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JP5278978B2 - 動物の胚または卵子のガラス化保存用細管 - Google Patents

動物の胚または卵子のガラス化保存用細管 Download PDF

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JP5278978B2 JP2011545190A JP2011545190A JP5278978B2 JP 5278978 B2 JP5278978 B2 JP 5278978B2 JP 2011545190 A JP2011545190 A JP 2011545190A JP 2011545190 A JP2011545190 A JP 2011545190A JP 5278978 B2 JP5278978 B2 JP 5278978B2
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Description

本発明は、動物の胚または卵子のガラス化保存用細管および動物の胚の移植用キットに関し、より詳細には、動物の卵子,胚,組織細胞等の生物学的標本をガラス化保存、および移植するための動物胚ガラス化保存用細管およびガラス化保存後の融解方法、前記ガラス化用細管と希釈液ストローとからなる動物の胚の移植用キットなどに関する。
牛の胚移植技術に用いられる胚は、受胚牛の発情周期に合わせて移植が行われており、発情周期に胚の移植を合わせるために、生産した胚を液体窒素等の冷却物質の中で凍結した状態で保存し、発情周期に合わせて胚を融解して移植を行っている。このような、胚を凍結した状態で保存するための凍結方法として、いわゆるガラス化保存法がある。
ガラス化保存法とは、グリセロールやエチレングリコールなどの耐凍剤を多量に含む水溶液の凝固点降下により、氷点下でも氷晶ができにくくなる原理を利用するものである。この溶液を急速に液体窒素中に冷却すると、氷晶を生じさせないまま固体化させることができ、水分が結晶化することなくガラス状の固体になるもので、ガラス化と呼ばれている。
ガラス化保存法を用いると、細胞内外とも氷晶がないために物理的障害(凍害)を回避することができるが、ガラス化保存液に含まれる保護物質(耐凍剤)による化学的毒性があり、これを避けるために、融解後はただちにガラス化保存液を希釈する必要がある。しかも、ウシ胚は、細型ストローに充填して液体窒素中に保存するのが一般的であり、融解後にストローから胚を取り出さず、そのままレシピエント雌牛の子宮に注入する方法であれば、庭先での直接移植を簡便に行うことができる。
このようなガラス化保存可能な胚移植用ストローとして、希釈液の凍結体と胚を含むガラス化保存液とが接触してストロー中に封入されている動物の胚移植用ストローがある(特許文献1)。胚移植用ストローの一端が密封され、前記密封栓の上部に希釈液が、前記希釈液の上部にガラス化低温保存液が積層されたものである。ガラス化保存液側に胚を注入し、ストローの他端を密封し、液体窒素中で冷却してガラス化することができ、融解後は、融解胚をストローから取り出すことなく凍結ストローを移植ストローとして使用することができる、という。
また、ストロー内において、内部に動物胚を有する希釈液層、空気層、ガラス化保存液層、空気層、希釈液層とをこの順に積層したことを特徴とする動物胚ガラス化保存用ストローもある(特許文献2)。少量のガラス化保存液で凍結することができ、空気層の介在によってガラス化保存液層と希釈液層との接触を回避でき、融解後に容易に希釈液にて希釈することができ、ウシなどの家畜に対し、庭先で胚移植を行うことができる、という。
更に、動物の生物学的標本を含むガラス化保存液と希釈液とを凍結状態で保存し、その後融解して生物学的標本を動物へ移植するための凍結保存用細管であって、凍結状態において、希釈液が細管本体内の一端側から他端側に向けて充填され、生物学的標本を含むガラス化保存液を先端部に付着させた線状支持具が、同線状支持具の先端側が希釈液凍結層の終端面に隣接するように細管本体内に配置されていることを特徴とする生物学的標本の凍結保存用細管もある(特許文献3)。胚を含むガラス化保存液を線状支持具の先端に載せて凍結するものであり、融解後は、融解胚を前記線状支持具から隣接する希釈液の中で希釈することができ、移植器にストローを装着して移植することができる、という。
また、豚胚の冷凍保存手段であるが、陥没部を有する凍結板を先端に配設されたクライオトップと呼ばれる治具を使用し、前記凍結板の陥没部に必要最小量の凍結液と共に豚胚を載置し、これを液体窒素中に直接浸漬してガラス化保存する方法が開示されている(非特許文献1)。前記陥没部に0.1μlのガラス化保存液を使用している。
更に、ガラス化保存液に浸漬した生殖細胞を該ガラス化保存液と共にガラス化保存液除去材上に滴下して、該生殖細胞の周囲に付着している該ガラス化液を該ガラス化保存液除去材に吸収させた後、該生殖細胞を該ガラス化保存液除去材上に保持させたまま液体窒素中に浸漬することによりガラス化保存することを特徴とする生殖細胞の凍結保存方法も知られている(特許文献4)。液体窒素に浸漬する前の前記生殖細胞がガラス化保存液中に存在するとガラス化保存液も固化し、前記生殖細胞を融解するときには前記固化していたガラス化保存液も液体になり、この際、前記液相と固相との相転換が急激に起きるため前記ガラス化保存液と前記生殖細胞との膨張率または収縮率の相違により断裂面が生じ、該断裂面が該生殖細胞を通過したときに該生殖細胞が損傷を受ける。このため、ガラス化保存液の存在なしにガラス化保存する、というものである。
特開平5−176946号公報 特開平10−248860号公報 特開2006−149231号公報 特開2005−40073号公報
http://www.agri-kanagawa.jp/seika/pdf/4197.pdf#search='クライオトップ法冷凍保存'
牛胚移植は、雌牛の如何にかかわらず優秀な牛を生産するために行われる技術であり、獣医師や家畜人工授精師など、一定の技術を習得した免許をもつ専門家によって行われている。優良な牛胚は貴重かつ高価であり、専門家による高い受胎率が期待される。
ここに、上記したガラス化保存法では、耐凍剤による毒性を除去するために融解後の牛胚を迅速に希釈液に浸漬する必要がある。すなわち、凍結前の胚は、一般にエチレングリコール濃度の低い溶液で胚を事前に平衡処理した後にガラス化処理され、胚に耐凍剤が浸透している。融解後にただちに牛胚を希釈液に浸漬し、融解後の胚に含まれる耐凍剤を胚から希釈し、耐凍剤による毒性を除去するのである。特許文献1〜3は、このように融解した牛胚を直接移植できるように、希釈液を充填したストロー内で牛胚を融解しうる点に特徴がある。
しかしながら、上記特許文献1記載の胚移植用ストローは、ストロー内に希釈液と共に10〜20μlと多量のガラス化保存液を充填するものであり、前記ガラス化保存剤と共に胚をガラス化するため、凍結および融解に時間がかかり、胚の生存率が低下する場合がある。
また、特許文献2記載の動物胚ガラス化保存用ストローは、ストロー内に空気層を導入しつつ希釈液層とガラス化保存液層とを形成するため、製造が容易でない。また、0.25mlのプラスチックストロー内に、高さ5〜15mmに形成したガラス化保存液層を形成し、このガラス化保存液層内で胚を凍結するため、上記特許文献1と同様に、ガラス化保存液が多く、凍結および融解に時間がかかり、胚の生存率が低下する場合がある。
更に、特許文献3記載の凍結保存用細管は、胚を含むガラス化保存液を線状支持具の先端に載せて凍結するものであり、ガラス化保存液量は必要最小量とするためガラス化保存液量が少ない利点があるが、融解後に凍結保存用細管内に導入した線状支持具を除去する必要があり、操作が煩雑である。
また、非特許文献1では、0.1μlというごく少量のガラス化保存液を使用してガラス化するものであるが、獣医師などの専門家であっても0.1μlに制御することが困難で、実際にはよりガラス化保存液量が変動し、多量のガラス化保存液中で胚がガラス化保存されるなど、安定した操作性を確保することが容易でない。
一方、特許文献4には、ガラス化保存液なしにガラス化保存するものであるが、ガラス化後の保存に使用する容器は、容器本体と蓋部とからなり、前記容器本体内に動物胚を載置する直径13mmのガラス化保存液除去材を配設するものである。前記ガラス化保存液除去材により動物胚の外周に存在するガラス化保存液を除去し、液体窒素中に置いてガラス化し、容器本体に収め、次いで、蓋部を嵌合させて液体窒素中で保存しているが、前記ガラス化保存液除去材には複数の動物胚を載置できる利点はあるが、融解時の取り出しが容易でない。また、前記容器を使用して胚の直接移植を行うことができない。
なお、上記ガラス化保存技術は、動物の胚に限定されるものではなく、卵子にも応用できることが好ましい。
更に、ガラス化保存液で平衡処理した動物の胚や卵子は、迅速にガラス化保存するため、液体窒素に直接投入されるが、液体窒素は無菌ではない。このため、平衡処理した動物胚や卵子を液体窒素に触れることなくガラス化保存しうる細管が望まれる。
上記現状に鑑み、平衡処理した動物の胚や卵子が直接液体窒素に接触することなく、動物の胚や卵子の生存率を高く維持することができ、ストロー内融解が可能であるため動物の胚を農家の庭先で直接移植することができる、動物の胚のガラス化保存用細管を提供することを目的とする。
本発明は、動物の胚または卵子のガラス化保存用細管について詳細に検討した結果、容器本体部鞘部とからなる細管であって、鞘部に挿入する前記容器本体部を、外柄、内柄およびガラス化保存液除去材とで構成すれば、ガラス化保存液で平衡処理した動物胚を前記ガラス化保存液除去材に載置することで、外周に存在するガラス化保存液を吸収除去することができること、これを鞘部に挿入した後に液体窒素中に入れることで、液体窒素と平衡処理した動物の胚や卵子とを直接接触させることなく迅速にガラス化を行えること、前記容器本体部と嵌合でき、かつ希釈液が充填された希釈液ストローを使用し、融解後の動物胚が付着された容器本体部を前記希釈ストローに挿入することで短時間に希釈することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、容器本体部と鞘部とからなる動物の胚または卵子(以下、本発明では、動物胚等と称する場合がある。)をガラス化保存するための細管であって、前記容器本体部は、外柄と前記外柄に連設される内柄とからなり、前記内柄にはガラス化保存液除去材が固定され、前記ガラス化保存液除去材は、少なくとも1個の前記胚または卵子が載置され、前記胚または卵子の外周に存在するガラス化保存液を除去するものである、動物胚等のガラス化保存用細管を提供することを目的とするものである。
また、上記動物胚等のガラス化保存用細管で動物胚等をガラス化保存する方法であって、ガラス化保存液で平衡処理した動物胚等を前記ガラス化保存用細管を構成するガラス化保存液除去材の上に載置し、前記動物胚等の外周に存在するガラス化保存液を吸引除去し、ついで前記ガラス化保存用細管を構成する容器本体部を鞘部に収納し、液体窒素中に載置することを特徴とする、動物胚のガラス化保存方法を提供するものである。
更に、前記動物胚等のガラス化保存用細管と、希釈液が充填された希釈用ストローとからなる、動物の胚の移植用キットを提供するものである。
本発明の動物胚等のガラス化保存用細管によれば、容器本体部にガラス化保存液を存在させずにガラス化できるため、ガラス化保存液量を調整する必要がなく、ガラス化保存操作および融解操作の安定性に優れる。
本発明のガラス化保存方法によれば、ガラス化保存液で平衡処理した動物胚等をガラス化保存する際に、予め動物胚等の外周に存在するガラス化保存液を除去し、前記動物胚等がガラス化保存液に浮遊しない裸の状態で冷却されるため、迅速なガラス化および融解が可能であり、動物胚や卵子の高い生存率を確保することができる。
本発明のガラス化保存方法によれば、前記動物胚等のガラス化保存用細管を使用することで、平衡処理した動物胚や卵子を、直接液体窒素に接触させることなくガラス化保存することができるため、細菌などの感染を防止でき、安全性に優れる。
本発明の動物の胚の移植用キットによれば、融解後の動物胚を直接対象動物に移植することができる。
図1は、本発明の動物胚等ガラス化保存用細管の一例であり、図1(a)は、動物胚等ガラス化保存用細管(1)の容器本体部(10)の平面図である。また、図1(b)は、鞘部(20)の平面図であり、図1(c)は、前記容器本体部(10)を鞘部(20)に挿入した際の平面透視図である。 図2は、本発明の動物胚等ガラス化保存用細管の他の態様であり、図2(a)は、金属網をガラス化保存液除去材として内柄(13)に装着した容器本体部(10)の斜視図であり、図2(b)は、鞘部(20)の斜視図であり、図2(c)は、鞘部(20)に容器本体部(10)を装着した動物胚等ガラス化保存用細管(1)の透視斜視図であり、図2(d)は、容器本体部(10)のガラス化保存液除去材(15)の拡大図である。 図3は、本発明の動物胚等ガラス化保存用細管の他の態様であり、図3(a)は、2枚のフィルム状物を積層してなるガラス化保存液除去材(15)が配設された容器本体部(10)の斜視図であり、図3(b)は、内柄(13)に連設される支持柄(15a)の先端に前記フィルム状物や金属網など(15b)を配設する態様であり、図3(c)は、ガラス化保存液除去材(15)の全長を短くし、かつ断面視、U字に変形した態様の斜視図である。 図4は、本発明で使用する希釈用ストロー(40)の正面図であり、図4(a)は、全体構成を説明する図であり、図4(b)は、密封栓(47)が被せ栓であって態様を示し、図4(c)は、密封栓(47)が円錐状の先細となるように構成されていてる態様を示す。 図5は、本発明の動物胚のガラス化保存方法を説明する工程図である。 図6は、本発明の動物胚のガラス化保存方法で保存された動物胚等の融解および希釈方法を説明する図である。
本発明の第1は、容器本体部と鞘部とからなる動物胚等をガラス化保存するための細管であって、前記容器本体部は、外柄と前記外柄に連設される内柄とからなり、前記内柄にはガラス化保存液除去材が固定され、前記ガラス化保存液除去材は、少なくとも1個の前記胚または卵子が載置され、前記胚または卵子の外周に存在するガラス化保存液を除去するものである、動物胚等のガラス化保存用細管である。
前記内柄の先端にガラス化保存液除去材を配設する点に特徴があり、前記ガラス化保存液除去材にガラス化保存液と共に動物胚等を載置し、前記ガラス化保存液を吸収し、または前記ガラス化保存液除去材の下部から吸引することでガラス化保存液を除去することができる。なお、本発明において「ガラス化」とは、液体窒素または液体窒素と同等かそれ以上短時間に冷却しうる冷媒に浸漬して氷晶を発生させずに凍結固体化することを意味し、「ガラス化保存」とは、耐凍剤を含むガラス化保存液で平衡処理した動物胚等を、前記ガラス化により対象組織を半永久的に保存することを意味し、動物の胚の外周とは胚組織の外周を、卵子の外周とは卵子細胞の外周を意味する。以下、詳細に本発明を説明する。
(1)動物の胚および卵子
本発明のガラス化保存用細管でガラス化保存の対象となる組織は、動物の胚や卵子である。一般に、ガラス化保存の場合には、液体窒素などに投入する前に、ガラス化保存液に動物胚等を浸漬する「平衡処理」が行われる。ガラス化保存液に動物胚等を浸漬すると、動物胚等の細胞膜は前記耐凍剤よりも水分を移動させやすいため、細胞内の水分が前記保存液中に流出し、代わりにガラス化保存液中の耐凍剤が細胞内に流入して、動物胚等細胞内および細胞外の浸透圧が等圧に維持される。この際、動物胚等細胞は、高濃度の耐凍剤の浸漬によって容易にガラス化保存することができる。本発明では、ガラス化保存に先立ち、予めガラス化保存液によって平衡処理した動物の胚および卵子をガラス化保存の対象物とすることで、対象物の外周にガラス化保存液を存在させること無くガラス化保存を行うことができる。
なお、動物としては、ウシ、ブタ、ウマ、マウス、アフリカツメガエル、ヒトその他の動物を対象とすることができ、胚としては、桑実胚や胚盤胞など各種の段階の胚を使用することができる。
(2)動物胚等のガラス化保存用細管
図1に本発明の動物胚等ガラス化保存用細管の好適な一例を示す。図1(a)は、動物胚等のガラス化保存用細管(1)の容器本体部(10)の平面図であり、外柄(11)と前記外柄(11)に連設される内柄(13)と、前記内柄(13)に連設されるガラス化保存液除去材(15)とからなる。また、図1(b)は、鞘部(20)の平面図であり、図1(c)は、前記容器本体部(10)を鞘部(20)に挿入した際の平面透視図である。
前記容器本体部(10)の外柄(11)および内柄(13)の材質は、耐低温性、液体窒素耐性、耐伸縮性かつ耐変質性を有する素材を好適に使用することができ、金属、合成樹脂などで形成することができる。金属としては、鉄、銅、鉄を主成分とするSUSなどの合金を例示することができ、合成樹脂としては、ポリアミド繊維からなる直線糸状の繊維素材を例示することができる。本発明では、熱伝導性に優れる点で、金属製、特にSUSなどのステンレス製であることが好ましい。
この容器本体部(10)の外柄(11)の端部からガラス化保存液除去材(15)の端部までの全長は、使用する動物種によって適宜選択できるが、一般には20〜100mm、より好ましくは30〜70mmである。外柄(11)は、8〜40mmあれば、把持が容易である。また、内柄(13)は、5〜30mmであれば、鞘部(20)を装着した後に、内柄(13)の外周と鞘部(20)の内周との密着により液体窒素の鞘部(20)内への浸入を防止することができる。
また、ガラス化保存液除去材(15)の長さは、5〜30mmであれば、動物胚等に付着するガラス化保存液の除去を容易に行うことができ、かつガラス化保存液除去材(15)の鞘部(20)への挿入も容易に行うことができる。
なお、前記内柄(13)の断面形状は、鞘部(20)の内周の断面形状と同じであって、容器本体部(10)を鞘部(20)に収納した際に液密を確保することができれば、円でも多角形でもよい。なお、内柄(13)は、等価円に換算して、直径0.5〜3mmである。
なお、鞘部(20)は、全長に亘り均一径で構成され、凹凸がないためキャニスターからの出し入れが容易である。なお、鞘部(20)の全長は、前記容器本体部(10)の前記ガラス化保存液除去材(15)および内柄(13)を挿入でき、かつ動物胚等ガラス化保存用細管(1)の液体窒素保管器内のキャニスターへの出し入れを容易に行える長さであり、80〜200mmであることが好ましい。
また、鞘部(20)の材質は、耐低温性、液体窒素耐性、耐伸縮性かつ耐変質性を有する素材を好適に使用することができ、金属、合成樹脂などで形成することができる。金属としては、鉄、銅、鉄を主成分とするSUSなどの合金を例示することができ、合成樹脂としては、ポリアミド繊維からなる直線糸状の繊維素材を例示することができる。本発明では、熱伝導性に優れる点で、金属製、特にSUSなどのステンレス製であることが好ましい。
本発明の動物胚等のガラス化保存用細管(1)に使用する「ガラス化保存液除去材」とは、ガラス化保存液で平衡処理した動物胚等の外周に存在するガラス化保存液を除去できるものを広く含み、例えば、ガラス化保存液を吸収して除去するもの、前記ガラス化保存液除去材の下部から吸引することでガラス化保存液を除去しうるものなどを好適に使用することができる。従って、その材質としては、紙などの天然物や合成樹脂、金属などからなるシート状物やこれらの繊維状物からなる網状物その他を例示することができる。
ここに、動物の胚として牛胚で説明すれば、卵子の細胞質の大きさが138〜143μmであり、その外周は透明帯で被覆されている。牛胚も略同じ大きさであるが、牛胚をガラス化保存液で平衡処理すると、透明帯は収縮しないため元のサイズであるが、胚自身は収縮して約69〜71μmと約半分の大きさになる。従って、ガラス化保存液除去材としては、このような収縮した動物胚等を保持することができる目開きまたは孔径のものを使用する必要がある。一般には、目開きまたは孔径が、対象物の直径の0.001〜0.8倍、より好ましくは0.01〜0.7倍のものを使用することが好ましい。例えば、ガラス化保存液除去材が金属網の場合であって、胚の直径が70μmの場合には、0.7〜49μm四方の網目の金属網を使用する。これにより、動物胚等をガラス化保存液除去材に保持したまま金属網の下部からの吸引によって付着するガラス化保存液を除去することができる。
本発明のガラス化保存用細管によれば、動物胚等の外周に存在するガラス化保存液を除去できるため、胚や卵子を載置する際のガラス化保存液の液量を最小限の液量に調整する必要がない。すなわち、市販のガラス化保存用細管は、最小限の液量として例えば0.1μlのガラス化保存液量で胚や卵子をガラス化保存用細管に付着させるが、迅速に正確な液量の制御が困難であった。このため、液量の不均一性が発生し、胚生存率を左右させる一因となっていたが、このような問題から解消される。なお、動物胚等の外周に存在するガラス化保存液の上記吸収や吸引操作を行っても、ガラス化保存に必要な動物胚等の細胞内部に存在するガラス化保存液が維持される。
ガラス化保存液除去材としてこのような金属網を使用する場合には、図2に示すように、ガラス化保存液除去材を断面視、U字に変形して使用することもできる。図2(a)は、このような金属網をガラス化保存液除去材として内柄(13)に装着した容器本体部(10)の斜視図であり、図2(b)は、鞘部(20)の斜視図であり、図2(c)は、鞘部(20)に容器本体部(10)を装着した動物胚等ガラス化保存用細管(1)の透視斜視図であり、図2(d)は、容器本体部(10)のガラス化保存液除去材(15)の拡大図である。扁平な金属網を金属丸棒などの外周に巻きつけて略U字に変形することで、動物胚等の保持安定性が向上し、かつガラス化保存液除去材(15)が長い場合でも、直線性を高く維持して、鞘部(20)への挿入を容易に行うことができる。
一方、ガラス化保存液除去材(15)としては、紙などの天然物や合成樹脂からなるフィルム状物にガラス化対象物の直径の0.001〜0.8倍、より好ましくは0.01〜0.7倍の孔径(貫通孔)が形成されたフィルム状物を使用してもよい。このようなフィルム状物の上部に動物胚等を載置し、下部から吸引することで上記と同様に、吸引によって付着するガラス化保存液を除去することができる。このようなフィルム状物としては、容器本体部(10)を構成する合成樹脂と同様に、ポリアミド繊維その他の耐液体窒素性を有するフィルムを好適に使用することができる。
更に、本発明では、上記ガラス化保存液除去材として、それ自体がガラス化保存液を吸収する特性を有する部材を使用することができる。ガラス化保存液を吸収する特性があれば、ガラス化保存液で平衡処理した胚や卵子をガラス化保存液除去材の上に載置した際、前記吸引操作を行うことなく、ガラス化保存液を胚や卵子の外周から除去することができる。ガラス化保存液の吸水特性としては、吸水量1〜10μm/cm、より好ましくは、3〜7μm/cmで十分である。
ガラス化保存液除去材(15)として使用するフィルム状物の厚さは、鞘部(20)への挿入を容易に行えるように、直線性を維持しうる程度の厚さを有するものであれば、特に制限はない。また、このようなフィルム状物も、前記図2(d)に示すように、断面視U字に変形して内柄(13)に装着してもよい。なお、図2(d)では、ガラス化保存液除去材(15)の先端を垂直に切り落としているが、先端をシャベル状にカットしてもよい。先端部を細くすることで、鞘部(20)への挿入をより安定して行うことができる。
更に、ガラス化保存液除去材(15)としては、二種以上の複合体であってもよい。例えば、上記したフィルム状物と金属網とからなる複合体の場合には、金属網の上面にフィルム状物を積層して構成することができる。この際には、前記金網の目開きや孔径は、上記範囲に限定されることなく、より大きな目開きや孔径のものを使用してもよい。また、上記フィルム状物を2枚以上積層してガラス化保存液除去材として使用することもできる。この際、使用するフィルム状物の孔径(貫通孔)のサイズや吸水量は、同一であっても異なっていてもよい。また、少なくとも動物胚等の接触面が上記した目開きや孔径であれば、下層はこれに限定されず、より大きな目開きや孔径のものを使用することができる。図3(a)に2枚のフィルム状物を積層してなるガラス化保存液除去材(15)が配設された容器本体部(10)の斜視図を示す。
前記したように、本発明では、ガラス化保存液除去材(15)の長さが5〜30mmであるため、例えば10個以上の複数の動物胚等を載置することができる。直接移植の場合には1個でよいが、保存のみを行う場合には、単一の操作で複数の動物胚等をガラス化保存できる利点がある。
更に、ガラス化保存液除去材(15)は、図3(b)に示すように、内柄(13)に連設される支持柄(15a)の先端に前記フィルム状物や金属網、その他のガラス化保存液除去材(15)を配設するものであってもよい。支持柄(15a)を介在させることで、ガラス化保存液除去材(15)として柔軟な素材を使用する場合でも、鞘部(20)への挿入を容易に行うことができる。なお、ガラス化保存液除去材(15)の全長は、前記支持柄(15a)を配設する場合には、この支持柄(15a)の長さも含まれるものとする。
また、図3(c)に示すように、ガラス化保存液除去材(15)の全長を短くし、かつ断面視、U字に変形してガラス化保存液除去材(15)とすることができる。ガラス化保存液除去材(15)を構成するフィルム状物が薄物であるため、直線性の保持が容易でない場合でも、全長を短くすることで容易に直線性を確保することができる。
本発明の動物胚等のガラス化保存用細管は、前記した容器本体部と鞘部とからなり、後記するガラス化保存方法に示すように、平衡処理した動物胚等の外周に存在するガラス化保存液を吸収や吸引除去などの方法で除去した後に、前記容器本体部を鞘部に挿入し、これを液体窒素に投入してガラス化保存することができる。容器本体部のガラス化保存液除去材は、迅速に鞘部に挿入できる形状であることが好ましく、上記構成によれば、鞘部への挿入が容易であり、液体窒素に投入する前に鞘部にガラス化保存液除去材を収納して液体窒素による汚染を防止することができる。このため、液体窒素の無菌化処理なども回避することができる。
前記したように、容器本体部の外柄、内柄、鞘部を金属製とすれば、熱伝導性に優れるため、鞘部に収納されたガラス化保存液除去材に載置された動物の胚等を迅速にガラス化保存することができる。また、機械的強度に優れるため、再使用も可能である。
(3)動物の胚の移植用キット
本発明の動物の胚の移植用キットは、前記動物胚等のガラス化保存用細管(1)と、希釈液が充填された希釈用ストロー(40)とからなる。ガラス化保存は、動物の胚や卵子を対象とするが、動物の卵子は直接移植が想定されないため、「動物の胚の移植用キット」とした。
前記希釈用ストロー(40)は、図4(a)に示すように、端部に綿栓(41)が装着され、かつ希釈液(43)が充填されたものであり、前記希釈液の上部に空気層(45)が形成され、他の端部に密封栓(47)が装着されたものである。なお、綿栓(41)は、2つの綿栓(41a)が接着層(41b)を介して構成されている。
前記希釈用ストロー(40)における空気層(45)は、液体窒素に投入して保存される際に希釈液の膨張によるストロー(40)の破損を回避するに形成されたものである。希釈用ストロー(40)の全長は、液体窒素への投入および回収、融解液への投入および回収を容易に行える長さであり、80〜200mmであることが好ましい。
また、密封栓(47)は、図4(b)に示すように、被せ栓であってもよく、特に、無菌的操作の点から好ましい。更に、図4(c)に示すように、密封栓(47)が円錐状の先細となるように構成されていてもよい。円錐状であれば、本発明の動物胚等のガラス化保存用細管(1)の容器本体部(10)の挿入を容易に行うことができる。なお、希釈液の組成は、ガラス化保存液の種類に応じて適宜選択することができ、一般には、ガラス化保存液から耐凍剤であるエチレングリコールやグリセロールを除去し、かつスクロース濃度を低減させた組成のものを好適に使用することができる。
本発明では、動物胚等のガラス化保存用細管(1)によってガラス化保存された動物胚を融解した後に、動物胚等のガラス化保存用細管(1)の鞘部(20)から容器本体部(10)を抜き出し、希釈用ストロー(40)の密封栓(47)を除去し、ここから前記容器本体部(10)を挿入し、ガラス化保存液除去材(15)に付着する動物胚を希釈液中で希釈する。たとえ空気層(45)の高さが10mmであっても、ガラス化保存液除去材(15)が30mmであれば、動物胚を希釈液(43)内に落下させることができる。
このような希釈用ストロー(40)は、例えば市販の綿栓ストローに、希釈液を充填し、密封栓を挿入して調製することができる。希釈用ストロー(40)の収容量は、ガラス化保存した動物胚等の種類に応じて適宜選択することができ、例えば牛胚の場合には、0.25mlのものを好適に使用することができる。
本発明の動物の胚の移植用キットでは、動物胚等のガラス化保存用細管(1)におけるガラス化保存液除去材(15)の長さは、希釈用ストロー(40)における端部から希釈液(43)までの長さと関連するため、鞘部(20)へのガラス化保存液除去材(15)の挿入を容易に行えるように、ガラス化保存液除去材(15)の長さを例えば12mmに短く調製した場合には、希釈用ストロー(40)の密封栓(47)側の端部から希釈液(43)までの長さを上記ガラス化保存液除去材(15)の長さに対応させて短くカットしてから、容器本体部(10)を希釈用ストロー(40)に挿入してもよい。
本発明のキットによれば、動物胚等を融解する際には、前記動物胚等のガラス化保存用細管(1)およびを希釈用ストロー(40)を所定温度の融解液に浸漬し、ついで、容器本体部(10)を希釈用ストロー(40)の希釈液(45)に容易に誘導することができるため、希釈液(45)で確実に希釈することが可能となり、生存性を高く維持することができ、簡便性を維持した上で受胎率を向上させることが可能となる。なお、本発明では、冷却物質として液体窒素で説明しているが、その他の物質を利用できる可能性があり、これに限定するものではない。
本発明で使用する希釈用ストロー(40)では、希釈液(43)の中を融解した動物胚等が重力により沈降して希釈され、移植時に綿栓(41)側から希釈液(43)を押し出すことで直接移植を行うことができる。
(4)ガラス化保存方法
本発明のガラス化保存方法は、上記動物胚等のガラス化保存用細管で動物胚等をガラス化保存する方法であって、ガラス化保存液で平衡処理した動物胚等を前記ガラス化保存用細管を構成するガラス化保存液除去材の上に載置し、前記動物胚等の外周に存在するガラス化保存液を吸引除去し、ついで前記ガラス化保存用細管を構成する容器本体部を鞘部に収納し、液体窒素中に載置することを特徴とする、動物胚のガラス化保存方法である。牛胚のガラス化保存の場合を、図5を用いて説明する。
(i)平衡処理
回収した牛胚を、発生培地に収納する。発生培地は、胚の種類に応じて好適な温度が選択され、例えば牛胚の場合は39℃である。
この胚を、次に、温度15℃のガラス化基礎液に浸漬させる。このようなガラス化基礎液は、従前のガラス化保存法で使用されるものの中から適宜選択して使用することができる。浸透時間は、約10分間である。
次に、温度15℃のガラス化前処理液に約5分間浸漬させる。ガラス化前処理液は、ガラス化基礎液にエチレングリコールやグリセロールなどの耐凍剤を含有させたものである。
ついで、温度4℃のガラス化保存液に最大25秒浸漬し、ついで、再度、温度4℃の新鮮なガラス化保存液に最大25秒間、牛胚を浸漬させる。これによりガラス化保存液が牛胚に浸漬し、その濃度がガラス化保存液と平衡になる。なお、ガラス化保存液は、前記したガラス化前処理液のエチレングリコール濃度およびグリセロール濃度を高め、かつスクロースを添加したものである。
(ii)ガラス化保存
支持体にろ紙を載せ、この上に本発明の動物胚等のガラス化保存用細管(1)を構成する容器本体部(10)のガラス化保存液除去材(15)を固定し、ガラス化保存液で平衡処理された牛胚を、ガラス化保存液除去材(15)の上に載置する。前記支持体の下部から吸引して牛胚の外周に存在するガラス化保存液を吸引除去する。なお、ガラス化保存液除去材(15)がガラス化保存液の吸水特性を有する場合には、吸引除去することなく載置しただけで、ガラス化保存液をガラス化保存液で平衡処理した胚や卵子の外周から除去することができる。
ガラス化保存液を除去した後に、前記容器本体部(10)を鞘部(20)に挿入する。容器本体部(10)の内柄(13)と鞘部(20)の内周とを液密に嵌合させ、液体窒素中に仕込む。これにより、無菌処理した液体窒素を使用しない場合でも、液体窒素と動物胚等が直接接触することがなく、液体窒素による汚染を防止し牛胚をガラス化保存することができる。なお、ガラス化保存液除去材(15)の上のガラス化保存液を吸引除去し、液体窒素中で急冷してガラス化するまでの時間は10秒以内である。
(iii)融解および希釈方法
本発明では、ガラス化保存された牛胚の融解に先立ち、図6(d)に示すように、予め液体窒素中で保存した希釈用ストロー(40)を融解液に浸漬しておく。
次いで、図6(a)に示す液体窒素中に保存された動物胚等のガラス化保存用細管(1)を、図6(b)に示すように、直立させたまま温度20〜39℃の融解液に浸漬し、胚を温度4℃まで加温する。
ついで、動物胚等のガラス化保存用細管(1)の容器本体部(10)を鞘部(20)から抜き出し、融解した牛胚を付着させたまま、希釈用ストロー(40)の希釈液に浸漬させる。容器本体部(10)のガラス化保存液除去材(15)に付着していた牛胚は、希釈液の中で自重により落下する。約5〜30分間、希釈液中に保持して耐凍剤を除去する。
本発明の動物胚等のガラス化保存用細管(1)が金属製である場合には、熱伝導率が高いために融解時間が極めて速く、加温後の動物胚等ガラス化保存用細管(1)は素手で安全に扱えるため容器本体部(10)のガラス化保存液除去材(15)を、希釈液ストロー(40)に挿入・装着することが容易で短時間に済み、胚の生存率を高く維持することができる。なお、4℃に加温してから胚を保持するガラス化保存液除去材(15)を希釈液ストロー(40)の希釈液(45)に沈めるまでの時間は、10秒以内である。
上記は、牛胚を取扱条件で説明したが、ヒトその他の動物胚や卵子に適用する場合には、これらの胚や卵子に好適な条件に変更してガラス化保存及び溶解、希釈を行うことができる。
本発明では、ガラス化保存液が動物胚や卵子の外周に存在しない状態でガラス化保存を行うため、ガラス化および融解を迅速に行うことができ、これに伴い希釈も迅速に行うことができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
乾燥濾過滅菌用メンブレンフィルター(日本ミリポア株式会社製;孔径5.0〜8.0μm)を幅2mm、長さ20mmに切断したものをガラス化保存液除去材(15)として使用し、図1に示す動物胚等のガラス化保存用細管(1)を調製した。なお、容器本体部(10)の外柄、内柄、および鞘部(20)はSUS製とした。外柄(11)は、長さ30mm、内柄(13)は、19mm、前記メンブレンフィルターは、内柄から17mm突出させ、鞘部(20)を装着した動物胚等のガラス化保存用細管(1)の全長は134mm、外径は1.2mmとした。
一方、長さ132mm、内容量0.25mlの市販の凍結保存用の綿栓ストローに下記表1に示す組成の希釈液を充填し、他の端部に密封栓を装着して液体窒素中で保存し、希釈用ストローとした。
(実施例2)
太さ30μmのSUS金属を目開き38μmで編んだSUS製金属網を用いてガラス化保存液除去材(15)とし、図2に示す動物胚等ガラス化保存用細管(1)を調製した。なお、容器本体部(10)の外柄、内柄、および鞘部(20)もSUS製とした。外柄(11)は、長さ30mm、内柄(13)は、19mm、ガラス化保存液除去材(15)は長さ19mmであり、鞘部(20)を装着した動物胚等のガラス化保存用細管(1)の全長は134mm、外径は1.2mmとした。なお、ガラス化保存液除去材(15)は、幅2mmの前記SUS製金属網を22Gの針の外周に巻きつけて、中央部が窪むU字を形成させた。
(実施例3)
(1)ウシ胚盤胞を温度15℃のガラス化基礎液に10分間浸漬した。ガラス化基礎液の組成を表2に示す。
(2)次に、温度15℃のガラス化前処理液に約5分間浸漬させた。ガラス化前処理液の組成を表3に示す。
(3)ついで、温度4℃のガラス化保存液に25秒浸漬し、ついで、再度、温度4℃の新鮮なガラス化保存液に25秒間、牛胚を浸漬させた。ガラス化保存液の組成を表4に示す。
(4)ついで、支持体にろ紙を載せ、この上に実施例1で製造したガラス化保存用細管を構成する容器本体部のガラス化保存液除去材を固定し、前記ガラス化保存液で平衡処理されたウシ胚盤胞を、ガラス化保存液除去材の上に載置し、前記支持体の下部から吸引してウシ胚盤胞の外周に存在するガラス化保存液を吸引除去し、ただちに前記容器本体部を鞘部に挿入し、液体窒素中に仕込んだ。ガラス化保存液除去材の上のガラス化保存液を吸引除去し、液体窒素中で急冷してガラス化するまでの時間は10秒以内であった。
(5)一方、実施例1で調製した希釈用ストローを温度39℃の融解液に浸漬した。
(6)次いで、上記(4)で液体窒素中に保存した動物胚等のガラス化保存用細管を、直立させたまま温度39℃の融解液に7秒間浸漬してウシ胚盤胞を温度4℃まで加温した。
(7)ついで、ガラス化保存用細管の容器本体部を鞘部から抜き出し、融解したウシ胚盤胞を付着させたまま、希釈用ストローの希釈液に5分間浸漬した。
(8)ついで、上記ウシ胚盤胞を96時間培養した。
上記工程を12個のウシ胚盤胞について同様に行い、ストロー内希釈後の生存率を評価した。結果を表5に示す。
(実施例4)
(1)乾燥濾過滅菌用メンブレンフィルターに代えて、硬質ろ紙(東洋濾紙製、商品名「No.4A」、吸水量5.3μm/cm)を幅2mm、長さ20mmに切断したものをガラス化保存液除去材(15)として使用した以外は、実施例1と同様にしてガラス化保存用細管を調製した。
(2)実施例3と同様にウシ胚盤胞を温度15℃のガラス化基礎液に10分間浸漬し、および温度15℃のガラス化前処理液に約5分間浸漬させ、ついで、ガラス化保存液に25秒浸漬し、再度、温度4℃の新鮮なガラス化保存液に25秒間、牛胚を浸漬させた。
(3)このガラス化保存液で平衡処理されたウシ胚盤胞を約0.5μlのガラス化保存液とともに、上記(1)で調製したガラス化保存用細管のガラス化保存液除去材の上に載置した。胚盤胞の外周に存在するガラス化保存液の吸収除去が目視で確認された。ただちに容器本体部を鞘部に挿入し、液体窒素中に仕込んだ。ガラス化保存液除去材の上にウシ胚盤胞を載置してから液体窒素中で急冷してガラス化するまでの時間は10秒以内であった。
(4)一方、実施例1で調製した希釈用ストローを温度39℃の融解液に浸漬した。
(5)次いで、上記(3)で液体窒素中に保存した動物胚等のガラス化保存用細管を、直立させたまま温度39℃の融解液に7秒間浸漬してウシ胚盤胞を温度4℃まで加温した。
(6)ついで、上記ガラス化保存用細管の容器本体部を鞘部から抜き出し、融解したウシ胚盤胞を付着させたまま、25℃の希釈用ストローの希釈液に30分間浸漬した。
(7)その後、上記ウシ胚盤胞を96時間培養した。
(8)上記工程を25個のウシ胚盤胞について同様に行い、ストロー内希釈後の生存率を評価した。結果を表6に示す。
(比較例1)
(1)乾燥濾過滅菌用メンブレンフィルターに代えて、非吸水性プラスチックフィルム(吸水量0μm/cm)を幅1mm、長さ20mmに切断したものを凍結板として使用した以外は、実施例1と同様にして比較ガラス化保存用細管を調製した。
(2)実施例3と同様にウシ胚盤胞を温度15℃のガラス化基礎液に10分間浸漬し、および温度15℃のガラス化前処理液に約5分間浸漬させ、ついで、ガラス化保存液に25秒浸漬し、再度、温度4℃の新鮮なガラス化保存液に25秒間、牛胚を浸漬させた。
(3)ついで、前記ガラス化保存液で平衡処理されたウシ胚盤胞を約0.3μlのガラス化保存液とともに、上記(1)で調製した比較ガラス化保存用細管の凍結板先端上に載置した。胚盤胞の外周に存在するガラス化保存液は、前記凍結板上に残存した。ついで、前記比較ガラス化保存用細管の凍結板を液体窒素中に投入し、その後、比較ガラス化保存用細管の鞘部に挿入した。
(4)一方、実施例1で調製した希釈用ストローを温度39℃の融解液に浸漬した。
(5)次いで、上記(4)で液体窒素中に保存した動物胚等のガラス化保存用細管を、直立させたまま温度39℃の前記融解液に7秒間浸漬してウシ胚盤胞を温度4℃まで加温した。
(6)ついで、上記比較ガラス化保存用細管の容器本体部を鞘部から抜き出し、融解したウシ胚盤胞を付着させたまま、39℃の希釈用ストローの希釈液に5分間浸漬した。
(7)その後、上記ウシ胚盤胞を96時間培養した。
(8)上記工程を3個のウシ胚盤胞について同様に行い、ストロー内希釈後の生存率を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0005278978
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(結果)
(1)実施例3に示すよう、本発明のガラス化保存用細管は、配設されるガラス化保存液除去材の下部から吸引操作を行うことでガラス化保存液で平衡処理した動物の胚や卵子の外周に存在するガラス化保存液を除去することができるため、ウシ胚盤胞の形態的生存胚数および培養終了時の形態的生存胚に対する生存胚数の割合を向上させることができた。
(2)実施例4に示すように、ガラス化保存用細管に配設するガラス化保存液除去材の吸水性が高い場合は、たとえ、前記平衡処理したウシ胚盤胞と共に0.5μlのガラス化保存液をガラス化保存液除去材の上に載置した場合でも、前記吸引操作を行うことなく胚や卵子の外周に存在するガラス化保存液を除去することができ、操作が簡便であった。
(3)比較例1は、平衡処理したウシ胚盤胞と共に、実施例4より少量の0.3μlのガラス化保存液を載置したに過ぎないが、ウシ胚盤胞の形態的生存胚数および培養終了時の形態的生存胚に対する生存胚数の割合が低い結果となった。このことは、ガラス化保存液で平衡処理した動物の胚や卵子の外周に存在するガラス化保存液を除去することで、ウシ胚盤胞の形態的生存胚数および培養終了時の形態的生存胚に対する生存胚数の割合を向上させうることを示すものである。
(4)比較例1は、ガラス化保存液で平衡処理したウシ胚盤胞を液体窒素に直接投入して凍結する点、およびウシ胚盤胞に0.3μlのガラス化保存液を残存させたまま凍結する点で実施例3、実施例4と相違する。実施例3、実施例4のガラス化保存用細管は、容器本体部を鞘部に挿入してから液体窒素中に投入するため、胚や卵子の外周にガラス化保存液を残存させることなく凍結させることができる。また、胚や卵子を液体窒素に直接投入する必要がないため、液体窒素による胚や卵子の汚染を考慮する必要がない。
本発明の凍結保存用細管は、生物学的標本の生存性を高く維持したまま、動物への移植に広く利用することができ、特に、ヒトや牛胚移植に利用する場合において有効である。
1・・・動物胚等ガラス化保存用細管、
10・・・容器本体部、
20・・・鞘部、
40・・・希釈用ストロー

Claims (3)

  1. 容器本体部と鞘部とからなる動物の胚または卵子をガラス化保存するための細管であって、
    前記容器本体部は、外柄と前記外柄に連設される内柄とからなり、前記内柄にはガラス化保存液除去材が固定され、
    前記ガラス化保存液除去材は、少なくとも1個の前記胚または卵子が載置され、前記胚または卵子の外周に存在するガラス化保存液を除去するものである、動物の胚または卵子のガラス化保存用細管。
  2. 請求項1記載の動物の胚または卵子のガラス化保存用細管で動物の胚または卵子をガラス化保存する方法であって、
    ガラス化保存液で平衡処理した動物の胚または卵子を前記ガラス化保存用細管を構成するガラス化保存液除去材の上に載置し、
    前記動物の胚または卵子の外周に存在するガラス化保存液を吸引除去し、
    ついで前記ガラス化保存用細管を構成する容器本体部を鞘部に収納し、液体窒素中に載置することを特徴とする、動物胚のガラス化保存方法。
  3. 請求項1記載の動物の胚または卵子のガラス化保存用細管と、希釈液が充填された希釈用ストローとからなる、動物の胚の移植用キット。
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