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JP5285866B2 - 研磨液 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において用いられる研磨液に関し、詳細には、半導体デバイスの配線工程での平坦化において主としてバリア金属材料からなるバリア層の研磨に好適に用いられる研磨液に関する。
半導体集積回路(以下「LSI」と記す。)で代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」と記す。)等の種々の技術が用いられてきている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去や絶縁膜上の余分なバリア層の除去を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
各配線層を形成するためには、まず、メッキ法などで盛付けられた余分な配線材を除去する金属膜のCMP(以下、「金属膜CMP」と呼ぶ。)を1段若しくは多段に亘って行い、次に、これによって表面に露出したバリア金属材料(バリアメタル)を除去するCMP(以下、「バリアメタルCMP」と呼ぶ。)を行うことが一般的になされている。しかしながら、金属膜CMPによって、配線部が過研磨されてしまういわゆるディッシングや、更にエロージョンを引き起こしてしまうことが問題となっている。
このディッシングを軽減するため、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。即ち、バリアメタルCMPでは、金属配線材に比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が相対的に小さい場合は、配線部が早く研磨されるなどディッシングや、その結果としてのエロージョンが発生してしまうため、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度は適度に大きい方が望ましい。これはバリアメタルCMPのスループットを上げるメリットがあることに加え、実際的には金属膜CMPによってディッシングが発生していることが多く、前述の理由からバリアメタルや絶縁膜層の研磨速度を相対的に高くすることが求められている点においても望ましいからである。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えば、アルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば、過酸化水素、過硫酸)とが含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が皿状にたわむ現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨された上、複数の配線金属面が皿状にたわむ現象(エロージョン)などが発生することがある。
また、固体砥粒を含有する研磨液を用いることによって、研磨後に、半導体面に残留する研磨液を除去するために通常行なわれる洗浄工程が複雑となり、更に、その洗浄後の液(廃液)を処理するには、固体砥粒を沈降分離する必要があるなどコスト面での問題点が存在する。
このような固体砥粒を含有する研磨液については、以下のような種々の検討がなされている。
例えば、研磨傷をほとんど発生させずに高速研磨することを目的としたCMP研磨剤及び研磨方法(例えば、特許文献1参照。)、CMPにおける洗浄性を向上させた研磨組成物及び研磨方法(例えば、特許文献2参照。)、及び、研磨砥粒の凝集防止を図った研磨用組成物(例えば、特許文献3参照。)がそれぞれ提案されている。
特開2003−17446公報 特開2003−142435公報 特開2000−84832公報
また最近では、より低誘電率で強度の小さい絶縁膜(Low−k膜)が使用されるようになってきた。これは、最先端のデバイスでは配線間の距離が近いために、誘電率の高い絶縁膜を使用した際には配線間での電気的な不良が発生する事に由来している。この様なLow−k膜は強度が非常に小さい為にCMP時の加工において過剰に削られ過ぎてしまう問題があった。
この様な課題に対して、バリア層を研磨する際の被研磨膜に対する研磨速度を高研磨速度に維持し、且つ、低誘電率のLow−k膜に対しての研磨速度を十分に抑制しうる技術は、これまでに得られていないのが現状である。
したがって、本発明の目的は、バリア金属材料からなるバリア層を研磨するバリアCMPに用いられる固体砥粒を用いた研磨液であって、バリア層を研磨する際の被研磨膜に対する研磨速度を高研磨速度に維持し、且つ、低誘電率のLow−k膜に対しての研磨速度を十分に抑制しうる研磨剤を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、研磨液が帯電防止剤を含むことによって、上記問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。
すなわち、本発明は下記(1)〜(10)の研磨液および下記(11)の研磨方法を提供する。
(1) 半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、帯電防止剤を含むことを特徴とする研磨液。
なお、これを以下「本発明の第1の態様の研磨液」ということがある。
(2) 半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする研磨液。
なお、これを以下「本発明の第2の態様の研磨液」ということがある。
また、本発明の第1および第2の態様の研磨液を合わせて「本発明の研磨液」ということがある。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R1、R2が互いに結合してもよく、aは1以上の整数である。)
(3) 前記一般式(1)で表される化合物の濃度が、研磨液の全質量に対して0.005〜50g/Lである上記(2)に記載の研磨液。
(4) 更に、腐食抑制剤及びコロイダルシリカを含み、pHが2.5〜5.0である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨液。
(5) 前記コロイダルシリカの濃度が、研磨液の全質量に対して0.5〜15質量%である上記(4)に記載の研磨液。
(6) 前記コロイダルシリカの一次平均粒径が、20〜50nmの範囲である上記(4)または(5)に記載の研磨液。
(7) 前記腐食抑制剤が、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(4)乃至(6)のいずれかに記載の研磨液。
(8) 更に、下記一般式(2)で表されるジ四級アンモニウムカチオン又は下記一般式(3)で表されるモノ四級アンモニウムカチオンを含む上記(1)〜(7)のいずれかに記載の研磨液。
[一般式(2)又は一般式(3)中、R1〜R7は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R1〜R6のうち2つが互いに結合してもよい。Xは、炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基およびこれらを組み合わせた基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。]
(9) 更に、カルボキシル基を有する化合物を含有し、該カルボキシル基を有する化合物が下記一般式(4)で表される化合物である上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の研磨液。
[一般式(4)中、R7及びR8はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。R7とR8とは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
(10) 更に、陰イオン系界面活性剤又は陽イオン界面活性剤を含有する上記(1)乃至(9)のいずれか記載の研磨液。
(11) 半導体集積回路のバリア層の研磨において、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の研磨液を用いることを特徴とする研磨方法。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推測される。
即ち、スラリー中の帯電防止剤が研磨中にlow−k膜の被研磨面に付着する事で、被研磨面の帯電状態をコントロールしていると考えられる。より具体的には、帯電防止剤が付着した被研磨面の間と研磨粒子との間の静電的な親和力が低下しているものと予想される。静電的な親和力の低下によってパッド研磨粒子−被研磨面間での物理作用(物理的な引っ掻き除去作用)が弱くなり、low−k膜種に対する研磨速度が抑制されると考えられる。
本発明の研磨液は、バリア層を研磨する際の被研磨膜に対する研磨速度を高研磨速度に維持し、且つ、低誘電率のLow−k膜に対しての研磨速度を十分に抑制することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明の第1の態様の研磨液は、半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、帯電防止剤を含むことを特徴とする研磨液である。
なお、本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。
〔帯電防止剤〕
本発明の第1の態様の研磨液は、帯電防止剤を含有する。
本発明の第1の態様の研磨液に含まれる帯電防止剤は、公知資料等(例えば、「帯電防止材料の技術と応用」(シーエムシー出版)、「油化学辞典 脂質・界面活性剤」(丸善)、「界面活性剤の機能と利用技術」(普及版)、「界面活性剤物性・性能要覧」(技術情報協会))で知られた物であれば、特に限定されない。
中でも、より十分な研磨速度の抑制を達成する観点から、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R1、R2が互いに結合してもよく、aは1以上の整数である。)
一般式(1)で表される化合物については、本発明の第2の態様の研磨液において詳述する。
帯電防止剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における帯電防止剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)に対して、0.005g/L以上50g/L以下が好ましく、0.01g/L以上30g/L以下が更に好ましい。即ち、帯電防止剤の添加量は、研磨速度を十分に抑制させる観点で、0.005g/L以上が好ましく、その他の膜種に対する研磨速度を阻害しない観点で、50g/L以下が好ましい。
本発明の第1の態様の研磨液は、更に、必要に応じて、例えば、研磨粒子、腐食抑制剤、コロイダルシリカ、四級アンモニウム塩、カルボキシル基を有する化合物、陰イオン系界面活性剤、陽イオン界面活性剤等の任意の成分を含んでいてもよい。
任意成分については本発明の第2の態様の研磨液において詳述する。
本発明の第1の態様の研磨液が含有する各成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
次に、本発明の第2の態様の研磨液について以下に説明する。
本発明の第2の態様の研磨液は、半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする研磨液である。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R1、R2が互いに結合してもよく、aは1以上の整数である。)
上記一般式(1)において、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R1、R2が互いに結合してもよく、aは1以上の整数である。
前記炭素数6〜30のアルキル基としては、具体的には、例えば、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、トリアコンチル基等が挙げられ、中でも、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましい。
また、前記アルケニル基としては、炭素数6〜30のものが好ましく、具体的には、例えば、デセル基、ドデセル基、テトラデセル基、ヘキサデセル基、オクタデセル基、イコセル基、トリアコンテル基等が挙げられ、中でも、ドデセル基、テトラデセル基、ヘキサデセル基、オクタデセル基が好ましい。
前記シクロアルキル基としては、具体的には、例えば、シクロヘキシル基、アルキル置換体シクロヘキシル基等が好ましい。
前記アリール基としては、具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でも、フェニル基が好ましい。
前記ポリオキシエチレン鎖(EO)としては、分子量100〜10,000の範囲が好ましく、分子量200〜5,000の範囲がより好ましい。
上記の各基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
一般式(1)中のaは、十分に目的の膜に対する研磨速度を抑制する観点から、1以上の整数であり、より十分に目的の膜に対する研磨速度を抑制する観点から、1〜50の整数であるのが好ましい。
以下、本発明における一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(例示化合物D−1〜D−23)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記D5〜D8、D13〜D16およびD20中のbは、十分に添加剤の効果を発揮する観点から、それぞれ独立に、1〜100の整数であるのが好ましく、1〜50の整数であるのがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、中でも、バリア層を研磨する際の被研磨膜に対する研磨速度をより高研磨速度に維持し、且つ、低誘電率のLow−k膜に対しての研磨速度をより十分に抑制することができる点から、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8、D9、D10、D11、D12、D13、D14、D15、D16が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における一般式(1)で表される化合物の添加量は、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)に対して、0.005g/L以上50g/L以下が好ましく、0.01g/L以上30g/L以下が更に好ましい。即ち、一般式(1)で表される化合物の添加量は、研磨速度を十分に抑制させる観点で、0.005g/L以上が好ましく、その他の膜種に対する研磨速度を阻害しない観点で、50g/L以下が好ましい。
〔腐食抑制剤〕
本発明の研磨液は、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する腐食抑制剤を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明の研磨液に含まれる腐食抑制剤としては、分子内に3以上の窒素原子を有し、且つ、縮環構造を有する複素芳香環化合物を含有することが好ましい。ここで、「3以上の窒素原子」は、縮環を構成する原子であることが好ましく、このような複素芳香環化合物としては、ベンゾトリアゾール、及び該ベンゾトリアゾールに種々の置換基が導入されてなる誘導体であることが好ましい。
本発明に用いうる腐食抑制剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
中でも、配線の腐食を十分に抑制するという観点から、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールから選ばれることが好ましい。
腐食抑制剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
腐食抑制剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.01g/L以上2g/L以下が好ましく、0.05g/L以上2g/Lが更に好ましい。即ち、腐食抑制剤の添加量は、ディッシングを拡大させない点で、0.01g/L以上が好ましく、保存安定性の点から、0.2g/L以下が好ましい。
〔コロイダルシリカ〕
本発明の研磨液は、砥粒の少なくとも一部として、コロイダルシリカを含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
このコロイダルシリカとしては、粒子内部にアルカリ金属などの不純物を含有しない、アルコキシシランの加水分解により得たコロイダルシリカであることが好ましい。一方、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去する方法で製造したコロイダルシリカも用いることができるものの、この場合、粒子の内部に残留するアルカリ金属が徐々に溶出し、研磨性能に影響を及ぼす懸念がある。このような観点からは、アルコキシシランの加水分解により得られたものが原料としてはより好ましい。
コロイダルシリカは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
コロイダルシリカの粒径は、砥粒の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には10〜200nm程度であるが、研磨傷を発生させない観点から、20〜50nmの範囲であることが好ましい。
本発明の研磨液中のコロイダルシリカの含有量(濃度)は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以上12質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上12質量%以下である。即ち、コロイダルシリカの含有量は、充分な研磨速度でバリア層を研磨する点で0.5質量%以上が好ましく、保存安定性の点で15質量以下が好ましい。
本発明の研磨液には、コロイダルシリカ以外の砥粒を、本発明の効果を損なわない限りにおいて併用することができるが、その場合でも、全砥粒のうち、コロイダルシリカの含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。含有される砥粒の全てがコロイダルシリカであってもよい。
本発明の研磨液に対し、コロイダルシリカと併用しうる砥粒としては、例えば、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等が挙げられる。これら併用砥粒のサイズは、コロイダルシリカと同等か、それ以上、また、2倍以下であることが好ましい。
〔ジ四級アンモニウムカチオン、モノ四級アンモニウムカチオン〕
本発明の研磨液は、さらに、ジ四級アンモニウムカチオンおよびモノ四級アンモニウムカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、これを単に「特定カチオン」と称する場合がある。)を含有していても良い。
本発明の研磨液が含むことができるジ四級アンモニウムカチオンは、化学構造中に2つの第四級窒素を含む構造であれば、特に限定されない。
また、モノ四級アンモニウムカチオンは、化学構造中に1つの第四級窒素を含む構造であれば、特に限定されない。
特定カチオンは、十分な研磨速度の向上を達成する観点から、ジ四級アンモニウムカチオンまたはモノ四級アンモニウムカチオンであるのが好ましい。
ジ四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、下記一般式(2)で表されるカチオンが挙げられる。
モノ四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、下記一般式(3)で表されるカチオンが挙げられる。
中でも、十分な研磨速度の向上を達成する観点から、下記一般式(2)で表されるカチオンおよび一般式(3)で表されるカチオンのうちのいずれか一方または両方であるのが好ましい。
[一般式(2)又は一般式(3)中、R1〜R7は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R1〜R6のうち2つが互いに結合してもよい。Xは、炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基およびこれらを組み合わせた基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。]
前記炭素数1〜20のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
また、前記アルケニル基としては、炭素数2〜10のものが好ましく、具体的には、例えば、エチニル基、プロピル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、具体的には、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシル基が好ましい。
前記アリール基としては、具体的には、例えば、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でも、フェニル基が好ましい。
前記アラルキル基としては、具体的には、例えば、ベンジル基が挙げられ、中でも、ベンジル基が好ましい。
上記の各基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記一般式(2)におけるXは、炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基およびこれらの基を2以上組み合わせた基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
なお、Xで表される連結基は、上記の有機連結基の他に、その鎖中に、−S−、−S(=O)2−、−O−、−C(=O)−を含んでいてもよい。
前記炭素数1〜10のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられ、中でも、エチレン基、ペンチレン基が好ましい。
前記アルケニレン基としては、具体的には、例えば、エチニレン基、プロピニレン基等が挙げられ、中でも、プロピニレン基が好ましい。
前記シクロアルキレン基としては、具体的には、例えば、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基等が挙げられ、中でも、シクロヘキシレン基が好ましい。
前記アリーレン基としては、具体的には、例えば、フェニレン基、ナフチレン基が挙げられ、中でも、フェニレン基が好ましい。
上記の各連結基は更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
以下、本発明の研磨液が含むことができる、ジ四級アンモニウムカチオンの具体例(例示化合物A−1〜A−32)、モノ四級アンモニウムカチオン(例示化合物A−33〜A−44)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、A43中のcycrohC612は、シクロヘキシル基を示す。
中でも、スラリー中の分散安定性の点から、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A18、A19、A23、A24、A29、A30、A31、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A41、A42が好ましい。
特定カチオンは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の研磨液が含むことができる特定カチオンは、その製造について特に制限されず、例えば、アンモニアや各種アミンなどが求核剤としてはたらく置換反応により合成することができる。
また、一般販売試薬としての購入も可能である。
本発明における特定カチオンの添加量は、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)に対して、0.001g/L以上10g/L以下が好ましく、0.01g/L以上3g/L以下が更に好ましい。即ち、このような特定カチオンの添加量は、研磨速度を十分に向上させる観点で、0.001g/L以上が好ましく、十分なスラリーの安定性の観点で、10g/L以下が好ましい。
〔カルボキシル基を有する化合物〕
本発明の研磨液は、低誘電率の膜種以外の膜に対して十分な研磨速度を達成する観点から、さらに、カルボキシル基を有する化合物(以下、適宜「有機酸」と称する。)を含有することが好ましい。カルボキシル基を有する化合物としては、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に制限はないが、研磨速度構造の観点から、下記一般式(4)で表される化合物を選択することが好ましい。
なお、分子内に存在するカルボキシル基は、1〜4個であることが好ましく、安価に使用できる観点からは、1〜2個であることがより好ましい。
上記一般式(4)において、R7及びR8はそれぞれ独立に炭化水素基を表し、好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基を表す。
7は、1価の炭化水素基であり、例えば、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、アルコキシ基、アリールオキシ基などが好ましい。
8は、2価の炭化水素基であり、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン基、シクロアルキレン基等)、アリーレン基(例えば、フェニレン基等)、アルキレンオキシ基などが好ましい。
7及びR8で表される炭化水素基は更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基などが挙げられる。なお、R7及びR8で表される炭化水素基が更に有することができる有置換基としてカルボキシル基を有する場合、この化合物は複数のカルボキシル基を有することになる。
また、R7とR8は互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。環状構造としては、例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環が挙げられる。
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸などが挙げられ、中でも、被研磨面を高速で研磨する観点から、2,5−フランジカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、フェノキシ酢酸が好ましい。
カルボキシル基を有する化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の研磨液において、カルボキシル基を有する化合物(好ましくは、一般式(4)で表される化合物)の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.01g/L以上50g/L以下が好ましく、0.05g/L以上20g/L以下が更に好ましい。即ち、このようなカルボキシル基を有する化合物(有機酸)の含有量は、十分な研磨速度を達成する点で、0.01g/L以上が好ましく、過剰なディッシングを発生させない点から、50g/L以下が好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明の研磨液は、さらに、界面活性剤を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明の研磨液において、界面活性剤の種類、量を調整することで、研磨速度を向上させることや、絶縁層の研磨速度を制御することができる。界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、又は陽イオン界面活性剤が好ましく用いられる。
陰イオン系界面活性剤としては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
中でも、絶縁層の研磨速度を向上させる観点から、下記一般式(5)で表される化合物が好ましく、絶縁層の研磨速度を抑制させる観点から、下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(5)における、Rは炭化水素基を表し、好ましくは、炭素数6〜20の炭化水素基を表す。
炭素数6〜20の炭化水素基としては、具体的には、例えば、炭素数6〜20のアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)などが好ましく、このアルキル基やアリール基は、更にアルキル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、例えば、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、テトラデシルナフタレンスルホン酸等の化合物が挙げられる。
上記一般式(6)において、Ra〜Rdはそれぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を表す。但し、Ra〜Rdが全て同じ炭化水素基であることはない。
a〜Rdで表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、フェニル基などが挙げられ、中でも、炭素数1〜20の直鎖及び分鎖アルキル基が好ましく挙げられる。
なお、Ra〜Rdのうち2つが互いに結合し、例えば、ピリジン構造、ピロリジン構造、ピペリジン構造、ピロール構造などの環状構造を形成してもよい。
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、パルチミルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、ドデシルピリジニウム、デシルピリジニウム、オクチルピリジニウム等の化合物が挙げられる。
本発明における界面活性剤としては、前記一般式(5)、又は一般式(6)で表される化合物以外を用いてもよく、前記一般式(5)で表される化合物以外のアニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられる。
より具体的には、カルボン酸塩としては、例えば、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;
硫酸エステル塩としては、例えば、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;
リン酸エステル塩としては、例えば、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を好ましく用いることができる。
界面活性剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.01〜1gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤の添加量は、充分な効果を得る上で、0.01g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から1g以下が好ましい。
〔その体の成分〕
本発明の研磨液は、本発明の効果、目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、酸化剤、pH調整剤、キレート剤等が挙げられる。
(酸化剤)
本発明の研磨液は、さらに、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられ、中でも、過酸化水素が好ましく用いられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
酸化剤の添加量は、バリアCMP初期のディッシング量によって調整できる。バリアCMP初期のディッシング量が大きい場合、即ち、バリアCMPにおいて配線材をあまり研磨したくない場合には酸化剤を少ない添加量にすることが望ましく、ディッシング量が十分に小さく、配線材を高速で研磨したい場合は、酸化剤の添加量を多くすることが望ましい。このように、バリアCMP初期のディッシング状況によって酸化剤の添加量を変化させることが望ましいため、研磨に使用する際の研磨液の1L中に、0.01mol〜1molとすることが好ましく、0.05mol〜0.6molとすることが特に好ましい。
(pH調整剤)
本発明の研磨液は、高研磨速度を達成する観点から、pH2.5〜5.0であるのが好ましく、pH3.0〜4.5の範囲であることがより好ましい。研磨液のpHをこの範囲に制御する場合、層間絶縁膜の研磨速度調整をより顕著に行うことが可能となり、特に優れた効果を発揮する。
pHを上記の好ましい範囲に調整するために、アルカリ/酸又は緩衝剤を用いることができる。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸;炭酸ナトリウムなどの炭酸塩;リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩;ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤は、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
(キレート剤)
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、さらに、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、例えば、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物が挙げられ、具体的には例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加することができる。
本発明の研磨液は、その製造について特に制限されない。例えば、帯電防止剤または一般式(1)で表される化合物と、必要に応じて使用することができる、腐食抑制剤、コロイダルシリカ、ジ四級アンモニウムカチオンまたはモノ四級アンモニウムカチオン、有機酸、界面活性剤、添加剤と、水とを混合することによって得ることができる。
また、本発明の研磨液は、これを使用する態様として、例えば、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が後述する水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合が挙げられる。
本発明の研磨液は、一般に、銅金属及び/又は銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に存在する、銅の拡散を防ぐためのバリア金属材料からなるバリア層の研磨に適する。
次に、本発明の研磨方法について以下に説明する。
本発明の研磨方法は、半導体集積回路のバリア層の研磨において、本発明の研磨液を用いることを特徴とする研磨方法である。
本発明の研磨方法に用いられる研磨液は、本発明の研磨液であれば特に制限されない。
また、本発明の研磨方法に用いられる半導体集積回路は、バリア層を有するものであれば特に制限されない。
本発明の研磨方法において、半導体集積回路のバリア層の研磨は、CMPであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
〔バリア金属材料〕
本発明の研磨液の研磨対象であるバリア層を構成する材料としては、一般に低抵抗のメタル材料がよく、特に、Ru,RuO4、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でも、Ta、TaN、Ru,RuO4が特に好ましい。
〔層間絶縁膜〕
本発明の研磨液の研磨対象である層間絶縁膜としては、TEOS等の通常用いられる層間絶縁膜の他、例えば、比誘電率が3.5〜2.0程度の低誘電率の材料(例えば、有機ポリマー系、SiOC系、SiOF系等が挙げられ、通常、Low−k膜と略称される。)を含む層間絶縁膜が挙げられる。
具体的には、低誘電率の層間絶縁膜の形成に用いる材料として、SiOC系ではHSG−R7(日立化成工業)、BLACKDIAMOND(Applied Materials, Inc)などがある。
〔配線金属原材料〕
本発明においては、研磨対象である被研磨体は、例えば、LSI等の半導体デバイスに適用されるような、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を有することが好ましい。特にこの配線の原材料としては、銅合金が好ましい。更に、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。
なお、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
〔配線の太さ〕
本発明においては、研磨対象である被研磨体が、例えば、DRAMデバイス系に適用される場合、ハーフピッチで0.15μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下である。
一方、被研磨体が、例えば、MPUデバイス系に適用される場合、0.12μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。
このような配線を有する被研磨体に対して、上述の本発明における研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔研磨方法〕
本発明の研磨方法において研磨液は、その使用の態様として、例えば、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合が挙げられる。
本発明の研磨方法にはいずれの場合の研磨液も適用可能である。
本発明の研磨方法は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、被研磨面と研磨パッドを相対運動させる方法であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
研磨に用いられる装置としては、被研磨面を有する被研磨体(例えば、導電性材料膜が形成されたウエハ等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は被研磨体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する被研磨体の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体の面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには、研磨液をポンプ等で連続的に供給することができる。
本発明において、前記1.の方法のように、濃縮液を希釈する際には、下記に示す水溶液を用いることができる。水溶液は、予め、酸化剤、有機酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分と、を合計した成分が、研磨する際に使用する研磨液(使用液)の成分となるようにする。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、例えば、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
更に、濃縮液を水又は水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、例えば、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
また、別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、帯電防止剤または一般式(1)で表される化合物と、有機酸と、添加剤と、界面活性剤と、水とを構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、例えば、酸化剤と、添加剤と、界面活性剤とを構成成分(A)とし、帯電防止剤または一般式(1)で表される化合物と、有機酸と、添加剤と、界面活性剤と、水とを構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
上記のような例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、又は、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして被研磨面に供給してもよい。
本発明において、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
〔パッド〕
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明の研磨方法における研磨液でCMPを行なう対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
〔研磨装置〕
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、例えば、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300 (荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
本発明の研磨方法において、研磨された被研磨体(例えば、ウエハ)は、研磨終了後、流水中でよく洗浄され、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落とし、乾燥させ、乾燥後例えば従来公知の方法によって切断され、半導体集積回路とすることができる。
本発明の研磨液によって研磨された半導体集積回路は、研磨面が平らで、バリア層がほとんどない。
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記に示す組成の研磨液を調製し、研磨実験を行った。
<組成(1)>
・帯電防止剤:D−1で表される化合物、0.8g/L
・ジ四級アンモニウムカチオン:塩化ヘキサメトニウム、0.2g/L
・腐食抑制剤:ベンゾトリアゾール(BTA)、0.5g/L
・コロイダルシリカ:二次粒子径:65nm、PL3スラリー、扶桑化学工業社製、200g/L
・カルボキシル基を有する化合物:ジグリコール酸(和光純薬工業(株)製)、1g/L
・純水を加えた全量:1000mL、pH3.5(アンモニア水と硝酸で調整)
・酸化剤:30%過酸化水素水、10ml
(評価方法)
研磨装置としてラップマスター社製装置「LGP−612」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、下記に示す各ウエハ膜を研磨した。
・テーブル回転数:90rpm
・ヘッド回転数:85rpm
・研磨圧力:13.79kPa
・研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 Polotexpad
・研磨液供給速度:200ml/min
(研磨速度評価:研磨対象物)
研磨対象物として、Si基板上に、Ta膜、TEOS膜、SiOC膜を成膜した8インチウエハを使用した。
<研磨速度>
研磨速度は、CMP前後におけるTa膜(バリア層)、TEOS膜(絶縁膜)、SiOC(BD−II)の膜厚をそれぞれ測定し、以下の式から換算することで求めた。
研磨速度(Å/分)=(研磨前の膜厚さ−研磨後の膜厚さ)/研磨時間
得られた結果を表1に示す。
〔実施例2〜35、及び比較例1〜2〕
実施例1における組成(1)を、下記表1乃至表3に記載の組成に変更して調製した研磨液を用い、実施例1と同様の研磨条件で、研磨実験を行った。結果を表1乃至表3に示す。
上記表1乃至表3に記載されたD−1〜D−23、A−1〜A−45は、前述の例示化合物を指す。
また、上記表1乃至表3中において略記された化合物の詳細を下記に示す。
腐食防止剤
BTA:1,2,3−ベンゾトリアゾール
DBTA:5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール
DCEBTA:1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール
HEABTA:1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
HMBTA:1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール
界面活性剤
DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸
DNS:ドデシルナフタレンスルホン酸
LTM:硝酸ラウリルトリメチルアンモニウム
DP:硝酸ドデシルピリジニウム
更に、上記表1乃至表3に記載されたコロイダルシリカC−1〜C−5の形状、一次粒径については、下記表4に示す。なお、下記表4に記載のコロイダルシリカは全て扶桑化学工業社製である。
また、表1乃至表3に記載されたカルボキシル基を有する化合物(有機酸)B−1〜B−5の化合物名を下記表5に示す。
表1乃至表3によれば、実施例1〜35の研磨液を用いた場合は、比較例1〜2と比較して、Ta及びTEOSの研磨速度が高く、また、十分にlow−k膜に対する研磨速度が抑制されている事が分かる。
一方、比較例1の研磨液はTa及びTEOSの研磨速度には問題がないものの、low−k膜に対する研磨速度が抑制されていない事がわかる。また、比較例2の研磨液は、Ta及びTEOSの研磨速度が低く、且つlow−k膜に対する研磨速度が非常に速くなっている事がわかる。
以上のことから、本発明の研磨液は、Ta、TEOS研磨速度に優れ、low−k膜に対する研磨速度は十分に抑制されている事がわかる。

Claims (14)

  1. 半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、
    下記一般式(1)で表される化合物
    下記一般式(2)で表されるジ四級アンモニウムカチオン又は下記一般式(3)で表されるモノ四級アンモニウムカチオン、
    コロイダルシリカ、及び、
    カルボキシル基を有する化合物を含むことを特徴とする研磨液。
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、前記各基は置換基を有してもよく、R1、R2が互いに結合してもよく、aは1以上の整数である。)
    [一般式(2)又は一般式(3)中、R 1 〜R 7 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R 1 〜R 6 のうち2つが互いに結合してもよい。Xは、炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基およびこれらを組み合わせた基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。]
  2. 前記一般式(1)中、前記R2は、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す、請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記一般式(1)中、前記R1は、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびポリオキシエチレン鎖(EO)からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す、請求項1又は2に記載の研磨液。
  4. 前記一般式(1)中、前記R1又はR2のいずれか一方が、炭素数6〜30のアルキル基又はポリオキシエチレン鎖(EO)である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 前記一般式(1)中、前記R1又はR2の両方が、炭素数6〜30のアルキル基又はポリオキシエチレン鎖(EO)である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の研磨液。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記式(D1)〜下記式(D23)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の研磨液。
    (上記式中、aは1以上の整数であり、上記D5〜D8、D13〜D16およびD20中のbは1〜100の整数である。)
  7. 前記一般式(1)で表される化合物の濃度が、研磨液の全質量に対して0.005〜50g/Lである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
  8. 前記コロイダルシリカの濃度が、研磨液の全質量に対して0.5〜15質量%である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の研磨液。
  9. 前記コロイダルシリカの一次平均粒径が、20〜50nmの範囲である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の研磨液。
  10. 更に、腐食抑制剤を含み、pHが2.5〜5.0である請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の研磨液。
  11. 前記腐食抑制剤が、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項10に記載の研磨液。
  12. 前記カルボキシル基を有する化合物が下記一般式(4)で表される化合物である請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の研磨液。
    [一般式(4)中、R7及びR8はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。R7とR8とは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
  13. 更に、陰イオン系界面活性剤又は陽イオン界面活性剤を含有する請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の研磨液。
  14. 半導体集積回路のバリア層の研磨において、請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の研磨液を用いることを特徴とする研磨方法。
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