以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係わるデジタル一眼レフレックスカメラの電気回路を示すブロック図である。このデジタル一眼レフカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200とから構成される。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点341にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系101は光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動される。光学系駆動機構107によって駆動された撮影光学系101の焦点位置(ピント位置)は、ピント位置検出機構105によって、また撮影光学系101の焦点距離は、ズーム位置検出機構106によって、それぞれ検出される。
光学系駆動機構107、絞り駆動機構109、ピント位置検出機構105、およびズーム位置検出機構106は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点341を介してカメラ本体200に接続されている。
また、レンズCPU111には、レンズROM113とレンズRAM115が接続されている。レンズROM113は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、レンズCPU111を実行させるためのプログラムや、交換レンズ100の固有情報等が記憶されている。レンズRAM115は、電気的に書き換え可能な揮発性メモリであり、上述のプログラムの実行に当たって使用される一時的な記憶領域である。
レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。また、レンズCPU111は、ピント位置検出機構105やズーム位置検出機構106によって検出された焦点距離や焦点位置情報をカメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置(下降位置、被写体像観察位置)と、被写体像を撮像素子221に導くために跳ね上がった位置(上昇位置、退避位置)との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。
この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン204が配置され、このフォーカシングスクリーン204の上方には、全面液晶板(以下、全面LCDと称す)205が配置されている。この全面LCD205は、部分的に透過と遮光を制御可能であり、フォーカシングスクリーン204上に結像した被写体像の内の任意に部分について、被写体像をファインダ光学系に導くことができる。
全面LCD205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。ペンタプリズム207の前面側の反射面に沿って、ファインダ内表示装置206が配置されている。このファインダ内表示装置206は、液晶表示装置等から構成され、後述するように、光学ファインダ像に対して、視野表示や撮影情報等を重畳させて表示する。このファインダ内表示装置206は、ファインダ内表示駆動回路295に接続されており、これによって駆動制御される。
ペンタプリズム207の出射側(図1で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ209が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は、測光処理回路212に接続され、測光センサ211の出力は、この測光処理回路212によって増幅処理やアナログ−デジタル変換等の処理がなされる。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには(図1において破線位置)、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置(下降位置)にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して開いた位置にある。
この可動ミラー201はミラー駆動機構239によって駆動されている。可動ミラー201の位置はミラー位置検出センサ240によって検知される。可動ミラー201の位置については、図6を用いて後述する。また、サブミラー203の下方には位相差AFセンサ241が配置されており、この位相差AFセンサ241の出力は位相差AF処理回路243に接続されている。位相差AFセンサ241は、撮影光学系101によって結像される被写体像の焦点ズレ量(デフォーカス量)を測定するために、撮影光学系101の周辺光束を2光束に分離する公知の位相差AF光学系と1対のセンサとから構成されている。また、位相差AFセンサ241は、撮影画面内の複数ポイントについて、それぞれ焦点検出可能である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はフォーカルプレーンタイプであり、シャッタ先幕213aとシャッタ後幕213bを有し、シャッタ駆動機構237によって駆動制御される。シャッタ先幕213aとシャッタ後幕213bのシャッタ幕の位置は、それぞれシャッタ幕位置検出センサ236によって検知される。
シャッタ213の後方には撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子221としてはCCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることは言うまでもない。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、この撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読出し等が行われる。撮像素子駆動回路223は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間引き処理、拡大表示のための切り出し処理等の画像処理のための前処理を行なう。
前述のシャッタ213と撮像素子221の間には、防塵フィルタ215、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217が配置されている。防塵フィルタ215の周囲には圧電素子が固定されており、この圧電素子は防塵フィルタ駆動回路235によって、超音波で振動する。防塵フィルタ215の付着した塵埃は、圧電素子に発生する振動波によって、除塵される。
赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217は、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである。防塵フィルタ215、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217および撮像素子221は、塵埃等が侵入しないように気密に一体に構成されている。これら一体化された撮像素子221等は、シフト機構233によって、撮像素子221の撮像面におけるX軸方向とY軸方向に沿って、それぞれ移動させることができる。
手ブレセンサ229は、カメラ本体200に加えられた手ブレ等による振動を検出する角加速度センサ等であり、この出力は手ブレ補正回路230に接続している。手ブレ補正回路230は手ブレ等の振動を除去するための手ブレ補正信号を生成し、手ブレ補正回路230の出力は、シフト機構駆動回路231に接続されている。
シフト機構駆動回路231は、手ブレ補正信号を入力し、この信号に基づいて、シフト機構233を駆動する。このシフト機構233によって、カメラ本体200に加えられた手ブレ等の振動を打ち消すように、撮像素子221等を移動させ、防振を行なう。
傾きセンサ227は、3軸回りの角加速度を検出し、カメラ本体200の傾きに応じた値を出力する。傾き検知回路228は、傾きセンサ227に接続されており、傾きセンサ227の定常状態の値から傾き状態を、また傾きセンサ227の変化量から加速度を求め、これらの値を出力する。
光源センサ244は、蛍光灯や太陽光など、被写体の環境光の光源を検出するためのセンサである。光源処理回路245は、光源センサ244に接続され、光源に応じた光源データを出力する。照度センサ246は、カメラ200上での照度を測定するためのセンサである。照度処理回路247は、照度センサ246に接続され、照度に応じた照度データを出力する。
リモコン受信センサ248は、リモコン装置(不図示)からの赤外線等によるリモコン指令を受信するための赤外線センサである。リモコン受信処理回路249は、リモコン受信センサ248に接続され、このセンサからの信号を入力し、リモコン信号を出力する。
前述の前処理回路225は、ASIC(Application Specific
Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)250内のデータバス252に接続されており、このデータバス252を介して、ASIC250内の各回路に接続されている。また、前処理回路225は、コントラストAF回路253およびAE回路255にも接続されている。
コントラストAF回路253は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて高周波成分を抽出し、この高周波成分に基づくコントラスト情報をボディCPU251に出力する。なお、コントラストAF回路253は、高周波成分を抽出するにあたって、画面内の全領域について、抽出可能である。AE回路255は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて、被写体輝度に応じた測光情報をボディCPU251に出力する。
データバス252、コントラストAF回路253、およびAE回路255に接続されているボディCPU251は、フラッシュメモリ277に記憶されているプログラムに従って、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するものである。
データバス252には、ボディCPU251以外に、画像処理回路257、圧縮伸張回路259、ビデオ信号出力回路261、スイッチ検知回路268、入出力回路271、通信回路273、フラッシュメモリ制御回路275、SDRAM制御回路279、記録媒体制御回路283、ダイアル検知回路289が接続されている。
画像処理回路257は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また圧縮伸張回路259はSDRAM281に一時記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸張するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
ビデオ信号出力回路261は、LCD駆動回路263を介して背面LCD39に接続され、また接点330aを介して外部表示装置330に接続可能である。このビデオ信号出力回路261は、SDRAM281、記録媒体A285、記録媒体B287に記憶された画像データを、背面LCD39等に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。背面LCD39は、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。
シャッタレリーズ釦の第1ストローク(半押し)を検出する1Rスイッチや、第2ストローク(全押し)を検出する2Rスイッチ、ライブビュー表示を指示するためのライブビュー表示釦の操作によってオンするライブビュー表示スイッチを含む各種スイッチ269は、スイッチ検知回路268を介してデータバス252に接続されている。また、各種スイッチ269としては、この他にも、メニュー釦に連動するメニュースイッチ、再生釦に連動する再生スイッチ、縦横釦に連動する縦横スイッチ、パワースイッチ等、その他の操作部材に連動する各種スイッチ等を含んでいる。
上述の防塵フィルタ駆動回路235、シャッタ幕位置検出センサ236、シャッタ駆動機構237、位相差AF処理回路243、ミラー駆動機構239、ミラー位置検出センサ240、光源処理回路245、照度処理回路247、リモコン受信処理回路249、傾き検知回路228、シフト機構駆動回路231、測光処理回路212と接続される入出力回路271は、データバス252を介してボディCPU251等の各回路とデータの入出力を制御する。なお、入出力回路271は、後述するLCD向き検知回路265、充電回路301、フラッシュ発光回路303にも接続される。
レンズCPU111と通信接点341を介して接続された通信回路273は、データバス252に接続され、ボディCPU251等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
フラッシュメモリ制御回路275は、フラッシュメモリ(Flash Memory)277に接続され、このフラッシュメモリ277は、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するためのプログラムが記憶されており、前述したように、ボディCPU251はこのフラッシュメモリ277に記憶されたプログラムに従ってデジタル一眼レフカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ277は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。
SDRAM281は、SDRAM制御回路279を介してデータバス252に接続されており、このSDRAM281は、画像処理回路257によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路259によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
データバス252に接続された記録媒体制御回路283は、記録媒体A285、記録媒体B287に接続され、これらの記録媒体A285、記録媒体B287への画像データ等の記録及び画像データ等の読み出しの制御を行う。
記録媒体A285および記録媒体B287は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。なお、記録媒体A285、B287は、同じ種類の記録媒体であって、記憶容量が異なる組み合わせや、また異なる種類の記録媒体の組み合わせ等、組み合わせ方は自由である。
ダイアル検知回路289は、カメラ本体200の前側に設けた前ダイアルと後ろ側に設けた後ダイアルにそれぞれ接続しており、それぞれのダイアルの回転方向および回転量を検知する。
カメラ本体200内には、本体内の各回路や各機構等に電源を供給するための電源供給回路291が設けられている。この電源供給回路291には、内蔵のバッテリ292および外部電源293が接続可能である。
LCD向き検知回路265は、背面LCD39の向きを検知する。すなわち、背面LCD39は、その向きを縦位置や横位置に変更することができ、この向きを検知し、入出力回路271を介してボディCPU251に伝達される。
前述のコントロールパネル40には、コントロールパネル駆動回路297が接続されており、コントロールパネル駆動回路297はボディCPU251に接続されている。ボディCPU251は、コントロールパネル駆動回路297を介して、コントロールパネル40に撮影情報等の表示を行う。
カメラ本体200内に配置された内蔵フラッシュは、充電回路301、フラッシュ発光回路303、発光管305等から構成される。充電回路301はバッテリ292または外部電源293等より、電源供給を受け、電圧を昇圧し、これを充電する。フラッシュ発光回路303は、所定のタイミングで、充電回路301によって昇圧された電圧を発光管305に印加する等、発光制御を行う。
外部フラッシュ310は、外付けのフラッシュ装置であり、接点310a、310bを介して、カメラ本体200と接続する。この外部フラッシュ310内には、フラッシュCPU311、充電回路313、フラッシュ発光回路315、発光管317、反射傘318、ズーム駆動回路319が配置されている。
フラッシュCPU311は、外部フラッシュ310の制御を行い、また、接点310b、通信回路273を介してボディCPU251と通信を行う。充電回路313は、外部フラッシュ310内に装填された電源電池の電圧を昇圧し、これを充電する。フラッシュ発光回路315は、ボディCPU251と接点310aを介して受信した発光命令に応じて発光する。ズーム駆動回路319は、撮影光学系101の焦点距離に応じて、発光管317と反射笠318の間隔を駆動制御し、撮影光学系101の焦点距離等に応じた照射角となるように制御する。
外部機器320は、パーソナルコンピュータ(PC)等の機器であり、接点320a、通信回路273を介して、ボディCPU251と通信を行う。外部表示機器330は、テレビ等の表示機器であり、接点330aを通じて、前述のビデオ信号出力回路261に接続されている。外部表示機器330の内部には、表示装置駆動回路331と表示装置333が配置されている。ビデオ信号出力回路261からのビデオ信号に基づき、表示装置駆動回路331は表示装置333に記録画像等の表示を行う。
次に、本実施形態における縦横とアスペクト比について、図2を用いて説明する。撮像素子221の撮像面はほぼ正方形をしており、撮像素子221内であって、かつイメージサークル120内において、画像が得られる。このときの縦横の比率をアスペクト比という。本実施形態においては、4:3横長、4:3縦長、16:9横長、16:9縦長の4つのアスペクト比を採用している。もちろん、これとは異なるアスペクト比を採用しても構わない。ここで説明したアスペクト比は、設定変更のサブルーチンによって、変更できる。設定されたアスペクト比に基づいて、有効となる画像データ(画像データ出力領域)は、撮像素子駆動回路223から出力される画像データの中から、前処理回路225や画像処理回路257によって、選択される。
従来の撮像装置においては、アスペクト比によって画角が異なり、対角線長が異なるといった問題があった。すなわち、画角が変化してしまうという問題があった。しかし、本実施形態では、撮像素子221のイメージサークル120の対角線はいつも一定であり、画角が変化することがない。
次に、本実施形態における可動ミラー201とシャッタ213の位置関係について図6を用いて説明する。図6は、撮影光学系101の光軸Lに沿っての要部断面図である。可動ミラー201は退避時(上昇時)には、ミラー復帰位置Mrからミラー退避位置M1に移動し、復帰時(下降時)には、ミラー退避位置M1からミラー復帰位置Mrに移動する。ミラー退避位置M1は、縦方向で最長となる最大画面に対する有効光線L1を遮らない位置である。すなわち、画像データ出力領域は、設定された縦横位置やアスペクト比によって変化するが、有効光線L1は縦方向で最長となる最大画面の場合の上端側の光線である。また、可動ミラー201が、ミラー復帰位置Mrからミラー退避位置M1に移動する際に、設定された縦横位置やアスペクト比で決まる画面に対する有効光線L2を遮らない位置をミラー復帰位置M2とする。
シャッタ213は、シャッタ先幕213aおよびシャッタ後幕213bの両幕が上から下に走行するタイプである。シャッタチャージよって、両幕が上部に保持され、シャッタ先幕213aが下に向けて走行を開始することにより露光が開始し、露出時間経過後に、シャッタ後幕213bが下に向けて走行を開始し、最大画面に対する有効光線L4を通過すると、露光を終了する。ただし、これより小さい画面のアスペクト比が設定されている場合には、この画面に対する有効光線L3を通過すると実質的には露光を終了する。有効光線L3を通過するときのシャッタ後幕213bの位置をシャッタ閉位置S1と称し、有効光線L4を通過するときのシャッタ後幕213bの位置をシャッタ閉位置S2と称する。
なお、本実施形態においては使用しないが後述する第2実施形態においては、ミラー退避位置M3を検知する。この可動ミラー201がミラー退避位置M3に達した時点でシャッタ先幕213aが走行を開始すると、可動ミラー201がミラー退避位置M2に達する時点で丁度シャッタ先幕213aが有効光線L2の位置に到達する。したがって、可動ミラー201がミラー退避位置M3に達した時点で、シャッタ先幕213aを走行開始させると、撮影シーケンスを短縮することが可能となる。
次に、本実施形態における動作について、図3および図4に示すフローチャートを用いて説明する。
図3は、カメラ本体200側のボディCPU251によるパワーオンリセットの動作である。カメラ本体200にバッテリ292が装填され、または外部電源293が接続されると、このフローがスタートする。まずカメラ本体200のパワースイッチがオンであるかを判定する(#1)。判定の結果、パワースイッチがオフの場合には、低消費電力の状態であるスリープ状態となる(#3)。
このスリープ状態ではパワースイッチがオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップ#5以下においてパワーオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。
ステップ#1において、パワースイッチがオンであった場合、またはステップ#3におけるスリープ状態を脱した場合には、電源供給を開始する(#5)。次に、防塵フィルタ215における塵埃除去動作を行う(#7)。このステップでは、防塵フィルタ215に固着された圧電素子に防塵フィルタ駆動回路235から駆動電圧を印加し、超音波振動波によって塵埃等を除去する。
次に、前ダイアルや後ダイアル等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影モードや撮影条件の読み込みを行う(#9)。なお、このときに、併せて、レンズCPU111から通信回路273を介して交換レンズ100の開放絞り、焦点距離情報等のレンズ情報の読み込みも行う。
撮影モード等の読み込みを行うと、次に、ライブビューを行っているか否かの判定を行う(#11)。本実施形態に係わるデジタル一眼レフカメラのライブビュー表示は、LV表示釦が一度操作されると、ライブビュー表示モードに設定され、再度操作されると、ライブビュー表示モードが解除される。
ステップ#11における判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、すなわち、光学ファインダ表示モードの場合には、ファインダ測光(F測光)および露出量演算を行う(#13)。ライブビュー表示モードでない場合には、可動ミラー201は下降状態にあり、撮影光学系101を通過した被写体光束をペンタプリズム207等のファインダ光学系に反射している。このため、測光素子211に被写体光束が入射し、測光を行うことができる。
ファインダ測光によって測光を行うと、このとき得た被写体輝度に基づいて適正露光を得るための絞り値やシャッタ速度等の露出量の演算を行う。なお、露出量の演算にあたっては、ステップ#9において設定されていた撮影モードや撮影条件に従って行う。
露出量の演算を行うと、次に、ファインダ表示を行う(#15)。ファインダ表示は、ファインダ内表示装置206によって行い、設定されている縦横とアスペクト比に応じた撮影範囲や、また演算または手動設定された絞り値やシャッタ速度等の撮影条件が表示される。また、演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、コントロールパネル40にも表示される。
続いて、ライブビュー表示の消灯を行う(#17)。ライブビュー表示モードから光学ファインダ表示モードに切り替わった際には、ここで、ライブビュー表示の消灯を行う。なお、ライブビュー表示モードが解除され光学ファインダ表示を繰り返し行っている場合には、ライブビュー表示は消灯されているので、このステップをスキップする。
ステップ11における判定の結果、ライブビュー表示モードに設定されている場合には、可動ミラー201の退避を行い(#31)、シャッタ213を開放する(#33)。ライブビュー表示モードでは、撮像素子221からの画像データに基づいて、被写体像を背面LCD39に表示するので、撮像素子221上に被写体像が形成されるように、可動ミラー201を退避し、シャッタ213を開放する。なお、ライブビュー表示開始後は、このステップ#31、#33をスキップする。
続いて、イメージャー測光(I測光)および露出量の演算を行う(#35)。ライブビュー表示モードに入ると、可動ミラー201は撮影光学系101の光路から退避し、測光素子211には、被写体光束が入射しない。そこで、撮像素子221からの画像データに基づいて、AE回路255によって被写体輝度の測定を行う。
ここで測定された被写体輝度に基づいて、適正露光を得るための絞り値やシャッタ速度等の露出量の演算を行う。なお、露出量の演算にあたっては、ステップ#13と同様、ステップ#9において設定されていた撮影モードや撮影条件に従って行う。また、ここで演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、背面LCD39やコントロールパネル40に表示される。
続いて、ライブビュー表示を行う(#37)。ライブビュー表示は、撮像素子221からの画像データに基づき、前処理回路225や画像処理回路257によって、画素数を間引く等の画像処理を行い、被写体像を背面LCD39に動画表示する。撮像素子221から画像データの読み出しを行うたびに、被写体像の更新を行う。
ライブビュー表示を行うと、次に、ファインダ表示の消灯を行う(#39)。光学ファインダ表示モードからライブビュー表示モードに切り替わった際には、ここで、ファインダ表示の消灯を行う。なお、ライブビュー表示モードに切り替わり、ライブビュー表示を繰り返し行っている場合には、ファインダ表示は消灯されているので、このステップはスキップする。
ステップ#17におけるライブビュー表示を消灯すると、またはステップ#39におけるファインダ表示を消灯すると、操作部材による操作がなされたか否かの判定を行う(#19)。このステップでは、スイッチ検知回路268によって、1Rスイッチ、設定スイッチ(メニュースイッチ)、再生スイッチ、パワースイッチのいずれかのスイッチが操作されたか否かを判定する。
ステップ#19における判定の結果、操作がなかった場合には、ステップ#11に戻り、前述の動作を実行する。一方、判定の結果、操作がなされていた場合には、次に、レリーズ釦21が半押しされたか否か、すなわち1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#21)。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、撮影準備と撮影を行う撮影動作のサブルーチンを実行する(#41)。このサブルーチンにおいては、設定されているアスペクト比や縦横位置に応じて、可動ミラー201の駆動途中でシャッタ213のシャッタ先幕213aやシャッタ後幕213bの走行を開始させる。このサブルーチンの詳細は図4を用いて後述する。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合、または、ステップ#41における撮影動作を実行した場合には、次に、設定スイッチがオンか否かの判定を行う(#23)。このステップでは、メニュー釦(設定釦)35等が操作され、メニューモード(設定モード)に設定されたか否かの判定を行う。
ステップ#23における判定の結果、メニューモード(設定モード)であった場合には、設定変更を行う(#43)。この設定変更のサブルーチンでは、アスペクト変更モード等の種々のモード等を設定でき、設定されたメニューに従って種々の処理を行う。
ステップ#23における判定の結果、設定スイッチがオンでなかった場合、または、ステップ#43における設定変更のサブルーチンを実行すると、次に、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(#25)。この判定の結果、再生スイッチがオンであった場合には、再生動作を実行する(#45)。再生動作では、記録媒体A285または記録媒体B287に記録されている画像データを読み出し、背面LCD39または外部表示装置330等に再生表示する。
ステップ#25における判定の結果、再生スイッチがオンでなかった場合、または、ステップ#45における再生動作のサブルーチンを実行すると、次に、パワースイッチがオンか否かの判定を行う(#27)。この判定の結果、パワースイッチがオンであった場合には、ステップ#11に戻り、前述の動作を実行する。
一方、ステップ#27における判定の結果、パワースイッチがオンではなかった場合には、電源供給を停止し(#29)、ステップ#3に戻り、前述のスリープ状態となる。
次に、ステップ#41における撮影動作のサブルーチンについて、図4に示すフローチャートおよび図5に示すタイミングチャートを用いて説明する。
撮影動作のサブルーチンに入ると、まず、ステップ#11と同様にライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#51)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、位相差AFのサブルーチンを実行する(#53)。この位相差AFのサブルーチンでは、撮影光学系101の周辺を通過した2光束を位相差AFセンサ241で検出し、この検出出力を用いて公知の位相差法に基づいて、撮影光学系101の焦点ズレ方向および焦点ズレ量を検出する。そして、この検出された焦点ズレ方向および焦点ズレ量を用いて、撮影光学系101を合焦位置に駆動する。
位相差AFが終わると、次に、ステップ#13と同様にファインダ測光および露出量演算を行う(#55)。ここで演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、ファインダ内表示装置206やコントロールパネル40に表示される。
ステップ#51における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、イメージャーAFのサブルーチンを実行する(#57)。ライブビュー表示モードでは、可動ミラー201が撮影光学系101の光路から退避位置にあり、位相差AFによる測距を行うことができない。そこで、撮像素子221からの画像データに基づいて、イメージャーAFを行う。このイメージャーAFのサブルーチンでは、コントラストAF回路253から出力される画像データの高周波成分がピーク値となるように、撮影光学系101の駆動制御を行う。
イメージャーAFを行うと、次に、ステップ#35と同様にイメージャー測光および露出量演算を行う(#59)。ここで演算された露出量に基づく絞り値やシャッタ速度値、またはこれらの手動設定値は、背面LCD39やコントロールパネル40に表示される。
ステップ#55におけるファインダ測光および露出量演算、またはステップ#59におけるイメージャー測光を行うと、次に、レリーズ釦が全押しされたか否か、すなわち2Rスイッチがオンか否かを判定する(#61)。この判定の結果、2Rスイッチがオンでなかった場合には、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#63)。
このステップ#63における判定の結果、1Rスイッチがオンでなければ、レリーズ釦から撮影者の指が離れたことから、撮影動作のサブルーチンを終了し、元のフローに戻る。一方、ステップ#63における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、少なくとも撮影者の指がレリーズ釦にかかっていることから、ステップ#61に戻り、このステップとステップ#63を交互に判定する待機状態となる。
ステップ#61における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、レリーズ釦が全押しされたことから露光動作に移る。まず、ステップ#11、#51と同様に、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#65)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、すなわち光学ファインダ表示モードであった場合には、絞り103の絞り込みを開始する(#67、タイミングt11)。ここでは、レンズCPU111に絞り込み開始信号を送信し、絞り駆動機構109によって設定絞り値に向けて絞り103の絞り込みを開始する。絞り値は、露出量演算に基づいて求められた絞り値または手動設定された値である。
続いて、可動ミラー201を退避方向に駆動開始する(#69)。ライブビュー表示モードでない場合、すなわち光学ファインダ表示モードの場合には、可動ミラー201が下降位置にあるので、撮像素子221に被写体光束に導くために、可動ミラー201を退避させる。可動ミラー201の駆動を開始すると、次に、可動ミラー201がミラー退避位置M2に達したか否かの判定を行う(#71)。ここでは、ミラー位置検出センサ240からの検知出力に基づいて、図6において説明したミラー退避位置M2に達したか否かを判定する。
ステップ#71における判定の結果、可動ミラー201がミラー退避位置M2に達した場合には(タイミングt12)、シャッタ先幕213aの走行を開始させる(#73)。このミラー退避位置M2では、可動ミラー201は完全に上昇してはいないが、設定された縦横位置やアスペクト比(トリミング)を考慮すると、画像データ出力領域に到達する有効光線L2を遮蔽することがないことから、このタイミングでシャッタ先幕213aの走行を開始させる。シャッタ先幕走行により、撮像素子221上に被写体像が結像し、電荷蓄積を開始する。続いて、可動ミラー201がミラー退避位置M1に達したか否かの判定を行う(#75)。このステップでは、ミラー位置検出センサ240からの検知出力に基づいて、図6において説明したミラー退避位置M1に達したか否かを判定する。
ステップ#75における判定の結果、ミラー退避位置M1に達していなかった場合には、次に、露光時間が終了したか否かの判定を行う(#79)。露光時間は、ステップ#55または#59における測光・露出量演算で求められたシャッタ速度、または撮影者が手動設定したシャッタ速度に基づいて設定され、このステップにおいては、ステップ#73におけるシャッタ先幕走行開始後、この露光時間が終了したか否かの判定を行う。
ステップ#79における判定の結果、露光時間が終了していなかった場合には、次に、シャッタ後幕213bがシャッタ閉位置S2に達しているか否かの判定を行う(#85)。このステップでは、シャッタ幕位置検出センサ236の検出出力を判定し、図6を用いて説明したシャッタ閉位置S2に達したか否かの判定を行う。この判定の結果、シャッタ閉位置S2に達していなかった場合には、ステップ#75に戻る。
ステップ#75における判定の結果、可動ミラー201がミラー退避位置M1に達していた際には(タイミングt13)、ミラー駆動停止を行う(#77)。前述したようにミラー退避位置M1は、最大画面の有効光線L1を遮らない位置であり、ミラー駆動機構239による可動ミラー201の駆動を停止する。可動ミラー201の駆動を停止すると、前述のステップ#79に進む。
ステップ#79における判定の結果、露光時間が終了すると(タイミングt14)、シャッタ後幕213bの走行を開始する(#81)。測光・露出量演算に基づくシャッタ速度、または設定されたシャッタ速度に応じた露光時間が経過したことから、シャッタ駆動機構237によってシャッタ後幕213bの走行を開始させる。シャッタ後幕213bの走行を開始させると、前述のステップ#85に進む。
ステップ#65における判定の結果、ライブビューであった場合には、シャッタ213の閉じを行う(#101)。ライブビュー表示モードにおいては、可動ミラー201は上昇し退避位置M1にあることから、可動ミラー201の駆動は必要ない。一方、シャッタ213は開状態にあるが、一旦閉じて、シャッタチャージを行う必要があり、このステップにおいてシャッタ駆動機構237によってシャッタ閉じ動作を実行する。
シャッタ213を閉じると、次に、絞り103の絞り込みを開始する(#103)。ここでは、レンズCPU111に対して、測光・露出量演算に基づく絞り値、または手動設定された絞り値となるように、絞り込みの指示を出力する。続いて、シャッタ先幕213aの走行を開始させる(#105)。ここでは、シャッタ駆動機構237に指示し、シャッタ先幕213aの走行を開始させる。
シャッタ先幕213aが走行を開始すると、続いて、露光時間が終了したか否かの判定を行う(#107)。露光時間は、露出量演算で求めたシャッタ速度、または手動設定したシャッタ速度に基づいて設定され、このステップにおいては、ステップ#105におけるシャッタ先幕走行開始後、この露光時間が終了したか否かの判定を行う。
ステップ#107における判定の結果、露光時間が終了していなかった場合には、次に、ステップ#85と同様に、シャッタ後幕閉位置S2にあるか否かの判定を行う(#111)。この判定の結果、シャッタ後幕閉位置S2になかった場合には、ステップ#107に戻る。ステップ#107における判定の結果、露光時間が終了した場合には、ステップ#81と同様にシャッタ後幕213bの走行を開始させ、ステップ#111に進む。
ステップ#85またはステップ#111における判定の結果、シャッタ後幕213bがシャッタ後幕閉位置S2に達した際には(タイミングt15)、絞り103の開放を行う(#87)。図6を用いて説明したように、シャッタ閉位置S2は、シャッタ後幕213bが完全に走行終了する位置ではないが、アスペクト比を考慮すると、撮像画面に対する有効光線L3を通過したことから、このタイミングで絞り103の開放を開始させる。ボディCPU251は、レンズCPU111に対して、絞り103が開放絞り値となるように指示を送信する。
絞りを開放にすると、次に、画像の読み出しを開始する(#89)。このステップでは、撮像素子221から画像データを撮像素子駆動回路223によって読み出す。この段階では、縦横位置や設定アスペクト比に係わりなく全画像データを読み出し、前処理回路225または画像処理回路257において、縦横位置や設定アスペクト比に応じた画像データ出力領域の画像データを抽出する。
画像データの読み出しを開始すると、次に、ステップ#11、#51、#65と同様に、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#91)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合には、可動ミラー201の復帰を行う(#93)。すなわち、ステップ#69において可動ミラー201は撮影光学系101の光路から退避していたので、光路中に挿入するように下降させ、ミラー復帰位置Mrまで駆動する。
一方、ステップ#91における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、シャッタ213の開放を行う(#95)。すなわち、ライブビュー表示を再開するために、撮影光学系101からの被写体光束を撮像素子221に導くべく、シャッタ先幕213aを走行させ、シャッタを開放する。
ステップ#93における可動ミラー復帰、またはステップ#95におけるシャッタ開を行うと、次に、画像処理を行う(#97)。すなわち、撮像素子221から読み出された画像信号を前処理回路225、画像処理回路257や圧縮伸張回路259等によって種々の画像処理を行う。また、このステップにおいて、縦横設定や、設定アスペクト比に基づいてトリミング処理される画像データ出力領域の画像データが、前処理回路225、画像処理回路257等によって選択され、画像処理される。
画像処理を行うと、次に、画像記録を行う(#99)。画像記録は、画像処理された画像データ出力領域の画像データを、記録媒体制御回路283によって、記録媒体A285または記録媒体B287に記録する。この画像記録が終わると、元のフローに戻る。
このように、本実施形態においては、ステップ#71および#73においてシャッタ先幕213aの走行開始のタイミングを、縦横位置やアスペクト比によって決まる画像データ出力領域と可動ミラー201の状態に応じて制御している。すなわち、トリミング領域を考慮し、この領域と可動ミラー201の位置に応じて、シャッタ先幕213aの走行開始のタイミングを制御している。このため、縦長や横長の切り換えや、アスペクト比を切り換えトリミング撮影を行う場合に、撮影シーケンスの短縮することができる。すなわち、図5における期間Aの分だけ短縮することができる。この撮影シーケンスの短縮については、図15および図16を用いて本発明を適用しない場合との対比について後述する。
また、本実施形態においては、トリミング領域を考慮し、この領域とシャッタ213の走行位置に応じて、可動ミラー201の駆動を制御している。すなわち、シャッタ後幕213bの走行開始後、絞り103の開放や可動ミラー201の復帰駆動等にあたって、シャッタ後幕213bの走行完了を待たず、シャッタ後幕閉位置S2において絞り開放等を行っている(#85、#87)。このため、縦長や横長の切り換えや、アスペクト比を切り換え、トリミング撮影を行う場合に、撮影シーケンスの短縮することができる。すなわち、図5における期間Cの分だけ短縮することができる。
なお、本実施形態においては、ステップ#71において、ミラー退避位置M2に達しているか否かの判定にあたって、ミラー位置検出センサ240における検出結果に基づいて判定していた。しかし、これに限らず、例えば、可動ミラー201の走行開始してからの時間を計時し、これに基づいて判定するようにしても勿論かまわない。また、ステップ#85において、シャッタ後幕213bがシャッタ閉位置S2に達しているか否かの判定にあたって、シャッタ幕位置検出センサ235における検出結果に基づいて判定した。しかし、これに限らず、例えば、シャッタ後幕213bが走行開始してからの時間を計時し、これに基づいて判定するようにしても勿論かまわない。
次に、本実施形態における撮影シーケンスの短縮について、本発明を適用しない場合の動作との対比で説明する。図15および図16は、本発明を適用しない場合における一般的な撮影動作を示している。図4における本発明の第1実施形態における撮影動作のフローチャートにおけるステップ#71〜#85および#101〜#111と、図15における撮影動作のフローチャートにおける#71B〜#81Bおよび#101〜#103のみであることから、この相違点を中心に説明する。
図15に示す撮影動作のフローに入り、ステップ#61において、レリーズ釦が全押しされたことを判定し、ステップ#65において、ライブビュー表示に設定されていることを判定すると(#65→Y、タイミングt51)、次に、絞り込みを開始し(#67)、可動ミラー201を退避方向に駆動を開始する(#69)。第1実施形態においては、ミラー退避位置M2に達したことを判定するとシャッタ先幕213aの走行を開始していたが、この比較例では、ミラー退避位置M1に達するのを待つ(#71B)。そして、可動ミラー1がミラー退避位置M1に達すると(#71B→Y、タイミングt52)、可動ミラー201の駆動を停止し(#73B)、シャッタ先幕213aの走行を開始させる(#75B)。このため、シャッタ先幕213aが走行開始するのが、第1実施形態に比較し、期間Aだけ遅延している。
そして、露光時間が経過するのを待ち(#77B)、露光時間が終了すると(#77B→Y、タイミングt53)、シャッタ後幕213bの走行を開始させる(#79B)。第1実施形態においては、シャッタ後幕閉位置S2に達すると、絞り103の開放や可動ミラー201の復帰動作を開始させていたが、この比較例では、シャッタ後幕閉位置S1に達するのを待つ(#81B)。そして、シャッタ後幕213bがシャッタ後幕閉位置S1に達すると(#81B→Y、タイミングt54)、絞り103を開放駆動し、可動ミラー201を復帰位置に向けて駆動等を行う。このため、可動ミラー201の復帰駆動を開始するのが、第1実施形態に比較し、期間Cだけ遅延している。
また、ライブビュー表示モードが設定されている場合には、シャッタ213の閉じ動作を行い(#101)、絞り込みを行うと(#103)、シャッタ先幕213aを走行させ、ステップ#75B以下に進んでいる。そしてシャッタ後幕213bのシャッタ後幕閉位置S1に達するのを待ち、可動ミラー201の復帰動作を行っている。このため、可動ミラー201の復帰駆動を開始するのが、第1実施形態に比較し、期間Cだけ遅延している。
このように、第1実施形態においては、縦横位置やアスペクト比設定によるトリミングによって変化する画像データ出力領域に応じて、シャッタ先幕213aや、絞り103、可動ミラー201等の駆動タイミングを制御している。このため、撮影シーケンスの短縮を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図7および図8を用いて説明する。第1実施形態においては、シャッタ先幕213aの走行開始は、ミラー退避位置M2に達した時点で行っていたが、第2実施形態においては、ミラー退避位置M2よりも手前の位置であるミラー退避位置3に達するとシャッタ先幕213aの走行を開始させている。また、第1実施形態においては、可動ミラー201の復帰駆動は、シャッタ後幕閉位置S2に達してから行っていたが、第2実施形態においては、シャッタ後幕閉位置S2よりも手前の位置に対応するミラー復帰時間が経過した時点でミラー復帰駆動を開始している。
第2実施形態における構成は、第1実施形態と同様であり、図4に示したフローチャートを図7に示すフローチャートに置き換え、図5に示したタイミングチャートを図8に示すタイミングチャートに置き換える以外は同様であるので、相違点を中心に説明する。
図7に示す本実施形態における撮影動作のフローにおいて、第1実施形態における図4に示すフローと同様の処理を行うステップについては同一の符号を付し詳しい説明は省略する。レリーズ釦が全押しされ露光動作に入ると(#61→Y)、ライブビュー表示か否かの判定を行い(#65)、この判定の結果、ライブビュー表示ではない場合、すなわち、光学ファインダ表示の場合には(タイミングt21)、絞り込みを開始し(#67)、可動ミラー201の退避方向に駆動を開始する(#69)。
可動ミラー201の駆動を開始すると、次に、ミラー位置検出センサ240の検出結果に基づいて可動ミラー201がミラー退避位置M3に達したか否かの判定を行う(#71A)。第1実施形態においては、ステップ#71において、ミラー退避位置M2であるか否かを判定していたが、本実施形態においては、図6に示すように、ミラー退避位置M2より手前にあるミラー退避位置M3に達したか否かの判定を行う。ステップ#71Aにおける判定の結果、ミラー退避位置M3に達すると(#71A→Y、タイミングt22)、シャッタ先幕213aの走行を開始させる(#73)。
シャッタ先幕213aが走行を開始すると、次に、第1実施形態と同様に、ミラー退避位置M1に達したか否かの判定(#75)を行い、達していない場合には、露光時間が終了したか否かの判定(#79)を行う。この判定の結果、露光時間が終了していなかった場合には、次に、ミラー復帰待ち時間が経過した否かの判定を行う(#82)。このミラー復帰待ち時間は、図8において、シャッタ後幕213bが走行を開始した時点であるタイミングt24からタイミングt25までの時間である。
第1実施形態においては、可動ミラー201の復帰動作は、シャッタ後幕213bがシャッタ後幕閉位置S2に達した時点で開始していたが、第2実施形態においては、シャッタ後幕213bがシャッタ後幕閉位置S2に達する時点において可動ミラー201がミラー退避位置M2に達するように、可動ミラー201の移動時間分を考慮して先のタイミング(t25)でスタートしている。なお、このミラー復帰待ち時間は、本実施形態においては、シャッタ後幕213bの走行開始から計時しているが、これに限らず、シャッタ先幕走行開始など他のタイミングから計時するようにしても良い。
ステップ#82における判定の結果、ミラー復帰待ち時間が経過していない場合には、次に、第1実施形態と同様に、シャッタ後幕閉位置S2に達しているか否かを判定し(#85)、達していなかった場合には、ステップ#75に戻る。ステップ#75における判定の結果、ミラー退避位置M1に達していた場合は(#75→Y、タイミングt23)、可動ミラー201の駆動を停止し(#77)、ステップ#79に進む。
ステップ#79における判定の結果、露光時間が終了していた場合には(#79→Y、タイミングt24)、シャッタ後幕213bの走行を開始させ(#81)、ステップ#82に進む。ステップ#82における判定の結果、ミラー復帰待ち時間が経過した場合には(#82→Y、タイミングt25)、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#83)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなければ、ミラー位置復帰動作を開始させ(#84)、ステップ#85に進む。ミラー位置復帰動作では、ミラー退避位置M1にある可動ミラー201をミラー復帰位置Mrに移動させる。
ステップ#85またはステップ#111における判定の結果、シャッタ後幕閉位置S2に達していた場合には、絞り103を開放し(#87)、画像読み出し(#89)を行う。続いて、ライブビュー表示モードか否かの判定を行い、ライブビュー表示モードであった場合には、シャッタ213の開放を行う(#95)。ステップ#91における判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合、またはステップ#95のシャッタ開放を行うと、次に、画像処理を行い(#97)、画像を記録し(#99)、元のフローに戻る。
このように、本実施形態においては、ステップ#71Aおよび#73においてシャッタ先幕213aの走行開始のタイミングを、縦横位置やアスペクト比によって決まるトリミング領域の画像データ出力領域と可動ミラー201の状態に応じて制御している。また、画像データ出力領域とシャッタ213の状態に応じて、可動ミラー201の駆動タイミングを制御している。このため、縦長や横長の切り換えや、アスペクト比を切り換えた場合に、撮影シーケンスの短縮することができる。特に第2実施形態においては、先幕213aの走行開始を、可動ミラー201がミラー退避位置M3に達した時点で行っていることから、第1実施形態よりもさらに撮影シーケンスを短縮することができる。この結果、図8において期間Aおよび期間Bの分だけ短縮することができる。
また、本実施形態においても、シャッタ後幕213bの走行開始後、絞り103の開放や可動ミラー201の復帰駆動等にあたって、シャッタ後幕213bの走行完了を待たず行っている(#84、#87)。特に第2実施形態においては、可動ミラー201の復帰動作をミラー復帰待ち時間が終了した時点で行っていることから、第1実施形態よりもさらに撮影シーケンスを短縮することができる。この結果、図8において期間Cおよび期間Dの分だけ短縮することができる。
なお、ステップ#71Aにおいて、ミラー退避位置M3に達しているか否かの判定にあたって、ミラー位置検出センサ240における検出結果に基づいて判定していた。しかし、これに限らず、例えば、可動ミラー201の走行開始してからの時間を計時し、これに基づいて判定するようにしても勿論かまわない。また、ステップ#82において、ミラー復帰待ち時間が経過したかをシャッタ後幕213bの走行開始からの計時時間で判定していたが、これに限らず、例えば、シャッタ幕位置検出センサ235による検出結果に基づいて判定しても良い。さらに、ステップ#85において、シャッタ後幕213bが閉位置2に達しているか否かの判定にあたって、シャッタ幕位置検出センサ235における検出結果に基づいて判定した。しかし、これに限らず、例えば、シャッタ後幕213bが走行開始してからの時間を計時し、これに基づいて判定するようにしても勿論かまわない。
次に、本発明の第3実施形態について、図9ないし図11を用いて説明する。第1実施形態および第2実施形態においては、シャッタ213のシャッタ幕213a、213bは上から下に走行していたが、第3実施形態においては、シャッタ幕213は下から上に走行するタイプを使用している。すなわち、シャッタ幕213の走行方向は、可動ミラー201の退避方向と同じ方向である。
第3実施形態における構成は、第1、2実施形態と同様であり、図4および図7に示したフローチャートを図9に示すフローチャートに置き換え、図5および図8に示したタイミングチャートを図10に示すタイミングチャートに置き換え、図6に示した可動ミラー201およびシャッタ213の構造を図11に示すシャッタに置き換える以外は同様であるので、相違点を中心に説明する。
図9に示す本実施形態における撮影動作のフローにおいて、第2実施形態における図7に示すフローと同様の処理を行うステップについては同一の符号を付し詳しい説明は省略する。レリーズ釦が全押しされ露光動作に入ると(#61→Y)、ライブビュー表示モードか否かの判定を行い(#65)、この判定の結果、ライブビュー表示モードではない場合、すなわち、光学ファインダ表示モードの場合には(タイミングt31)、絞り込みを開始する(#67)。絞り込み速度は、縦横位置またはアスペクト比で決まるトリミング領域の露光範囲において露光が開始する前に終了するように速度を設定しておく。続いて、可動ミラー201の退避方向への駆動を開始する(#69)。
可動ミラー201の駆動を開始すると、次に、シャッタ先幕待ち時間が終了したか否かの判定を行う(#72)。第1および第2実施形態においては、ステップ#71、#71Aにおいて、ミラー退避位置M2またはミラー退避位置M3であるか否かを判定していたが、本実施形態においては、可動ミラー201が退避方向に駆動開始してからの時間が、シャッタ先幕待ち時間が経過したか否かを判定している。シャッタ先幕213aは下から上に走行し、可動ミラー201と同じ方向に走行するので、ミラー退避開始後、直ちにシャッタ先幕213aの走行を開始しても良い。可動ミラー201の退避速度に比較しシャッタ先幕213aの走行速度が速い場合には、ステップ#72においてシャッタ先幕時間待ち時間を設け、可動ミラー201の退避速度が速い場合にはステップ#72における待ち時間は0で良い。
ステップ#72における判定の結果、待ち時間が終了すると(#72→Y、タイミングt32)、シャッタ先幕213aの走行を開始させる(#73)。シャッタ先幕213aが走行を開始すると、次に、第1および第2実施形態と同様に、ミラー退避位置M1に達したか否かの判定(#75)を行い、達していない場合には露光時間が終了したか否かの判定(#79)を行う。露光時間が終了していなかった場合には、次に、第2実施形態と同様に、ミラー復帰待ち時間が経過した否かの判定を行う(#82)。このミラー復帰待ち時間は、図10において、シャッタ後幕213bが走行を開始した時点タイミングt33からタイミングt35までの時間である。なお、このミラー復帰待ち時間の計時開始のタイミングはシャッタ後幕213bの走行開始時に限らず、他のタイミングでも構わない。
ステップ#82における判定の結果、ミラー復帰待ち時間が経過していない場合には、次に、第1および第2実施形態と同様に、シャッタ後幕閉位置S2に達しているか否かを判定し(#85)、達していなかった場合には、ステップ#75に戻る。ステップ#75における判定の結果、ミラー退避位置M1に達していた場合は(#75→Y、タイミングt34)、可動ミラー201の駆動を停止し(#77)、ステップ#79に進む。
ステップ#79における判定の結果、露光時間が終了していた場合には(#79→Y、タイミングt33)、シャッタ後幕213bの走行を開始させ(#81)、ステップ#82に進む。ステップ#82における判定の結果、ミラー復帰待ち時間が経過した場合には(#82→Y、タイミングt35)、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#83)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなければ、ミラー位置復帰動作を開始させる(#84)。このミラー復帰動作中は、シャッタ後幕213bが下から上に走行中であり、後幕走行方向と、可動ミラー201の移動方向が異なるため、可動ミラー201がミラー退避位置M2に到達する前にシャッタ後幕213bは、シャッタ後幕閉位置S2に到達していなければならない。したがって、図10において期間Eは0以上でなければならない。ミラー位置復帰動作を開始すると、ステップ#85に進む。
ステップ#85における判定の結果、シャッタ後幕閉位置S2に達していた場合には、絞り103を開放し(#87)、画像読み出し(#89)を行う。続いて、ライブビュー表示モードか否かの判定を行い、ライブビュー表示モードであった場合には、シャッタ213の開放を行う(#95)。ステップ#91における判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合、またはステップ#95のシャッタ開放を行うと、次に、画像処理を行い(#97)、画像を記録し(#99)、元のフローに戻る。
このように、本実施形態においては、ステップ#72および#73においてシャッタ先幕213aの走行開始のタイミングを、縦横位置やアスペクト比によって決まるトリミング領域の画像データ出力領域と可動ミラー201の状態に応じて制御している。また、画像データ出力領域とシャッタ213の状態に応じて、可動ミラー201の駆動タイミングを制御している。このため、縦長や横長の切り換えや、アスペクト比を切り換えた場合に、撮影シーケンスの短縮することができる。特に第3実施形態においては、先幕213aの走行方向と可動ミラー201の退避移動方向を同じ方向としていることから、ほぼ同時期から駆動を開始することでシャッタ先幕待ち時間を短縮することができ、第2実施形態よりもさらに撮影シーケンスを短縮することができる。この結果、図10において期間Aおよび期間Bの分、さらにシャッタ先幕時間を短縮することができる。
また、本実施形態においても、シャッタ後幕213bの走行開始後、可動ミラー201の復帰駆動等にあたって、シャッタ後幕213bの走行完了を待たず行っている(#82、#84)。特に第3実施形態においては、第2実施形態と同様、可動ミラー201の復帰動作をミラー復帰待ち時間が終了した時点で行っていることから、第1実施形態よりもさらに撮影シーケンスを短縮することができる。この結果、図10において期間Cおよび期間D−Eの分を短縮することができる。
なお、ステップ#72において、シャッタ先幕待ち時間が終了しているか否かの判定にあたって、可動ミラー201の駆動開始からの時間を計時して判定していた。しかし、これに限らず、例えば、ミラー位置検出センサ240の検出結果に基づいて判定するようにしても勿論かまわない。また、ステップ#82において、ミラー復帰待ち時間が経過したか否かをシャッタ後幕213bの走行開始からの計時時間で判定していたが、これに限らず、例えば、シャッタ幕位置検出センサ235による検出結果に基づいて判定しても良い。さらに、ステップ#85において、シャッタ後幕213bがシャッタ閉位置S2に達しているか否かの判定にあたって、シャッタ幕位置検出センサ235における検出結果に基づいて判定した。しかし、これに限らず、例えば、シャッタ後幕213bが走行開始してからの時間を計時し、これに基づいて判定するようにしても勿論かまわない。
次に、本発明の第4実施形態について、図12ないし図14を用いて説明する。第1実施形態ないし第3実施形態においては、シャッタ213はフォーカルプレーンシャッタであったが、第4実施形態においては、シャッタ104は、レンズシャッタタイプを使用している。
第4実施形態における構成は、フォーカルプレーンシャッタ213に代えてレンズシャッタ104を撮影光学系101中に設け、レンズCPU111はレンズシャッタ104を制御すべく接続されている以外は第1ないし第3実施形態と同様であり、図4、図7および図9に示したフローチャートを図12に示すフローチャートに置き換え、図5、図8および図10に示したタイミングチャートを図13に示すタイミングチャートに置き換え、図6および図11に示した可動ミラー201およびシャッタ213の構造を図13に示すレンズシャッタおよび可動ミラー201に置き換える以外は同様であるので、相違点を中心に説明する。
図12に示す本実施形態における撮影動作のフローにおいて、第2実施形態における図7に示すフローと同様の処理を行うステップについては同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
図12に示す撮影動作のフローに入り、レリーズ釦が全押しされ露光動作に入ると(#61→Y)、ライブビュー表示か否かの判定を行い(#65)、この判定の結果、ライブビュー表示ではない場合、すなわち、光学ファインダ表示の場合には(タイミングt41)、絞り込みを開始し(#67)、可動ミラー201の退避方向に駆動を開始する(#69)。ステップ#67における絞り込みにあたっては、レンズCPU111に絞り込み指示信号を送信し、縦横位置やアスペクト比で定まる露光範囲での露光が開始する前までに終了するように絞り込み速度を設定しておく。
可動ミラー201の駆動を開始すると、次に、ミラー位置検出センサ240の検出結果に基づいて可動ミラー201がミラー退避位置M2に達したか否かの判定を行う(#71)。この判定の結果、ミラー退避位置M2に達すると(#71→Y、タイミングt42)、シャッタの開動作を開始させる(#73A)。すなわち、レンズCPU111に対してレンズシャッタ104の開動作を指示する。
レンズシャッタ104が開動作を開始すると、次に、第1ないし第3実施形態と同様に、ミラー退避位置M1に達したか否かの判定(#75)を行い、達していなかった場合には、続いて、シャッタ閉待ち時間が終了したか否かの判定(#79A)を行う。このシャッタ閉待ち時間は、シャッタ開動作開始から、ステップ#55または#59における露出量演算で求めたシャッタ速度若しくは手動設定されたシャッタ速度を考慮した時間である。
シャッタ閉待ち時間が終了していなかった場合には、次に、ミラー復帰待ち時間が経過した否かの判定を行う(#82)。このミラー復帰待ち時間は、図13において、レンズシャッタ104が閉動作を開始するタイミングt44からタイミングt45までの期間である。レンズシャッタ104の閉動作が完了する時点で、可動ミラー201がミラー退避位置M2に達するように、ミラー復帰待ち時間を設定する。なお、このミラー復帰待ち時間は、本実施形態においては、シャッタ104の閉動作開始から計時しているが、これに限らず、シャッタ104の開動作開始など他のタイミングから計時するようにしても良い。
ステップ#82における判定の結果、ミラー復帰待ち時間が経過していない場合には、次に、シャッタ閉動作が完了しているか否かを判定し(#85A)、完了していなかった場合には、ステップ#75に戻る。なお、レンズシャッタ104のシャッタ閉動作完了検出用のセンサを交換レンズ100内に設け、レンズCPU111がこの検出結果をボディCPU251に送信する。ステップ#75における判定の結果、ミラー退避位置M1に達していた場合は(#75→Y、タイミングt43)、可動ミラー201の駆動を停止し(#77)、ステップ#79Aに進む。
ステップ#79Aにおける判定の結果、露光時間が終了していた場合には(#79A→Y、タイミングt44)、レンズシャッタ104の閉動作を開始させ(#81A)、ステップ#82に進む。ステップ#82における判定の結果、ミラー復帰待ち時間が経過した場合には(#82→Y、タイミングt45)、ライブビュー表示モードか否かの判定を行う(#83)。この判定の結果、ライブビュー表示モードでなければ、ミラー位置復帰動作を開始させ(#84)、ステップ#85Aに進む。ミラー位置復帰動作では、ミラー退避位置M1にある可動ミラー201をミラー復帰位置Mrに移動させる。
ステップ#65における判定の結果、ライブビュー表示モードであった場合には、シャッタの閉動作を行う(#101)。露光動作を行うために、レンズシャッタ104のシャッタチャージを行う必要があり、そこで、一旦シャッタを閉じ状態にする。このステップでは、ボディCPU251はレンズCPU111に対して、レンズシャッタ104の閉動作を指示する。続いて、絞り103の絞り込み動作を開始し(#103)、レンズシャッタ104のシャッタ開動作を開始する(#105A)。続いて、ステップ#79Aと同様に、シャッタ閉待ち時間が経過したか否かの判定を行う(#107A)。この判定の結果、待ち時間が経過していなかった場合には、ステップ#85Aと同様に、シャッタ閉動作が完了したかを判定し(#111A)、この判定の結果、完了していなかった場合には、ステップ#107Aに戻る。ステップ#107Aにおける判定の結果、シャッタ閉待ち時間が経過した場合には、レンズシャッタ104の閉動作を実行し(#109A)、ステップ#111Aに進む。
ステップ#85Aまたはステップ#111Aにおける判定の結果、シャッタ閉動作が完了していた場合には、絞り103を開放し(#87)、画像読み出し(#89)を行う。続いて、ライブビュー表示モードか否かの判定を行い、ライブビュー表示モードであった場合には、レンズシャッタ104の開放を行う(#95)。ステップ#91における判定の結果、ライブビュー表示モードでなかった場合、またはステップ#95のシャッタ開放を行うと、次に、画像処理を行い(#97)、画像を記録し(#99)、元のフローに戻る。
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、縦横位置やアスペクト比等によって設定されるトリミング領域に応じた画像データ出力領域と可動ミラーの状態とに応じて、シャッタ制御部の駆動タイミングを制御するようにしている。このため、縦長や横長の切り換えや、アスペクト比を切り換えた場合に、撮影シーケンスの短縮を可能としている。
また、本発明の各実施形態においては、縦横位置やアスペクト比等によって設定されるトリミング領域に応じた画像データ出力領域とシャッタの状態とに応じて、可動ミラーの駆動タイミングを制御している。このため、縦長や横長の切り換えや、アスペクト比を切り換えた場合に、撮影シーケンスの短縮を可能としている。
なお、本発明の実施形態においては、光学ファインダとライブビュー表示の両方の表示部を有していたが、いずれか一方でもよく、例えば、光学ファインダのみでもよく、逆にライブビュー表示のみでも良い。
また、本発明の実施形態においては、縦横位置やアスペクト比によって決まる画像データ出力領域の画像データは、前処理回路225や画像処理回路257によって、撮像素子駆動回路223から出力される画像データの中から選択していた。しかし、これに限らず、例えば、撮像素子221から読み出す際に、縦横位置やアスペクト比によって決まる範囲についてのみ、画像データを読み出すようにしても良い。
さらに、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも構わない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。