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JP5288407B2 - 油溶性物質のo/w型乳化組成物 - Google Patents

油溶性物質のo/w型乳化組成物 Download PDF

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JP5288407B2 JP2008326398A JP2008326398A JP5288407B2 JP 5288407 B2 JP5288407 B2 JP 5288407B2 JP 2008326398 A JP2008326398 A JP 2008326398A JP 2008326398 A JP2008326398 A JP 2008326398A JP 5288407 B2 JP5288407 B2 JP 5288407B2
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Description

本発明は、油溶性物質のO/W型乳化組成物に関する。さらに詳しくは、乳化物の乳化安定性が良好で、油溶性物質の分離が起こりにくく、かつ、水に均一に分散しやすい油溶性物質の乳化組成物に関する。
油溶性物質には、油脂、色素、ビタミン、機能性物質、香料等のさまざまな有用成分があり、その利用範囲は食品、化粧品、医薬品、医薬部外品等の様々な分野にわたる。
しかしながら、油溶性物質はそのままの状態では取り扱いが不便であり、また生体への吸収性が低いという問題がある。また、油溶性物質は、一般的に水への溶解性が極めて低く、水に均一に分散または可溶化させて安定な水性溶液として利用することが困難である。そこで、油溶性物質を使用する際には、油脂等により溶解して希釈するか、または懸濁させて乳化させる方法が採用されている。そこで、油溶性物質を水性溶媒に安定的に可溶化するための方法が求められている。
油溶性物質を水性溶媒に可溶化する一般的な方法としては、油溶性物質を食用油等の油
性溶媒に溶解し、これを、予め界面活性剤を溶解した水性溶媒と混合して、乳化する方法
を挙げることができる。乳化剤または可溶化剤としては従来より種々の化合物が使用されてきており、例えば、レシチン、サポニン、アラビアガム、ゼラチン、化工デンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどの界面活性剤が知られている。
油溶性物質には乳化剤を使用しても安定な乳化物を得ることが困難な物質も多く存在し、それらを乳化するため、また、比較的乳化の容易な物質であっても経時的な乳化安定性を向上させるため、さまざまな乳化剤の組み合わせが工夫されている。例えば、油性香料または植物油脂をキラヤサポニン単独またはキラヤサポニンとポリグリセリン脂肪酸エステルを併用して乳化した飲料用クラウディー(特許文献1)、難溶性のオクタコサノールを油脂、水溶性乳化剤および油溶性乳化剤を用いて飲料添加後も安定な乳化製剤を製造する方法(特許文献2)、難溶性のセラミドを炭素数8〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルと、炭素数12〜18のポリグリセリン脂肪酸エステルを併用して乳化する方法(特許文献3)、天然精油や植物油をチクルガムと他の乳化剤(アラビアガム、ショ糖脂肪酸エステルなど)を併用して乳化製剤とする方法(特許文献4)、柑橘油類、精油類、フレーバー油、食用油などを、バラダと他の乳化剤(グリセリン脂肪酸エステルまたはショ糖エステル)と併用して乳化する方法(特許文献5)、難溶性物質であるセラミド類をリン脂質誘導体、脂肪酸デキストリンおよびポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて水中油型乳化物とする方法(特許文献6)などが挙げられる。また、乳化剤の組み合わせ以外にも、例えば、ビタミンA類をポリソルベート80またはポリキシエチレン硬化ひまし油60を用いて乳化した可溶化製剤(特許文献7)、乳化剤として精製したポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することにより、乳化組成物や乳化製剤が添加された飲料の安定性を高める方法(特許文献8)などが開示されている。
油溶性物質の希釈剤としては中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)が用いられることが多い。MCTは無味無臭で、酸化安定性が高く、各種油溶性物質の溶解性が高く、また、乳化しやすいという特徴がある。一方、米サラダ油などの通常の植物油は、一般的に油溶性物質の希釈剤の一般例として開示されている記載は多数見られるが、実際には極めて乳化し難いため、実際に用いている例はほとんど見当たらない。また、香料においては、エステル類の割合の多いものなどは一般的に安定な乳化製剤を得ることが困難で、そのためMCTなどの希釈剤を用いて乳化していることが多いというのが現状であった。
特開昭63−98369号公報 特開昭63−219357号公報 特開2003−113393号公報 特開昭48−68756号公報 特開昭51−130561号公報 特開2008−156342号公報 特開平11−236331号公報 特開2007−116930号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の乳化剤では安定な乳化製剤とすることが困難であった米サラダ油などの植物油脂や、エステル類などを多く含有する香料化合物などのO/W型乳化組成物であって、乳化物の乳化安定性が良好で、水に均一に分散しやすく、かつ、水に分散後も経時的に安定な乳化組成物を提供することにある。
油溶性物質にはさまざまな乳化しにくい物質が存在するが、本発明者らは上記課題を解決するためには、乳化しにくい油溶性物質としては極めて一般的である米サラダ油において安定な乳化製剤が得られれば、他の難乳化性の油溶性物質にも応用できるのではないかと考え、乳化剤の選定と、その組み合わせについて鋭意研究を行った。例えば、一般的にポリグリセリン脂肪酸エステルは乳化力に優れるため、さまざまな油溶性物質の乳化剤として用いられることが多いが、米サラダ油を乳化してみたところ、安定な乳化物が得られなかった。また、乳化力が強いとされるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルやキラヤサンポニンを用いても、それぞれ単独の乳化剤として使用した場合は、経時的に乳化粒子が大きくなりやがて分離してしまうことが確認された。
ところが、驚くべきことに乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとキラヤサポニンの両方を併用して米サラダ油の乳化を試みたところ、乳化物の乳化安定性が良好で、また、経時的に乳化粒子が大きく成らず、さらに、水への分散性が非常に良好で、かつ、水に分散後も経時的に安定な乳化組成物を得ることができた。
なお、先行技術中、乳化剤を多数列記し、その中にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびキラヤサポニンが挙げられているものは多数見られるが、実際に、この両者を組み合わせてその効果を確認した先行技術は見あたらない。
かくして本発明は、O/W型乳化組成物の製造方法であって、(A)油溶性物質を0.5〜50質量%、(B)キラヤサポニンを0.05〜5質量%、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを0.01質量%〜10質量%並びに(D)水、1価アルコールおよび多価アルコールから選ばれる1種以上を10質量%〜90質量%を含有し、(D)水、1価アルコールおよび多価アルコールから選ばれる1種以上からなる水相部に、(B)キラヤサポニンを混合溶解し、これとは別に、(A)油溶性物質に、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを溶解し、両者を混合し、乳化処理することを特徴とするO/W型乳化組成物の製造方法を提供するものである。
本発明の油溶性物質のO/W型乳化組成物は、乳化物の乳化安定性が良好で、経時的に乳化粒子が大きくなったり、分離を起こしたりしない。また、水に均一に分散しやすく、水に分散後も経時的に安定なため、飲料や食品に使用し易いという優れた効果を有する。
本発明で使用する油溶性物質は特に制限はなく、各種の油脂類、油溶性色素類、ビタミン類、機能性物質、香料類などを使用することもできる。油脂類としては例えば、大豆油、米油、米サラダ油、ゴマ油、ピーナッツ油、コーン油、菜種油、ヤシ油、パーム油などの植物油脂類およびそれらの硬化油;牛脂、豚脂、鶏油などの動物油脂類及びそれらの硬化油;中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)などを挙げることができ、油溶性色素類としては、例えば、β−カロチン、パプリカ色素、アナトー色素及びクロロフィルなどの油溶性天然色素類が挙げられ、油溶性ビタミン類としては、例えば、肝油、ビタミンA、ビタミンA油、ビタミンD3、ビタミンB2酪酸エステル、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンKなどが挙げられ、機能性物質としては、例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、DHAおよび/またはEPA含有魚油、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、月見草油、ボラージ油、レシチン、オクタコサノール、ローズマリー抽出物、セージ抽出物、γ−オリザノール、β−カロチン、パームカロチン、シソ油などが挙げられ、香料類としては例えば、各種天然精油、エキストラクト、オレオレジン、レジノイドなどの天然の抽出物、合成香料化合物、またはこれらを調合した調合香料のいずれであっても使用することができる。また、天然精油としては、例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類精油、花精油、ペパーミント油、スペアミント油、スパイス油などの植物精油が挙げられ、天然物の抽出物としては、例えば、コーラナッツエキストラクト、コーヒーエキストラクト、ワニラエキストラクト、ココアエキストラクト、紅茶エキストラクト、スパイス類エキストラクトなどの油性のエキストラクト、レジノイドおよびびこれらのオレオレジン類などが挙げられ、合成香料化合物としては、例えば、”日本における食品香料化合物の使用実態調査”(平成12年度 厚生科学研究報告書;日本香料工業会 平成13年3月発行)、”合成香料 化学と商品知識”(2005年3月22日増補改訂版発行 印藤元一著 化学工業日報社)等に記載のエステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、炭化水素類、含窒素及び/又は含硫化合物類、酸類の群から選ばれる少なくとも1種以上の合成香料などが挙げられる。これらのうち、特に乳化しにくい物質の例としては、米サラダ油、米油、大豆油、ゴマ油、コーン油、ビタミンA、ビタミンK、オクタコサノール、セラミド、エステル類(香料)を例示することができる。
本発明で使用する油溶性物質の配合量は、乳化組成物中に0.5質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜35質量%を例示することができる。油溶性物質の配合量は、乳化製剤の輸送にかかるコストや保管場所などの事情を考慮するとなるべく多い方が好ましいが、油溶性物質が50質量%より多い場合、乳化混合の均一性が不十分となりやすいため好ましくない。また、乳化組成物中の油溶性物質の配合割合が0.5質量%未満では、最終製品に必要とされる量の油溶性成分を配合するための乳化組成物の添加量が多くなってしまい不経済である。
本発明で使用する乳化剤としてはキラヤサポニンおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの両方を使用する点に特徴がある。この両者を併用して使用することで乳化物の乳化安定性が良好で、経時的に乳化粒子が大きくなったり、分離を起こしたりせず、また、水に均一に分散しやすく、かつ、水に分散後も経時的に安定な乳化物を得ることができる。
キラヤサポニンは、キラヤ抽出物、キラヤニンとも呼ばれ、第7版食品添加物公定書に「キラヤ抽出物」として収載されている。キラヤサポニンはバラ科植物キラヤ(Quilaia saponalia Molina)の樹皮に含まれている配糖体成分であって、キラヤ酸をアグリコンとするトリテルペン系サポニンからなる数種のサポニンを主成分とする天然の界面活性物質である。キラヤは南米のチリ、ボリビア、ペルー等に自生するほか栽培もされている。キラヤサポニンは乳化力があるだけではなく起泡力も強く、現地ではキラヤはシャボンの木とも呼ばれており、その樹液はシャンプーとして使用されている。キラヤサポニンは親水性が高く、表面張力低下力が強く、また、水に透明に溶解しやすいため、高いHLBを有する界面活性剤であるといえる。また、乳化力が強いため油溶性物質の透明乳化(微細に乳化を行うと肉眼では透明に見える)に用いることもできる。
キラヤサポニンはキラヤ樹皮から、水、低級アルコール、またはこれらの混合物を用いて抽出することができるが、市販のキラヤサポニンを使用することもできる。市販のキラヤサポニンとしてはキラヤニンS−100、キラヤニンC−100、キラヤニンP−20(以上、丸善製薬社製)などを例示することができる。
本発明で使用するキラヤサポニンの配合量は、乳化組成物中に0.05質量%〜5質量%、好ましくは0.5質量%〜3質量%、より好ましくは1質量%〜2質量%を例示することができる。キラヤサポニンの量が0.05質量%より少ない場合、良好な乳化物が得られない可能性があり、また5質量%より多く使用してもそれほど乳化効果は高まらない。
キラヤサポニンは、先にも記載したとおり、乳化力が強く、油溶性物質の透明乳化に用いることもできるが、単独の乳化剤としては、米サラダ油の乳化に十分とはいいがたい。キラヤサポニンを乳化剤として単独で用いて米サラダ油を乳化すると、経時的に乳化物の粒径が大きくなり、やがて分離してしまう傾向が見られる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ポリソルベートとも呼ばれ、ソルビタン脂肪酸エステルにポリオキシエチレンを付加したもので、ポリオキシエチレンの付加モル数、ソルビタン脂肪酸エステルの構成脂肪酸種及びエステル化度の組み合わせにより各種存在する。古くから化粧品、洗剤等の乳化剤として、また、海外では食品用乳化剤として使用されてきたが、我が国では平成20年4月に食品添加物として一部のポリソルベート類が認可され、食品に使用できることとなった。
本発明に使用することのできるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、付加モル数、脂肪酸種、エステル化度になんら制限されるものではないが、エチレン単位の付加数(重合度)としては、ソルビタン脂肪酸エステルの有する複数のヒドロキシル基に付加しているオキシエチレン単位の合計数として、1〜100、より好ましくは5〜30、さらに好ましくは15〜25であることが良い。また、エステルを構成する脂肪酸種は炭素数は好ましくは8〜22、より好ましくは12〜18の飽和もしくは不飽和の脂肪酸、さらに好ましくはステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸である。エステル化度は特に制限されるものではなく、モノエステル、ジエステル、トリエステル等の各種エステル体等のいずれであってもよいが、乳化安定性、環境への安全性等の面から、モノエステルが特に好ましい。好ましい具体例としてはモノエステルタイプは、ポリソルベート80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、20EO)、ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、20EO)、ポリソルベート40(モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、20EO)、ポリソルベート20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、20EO)、トリエステルタイプは、ポリソルベート65(トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、20EO)などである。
本発明で使用するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの配合量は、乳化組成物中に、好ましくは0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜3質量%を例示することができる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの量が0.01質量%より少ない場合、良好な乳化物が得られない可能性があり、また10質量%より多く使用してもそれほど乳化効果は高まらない。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは乳化力が強いが、単独の乳化剤としては、米サラダ油の乳化には十分とはいいがたい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを乳化剤として単独で用いて米サラダ油を乳化した場合得られた乳化物は、乳化直後は乳化状態が比較的良いが、経時的に乳化物の粒径が大きくなり、やがて分離してしまう傾向が見られる。
本発明ではこれらの、単独ではいずれも米サラダ油の乳化に必ずしも適当とはいえないキラヤサポニンとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの両方を併用して使用する点に特徴がある。本発明では、この両者を併用して使用することにより初めて、乳化物の乳化安定性が良好で、経時的に乳化粒子が大きくなったり、分離を起こしたりせず、また、水に均一に分散しやすく、かつ、水に分散後も経時的に安定な米サラダ油の乳化物を得ることができた。キラヤサポニンとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの使用割合は、質量換算で例えば50:1〜1:5、好ましくは20:1〜1:2、より好ましくは5:1〜1:1の範囲内を例示することができる。
本発明では、乳化組成物中に水、1価アルコールおよび多価アルコールから選ばれる1種以上を使用する。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルはHLBが高く、油溶性物質と混和しやすいが、キラヤサポニンは先に記載したとおり、親水性が高く、高いHLBを有する界面活性剤であるため、油溶性物質と混和しにくく、溶解するためには水溶性の媒体が必要となる。本発明で使用することのできる1価アルコールおよび多価アルコールとしては、例えば、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、水あめ、還元水あめ、グルコース、フラクトース、ショ糖、マルトース、液糖などの糖類及びこれらの二種以上の混合物を例示することができる。本発明で使用する水および/または多価アルコールから選ばれる1種以上の配合量は乳化組成物中に10質量%〜90質量%、好ましくは20質量%〜80質量%、より好ましくは30質量%〜70質量%を例示することができる。
本発明では、乳化を妨げない範囲で、その他の水溶性原料を配合することもできる。その他の成分としては例えば、水溶性色素、水溶性の機能性物質、水溶性酸化防止剤、前記以外の乳化剤、増粘剤、安定剤などを例示することができる。
本発明品のO/W型乳化組成物の調製方法を例示すれば、例えば、液糖などの水相部にキラヤサポニンを混合溶解し、これとは別に、米サラダ油にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを溶解し、両者を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)などの乳化機を用いて、約5000rpm〜約10000rpmの回転数で、約5分〜約20分間乳化処理する。また、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)に代えて、これと同等もしくはそれ以上の乳化能力を有するものであれば、従来公知の高圧ホモジナイザー或いはコロイドミルなどの乳化機を用いて乳化処理してもよい
かくして得られた米サラダ油のO/W型乳化組成物は乳化物の乳化安定性が良好で、経時的に乳化粒子が大きくなったり、分離を起こしたりしない。また、水に均一に分散しやすいため、飲料や食品に使用し易く、添加後の経時安定性も良好である。
本発明のO/W型乳化組成物を配合することのできる飲食品としては、例えば、飲料、調味料、ドレッシング、冷菓、デザート、レトルト食品、畜肉加工食品、水産加工食品などを挙げることができる。これら飲食品に配合される乳化香料の使用量は、飲食品の種類、形態などにより異なるが、一般的には飲食品1質量部に対して約0.001質量部〜約0.05質量部の範囲内で使用することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
異性化液糖(Bx75°)845gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、米サラダ油100gにエマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(本発明品1:米サラダ油10%含有)。
実施例2
実施例1において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールS−120V(ポリソルベート60、花王社製)5gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(本発明品2:米サラダ油10%含有)。
実施例3
実施例1において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(本発明品3:米サラダ油10%含有)。
比較例1(乳化剤としてキラヤサポニンを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)850gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、米サラダ油100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品1:米サラダ油10%含有)。
比較例2(乳化剤としてポリソルベートを使用したもの)
米サラダ油100gにエマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)20gを混合溶解し、油相部とする。これに異性化液糖(Bx75°)880gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品2:米サラダ油10%含有)。
比較例3(乳化剤としてポリソルベートを使用し、水相部にエタノールとグリセリンを使用したもの)
エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)300gにエタノール100g、グリセリン400gおよび水100gを混合溶解し、これに米サラダ油100gを加えTK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品3:米サラダ油10%含有)。
比較例4(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)850gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これに、米サラダ油100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品4:米サラダ油10%含有)。
比較例5(乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)860gと水30gにショ糖ステアリン酸エステル(商品名:シュガーエステルDK−SS、第一工業製薬社製)10gを加えて溶解し水相部とする。これに、米サラダ油100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品5:米サラダ油10%含有)。
比較例6(乳化剤としてアラビアガムを使用したもの)
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これに、米サラダ油100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品6:米サラダ油10%含有)。
比較例7(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリソルベートを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)845gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、米サラダ油100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品7:米サラダ油10%含有)。
比較例8(乳化剤としてアラビアガムおよびポリソルベートを使用したもの)
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン395gを加えて溶解し水相部とする。これとは別に、米サラダ油100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品8:米サラダ油10%含有)。
比較例9(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルおよびキラヤサポニンを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)800gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OV、日光ケミカルズ社製)50gおよびキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、米サラダ油100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、米サラダ油の乳化組成物1000gを得た(比較品9:米サラダ油10%含有)。
実施例4
本発明品1〜3および比較品1〜9を30mlサンプル瓶に30gずつ小分けし、5℃、20℃および50℃にて1週間保存テストを行い、乳化の状態を肉眼で観察した。また、乳化状態をさらに光学顕微鏡で観察し、乳化の状態を判定した。結果を表1に示す。
Figure 0005288407
表1に示したとおり、乳化剤としてキラヤサポニンとポリソルベートを併用した本発明品1は乳化直後において安定な乳化物が得られ、50℃、1週間保存した後も乳化状態は安定であった。
一方、本発明品に使用した2種類の乳化剤の一方である、キラヤサポニンを単独で使用した比較品1は乳化直後において、肉眼的には良好な乳化状態に見えたが、光学顕微鏡で観察したところ粒子径が大きかった。また、1週間の保存により5℃、20℃および50℃のいずれでも油の分離が見られ、乳化破壊が観察された。
また、本発明品に使用した2種類の乳化剤のもう一方の乳化剤であるポリソルベートを使用した比較品2および比較品3は乳化直後から油浮きが見られ、状態不良であった。
比較品4および5は、乳化力が優れているため汎用される乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルを使用したものであるが、いずれの乳化剤を使用したものも乳化直後から油浮きが見られ、状態不良であった。
比較品6は乳化剤としてアラビアガムを使用したものであるが、乳化直後から油浮きが見られ、状態不良であった。
また、本発明品での組み合わせに係る一方である、ポリソルベートと他の乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせた比較品7、アラビアガムを組み合わせた比較品8、本発明品での組み合わせに係る別の一方であるキラヤサポニンとポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせた比較品9は乳化直後は肉眼的には良好な乳化状態に見えたが、光学顕微鏡で観察したところ粒子経が大きかった。また、1週間の保存により5℃、20℃および50℃のいずれでも油の分離が見られ、乳化破壊が観察された。
実施例5
実施例4で乳化状態の良好であった、本発明品1〜3を水に0.1%希釈し、希釈液を、5℃で1ヶ月保存した。その結果、希釈液の乳化状態は良好であり、光学顕微鏡による観察でも粒子の凝集や合一が見られず、極めて安定な乳化状態を維持していた。
参考例1
アップル様の調合香料組成物として、下記表2に示す成分からなる調合香料組成物を調製した。なお、調合処方中エステル化合物含有割合は87%である。
Figure 0005288407
実施例6(乳化剤としてキラヤサポニンとポリソルベートを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)845gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、参考品1(アップル調合香料)100gにエマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(本発明品4:アップル調合香料10%含有)。
実施例7
実施例6において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールS−120V(ポリソルベート60、花王社製)5gを使用する以外は、実施例6と同様の操作を行い、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(本発明品5:アップル調合香料10%含有)。
実施例8
実施例6において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを使用する以外は、実施例6と同様の操作を行い、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(本発明品6:アップル調合香料10%含有)。
比較例10(乳化剤としてキラヤサポニンを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)850gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(アップル調合香料)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品10:アップル調合香料10%含有)。
比較例11(乳化剤としてポリソルベートを使用したもの)
エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)300gにエタノール100g、グリセリン400gおよび水100gを混合溶解し、これに参考品1(アップル調合香料)100gを加えTK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品11:アップル調合香料10%含有)。
比較例12(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)850gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(アップル調合香料)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品12:アップル調合香料10%含有)。
比較例13(乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)880gにショ糖ステアリン酸エステル(商品名:シュガーエステルDK−SS、第一工業製薬社製)20gを加えて溶解し水相部とする。これに、参考品1(アップル調合香料)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品13:アップル調合香料10%含有)。
比較例14(乳化剤としてアラビアガムを使用したもの)
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これに、参考品1(アップル調合香料)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品14:アップル調合香料10%含有)。
比較例15(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリソルベートを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)845gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、参考品1(アップル調合香料)100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品15:アップル調合香料10%含有)。
比較例16(乳化剤としてアラビアガムおよびポリソルベートを使用したもの)
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン395gを加えて溶解し水相部とする。これとは別に、参考品1(アップル調合香料)100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1000gを得た(比較品16:アップル調合香料10%含有)。
比較例17(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルおよびキラヤサポニンを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)800gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gおよびキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、参考品1(アップル調合香料)100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、アップル調合香料の乳化組成物1070gを得た(比較品17:アップル調合香料10%含有)。
実施例9
本発明品4〜6および比較品10〜17を30mlサンプル瓶に30gずつ小分けし、5℃、20℃および50℃にて1週間保存テストを行い、乳化の状態を肉眼で観察した。また、乳化状態をさらに光学顕微鏡で観察し、乳化の状態を判定した。結果を表3に示す。
Figure 0005288407
表3に示したとおり、米サラダ油に替えてアップル調合香料を使用した場合も表1に示したのとほぼ同様の結果であった。すなわち、キラヤサポニンとポリソルベートを併用した本発明品4〜6は乳化直後において安定な乳化物が得られ、50℃、1週間保存した後もほとんど変化なく乳化状態も安定であった。一方、その他の乳化剤、またはそれらを組み合わせて使用した比較例10〜17では安定性が良好な乳化物は得られなかった。
参考品1のような香料化合物のみで組み立てられたアップルの調合香料をエタノール、プロピレングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセライドなどの溶剤を全く用いないで乳化することは従来ほとんど行われていないものと思われるが、本発明の方法によれば、極めて安定性の良好な乳化組成物を得ることができた。
実施例10
実施例9で乳化状態の良好であった、本発明品4〜6を水に0.1%希釈し、希釈液を、5℃で1ヶ月保存した。その結果、希釈液の乳化状態は良好であり、光学顕微鏡による観察でも粒子の凝集や合一が見られず、極めて安定な乳化状態を維持していた。
実施例11
異性化液糖(Bx75°)845gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、K2オイルM−1500(J−オイルミルズ社製:ビタミンK2含量0.15%)100gにエマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(本発明品7:K2オイル10%含有)。
実施例12
実施例11において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールS−120V(ポリソルベート60、花王社製)5gを使用する以外は、実施例11と同様の操作を行い、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(本発明品8:K2オイル10%含有)。
実施例13
実施例11において、エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)5gに替えてエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを使用する以外は、実施例11と同様の操作を行い、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(本発明品9:K2オイル10%含有)。
比較例18(乳化剤としてキラヤサポニンを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)850gにキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、K2オイル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品18:K2オイル10%含有)。
比較例19(乳化剤としてポリソルベートを使用したもの)
エマゾールL−120V(ポリソルベート20、花王社製)300gにエタノール100g、グリセリン400gおよび水100gを混合溶解し、これにK2オイル100gを加えTK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品19:K2オイル10%含有)。
比較例20(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)850gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これに、K2オイル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品20:K2オイル10%含有)。
比較例21(乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)880gにショ糖ステアリン酸エステル(商品名:シュガーエステルDK−SS、第一工業製薬社製)20gを加えて溶解し水相部とする。これに、K2オイル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品21:K2オイル10%含有)。
比較例22(乳化剤としてアラビアガムを使用したもの)
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン400gを加えて溶解し水相部とする。これに、K2オイル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品22:K2オイル10%含有)。
比較例23(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリソルベートを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)845gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gを混合溶解し水相部とする。これとは別に、K2オイル100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品23:K2オイル10%含有)。
比較例24(乳化剤としてアラビアガムおよびポリソルベートを使用したもの)
アラビアガム水溶液(濃度30%)500gを85℃〜95℃で15分間殺菌後、40℃以下に冷却し、グリセリン395gを加えて溶解し水相部とする。これとは別に、K2オイル100gにエマゾールO−120V(ポリソルベート80、花王社製)5gを混合溶解し、油相部とする。水相部と、油相部を混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品24:K2オイル10%含有)。
比較例25(乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルおよびキラヤサポニンを使用したもの)
異性化液糖(Bx75°)800gにデカグリセリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV、日光ケミカルズ社製)50gおよびキラヤニンC−100(丸善製薬社製:キラヤ抽出物25%含有)50gを混合溶解し水相部とする。これに、K2オイル100gを混合し、TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて6000rpmで10分間攪拌し、K2オイルの乳化組成物1000gを得た(比較品25:K2オイル10%含有)。
実施例14
本発明品7〜9および比較品18〜25を30mlサンプル瓶に30gずつ小分けし、5℃、20℃および50℃にて1週間保存テストを行い、乳化の状態を肉眼で観察した。また、乳化状態をさらに光学顕微鏡で観察し、乳化の状態を判定した。結果を表4に示す。
Figure 0005288407
表4に示したとおり、米サラダ油に替えてK2オイルを使用した場合も表1とほぼ同様の結果であった。すなわち、キラヤサポニンとポリソルベートを併用した本発明品7〜9は乳化直後において安定な乳化物が得られ、50℃、1週間保存した後もほとんど変化なく乳化状態も安定であった。一方、その他の乳化剤、またはそれらを組み合わせて使用した比較例18〜25では安定性が良好な乳化物は得られなかった。
実施例15
実施例14で乳化状態の良好であった、本発明品7〜9を水に0.1%希釈し、希釈液を、5℃で1ヶ月保存した。その結果、希釈液の乳化状態は良好であり、光学顕微鏡による観察でも粒子の凝集や合一が見られず、極めて安定な乳化状態を維持していた。

Claims (1)

  1. O/W型乳化組成物の製造方法であって、(A)油溶性物質を0.5〜50質量%、(B)キラヤサポニンを0.05〜5質量%、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを0.01質量%〜10質量%並びに(D)水、1価アルコールおよび多価アルコールから選ばれる1種以上を10質量%〜90質量%を含有し、(D)水、1価アルコールおよび多価アルコールから選ばれる1種以上からなる水相部に、(B)キラヤサポニンを混合溶解し、これとは別に、(A)油溶性物質に、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを溶解し、両者を混合し、乳化処理することを特徴とするO/W型乳化組成物の製造方法。
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