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JP5283612B2 - 豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置 - Google Patents

豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置 Download PDF

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JP5283612B2 JP2009298995A JP2009298995A JP5283612B2 JP 5283612 B2 JP5283612 B2 JP 5283612B2 JP 2009298995 A JP2009298995 A JP 2009298995A JP 2009298995 A JP2009298995 A JP 2009298995A JP 5283612 B2 JP5283612 B2 JP 5283612B2
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Description

本発明は、豆腐や油揚げ等の豆腐類を連続的に均一に脱水・成型する豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置に関する。
従来、豆乳を凝固して豆腐類を製造するには、少量生産では型箱を用いて製造するが、大量生産では、型箱を用いず、豆乳を連続的に凝固して搬送コンベアで搬送しながら成型して豆腐を連続的に製造する。本願出願人も、この豆腐の自動製造装置(連続成型装置)として特許文献1から特許文献4を既に提供している。
特許文献1は、下方側の濾過布を乗せるように配された下方側のキャタピラ状の無端状のコンベアと、上方側の濾過布を上方から押さえるように配された上方側のキャタピラ状の無端状のコンベアとを備え、上方側のキャタピラ状の無端状のコンベアは、上下動可能に構成されている。また、下の無端状のコンベアの両側には、多数の起伏側板が蝶番を介して設けられ、起伏板が左右の案内レールに沿って起立されるとともに、上下の無端状のコンベアとともに移動する下方側の濾過布を断面凹状に変化させる。
特許文献2は、下方側の濾過布を乗せるように配された下方側のキャタピラ状の無端状のコンベアと、上方側の濾過布を乗せるように配された上方側のキャタピラ状の無端状のコンベアと、左右一組の側壁コンベアとを備え、左右一組の側壁コンベアは、それぞれ下端を下濾過布に近接して該下濾過布と等速かつ同方向に移行する。
特許文献3は、豆乳凝固物を搬送しながら凝固する下方側の搬送コンベアと、この搬送コンベアに豆乳凝固物を供給するに際して、豆乳凝固物のゆ(ホエー)をゆ切りする水取りドラムが配された自動凝固成型機である。
なお、本願出願人は、加熱処理した豆乳に凝固剤を加え豆乳凝固物を得る凝固工程と、布又は多孔板を上面に配した下方側コンベアで搬送しながら所定の大きさに成型する成型工程とを備え、前記凝固工程では凝固した凝固物とゆを有する固液混合物を製造し、前記成型工程では、布又は多孔板の上に固液混合物を、固液供給装置を用いて供給して、前記固液混合物のゆ切りをする豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置と豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置の出願も行っている(特許文献4)。
特公昭53−39507号公報 実公平6−16544号公報 実開昭50−89996号公報 特願2009−51382号
ところで、従来の連続成型装置を用いて木綿豆腐、油揚生地などを生産する工程では、凝固工程から供給される豆乳凝固物は、一旦、水取ドラムや水取ベルトと呼ばれる濾過装置を介して、豆乳凝固物だけを連続成型装置の受入側の下布の上に注ぎ込んでいた(特許文献3)。水取ドラムとしては、螺旋状送り板を設けた筒状金網を回転駆動させるタイプがあり、水取ベルトとしては、短い無端ベルトを駆動するタイプがあり(図14(a)(b)の符号S2)、これらにより、豆乳凝固物と「ゆ」(ホエー、しみず、離水、とも言う。)を分離した状態の固液混合物(豆乳凝固物とゆ)を供給していた。木綿豆腐や油揚生地の製造方法は、豆乳濃度12%brix未満の比較的薄い豆乳から固液混合物を製造しておき、これを濾過装置で十分に離水させてから連続成型装置11に供給する。なお、豆乳濃度を12%brix以上にしてゆが分離しにくい状態のプリン状(絹ごし状)豆乳凝固物を製造して木綿豆腐等にすることもできないわけではないが、その豆腐の壊し方や硬さの調整が難しく、このため、濃度が薄めの豆乳を用いて凝固物とゆが混在する固液混合物を製造することが通常になっている(豆乳濃度は1〜12%brix程度。)。なお、図16(a)(b)の符号SSは洗浄装置である。)
しかしながら、この単独構成の濾過装置S2を介した供給のやり方では、「ゆ」は予め除かれるので圧搾・成型が容易である反面、凝固物の温度が下がり、豆腐や揚げ生地の結着が悪く弾力がなくなる場合もあり、品質を低下させる問題を有していた。また、上記水取ドラムや水取ベルトと呼ばれる分離する濾過装置を介すると、非衛生的になったり、その装置が複雑で高価になってしまう。また濾過装置の目開きが比較的粗く、細かい固形物も排水してしまい、歩留り低下を招き、排水処理負荷が余計にかかっていた。薄い豆乳を用いれば当然ながら大量の「ゆ」の排水が発生し、大きな排水設備が必要になり、経済的負担が大きかった。また、従来は水取り装置上に残留する凝固物を掻き落とすスクレーパも備えるが、逆に凝固物を布目に押しつけて裏ごしする結果となっていたり、掻き落とした凝固物がすべてディストリビュータ(凝固物の分配供給装置)のホッパに入るわけではなかった。また、長時間の稼動ではその「ゆ」取りベルトは目詰まりしたり、その洗浄に水を使えば排水負荷も増えており、高圧洗浄機を使えば周辺に豆腐粕混じりの滲み水が飛散し周辺を汚し、また温かめの温度で長時間使用される布やその軸周辺等では雑菌増殖が起こり易く、極めて非衛生的であった。
さらに、従来装置では、連続成型装置に固液混合物を供給する際には、加熱処理した豆乳に凝固剤を加え豆乳凝固物を得る凝固工程において、凝固剤を多く加える必要があったが、これでは、味抜けする上、収率が落ちてしまうため、大豆の風味を残し、大豆タンパク質の保水性を十分に活かした弾力のある、高品質の豆腐類を経済的に提供でき難いという問題を有していた。
一方、ベルト式連続凝固機で、固液混合物を絹ごし状(プリン状)に凝固・熟成した後、そのままシュート等の乗り移り手段で連続成型機に供給し、粗く砕いて、自然脱水し、上下の布製のコンベアベルトで挟み圧搾して成型する方法もあるが、ゆ切りが十分でないために、豆乳凝固物の均等な壊しが不十分であったり、シュート上の滑り具合等によって供給量の変動が生じる欠点もあった。また、バケット式凝固機で、固液混合物を絹ごし状(プリン状)ないしはおぼろ状に凝固・熟成した後、壊しを行い、バケット反転によって全量を連続成型機の下布上に供給し、さらに下布上で粗く壊し、更に均し装置119(図14参照)で均した後、自然脱水し、上下布コンベアで挟み圧搾して成型する方法もあるが、装置が複雑になり不衛生になりやすく、バケット反転の間隔に対応して豆腐品質が変動しやすい欠点があった。
そこで本発明の目的は、搬送成型用のコンベアベルトとは別に水取り装置を設けることなく、加熱処理した豆腐用ないしは油揚生地用の温豆乳に凝固剤を加えて得た豆乳凝固物から凝固物とゆ(ホエー)とを効果的に分離して、豆乳凝固物の温度が下がったり、目詰まりしたり、非衛生的にならない豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を提供することにある。
本発明の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置は、通水性の素材で構成される無端状の下方側コンベアと、その上方に配される通水性の素材で構成される無端状の上方側コンベアとを備え、前記下方側コンベアの上流側に所定の領域が形成されるように引き出した引き出し部を設け、この引き出し部に、豆乳凝固物とゆからなる固液混合物を固液供給装置により前記引き出し部と前記下方側コンベアの固液混合物の供給側に供給して、その通水性を利用してゆ切りしてから、ゆ切りに使用した前記下方側コンベア及び上方側コンベアを使用して、前記下方側コンベアと上方側コンベアとの間で豆乳凝固物を圧搾して所定の大きさに成型することを特徴とする。なお、豆乳凝固物とゆからなる固液混合物は加熱処理した豆腐用ないしは油揚生地用豆乳であって、1〜16%brixの濃度で50〜99℃である温豆乳に凝固剤を加えて凝固(1次凝固)・熟成させて得たものである。
ここで、従来の装置の上方側コンベアをそのまま使用して、この上方側コンベアでゆ切りした豆乳凝固物をそのまま下方側コンベア上に供給しても良く、又は、一旦貯蔵タンクで貯蔵して分配供給装置から下方側コンベア上に供給しても良い。また、前記上方側コンベアでゆ切りして一旦貯蔵タンクで貯蔵して分配供給装置から、前記下方側コンベアで再度ゆ切りしてもよい。
また、従来の装置の下方側コンベアをそのまま使用して(或いは、固液混合物の投入側をやや延長するなどして)、この下方側コンベアでゆ切りした豆乳凝固物をそのまま下方側コンベア上の成型工程に移動させても良い。
本発明によれば、豆乳凝固物を下方側コンベアと前記上方側コンベアとの間で成型するが、この成型工程に入る前に、下方側コンベアの所定箇所で(或いは、前記下方側コンベアを所定方向に引き出した引き出し部で)、豆乳凝固物のゆ(ホエー)を一部取り除く、ゆ切りが行われるので、水取り装置を別に配した従来例のように、コンベアによる豆乳凝固物の温度が下がり、豆腐の結着が悪く弾力性をなくしてしまう事態が防止できるとともに、凝固剤の入った染水(ゆ)で下方側コンベアを濡らすことができるので、下方側コンベアに豆乳凝固物が付着する事態が防止できる。
なお、前記下方側コンベア又は上方側コンベアを構成する通水性部材は、濾布、無孔板ないしは多孔板ないしはパンチング板を備えたキャタピラ、多孔製スチールベルトや多孔製樹脂ベルト等で、固液分離に使用できる形態の部材であれば特に限定しない。
本発明としては、前記下方側コンベアの濾過布のみを上方側コンベヤよりも引き出した引き出し部を設け、前記固液混合物のゆ切りと成型工程はこの濾過布を介して行われることを特徴とする。本発明によれば、前記前記豆乳凝固物のゆ切りが濾過布と通水性のコンベアを介して2層で行われるので、ゆ切りが効率よく自然脱水の形で行われる。
また、本発明によれば、前記下方側コンベア又は上方側コンベアの外周上に配された濾過布を所定方向に引き出して設けた引き出し部を構成して、前記加熱処理した温豆乳に凝固剤を加えた豆乳凝固物をその濾布からなる引き出し部でゆ切りして、前記下方側コンベア上に均一に分配供給できるようになる。濾布は豆乳凝固物を捕捉できる目開きのものであれば特に限定しないが、10〜300メッシュが好ましい。前記下方側コンベア又は上方側コンベアは多数の平板が所定の間隔で取り付けられたキャタピラ式コンベアや、そのキャタピラに通水性のある多孔の部材であってもよく、また多孔の無端状スチールベルトや樹脂ベルトであってもよい。
なお、本発明において、前記下方側コンベア又は上方側コンベアと、その外周上に配された各濾過布の駆動速度は同じで同調されており、定速連続駆動ないしは間欠駆動であってもよい。また前記下方側コンベア又は上方側コンベアが遅いか、または停止状態、即ち固定であって、その表面を濾布が摺動する形態であってもよい。その場合、コンベア表面は濾布との摩擦の少ない材質(例えば樹脂製)であることが好ましい。
また前記下方側コンベア又は上方側コンベアの圧搾部は基台に固定された各々レールなどによって支持されており、上方側コンベアはユニット毎に昇降手段ないしは加圧手段を有しており豆乳凝固物に対して前方側(上流側)から後方側(下流側)に向けて次第に低圧から高圧になるよう調節、設定できるよう構成することが好ましい。
本発明としては、前記上方側コンベア又は上方側コンベヤで前記ゆ切りした豆乳凝固物を貯蔵する貯蔵タンクを備えた分配供給装置を備え、この分配供給装置から前記下方側のコンベアの無端状コンベヤ上に豆乳凝固物を分配供給して成型することが好ましい。
本発明によれば、前記ゆ切りした豆乳凝固物を貯蔵タンクに貯蔵してから分配供給装置によって前記下方側の無端状コンベア上に豆乳凝固物を均一に供給することができる。この貯蔵タンクには攪拌手段を備えて、豆乳凝固物を粗壊したり、均等に攪拌してムラがないよう調整をしたり、豆乳凝固物の濃度や温度を平均化したりしてから、成型工程に供給することができる。
また、本発明は、温豆乳に凝固剤を加えた豆乳凝固物とゆの混ざった固液混合物の全量を、前記引き出し部に供給してゆ切りして、濃厚な豆乳凝固物として、このゆ切りした濃厚な豆乳凝固物を分配供給手段によって前記下方側コンベア上に供給することを特徴とする。
本発明によれば、濃厚な豆乳凝固物として製造して、この製造した濃厚な豆乳凝固物の全量を前記下方側コンベア上に均一に分配供給することで、圧搾・成型工程の圧密が早くなり、圧搾・成型装置の機長を短くできる上に、さほど凝固剤量を増やさなくてもよくなり、大豆の甘味や旨味を保持した固液混合物の凝固状態に抑えることができるようになる。また小さな豆乳凝固物も捕捉でき、また、ゆっくりとゆ切りすることもできてコンベアの保温性も高められる。
本発明としては、前記固液供給装置の排出側或いは受け入れ側に固液混合物の凝固・熟成した固液混合物を粗く壊す粗壊装置を備えるか、又は、前記分配供給装置の前記貯留タンク内の豆乳凝固物を均一に攪拌する攪拌機を備えることが好ましい。前記固液供給装置が容器を使用する場合は、粗壊装置は、受け入れ側の上方側か、又は、その下方側から取り出す場合は、その排出側に粗壊装置が設けられている。前記固液供給装置が配管から定量ポンプで供給される場合は、粗壊装置は、その管の経路に設けられている。
本発明によれば、固液混合物を予めおぼろ状ないしは塊状ないしは、絹ごし豆腐状ないしはブロック状に凝固し(第1次凝固)、製品に応じた適度な粒度に粗く壊して十分にゆ(ホエー)を離水させてから2次凝固、すなわち圧搾・成型することができる。すなわち、布上で壊す方法もあるが、布面近傍が壊せないこと、布面に食い込む等の弊害が生じること、壊してゆ(ホエー)が離水するまでに時間を要し、十分自然脱水されないまま圧搾工程に移ると(後述するように、下方側コンベアと上方側コンベアで挟持されるようになり圧搾していくと)、豆腐の圧搾が不均等ないしは不十分になりやすい。従来であれば、機長(特に自然脱水部)を長くしたり、搬送速度を落とすことによって自然脱水工程を長くする場合もあった。しかし、本発明によれば、自然脱水工程を延長させることなく、省スペースを可能にし、豆腐や油揚生地の圧搾(水切り)の際の温度低下を押さえることができ、均一な組織で結着がよい、高品質の豆腐・油揚生地を得ることができる。また、バッチ式凝固機から供給される豆乳凝固物を供給する際に、豆乳凝固物の濃度や粒子の変動を少なくでき、品質を一層に安定化させることができる。
本発明によれば、従来装置の豆腐類の連続成型凝固機の多孔板で構成される上方側コンベア又は下方側コンベアや、これらから引き出した引き出し部や、これらのコンベア上の無端状の濾過布に、固液供給装置を用いて固液混合物のホエー(ゆ)を分離せず、冷めにくい固液混合物をそのまま細かく崩さずに供給した後、豆乳凝固物を貯蔵タンクに貯蔵してから下方側コンベア上に供給し、上方側コンベア又は下方側コンベアの間で2次凝固(圧搾・成型)することによって、結着のよい高品質の豆腐・油揚生地を製造することが可能になる。また、豆腐の布付きを抑え、排液とともにロスする豆乳凝固物を減らし製品収率が上がると共に、排水負荷を軽減する効果がある。
本発明によれば、下方側コンベア又は上方側コンベアを所定方向に引き出した引き出し部を設けられているので、従来のように、搬送成型用のコンベアベルトとは別に水取り装置を設けることなく、豆乳凝固物から凝固物とゆ(ホエー)とを分離して、豆乳凝固物の温度が下がったり、目詰まりしたり、非衛生的になることが防止される。すなわち、従来、布目に入ったり、再付着したり、スクレーパで掻き取れなかった凝固物は、付属する洗浄装置で水洗いされ排水されていたが、本発明によれば、布目に凝固物が残っていても、その後の上下コンベアのプレス工程で生地として結着するので、水洗いの必要はない。ゆ切りにより通水工程が繰り返し行われるので、長時間の稼動でも「ゆ」取りベルトは目詰まりすることがなくなる。また、従来の濾過装置を介することで不衛生な状態とならず、装置としては衛生的かつ省スペースで廉価になる。
本発明の第1の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の凝固から脱水・成型装置を示す、(a)が側面図であり、(b)がその拡大図であり、(c)が他の例の側面拡大図である。 上記第1の実施の形態であって、分配供給装置が他の例である豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第1の実施の形態であって、分配供給装置が他の例である別の形態の例を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第1の実施の形態であって、分配供給装置の注入口の例を示す図であり、(a)〜(e)がその側面図である。 上記第1の実施の形態の粗壊装置を説明する図であり、(a)と(b)は粗壊装置の取り付け位置を変更した図である。 上記第1の実施の形態の粗壊装置の種類を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す側面図である。 本発明の製造工程を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す側面図である。 上記第2の実施の形態の粗壊装置を説明する図である。 上記第1と第2の実施の形態の下方側コンベアの断面を説明する断面図である。 上記第1と第2の実施の形態の下方側コンベアの他の例を説明する断面図である。 上記第1の実施の形態の他の例を説明する断面図である。 上記第1の実施の形態の均し装置の例を説明する断面図である。 上記第1の実施の形態の他の例を説明する断面図である。 従来の水取りベルトを説明する図である。 本発明の第4の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す側面図である。 本発明の第5の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す側面図である。 上記第5の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第5の実施の形態の他の例を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第5の実施の形態の他の例を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第5の実施の形態の粗壊手段を説明する図であり、(a)と(b)は粗壊手段の取り付け位置を変更した図である。 上記第5の実施の形態の粗壊手段の種類を説明する図である。 本発明の第6の実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置を示す側面図である。 上記第6の実施の形態の他の例を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第6の実施の形態の他の例を示す図であり、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図であり、(c)がその側面図である。 上記第2の実施の形態の粗壊手段を説明する図であり、(a)と(b)は粗壊手段の取り付け位置を変更した図である。 上記第5と第6の実施の形態の下方側コンベアの他の例を説明する断面図である。 上記第5と第6の実施の形態の下方側コンベアの他の例を説明する断面図である。
以下、本発明を適用した豆腐・油揚げ生地の脱水・成型方法と豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、基台の長手方向に沿うように同調して駆動する無端状の下方側コンベアC1と無端状の上方側コンベアC2と、下方側コンベアC1と同調して外周を駆動する濾布R1と上方側C2と同調して駆動する濾布R2とを備える連続成型装置Z1と、この連続成型装置Z1に1次凝固した固液混合物Kを供給するための供給工程S1とから構成されている(図1(a)(b))。図1(a)の装置Z1は、供給工程S1の第1の貯留タンクT1から固液供給装置7である定量ポンプから1次凝固した固液混合物Kが上方側コンベアC2の引き出し部Chにある引き出された濾布R2上に供給され、濾布R2上でゆ切りされた豆乳凝固物を第2の貯留タンクT2に受けて分配供給装置T2hで下方側コンベアC1上の濾布上に均一に豆乳凝固物を分配して、下方側コンベアC1と同調して外周を駆動する濾布R1と上方側C2と同調して駆動する濾布R2の間で2次凝固、すなわち圧搾・成型する。図13(a)の装置Z2は、第1の実施の形態の他の例を示すもので、固液供給装置7である定量ポンプを使用せずに、固液混合物Kの容器9からスロープCdsを介して上方側コンベアC2の引き出し部Chに供給されるかの違いがある。また豆乳凝固物がほぼ均等に分配供給された下方側コンベア上で、粗壊装置18および均し装置19を設けることによって、さらに豆乳凝固物を均一で細かい凝固物にして製品品質を平均化し、見栄えをよくすることができる。図14に示したように従来でも粗壊装置18および均し装置19を設けられていたが、豆乳凝固物の温度が冷めた状態のため、その効果は十分ではなかった。図1(b)は、図1(a)の上方側コンベアC2側の濾布2の引き出し部Chを拡大して示す図である。図13(b)は、図13(a)の上方側コンベアC2側の濾布2の引き出し部Chを拡大して示す図である。また、第1の実施の形態の他の例としては、図15に示すように、前記上方側コンベアC2の引き出し部Chが第1の斜面部Ch1のみで構成することも可能である。図15に示す例では、濾過布R2の引き出しを短くして、引き出し部Chの構成を簡略化している。また図16(a)に示す例では、周回する上下の無端状濾布ベルトと、その支持する部材は固定された構成を示しており、上側の固定部材は加圧手段または昇降手段を兼ね備え、簡素化した形態である。図16(b)に示す例では周回する上下の無端状多孔性スチールベルト(ないしは無端状多孔性樹脂ベルト)からなる構成を示した形態で引き出し部Chが上部に形成された例である。同様に上側の固定部材は加圧手段または昇降手段を兼ね備え、簡素化した形態である。上下の固定部材はともに、多孔や凹型溝など通水性があって、摺動性をよくし、摩擦を少なくした形状や材質からなるのが好ましい。
連続成型装置Z1(図1(a))は、固液混合物Kが供給されて凝固成型される下方側コンベアC1と、この下方側コンベアC1の上方に配される上方側コンベアC2と貯留タンクT1,T2等と分配供給装置T2hを備え、この上方側コンベアC2は、下方側コンベアC1の長さよりもコンベアの長さが短く、これにより上下のコンベアの前方側(上流側)に所定の領域が形成され、ここから固液混合物が供給される。
第1の貯留タンクT1には、温豆乳に凝固剤を加え製造した固液混合物Kが貯留されており、この貯留タンクT1の固液混合物Kを、固液供給装置7を介して豆腐類の自動成型装置(連続成型装置)Z1の濾布R2(ないしは濾布R1)に供給して、ゆ切りを行う。第2の貯留タンクT2にはゆ切りされた固液混合物Kが貯留されて分配供給装置T2hによって豆腐類の自動成型装置(連続成型装置)Z1の下方側コンベア側の濾布R1上に均一に分配供給して、豆乳凝固物を自然脱水後、上方側コンベアC2と下方側コンベアC1と、上下の濾布R1,R2によって搬送されながら圧搾・脱水・成型を行う。
なお、豆腐Hの製造を例に説明するが、豆腐類、例えば厚揚げ、生揚げ、油揚げ、がんもどき、木綿豆腐、ソフト木綿豆腐等の製造についても本発明は適用可能である。
連続成型装置Z1(図1(a))の下方側コンベアC1は、前方の従動ローラ2Aと後方の駆動ローラ2Bとに巻き回される無端状コンベアであり、駆動手段を介して一方の駆動ローラ2Bを回転駆動させると、図1の矢印方向に搬送される。上方側コンベアC2は、前方の従動ローラ3Aと後方の駆動ローラ3Bとに巻き回される無端状コンベアであり、駆動手段を介して一方の駆動ローラ2Bを回転駆動させると、図1の矢印方向に搬送される。この上方側コンベアC2には、所定方向に引き出される引き出し部Chが設けられている。
上方側コンベアC2と下方側コンベアC1は、鋼鉄製又はステンレス製またはチタンなどの金属製又は樹脂製の剛性のあるプレート板ないしは角材がチェーン上に所定間隔をおいて配されるプレートコンベアであり、キャタピラ式コンベアと呼ばれることもある。なお、プレート板には通水できる多孔や凹凸(濾布との隙間に流路が形成される形態)があってもよく、また各プレート板間の隙間からも通水できる。その通水量の調整は多孔の径やピッチ、凹凸のデザイン、プレート板の巾やピッチで決定される。
図9に示したように、下方側の無端状のコンベアC1の上流側において、プレート板の動作軌道から外側(上流側)にロール3c数本によって濾過布R1を延ばし、断面3角形〜多角形に構成してもよい。そのロール間で延長した濾布を支持するように多孔のパンチングメタルや、凹凸のあるプレートや、単に丸棒を複数本配置した支持具を備えて自然脱水を促進するように構成してもよい。
上方側コンベアC2と下部側のコンベアC1は、プレート板が所定間隔おいて配されているものが使用可能で、このプレートコンベアは、例えば、SUS304やSUS430のようなステンレス等の金属や、より保温性のあるポリプロピレン、フッ素樹脂などの合成樹脂からなるか、又はこれらを金属にコーティングした部材からなり、また、断面が凹状に構成されるものでも良く、その下面部は、上記素材で、凹状の両側の垂設部はシリコンゴムなど、柔軟な素材を使用して濾過布R1が傷みにくくしてもよい。プレートコンベア、又はそのプレートに多数の孔を有することやフッ素樹脂コーティングされていても良い。プレート板が、所定間隔をおいて配されている上記構成の下方側のコンベアC1又は上方側のコンベアC2により、上部側の無端状の濾過布R2又は下方側の無端状の濾過布R1が支持されており、型として豆乳凝固物を成型するとともに、下方側のコンベアC1又は上方側のコンベアC2の所定の隙間から上下の濾過布R2,R1を介して余分な水ないしは「ゆ」を排出させることができる。
上方側コンベアC2と下方側コンベアC1の濾過布R2,R1は、固液混合物Kを捕捉して、「ゆ」を脱水するためのものであり、無端ベルト(エンドレスベルト)として構成され、例えば、フッ素樹脂製モノフィラメント(線径0.1〜1.0mm)の平織りで、織り込む前に熱処理(防縮処理)を行ったものである。目開きは10〜300メッシュで、20〜80メッシュが好ましい。また豆腐・油揚げ生地類と接触する表面にカレンダー加工を施したものもあるが、豆腐・油揚げ生地類の連続成型装置の脱水・成型用濾布であれば、糸の材質、織り方、2次加工処理など特に限定しない。
なお、上記キャタピラコンベアのプレート板には、その断面が凹状の下面部C1aとその両側の左右の側壁部C1b,C1bとが設けられている構造とすることができる(図11)。この場合、濾過布R1は凹状の下面部C1aに沿って、凹状に構成される。
図1(b)に示すとおり、前記上方側のコンベアC2側の濾過布R2の引き出し部Chは、断面三角形状に構成され、豆乳凝固物の供給工程S1で製造された固液混合物であるゆ(ホエー)を有する固液混合物Kを濾過(圧搾と脱水)するものであり、下方側コンベアC1の豆乳凝固物の供給側に位置して配されている。この位置は、従来から空いたスペースで(本発明ではそのスペースを利用している。)、濾過布R2に対して1〜数本のローラ3cを配して、引き出し部Ch(Ch1、Ch2)を利用するものである。上記引き出し部Chは、従来の水取りベルトと同じような斜面部Ch1,Ch2が構成され、これによりゆ切りした豆乳凝固物を貯蔵タンクT2に貯蔵する。貯蔵タンクT2には、内部に攪拌機を備え、攪拌しながら下方から下方側コンベアC1の幅方向において均等に排出・供給する構造の分配供給装置T2hが設けられている。引き出し部Chには、第1の斜面部Ch1の下方には、ドレンパン3d1が配され、上方側コンベアC2側の濾過布R2の第1の引き出し部Ch1を下方側から凹状に囲むように配されている。また、上記引き出し部Chは、第2の斜面部Ch2も設けられてもよく、第2の斜面部Ch2の下方には、ドレンパン3d2が配され、上方側コンベアC2側の濾過布R2の第2の引き出し部Ch2を下方側から凹状に囲むように配されている。第1と第2の斜面部Ch1やCh2の下方には、ゆ切りしたゆを排液するための排水口3dが配されている。なお、本実施の形態で洗浄装置Ssが配されるが(図1(a)、図13(a))、この洗浄装置Ssは、主に装置Z1,Z2の生産中や洗浄時に使用(装置を使用した後に使用)され、上方側コンベアC2側の濾過布R2に残留する豆乳凝固物Kを洗い流して、濾過布R2の目詰まり防止のために使用される。なお、図示はしてないが、スクレーパ等の掻き取り手段が配されているものでも良い。なお、生産中は洗浄装置Ssを用いず、ないしは洗浄装置Ssを設けず、多少豆乳凝固物が付着した濾布をそのまま周回してもよい。付着して周回する豆乳凝固物を洗い流さず、2次凝固して製品に移行でき、豆乳凝固物のロスを押さえるとともに、温まり、ゆに馴染んだ状態の濾布が成型工程に使用されるため、豆腐の結着もよくなり、排水負荷も減るので、好ましい。
特に上記上方側コンベアC2側の濾過布R2の第1の引き出し部Ch1は、前記ゆ切りした固液混合物Kを貯蔵タンクT2および分配供給装置T2hに送るためのものであり、ドレンパン3d1は上方側コンベアC2の濾過布R2の第1の引き出し部Ch1を下方側から凹状に囲むように配されている。貯蔵タンクT2に送られたゆ切りされた固液混合物Kは、分配供給装置T2hから下方側コンベアC1側の濾過布R1上に幅方向かつ前後方向に均等に供給される。
上方側コンベアC2側の濾過布R2は、図1(b)に示すように、前記断面が三角形状の引き出し部Chに沿って配されている。すなわち、濾過布R2が引き出されるためのローラ3cが設けられ、このローラ3cの位置で濾過布R2は反転する構造であり、この引き出し部Chの濾過布R2の下方には、パンチングメタルが配されていることが好ましい。ローラ3cは、1本(図15、図16)ないしは2本以上を配設して、断面が三角形状ないしは多角形状に構成されてもよい。
なお、図12に示すように、下方側コンベアC1の左右に左右の壁C1dと一対の側方側コンベアC1cを配するようにしても良い。一対の側方側コンベアC1cは、下方側コンベアC1の全長に渡って配される必要はなく、前記延長部C1eの部分だけで良い。
図11に示すように、上記左右の側壁部C1b,C1bも布は配されているが、濾過布ではなく、前記固液混合物Kのゆ切り機能を有しない素材とされている。これは、下方側濾布からのみの離水を促した方が豆腐・生地の品質(水切れ具合)は均等になるからである。
下方側コンベアC1側の濾過布R1の上には仕切板(堰)5A,5Bが配されている。下方側コンベアC1の上流側の仕切板5A(固定式後方壁に相当する)は、濾過布R1上においてゆ切りされた豆乳凝固物の戻りを堰き止めるもので、図示しないアームにより上方から固定されている(図2)。下方側コンベアC1の上流側の後方壁である仕切板(堰)5Aは、単に板状でもよく、図のような断面R状(円弧形状)の凝固物注入シュート機能を兼ね備える形態でもよい。下方側コンベアC1の下流側の仕切板5B(柔軟な着脱式前方壁;図示なし)は、生産開始時に使用するもので、濾過布R1の搬送と共に搬送されるもので、濾過布R1上に単に置かれている(図1)。図示しないが、その柔軟な着脱式前方壁は生産の最後にも、後方壁としても使用する。
連続成型装置Z1の前方側(前工程)には、前記分配供給装置T2hの別の形態として、固液混合物Kを貯留する貯留タンクT1が配され、この貯留タンクT1から固液供給装置(定量ポンプ)7を介して連続成型装置1の上方側コンベアC2側の濾過布R2上に供給される。固液混合物Kは、豆乳にニガリ等の凝固剤を添加し、これを攪拌することで製造される。なお、図2から図10では、下方側コンベアC1の延長部C1eでも自然濾過が行われる例を示しており、ここでは前記貯蔵タンクT2からの固液供給装置(定量ポンプ)17を介して上記下方側コンベアC1の延長部C1eにゆ切りした豆乳凝固物が供給される。固液供給装置(定量ポンプ)7,17は、容積式定量ポンプが使用されている。容積式定量ポンプは、ロータリーポンプ、チュービングポンプ(ホースポンプ)、サインポンプなど、粗い固形物をも傷めずに供給できるポンプが好ましい。また、モーノポンプ、スクリューポンプ、スクリューコンベア(パイプ状、トラフ状)、パイプコンベアも利用できる。構造上、剪断力が発生しにくいポンプが望ましく、低脈動で定量性があって、吸い込み側口径や吐出側口径ともに大口径(1インチ以上、好ましくは1.5〜5インチ)であって、凝固物を細かく砕きすぎないように回転数も可能な限り小さくして供給できる大型定量ポンプが好ましい。その他の固液供給装置7としては、ホエーと固液混合物Kを含む流体を均一に壊さずに安定して送液できる供給手段(ポンプないしはコンベア)であれば特に限定しない。ただし、密閉性のある形態である方が衛生的であり、自動洗浄も行いやすいので、好ましい。遠心ポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、プランジャーポンプなど定量性に欠くもの、剪断力が大きく固液混合物を細かく砕いてしまうもの、チャッキ弁や滞留部等を有して固形物供給に不向きなものは好ましくない。図3に示すように、連続成型装置1に注ぐ出口は複数に分岐してもよい。また、容積式定量ポンプ7も複数台設けてもよい。またその容積式定量ポンプ7の流量は、流量計を備えてPID制御も行ってもよい。連続成型装置Z1と連動するよう自動制御されてもよい。
前記固液分配供給手段17の先端のノズル17aは、図4(a)(c)に示すような真っ直ぐなものでも、図4(b)(d)に示すような仕切板5Aに向かって屈曲するものでも良い。また、図4(e)に示すように、ノズル17aからのゆ切りした豆乳凝固物が一旦貯留される容器17bに入れられてから、この容器17bから溢れるようにして濾過布R2上に供給されるものでも良い。
第2の貯留タンクT2は、ゆ切りした豆乳凝固物を貯蔵するタンクであり、下方に排出口が設けられて、下方側コンベアC1に豆乳凝固物を供給する。第2の貯留タンクT2の下方には、分配供給装置T2hが内蔵されているが、この貯蔵タンクT2に攪拌手段を備えて、豆乳凝固物を粗壊したり、均等に攪拌してムラがないよう調整をしたり、豆乳凝固物の濃度や温度を平均化したりしてから、成型工程2Cに供給することができるようになっている。
前記分配供給装置T2hないしは固液供給装置17から供給される固液混合物Kを粗く壊す粗壊装置8や均し装置19が設けられている(図13(a)参照)。また、前記固液供給装置17から供給される固液混合物Kを粗く壊し粗壊装置8を設けても良い。
粗壊装置8としては、金網や格子状の容器や、筒状体に金網を設けるタイプ8a(図6(a))、スクリューや羽を設けるタイプ8b(図6(b))、多数の孔を有する板を設けるタイプ8c(図6(c))や、モータMによりスクリュー形状のものが回転するタイプ8d(図6(d))、くし歯型のものが回転するタイプ8e(図6(e))、泡立て器型のものが回転するタイプ8f(図6(f))、のこぎり型のものが回転するタイプ8g(図6(g))や、上下動するスクリュー型やくし歯型のもの(図6(h))等が使用可能である。これらの粗壊装置8を使用することで、これをゆ切りした豆乳凝固物は比較的均一なブロックの豆腐Hになり、後工程での自然脱水工程や圧搾プレス工程におけるゆ(ホエー)の離水速度や豆腐・油揚生地の厚さを平均化させ、水分を均等にする効果がある。均し装置19としては、例えば図14に示すように、シリンダー19cにより平板を上下動させる構造で、下方側コンベアC1と一対の側方側コンベアC1cで形成される凹状の搬送路に丁度収まるように動作する形態の均し装置であれば使用可能である。
次に、本実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置Z1を使用して豆腐類を製造する場合を説明する。
図8は、本実施の形態の豆腐・油揚げ生地(豆腐類)の脱水・成型工程を説明するフローチャートである。1次凝固工程G1は従来から豆乳に凝固剤を加えて固める凝集工程になり、豆乳が薄い場合、凝固条件が強い場合(凝固剤が多い、凝固温度が高い等の場合)、凝固後半で凝固物を壊した場合等では、その過程で離水(ゆ)が分離して、凝固物(豆乳凝固物)とゆが混在する状態になるが、これを固液混合物とも呼ぶ。2次凝固工程G2は一般には圧搾・成型工程2Cと言われ、その凝固物を崩し、型入れして成型する工程での二次凝固、すなわち凝固物同士の結着する現象が起きる工程をいい(固形物を受けて、ゆを濾過する)、これによりブロック状ないしはシート状の豆腐類H(木綿豆腐や油揚生地)が成型される。
1次凝固工程G1では凝固した凝固物とゆを有する固液混合物Kを製造し、貯留タンクT1の固液混合物Kのゆ(ホエー)を分離することなく固液供給装置7を用いて上方側コンベアC2の引き出し部Chの第1の傾斜部Ch1の濾過布R2上に定量的に供給すると、上記濾過布R2により豆乳凝固物の重量のみによる自然脱水が行なわれる(図1(a)(b))。すなわち、前記1次凝固工程G1での豆乳凝固物とゆを有する固液混合物Kからゆ(ホエー)を分離する。ゆ切りした豆乳凝固物は、貯留タンクT2に送られて貯蔵され、貯留タンクT2の下方の分配供給装置T2hから排出される。ゆ(ホエー)は、ドレンパン3d1を介して集められ排出口3dから排出される。本実施の形態の形態では、無端状の上方側コンベアC2側の濾過布R1を所定方向に引き出して使用するので、従来の水取りベルトと比較して、20倍以上の濾過布面積となり、目詰まりの心配がない。
次で、貯留タンクT2に集められた豆乳凝固物を下方側コンベアC1側の濾過布R1上に定量的に均等に分配・供給すると、下方側コンベアC1により所定距離搬送され、上方側コンベアC2が配される位置に到達して、上方側コンベアC2による上方からの加圧プレスが行なわれる。すなわち、連続成型装置Z1はその受入口から前進していく過程で、自然濾過が起こり(自然脱水が所定距離行なわれ)、次に上方側コンベアC2側の濾過布R2がかかり、上下の布に挟まれた状態で搬送されて行くことで、徐々に低圧から高圧までの圧搾を加えていき、ブロック形状又はシート形状の豆腐Hが製造される(図1(a))。このような固液混合物Kのゆ切りは、例えば、前記上方側コンベアC2でゆ切りして一旦貯蔵タンクT2で貯蔵してから、前記下方側コンベアC1で再度ゆ切りしたり、又、前記貯蔵タンクT2を介さずに、前記上方側コンベアでゆ切りしたものをそのまま前記下方側コンベアで再度ゆ切りしたりすることも可能である。また、固液混合物Kが入れられた貯蔵タンクT1を傾けて、上記引き出し部Chに全量供給しても良い。この場合、始めに固液混合物Kのうちのゆが引き出し部Chに供給されるので、上方側コンベアC2がゆで温められるので、その後の豆乳凝固物が供給されても結着や目詰まりが生じ難く、しかも豆乳凝固物を急に冷やされない効果がある。
ここで、本実施の形態では、温豆乳に凝固剤を加えて凝固させて得た固液混合物(第1の凝固工程G1)として製造して、この製造した固液混合物の全量を前記上方側コンベアC2側の濾過布2の引き出し部Chに供給することができるようになる。固液混合物Kを得るときの豆乳濃度は、一般に油揚では1〜7%brixであり、豆腐では6〜16%brixであることが好ましい。特に本発明では3〜15%brixの豆乳が好ましい。油揚生地、生揚げ生地、木綿豆腐等の場合、予め壊して十分にホエーを離水させてから圧搾成型することが望ましい。特に油揚生地は水分80%wt以下にまで圧搾する必要があり、そのため従来の製造方法では、凝固剤量を多くするなど、固液混合物Kを離水しやすい状態に調整することが普通であった。すなわち、木綿豆腐や厚揚げ生地の場合でも歩留りも低かった。
しかし、本実施の形態による全量投入により、ゆ切りした豆乳凝固物が冷めにくく、固液混合物Kもさほど凝固剤量を増やさなくてもよく、布付きも起こしにくくなり、大豆の甘味や旨味を保持した固液混合物Kの凝固状態に抑えることができて、風味があって結着よく弾力のある高品質の油揚製品や木綿豆腐製品に仕上げることが可能になった。
また、固液混合物Kの温度は例えば60℃以上であることが好ましいが、ホエー(ゆ)を予め除いてしまうと、連続成型装置Z1の布やその支持キャタピラ板など装置が冷えていたり、低い外気温や風の影響で装置が冷めていると、固液混合物Kの温度が60℃以下、最悪は40℃以下になり、その後の圧搾工程後でも結着が悪く、布付きを生じたりする。これに対して、本実施の形態では、豆乳凝固物のホエー(ゆ)を予め除いていないので、上記のように成型工程で60〜95℃の温度範囲を保持できて、急激に冷めることはない。
本実施の形態では、固液混合物(ホエーを含む崩れた粗い状態)を容積式定量ポンプ7で送液して、連続成型装置Z1の布上に直に注ぎ入れるものであるから、固液混合物Kの全量を盛り込む方法によって、室温が低かったり、装置が冷めていても固液混合物Kの温度低下を最小限に抑えることができ、装置の立ち上げから結着のよい弾力のある豆腐とすることができ、布付きなどロスの発生も抑えることができる。
また、事前のホエー除去の程度が大豆の品質変動や製造条件変動など影響で微妙に変化するが、圧搾圧力や時間など一定条件においては、得られる豆腐(生地)の高さを左右することもあるので、本発明によって安定した製品寸法も確保しやすくなる。なお、供給工程S1における固液混合物Kを凝固する工程G2(成型工程2C)は連続式が好ましいが、他にバッチ式に駆動する形態でもよい。
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の構成(上方側コンベアC2の引き出し部Chの構成)に加えて、更に、下方側コンベアC1は、連続成型装置1の前方側である固液供給装置7(17)が配される側では、延長部C1eを有して配されている(図7(a)(b)(c))。すなわち、濾過布Rが引き出されるためのローラ6が設けられ、このローラ6の位置で濾過布R1は反転する構造であり、この延長部C1eの濾過布R1の下方には、パンチングメタルPmが一応配されている。しかし、パンチングメタルPmはなくても良い。そして、この濾過布Rの延長部C1eの上流側に仕切板(堰;前記後方壁)5Aが配されている。また、固液供給装置7(17)であるノズル(ホース)7a(17a)が濾過布R1の幅方向に往復移動することで、固液混合物Kを全量均等に注ぐ形態になっている。なお、上記延長部C1eがなくても、上記上方側コンベアC2の引き出し部Chでゆ切りが行われるが、上記延長部C1eがあることで2回目のゆ切りが行われるようになっている構成である。
したがって、固液供給装置7(17)から供給される固液混合物Kは、濾過布R1の延長部C1e上に供給されると、その自重により自然濾過(脱水)される。特に、パンチングメタルがない場合は、濾過布Rのみの延長部C1eで十分に自然濾過(脱水)され、十分に濾過された状態で、下方側コンベアC1で所定距離搬送されると、上方側コンベアC2で加圧処理される。なお、下方側コンベアC1の左右の側方には、側方壁や側方コンベアがあっても良いが、上記濾過布R1のような濾過機能を有しないものが好ましい。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、下方側コンベアC1に引き出し部C2hが設けられている(図9)。すなわち、濾過布R2が引き出されるためのローラ3cが設けられ、このローラ3cの位置で濾過布R1が上方に持ち上げられるようにして、引き出し部C2hが設けられている。また、従来の水取りベルトと同じような斜面部Ch1が構成され、ゆ切りした豆乳凝固物を貯蔵タンクT2で貯蔵する。第1の斜面部Ch1の下方には、ドレンパン3diが配され、ゆ切りした水が排水タンクCdから排出される。また、上記容器9から固液混合物Kが供給されるスロープCdsが設けられている。
したがって、固液供給装置7から供給される固液混合物Kは、濾過布R1の引き出し部C2h上に供給されると、その自重により自然濾過(脱水)されて、貯蔵タンクT2に入れられ、この貯蔵タンクT2から下方側コンベアC1側の濾過布R1の上に成型用として分配供給される。濾過布R1は、成型工程に入る前に、引き出し部C2hで豆乳凝固物のゆ(ホエー)のゆ切りが行われるので、豆乳凝固物の温度が下がったり、豆腐の結着が悪く弾力性をなくしてしまう事態が防止できるとともに、ゆ(凝固剤を含む)で下方側コンベア又は上方側コンベアを濡らすことができるので、濾過布R1,R2に豆乳凝固物が付着する事態が防止できる。前記同様に、図示しないが、生産中は洗浄装置Ssを用いず、ないしは洗浄装置Ssを設けず、多少豆乳凝固物が付着した濾布をそのまま周回してもよく、豆乳凝固物のロスを押さえ、温まってゆに馴染んだ状態の濾布が成型工程に使用されるため、豆腐の結着もよくなり、豆腐の布付きも押さえられ、排水負荷も減るので、さらに好ましい。
この第3の実施の形態の下方側コンベアC1に引き出し部C2hへの豆乳凝固物の供給は、第1の実施の形態の上方側コンベアC2に引き出し部Chへの豆乳凝固物の供給と共に行っても良く、又、下方側コンベアC1のC1eでの自然濾過も行って良い。つまり本発明によって、コンベアによる自然濾過を2回、3回、段階的に行うことができ、濃厚な豆乳凝固物として製造できるとともに、各コンベアが冷えたまま成型工程に入ることをも防止でき、布付きを防止し、稼働中も装置をより衛生的に保持できる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、従来の装置を使用したもので、上記上方側コンベアC2に引き出し部が設けられておらず(図17)、上記上方側コンベアC2の上方側で、固液混合物Kを固液供給装置7により供給して、その通水性を利用してゆ切りする。また、上記平鉄19bを上下させる均し装置19が設けられている。なお、本実施の形態の図17では、濾過布R2も配されていない。
そして、上記上方側コンベアC2の上方側で、固液混合物Kを固液供給装置7により供給すると、ゆ切りされて、その自重により自然濾過(脱水)されて、貯蔵タンクT2に豆乳凝固物が入れられ、この貯蔵タンクT2から下方側コンベアC1側上に成型用として分配供給される。
本実施の形態では、従来の装置を使用できる利点を有するが、固液混合物Kを固液供給装置7により供給する位置を変更したり、傾斜させてゆ切りし易いように種々変更可能である。
(第5の実施の形態)
本実施の形態は、基台2の長手方向に沿うように駆動する下方側の無端状のコンベアC1と上方側の無端状のコンベアC2とを備える連続成型装置1と、この連続成型装置1に豆乳凝固物Kを供給するための貯留タンクTと固液供給手段7とから構成されている(図18(a)(b)、図2)。図18(b)は、図18(a)の装置を使用して豆腐類Hが製造される状態を示す図である。
貯留タンクTには、加熱処理した豆乳に凝固剤を加え製造した豆乳凝固物Kが貯留されており、この貯留タンクTの豆乳凝固物Kを、固液供給手段7を介して豆腐類の自動成型装置(連続成型装置)1に供給する。なお、豆腐Hの製造を例に説明するが、豆腐類、例えば厚揚げ、生揚げ、油揚げ、がんもどき、木綿豆腐、ソフト木綿豆腐等の製造についても本発明は適用可能である。
下方側の無端状のコンベアC1は、前方の駆動ローラ2Aと後方の従動ローラ2Bとに巻き回され、駆動手段を介して一方の回転ローラ2Bを回転駆動させると、図18の矢印方向に搬送される。なお、下部側の無端状のコンベアC1の左右には、側壁コンベアや側壁部は設けられていない。
下方側の無端状のコンベアC1は、プレート板が所定間隔をおいて配される鋼鉄製又はステンレス製またはチタンなどの金属製又は樹脂製の剛性のあるプレートコンベアであり、キャタピラと呼ばれることもある。なお、プレート板には通水できる多孔や凹凸がなくても、各プレート板間の隙間からも通水できる。その通水量の調整はプレート板の巾やピッチで決定される。また下方側の無端状のコンベアC1の上流側において、プレート板の動作軌道から外側(上流側)に濾過布Rを延ばし、その延長濾布を支持するように多孔のパンチングメタルや、凹凸のあるプレートや、単に丸棒を複数本配置した支持具を備えて自然脱水を促進するように構成してもよい。
下部側のコンベヤC1は、プレート板が所定間隔おいて配されているものが使用可能で、このプレートコンベヤは、例えば、SUS304やSUS430のようなステンレス等の金属や、より保温性のあるポリプロピレン、フッ素樹脂などの合成樹脂からなるか、また、凹状に構成されるものでも良く、その下面部は、上記素材で、凹状の両側の垂設部はシリコンゴムなど、柔軟な素材を使用して濾過布Rが傷みにくくしてもよい。プレートコンベヤ、又はそのプレートに多数の孔を有することやフッ素樹脂コーティングされていても良い。なお、コンベヤの移動は水平移動以外にも上り坂、下り坂のような斜め方向の移動や、垂直方向に昇降動するものでも良い。プレート板が、所定間隔をおいて配されている上記構成の下部側のコンベヤ又は上部側のコンベヤにより上部側の無端状の濾過布R又は下方側の無端状の濾過布Rの型崩れを防止するとともに、所定の隙間から上下の濾過布Rを介して余分な水を排出させることができる。また、例えば、上部側の無端状のコンベヤを基台に配される昇降手段により昇降動させる構造を採用した場合においては、濾過布Rを介して豆腐Hを加圧する際にその加圧力を一定にすることができる。なお、後述する上部側のコンベヤC2も同様である。
下方側コンベアC1には、濾過布Rが配されている。濾過布Rは、固液混合物Kを自然脱水するためのものであり、パンチングメタルで構成される下方側コンベアC1の上面を覆うように配されている。濾過布Rは、連続成型装置1の前方側である固液供給手段7が配される側では、延長部C1eを有して配されていることが好ましい(図24(a)(b)(c))。すなわち、濾過布Rが引き出されるための回転ローラ6が設けられ、この回転ローラ6の位置で濾過布Rは反転する構造であり、この延長部C1eの濾過布の下方には、パンチングメタルが配されていることが好ましい。
濾過布Rとしては、エンドレスベルトとして構成され、かつ、フッ素樹脂製モノフィラメントで平織りで、織り込む前に熱処理(防縮処理)を行ったものであり、豆腐・油揚げ生地類と接触する表面にカレンダー加工を施したものや、豆腐・油揚げ生地類脱水・成型装置の脱水・成型用濾布であって、該濾布はエンドレスベルトとして構成されたものであり、エンドレスベルトの縦方向のモノフィラメント糸がポリビニリデンフルオロライド(PVDF)、横方向のモノフィラメント糸が四フッ化エチレンパーフロロアルコキシ基共重合体(PFA)であり、豆腐・油揚げ生地類と接触する表面にカレンダー加工を施したものが好ましい。加えて、開孔率は15〜78%、前記フッ素樹脂製のモノフィラメント糸の線径は0.1〜3.0mmで最小曲げ半径は500mm以下であって、常温で水を滴下した場合の接触角が60度以上であることや、圧下率が40〜80%になるようなカレンダー加工を施したり、濾過布と豆腐・油揚げ生地類との剥離性の強度を表す最大応力が7.2gf/cm以下であることが好ましい。
濾布に使用する糸は樹脂製のモノフィラメント糸がよい。また、モノフィラメント糸は融液を押し出す場合の紡糸口金はどんな形状でも構わない。使用する糸は織り込む前に熱処理を行い、濾布にしたときの熱による収縮率が小さくなるようにし、濾布の目よりや変形を防止する。更に、織り密度や糸の線径、開孔率等の組み合わせにより、機械耐性や脱水効率等を調整し、カレンダー加工により折り重ねた部分の凹凸を平滑にして濾布の剥離性を向上し、目的の濾布が得られることがわかった。
使用する糸は好ましくはモノフィラメント糸である。モノフィラメント糸は粒子の捕捉性能がやや劣るが、洗浄による復元性や目詰まりが少なくケーク剥離性がよいことなどが挙げられ、豆腐Hや油揚生地製造には向いている。マルチフィラメント糸を使用した濾布では、粒子の捕捉性を備えているが、目詰まりや洗浄性が悪く、不衛生であるため、不向きである。紡績糸では濾過時の粒子捕捉性は優れているが、濾過面が毛羽立つため、ケーク剥離性が悪くなる。
また、木綿布と同様な跡をつけるために織り方は平織りとした。平織りは洗浄性に優れ、自然脱水に有効でもある。自然脱水は豆腐類の脱水・成型工程において製品の物性や平均化など、最終製品に対して重要な意味を持つ。また、高圧洗浄ノズルによる洗浄や連続式豆腐類成型装置1においては運転中の「目より」や蛇行を防止しなければならない。「目より」は連続式豆腐類成型装置1においては横糸方向で発生しやすいが、横糸の線径や織り密度等の組み合わせによって防止できる。
濾布に使用する糸の材質は吸水性が無く、濾布は乾燥しやすいことが、細菌の繁殖を防ぐ意味でも有効である。そこで吸水性のないフッ素系樹脂使用する事が好ましい。糸の材質は従来使用されていたポリエステルやポリプロピレン等、他の樹脂製濾布でもよいが、豆腐類との剥離性が悪く、不良品の発生率が高くなり、濾布に付着した豆腐類Hや汚れが落ちにくく、洗浄性も悪い場合もある。フッ素系樹脂はいずれの種類でもよいが、比較的剥離性がよく、なかでも四フッ化エチレンパーフロロアルコキシ基共重合体(PFA)が最も豆腐類Hの剥離性がよく、次いでポリビニリデンフルオロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。しかし、PFAのみでは縦糸の強度が不足し、強度を持たせるために線径を太くすると開孔が小さくなるため濾過性能が低下する。縦糸にPVDFを用いることにより濾過性能を維持し、かつ濾布に強度を与えることができる。
濾布にカレンダー加工を施すことにより、濾布と豆腐・油揚げ生地類の接触面が平滑になり、豆乳凝固物の捕捉性が高まり、豆腐・油揚げ生地類の剥離性がよくなる。カレンダー加工は加圧した時に圧し固められたり圧し潰されたりする。その時、濾布の圧下率が線径の40〜80%であればよいが、61〜65%が好ましい。また、カレンダー加工はカレンダーロールの材質や、表面の形態、カレンダーロールの本数、速度、圧力、温度、加湿条件を調整して行う。
フッ素樹脂系の材質では、糸の段階で熱処理加工を施すことによって、濾布使用時の収縮や変形などを抑制することができる。濾布使用時の収縮率は連続式脱水・成型装置の場合で濾布装着後、前記装置縦方向で3%以内、横方向では2%以内、両者とも1%以内であることが好ましい。その他、高価ではあるが、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)もフッ素樹脂同様に好ましい材質の一つである。
下方側コンベアC1の上方には、上方側コンベアC2が配され、この上方側コンベアC2は、下方側コンベアC1の長さよりもコンベアの長さが短く、これにより上下のコンベアの前方側に所定の領域C1eが形成され、ここから固液混合物が供給される。上方側コンベアC2にも濾過布Rが配されている。
なお、上記プレート板Cには、その断面が凹状の下面部C1aとその両側の左右の側壁部C1b,C1bとが設けられている構造とすることができる(図28)。この場合、凹状の下面部C1aは、多数の穴を有するパンチングメタルで構成され、側壁部C1b,C1bは、孔のない樹脂製や金属製で構成する。上記左右の側壁部C1b,C1bも布は配されているが濾過布ではなく、前記固液混合物のゆ切り機能を有しない素材とされている。これは、下方側濾布からのみの離水を促した方が、豆腐・生地の品質(水切れ具合)は均等になるからである。また、図29に示すように、下方側コンベヤC1の左右に左右の壁C1dと側方側コンベアC1cを配するようにしても良い。側方側コンベアC1cは、下方側コンベヤC1の全長に渡って配される必要はなく、前記延長部C1eの部分だけで良い。
濾過布Rの上には仕切板(堰)5A,5Bが配されている。下方側コンベアC1の上流側の仕切板5A(固定式後方壁に相当する)は、濾過布R上において固液混合物Kの戻りを堰き止めるもので、図示しないアームにより上方から固定されている(図19)。下方側コンベアC1の上流側の後方壁である仕切板(堰)5Aは図のような断面R状(円弧形状)の凝固物注入シュート機能を兼ね備える。下方側コンベアC1の下流側の仕切板5B(柔軟な前記着脱式前方壁)は、濾過布Rの搬送と共に搬送されるもので、濾過布R上に単に置かれている(図18)。図示はしないが、柔軟な着脱式後方壁も最終製品の最後に使用する。
連続成型装置1の前方側には、豆乳凝固物Kを貯留する貯留タンクTが配され、この貯留タンクTから固液供給手段7を介して連続成型装置1の濾過布R上に供給される。豆乳凝固物Kは、豆乳にニガリ等の凝固剤を添加し、これを攪拌することで製造される。固液供給手段7は、貯留タンクTに貯留された豆乳凝固物Kを供給するものであり、本実施の形態では容積式定量ポンプが使用されている。容積式定量ポンプは、ロータリーポンプ、チュービングポンプ(ホースポンプ)、サインポンプ、カスケードポンプなど、粗い固形物をも傷めずに供給できるポンプが好ましい。また、モーノポンプ、スクリューポンプ、スクリューコンベア(パイプ状、トラフ状)、パイプコンベアも利用できる。構造上、剪断力が発生しにくいポンプが望ましく、低脈動で定量性があって、吸い込み側口径や吐出側口径ともに大口径(1インチ以上、好ましくは1.5〜5インチ)であって、凝固物を細かく砕きすぎないように回転数も可能な限り小さくして供給できる大型ポンプが好ましい。その他の固液供給手段7としては、ホエーと固液混合物Kを含む流体を均一に壊さずに安定して送液できる供給手段(ポンプないしはコンベア)であれば特に限定しない。ただし、密閉性のある形態である方が衛生的であり、自動洗浄も行いやすいので、好ましい。遠心ポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、プランジャーポンプなど定量性に欠くもの、剪断力が大きく固液混合物を細かく砕いてしまうもの、チャッキ弁や滞留部等を有して固形物供給に不向きなものは好ましくない。連続成型装置1に注ぐ出口は複数に分岐してもよい。また、容積式定量ポンプ7も複数台設けてもよい。またその容積式定量ポンプ7の流量は、流量計を備えてPID制御も行ってもよい。連続成型装置1と連動するよう自動制御されてもよい。
固液供給手段7の先端のノズル7aは、図21(a)(c)に示すような真っ直ぐなものでも、図21(b)(d)に示すような仕切板5Aに向かって屈曲するものでも良い。また、図21(e)に示すように、ノズル7aからの固液混合物Kが一旦貯留される容器7bに入れられてから、この容器7bから溢れるようにして濾過布R上に供給されるものでも良い。
ここで、固液供給手段7から供給される固液混合物Kを粗く壊し粗壊手段8を設けることが好ましい。粗壊手段8は、金網や格子状の容器や、筒状体に金網を設けるタイプ8x(図23(a))、スクリューや羽を設けるタイプ8y(図23(b))、多数の孔を有する板を設けるタイプ8yが使用可能である(図23(c))。また、粗壊手段8は、貯留タンクTに貯留される際に粗く壊すものであっても良い(図18(a)(b))。これらの粗壊手段8によって固液混合物Kは比較的均一なブロックになり、後工程での自然脱水工程や圧搾プレス工程におけるホエーの離水速度を安定させる効果がある。
したがって、本実施の形態の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置1を使用して豆腐を製造する場合は、貯留タンクTの固液混合物Kのホエーを分離することなく全量を固液供給手段7を用いて無端ベルト状濾布を備えた下方側コンベアC1の上の濾過布R上に定量的に供給する。固液供給手段7が配される領域では、上方側コンベアC2が存在しないので、上記濾過布Rにより固液混合物Kの重量のみによる自然脱水が行なわれる。そして下方側コンベアC1により所定距離搬送されると、上方側コンベアC2が配される位置に到達して、上方側コンベアC2による上方からの加圧プレスが行なわれる。すなわち、連続成型装置1はその受入口から前進していく過程で、自然濾過が起こり(自然脱水が所定距離行なわれ)、次に上方側コンベアC2の上布がかかり、上下の布に挟まれた状態で搬送されて行くことで、徐々に低圧から高圧までの圧搾を加えていき、所定形状(ブロック形状)の豆腐が製造される。
ここで、固液混合物Kを得るときの豆乳濃度は、油揚では2〜7%brixであり、豆腐では6〜16%brixであることが好ましい。そして、油揚生地、生揚げ生地、木綿豆腐等の場合、予め壊して十分にホエーを離水させてから圧搾成型することが望ましい。特に油揚生地は水分80%wt以下にまで圧搾する必要があり、そのため従来は凝固剤量を多くするなど、固液混合物を離水しやすい状態に調整することが普通であった。すなわち、木綿豆腐や厚揚げ生地の場合でも歩留りも低かった。
しかし、本実施の形態によって、さほど凝固剤量を増やさなくてもよく、大豆の甘味や旨味を保持した固液混合物Kの凝固状態に抑えることができて、風味があって弾力のある高品質の油揚製品や木綿豆腐製品に仕上げることが可能になった。
また、固液混合物Kの温度は例えば60℃以上であることが好ましいが、ホエー(ゆ)を予め除いてしまうと、連続成型装置1の布やその支持キャタピラ板など装置が冷えていたり、低い外気温や風の影響で装置が冷めていると、固液混合物Kの温度が60℃以下、最悪は40℃以下になり、その後の圧搾工程後でも結着が悪く、布付きを生じたりする。これに対して、本実施の形態では、豆乳凝固物のホエー(ゆ)を予め除いていないので、上記のように成型工程で60〜95℃の温度範囲を保持できて、急激に冷めることはない。
本発明では、固液混合物の容積式定量ポンプと連続成型装置受入口の間に、従来の離水(「しみず」「ゆ」「ホエー」ともいう)を除く濾過手段を備えていない。固液混合物(ホエーを含む崩れた粗いブロック状態)を容積式定量ポンプ7で送液して、連続成型装置1の布上に直に注ぎ入れるものであるから、固液混合物の全量を盛り込む方法によって、室温が低かったり、装置が冷めていても固液混合物Kの温度低下を最小限に抑えることができ、装置の立ち上げから結着のよい弾力のある豆腐とすることができ、布付きなどロスの発生も抑えることができる。
また、事前のホエー除去の程度が大豆の品質変動や製造条件変動など影響で微妙に変化するが、圧搾圧力や時間など一定条件においては、得られる豆腐(生地)の高さを左右することもあるので、全量盛り込みによって安定した製品寸法も確保しやすくなる。
(第6の実施の形態)
本実施の形態は、下方側コンベアC1と上方側コンベアC2とを備えるが、下方側コンベアC1は、連続成型装置1の前方側である固液供給手段7が配される側では、延長部C1eを有して配されている(図24(a)(b)(c))。すなわち、濾過布Rが引き出されるためのスプロケット6が設けられ、このスプロケット6の位置で濾過布Rは反転する構造であり、この延長部C1eの濾過布Rの下方には、パンチングメタルPmが一応配されている。しかし、パンチングメタルPmはなくても良い。そして、この濾過布Rの延長部C1eの上方に仕切板(堰;前記後方壁)5Aが配されている。また、固液供給手段7であるノズル(ホース)7aが濾過布Rの幅方向に往復移動することで、豆乳凝固物Kを全量均等に注ぐ形態になっている。
したがって、固液供給手段7から供給される固液混合物Kは、濾過布Rの延長部C1e上に供給されると、その自重により自然濾過(脱水)される。特に、パンチングメタルがない場合は、濾過布Rのみの延長部C1eで十分に自然濾過(脱水)され、十分に濾過された状態で、下方側コンベアC1で所定距離搬送されると、上方側コンベアC2で加圧処理される。なお、下方側コンベアC1の左右の側方には、側方壁や側方コンベアがあっても良いが、上記濾過布Rのような濾過機能を有しないものが好ましい。
ここで、粗壊手段8としては、図25(a)(b)に示すように、貯留タンクTに入れられて攪拌する攪拌機8Aであっても、図25(c)に示すように、内部に金網が配される筒状のパイプ8Bが供給ラインに配されて、貯留タンクTから容積式定量ポンプ7を介して連続成型機1に供給されるときに固液混合物Kを粗壊するものでも良い。また、貯留タンクTの撹拌装置を粗壊手段8と兼ねたり、定量ポンプ7自身に壊し機能8を設けるものでも良い。
また、固液混合物Kを凝固する工程は連続式の他にバッチ式でもよい。
連続式の場合の例としては、図26(c)に示すようなパイプ凝固やインライン凝固と呼ばれる配管G1した中を通過させることで凝固させる方式であっても良く、図26(a)(b)に示すようなベルト式凝固機G2,G3などによって凝固されるものでも良い。連続式では、供給される豆乳凝固物Kを適宜、粗壊手段8を設けて崩すとともに、貯留タンクTに受ける形が一つの形態になる。パイプ凝固機の場合も出口で、一旦、豆乳凝固物タンクに受ける形態と、もう一つは図26(c)に示すように、豆乳タンクに連結した豆乳送り定量ポンプと、凝固剤タンクに連結した凝固剤送り定量ポンプと、インライン型混合攪拌装置とを備えて連結した、豆乳に凝固剤を混合するシステムを用いて、得る凝固剤入り豆乳を連続的に送る配管出口7aを、直接、成型機の下方側コンベアに供給するか、一旦豆乳凝固物タンクTに受けて容積式定量ポンプ7でその下布上に豆乳凝固物Kを注いでいく形態でも良い。なお、定量ポンプ7配管上ないしは出口付近7aに、ミンチ機のような格子歯を設けるような形態も考えられる。スチールベルト式連続凝固機では、壊し装置8が1基で往復駆動するものや、それを前後複数台配設するものでも良い。
また、バッチ式の場合として、図27に示すような凝固バケット内で粗壊処理するなどして、一旦バランスタンクTに固液混合物を受けて、そのバランスタンクTに粗壊手段8Aを設けてもよい。なお、連続凝固機は、いわゆる舟形凝固機であっても良い。舟形凝固機の場合、舟形槽の途中で一旦底を迫り上がる形状として底を乗り越すことで壊す固定された機構もある。
バッチ式凝固機は、バケット凝固機等でバケットないしは型箱が簡潔移動で循環しており、豆乳計量、凝固攪拌、熟成、(壊し、)反転(盛り込み)と一連の動作を1バケット単位で処理する。バケット反転時、一旦、豆乳凝固物を豆乳凝固物タンクTに受ける形態も一つの形態になる。バッチ式の場合は熟成中のバケットで、丸棒を格子状にしたものや粗いパンチング板を上下往復したり、スクリュー羽根を回転させながら上下して壊す装置8を設けたりします。またバケット反転時に粗い金網上に落として砕く方法もある。
また、定量ポンプを介さずに、(適宜、乗り移り手段や壊し手段を設けて、)成型機の布上に盛り込む形態もある(例えば、高井製作所製スチールベルト式連続凝固機と連続成型機)。この形態では豆乳凝固物の底面(下布に接する部分)の壊しが不十分になりやすい(壊し装置で布を擦って布を傷める危険があるため)。これを一旦豆乳凝固物タンクに受けることで、全体に十分に壊しを入れることができ、均質な豆腐になりやすい。舟形凝固機も同様なことが言える。
(油揚の製造)
平成20年産米国産大豆6kgを一夜井戸水に浸漬後水切りして漬大豆13kgを得た。豆乳製造プラント(高井製作所製Σ3000;バッチ釜3連タイプ)と、豆乳絞り機(高井製作所製シリウス2連)を用いて、漬大豆13kgを連続計量(13kg/分)し、挽き水21L(18L/分)を加えながら磨砕して生呉を種箱に受けて、更に加水等で11Lを加えて、釜に送り、0.2MPaの水蒸気によって攪拌しながら加熱し、98℃3分30秒加熱後直ちに戻し水19Lを加え、絞り機に送ってオカラを分離して5%brix75℃豆乳約75Lを得た。これを1バッチとし、繰り返して、約30釜/1時間製造した。
次に舟形連続凝固機を使用して、5%brix75℃豆乳を2200L/時の流量で流し、それに凝固剤として5%塩化マグネシウム水溶液(約6%w/v)を110L/時の流量で同時に流し込み、自然対流で凝固させた。凝固直後から凝固物は綿状に凝集した状態になり、黄緑色の「ゆ」が分離した。約7分間の熟成後、舟形槽の中間付近に設けた迫り上がりで壊しを行い、更に3分間熟成後、黄緑色の「ゆ」と共に豆乳凝固物タンクへ流し込んだ。豆乳凝固物タンクにはゆっくり大きく攪拌できる攪拌羽根が配設されており、凝固物を細かく壊さないように「ゆ」と分離しないよう保持しておきながら、出入口口径2インチの大口径のロータリーポンプ(ナカキン製、0.75kw)17で低速回転(約60rpm)で定量的に、2310L/時の流量で、連続成型機(高井製作所製;大豆約3俵/時タイプ)Z1の上方側コンベアC2の引き出し部Chに固液混合物Kが約50〜60mmの厚みになるよう送り込んだ。引き出し部Chに固液混合物Kが均等になるようにした。自然脱水を約4分行った後、貯蔵タンクT2に集めてから排出させて、その後約20分間かけて上布・下布Rに挟まれて徐々に低圧(豆腐上にかかる荷重として0.002MPa)〜高圧プレス(同0.015MPa)を掛けて成型した。上布・下布ともにポリプロピレン製の扁平モノフィラメント糸(巾1.5mm×厚さ0.6mm)を用いた綾織りの無端ベルト状の濾布(空気通過度10,000ml/cm/分)を使用した。圧搾工程後、連続成型機出口から厚さ8mmのベルト状油揚生地(従来より)が得られた。次いで1辺約45mmの正方形状に切断して生地を、連続フライヤー(高井製作所製自動フライヤー;枠80mm角)に供給して、低温(100〜120℃;その後半は約30Hzで上下動する延ばし部を含む。)10分、高温(180〜190℃)10分フライして、寿司揚げ製品(80mm×80mm)を2万枚/時で生産した。通常寿司揚げ用のものは4%brixの豆乳を用いることが多いが、少し濃い5%brixの豆乳を用いても、従来よりも弾力のある油揚生地を製造することができて、これまでの製品よりもキメの細かく、皮に弾力があり丈夫で、油吸いの少ないという寿司油揚としてより好ましい方向で、品質向上を図ることができた。ほか、ゆの排水量が約2割削減できた。
(豆腐の製造)
平成20年産米国産大豆を一夜井戸水に浸漬後水切りして得た漬大豆を、連続豆乳製造プラント(高井製作所製ミラクルサンダー;連続釜3俵/時タイプ)と、豆乳絞り機(高井製作所製シリウス3連)を用いて、連続計量(6.6kg/分)し、挽き水10L/分を加えながら磨砕して生呉を種箱に受けて、その生呉をロータリーポンプを用いて16.6kg/分の流量で連続的に加熱部に送り、5段階ある蒸気供給部に0.5〜0.1MPaGの水蒸気を直接吹き込んで加熱した。約105℃6分間加熱後、前記絞り機に送ってオカラを分離して13.5%brix80℃豆乳を約750L/時の流量で得た。
次に、図1(a)(b)の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置(スチールベルト型の連続凝固機、連続成型機)Z1を使用して、前記13.5%brix80℃豆乳を720L/時の流量で流し、その豆乳配管に凝固剤として市販乳化苦汁凝固剤(花王製「マグネスファインTG」、36%塩化マグネシウム36.6%w/w)を6L/時の流量で注入し、直ちに乳化分散機(PRIMIX製パイプラインホモミクサー、5000rpm)を通過させて、直ちに、スチールベルト状に注入し、絹ごし状(プリン状)に凝固させた。約10分間の熟成後、出口に設けた粗壊装置8によって粗く壊した後、全量を豆乳凝固物を貯蔵する貯蔵タンク9(T1)へ落とし込んだ。貯蔵タンク9(T1)には撹拌装置を設けず、貯蔵タンク9(T1)内であまり多くの凝固物を貯留せず、先入れ先出しのようにして、出入口の口径3インチの大口径のロータリーポンプ(ナカキン製、0.75kw)7で吸い込み、低速回転(約40rpm)で定量的に、750L/時の流量で、連続成型機(高井製作所製;大豆約3俵/時タイプ;上下の布はPVDF製線径0.4mmφのモノフィラメント糸を用いた平織濾布Rで、空気通過量20,000ml/cm/分、40メッシュ)Z1の引き出し部Chに、凝固物高さが45〜55mm程になるよう送り込み、固液混合物Kが均等になるようにした。その後、平鉄を上下させる均し装置19によって均しを行い(図13(a)参照)、自然脱水約3分行った後、約15分間かけて上布・下布R1,R2に挟まれて徐々に低圧(豆腐上にかかる荷重として0.001MPa)〜高圧プレス(同0.005MPa)を掛けて成型した。連続成型機Z1の出口から厚さ40mmのベルト状の木綿豆腐Hが得られ、1辺約75×100mmの長方形に切断し、連続的に豆腐用パック(2B)に陸詰めし、包装機で密封シールしたのち、92℃50分間ボイルし、2℃チラー水で約90分間冷却して、芯温5℃以下まで冷却して、木綿豆腐の製品(300g)を約1800丁/時で生産した。従来のように、バケット式凝固機のバケット反転間隔にみられるような豆腐品質の変動もなく、また従来のベルト式連続凝固機の場合のように、豆乳凝固物の不均等な壊しが少なく、本実施例では豆腐の品質変動がなく、凝固剤を使いすぎず、弾力ある豆腐質になり、その切口の状態も均一に揃っていた。
その結果は、連続成型機Z1での搬送過程において、濾過装置を使用する従来装置のように急激な温度低下は生じず、従来装置で製造したベルト状木綿豆腐と比較して、風味があって弾力のある高品質の木綿豆腐製品に仕上げることができた。
以上、本実施の形態では、下方側コンベアC1と上方側コンベアC2に濾過布R1,R2が配される例で説明したが、下方側コンベアC1と上方側コンベアC2が通水性の素材で構成される場合にも適用可能である。そして、必ずしも引き出し部が必要ではなく、その通水性を利用してゆ切りしてから、ゆ切りに使用したコンベアを使用して、豆乳凝固物を圧搾して所定の大きさに成型するようにすれば、本発明に含まれる。
Z1,Z2 豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置(連続成型装置、連続凝固機)、
C1 下方側コンベア、
C2 上方側コンベア、
C1e 下方側コンベアの延長部
3d1,3d2,3di ドレンパン、
5A,5B 仕切板(堰)、5A 固定式後方壁、 5B 着脱式前方壁、
6,3c ローラ、
7,17 固液供給装置(定量ポンプ)、
8,8A,8B,8x,8y,8z 粗壊装置(壊し)、
9 容器、
19 均し装置、
H 豆腐類、
K 豆乳凝固物(固液混合物)、
Ch 引き出し部,Ch1 第1の斜面部,Ch2 第2の斜面部,
S1 供給工程、
T1,T2 貯留タンク、T2h 分配供給装置、
R,R1,R2 濾過布

Claims (2)

  1. 通水性の素材で構成される無端状の方側コンベアと、その上方に配される通水性の素材で構成される無端状の上方側コンベアとを備え、前記下方側コンベアの上流側に所定の領域が形成されるように引き出した引き出し部を設け、この引き出し部に、豆乳凝固物とゆからなる固液混合物を固液供給装置により前記引き出し部と前記下方側コンベアの固液混合物の供給側に供給して、その通水性を利用してゆ切りしてから、ゆ切りに使用した前記下方側コンベア及び上方側コンベアを使用して、前記下方側コンベアと上方側コンベアとの間で豆乳凝固物を圧搾して所定の大きさに成型することを特徴とす豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置。
  2. 前記上方側コンベアの外周上に濾過布が配され、この濾過布が無端状に構成され、この濾過布のみを所定方向に引き出した引き出し部を設け、前記固液混合物のゆ切り工程はこの濾過布を介して行われることを特徴とする請求項記載の豆腐・油揚げ生地の脱水・成型装置。
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