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JP5289499B2 - 回転電機 - Google Patents

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JP5289499B2 JP2011081885A JP2011081885A JP5289499B2 JP 5289499 B2 JP5289499 B2 JP 5289499B2 JP 2011081885 A JP2011081885 A JP 2011081885A JP 2011081885 A JP2011081885 A JP 2011081885A JP 5289499 B2 JP5289499 B2 JP 5289499B2
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Description

この発明は、車両用交流発電機などの回転電機に関し、特にスロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心に波巻きに巻回された固定子巻線の巻装構造に関するものである。
従来の回転電機では、固定子巻線が、それぞれ、互いに電気角で30度の位相差を持つ第1巻線と第2巻線とを直列に接続したU相巻線、V相巻線およびW相巻線をY結線して構成され、第1巻線および第2巻線は、それぞれ複数の巻線を並列に接続して構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−136459号公報(図15)
特許文献1に記載の従来の回転電機では、第1巻線および第2巻線を構成する複数の巻線は集中巻き巻線であるので、巻線のターン数は簡易に変えられる。そこで、並列回路部での循環電流の問題は、並列接続される複数の巻線のターン数を等しくすることで簡易に解決できる。また、所望の出力特性を得るために、直列接続される第1巻線と第2巻線との巻き数を変えることが要求されるが、第1巻線を構成する巻線のターン数と第2巻線を構成する巻線のターン数とを変えることでその要求に簡易に応えることができる。
そして、第1巻線および第2巻線を構成する複数の巻線を集中巻き巻線に代えて波巻き巻線で構成する場合にも、並列接続される複数の巻線のターン数を等しくすることで、並列回路部での循環電流の発生の問題を解決でき、直列接続される第1巻線と第2巻線との巻き数を変えることで、所定の出力特性を得ることができる。
ここで、第1巻線が4ターンの2つの波巻き巻線を並列接続して構成され、第2巻線が3ターンの2つの波巻き巻線を並列接続して構成されているとする。この場合、第1巻線が巻装されるスロットのそれぞれには、8本の導体線が収納され、第2巻線が巻装されるスロットのそれぞれには、6本の導体線が収納される。このように、スロットに収納される導体線の本数がスロット毎で異なることになり、固定子巻線のコイルエンド群の内周面に凹凸が発生し、大きな風切り音が回転子との間で発生するという不具合があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ターン数の異なる2つの巻線部を直列に接続して相巻線を構成して、出力を高めるとともに、コイルエンド群の内周面の凹凸の発生を抑えて、風切り音を低減できる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、ハウジングに回転可能に支持された回転子と、スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された第1三相固定子巻線および第2三相固定子巻線を有し、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに支持された固定子と、を備えている。上記第1三相固定子巻線は、U相巻線、V相巻線、およびW相巻線をY結線して構成され、上記第2三相固定子巻線は、U相巻線、V相巻線、およびW相巻線をY結線して構成されている。上記U相巻線は、U1-1相巻線部とU1-2相巻線部とを直列に接続して構成され、上記V相巻線は、V1-1相巻線部とV1-2相巻線部とを直列に接続して構成され、上記W相巻線は、W1-1相巻線部とW1-2相巻線部とを直列に接続して構成され、上記U相巻線は、U2-1相巻線部とU2-2相巻線部とを直列に接続して構成され、上記V相巻線は、V2-1相巻線部とV2-2相巻線部とを直列に接続して構成され、上記W相巻線は、W2-1相巻線部とW2-2相巻線部とを直列に接続して構成されている。上記U1-1相巻線部と上記U2-1相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成される第1スロット群に巻装され、上記U1-2相巻線部と上記U2-2相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成され、上記第1スロット群に隣接する第2スロット群に巻装され、上記V1-1相巻線部と上記V2-1相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成される第3スロット群に巻装され、上記V1-2相巻線部と上記V2-2相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成され、上記第3スロット群に隣接する第4スロット群に巻装され、上記W1-1相巻線部と上記W2-1相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成される第5スロット群に巻装され、上記W1-2相巻線部と上記W2-2相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成され、上記第5スロット群に隣接する第6スロット群に巻装されている。上記U1-1相巻線部、上記U2-2相巻線部、上記V1-1相巻線部、上記V2-2相巻線部、上記W1-1相巻線部、および上記W2-2相巻線部は、それぞれ、同一断面形状の導体線を、6スロットおきの上記スロットに波巻きにmターン(ただし、mは整数)巻回して構成され、上記U1-2相巻線部、上記U2-1相巻線部、上記V1-2相巻線部、上記V2-1相巻線部、上記W1-2相巻線部、および上記W2-1相巻線部は、それぞれ、上記導体線を、6スロットおきの上記スロットに波巻きにnターン(ただし、nはmと異なる整数)巻回して構成されている。そして、上記第1三相固定子巻線と上記第2三相固定子巻線は、上記U相巻線の出力端と上記U相巻線の出力端とを接続し、上記V相巻線の出力端と上記V相巻線の出力端とを接続し、上記W相巻線の出力端と上記W相巻線の出力端とを接続して、並列に接続されている。
この発明によれば、U相巻線を構成するU1-1相巻線部とU相巻線を構成するU2-1相巻線部とが第1スロット群に巻回され、U相巻線を構成するU1-2相巻線部とU相巻線を構成するU2-2相巻線部とが第2スロット群に巻回されている。そこで、第1スロット群の各スロットに収納されている導体線の本数は(m+n)となり、第2スロット群の各スロットに収納されている導体線の本数は(m+n)となる。このように、各スロットに収納される導体線の本数が等しくなり、固定子巻線のコイルエンド群の内周面における凹凸の発生が抑えられる。これにより、回転する回転子とコイルエンド群の内周面との干渉に起因する風切り音の発生が抑制される。
この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機を示す縦断面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の電気回路図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機における固定子巻線の結線図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子鉄心を示す端面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機における固定子鉄心への導体線の巻装状態を説明する要部端面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の出力特性を測定した結果を示す図である。 比較例の固定子巻線の結線図である。 比較例の車両用交流発電機における固定子鉄心への導体線の巻装状態を説明する要部端面図である。
以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機を示す縦断面図、図2はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の電気回路図、図3はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機における固定子巻線の結線図、図4はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子鉄心を示す端面図、図5はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機における固定子鉄心への導体線の巻装状態を説明する要部端面図である。なお、図4中、1、7、・・・67はスロット番号を示している。図5は円環状の固定子鉄心を切り開いて平面上に広げた状態を示している。
図1において、回転電機としての車両用交流発電機1は、それぞれ略椀形状のアルミニウム製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるハウジング4と、このハウジング4に軸受5を介して回転可能に支持されたシャフト6と、ハウジング4のフロント側に延出するシャフト6の端部に固着されたプーリ7と、シャフト6に固定されてハウジング4内に配設された回転子8と、回転子8を囲繞するようにハウジング4に固定された固定子20と、シャフト6のリヤ側に固定され、回転子8に電流を供給する一対のスリップリング12と、各スリップリング12の表面に摺動する一対のブラシ13と、これらのブラシ13を収容するブラシホルダ14と、固定子20に電気的に接続され、固定子20で生じた交流を直流に変換する整流器15と、ブラシホルダ14に取り付けられて、固定子20で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器16と、を備えている。
回転子8は、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル9と、界磁コイル9を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア10と、ポールコア10の軸心位置に貫装されたシャフト6と、を備えている。ファン11がポールコア10の軸方向両端面に溶接などにより固着されている。
固定子20は、フロントブラケット2およびリヤブラケット3に軸方向両側から挟持され、回転子8のポールコア10の外周面との間に均一なギャップを確保してポールコア10を囲繞するように配設された固定子鉄心21と、固定子鉄心21に巻装された固定子巻線22と、を備えている。
固定子鉄心21は、図4に示されるように、例えば、磁性鋼板の薄板を円環状に打ち抜いて作製された鉄心片を所定枚積層し、積層された所定枚の鉄心片を溶接により一体化して円筒状に作製された積層鉄心である。そして、固定子鉄心21は、円環状のコアバック部21a、それぞれコアバック部21aの内周面から径方向内方に延在し、かつ周方向に等角ピッチで配列するティース部21b、およびコアバック部21aと隣り合うティース部21bとにより画成されるスロット21cを有する。
ここで、回転子8のポールコア10の爪状磁極の個数は12であり、スロット21cの個数は72個である。即ち、スロット21cは、毎極毎相当たり2スロットの割合で、周方向に等角ピッチ(電気角でπ/6のピッチ)で形成されている。
固定子巻線22は、図2および図3に示されるように、第1三相固定子巻線23と第2三相固定子巻線24の三相の出力端同士を結線して、第1三相固定子巻線23と第2三相固定子巻線24とを並列に接続して構成されている。
第1三相固定子巻線23は、U相巻線30、V相巻線31、およびW相巻線32をY結線して構成されている。U相巻線30は、電気角で30°の位相差を有するU1-1相巻線部41とU1-2相巻線部42とを直列に結線して構成されている。V相巻線31は、電気角で30°の位相差を有するV1-1相巻線部43とV1-2相巻線部44とを直列して構成されている。W相巻線32は、電気角で30°の位相差を有するW1-1相巻線部45とW1-2相巻線部46とを直列に結線して構成されている。
第2三相固定子巻線24は、U2相巻線35、V2相巻線36、およびW2相巻線37をY結線して構成されている。U2相巻線35は、電気角で30°の位相差を有するU2-1相巻線部51とU2-2相巻線部52とを直列して構成されている。V2相巻線36は、電気角で30°の位相差を有するV2-1相巻線部53とV2-2相巻線部54とを直列に結線して構成されている。W2相巻線37は、電気角で30°の位相差を有するW2-1相巻線部55とW2-2相巻線部56とを直列に結線して構成されている。
そして、U相巻線30の出力端とU2相巻線35の出力端とが結線され、V相巻線31の出力端とV2相巻線36の出力端とが結線され、W相巻線32の出力端とW2相巻線37の出力端とが結線される。これにより、第1三相固定子巻線23と第2三相固定子巻線24とが並列に接続され、固定子巻線22が構成される。
つぎに、固定子巻線22の具体的な構造を説明する。
1-1相巻線部41は、導体線29をスロット番号1番、7番、・・・、61番、67番の6スロットおきのスロット21cからなる第1スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。U1-2相巻線部42は、導体線29をスロット番号2番、8番、・・・、62番、68番の6スロットおきのスロット21cからなる第2スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。
1-1相巻線部43は、導体線29をスロット番号3番、9番、・・・、63番、69番の6スロットおきのスロット21cからなる第3スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。V1-2相巻線部44は、導体線29をスロット番号4番、10番、・・・、64番、70番の6スロットおきのスロット21cからなる第4スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。
1-1相巻線部45は、導体線29をスロット番号5番、11番、・・・、65番、71番の6スロットおきのスロット21cからなる第5スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。W1-2相巻線部46は、導体線29をスロット番号6番、12番、・・・、66番、72番の6スロットおきのスロット21cからなる第6スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。
2-1相巻線部51は、導体線29を第1スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。U2-2相巻線部52は、導体線29を第2スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
2-1相巻線部53は、導体線29を第3スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。V2-2相巻線部54は、導体線29を第4スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
2-1相巻線部55は、導体線29を第5スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。W2-2相巻線部56は、導体線29を第6スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
そして、U相巻線30は、U1-1相巻線部41の巻き終わり部とU1-2相巻線部42の巻き始め部とをTIG溶接などにより接合して構成され、7ターンの巻線である。同様に、V相巻線31およびW相巻線32も、7ターンの波巻き巻線である。そして、U1-1相巻線部41、V1-1相巻線部43、およびW1-1相巻線部45の巻き始め部をTIG溶接等により接合して、第1三相固定子巻線23が形成される。
また、U2相巻線35は、U2-1相巻線部51とU2-2相巻線部52とを直列して構成された7ターンの波巻き巻線である。同様に、V2相巻線36およびW2相巻線37も、7ターンの波巻き巻線である。そして、U2-1相巻線部51、V2-1相巻線部53、およびW2-1相巻線部55の巻き始め部をTIG溶接等により接合して、第2三相固定子巻線24が形成される。
さらに、U1-2相巻線部42とU2-2相巻線部52の巻き終わり部をTIG溶接等により接合し、V1-2相巻線部44とV2-2相巻線部54の巻き終わり部をTIG溶接等により接合し、W1-2相巻線部46とW2-2相巻線部56の巻き終わり部をTIG溶接等により接合して、固定子巻線22が形成される。
つぎに、このように構成された車両用交流発電機1の動作について説明する。
まず、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ13およびスリップリング12を介して回転子8の界磁コイル9に供給され、磁束が発生される。この磁束により、ポールコア10の爪状磁極部に磁極が形成される。
一方、エンジンの回転トルクがベルト(図示せず)およびプーリ7を介して回転軸6に伝達され、回転子8が回転される。そこで、回転磁界が固定子20の固定子巻線22に与えられ、起電力が固定子巻線22に発生する。この起電力で発生する交流電流は、整流器15で直流電流に整流され、バッテリが充電され、或いは電気負荷に供給される。
このように構成された固定子巻線22においては、各相の並列接続される2つの巻線部がともに7ターンとなり、並列回路部での循環電流の発生が抑制される。
各スロット21c内には、図5に示されるように、7本の導体線29が収納されている。そこで、各スロット21cに収納される導体線29の本数が同じであり、固定子巻線22のコイルエンド群の内周面における凹凸の発生が抑制される。これにより、回転する回転子8とコイルエンド群の内周面との干渉に起因する風切り音の発生が抑制される。
第1三相固定子巻線23と第2三相固定子巻線24との中性点は、それぞれ3本の導体線29を結線して構成されているので、第1三相固定子巻線23と第2三相固定子巻線24との中性点同士を結線する作業は極めて煩雑な作業となる。本発明では、第1三相固定子巻線23と第2三相固定子巻線24との中性点同士は結線されていないので、煩雑な結線作業を省略でき、固定子20の作製が容易となる。
各相巻線において、電気角が30°ずれた2つの巻線部、例えばU1-1相巻線部41とU1-2相巻線部42とを直列に接続しているので、起磁脈動力を低減でき、磁気騒音が低減される。
各相巻線において、直列接続される2つの巻線部、例えばU1-1相巻線部41とU1-2相巻線部42のターン数が異なっているので、車両用交流発電機1の出力を高めることができる。
ここで、本車両用交流発電機1の出力特性を測定した結果を図6に示す。なお、図6中、実線は本車両用交流発電機1の出力特性を示し、点線は比較例の車両用交流発電機の出力特性を示している。比較例の車両用交流発電機は、図7に示される比較例の固定子巻線60を用いている点を除いて、本車両用交流発電機1と同様に構成されている。
図6から分かるように、車両用交流発電機1は、回転速度の全範囲で、比較例の車両用交流発電機より高い出力が得られることが確認された。
つぎに、比較例の固定子巻線60の具体的な構造を図7および図8を参照しつつ説明する。なお、図7は比較例の固定子巻線の結線図、図8は比較例の車両用交流発電機における固定子鉄心への導体線の巻装状態を説明する要部端面図である。なお、図8は円環状の固定子鉄心を切り開いて平面上に広げた状態を示している。
1-1相巻線部71は、導体線29を第1スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。U1-2相巻線部72は、導体線29を第2スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
1-1相巻線部73は、導体線29を第3スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。V1-2相巻線部74は、導体線29を第4スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
1-1相巻線部75は、導体線29を第5スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。W1-2相巻線部76は、導体線29を第6スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
2-1相巻線部81は、導体線29を第1スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。U2-2相巻線部82は、導体線29を第2スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
2-1相巻線部83は、導体線29を第3スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。V2-2相巻線部84は、導体線29を第4スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
2-1相巻線部85は、導体線29を第5スロット群に波巻きに巻回して作製された4ターンの波巻き巻線である。W2-2相巻線部86は、導体線29を第6スロット群に波巻きに巻回して作製された3ターンの波巻き巻線である。
そして、U相巻線61は、U1-1相巻線部71とU2-1相巻線部81とを並列接続した巻線部と、U1-2相巻線部72とU2-2相巻線部82とを並列接続した巻線部と、を直列に接続して構成されている。V相巻線62は、V1-1相巻線部73とV2-1相巻線部83とを並列接続した巻線部と、V1-2相巻線部74とV2-2相巻線部84とを並列接続した巻線部と、を直列に接続して構成されている。W相巻線63は、W1-1相巻線部75とW2-1相巻線部85とを並列接続した巻線部と、W1-2相巻線部76とW2-2相巻線部86とを並列接続した巻線部と、を直列に接続して構成されている。
固定子巻線60は、図7に示されるように、U相巻線61、V相巻線62、およびW相巻線63をY結線して構成されており、上述の固定子巻線22と略等価の電気回路となっている。
比較例の車両用交流発電機は、固定子巻線22に代えて固定子巻線60を用いて構成される。このように構成された固定子巻線60においても、各並列回路部を構成する2つの巻線部のターン数が同じであり、並列回路部での循環電流の発生が抑えられる。また、各相巻線において、電気角が30°ずれた2つの巻線部を直列に接続しているので、起磁脈動力を低減でき、磁気騒音が低減される。
しかし、比較例の車両用交流発電機では、図8に示されるように、8本の導体線29が収納されているスロット21cと6本の導体線29が収納されているスロット21cとが交互に配列されている。そこで、固定子巻線22のコイルエンド群の内周面に凹凸が発生し、回転する回転子8とコイルエンド群の内周面との干渉に起因する風切り音が大きくなる。
なお、上記実施の形態では、車両用交流発電機について説明しているが、この発明は、車両用交流発電機に限らず、車両用電動機、車両用発電電動機などの車両用回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記実施の形態では、電気角で30°の位相差を有する2つの巻線部を直列に接続して相巻線を構成しているが、直列に接続される2つの巻線部の位相差は30°(電気角)に限定されない。
また、上記実施の形態では、4ターンの巻線部と3ターンの巻線部を直列に接続して第1および第2三相固定子巻線の各相巻線を構成しているが、直列接続される2つの巻線部のターン数は4ターンと3ターンに限定されず、互いに異なっていればよい。
4 ハウジング、8 回転子、20 固定子、21 固定子鉄心、21c スロット、23 第1三相固定子巻線、24 第2三相固定子巻線、29 導体線、30 U相巻線、31 V相巻線、32 W相巻線、35 U相巻線、36 V相巻線、37 W相巻線、41 U1-1相巻線部、42 U1-2相巻線部、43 V1-1相巻線部、44 V1-2相巻線部、45 W1-1相巻線部、46 W1-2相巻線部、51 U2-1相巻線部、52 U2-2相巻線部、53 V2-1相巻線部、54 V2-2相巻線部、55 W2-1相巻線部、56 W2-2相巻線部。

Claims (2)

  1. ハウジングに回転可能に支持された回転子と、
    スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された第1三相固定子巻線および第2三相固定子巻線を有し、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに支持された固定子と、を備え、
    上記第1三相固定子巻線は、U相巻線、V相巻線、およびW相巻線をY結線して構成され、
    上記第2三相固定子巻線は、U相巻線、V相巻線、およびW相巻線をY結線して構成され、
    上記U相巻線は、U1-1相巻線部とU1-2相巻線部とを直列に接続して構成され、
    上記V相巻線は、V1-1相巻線部とV1-2相巻線部とを直列に接続して構成され、
    上記W相巻線は、W1-1相巻線部とW1-2相巻線部とを直列に接続して構成され、
    上記U相巻線は、U2-1相巻線部とU2-2相巻線部とを直列に接続して構成され、
    上記V相巻線は、V2-1相巻線部とV2-2相巻線部とを直列に接続して構成され、
    上記W相巻線は、W2-1相巻線部とW2-2相巻線部とを直列に接続して構成され、
    上記U1-1相巻線部と上記U2-1相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成される第1スロット群に巻装され、上記U1-2相巻線部と上記U2-2相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成され、上記第1スロット群に隣接する第2スロット群に巻装され、上記V1-1相巻線部と上記V2-1相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成される第3スロット群に巻装され、上記V1-2相巻線部と上記V2-2相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成され、上記第3スロット群に隣接する第4スロット群に巻装され、上記W1-1相巻線部と上記W2-1相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成される第5スロット群に巻装され、上記W1-2相巻線部と上記W2-2相巻線部は、6スロットおきの上記スロットで構成され、上記第5スロット群に隣接する第6スロット群に巻装され、
    上記U1-1相巻線部、上記U2-2相巻線部、上記V1-1相巻線部、上記V2-2相巻線部、上記W1-1相巻線部、および上記W2-2相巻線部は、それぞれ、同一断面形状の導体線を、6スロットおきの上記スロットに波巻きにmターン(ただし、mは整数)巻回して構成され、
    上記U1-2相巻線部、上記U2-1相巻線部、上記V1-2相巻線部、上記V2-1相巻線部、上記W1-2相巻線部、および上記W2-1相巻線部は、それぞれ、上記導体線を、6スロットおきの上記スロットに波巻きにnターン(ただし、nはmと異なる整数)巻回して構成され、
    上記第1三相固定子巻線と上記第2三相固定子巻線は、上記U相巻線の出力端と上記U相巻線の出力端とを接続し、上記V相巻線の出力端と上記V相巻線の出力端とを接続し、上記W相巻線の出力端と上記W相巻線の出力端とを接続して、並列に接続されていることを特徴とする回転電機。
  2. 上記第1三相固定子巻線の中性点と上記第2三相固定子巻線の中性点が結線されていないことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
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