JP5279859B2 - バリ評価装置 - Google Patents
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Description
コントロールバルブボディに油穴を形成する際には、油穴と油穴との交差部にいわゆるバリが発生する。そのため、高圧洗浄やブラシ、そして特許文献1に開示されたバリ取り装置などにより、交差部に発生したバリを取り除くことが試みられるが、総てのバリを完全に取り除くことは難しかった。
そのため、残ったバリが脱落する虞のあるバリであるか否かを確認し、脱落する虞のあるバリについては、再度バリ取り装置などで取り除き、脱落する虞のないバリについてはそのまま残すようにしていた。
しかし、かかる確認方法の場合、折れたシャープペンシルの芯が夾雑物となってしまう虞があった。
よって、バリの強度が十分であって脱落する虞がない場合には、当接部がバリを押圧する押圧力が大きくなって、バリから受ける反力が所定の付勢力を超えた時点で、軸部材がバリから離れる方向に移動する。一方、バリの強度が高くない場合には、当接部でバリを押圧している途中でバリが折れてしまうので、軸部材がバリから離れる方向に移動しない。
これにより、軸部材が移動するか否かに基づいて、脱落する虞のあるバリであるか否かを判定できる。また、この際に、夾雑物となり得る破片などを生ずることがない。
本体部10の内側には、本体部10を軸方向に貫通する貫通穴14が、本体部10の中心を通る軸線X(中心軸X)に沿って形成されている。
ここで、ブッシュ取付部11aの所定幅Wは、軸部材20の先端側(当接部21側)がぶれる(振動する)ことなく中心軸Xに沿って移動できるようになる幅とされている。
なお、この所定幅Wは軸部材20の長さに応じて適宜変更される。
把持部12における溝18が設けられた範囲は、バリ評価装置を使用するユーザにより把持部12が把持された際に、滑り止めとなるようにされている。
図1および図2の(a)に示すように、把持部12は縮径部11よりも厚肉で形成されており、その外径D3は、長手方向の全長に亘って同じである。
プランジャ取付部13の外周における取付孔13aに対応する位置には、ナット17が取り付けられている。ナット17は、中央のネジ穴17aが取付孔13aと整合するように設けられている。
この状態で、軸部材20のプランジャ受部23には、ボールプランジャ30のボール30bを介して付勢力が作用しており、軸部材20の軸方向への移動が規制されている。
切欠き13bは、中心軸Xを挟んで対象となる位置で互いに平行な仮想線Im1、Im2に沿って設けられている。切欠き13bの幅W2は、後記する回り止めピン25を挿入可能な幅で形成されている。
さらに、切欠き13bの外周面13cからの深さDsは、回り止めピン25が切欠き13bに挿入された状態において、軸部材20(当接部21、軸部22、プランジャ受部23、ストッパ24、ボルトB)が、中心軸X上に配置される深さに設定されている(図1の(a)参照)。
図2の(b)に示すように、軸部22の先端には、中心軸Xに直交する平坦面22aが設けられている。平坦面22aの直径D5は、軸部22の外径D6よりも小さくなっており、軸部22の先端側は、平坦面22aに向かうにつれて縮径している。
当接部21は、長手方向の全長に亘って同一径(例えば0.5φ)を有しており、その先端面21aは、前記した平坦面22aと同様に、中心軸Xに対して直交する平坦面となっている。
実施の形態では、この先端面21aが、バリの強度を評価する際に、バリに直接当接する当接面となっている。
さらに、この当接部21をロウ付けにより、軸部22の先端に取り付けるようにすると、上記のような焼き入れが不要になる。よって、制作コストの上昇を好適に防止できる。
これにより、プランジャ取付部13は、貫通穴14内で中心軸Xの軸方向に移動可能とされている。
図3の(a)に示すように、プランジャ受部23では、長手方向の中央部における外周面に、ボールプランジャ30のボール30bが嵌合する凹溝232が形成されており、この凹溝232は、中心軸X周りの周方向で全周に亘って形成されている。
このネジ穴には、ボルトBが螺入されており、プランジャ受部23の他端には、ボルトBを介してストッパ24が固定されている。
図3および図4の(c)に示すように、ストッパ24の外径D8は、プランジャ取付部13のストッパ24側の外径と同じであり、プランジャ取付部13に中心軸Xの軸方向から当接して、貫通穴14の開口を塞いでいる。
この状態において、軸部材20のストッパ24から突出する回り止めピン25が、本体部10の切り欠き13bに挿入されているので、軸部材20が本体部10に対して回り止めされた状態でセットされる。
よって、軸部材20は、ボールプランジャ30からの付勢力により、軸方向への移動が規制されると共に、軸部材20にボールプランジャ30からの付勢力よりも大きい力が作用して軸方向に移動する場合には、ブッシュ15との摺動抵抗が主として作用するようになっている。
図5は、油穴Aと油穴Bとの交差部にあるバリTの評価を説明する図であり、(a)は、バリの評価の前の状態を、(b)は、バリの評価により、軸部材20が軸方向に移動した場合を、(c)は、バリの評価により、バリTが折れた場合を説明する図である。
この状態から、当接部21でバリTを押す方向に、バリ評価装置1を移動させると、
軸部材20には、バリTからの反力が作用して、図中矢印F2で示す方向に軸部材を移動させようとする力が作用する。
ボールプランジャ30は、スプリング30aによる付勢力でボール30bをプランジャ受部23の凹溝232に当接させているので、プランジャ受部23(軸部材20)には、図中矢印F1で示す方向に付勢力が作用しており、軸部材20の軸方向の移動が規制されている。
これにより、軸部材20の全体が、バリTから離れる方向に移動して、ストッパ24の回り止めピン25が、プランジャ取付部13の切欠き13bから外れ、プランジャ受部23が貫通穴14の下側の面に当接した状態になる。
かかる場合、バリTが折れ曲がった時点で、当接部21がバリTから受ける反力F2がなくなる。さらに、バリTからの反力F2がボールプランジャ30からの付勢力F1よりも大きくならないので、軸部材20は、図5の(c)に示す初期位置のままで保持されることになる。
よって、バリTが折れ曲がったことにより、当接部21がバリTから受ける反力F2が失われたことと、軸部材20が移動しないことをもって、バリTが脱落する虞のあるバリであると判定できることになる。
よって、バリの強度が十分であって脱落する虞がない場合には、当接部21がバリを押圧する押圧力が大きくなって、バリから受ける反力が所定の付勢力を超えた時点で、軸部材20がバリから離れる方向に移動する。一方、バリの強度が高くない場合には、当接部21でバリを押圧している途中でバリが折れてしまうので、軸部材20がバリから離れる方向に移動しない。これにより、軸部材20が軸方向に移動するか否かに基づいて、脱落する虞のあるバリであるか否かを判定できる。また、この際に、夾雑物となり得る破片などを生ずることがない。
さらに、軸部材20がバリから離れる方向に移動する際に、ストッパ24が本体部10から外れるので、軸部材20移動を確実に把握できる。
当接部21を別部材とすることで、当接部21が損傷した場合は、当接部を交換するだけで良い。また、切削加工などにより、軸部材20の先端に当接部を形成する場合には、当接部21の強度を確保するために焼き入れなどの処理が必要となる。これに対して、当接部21を別部材としてロウ付けにより固定すると、作製コストが安価になる。
第2の実施形態にかかるバリ評価装置1Aでは、第1の実施形態におけるボールプランジャ30の代わりにスプリングSを用いて、軸部材20の軸方向の移動を規制している。
このスプリング当接部23Aは、本体部10の貫通穴14よりも小さい径で形成されており、貫通穴14内を軸方向に移動可能とされている。
そして、スプリング当接部23Aにおける軸部22とは反対側の面に、スプリングSの一端が当接している。
付勢力調整機構50は、外周に雄ネジ51aが形成された軸部51と、軸部51の基端から径方向外側に延びるフランジ部52と、調整ネジ53とを備える。
軸部51において、軸部材20側の先端には、軸部51よりも小径のスプリング取付部511が設けられている。スプリング取付部511は円柱形状を有しており、その外周には、スプリングSの他端が外嵌して取り付けられている。
軸部51において、本体部10の外部に位置する基端の外周面には、径方向外側に延びるフランジ部52が全周に亘って設けられている。
このマークMkは、バリTからの反力を受けて軸部材20が軸方向に移動したことを、目視により確認できるようにするために設けられている。
図7は、油穴Aと油穴Bとの交差部にあるバリTの評価を説明する図であり、(a)は、バリの評価により、軸部材20が軸方向に移動した場合を、(b)は、バリの評価により、バリTが折れた場合を、それぞれ説明する図である。
この状態から、当接部21でバリTを押す方向に、バリ評価装置1Aを移動させると、軸部材20には、バリTからの反力が作用して、図中矢印F2で示す方向に軸部材を移動させようとする力が作用する。
スプリングSは、軸部材20のスプリング当接部23Aに当接しており、軸部材20を図中矢印F1で示す方向に付勢しており、軸部材20の軸方向の移動を規制している。
これにより、軸部22が図中右方向に移動して、軸部22の外周のマークMkが、本体部10の縮径部11内に隠れて見えなくなる。
かかる場合、スプリングSからの付勢力F1が、当接部21がバリTから受ける反力F2よりも大きいままなので、軸部材20は軸方向に移動しない。よって、軸部22の外周のマークMkが、本体部10の縮径部11内に隠れて見えなくなることがない。
さらに、バリTが折れ曲がった時点で、当接部21がバリTから受ける反力F2がなくなるので、その反力が失われたことによっても、バリTが脱落する虞のあるバリであると把握できることになる。
よって、バリの強度が十分であって脱落する虞がない場合には、当接部21がバリを押圧する押圧力が大きくなって、バリから受ける反力が所定の付勢力を超えた時点で、軸部材20がバリから離れる方向に移動してマークMkが見えなくなる。一方、バリの強度が高くない場合には、当接部21でバリを押圧している途中でバリが折れてしまうので、軸部材20がバリから離れる方向に移動しない。よって、マークMkは依然として視認可能である。これにより、軸部材20のマークが見えなくなったか否かに基づいて、脱落する虞のあるバリであるか否かを判定できる。また、この際に、夾雑物となり得る破片などを生ずることがない。
10 本体部
11 縮径部
11a ブッシュ取付部
12 把持部
13 プランジャ取付部
13a 取付孔
13b 切り欠き
14 貫通穴
15 ブッシュ
17 ナット
18 溝
20 軸部材
21 当接部
22 軸部
23 プランジャ受部
23A スプリング当接部
24 ストッパ(カバー)
25 回り止めピン
30 ボールプランジャ
30a スプリング
30b ボール(球体)
50 付勢力調整機構
51 軸部
52 フランジ部
53 調整ネジ
232 凹溝
511 スプリング取付部
B ボルト
Mk マーク
S スプリング
T バリ
X 中心軸
Claims (3)
- 筒状の本体部と、
前記本体部で軸方向に移動可能に支持されると共に、バリに当接させる当接部を有する一端側を前記本体部の外に位置させた軸部材と、
前記当接部で前記バリを押圧したときに前記バリから受ける反力に抗する所定の付勢力を前記軸部材に与える付勢手段と、を備え、
前記付勢手段は、前記軸部材の径方向から、前記所定の付勢力を前記軸部材に与える向きで設けられており、
前記軸部材は、前記バリから受ける反力が前記所定の付勢力よりも大きくなって前記軸方向に移動すると、前記本体部内に位置する他端側が前記本体部から突出するように設けられていることを特徴とするバリ評価装置。 - 前記付勢手段は、スプリングで付勢された球体を備えるボールプランジャであり、
前記本体部内に位置する前記軸部材の外周には、前記球体が嵌合する凹溝が設けられて
いることを特徴とする請求項1に記載のバリ評価装置。 - 前記軸部材は、前記本体部の一端側で支持されており、
前記軸部材の他端には、前記本体部の他端に前記軸方向から当接して、前記本体部の他端側開口を塞ぐカバーが設けられており、
前記軸部材は、前記カバーから前記本体部側に突出する突起を、前記本体部に係合させて、前記本体部で回り止めされた状態で支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバリ評価装置。
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