JP5282690B2 - 画素回路、固体撮像素子、およびカメラシステム - Google Patents
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Description
CMOSイメージャーは、各画素に入射した光を光電変換素子であるフォトダイオードで電子に変換し、それを一定期間蓄積した上で、その蓄積電荷量を反映した信号をデジタル化して外部に出力する。
転送トランジスタ2のゲート電極が転送線8に接続され、リセットトランジスタ3のゲート電極がリセット線9に接続されている。アンプトランジスタ4のゲート電極がFDノード7に接続され、選択トランジスタ5のゲート電極が行選択線10に接続されている。そして、選択トランジスタ5のソースが垂直信号線11に接続されている。
垂直信号線11には、定電流回路12、および感知回路13が接続されている。
画素アクセスはゲート制御線である転送線8、リセット線9、行選択線10の駆動により、行単位で一括して実施される。
各垂直信号線11に読み出されたアナログ信号は、感知回路13によってセンシングされ、AD変換されて出力される。
図2(A)〜(E)は、図1の画素回路のタイミングチャートを示す図である。
これによって、蓄積ノード6のポテンシャルは上昇し、そこに蓄積された電子の引き抜きが行われる。
近年主流のHAD(Hole-Accumulation Diode)構造においては、蓄積ノード6はp型層に挟まれたn型の埋め込み拡散層で形成されており、その電子は全て排出されて完全空乏状態となる。
その後、転送線8をローレベルにして、転送トランジスタ2をオフすることで、蓄積ノード6は浮遊状態となって、新たな電荷蓄積が開始される。電荷蓄積中はリセットトランジスタ3も通常オフにしておくが、オン状態を維持してもよい。
一般にこのような画素のリセット動作は、CMOSイメージセンサの電子シャッター動作として利用される。
ここでアンプトランジスタ4と定電流回路12に接続された垂直信号線11はソースフォロアー回路を形成しており、その入力であるFDノード7のポテンシャルVfと、出力である垂直信号線11の電位Vslは、変動比が1に近いリニアな関係となる。
すなわち定電流回路12の電流値をiとすると、理想的には次式が成立する。
i=(1/2)*β*(Vf−Vth−Vsl)2 //βは定数
すなわち、ソースファロアー回路はゲインが略1のアンプ回路として動作し、入力ノードであるFDノード7の電位Vfの変化に追随するように、垂直信号線11の電位Vslは変調される。
さらに、リセット線9をローレベルにしてリセットトランジスタ3をオフにすることで、FDノード7は浮遊状態となる。
ここにおいて、感知回路13によって、垂直信号線11の電位Vslの1回目の感知を行う。これはリセット信号の読み出しである。
この際、FDノード7のポテンシャルが十分深ければ、すなわち高電位であれば、蓄積ノード6に蓄積されていた電子は全てFDノード7に流出し、蓄積ノード6は完全空乏状態になる。
ここで転送線8をローレベルにして転送トランジスタ2をオフし、感知回路13によって、垂直信号線11の電位の2回目の感知を行う。これは蓄積信号の読み出しである。
CMOSイメージャーはこの差分をデジタル化し、画素の信号値として外部に出力する。各画素の電子蓄積時間は、上記リセット動作と読み出し動作との間の期間であり、正確には転送トランジスタ2がリセット後オフしてから、読み出しでオフするまでの期間T1である。
転送線8からのカップリングの影響は上昇と下降でほぼ相殺され、リセット線9からのカップリングの影響は、1回目の感知と2回目の感知で差分を取ることにより相殺される。
さらに、このアナログ信号はAD変換器によりデジタル信号に変換されてチップ外に出力される。
これは蓄積電子そのものがチップ出力用アンプ回路の直前までCCD転送により垂直、水平転送されていくCCD型イメージャーと著しい対照をなしている。
読み出し時、それらは転送トランジスタ2を介して、ソースフォロアー回路のアンプトランジスタ4の入力たるFDノード7に完全転送される。
転送時、FDノード7は浮遊状態となっており、グランド基板や他の電位固定された配線等に対する寄生容量14を有している。
蓄積電荷量をQ、寄生容量値をCfとすると、その電位変化量ΔVfは次のようになる。
ΔVf=Q/C
したがって、そのゲインをGとすると、ソースフォロアー回路の出力ノード15に発生する蓄積信号のS/N比は{G・ΔVf/Nr}である。
GやNrはアンプトランジスタ4のパラメータが決まればほぼ一定なので、ΔVfの大きさは撮像性能に直接的な影響を及ぼす。
図4(A)のステップST1において、フォトダイオード1の拡散ノードである蓄積ノード6は、一定数のドナーによる正電荷で、その完全空乏時にポテンシャルの底が1.5V程度になるように設計されている。ここに光電変換された電子が飽和状態(約0V)にまで満たされている。
一方、転送トランジスタ2のチャネル領域は、ゲート電極に与えられる電位、たとえば1V〜3Vに従って、そのポテンシャルがR1の範囲で変調される。
また、FDノード7にはリセットがかけられて、2.7Vの浮遊状態となっている。これは3Vでリセットされた後、リセットトランジスタをローレベルに戻した際に0.3Vのカップリングを受けた状態である。
図4(B)のステップST2において、転送トランジスタ2がオンすると、フォトダイオード1の拡散ノードである蓄積ノード6に蓄積されていた電子が残らず転送トランジスタ2のチャネル領域およびFDノード7に分配された状態で移動する。
図4(C)のステップST3において、転送トランジスタ2をオフするため、ゲート電極の上昇に伴ってチャネル領域のポテンシャルが上昇すると、そこに蓄積されていた電子がFDノード7に移動する。
図4(D)のステップST4において、転送トランジスタ2がオフ状態では、ステップST1でフォトダイオード1に蓄積されていた電子が全てFDノード7に移動した状態になる。
これによってソースフォロアーが垂直信号線11を駆動し、蓄積信号の読み出しが実施される。
逆に、このポテンシャル差M1が十分確保されていないと、FDノード7に蓄積された電子がフォトダイオード1に逆流し、フォトダイオード1の蓄積電子量が読み出し信号にリニアに反映されなくなる。
しかし、そのためにFDノード7のポテンシャルのダイナミックレンジが限定され、ΔVfを十分に上げることができず、S/N比を上げることができないという不利益がある。
たとえば図4では、ΔVfは(3.0V−1.5V)が限界であり、転送マージン分のポテンシャル差がさらに差し引かれる。
さらにフォトダイオード1の飽和蓄積電荷量Qsはその拡散層内のドナー数に対応するので、通常Qsを上げると完全空乏時のポテンシャルは深く(高電位に)なる。これはΔVfのレンジをさらに狭める方向となってしまう。
このような転送マージンの問題は、設計上の大きな制約となっていた。
ホン、スンクウォンらは画素内に予備のMOSトランジスタを接続させ、そこにチャネルを形成することで、電荷転送時に一時的に入力ノードであるFDノード7の寄生容量14を増加させる構成を提案している。
しかし、そのためには各画素に余分な素子を設け、余分な信号線を配置する必要があり、画素の開口率を低下させるという不利益がある。
または、上記出力変調度制御機能部は、上記出力変調度の低下制御時に、異なる画素に各々転送トランジスタを介して接続された複数のソースフォロアー回路の出力ノードを、互いにショートさせる。
または、上記出力変調度制御機能部は、上記出力変調度の低下制御時に、異なる画素に各々転送トランジスタを介して接続された複数のソースフォロアー回路の出力ノードを、互いにショートさせる。
または、上記出力変調度制御機能部は、上記出力変調度の低下制御時に、異なる画素に各々転送トランジスタを介して接続された複数のソースフォロアー回路の出力ノードを、互いにショートさせる。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(画素回路の第1の構成例)
2.第2の実施形態(画素回路の第2の構成例)
3.第3の実施形態(画素回路の第3の構成例)
4.第4の実施形態(画素回路の第4の構成例)
5.第5の実施形態(画素回路の第5の構成例)
6.第6の実施形態(カメラシステム)
本実施形態に係る画素回路110Aは、基本的に、光電変換素子、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、アンプトランジスタ、選択トランジスタ、蓄積ノード、およびFD(フローティングディフュージョン)を含んで構成される。
この画素回路110Aの具体的な構成については、後で詳述する。
転送線140(LTRG)、リセット線150(LRST)、および行選択線160(LSL)の各制御線はそれぞれM本ずつ設けられている。
これらの転送線140(LTRG)、リセット線150(LRST)、および行選択線160(LSL)は、行選択回路120により駆動される。
読み出し回路130は、CDS回路やADC(アナログデジタルコンバータ)を含む。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るCMOSイメージセンサの画素回路を示す図である。
単位画素回路PX111は、光電変換素子としてのフォトダイオード111、転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、アンプトランジスタ114、選択トランジスタ115、蓄積ノード116、およびFDノード117を有する。
なお、アンプトランジスタ114によりアンプ回路118が形成され、FDノード117によりアンプ回路118の入力ノードが形成される。
リセットトランジスタ113は、電源ラインLVDDとFDノード117との間に接続され、ゲート電極がリセット線150に接続されている。
FDノード117には、アンプトランジスタ114のゲートが接続されている。アンプトランジスタ114は、選択トランジスタ115を介して垂直信号線170に接続され、単位画素部外の定電流回路131とソースフォロアーを構成している。
選択トランジスタ115のゲート電極が行選択線160に接続されている。そして、選択トランジスタ115のソースが垂直信号線170に接続されている。
垂直信号線170には、定電流回路131、感知回路132、およびクランプ回路180が接続されている。
クランプ回路180は、転送トランジスタ112がオンした際に、ソースフォロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能を有する。
その電子が最終的には垂直信号線170への信号となって読み出される。
CMOSイメージャーではこのような画素がマトリクス状に配置されており、垂直信号線170は列方向の複数画素で、各トランジスタをオン/オフするゲート制御線である転送線140、リセット線150、行選択線160は行方向の複数画素で共有されている。
画素アクセスはゲート制御線である転送線140、リセット線150、行選択線160の駆動により、行単位で一括して実施される。
各垂直信号線170に読み出されたアナログ信号は、感知回路132によってセンシングされ、AD変換されて出力される。
クランプ回路180は、電源に接続されたクランプトランジスタ181、選択トランジスタ182を含んで構成されている。
クランプトランジスタ181のゲート電極はバイアス電源183に接続され、選択トランジスタ182のゲート電極がクランプ駆動線184に接続されている。なお、クランプ駆動線184は、たとえば行選択回路120により駆動される。クランプ駆動線184の駆動系は、行選択回路120と別個に設けることも可能である。
選択トランジスタ182は、クランプ駆動線184がハイレベルのときオン状態となってクランプ回路180を有効化する。
クランプトランジスタ181のゲートは適切なレベルで垂直信号線170にクランプがかかるように一定電位に設定されている。
クランプ回路180の機能は、クランプ駆動線184がハイレベルの時、垂直信号線170の電位が一定以下に落ちぬようクランプするものである。
ここで、本実施形態に係る出力変調度制御機能部を設けた基本概念を説明する。
図7は、図6におけるフォトダイオード111からソースフォロアー入力ノードであるFDノード117への、電荷転送の回路構成を抽出して示している。
すなわち、FDノード117には、ソースフォロアーを構成するNMOSからなるアンプトランジスタ114のチャネル容量や、ソースフォロアーの出力配線との間の配線容量が存在する。これらの容量の存在により、ソースフォロアーの出力ノード119との間に有意なカップリング容量C110が形成されている。
しかし、ソースフォロアーの出力ノード119は、その入力たるFDノード117の電位変動に対して同方向に、かつほぼ同電位分(略1のゲインで)変調されるので、両者のカップリング容量は実効的には寄生容量C111に殆ど追加されることは無い。
この現象を逆に利用して、FDノード117の電位が変動する際にソースフォロアー回路の出力ノード119の変調を抑止すれば、寄生容量120が有効化されて、FDノード117の総合的な寄生容量を一時的に増加させることができる。
これにより、画素内電荷転送時のFDノード117の電位変動を一時的に減少させ、転送マージンを大幅に引き上げることが可能になる。
ソースフォロアー回路の出力ノードの変調制御は複数のソースフォロアー回路に接続された垂直信号線170を介して実施することができるので、単位画素ごとの回路追加は不要である。
図8(A)〜(F)は、図6の回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図8(A)はリセット線150のレベルを、図8(B)は転送線140のレベルを、図8(C)は行選択線160のレベルを、それぞれ表している。図8(D)はクランプ駆動線184のレベルを、図8(E)はFDノード117の電位Vfを、図8(F)は垂直信号線170のレベルを、それぞれ表している。
その後、転送線140をローレベルにして、転送トランジスタ112をオフにすることで、蓄積ノード116は浮遊状態となって、新たな電荷蓄積が開始される。
まず、行選択線160がハイレベルとなり、選択トランジスタ115がオンして、垂直信号線170に単位画素のアンプトランジスタ114が接続される。
ここでアンプトランジスタ114と定電流回路131に接続された垂直信号線170はソースフォロアー回路を形成しており、その入力であるFDノード117の電位Vfと、出力である垂直信号線170の電位Vslは、変動比が1に近いリニアな関係となる。
ここでリセット線150をハイレベルにしてリセットトランジスタ113をオンすることで、FDノード117に電源電圧VDD、たとえば3Vが伝達される。
さらにリセット線150をローレベルにしてリセットトランジスタ113をオフにした後、コンパレータやAD変換機等で構成された感知回路132によって、垂直信号線170の電位Vslの一回目の感知を行う。
これはリセット信号の読み出しである。リセットトランジスタ113のオフ以降、FDノード117は浮遊状態となる。
さらに転送に入る前に、クランプ駆動線184をハイレベルにして垂直信号線170にクランプ回路180を接続する。
ここではクランプレベルは垂直信号線170のリセットレベルよりやや高い電位に設定してあるので、この時点では垂直信号線170およびFDノード117の挙動は図1の場合と変わらない。
ここにおいて垂直信号線170にはクランプが働き、クランプ駆動線184がハイレベルであるTCLPの期間中、その電位はVCLPのレベルにクランプされる。
これにより、FDノード117の寄生容量C111に、図7に示したソースフォロアー回路の出力ノード119とのカップリング容量C110が追加され、FDノード117の電位変動幅もその分小さくなる。
さらに転送線140をローレベルにして転送トランジスタ112をオフし、その後さらにクランプ駆動線184をローレベルにしてクランプ回路180を垂直信号線170から切り離す。この時クランプが外れたクランプ駆動線184の電位が低下するとともに、FDノード117の電位も低下する。
最後に、感知回路132によって、垂直信号線170の電位の2回目の感知を行う。これは蓄積信号の読み出しである。
CMOSイメージャーはこの差分をデジタル化し、画素の信号値として外部に出力する。各画素の電子蓄積時間は、上記リセット動作と読み出し動作との間の期間であり、正確には転送トランジスタがリセット後オフしてから、読み出しでオフするまでのT1で示す期間である。
各ノードは負電荷を持つ電子を蓄積する井戸の役割を果たし、井戸を電子が満たしていく形でポテンシャルが上方に、すなわち負電位方向に持ち上がる。
図9(A)のステップST11においては、フォトダイオード111の拡散ノードである蓄積ノード116は、一定数のドナーによる正電荷で、その完全空乏時にポテンシャルの底が1.5V程度になるように設計されている。ここに光電変換された電子が飽和状態(約0V)にまで満たされている。
一方、転送トランジスタ112のチャネル領域は、ゲート電極に与えられる電位(たとえば1V〜3V)に従って、そのポテンシャルがR11の範囲で変調される。
また、FDノード117にはリセットがかけられて、2.7Vの浮遊状態となっている。
これは3Vでリセットされた後、リセット線150をローレベルに戻した際に0.3Vのカップリングを受けた状態である。
図9(B)のステップST12においては、クランプ駆動線184をハイレベルにして垂直信号線170にクランプ回路180が接続される。
すると、クランプレベルVCLPより浅いポテンシャル側(低電位側)では、FDノード117の寄生容量C111に、FDとソースフォロアー回路の出力ノード119間のカップリング容量C110が追加される。
図面はこのようなFD容量の増加を概念的に記載している。
図9(C)のステップST13において、転送トランジスタ112がオンすると、フォトダイオード111の蓄積ノード116に蓄積されていた電子が残らず転送トランジスタ112のチャネル領域およびFDノード117に分配された状態で移動する。
図9(D)のステップST14においては、転送トランジスタ112をオフすると、ステップST11,ST12でフォトダイオード111に蓄積されていた電子が全てFDノード117に移動した状態になる。
このように完全な電子の移動を実現するには、完全空乏状態となったフォトダイオード111の蓄積ノード116とFDノード117との間に、ポテンシャル差M11が確保されている必要がある。
図10のステップST15においては、クランプ駆動線184をローレベルにして垂直信号線170からクランプ回路180が切り離される。
すると、FDノード117とソースフォロアー回路の出力ノード119間のカップリング容量C110が消滅し、FDノード117のポテンシャルはより浅い(低電位の)状態に推移する。
この時点では、既に転送トランジスタ112は閉じているので、最終的なFDノード117のポテンシャルがフォトダイオード111のポテンシャルより浅くなっても構わない。
すなわち、このステップST15におけるFDノード117のポテンシャル変動幅分だけ、電荷転送のマージンが向上したことになる。
これによって、フォースフォロアーが垂直信号線170を駆動し、蓄積信号の読み出しが実施される。
信号が無い暗時の撮像ではごく僅かなノイズが問題となる。
したがって、転送トランジスタ112が暗時にオンした際には、そのゲート下にノイズ源となる強いチャネルが発生しない方が望ましい。そのためには、FDノード117が転送線140からのカップリングを受けて、そのポテンシャルが深くなる方に推移するのが望ましい。
しかし、このときクランプによるFDノード117の容量増加が発生していると、上記カップリングを受けにくくなって、FDノード117は十分深いポテンシャルに移行しない。
したがって、ソースフォロアー回路の出力ノード119のクランプレベルは、リセットレベルよりやや低め(ポテンシャルとしては浅め)の設定が望ましく、蓄積電荷の無い暗時の読み出しではクランプは開始されていない方が良い。
一方、感知限界となる最大出力時には、当然クランプが行われていないと意味が無い。
すなわち、クランプ電位VCLPと、ソースフォロアーからの信号出力レベルとの関係は、クランプ電位VCLPが暗時の出力レベルと最大出力時の出力レベルの間に設定されるのが望ましく、暗時の出力レベルよりやや低めに設定されるのが望ましい。
すなわち、各画素において光電変換された電荷信号が、読み出しのために転送トランジスタ112を介してソースフォロアー回路の入力ノードであるFDノード117に転送される。
さらに、ソースフォロアー回路の出力ノード119の電位変調として読み出し回路に伝達される形態を持つイメージャーにおいては、画素の構成要素に関らず本発明を適用することができる。
図11は、本実施形態に係る画素回路の他の構成例(共有画素構成)を示す回路図である。
画素PX112は、フォトダイオード111−1、転送トランジスタ112−1、および蓄積ノード116−1を含んでいる。
画素PX113は、フォトダイオード111−2、転送トランジスタ112−2、および蓄積ノード116−2を含んでいる。
これら2画素分の共有単位がマトリクス状に配置されており、その複数が垂直信号線170を共有する。
選択画素に接続された転送トランジスタ112−1または112−2がオンした際に、垂直信号線170に一時的にクランプをかけることで、転送マージンを拡大することができる。
このようなケースでは、FDノードは通常の2倍の電荷を受けることになり、潜在的には出力信号も2倍のダイナミックレンジを得ることができる。ただし、これまでは前述したポテンシャル上の制約から、加算しないときと同じダイナミックレンジしか保証できなかった。
しかし、本発明の実施形態を採用すれば、加算しないときより大きなダイナミックレンジを保証することが可能になる。
図12は、本実施形態に係る画素回路の他の構成例(3Tr.型画素)を示す回路図である。
このような画素がマトリクス状に配置されており、その複数が垂直信号線170を共有する。
画素(PX)が選択され、転送トランジスタ112がオンした際に垂直信号線170に一時的にクランプをかけることで、転送マージンを拡大することができる。
しかもリセットレベルよりやや低い電位からクランプを開始することで、暗時に余分なノイズを発生する弊害も生じない。垂直信号線は複数のソースフォロアーで共有されているので、回路規模も殆ど増加しない。
方式を大きく分ければ、その一つはソースフォロアー出力を他の固定電圧源に接続することである。このとき、ソースフォロアー出力は固定電圧源に引っ張られて、変調量が低下するか、あるいは全く変調しなくなる。
上記クランプ回路への接続はその一例であるが、それ以外にも幾つか類似した方式があるので、以下のその例を第2〜第5の実施形態として示す。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るCMOSイメージセンサの画素回路を示す図である。
すなわち、画素回路110Dでは、たとえば垂直信号線170に、クランプ回路ではなく、リセットレベルにあるダミー画素190が接続されている。
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と類似した効果を得ることができる。
ダミー画素(DM)190は、たとえば図6に示された単位画素PX111と同じ内部構成であるが、転送トランジスタ112が常時オフしており、リセットトランジスタ113は常時オンしている。
選択トランジスタ115は選択画素PX111が読み出し用の内部電荷転送を実施する期間を挟んで一時的にオンし、ダミー画素(DM)190を垂直信号線170に接続する。
このとき、垂直信号線170はダミー画素(DM)190のアンプトランジスタ114を介して電源に接続されることになる。
図14は、本発明の第3の実施形態に係るCMOSイメージセンサの画素回路を示す図である。
すなわち、画素回路110Eでは、ソースフォロアー出力を、スイッチ素子200を介して電源電圧VDDにそのまま固定可能に構成されている。
この例では、スイッチ素子200はPMOSトランジスタにより形成され、そのドレインが垂直信号線170に接続され、ソースが電源ラインLVDDに接続され、ゲート電極が電源接続線201に接続されている。
これにより、PMOSトランジスタであるスイッチ素子200が一時的にオンし、垂直信号線170が電源に接続されてその電位は電源電圧VDDにまで吊り上げられる。
図15は、本発明の第4の実施形態に係るCMOSイメージセンサの画素回路を示す図である。
すなわち、画素回路110Fでは、各単位画素PX111−1、PX111−2,PX111−3,・・・のソースフォロアー出力を、隣接した垂直信号線170−1と1702、170−2と170−3同士でショートさせることが可能に構成されている。
具体的には、垂直信号線170−1と170−2間、170−2と170−3間にスイッチ素子210−1,210−2,・・・が接続されている。
この例では、スイッチ素子210−1,210−,2,・・はNMOSトランジスタにより形成され、そのドレイン、ソースが垂直信号線170−1と170−2、170−2と170−3に接続され、ゲート電極が相互接続線211に接続されている。
このとき、信号の大きな画素に接続された変調量の大きな垂直信号線170は、信号の小さな画素に接続された他の垂直信号線170に引っ張られて、その変調度が低下する。
したがって、信号の大きな画素に対してのみFDノード117の容量増加効果が現れる。
図16は、本発明の第5の実施形態に係るCMOSイメージセンサの画素回路を示す図である。
すなわち、画素回路100Gでは、ソースフォロアー出力の変調抑制を、スイッチ220を介して垂直信号線170を定電流回路131から切り離し、浮遊状態にすることでも実現できるように構成されている。
この例では、スイッチ素子220はNMOSトランジスタにより形成され、そのドレインが垂直信号線170に接続され、ソースが定電流回路131に接続され、ゲート電極が定電流回路接続線221に接続されている。
このとき、垂直信号線170は、選択画素PX111のアンプトランジスタ114を介して電源からプルアップされ、その電位Vslは次式で示すレベルまで引き上げられる。
Vsl=Vdd−Vtha
のレベルまで引き上げられる。ここでVddは電源電圧、Vthaはアンプトランジスタの閾値である。ここに至ってアンプトランジスタのチャネルが切れ、垂直信号線は浮遊状態となる。
一方,このときFDノード117には、アンプトランジスタの基板との間に寄生容量が発生する。また、垂直信号線170との配線容量も有効化される。
したがって、この場合にもFDノードの容量増加効果が現出し、転送マージンが拡大する。
たとえば、第4の実施形態に係る画素回路は、他の実施形態と組み合わせて適用することも可能である。
図17は、本発明の実施形態に係る固体撮像素子が適用されるカメラシステムの構成の一例を示す図である。
カメラシステム300は、この撮像デバイス310の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系、たとえば入射光(像光)を撮像面上に結像させるレンズ320を有する。
さらに、カメラシステム300は、撮像デバイス310を駆動する駆動回路(DRV)330と、撮像デバイス310の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)340と、を有する。
信号処理回路340で処理された画像信号は、たとえばメモリなどの記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像情報は、プリンタなどによってハードコピーされる。また、信号処理回路340で処理された画像信号を液晶ディスプレイ等からなるモニターに動画として映し出される。
Claims (6)
- 光電変換素子と、
ソースフォロアー回路と、
上記光電変換素子で生成した電荷を、上記ソースフォロアー回路の入力ノードに転送する転送トランジスタと、
上記ソースフォロアー回路を通して上記生成された電荷に応じた信号を読み出す読み出し系と、
を有し、
上記読み出し系は、
上記ソースフォロアー回路の入力ノードを浮遊状態として、上記転送トランジスタをオンさせて信号電荷を上記入力ノードに転送し、
上記転送トランジスタをオフさせて上記ソースフォロアー回路の出力ノード電位を検知して出力信号を読み出す機能を含み、
さらに上記転送トランジスタがオンした際に、上記ソースファロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能部を含み、
上記出力変調度制御機能部は、
上記出力変調度の低下制御時に、上記ソースフォロアー回路の出力ノードに異なるソースフォロアー回路の出力ノードを接続する
画素回路。 - 光電変換素子と、
ソースフォロアー回路と、
上記光電変換素子で生成した電荷を、上記ソースフォロアー回路の入力ノードに転送する転送トランジスタと、
上記ソースフォロアー回路を通して上記生成された電荷に応じた信号を読み出す読み出し系と、
を有し、
上記読み出し系は、
上記ソースフォロアー回路の入力ノードを浮遊状態として、上記転送トランジスタをオンさせて信号電荷を上記入力ノードに転送し、
上記転送トランジスタをオフさせて上記ソースフォロアー回路の出力ノード電位を検知して出力信号を読み出す機能を含み、
さらに上記転送トランジスタがオンした際に、上記ソースファロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能部を含み、
上記出力変調度制御機能部は、
上記出力変調度の低下制御時に、異なる画素に各々転送トランジスタを介して接続された複数のソースフォロアー回路の出力ノードを、互いにショートさせる
画素回路。 - 複数の画素回路が配列された画素部と、
上記画素部の画素回路を駆動して画素信号の読み出しを行う画素駆動部と、を有し、
上記各画素回路は、
光電変換素子と、
ソースフォロアー回路と、
上記光電変換素子で生成した電荷を、上記ソースフォロアー回路の入力ノードに転送する転送トランジスタと、
上記ソースフォロアー回路を通して上記生成された電荷に応じた信号を読み出す読み出し系と、
を有し、
上記読み出し系は、
上記ソースフォロアー回路の入力ノードを浮遊状態として、上記転送トランジスタをオンさせて信号電荷を上記入力ノードに転送し、
上記転送トランジスタをオフさせて上記ソースフォロアー回路の出力ノード電位を検知して出力信号を読み出す機能を含み、
さらに上記転送トランジスタがオンした際に、上記ソースファロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能部を含み、
上記出力変調度制御機能部は、
上記出力変調度の低下制御時に、上記ソースフォロアー回路の出力ノードに異なるソースフォロアー回路の出力ノードを接続する
固体撮像素子。 - 複数の画素回路が配列された画素部と、
上記画素部の画素回路を駆動して画素信号の読み出しを行う画素駆動部と、を有し、
上記各画素回路は、
光電変換素子と、
ソースフォロアー回路と、
上記光電変換素子で生成した電荷を、上記ソースフォロアー回路の入力ノードに転送する転送トランジスタと、
上記ソースフォロアー回路を通して上記生成された電荷に応じた信号を読み出す読み出し系と、
を有し、
上記読み出し系は、
上記ソースフォロアー回路の入力ノードを浮遊状態として、上記転送トランジスタをオンさせて信号電荷を上記入力ノードに転送し、
上記転送トランジスタをオフさせて上記ソースフォロアー回路の出力ノード電位を検知して出力信号を読み出す機能を含み、
さらに上記転送トランジスタがオンした際に、上記ソースファロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能部を含み、
上記出力変調度制御機能部は、
上記出力変調度の低下制御時に、異なる画素に各々転送トランジスタを介して接続された複数のソースフォロアー回路の出力ノードを、互いにショートさせる
固体撮像素子。 - 固体撮像素子と、
上記固体撮像素子に被写体像を結像する光学系と、
上記固体撮像素子の出力画像信号を処理する信号処理回路と、を有し、
上記固体撮像素子は、
複数の画素回路が配列された画素部と、
上記画素部の画素回路を駆動して画素信号の読み出しを行う画素駆動部と、を有し、
上記各画素回路は、
光電変換素子と、
ソースフォロアー回路と、
上記光電変換素子で生成した電荷を、上記ソースフォロアー回路の入力ノードに転送する転送トランジスタと、
上記ソースフォロアー回路を通して上記生成された電荷に応じた信号を読み出す読み出し系と、
を有し、
上記読み出し系は、
上記ソースフォロアー回路の入力ノードを浮遊状態として、上記転送トランジスタをオンさせて信号電荷を上記入力ノードに転送し、
上記転送トランジスタをオフさせて上記ソースフォロアー回路の出力ノード電位を検知して出力信号を読み出す機能を含み、
さらに上記転送トランジスタがオンした際に、上記ソースファロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能部を含み、
上記出力変調度制御機能部は、
上記出力変調度の低下制御時に、上記ソースフォロアー回路の出力ノードに異なるソースフォロアー回路の出力ノードを接続する
カメラシステム。 - 固体撮像素子と、
上記固体撮像素子に被写体像を結像する光学系と、
上記固体撮像素子の出力画像信号を処理する信号処理回路と、を有し、
上記固体撮像素子は、
複数の画素回路が配列された画素部と、
上記画素部の画素回路を駆動して画素信号の読み出しを行う画素駆動部と、を有し、
上記各画素回路は、
光電変換素子と、
ソースフォロアー回路と、
上記光電変換素子で生成した電荷を、上記ソースフォロアー回路の入力ノードに転送する転送トランジスタと、
上記ソースフォロアー回路を通して上記生成された電荷に応じた信号を読み出す読み出し系と、
を有し、
上記読み出し系は、
上記ソースフォロアー回路の入力ノードを浮遊状態として、上記転送トランジスタをオンさせて信号電荷を上記入力ノードに転送し、
上記転送トランジスタをオフさせて上記ソースフォロアー回路の出力ノード電位を検知して出力信号を読み出す機能を含み、
さらに上記転送トランジスタがオンした際に、上記ソースファロアー回路の出力変調度を一時的に低下させる出力変調度制御機能部を含み、
上記出力変調度制御機能部は、
上記出力変調度の低下制御時に、異なる画素に各々転送トランジスタを介して接続された複数のソースフォロアー回路の出力ノードを、互いにショートさせる
カメラシステム。
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