本発明に係る表示制御装置及び車載表示システムの一実施の形態について、図1〜図11を参照して説明する。
車載表示システム1は、図示しない車両に搭載されており、図1に示されるように、経路案内装置10、前方視界改善画像生成装置20、ディスプレイ30、及び表示制御装置40を備えて構成されている。
はじめに、図2を併せ参照して、経路案内装置10の構成及び機能について説明する。経路案内装置10は、制御部11、記憶部12、GPS受信部13、及び音声出力部14を備えて構成されており、表示制御装置40に接続されている。
制御部11は、公知のCPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)を有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。
記憶部12は、例えばハードディスクドライブ装置、DVD(digital versatile disc)装置、CD(compact disc)装置、フラッシュメモリ等によって構成されており、道路データを含む地図情報、地図画像、この地図画像及び前方視界改善画像とは別の画像であって当該車載表示システム1のユーザに情報を提供するための情報提供用画像、及び出発地情報・目的地情報・経路案内の開始指示等を入力するための経路案内操作画像が記憶されている。記憶部12は、制御部11に接続されており、当該記憶部12に記憶されているデータが制御部11によって適宜読み出される。なお、前方視界改善画像、情報提供用画像、経路案内操作画像等については後述する。
GPS受信部13は、GPSアンテナを有して構成されており、制御部11に接続されている。GPS受信部13は、図示しない複数のGPS衛星から発せられるGPS信号を所定周期毎に受信し、その受信したGPS信号を制御部11に出力する。
制御部11は、上記記憶部12に記憶されている経路案内操作画像を読み出し、その読み出した経路案内操作画像を表示制御装置40に対し出力してディスプレイ30の表示領域にその経路案内操作画像を表示させる。そして、当該車載表示システム1のユーザによってこの経路案内操作画像がタッチされることにより、出発地の情報である出発地情報、目的地の情報である目的地情報、及び出発地から目的地までの経路を案内する経路案内の開始指示等が表示制御装置40を介して制御部11へ入力される。
制御部11は、GPS受信部13からGPS信号を取得するとともに、このGPS信号を利用して車両の現在地を検出する。なお、制御部11は、車両の現在地の検出にあたり、記憶部12に記憶されている地図情報を読み出し、当該車載表示システム1を搭載する車両の走行軌跡及び道路データに基づいて周知のマップマッチングを実行することで、GPS信号に基づいて決定する現在地の誤差を補正する。また、制御部11は、入力された出発地情報及び目的地情報、並びに記憶部12から取得した地図情報を利用して、出発地から目的地までの経路を探索する。
制御部11は、経路案内の開始指示が入力されて目的地までの経路を案内している場合には、現在地から目的地までの経路上の残距離を逐次算出するとともに、当該車載表示システム1が搭載されている車両の平均時速を算出し、その算出した平均時速と上記算距離を用いて到着予測時刻を逐次算出する。
そして、制御部11は、経路案内の開始指示が入力されて目的地までの経路を案内している場合には、「経路を含む地図画像」及び情報提供用画像を表示制御装置40へ出力するとともに、例えばスピーカ等によって構成される音声出力部14から音声案内を出力してユーザに経路を案内する。一方、制御部11は、経路案内の開始指示が入力されておらず目的地までの経路を案内していない場合には、「現在地を含む地図画像」を表示制御装置40へ出力する。
次に、図3を併せ参照して、前方視界改善画像生成装置20の構成及び機能について説明する。前方視界改善画像生成装置20は、制御部21、操作部22、ナイトビューカメラ23、投光器24、可視光カメラ25、及び画像処理部26等を備えて構成されており、表示制御装置40に接続されている。
制御部21は、公知のCPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)を有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。なお、内蔵メモリには、後述する画像出力モードを選択するための出力画像選択操作画像が記憶されている。
操作部22は、本実施の形態では、複数の画像出力モードにそれぞれ対応付けられた複数のプッシュスイッチによって構成されており、これら複数のプッシュスイッチは、例えば図示しないステアリングホイールの近傍等に配置され、制御部21に接続されている。
なお、複数の画像出力モードには、ナイトビューカメラ23によって撮像された暗視画像を表示制御装置40に対し出力する「暗視画像出力モード」、霧が発生した状況で可視光カメラ25によって撮像された画像から霧の影響が画像処理部26によって低減された復元画像を表示制御装置40に対し出力する「復元画像出力モード」、及び表示制御装置40に対する暗視画像または復元画像の出力を停止する「画像出力停止モード」がある。
そして、プッシュスイッチがプッシュ操作されると、その操作されたプッシュスイッチに対応付けられた画像出力モードの情報である画像出力モード情報が制御部21に入力され、制御部21は、この入力された画像出力モード情報に基づいて、ナイトビューカメラ23、投光器24、可視光カメラ25、及び画像処理部26等を制御する。なお、制御部21は、この入力された画像出力モード情報を表示制御装置40に出力し、表示制御装置40は、後述するディスプレイ30の表示モードを設定するために、この入力された画像出力モード情報を利用する。
また、制御部21は、上記内蔵メモリ等に記憶されている複数の出力画像選択操作画像を読み出し、それら読み出した複数の出力画像選択操作画像を表示制御装置40に対し出力してディスプレイ30の表示領域にそれら複数の出力画像選択操作画像を表示させる。これら複数の出力画像選択操作画像も、前方視界改善画像生成装置20の複数の画像出力モードにそれぞれ対応付けられている。そして、当該車載表示システム1のユーザによってこれら複数の出力画像選択操作画像のうち1つがタッチされると、そのタッチされた出力画像選択操作画像に対応付けられた画像出力モードの情報である画像出力モード情報が表示制御装置40(詳しくは表示制御部45)を介して制御部21に入力され、制御部21は、この入力された画像出力モード情報に基づいて、ナイトビューカメラ23、投光器24、可視光カメラ25、及び画像処理部26を制御する。なお、表示制御装置40は、ディスプレイ30の表示モードを設定するために、この入力された画像出力モード情報を利用する。なお、表示制御部45が特許請求の範囲に記載の出力画像選択手段に相当する。
ナイトビューカメラ23は、本実施の形態では、レンズ及び近赤外線感応型のCCDあるいはCMOS等の撮像素子(いずれも図示略)を備えて構成された公知の近赤外線カメラである。ナイトビューカメラ23は、当該車載表示システム1を搭載する車両の車両前方を撮像する位置及び姿勢にて当該車両に取り付けられている。なお、ナイトビューカメラ23は、近赤外線カメラではなく、遠赤外線カメラを採用してもよい。また、ナイトビューカメラ23は特許請求の範囲に記載の撮像装置に相当し、ナイトビューカメラ23によって撮像された暗視画像は特許請求の範囲に記載の前方画像、前方視界改善画像、及び暗視画像に相当する。
また、投光器24は、本実施の形態では、ナイトビューカメラ23が近赤外線カメラにて構成されていることから、ナイトビューカメラ23の撮像範囲に向けて近赤外線を照射する公知の投光器である。なお、ナイトビューカメラ23として遠赤外線カメラを採用する場合には、この投光器24は省略してもよい。
これらナイトビューカメラ23及び投光器24は制御部21に接続されている。上記画像出力モード情報として暗視画像出力モードを示す信号が制御部21に入力される(すなわち暗視画像出力モードが選択される)と、制御部21は、投光器24に対し近赤外線の照射開始を指示するとともに、ナイトビューカメラ23に撮像開始を指示する。暗視画像出力モードが選択される頻度は夜間において高いため、ナイトビューカメラ23は、夜間における前方の視界が改善された暗視画像を前方視界改善画像として撮像することになる。ナイトビューカメラ23は、こうして撮像した暗視画像を制御部21に出力する。そして、制御部21は、ナイトビューカメラ23から暗視画像が入力されると、この入力された暗視画像を表示制御装置40に出力する。ちなみに、暗視画像は、白及び黒に加えて中間色を含むグレースケール画像にて構成されている。
可視光カメラ25は、レンズ及び可視光感応型のCCDあるいはCMOS等の撮像素子(いずれも図示略)を備えて構成された公知の可視光カメラである。可視光カメラ25も、ナイトビューカメラ23と同様に、当該車載表示システム1を搭載する車両の車両前方を撮像する位置及び姿勢にて当該車両に取り付けられ、制御部21及び画像処理部26にそれぞれ接続されている。上記画像出力モード情報として復元画像出力モードを示す信号が制御部21に入力される(すなわち復元画像出力モードが選択される)と、制御部21は、可視光カメラ25に撮像開始を指示する。操作部22によって復元画像出力モードが選択される頻度は霧が発生した状況において高いため、可視光カメラ25は、霧が発生した状況において前方を撮像することになる。そして、可視光カメラ25は、こうして撮像した画像である霧画像を画像処理部26に出力する。なお、可視光カメラ25は特許請求の範囲に記載の撮像装置に相当し、可視光カメラ25によって撮像された霧画像は特許請求の範囲に記載の前方画像に相当する。
画像処理部26は、制御部21と同様に、公知のCPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)を有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することにより主に画像処理を実行する。詳しくは、画像処理部26は、可視光カメラ25に接続されており、可視光カメラ25から霧画像が入力されると、この霧画像から霧の影響を低減する公知の画像処理を実行して復元画像を生成する。なお、霧の影響を低減する画像処理方法については、例えば特開2008−310509号公報に記載された画像処理方法を採用するとよいが、この特許文献に記載の画像処理方法に限らず任意の画像処理方法を採用することが可能である。画像処理部26は、こうして生成した復元画像を制御部21に出力する。そして、制御部21は、画像処理部26から復元画像が入力されると、この入力された復元画像を表示制御装置40に出力するなお、画像処理部26によって霧の影響が低減された復元画像も、上記霧画像と同様に、特許請求の範囲に記載の前方画像に相当する。ちなみに、霧画像及び復元画像は、白及び黒に加えて中間色を含むグレースケール画像にて構成されている。
また、制御部21は、ナイトビューカメラ23から暗視画像が入力されると、この入力された暗視画像内に位置する障害物の有無を判断する。そして、制御部21は、暗視画像内に位置する障害物があると判断すると、その旨を示す信号である障害物検出情報を表示制御装置40に出力する。同様に、制御部21は、画像処理部26から復元画像が入力されると、この入力された復元画像内に位置する障害物の有無を判断する。そして、制御部21は、復元画像内に位置する障害物があると判断すると、その旨を示す信号である障害物検出情報を表示制御装置40に出力する。なお、暗視画像内あるいは復元画像内に位置する障害物の有無を判断する方法については、例えば特開2007−159036号公報に記載された方法を採用すると良いが、この特許文献に記載の方法に限らず任意の方法を採用することが可能である。また、前方視界改善画像内に位置する障害物とは、当該車載表示システム1が搭載された車両の運転者が注意すべき障害物であり、例えば歩行者等である。また、前方視界改善画像生成装置20が特許請求の範囲に記載の障害物検出装置に相当する。ちなみに、本実施の形態では、制御部21は、暗視画像内あるいは復元画像内に位置する障害物の有無を判断することとしたが、霧画像内に位置する障害物の有無を判断してもよい。
次に、図4を併せ参照して、ディスプレイ30の構成及び機能、並びに、表示制御装置40の構成及び機能について説明する。
ディスプレイ30は、例えばTFTタッチディスプレイによって構成されており、当該車載表示システム1が搭載された車両の車室内の運転者が視認し易い位置、例えば車両のインストルメントパネルの中央部に配置されている。また、ディスプレイ30は、矩形状の表示領域(例えば「640×480[ドット]」)を有しており、表示制御装置40に接続されて表示制御される。ディスプレイ30の表示領域については、「640×480[ドット]」に限らず、「480×480[ドット]」や「640×320[ドット]」等、必要に応じて適宜変更可能である。また、図5〜図7を参照しつつ後述するが、ディスプレイ30は、表示領域Aの全体が分割された「2つ」の表示領域A1及びA2に地図画像及び前方視界改善画像をそれぞれ表示可能であり、表示領域Aの全体が分割された「2つ」の表示領域A1及びA2に地図画像及び情報提供用画像(分岐点拡大画像)をそれぞれ表示可能であり、表示領域Aの全体に前方視界改善画像及び地図画像を切り替えていずれか一方を表示可能である。なお、ディスプレイ30が特許請求の範囲に記載のディスプレイに相当する。
表示制御装置40は、経路案内装置10、前方視界改善画像生成装置20、及びディスプレイ30にそれぞれ接続されている。表示制御装置40は、公知のCPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)を有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。以下、表示制御装置40は、各種機能を実現する機能部として、前方視界改善画像取得部41、地図画像取得部42、情報提供用画像取得部43、障害物検出情報取得部44、及び表示制御部45を有するものとして説明する。
前方視界改善画像取得部41は、前方視界改善画像生成装置20(詳しくは制御部21)及び表示制御部45に接続されている。前方視界改善画像取得部41は、前方視界改善画像生成装置20から暗視画像が入力されると、その入力された暗視画像を前方視界改善画像として取得し、その取得した暗視画像を表示制御部45に出力する。また、前方視界改善画像取得部41は、前方視界改善画像生成装置20から復元画像が入力されると、その入力された復元画像を前方視界改善画像として取得し、その取得した復元画像を表示制御部45に出力する。また、前方視界改善画像取得部41は、前方視界改善画像生成装置20から上記出力画像選択操作画像が入力されると、その入力された出力画像選択操作画像を表示制御部45に出力する。なお、この前方視界改善画像取得部41が特許請求の範囲に記載の前方視界改善画像取得手段、及び出力画像選択手段に相当する。
地図画像取得部42は、経路案内装置10(詳しくは制御部11)及び表示制御部45に接続されている。地図画像取得部42は、経路案内装置10から「経路を含む地図画像」あるいは「現在地を含む地図画像」が入力されると、それら地図画像を取得し、それら取得した地図画像を表示制御部45に出力する。また、地図画像取得部42は、経路案内装置10から経路案内操作画像が入力されると、その入力された経路案内操作画像を表示制御部45に出力する。なお、この地図画像取得部42が特許請求の範囲に記載の地図画像取得手段に相当する。
情報提供用画像取得部43は、経路案内装置10(詳しくは制御部11)及び表示制御部45に接続されている。情報提供用画像取得部43は、経路案内装置10から情報提供用画像が入力されると、その情報提供用画像を取得し、その取得した情報提供用画像を表示制御部45に出力する。なお、情報提供用画像取得部43が特許請求の範囲に記載の情報提供用画像取得手段に相当する。
障害物検出情報取得部44は、前方視界改善画像生成装置20(詳しくは制御部21)及び表示制御部45に接続されている。障害物検出情報取得部44は、前方視界改善画像生成装置20から上記障害物検出情報が入力されると、その入力された(取得された)障害物検出情報を表示制御部45に出力する。なお、この障害物検出情報取得部44が特許請求の範囲に記載の障害物検出情報取得手段に相当する。
表示制御部45は、ディスプレイ30に接続されており、経路案内装置10から取得した地図画像、情報提供用画像、及び経路案内操作画像や、前方視界改善画像生成装置20から取得した暗視画像、復元画像、及び出力画像選択操作画像等をディスプレイ30の表示領域内に表示する。なお、この表示制御部45が特許請求の範囲に記載の表示制御手段に相当する。
また、表示制御部45は、上記内蔵メモリ等に記憶されている複数の表示モード選択操作画像を読み出し、それら読み出した複数の表示モード選択操作画像をディスプレイ30の表示領域に表示する。これら複数の表示モード選択操作画像は、表示制御装置40の複数の表示モード(「前方視界改善画像表示モード」「併用モード」、及び「地図画像表示モード」)にそれぞれ対応付けられている。
そして、当該車載表示システム1のユーザによってこれら複数の表示モード選択操作画像のうち1つがタッチされると、そのタッチされた表示モード選択操作画像に対応付けられた表示モードの情報である表示モード情報が表示制御部45に入力され、表示制御部45は、上記画像出力モード情報、及び、この入力された表示モード情報に基づいて、暗視画像、復元画像、地図画像、及び情報提供用画像等をディスプレイ30の表示領域に表示する。
ここで、図5を参照して、表示モードとして「前方視界改善画像表示モード」が選択された場合について説明する。この場合、表示制御部45は、前方視界改善画像生成装置20から前方視界改善画像が入力される(すなわち、前方視界改善画像取得部41が前方視界改善画像を取得する)と、ディスプレイ30の表示領域Aの全体にわたってその取得した前方視界改善画像を表示する。そして、表示制御部45は、ディスプレイ30の表示領域Aの全体にわたって前方視界改善画像を表示している間に、経路案内装置10から情報提供用画像が入力される(すなわち、情報提供用画像取得部44が情報提供用画像を取得する)と、前方視界改善画像上に、その取得した情報提供用画像の透過画像を重畳表示する(すなわち、前方視界改善画像上に、その取得した情報提供用画像を半透明にて重畳表示する)。
また、図6を参照して、表示モードとして「併用モード」が選択された場合について説明する。この場合、表示制御部45は、ディスプレイ30の表示領域Aを左右に分割しておき、経路案内装置10から地図画像が入力される(すなわち、地図画像取得部42が地図画像を取得する)と、分割した表示領域Aのうち左方の表示領域A1にその取得した地図画像を表示するとともに、前方視界改善画像生成装置20から前方視界改善画像が入力される(すなわち、前方視界改善画像取得部41が前方視界改善画像を取得する)と、分割した表示領域Aのうち右方の表示領域A2にその取得した前方視界改善画像を表示する。また、表示制御部45は、ディスプレイ30の表示領域A2に前方視界改善画像を表示している間に、経路案内装置10から情報提供用画像が入力される(すなわち、情報提供用画像主都区部43が情報提供用画像を取得する)と、表示領域A2に表示している前方視界改善画像上に、その取得した情報提供用画像の透過画像を重畳表示する(すなわち、前方視界改善画像上に、情報提供用画像を半透明にて重畳表示する)。
また、図7を参照して、表示モードとして「地図モード」が選択された場合について説明する。この場合、表示制御部45は、経路案内装置10から地図画像が入力される(すなわち、地図画像取得部42が地図画像を取得する)と、その取得した地図画像を表示領域Aの全体にわたって表示する(図7(a)参照)。そして、表示制御部45は、ディスプレイ30の表示領域Aの全体にわたってその取得した地図画像を表示している間に、経路案内装置10から情報提供用画像のうちの1つである後述の分岐点拡大画像が入力される(すなわち、情報提供用画像取得部43が分岐点拡大画像を取得する)と、ディスプレイ30の表示領域Aを左右に分割し、その分割した表示領域Aのうち左方の表示領域A1に、表示領域Aの全体に表示していた地図画像を縮小して表示するととともに、その分割した表示領域Aのうち右方の表示領域A2に、その取得した分岐点拡大画像を表示する(図7(b)参照)。
なお、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして「画像出力停止モード」が選択されている場合には、前方視界改善画像は表示制御部45に入力されない。そのため、表示制御装置40の表示モードとして「前方視界改善画像表示モード」または「併用モード」が選択されても、前方視界改善画像は表示されないことになる。そこで、表示制御装置40は、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして「画像出力停止モード」が選択されている場合には、「前方視界改善画像表示モード」に対応付けられた出力画像選択操作画像及び「併用モード」に対応付けられた出力画像選択操作画像をディスプレイ30の表示領域Aに表示しないことにより、表示制御装置40の表示モードとして「前方視界改善画像表示モード」または「併用モード」が選択されないようにする。したがって、当該車載表示システム1のユーザは、前方視界改善画像生成装置20の動作モードとして「画像出力停止モード」を選択した場合には、表示制御装置40の表示モードとして「地図モード」のみ選択することができる。なお、表示制御装置40は、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして「画像出力停止モード」が選択された場合には、当該表示制御装置40の表示モードとして自動的に「地図モード」を選択してもよい。
また、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして「暗視画像出力モード」または「復元画像出力モード」が選択されている場合には、前方視界改善画像は表示制御装置40に入力される。しかしながら、表示制御装置40の表示モードとして「地図モード」が選択されると、前方視界改善画像生成装置20から入力された前方視界改善画像は表示されないことになる。そこで、表示制御装置40は、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして「暗視画像出力モード」または「復元画像出力モード」が選択されている場合には、「地図モード」に対応付けられた表示モード選択操作画像をディスプレイ30の表示領域Aに表示しないことにより、表示制御装置40の表示モードとして「地図モード」が選択されないようにする。したがって、当該車載表示システム1のユーザは、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして「暗視画像出力モード」または「復元画像出力モード」を選択した場合には、表示制御装置40の表示モードとして「前方視界改善画像表示モード」または「併用モード」のみ選択することができる。
ここで、経路案内装置10の記憶部12に記憶されている上記情報提供用画像について図8を参照しつつ説明する。本実施の形態では、記憶部12には、情報提供用画像として、例えば「分岐点拡大画像」、「進路文字列画像」、「矢印画像」、「残距離文字列画像」、「到着予測時刻文字列画像」、「簡略化地図画像」、及び「法定制限速度画像」等の「7種類」の情報提供用画像が記憶されている。なお、図8は、これら情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)の透過画像が暗視画像上に重畳表示された表示例である。
「分岐点拡大画像」とは、経路上の分岐点における道路と進路方向を示す矢印とからなる画像である。なお、「分岐点拡大画像」は図8に示されていない。経路案内装置10は、目的地までの経路を案内している場合であって、現在地が経路上の分岐点を基準として所定領域内に達した(例えば、現在地が経路上の分岐点を中心として半径「300[m]」の円領域内に達した等)ときに、その分岐点に係る「分岐点拡大画像」を記憶部12から読み出して、その読み出した「分岐点拡大画像」を表示制御装置40に出力する。そして、表示制御装置40は、表示モードが「地図モード」である場合には、経路案内装置10から入力された「分岐点拡大画像」をディスプレイ30の表示領域A2に表示する(図7参照)。
「進路文字列画像」とは、例えば「次の交差点は直進」、「次の交差点は右折」、及び「次の交差点は左折」等、進むべき方向に言及した文字列の画像である。また、「矢印画像」とは、表示領域の左右方向中央において下方から上方に向けて伸びる「直線の矢印画像」、表示領域の左右方向中央において下方から中心を通り右方に向けて伸びる「右曲がりの矢印画像」、及び表示領域の左右方向中央において下方から中心を通り左方に向けて伸びる「左曲がりの矢印画像」等、進むべき方向を示す矢印の画像である。経路案内装置10は、目的地までの経路を案内している場合であって、現在地が経路上の分岐点を基準として上記所定領域内に達したときに、その分岐点に係る「進路文字列画像」及び「矢印画像」を記憶部12から読み出して、その読み出した「進路文字列画像」及び「矢印画像」を表示制御装置40に出力する。そして、表示制御装置40は、表示モードが「前方視界改善画像表示モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域Aに表示されていた前方視界改善画像上に、表示モードが「併用モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域A2に表示されていた前方視界改善画像上に、経路案内装置10から入力された「文字列画像」及び「矢印画像」の透過画像をそれぞれ重畳表示する。
「残距離文字列画像」とは、例えば「目的地まであと35km」等、目的地までの経路上の残距離に言及した文字列の画像である。「到着予測時刻文字列画像」とは、例えば「目的地まであと65分」等、目的地への到着予測時刻に言及した文字列画像である。「簡略化地図画像」とは、表示領域Aあるいは表示領域A1に表示する地図画像よりも広域を簡略化した地図画像である。経路案内装置10は、目的地までの経路を案内している場合に、記憶部12に記憶されている「簡略化地図画像」、「残距離文字列画像」、及び「到着予測時刻文字列画像」を読み出して、これら読み出した「簡略化地図画像」、「残距離文字列画像」、及び「到着予測時刻文字列画像」を表示制御装置40に出力する。そして、表示制御装置40は、表示モードが「前方視界改善画像表示モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域Aに表示されていた前方視界改善画像上に、表示モードが「併用モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域A2に表示されていた前方視界改善画像上に、経路案内装置10から入力された「簡略化地図画像」、「残距離文字列画像」、及び「到着予測時刻文字列画像」の透過画像をそれぞれ重畳表示する。また、表示制御装置40は、表示モードが「地図モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域Aに表示されていた地図画像上に重畳表示する。
「法定制限速度画像」とは、当該車載表示システム1を搭載する車両が走行している道路の法定制限速度を示す道路標識を模した画像である。経路案内装置10は、現在地を検出した場合に、現在地に係る「法定制限速度画像」を記憶部12から読み出して、その読み出した「法定制限速度画像」を表示制御装置40に出力する。そして、表示制御装置40は、表示モードが「前方視界改善画像表示モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域Aに表示されていた前方視界改善画像上に、ディスプレイ30の表示モードが「併用モード」である場合には、ディスプレイ30の表示領域A2に表示されていた前方視界改善画像上に、経路案内装置10から入力された「法定制限速度画像」の透過画像を重畳表示する。
また、本実施の形態では、表示制御部45は、公知のアルファブレンディング技術を用いて、前方視界改善画像上に情報提供用画像の透過画像を重畳表示する、すなわち、前方視界改善画像上に情報提供用画像を半透明にて重畳表示する。ちなみに、アルファブレンディング技術は、「0.0」から「1.0」までのいずれかの値を画像のアルファ値として指定するものである。表示制御部45は、アルファ値として「0.0」を指定すると、そのアルファ値が指定された情報提供用画像の透過画像は完全に透明となる。また、表示制御部45は、アルファ値として「1.0」を指定すると、そのアルファ値が指定された情報提供用画像の透過画像は完全な不透明となる。したがって、アルファ値が小さいほど、情報提供用画像の透過画像の透明度は大きいことを意味し、アルファ値が大きいほど、情報提供用画像の透過画像の透明度は小さいことを意味する。
また、本実施の形態では、表示制御部45は、障害物検出情報取得部44から前方画像内に位置する障害物がある旨の信号を取得した場合には、情報提供用画像が強調されないように、換言すれば、目立たないように、前方視界改善画像上に情報提供用画像の透過画像を重畳表示する一方、障害物検出情報取得部44によって前方画像内に位置する障害物がある旨の信号を取得しなかった場合には、情報提供用画像が強調されるように、換言すれば、目立つように、前方視界改善画像上に情報提供用画像の透過画像を重畳表示する。
具体的には、表示制御装置40は、上記情報提供用画像(ただし「分岐点拡大画像」を除く)の透過画像について、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードが暗視画像出力モードあるいは復元画像出力モードであって、且つ、前方視界改善画像生成装置20から障害物検出情報が入力されていない場合には、上記情報提供用画像の透過画像のアルファ値として所定値(例えば「0.5」等の一定値)よりも大きい値(例えば「0.7」等)を指定する(すなわち、濃い半透明とする)とともに、その情報提供用画像の透過画像をカラー画像とすることにより、暗視画像上あるいは復元画像上において目立つように半透明にて重畳表示する。
また、表示制御装置40は、上記情報提供用画像(ただし「分岐点拡大画像」を除く)の等価画像について、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードが暗視画像出力モードあるいは復元画像出力モードであって、且つ、前方視界改善画像生成装置20から障害物検出情報が入力されている場合には、上記情報提供用画像の透過画像のアルファ値として所定値(例えば「0.5」等の一定値)よりも小さい値(例えば「0.3」等)を指定する(すなわち、薄い半透明とする)とともに、その情報提供用画像の透過画像をグレースケール画像とすることにより、暗視画像上あるいは復元画像上において目立たないように半透明にて重畳表示する。
なお、本実施の形態では、上記所定値として、例えば「0.5」等の一定値を採用したがこれに限らない。他に例えば、前方視界改善画像の明度が大きいほど上記所定値を大きくする一方、前方視界改善画像の明度が小さいほど上記所定値を小さくする等、前方視界改善画像の明度の応じて上記所定値を設定してもよい。要は、表示制御部45は、前方視界改善画像生成装置20から障害物検出情報が入力された場合には、前方視界改善画像生成装置20から障害物検出情報が入力されなかった場合と比較して、上記情報提供用画像(ただし「分岐点拡大画像」を除く)の透過画像のアルファ値を小さくする(すなわち、透明度を大きくする)ことにより、暗視画像上あるいは復元画像上において目立たないように半透明にて重畳表示すればよい。
また、本実施の形態では、表示制御部45は、上記情報提供用画像のうち上記矢印画像及び上記分岐点拡大画像以外の情報提供用画像が経路案内装置10から入力されると、前方視界改善画像の消失点よりも上方にこれら情報提供用画像の透過画像を表示する。また、表示制御部45は、上記情報提供用画像のうち上記矢印画像が経路案内装置10から入力されると、前方視界改善画像の消失点よりも下方に矢印画像の透過画像を表示する。
具体的には、前方視界改善画像の消失点はディスプレイ30の表示領域の略中央に位置することが多いことから、表示制御部45は次のようにして情報提供用画像の透過画像を表示する。すなわち、表示制御部45は、上記情報提供用画像のうち進路文字列画像の透過画像については、表示領域Aあるいは表示領域A2の左右方向中央において消失点よりも上方に位置するように(本実施の形態では、上端に位置するように)表示する。また、表示制御部45は、上記情報提供用画像のうち「法定制限速度画像」、「残距離文字列画像」、及び「到着予測時刻文字列画像」の透過画像については、表示領域Aあるいは表示領域A2の左右方向中央よりも左方において(本実施の形態では、左端において)消失点よりも上方に位置するように表示する。また、表示制御部45は、上記情報提供用画像のうち「簡略化地図画像」の透過画像については、表示領域Aあるいは表示領域A2の左右方向中央よりも右方において(本実施の形態では、右端において)消失点よりも上方に位置するように表示する。また、表示制御部45は、上記情報提供用画像のうち「矢印画像」の等価画像については、表示領域Aあるいは表示領域A2の左右方向中央において消失点よりも下方に位置するように表示する。
ここで、表示制御部45が前方視界改善画像上に重畳表示する位置を情報提供用画像の透過画像の種類に応じて変える理由は以下の通りである。すなわち、前方視界改善画像生成装置20によって検出される障害物は前方視界改善画像の消失点よりも下方に位置することが多い。そのため、分岐点拡大画像及び矢印画像以外の情報提供用画像の透過画像が前方視界改善画像の消失点よりも下方に表示されると、障害物は情報提供用画像によって見にくくなり、当該車載表示システム1のユーザが障害物を認識することを妨げてしまうおそれがある。したがって、表示制御部45は、分岐点拡大画像及び矢印画像以外の情報提供用画像の透過画像については、前方視界改善画像の消失点よりも上方に表示する。ただし、矢印画像の透過画像については、前方視界改善画像の消失点よりも下方に表示する。道路は前方視界改善画像の消失点よりも下方に位置することが多いため、矢印画像の透過画像を消失点よりも下方に重畳表示することにより、当該車載表示システム1のユーザは、道路の形状に係る情報及び進路に係る情報を一度に視認することができるようになる。また、当該車載表示システム1のユーザにとって前方視界改善画像の消失点よりも下方に表示する方が上方に表示するよりも見易くなる。
以上説明した本実施の形態の表示制御装置40による表示処理S11〜S13について、図9〜図11を参照しつつ説明する。なお、図9は、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードが暗視画像出力モードである場合において表示制御装置40によって実行される表示処理の一例を示すフローチャートである。また、図10は、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードが復元画像出力モードである場合において表示制御装置40によって実行される表示処理の一例を示すフローチャートである。また、図11は、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードが画像出力停止モードである場合において表示制御装置40によって実行される表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、表示制御装置40は、これら表示処理S11〜S13を繰り返し実行する。
前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして暗視画像出力モードが設定されると、表示制御装置40は、図9に示した表示処理S11を実行開始する。表示制御装置40は、まず、ステップS111の判断処理として、当該表示制御装置40の表示モードが前方視界改善画像表示モードであるか否かを判断する。ここで、前方視界改善画像表示モードであると判断した場合(ステップS111の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS112の処理として、前方視界改善画像生成装置20から入力された暗視画像をディスプレイ30の表示領域Aの全体にわたって表示する(図5参照)。暗視画像を表示すると、表示制御装置40は、続くステップS114の判断処理に移行する。
一方、上記ステップS111の判断処理において当該表示制御装置40の表示モードが前方視界改善画像表示モードであると判断しなかった場合(ステップS111の判断処理で「No」)、すなわち、当該表示制御装置40の表示モードが併用モードである場合、表示制御装置40は、続くステップS113の処理に移行する。ステップS113に移行すると、表示制御装置40は、ディスプレイ30の表示領域Aを左右に分割し、経路案内装置10から地図画像が入力されると、分割した表示領域Aのうち左方の表示領域A1にその入力された地図画像を表示するとともに、前方視界改善画像生成装置20から前方視界改善画像が入力されると、分割した表示領域Aのうち右方の表示領域A2にその入力された暗視画像を表示する(図6参照)。地図画像及び暗視画像を表示すると、表示制御装置40は、続くステップS114の判断処理に移行する。
ステップS114の判断処理に移行すると、表示制御装置40は、経路案内装置10から情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)が入力されたか否かを判断する。ここで、情報提供用画像が入力されなかった場合(ステップS114の判断処理で「No」)、表示制御装置40は、このステップS11の表示処理をそのまま終了する。一方、情報提供用画像が入力された場合(ステップS114の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS115の判断処理に移行する。
ステップS115の判断処理に移行すると、表示制御装置40は、経路案内装置10から障害物検出情報が入力されたか否かを判断する。ここで、障害物検出情報が入力されなかった場合(ステップS115の判断処理で「No」)、表示制御装置40は、続くステップS116の処理として、情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)をカラー画像にて、且つ、濃い半透明にて、ディスプレイ30の表示領域Aあるいは表示領域A2に表示されている暗視画像上に重畳表示する。そして、このステップS116の処理を終えると、表示制御装置40は、このステップS11の表示処理をそのまま終了する。
一方、上記ステップS115の判断処理において、障害物検出情報が入力された場合(ステップS115の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS117の処理として、情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)をグレースケール画像にて、且つ、薄い半透明にて、ディスプレイ30の表示領域Aあるいは表示領域A2に表示されている暗視画像上に重畳表示する。そして、このステップS117の処理を終えると、表示制御装置40は、このステップS11の表示処理をそのまま終了する。
また、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして復元画像出力モードが設定されると、表示制御装置40は、図10に示した表示処理S12を実行開始する。表示制御装置40は、まず、ステップS121の判断処理として、当該表示制御装置40の表示モードが前方視界改善画像表示モードであるか否かを判断する。ここで、前方視界改善画像表示モードであると判断した場合(ステップS121の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS122の処理として、前方視界改善画像生成装置20から入力された復元画像をディスプレイ30の表示領域Aの全体にわたって表示する(図5参照)。復元画像を表示すると、表示制御装置40は、続くステップS124の判断処理に移行する。
一方、上記ステップS121の判断処理において当該表示制御装置40の表示モードが前方視界改善画像表示モードであると判断しなかった場合(ステップS121の判断処理で「No」)、すなわち、当該表示制御装置40の表示モードが併用モードである場合、表示制御装置40は、続くステップS123の処理に移行する。ステップS123の処理に移行すると、表示制御装置40は、ディスプレイ30の表示領域Aを左右に分割し、経路案内装置10から地図画像が入力されると、分割した表示領域Aのうち左方の表示領域A1にその入力された地図画像を表示するとともに、前方視界改善画像生成装置20から前方視界改善画像が入力されると、分割した表示領域Aのうち右方の表示領域A2にその入力された復元画像を表示する(図6参照)。地図画像及び復元画像を表示すると、表示制御装置40は、続くステップS124の判断処理に移行する。
ステップS124の判断処理に移行すると、表示制御装置40は、経路案内装置10から情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)が入力されたか否かを判断する。ここで、情報提供用画像が入力されなかった場合(ステップS124の判断処理で「No」)、表示制御装置40は、このステップS12の表示処理をそのまま終了する。一方、情報提供用画像が入力された場合(ステップS124の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS125の判断処理に移行する。
ステップS125の判断処理に移行すると、表示制御装置40は、経路案内装置10から障害物検出情報が入力されたか否かを判断する。ここで、障害物検出情報が入力されなかった場合(ステップS125の判断処理で「No」)、表示制御装置40は、続くステップS126の処理として、情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)をカラー画像にて、且つ、濃い半透明にて、ディスプレイ30の表示領域Aあるいは表示領域A2に表示されている復元画像上に重畳表示する。そして、このステップS126の処理を終えると、表示制御装置40は、このステップS12の表示処理をそのまま終了する。
一方、上記ステップS125の判断処理において、障害物検出情報が入力された場合(ステップS125の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS127の処理として、情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)をグレースケール画像にて、且つ、薄い半透明にて、ディスプレイ30の表示領域Aあるいは表示領域A2に表示されている復元画像上に重畳表示する。そして、このステップS127の処理を終えると、表示制御装置40は、このステップS12の表示処理をそのまま終了する。
また、前方視界改善画像生成装置20の画像出力モードとして画像出力停止モードが設定されると、表示制御装置40は、図11に示した表示処理S13を実行開始する。表示制御装置40は、ステップS132の判断処理として、経路案内画像10から入力された地図画像をディスプレイ30の表示領域Aの全体にわたって表示する(図7参照)。地図画像を表示すると、表示制御装置40は、続くステップS134の判断処理に移行する。
ステップS134の判断処理に移行すると、表示制御装置40は、経路案内装置10から分岐点拡大画像が入力されたか否かを判断する。ここで、分岐点拡大画像が入力されなかった場合(ステップS134の判断処理で「No」)、表示制御装置40は、このステップS13の表示処理をそのまま終了する。一方、分岐点拡大画像が入力された場合(ステップS134の判断処理で「Yes」)、表示制御装置40は、続くステップS136の処理に移行する。
ステップS136の処理に移行すると、表示制御装置40は、ディスプレイ30の表示領域Aを左右に分割し、経路案内装置10から地図画像が入力されると、分割した表示領域Aのうち左方の表示領域A1にその入力された地図画像を表示するとともに、前方視界改善画像生成装置20から分岐点拡大画像が入力されると、分割した表示領域Aのうち右方の表示領域A2にその入力された分岐点拡大画像を表示する(図7参照)。地図画像及び分岐点拡大画像を表示すると、表示制御装置40は、このステップS13の処理をそのまま終了する。
以上説明した本実施の形態の車載表示システム1では、表示制御装置40は、ディスプレイ30の表示領域Aに、前方視界改善画像及び地図画像のうち少なくとも前方視界改善画像が表示されている間に、情報提供用画像が取得されたことに基づいて、前方視界改善画像上に、情報提供用画像を半透明にて重畳表示することとした。前方視界改善画像上に情報提供用画像が半透明にて重畳表示されることから、情報提供用画像の表示領域を確保するために前方視界改善画像の表示領域が縮小される上記第1表示装置とは異なり、前方視界改善画像の表示領域を縮小する必要がない。したがって、情報提供用画像の視認性が低下することがなくなるようになる。また、前方視界改善画像上に情報提供用画像が半透明にて重畳表示されることから、前方視界改善画像を表示するディスプレイ及び情報提供用画像を表示するディスプレイをそれぞれ準備する必要がある上記第2表示装置とは異なり、1つのディスプレイで済む。そのため、ユーザは、1つのディスプレイを見ることで前方視界改善画像及び情報提供用画像の双方から情報を取得することができるようになり、ユーザが焦点を合わせるための時間が余分に必要となることがなくなるようになる。したがって、前方視界改善画像の視認性の低下を防止しつつ、前方視界改善画像及び情報提供用画像の双方を1つのディスプレイに表示することができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、本発明に係る表示制御装置及び車載表示システムは、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記実施の形態では、前方視界改善画像生成装置20は、前方視界改善画像として、暗視画像に加え、霧画像から霧の影響を低減した復元画像を生成していたが、暗視画像のみ生成してもよく、復元画像に限らず前方の視界を改善する画像であれば他の前方視界改善画像であってもよい。
また、上記実施の形態では、前方視界改善画像生成装置20は、前方視界改善画像(すなわち暗視画像及び復元画像)として、グレースケール画像を生成していたが、グレースケール画像に限らず、カラー画像を生成してもよい。前方視界改善画像としてカラー画像を生成する場合においては、表示制御装置40は、経路案内装置10から障害物検出情報が入力されなかったとき、情報提供用画像を、前方視界改善画像の色相と異なる色相にて前方視界改善画像上に濃い半透明にて重畳表示するとよく、経路案内装置10から障害物検出情報が入力されたとき、情報提供用画像を、前方視界改善画像の色相と同一の色相にて前方視界改善画像上に薄い半透明にて重畳表示するとよい。
また、図8に対応する図として図12に示されるように、表示制御装置40は、経路案内装置10から障害物検出情報が入力された場合には、その障害物を囲う枠である障害物検出枠を表示してもよい。これにより、経路案内装置10によって検出された障害物を当該車載表示システム1のユーザが容易に認識することができるようになる。
また、上記実施の形態では、先の図9(ステップS114〜117の処理)に示されるように、表示制御装置40は、経路案内装置10から障害物検出情報が入力されなかった場合には、全ての情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)が目立つように、当該情報提供用画像をすべて、カラー画像にて濃い半透明にて暗視画像上に重畳表示する一方、経路案内装置10から障害物検出情報が入力された場合には、全ての情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)が目立たないように、当該情報提供用画像をすべて、グレースケール画像にて薄い半透明にて暗視画像上に重畳表示していたが、これに限らない。表示制御装置40は、先の図8あるいは図12に対応する図として、図13に示されるように、経路案内装置10から障害物検出情報が入力された場合には、情報提供用画像(分岐点拡大画像を除く)のうち簡略化地図画像及び進路文字列画像以外の他の情報提供用画像が目立たないように、他の情報提供用画像を、グレースケール画像にて非常に薄い半透明にて暗視画像上に重畳表示する、あるいは、暗視画像上に重畳表示しないこととしてもよい。これにより、最低限の経路案内の機能をできるだけ残しつつ、極力、障害物の視認を妨げないようにすることができるようになる。
また、上記実施の形態では、地図画像と、この地図画像及び前方視界改善画像とは別の画像であって情報を提供するための画像である情報提供用画像とを生成し、これら生成した地図画像及び情報提供用画像を用いて経路を案内する経路案内装置10を採用していたが、経路案内装置10に限らない。経路に関する情報に限らず、天候に関する情報等の情報を提供するための画像である情報提供用画像を生成する情報提供装置であれば、任意の情報提供装置を採用することができる。