子を含有するガスが含まれていることが好ましい。酸素原子を含有するガスとは、典型的には酸素ガス(O)であるが、二酸化炭素(CO)や二酸化窒素(NO)などであってもよい。
エッチングガスにおける酸素原子含有ガスの濃度(体積濃度)は、フッ素含有ガスの合計濃度の2倍超であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。また、エッチングガスにおける酸素原子含有ガスの濃度(体積濃度)は、フッ素含有ガスと不活性ガスとの合計濃度に対して、30〜80%であることが好ましい。エッチングガスにおける酸素原子含有ガスの濃度が低すぎると、オーバーエッチングによって所望のテクスチャが得られない場合がある。
エッチングガスにおける、フッ素含有ガスの合計濃度に対する酸素原子含有ガスの濃度(体積濃度)が比較的低いと、逆四角錐状の凹部からなるテクスチャ(図1参照)がシリコン基板表面に形成されやすい。一方、エッチングガスにおける、フッ素含有ガスの濃度に対する酸素原子含有ガスの濃度(体積濃度)が比較的高いと、逆円錐状の凹部からなるテクスチャがシリコン基板表面に形成されやすい。
エッチングガスに酸素原子含有ガスを含ませることで、太陽電池のテクスチャとして適切な凹凸形状を、半導体基板表面に形成することができる。その理由は、特に限定されないが、例えばClFガスがシリコン表面に物理吸着すると、シリコンと反応してSiFとなってガス化する。このとき、シリコンネットワーク構造のダングリングボンドに酸素原子がターミネートすることで、Si−O結合が部分的に構成される。それにより、エッチングされやすい領域(Si−Si)と、エッチングされにくい領域(Si−O)とができる。そのエッチングレートの差でケミカルな反応が促進され、形状制御が可能となると考えられる。
本発明のシリコン基板の製造方法では、エッチング中のシリコン基板の温度を低温に維持することが重要である。シリコン基板の温度を低温に維持するために、シリコン基板を載置するステージの温度を室温程度(25℃)以下に維持することが好ましい。
前記の通り、本発明のシリコン基板の製造方法は、シリコン基板に冷却ガスを吹き付けるステップを含んでいてもよい。冷却ガスとは、前述の不活性ガスと同様であり、窒素ガス、アルゴンやヘリウムなどを意味する。エッチングガスとの反応によって発熱したシリコン基板に冷却ガスを吹き付けることによって、発熱した基板を冷却する。
本発明のシリコン基板の製造方法において、シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップと、冷却ガスを吹き付けるステップとを交互に繰り返してもよい。シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップのプロセス時間を制御することで、基板温度を低温に維持する。プロセス時間は特に限定されないが、1分間〜10分間程度であればよい。シリコン基板にエッチングガスを吹き付けるステップの後に、冷却ガスを吹き付けて基板温度を低下させて、再びシリコン基板にエッチングガスを吹き付ければよい。
エッチングガスによって、シリコン基板表面に所望のテクスチャが形成されたら、シリコン基板に残存したエッチングガスまたはその分解物を除去することが好ましい。例えば、シリコン基板を水素ガス雰囲気下において、残留したフッ素成分を除去してもよい。
3.テクスチャ形成面を有するシリコン基板の用途
このように、本発明のシリコン基板は、太陽電池用のシリコン基板として用いられることが好ましい。太陽電池用のシリコン基板とするには、シリコン基板のテクスチャ形成面にエミッタ層を形成してpn接合を形成することが好ましい。例えば、p型シリコン基板にテクスチャ形成面を形成した場合には、オキシ塩化リンガス雰囲気中でテクスチャ形成面を加熱して、テクスチャ形成面にn型エミッタ層を形成し、pn接合を形成する。さらに、エミッタ層に反射防止層を積層することで、太陽電池としての反射率をさらに低下させることができ、光電変換率が向上する。反射防止層とは、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、酸化チタン膜などである。
さらに、テクスチャ形成面である受光面に表面電極を配置し、非受光面に裏面電極を配置することで、太陽電池が得られる。もちろん、太陽電池の態様が上述したものに限定されるわけではない。
図6には、実施例で用いたテクスチャ形成装置の概要が示される。図6Aは、テクスチャ形成装置10の外観斜視図であり;図6Bは、減圧チャンバ20内を透視した斜視図である。図6ABに示されるテクスチャ形成装置10は、減圧チャンバ20内に、エッチングガスを噴出するノズル30と、冷却ガスを噴出するノズル40と、シリコン基板100を載置するためのステージ50と、を有する。ノズル30は、エッチングガス供給配管31に接続しており;ノズル40は、冷却ガス供給配管41に接続している。ステージ50に載置されたシリコン基板100に、エッチングガスと冷却ガスとを吹き付けることで、テクスチャ形成面を有するシリコン基板を製造した。
[実施例1]
図6に示されるテクスチャ形成装置10のステージ50に、基板面方位(100)のシリコン基板100を載置した。シリコン基板100の基板面の面積は、125mm×125mmである。ステージ50の温度を25℃に設定した。減圧チャンバ20内の圧力を30KPaに調整した後、ノズル30からのエッチングガスを3分間かけてシリコン基板100の表面全体に吹き付けた。吹き付けたエッチングガスの組成は「ClF/O/N=50〜500cc/2000cc/2000〜5000cc」とした。窒素量は、2000〜5000ccの範囲内であれば、いずれの場合にもほぼ同様のテクスチャが得られた。
得られたシリコン基板のテクスチャ形成面を図1に示す。図1Bおよび図1Cに示される通り、逆四角錐状の凹部が密集して形成されており、しかも、その錐面は階段状になっていることがわかる。図1Aは、それを模式的に示す図である。
[比較例1]
図6に示されるテクスチャ形成装置10のステージ50に、基板面方位(100)のシリコン基板100を載置した。シリコン基板100の基板面の面積は、125mm×125mmである。ステージ50の温度を50℃に設定した。減圧チャンバ20内の圧力を90KPaに調整した後、ノズル30からのエッチングガスを3分間かけてシリコン基板100の表面全体に吹き付けた。吹き付けたエッチングガスの組成は「ClF/O/N=500cc/2000cc/2000〜5000cc」とした。
得られたシリコン基板のテクスチャ形成面を図3に示す。図3に示されるとおり、表面が粗面化されていることは確認できるが、逆錘状の凹部が形成されておらず、もちろん階段状の錐面も確認できない。これは、ステージ50の温度を50℃と高めに設定したため、シリコン基板の温度を低温に維持できなかったためであると考えられる。
[実施例2]
図6に示されるテクスチャ形成装置10のステージ50に、基板面方位(100)のシリコン基板100を載置した。シリコン基板100の基板面の面積は、125mm×125mmである。ステージ50の温度を25℃に設定した。減圧チャンバ20内の圧力を90KPaに調整した後、ノズル30からのエッチングガスを2分間かけてシリコン基板100の表面全体に吹き付け、その後、ノズル40からの冷却ガスを2分間かけて吹きつけた。エッチングガスの吹き付けと、冷却ガスの吹き付けとを、交互に3回ずつ繰り返した。1回あたりに吹き付けたエッチングガスの組成は「ClF/O/N=100cc/2000cc/2000〜5000cc」とした。冷却ガスは、Nとした。
得られたシリコン基板のテクスチャ形成面を図2に示す。図2Bに示される通り、逆円錐状の凹部が密集して形成されており、かつ、図2Cに示される通り、その錐面は階段状になっていることがわかる。図2Aは、それを模式的に示す図である。
[比較例2]
図6に示されるテクスチャ形成装置10のステージ50に、基板面方位(100)のシリコン基板100を載置した。シリコン基板100の基板面の面積は、125mm×125mmである。ステージ50の温度を25℃に設定した。減圧チャンバ20内の圧力を90KPaに調整した後、ノズル30からのエッチングガスを3分間かけてシリコン基板100の表面全体に吹き付け、その後、ノズル40からの冷却ガスを3分間かけて吹きつけた。エッチングガスの吹き付けと、冷却ガスの吹き付けとを、交互に3回ずつ繰り返した。1回あたりに吹き付けたエッチングガスの組成は「ClF/O/N=1000cc/2000cc/2000〜5000cc」とした。冷却ガスは、Nとした。
得られたシリコン基板のテクスチャ形成面を図4に示す。図4に示される通り、表面の一部に孔が形成されているが、逆錘状の凹部が形成されておらず、もちろん階段状の錐面も確認できない。これは、エッチングガス中のClFの濃度が高すぎるために、オーバーエッチングされたためであると考えられる。
実施例1で得られたシリコン基板のテクスチャ形成面での反射率と吸光率とを測定した。また、比較例1で得られたシリコン基板の被エッチング面での反射率と吸光率とを測定した。さらに、参考例として、基板面方位(100)のシリコン基板のテクスチャ未形成面での反射率と吸光率とを測定した。反射率および吸光率の測定は、積分球分光光度計(U4000,日立ハイテクフィールディング)にて行った。
図7Aは、各反射率の測定結果を示すグラフであり、図7Bは、各吸光率の測定結果を示すグラフである。図7Aおよび図7Bに示されるように、実施例1のシリコン基板のテクスチャ形成面での反射率(波長500nm〜1000nm)は20%以下に抑制されており、かつ吸光率(波長500nm〜1000nm)は80%以上にまで高められている。一方で、比較例1の反射率および吸光率は、参考例の反射率および吸光率と大きく変化していない。
本発明のシリコン基板はテクスチャ形成面を有しており、その反射率が低い。よって、テクスチャ形成面を受光面とすることで、太陽電池用のシリコン基板として好適に用いられる。それにより、太陽電池の光電変換率の向上に寄与する。
10 テクスチャ形成装置
20 減圧チャンバ
30 エッチングガスを噴出するノズル
31 エッチングガス供給配管
40 冷却ガスを噴出するノズル
41 冷却ガス供給配管
50 ステージ
100 シリコン基板

Claims (10)

  1. テクスチャを形成されたテクスチャ形成面を有する基板面方位(100)のシリコン基板であって、
    前記テクスチャ形成面には、複数の逆錐状の凹部が形成され、かつ前記逆錐状の凹部の錐面は階段状であり、
    前記テクスチャ形成面を受光面とする、太陽電池用シリコン基板。
  2. 前記逆錐状の凹部は、逆四角錐状の凹部である、請求項1に記載のシリコン基板。
  3. 前記逆錐状の凹部は、逆円錐状の凹部である、請求項1に記載のシリコン基板。
  4. 前記逆錐状の凹部の開口径は、0.5〜10μmである、請求項1〜3の何れか一項に記載のシリコン基板。
  5. 前記逆錐状の凹部の深さは、0.1〜5μmである、請求項1〜3の何れか一項に記載のシリコン基板。
  6. 前記逆錐状の錐面を構成する階段状の段差は、0.01〜1μmである、請求項1に記載のシリコン基板。
  7. 前記テクスチャ形成面における前記逆錐状の凹部の密度は、1〜100個/100μmである、請求項1に記載のシリコン基板。
  8. 前記シリコン基板のテクスチャ形成面への入射光(波長0.5〜10μm)の吸光率は80%以上である、請求項1に記載のシリコン基板。
  9. 請求項1に記載のシリコン基板を含み、前記テクスチャ形成面を受光面とする太陽電池。
  10. 請求項1に記載のシリコン基板の製造方法であって、
    ステージに載置された基板面方位(100)のシリコン基板を用意するステップと、大気圧から80KPaの減圧環境下にて、前記ステージの温度を25℃以下に保持しながら、前記シリコン基板表面にエッチングガスを吹き付けるステップとを有し、
    前記エッチングガスには、不活性ガスと、酸素原子を含有するガスと、ClF ガスと、が含まれる、製造方法。
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