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JP6892662B2 - ステアリングホイール接続継手部品及びステアリングホイール接続継手 - Google Patents

ステアリングホイール接続継手部品及びステアリングホイール接続継手 Download PDF

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JP6892662B2 JP2018002278A JP2018002278A JP6892662B2 JP 6892662 B2 JP6892662 B2 JP 6892662B2 JP 2018002278 A JP2018002278 A JP 2018002278A JP 2018002278 A JP2018002278 A JP 2018002278A JP 6892662 B2 JP6892662 B2 JP 6892662B2
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Description

本発明は、ステアリングホイール接続継手部品及びステアリングホイール接続継手に関する。
車両などに装着されている純正(標準仕様)のステアリングホイールは、利用者の好みなど、必要に応じて純正以外(標準仕様以外)の他のステアリングホイールに取り換えられることがある。この交換作業の容易化を目的として、工具を用いずに簡単な作業でステアリングホイールの着脱を行うことができるステアリングホイール接続継手が開発されている。このステアリングホイール接続継手は、各種のステアリングホイール接続継手部品によって構成されており、ステアリングホイール接続継手部品としては、例えば、クイックリリース部材やステアリングボスなどが用いられている。
クイックリリース部材は、ソケット及びプラグによって構成されている。例えば、ソケットはステアリングホイールに取り付けられ、プラグはステアリングボスに取り付けられる。このステアリングボスは、ステアリングシャフトに取り付けられている。この状態で、ステアリングホイールに固定されたソケットが、ステアリングボスに固定されたプラグに嵌められ、ステアリングホイールがステアリングシャフトに連結される。このとき、プラグは、ソケットに挿入されて固定されている。
ソケットの外周面には、作業者により操作されるスリーブがプラグ側とその反対側とにスライド移動可能に設けられており、ソケット及びプラグはスリーブのスライド移動によってワンタッチで着脱可能に形成されている。この着脱機構としては、例えば、プラグの外周面に複数の凹部と、それらの凹部に対応させてソケット内に複数のボールを設け、コイルバネの付勢力によるスリーブの移動に応じて、各ボールのそれぞれの一部をプラグの各凹部に押し付けて嵌め込んでソケットをプラグに固定し、コイルバネの付勢力に抗する作業者の力によるスリーブの移動に応じて、プラグの各凹部内から個々のボールのそれぞれの一部を退避させてプラグに対するソケットの固定を解除する機構が用いられている。
ソケットは、ボルトなどの固定部材によってステアリングホイールに取り付けられる。このため、ソケットには、固定部材が挿入される貫通孔である複数の取付孔が形成されている。スリーブは、ソケットの外周に収納室を形成しており、この収納室には、コイルバネが設けられている。このコイルバネを収納する収納室には、前述の各取付孔が接続されている。
収納室の容積は、スリーブの移動に応じて変化するが、スリーブが付勢方向に移動すると増加する。この収納室には各取付孔が接続されているため、それらの取付孔から収納室に空気は流入しやすい。このため、スリーブが付勢方向に移動するとき、各取付孔から収納室に多くの空気が流入することになるため、スリーブの移動速度が速くなる。これにより、動作異常、例えば、ボールがスリーブ側に食い込み、スリーブの移動が妨げられるような現象が生じ、ソケットとプラグとの着脱に不具合が生じることがある。
特開2006−240407号公報
本発明が解決しようとする課題は、ステアリングホイール接続継手における不具合の発生を抑えることができるステアリングホイール接続継手部品及びステアリングホイール接続継手を提供することである。
請求項1に記載のステアリングホイール接続継手部品は、プラグが挿入される挿入穴が第1の端面に形成され、固定部材が挿入される複数の取付孔が第2の端面に形成されたソケット本体と、前記ソケット本体の外周面に前記挿入穴の延伸方向に沿って移動可能に設けられ、前記ソケット本体の外周に前記複数の取付孔につながる収納室を形成するスリーブと、前記収納室内に設けられ、前記スリーブを前記挿入穴の延伸方向に沿って前記第1の端面側に付勢する付勢部材と、前記収納室内に設けられ、前記複数の取付孔を塞ぐ蓋部材とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載のステアリングホイール接続継手部品は、請求項1に記載のステアリングホイール接続継手部品において、前記ソケット本体の前記挿入穴周りの側壁に形成された複数の貫通孔内にそれぞれ移動可能に設けられた複数のボールと、前記挿入穴内に設けられ、前記複数のボールの個々の一部を前記ソケット本体の外に突出させて前記スリーブを固定し、前記挿入穴に挿入された前記プラグにより移動して前記スリーブの固定を解除する固定機構とを備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載のステアリングホイール接続継手部品は、請求項1又は請求項2に記載のステアリングホイール接続継手部品において、前記固定機構は、前記挿入穴の延伸方向に沿って移動可能に設けられ、前記複数のボールを前記ソケット本体の外側に押す押圧部材と、前記押圧部材を前記挿入穴の延伸方向に沿って前記第1の端面側に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする。
また、請求項4に記載のステアリングホイール接続継手は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のステアリングホイール接続継手部品と、プラグとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ステアリングホイール接続継手における不具合の発生を抑えることができる。
実施の一形態に係るステアリングホイール接続継手の使用形態を示す分解斜視図である。 実施の一形態に係る未連結状態のソケット及びプラグを示す部分断面図である。 実施の一形態に係る連結状態のソケット及びプラグを示す部分断面図である。
実施の一形態について図面を参照して説明する。
(基本構成)
図1に示すように、実施の一形態に係るステアリングホイール接続継手10は、ソケット11と、プラグ12と、ボス13とを備えている。このステアリングホイール接続継手10は、ステアリングホイール20をステアリングシャフト(図示せず)に連結する連結部材である。なお、ソケット11、プラグ12及びボス13は、いずれもステアリングホイール接続継手部品である。
ソケット11は、ボルトなどの固定部材(図示せず)によってステアリングホイール20に取り付けられる。プラグ12は、ボルトなどの固定部材(図示せず)によってボス(ステアリングボス)13に取り付けられる。ボス13は、ナットなどの固定部材(図示せず)によってステアリングシャフトに取り付けられる。ステアリングシャフトは、先端部が雄ネジである棒状のシャフト(軸)であり、ステアリングコラムに軸周りに回転可能に設けられている。
ソケット11及びプラグ12は、ワンタッチでソケット11及びプラグ12を着脱することが可能に形成されている。この着脱機構としては、各種機構を用いることが可能であるが、利用者は、工具を用いず、また、ボルトなどの固定部材(図示せず)を外すことなく、ワンタッチで着脱を行うことが可能となる機構が用いられる(詳しくは、後述する)。
(プラグ)
次に、プラグ12について説明する。
プラグ12は、図2及び図3に示すように、プラグ本体41と、端子部42とを備えている。
プラグ本体41は、凸部41aを有している。この凸部41aは、円柱形状に形成されている。凸部41aの外周面には複数の凹部41a1が形成されており、それらの凹部41a1は外周面の円周方向に所定間隔で設けられている。各凹部41a1は、球面形の溝状に形成されている。
端子部42は、プラグ本体41に対して着脱可能に形成されており、凸部41aの端面(ソケット11側の端面)にボルトなどの複数の固定部材により固定される。この端子部42は、二つの端子42aを有している(図1参照)。これらの端子42aには、ボス13内及びプラグ本体41内を通る配線(図示せず)の一端が個別に接続される。この配線の他端は、例えば、ステアリングコラムの端子台などに接続される。
端子部42は、例えば、樹脂などの金属より軟らかい材料(金属より硬度が低い材料)によって形成されている。この端子部42のソケット11側の端面(露出面)は、その縁の角部が丸くなるように形成されている(アール加工)。これらのことから、プラグ12にソケット11をスムーズに嵌め込むことが可能になるので、その嵌め込み作業を容易化することができる。
(ソケット)
次に、ソケット11について説明する。
ソケット11は、図2及び図3に示すように、ソケット本体51と、端子部52と、スリーブ53と、付勢部材54と、蓋部材55と、複数のボール56と、固定機構57とを備えている。
ソケット本体51は、筒形状に形成されている。詳しくは、ソケット本体51の第1の端面(プラグ12側の端面)には、ソケット挿入穴51aが形成されており、ソケット本体51は、プラグ12が挿入される凹部を有している。なお、ソケット挿入穴51aとしては、底を有する穴や貫通孔などの各種の穴を用いることが可能である。
ソケット本体51の第2の端面(プラグ12側と反対側の端面)には、複数の取付孔51bが所定間隔で円環状に並ぶように形成されている(図1参照)。各取付孔51bは、雌ネジが加工された貫通孔であり、各取付孔51bには、ボルトなどの固定部材(図示せず)が個別に挿入される。
ソケット本体51のソケット挿入穴51a周りのソケット側壁には、複数の貫通孔51cが形成されている。各貫通孔51cは、ソケット側壁の外周面から内周面に向かって徐々に孔径が小さくなる貫通孔(テーパ孔)である。これらの貫通孔51cには個別にボール56が移動可能に嵌め込まれている。
端子部52は、ソケット本体51内に着脱可能に形成されており、ソケット側壁にボルトなどの複数の固定部材により固定される。この端子部52は、二つの端子52aを有している。これらの端子52aには、プラグ12側と反対側から挿入されてソケット本体51内を通る配線(図示せず)の一端が個別に接続される。この配線の他端は、例えば、ステアリングホイール20に設けられたホーンなどに接続される。ソケット11の各端子52aは、ソケット11がプラグ12に嵌められた状態で、プラグ12の二つの端子42aにそれぞれ接触して接続される(図3参照)。
スリーブ53は、ソケット本体51の外周面に移動可能に設けられ、ソケット本体51の外周に円環状の収納室53aを有するように形成されている。この収納室53aは、スリーブ53の内面とソケット本体51の外面により構成され、付勢部材54を収納する収納空間を生成しており、各取付孔51bにつながっている。スリーブ53は、少なくともソケット挿入穴51aの延伸方向に沿って往復移動可能であり、付勢部材54によって往復移動方向の一方、すなわち第1の端面側(プラグ12側:図2及び図3において右側)に付勢されている。
このスリーブ53は、押圧部53bと、制止部53cとを有している。押圧部53bは、付勢部材54による付勢方向へのスリーブ53の移動に応じて、貫通孔51c内のボール56をソケット本体51の内側に押す。制止部53cは、貫通孔51c内のボール56に当接し、付勢部材54による付勢方向へのスリーブ53の移動を制限する(図2参照)。このとき、貫通孔51c内のボール56は、固定機構57によりソケット本体51の外側に押されて固定された状態になっている(詳しくは、後述する)。
付勢部材54は、ソケット本体51の周囲の収納室53a内に設けられ、スリーブ53をソケット挿入穴51aの延伸方向に沿って第1の端面側(プラグ12側)に付勢する。この付勢部材54としては、例えば、コイルバネ(スプリング)などが用いられる。コイルバネは、ソケット本体51の外周に巻かれて設けられる。
蓋部材55は、円環状の板材により形成されており、ソケット本体51の周囲の収納室53a内に設けられ、その収納室53aにつながる各取付孔51bを塞ぐ。この蓋部材55によって各取付孔51bが塞がれるため、各取付孔51bから収納室53aに流入する空気の流れが蓋部材55によって阻害される。これにより、各取付孔51bから収納室53aに空気が流入し難くなり、その空気の流入量を減らすことが可能となる。この蓋部材55は、例えば、スプリングシートと呼ばれている。
各ボール56は、前述のソケット側壁に形成された複数の貫通孔51c内にそれぞれ移動可能に設けられている。詳しくは、各ボール56は、個々の貫通孔51cの中に嵌め込まれ、貫通孔51cの延伸方向に沿って固定位置(図2に示すボール56の位置)と連結位置(図3に示すボール56の位置)とに移動可能に設けられている。ボール56の固定位置は、各ボール56がスリーブ53の制止部53cに係合する位置であり、ボール56の連結位置は、各ボール56が、ソケット11に挿入されたプラグ12の各凹部41a1に係合する位置である。
前述の各ボール56は、スリーブ53が付勢方向(プラグ12側)に移動すると、そのスリーブ53の押圧部53bに押され、固定位置(図2に示すボール56の位置)から連結位置(図3に示すボール56の位置)に貫通孔51cの延伸方向に沿って移動する。一方、各ボール56は、スリーブ53が付勢方向と反対方向に移動すると、連結位置(図3に示すボール56の位置)から固定位置(図2に示すボール56の位置)に貫通孔51cの延伸方向に沿って移動し、スリーブ53の制止部53cに係合する(詳しくは、後述する)。
固定機構57は、ソケット挿入穴51a内に設けられている。固定機構57は、ソケット本体51の各貫通孔51c内の個々のボール56のそれぞれの一部をソケット本体51の外側に押し出し、すなわちソケット本体51の外に突出させてスリーブ53を固定し、ソケット挿入穴51aに挿入されたプラグ12によって押されて移動し、スリーブ53の固定を解除するように構成されている。
この固定機構57は、押圧部材57aと、付勢部材57bとを有している。押圧部材57aは、円環状に形成されており、ソケット挿入穴51a内にそのソケット挿入穴51aの延伸方向に沿って移動可能に設けられている。付勢部材57bは、例えばコイルバネなどであり、端子部52の外周に位置付けられてソケット挿入穴51a内に設けられている。この付勢部材57bは、押圧部材57aをソケット挿入穴51aの延伸方向に沿って第1の端面側(プラグ12側:図2及び図3において右側)に付勢する。
前述の押圧部材57aは、ソケット挿入穴51aの延伸方向に沿って固定位置(図2に示す押圧部材57aの位置)と連結位置(図3に示す押圧部材57aの位置)とに移動可能になっている。押圧部材57aの固定位置は、各ボール56がスリーブ53の制止部53cに係合するように各ボール56を押す位置であり、押圧部材57aの連結位置は、各ボール56が、ソケット11に挿入されたプラグ12の各凹部41a1に係合するように固定位置から退避した位置である。
前述の押圧部材57aは、プラグ12がソケット11に嵌められていない状態で、付勢部材57bにより付勢方向(プラグ12側)に付勢され、固定位置(図2に示す押圧部材57aの位置)に存在する。この固定位置では、各ボール56が押圧部材57aによりソケット本体51の外側に押され、それらのボール56のそれぞれの一部がソケット本体51の各貫通孔51c外に押し出される。これにより、各ボール56がスリーブ53の制止部53cに係合し、ソケット本体51に対するスリーブ53の相対移動が制限される。
一方、押圧部材57aは、ソケット11がプラグ12に嵌められると、付勢部材57bの付勢方向と反対方向に移動するプラグ12によって押され、固定位置(図2に示す押圧部材57aの位置)から連結位置(図3に示す押圧部材57aの位置)に移動する。この連結位置では、各ボール56がスリーブ53の押圧部53bに押され、プラグ12の各凹部41a1に係合し、ソケット11に対するプラグ12の相対移動が制限される。
(ステアリングホイールの着脱工程)
次に、前述のステアリングホイール20の着脱工程、すなわち取付工程(装着工程)及び取外工程の流れについて説明する。
取付工程では、図1に示すように、ステアリングホイール20にソケット11がボルトなどの固定部材(図示せず)によって取り付けられる。また、ボス13がステアリングシャフトにナットなどの固定部材(図示せず)により取り付けられ、その状態のボス13にプラグ12がボルトなどの固定部材により取り付けられる。その後、ステアリングホイール20に取り付けられたソケット11がプラグ12に嵌められて、ソケット11がプラグ12にワンタッチで取り付けられ、ステアリングホイール20がステアリングシャフトに連結される。これにより、ステアリングホイール20の取付(装着)が完了する。
この取付工程において、図2に示すように、ソケット11がプラグ12に嵌められる前、ソケット本体51内の押圧部材57aは固定位置(図2に示す押圧部材57aの位置)にある。このとき、各貫通孔51c内の個々のボール56は押圧部材57aによってソケット本体51の外側に押されており、各ボール56のそれぞれの一部が貫通孔51c外に押し出されている。これにより、各ボール56がスリーブ53の制止部53cに係合し、ソケット本体51に対するスリーブ53の相対移動が制限されている(すなわち、スリーブ53が固定されている)。
次いで、ソケット11がプラグ12に嵌められる場合、プラグ12がソケット本体51のソケット挿入穴51aに挿入されていく。このとき、押圧部材57aがプラグ12によって付勢部材57bの付勢力に抗して押され、固定位置(図2に示す押圧部材57aの位置)から連結位置(図3に示す押圧部材57aの位置)に移動する。この途中、各貫通孔51c内の個々のボール56がプラグ12の各凹部41a1に対向すると、各ボール56とスリーブ53の制止部53cとの係合が外れ、スリーブ53が付勢部材54による付勢力によって付勢方向(プラグ12側)に移動する。このスリーブ53の移動に応じ、図3に示すように、各ボール56がスリーブ53の押圧部53bによってソケット本体51の内側に押され、プラグ12の各凹部41a1に係合する。これにより、ステアリングホイール20がステアリングシャフトに連結される。
一方、取外工程では、ステアリングホイール20に取り付けられたソケット11がスリーブ53の移動によりプラグ12から外されて、ソケット11がプラグ12からワンタッチで取り外され、ステアリングホイール20とステアリングシャフトとの連結が解除される。これにより、ステアリングホイール20の取外しが完了する。
この取外工程において、スリーブ53は作業者により操作され、付勢部材54の付勢力に抗して付勢方向と反対方向に移動する。この途中、各貫通孔51c内の個々のボール56がスリーブ53の制止部53cに対向すると、各ボール56がプラグ12の各凹部41a1から離脱可能となる。このとき、押圧部材57aは付勢部材57bによる付勢力によって付勢方向に移動し、プラグ12を付勢方向に押す。これにより、プラグ12が付勢方向に移動し、各ボール56はプラグ12の各凹部41a1から離脱してプラグ12の外周面によってソケット本体51の外側に押され、スリーブ53の制止部53cに係合する。
次いで、押圧部材57aが固定位置(図2に示す押圧部材57aの位置)に到達すると、各貫通孔51c内の個々のボール56がプラグ12の外周面に替わって押圧部材57aによってソケット本体51の外側に押され、各ボール56はスリーブ53の制止部53cに係合する。これにより、ソケット本体51に対するスリーブ53の相対移動が制限され、プラグ12はソケット11から取り外し可能となり、ステアリングホイール20とステアリングシャフトとの連結が解除される。
ここで、図2に示すように、ソケット11及びプラグ12が未連結状態である場合と、図3に示すように、ソケット11及びプラグ12が連結状態である場合とでは、収納室53aの容積は異なっており、収納室53aの容積はスリーブ53の移動に応じて変化する(図2に比べ図3の容積の方が大きい)。この収納室53aには各取付孔51bがつながっているため、それらの取付孔51bから収納室53aに空気が流入しやすい。このため、蓋部材55が存在しない場合には、付勢部材54により押されるスリーブ53の移動を妨げるものは表面摩擦のみとなるので、スリーブ53の移動速度が速くなる。
一方、蓋部材55が存在する場合には、各取付孔51bが蓋部材55により塞がれ、空気の流れが阻害される。これにより、それらの取付孔51bから収納室53aに空気が流入し難くなり、その空気の流入量は減少するので、スリーブ53の移動速度を抑制することができる(減衰)。したがって、ソケット11で動作異常(例えば、ボール56がスリーブ53側に食い込み、スリーブ53の移動が妨げられるような現象)が生じることを抑えることが可能となるので、ステアリングホイール接続継手10における不具合の発生を抑えることができる。その結果、例えば、初期不良での問い合わせや点検・調査依頼などを抑制することができる。
通常、ソケット11はステアリングホイール20に装着された状態で使用されるが、このとき、各取付孔51bはボルトなどの固定部材によって塞がれた状態である。ところが、作業者(例えば、商品を購入した利用者)が、ステアリングホイール20にソケット11を装着せずに単品で(各取付孔51bが固定部材により塞がれていない状態で)、プラグ12に着脱することがある。この場合、収納室53aは、前述のように、各取付孔51bから空気が流入しやすい状態であるが、蓋部材55により各取付孔51bを塞ぐことによって、前述のように、スリーブ53の移動速度を抑制することができる。
また、ステアリングホイール20にソケット11を装着してからプラグ12に着脱する場合でも、ステアリングホイール20とソケット11との間に異型のスペーサを併用するなどの理由で、各取付孔51bが十分に塞がれていないことがある。この場合にも、収納室53aは、各取付孔51bから空気が流入しやすい状態であるが、蓋部材55により各取付孔51bを塞ぐことによって、前述のように、スリーブ53の移動速度を抑制することができる。
なお、貫通孔である各取付孔51bから収納室53aへの空気の流入を抑えるためには、各取付孔51bを貫通孔にしないことも可能であるが、例えば、各取付孔51bを「止まり穴(底を有する)」にすると、貫通孔に比べ、ネジ切り加工時に歩留まりが悪くなる。また、アルマイト処理時には、「止まりネジ穴(底を有する)」が多いと、溶解液などの液垂れが生じ、歩留まりが悪くなる。これらのことから、各取付孔51bを貫通孔にすることが望ましい。
また、スリーブ53の移動速度を抑制するため、コイルバネなどの付勢部材54による付勢力を弱めることも可能であるが、付勢部材54による付勢力によってソケット11とプラグ12との連結状態を維持するため、その付勢力を弱めることには限度がある。このため、付勢部材54による付勢力を弱めることによって、スリーブ53の移動速度を抑制することは困難である。
また、固定機構57が存在しない場合には、各貫通孔51c内の個々のボール56がスリーブ53の制止部53cに係合せず、付勢方向へのスリーブ53の移動が制限されない。このため、スリーブ53が付勢方向に移動し、各ボール56がスリーブ53の押圧部53bによってソケット本体51の内側に押される。これにより、各ボール56のそれぞれの一部が各貫通孔51cからソケット本体51内に突出し、ソケット11に対するプラグ12の挿入が不可能になる。この状態から着脱作業を行う場合、作業者はスリーブ53を操作しながら、すなわち、付勢部材54の付勢力に抗してスリーブ53を移動させて各貫通孔51c内での各ボール56の移動を可能にし、そのスリーブ位置を保持しつつ、ソケット11をプラグ12に嵌め込む必要がある。ところが、ソケット11とプラグ12との連結状態は付勢部材54による付勢力によって維持されるため、その付勢力は強く設定されている。このため、着脱作業を行う場合には、付勢部材54の付勢力に抗する強い力でスリーブ位置を保持しつつ、ソケット11とプラグ12との着脱作業を行うことになるため、その着脱作業は困難である。
一方、固定機構57が存在する場合には、各貫通孔51c内の個々のボール56が固定機構57によりソケット本体51の外側に押され、スリーブ53の制止部53cに係合する(図2参照)。これにより、付勢方向へのスリーブ53の移動が制限され、各ボール56のそれぞれの一部が各貫通孔51cからソケット本体51内に突出することがなく、ソケット11に対するプラグ12の挿入が可能になっている。ソケット11にプラグ12が挿入されると、固定機構57によるスリーブ53の固定が解除され、スリーブ53が付勢部材54による付勢力によって付勢方向に自動的に移動し、ソケット11とプラグ12とが連結される。したがって、作業者が前述のようにスリーブ53を操作しながらプラグ12にソケット11を嵌める場合に比べ、プラグ12に対するソケット11の取付作業(装着作業)を容易化することができる。
また、ソケット11がプラグ12から取り外される場合、付勢方向と反対方向へのスリーブ53の移動に応じて、各貫通孔51c内の個々のボール56がスリーブ53の制止部53cに対向すると、各ボール56が固定機構57によりソケット本体51の外側に押され、スリーブ53の制止部53cに係合する(図2参照)。これにより、付勢方向へのスリーブ53の移動が制限され(すなわち、スリーブ53が固定され)、また、固定機構57によってプラグ12が押し出されるので、プラグ12に対するソケット11の取外作業を容易化することができる。
以上説明したように、実施の一形態によれば、収納室53aにつながる複数の取付孔51bを塞ぐ蓋部材55が収納室53aに設けられている。これにより、各取付孔51bが蓋部材55により塞がれ、空気の流れが阻害されることから、それらの取付孔51bから収納室53aに空気が流入し難くなり、その空気の流入量は減少するので、スリーブ53の移動速度を抑制することができる。したがって、ソケット11で動作異常が生じることを抑えることが可能となり、ステアリングホイール接続継手10における不具合の発生を抑えることができる。
また、固定機構57がソケット11に設けられている。これにより、ソケット11にプラグ12が挿入されると、固定機構57によるスリーブ53の固定が解除されてスリーブ53が付勢部材54による付勢力によって付勢方向に自動的に移動し、ソケット11とプラグ12とが連結されるので、プラグ12に対するソケット11の取付作業を簡単にすることが可能となる。また、ソケット11がプラグ12から取り外される場合には、固定機構57によりスリーブ53が固定され、また、固定機構57によりプラグ12が押し出されるので、プラグ12に対するソケット11の取外作業を簡単にすることが可能となる。これらのことから、ステアリングホイール接続継手10における着脱作業を容易化することができる。
また、固定機構57が押圧部材57aや付勢部材57bにより構成されている。これにより、簡略な構成で固定機構57を実現することができる。
<他の実施形態>
前述の説明においては、ソケット11の各貫通孔51cとして、ソケット側壁の外周面から内周面に向かって徐々に孔径が小さくなる貫通孔(テーパ孔)を例示したが、これに限るものではなく、例えば、一定の径で貫通する貫通孔であっても良い。
また、前述の説明においては、ソケット11の収納室53aや蓋部材55、押圧部材57aの形状が円環状であることを例示したが、これに限るものではなく、例えば、楕円形などの他の形の環状でも良く、あるいは、環状でなくても良い。また、プラグ12の凹部41a1や端子42aなどの個数は限定されるものではなく、さらに、ソケット11の取付孔51bや貫通孔51c、端子52a、ボール56などの個数も限定されるものではない。
また、前述の説明においては、ソケット11をステアリングホイール20に取り付け、プラグ12をボス13に取り付けることを例示したが、これに限るものでなく、例えば、ソケット11をボス13に取り付け、プラグ12をステアリングホイール20に取り付けるようにしても良い。
なお、本発明は、前述の実施形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、前述の実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
10 ステアリングホイール接続継手
11 ソケット
12 プラグ
13 ボス
20 ステアリングホイール
41 プラグ本体
41a 凸部
41a1 凹部
42 端子部
42a 端子
51 ソケット本体
51a ソケット挿入穴
51b 取付孔
51c 貫通孔
52 端子部
52a 端子
53 スリーブ
53a 収納室
53b 押圧部
53c 制止部
54 付勢部材
55 蓋部材
56 ボール
57 固定機構
57a 押圧部材
57b 付勢部材

Claims (4)

  1. プラグが挿入される挿入穴が第1の端面に形成され、固定部材が挿入される複数の取付孔が第2の端面に形成されたソケット本体と、
    前記ソケット本体の外周面に前記挿入穴の延伸方向に沿って移動可能に設けられ、前記ソケット本体の外周に前記複数の取付孔につながる収納室を形成するスリーブと、
    前記収納室内に設けられ、前記スリーブを前記挿入穴の延伸方向に沿って前記第1の端面側に付勢する付勢部材と、
    前記収納室内に設けられ、前記複数の取付孔を塞ぐ蓋部材と、
    を備えることを特徴とするステアリングホイール接続継手部品。
  2. 前記ソケット本体の前記挿入穴周りの側壁に形成された複数の貫通孔内にそれぞれ移動可能に設けられた複数のボールと、
    前記挿入穴内に設けられ、前記複数のボールの個々の一部を前記ソケット本体の外に突出させて前記スリーブを固定し、前記挿入穴に挿入された前記プラグにより移動して前記スリーブの固定を解除する固定機構と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイール接続継手部品。
  3. 前記固定機構は、
    前記挿入穴の延伸方向に沿って移動可能に設けられ、前記複数のボールを前記ソケット本体の外側に押す押圧部材と、
    前記押圧部材を前記挿入穴の延伸方向に沿って前記第1の端面側に付勢する付勢部材と、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステアリングホイール接続継手部品。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のステアリングホイール接続継手部品と、
    プラグと、
    を備えることを特徴とするステアリングホイール接続継手。
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