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JP5281253B2 - フィールドエミッション型面状光源 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置の背後直下に配置されて当該液晶表示装置を照明する直下配置型バックライトとして用いるフィールドエミッション型面状光源に関するものである。
従来のフィールドエミッション型面状光源には、遮光側と発光側一対のフラットパネル間の真空密封内部に蛍光体付き陽極と電子エミッタとを対向配置したものがある(特許文献1参照。)。
本出願人は、上記フィールドエミッション型面状光源を液晶表示装置の直下配置型のバックライトとしてリア側フラットパネルの内面をリア側フラットパネル上に立設したフロント側フラットパネル補強用リブにより、底浅で奥行きに長い凹部を横方向複数個連続的に並べた形状とし、その凹部内底面上に奥行きに長いワイヤ状の電子エミッタを配置すると共に、内面に蛍光体付き陽極を設けたフロント側フラットパネルによりその凹部内空間を真空気密に覆ったフィールドエミッション型面状光源を開発している。そして、このフィールドエミッション型面状光源で課題となったのは、フロント側フラットパネル内面の蛍光体からは面内均一に発光させることができず、面方向における発光輝度が一様でなくなり発光むらが起こりやすいことであり、その原因を解明することであった。
特開2001−338723
本出願人が鋭意研究した結果、上記開発にかかるフィールドエミッション型面状光源では、大型の液晶表示装置を背面から照明する直下配置型バックライトとして用いた場合、液晶表示装置の背面スペースは極めて狭く制約されており、そのために、上記両パネルのパネル面積が極めて広くなっているのに対して両パネルの対向間隔が極めて狭く、そのためガラス製のフロント側フラットパネルでは容易に変形して両パネルの対向間隔を面内均等に維持しにくい。そのため両パネル間に補強リブを介装することにより補強する必要があった。しかしながら、この補強リブの場合、絶縁性であるために、電子エミッタ配置空間内に配置した電子エミッタから放出した電子の一部が余剰電子として容易にリア側フラットパネル内面だけでなく補強リブ外側面にチャージアップしてしまい、このチャージアップした電子がある電界に達したときに電界破壊したり絶縁破壊したりし、その破壊した箇所等で異常放電を起こしやすく、またその異常放電の箇所も不定で特定しないことが、フロント側フラットパネル内面側の蛍光体の発光状態が均一化せず、発光むらすることに原因があったことを解明することができた。
したがって、本発明により解決すべき課題は、上記複数の凹部内に奥行きに長いワイヤ状の電子エミッタを配置するフィールドエミッション型面状光源において、フロント側フラットパネルの発光を均一化して発光品質を向上することである。
本発明によるフィールドエミッション型面状光源は、サイドパネルおよび複数のリブと共にリア側フラットパネルの内面上に底浅で奥行きに長い凹部を横方向複数連続的に形成し、フロント側フラットパネルにより前記凹部内空間を真空気密に覆い、前記フロント側フラットパネルの内面、前記サイドパネルの内側面、前記リア側フラットパネルの内面、さらに前記リブの両外側面に陽極を一体形成して、前記各凹部を前記陽極で取り囲み、前記各凹部の前記フロント側フラットパネルに形成した前記陽極の内面に蛍光体を形成し、前記各凹部の前記リア側フラットパネルに形成した前記陽極の内面に奥行き方向に延びる絶縁膜を設けると共に、前記絶縁膜上に奥行き方向に長くワイヤ状の電子エミッタを固定配置したことを特徴とするものである。
本発明では、上記凹部内面全体を陽極で取り囲むので、凹部内面に電子がチャージアップすることが防止され、チャージアップによる異常放電が生起しなくなると共に、電子エミッタは絶縁膜上に設けたので、電子エミッタの配置が空中架設する場合よりも容易であると共に、その絶縁膜にチャージアップした電子は絶縁膜下面の陽極に容易に抜けてしまう結果、絶縁膜がチャージアップして異常放電するようなことを効果的に防止することができ、その結果、電子エミッタは電界放射により均等に電子放出し、フロント側フラットパネル全体からの発光を均一化することができるようになる。
本発明の好ましい別の態様は、上記電子エミッタを導電性ワイヤの外周面のうちフロント側フラットパネルに対向する外周面にのみ電界放射炭素膜を成膜して構成することである。上記電界放射炭素膜は直径がnmオーダーの尖鋭な微細部分を多数備えたものであり、例えば、チューブ形状、ウォール形状、その他の形状を備えたナノ炭素材料からなる。
以上のことから、本発明の面状光源を液晶表示装置の直下配置型バックライトとして用いた場合、入射効率および入射光量に優れたバックライトを得ることが可能となる。
もちろん、本発明の面状光源はバックライト以外に高輝度で発光均一性に優れた通常一般の照明ランプとしても提供することができる。
本発明によれば、液晶表示装置の大型化かつ薄型化に対応してリア側フラットパネルとフロント側フラットパネルとのパネル面積を大きくかつ互いの対向間隔を狭くした結果、両パネル間に補強リブを介装したりしてチャージアップしやすい環境になっても、陽極により凹部内空間を取り囲む構造であるので、凹部内面がチャージアップせず、フロント側フラットパネル全体から均一発光することができる。その結果、本発明では、高入射効率と高輝度化とを期待し得る液晶表示装置の直下配置型バックライトを提供することができる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係るフィールドエミッション型面状光源(単に面状光源という)を詳細に説明する。
図1ないし図4を参照して本発明の参考例に係る面状光源を説明する。図1は、面状光源の側面方向の断面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図、図3は、面状光源の動作説明のために供する要部の拡大断面図、図4は、実施の形態の面状光源を液晶表示装置の直下配置型バックライトとして組み込んだ図である。
これらの図を参照して、面状光源10は、リア側フラットパネル12と、リア側フラットパネル12と対向配置されたフロント側フラットパネル14と、リア側フラットパネル12の周囲四方から垂直に立ち上がる4つのサイドパネル16とからなる真空密封ケース18を有する。
リア側フラットパネル12はその周囲を4つのサイドパネル16で囲まれて内部に浅底の複数の凹部20を形成し、各凹部20はフロント側フラットパネル14で密封されている。なお、説明の便宜のため、図1および図2にその方向を記載したように図1では紙面を垂直に貫通する方向を奥行き方向、左右方向を横方向、上下方向を厚み方向という。厚み方向の寸法が短いと面状光源が薄型となり、奥行き方向および横方向寸法が大きいと面状光源の光出射面積が大型となる。
リア側フラットパネル12およびサイドパネル16は樹脂等の絶縁材料から成形され、フロント側フラットパネル14は、透明ないしは半透明のガラスや樹脂等の光透過性材料から成形されている。
以上の真空密封ケース18において、リア側フラットパネル12の内面上には横方向で対向する2辺の両サイドパネル16間に横方向等間隔で奥行き方向に互いに平行に長く延びる複数のリブ22が立設されている。各リブ22の奥行き寸法は互いに等しく、サイドパネル16の奥行き寸法よりも短い。各リブ22の奥行き方向両端は、奥行き方向両側で対向するサイドパネル16の内側面から間隔をあけて配設されている。リブ22の縦方向のリブ端面22aは、フロント側フラットパネル14が真空密封ケース18内の真空圧で変形しないように該フロント側フラットパネル14の内面を支持して補強している。
リア側フラットパネル12と4つのサイドパネル16とで形成される各凹部20は、リブ22により、奥行きが長い複数の小さい凹部20に区画されている。各凹部20は、サイドパネル16内側面とフロント側フラットパネル14内面とリア側フラットパネル12内面とリブ22両外側面とにより規定される。
各凹部20それぞれのフロント側フラットパネル14内面に、蛍光体26付きの陽極24が配置されている。
さらに陽極24は、サイドパネル16の内側面やリア側フラットパネル12内面、さらにリブ22両外側面にまで沿設されて形成されている。
このように凹部20は陽極24で取り囲まれ、この凹部20内に奥行き方向ワイヤ状に電子エミッタ28が空中架設されている。この電子エミッタ28は、導電性ワイヤ28aと、その外周面に設けられた、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール、その他のカーボン系の微細な凹凸を有するカーボン膜28bとから構成されている。電子エミッタ28の両端は、その長手方向両側に位置するサイドパネル16内面の円形穴16aの内底面に設けた両端固定穴16bに挿入されて固定され、これによって、凹部20内に空中架設されている。
以上の構成において、図3で示すように、陽極24と電子エミッタ28とに直流電源30から直流電圧が印加されると、電子エミッタ28から電界放射により陽極24に向けて電子放出が行われ、これによって蛍光体26は電子衝突で励起発光しフロント側フラットパネル14から発光が行われる。一方、陽極24には電子がチャージアップすることはない。
以上から参考例では、各凹部20内に電子エミッタ28を空中架設し、フロント側フラットパネル14内面に蛍光体26を配置すると共に上記凹部20内空間全体を陽極24で取り囲むことにより凹部20内面を規定するリブ22外側面やリア側フラットパネル12内面やサイドパネル16内側面に電子がチャージアップすることを防止することができ、凹部20内面がチャージアップしなくなって、そのチャージアップによる異常放電が生起しなくなると共に、電子エミッタ28は空中架設によりフロント側フラットパネル14により近づき、より低い電界で電子エミッタ28から電子を放出させやすくなる結果、フロント側フラットパネル14全体からの発光を高輝度・高均一化を達成することができるようになる。
図4に参考例の面状光源10を液晶表示装置32の背面に直下配置型バックライトとして装着した状態を示している。
図5および図6を参照して実施の形態に係る面状光源を説明する。図5および図6において、参考例の面状光源と対応する部分には同一の符号を付している。
実施の形態においては、各凹部20内空間を個別に陽極24で取り囲み、各凹部20内の陽極24上に奥行き方向に延びる絶縁膜34を設けると共にこの絶縁膜34上に電子エミッタ28を固定配置したものである。実施の形態では、凹部20内面全体に陽極24を形成したので、凹部20内面に電子がチャージアップすることが防止され、チャージアップによる異常放電は生起しなくなると共に、電子エミッタ28は絶縁膜24上に設けたので、電子エミッタ28の配置が空中架設する場合よりも容易であると共に、その絶縁膜34にチャージアップした電子は絶縁膜34下面の陽極24に容易に抜けてしまう結果、絶縁膜34がチャージアップして異常放電するようなことを効果的に防止することができ、その結果、電子エミッタは電界放射により均等に電子放出し、フロント側フラットパネル14全体からの発光を均一化することができるようになる。
本発明の参考例に係るフィールドエミッション型の面状光源の断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1の面状光源の拡大断面図である。 図4は参考例の面状光源を液晶表示装置の直下配置型バックライトとして組み込んだ図である。 図5は本発明の実施の形態に係るフィールドエミッション型面状光源の断面図である。 図6は図5のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
10 フィールドエミッション型面状光源
12 リア側フラットパネル
14 フロント側フラットパネル
16 サイドパネル
18 パネルケース
20 凹部
22 リブ
24 陽極
26 蛍光体
28 電子エミッタ

Claims (1)

  1. サイドパネルおよび複数のリブと共にリア側フラットパネルの内面上に底浅で奥行きに長い凹部を横方向複数連続的に形成し、フロント側フラットパネルにより前記凹部内空間を真空気密に覆い、
    前記フロント側フラットパネルの内面、前記サイドパネルの内側面、前記リア側フラットパネルの内面、さらに前記リブの両外側面に陽極を一体形成して、前記各凹部を前記陽極で取り囲み、
    前記各凹部の前記フロント側フラットパネルに形成した前記陽極の内面に蛍光体を形成し、
    前記各凹部の前記リア側フラットパネルに形成した前記陽極の内面に奥行き方向に延びる絶縁膜を設けると共に、前記絶縁膜上に奥行き方向に長くワイヤ状の電子エミッタを固定配置した、ことを特徴とするフィールドエミッション型面状光源。
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