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JP5263839B2 - Iii族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、III族元素のハロゲン化物のガス体を原料に用いた気相成長法により窒化アルミニウム結晶などのIII族窒化物結晶を製造する方法に関する。
窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウムといったIII族窒化物結晶は広範囲のバンドギャップエネルギーの値を有しており、それらのバンドギャップエネルギーは、それぞれ、約6.2eV、約3.4eVおよび約0.7eVである。これらのIII族窒化物結晶は任意の組成の混晶半導体をつくることが可能であり、その混晶組成によって、上記のバンドギャップの間の値を取ることが可能である。
したがって、III族窒化物結晶を用いることにより、赤外光から紫外光までの広範囲な発光素子を作ることが原理的に可能となる。特に、近年ではアルミニウム系III族窒化物結晶、主に窒化アルミニウムガリウム混晶を用いた発光素子の開発が精力的に進められている。アルミニウム系III族窒化物結晶を用いることにより紫外領域の短波長発光が可能となり、白色光源用の紫外発光ダイオード、殺菌用の紫外発光ダイオード、高密度光ディスクメモリの読み書きに利用できるレーザー、通信用レーザー等の発光光源が製造可能になる。
アルミニウム系III族窒化物結晶を用いた発光素子(以下、アルミニウム系III族窒化物発光素子ともいう)は、従来の発光素子と同様に基板上に厚さが数ミクロン程度の半導体単結晶の薄膜の積層構造、具体的にはp形半導体層、発光層およびn形半導体層となる薄膜を順次形成することにより作製される。このような積層構造の形成は、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、有機金属気相エピタキシー(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法等の結晶成長方法を用いて行うことが一般的であり、アルミニウム系III族窒化物発光素子の製造に向けて上記の方法により発光素子として好適な積層構造を形成する研究がなされている(非特許文献1参照)。
なお、アルミニウム系III族窒化物結晶層の形成方法としては、前述したMBE法やMOVPE法の他にハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法が知られている(特開2003−303774号公報参照)。しかしながら、HVPE法はMBE法やMOVPE法と比べて製造コストおよび成膜速度の観点でこれらの方法よりも有利であるという特徴を有するにもかかわらず、膜厚を精密に制御することが困難であるという理由から半導体発光素子の結晶層形成方法として採用されることはほとんどない。
現在、紫外発光素子に用いられる基板としては、基板としての結晶品質、紫外光透過性、量産性やコストの観点からサファイア基板が一般的に使用されている。しかし、サファイア基板を用いると、サファイア基板と半導体積層膜を形成する窒化アルミニウムガリウムとの物性差に起因する問題が生じる。例えば、基板と半導体積層膜の格子定数が異なること(ミスフィット)により、転位と呼ばれる結晶欠陥が半導体積層膜に導入される。転位が存在することにより半導体積層膜の発光性能が低下することや、素子の寿命が短くなることが一般的に知られている。そこで、このようなミスフィットによる転位形成の問題を防止するために、サファイア等の単結晶基板上にアルミニウム系III族窒化物結晶膜を形成したテンプレート基板、或いはアルミニウム系III族窒化物結晶のみからなる自立性基板を使用することが提案されている。
これらのテンプレート基板や自立性基板を製造する際には、サファイア等の単結晶基板上にアルミニウム系III族窒化物結晶を気相成長させる必要がある。従来、このような目的の気相成長法としては、良好な結晶が得られるということから、これまでMOVPE法が一般に採用されてきたが、HVPE法の改良により該方法を用いてアルミニウム系III族窒化物結晶自立基板を得ることも可能となっている(特許文献1参照)。
従来のHVPE法では、特許文献2に記載されるような石英ガラス製反応管の外部から抵抗加熱等の方法により反応管内部に設置した基板を加熱する方法を採用した装置を用いるのが一般的であった。そして、このような装置を用いた場合には、加熱温度の上限は石英ガラス製反応管の耐熱温度に制限され、最も耐久性のある石英ガラス製反応管を用いても1,200℃で長時間結晶成長を行うことは困難であった。ところが、近年、特許文献1に示されるように装置上の改良により基板温度を950〜1,700℃と高温にして気相成長させることが可能になり、更にサファイア基板上にMOVPE法アルミニウム系III族窒化物結晶膜を形成したものを基板として使用することによって良好なアルミニウム系III族窒化物結晶層を得ることも可能となっている。
また、HVPE法により結晶性の良好なアルミニウム系III族窒化物結晶を得る方法として、サファイア等の基板を300〜550℃という低温に保持した状態でIII族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスとを反応させた後、基板温度を1,100〜1,600℃に加熱して上記両ガスを反応させる方法が知られている(特許文献3参照)。
特許文献1に記載された方法により、表面が平滑で良好なアルミニウム系III族窒化物結晶層を得るためには、基板としてサファイアなどの単結晶基板上に予めMOVPE法によりアルミニウム系III族窒化物結晶膜を形成したものを使用する必要がある。ところが、MOVPE法には、原料が高価であり成膜速度も遅いというデメリットがあり、該方法を採用することは製造コスト及び製造効率の点で必ずしも満足の行くものではない。また、上記方法では、一旦MOVPE法で膜形成した後に、装置を変えるか或いは原料を切り替えてHVPE法を採用する必要があり、操作が煩雑であるばかりでなく操作の過程で不純物が混入し、基板が汚染される危険性もある。
また、本発明者等による検討の結果、特許文献3に記載された方法を採用した場合には、得られるアルミニウム系III族窒化物結晶の結晶性自体は優れているものの、その表面平滑性は十分ではないという問題があることが明らかとなった。
特開2005−252248号公報 特開2003−303774号公報 特開2006−335607号公報
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.44,No.10,2005,pp.7191-7206
そこで、本発明の目的は、MOVPE法を採用することなく、HVPE法のみを採用することによって表面が平滑で結晶性が良好なアルミニウム系III族窒化物結晶層を得ることができる方法を提供することにある。
前記特開2005−252248号公報の図8(a)に示されるように、特開2005−252248号公報に記載された方法において、サファイア基板上に直接HVPE法により窒化アルミニウム(AlN)結晶を気相成長させたときには、予めMOVPE法でAlN結晶膜形成を行った基板を用いた場合と比べて得られるAlN結晶層表面の平滑性が低下する。本発明者らは、上記課題を解決するために、先ずこのような現象が起こる原因について検討を行った。その結果、成長前の基板の表面状態の観察から、基板を高温に保って気相成長を開始する前の段階で、基板材質が劣化してしまうことがAlN結晶の表面形態や表面平滑性が低下する原因であることをつきとめた。
例えば、サファイア基板を初期基板として1,200℃以上の温度で窒化アルミニウム系半導体結晶を成長させる場合には、成長前の昇温過程においてキャリアガスとして用いた水素ガスとの反応により基板の分解反応が起こり、ステップの疎密化(バンチングともいう)やピットが生成してしまい、そのため、結晶成長過程においてはこれらの基板表面形態が反映され、成長した結晶表面の平滑性が低下すると考えられた。実際に、本発明者等がサファイア基板、炭化ケイ素基板、窒化ガリウム基板、及び酸化亜鉛基板を用い、キャリアガスとして水素ガスあるいは不活性ガスを使用して基板を1,200〜1,600℃に加熱して結晶成長を行ったところ、昇温過程において基板表面の平滑性が失われ、得られた窒化アルミニウム結晶の表面形態及び荒れは成長前の基板の劣化状態と整合するものであった。
このような問題は、基板の分解を起こすとなく比較的良好な結晶形成を行うことのできる温度領域で基板表面を薄く被覆するアルミニウム系III族窒化物結晶膜の形成を行い、その後、温度を高くしてより高品質の結晶を成長させれば解決できると考えられた。しかしながら、実際には、前記特開2006−335607号公報に記載されるような方法を採用しても所期の目的を達成することができない。
本発明者等は、特開2006−335607号公報に記載された方法において形成される結晶層の表面平滑性が低下するのは、低温で成長させた結晶層は内部の結合が弱いために続いて行われる昇温過程中に物質移動が起こることが原因であり、比較的低温でこのような物質移動が起こり難い結晶層を形成してから高温での結晶成長を行えば前記課題を解決できるのではないかと考え、そのような結晶層を形成できる条件について鋭意検討を行った。
その結果、1,000℃以上1,200℃未満の温度領域で初期成長を行い、次いで1,200℃以上の温度で主成長を行うことにより、結晶品質が良好で、かつ、成長した状態でその上に発光素子などの半導体積層膜を形成することが可能な程度の表面形態と優れた表面平滑性を有する窒化アルミニウム結晶膜を形成できることを見出し、本願発明を完成するに到った。
即ち、本発明が提供する上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1) 加熱された単結晶基板と、III族ハロゲン化物及びIII族ハロゲン化物ガスの供給量の1〜100倍の窒素原子を含む化合物ガスを含有する原料ガスとを接触させて該単結晶基板上にIII族窒化物結晶を気相成長させる工程を含むIII族窒化物結晶の製造方法において、前記工程が1,000℃以上1,200℃未満の温度に加熱された単結晶基板上にIII族窒化物結晶層を気相成長させる初期成長工程と、1,200℃以上の温度に加熱された上記III族窒化物結晶層上にIII族窒化物結晶をさらに気相成長させる主成長工程と、を含んでなることを特徴とする方法。
記(1)の方法においては、主成長工程でIII族窒化物結晶を成長させるに当たり基板の分解が起こることなく良好な結晶核の形成を行うことができるという理由から、前記初期成長工程で0.5nm〜500nmの厚さを有するIII族窒化物結晶層を形成することが好ましい。また、前記(1)の方法では、数10μm/h以上の速い成長速度であっても結晶性の良好なIII族窒化物結晶が成長できるという理由から、前記初期成長工程で得られたIII族窒化物結晶層を1,200℃以上の温度に加熱する加熱処理工程を更に含み、該加熱処理工程を前記主成長工程の前に行うことが好ましい。さらに、飽和蒸気圧が高いため高濃度のIII族窒化物結晶の原料が供給可能であり、かつ、1,200℃以上の主成長工程においても比較的安定な状態で成長用基板上に原料供給が可能であるという理由から前記(1)の方法においては、III族ハロゲン化物としてアルミニウムハロゲン化物、又はアルミニウムハロゲン化物とアルミニウム以外のIII族元素のハロゲン化物との混合物を使用してIII族窒化物結晶として窒化アルミニウム結晶、又は窒化アルミニウムと他のIII族窒化物との混晶を製造するのが好ましい。
本発明によれば、MOVPE法を採用することなく、HVPE法のみを用いて、良好な結晶品質を有し、かつ表面形態が良好で表面平滑性に優れた窒化アルミニウム等のIII族窒化物結晶を製造することが可能である。したがって、低い製造コストで且つ効率的に表面にIII族窒化物結晶層を有するテンプレート基板もしくはIII族窒化物単結晶の自立性基板を製造することができる。また、このようにして得られるテンプレート基板及び自立性基板は、その表面の形態が良好で表面平滑性も優れているため、化学的機械的研磨等の研磨を行うことなく、これら基板上に直接発光素子等の半導体積層膜を形成することが可能であり、発光素子性能の向上、紫外発光光源の実用化、発光素子等の製造時のコストダウンに大きく寄与できる。
また、本発明のさらなる効果として、前記主成長工程で成長するIII族窒化物結晶層には、不純物元素を低減する効果があることが明らかとなった。これは初期成長工程で成長する第1段階目のIII族窒化物結晶層が、基板からの不純物の拡散をブロックするためであると考えられる。III族窒化物結晶に含まれる単結晶基板からの拡散不純物は、意図して添加した不純物ではないため制御が困難なだけでなく、不純物の存在により、半導体としての電気的特性に大きく悪影響を及ぼすので、拡散をブロックする効果が非常に好ましいことは云うまでもない。
本発明で使用される代表的な気相成長装置の概略図である。
前記したように本発明は、MOVPE法を採用することなく、HVPE法のみを採用することによって表面が平滑で良好なIII族窒化物結晶層、特にアルミニウム系III族窒化物結晶層を得ることを目的としている。このため、本発明の方法は従来のHVPE法と同様に、加熱された単結晶基板と、III族ハロゲン化物及び窒素原子を含む化合物を含有する原料ガスとを接触させて該単結晶基板上にIII族窒化物結晶層を気相成長させる工程を含む。
本発明方法の製造対象物であるIII族窒化物結晶とは、III族元素の窒化物の結晶を意味し、III族元素とは周期律表のIII族(或いは13族)に属する元素、即ち、B、Al、Ga、In、及びTlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を意味する。本発明においては、他の方法では低コスト及び効率的に表面が平滑な結晶層を得ることが非常に困難であり、本発明の方法を採用することのメリットが大きいという理由から、III族窒化物結晶としては、アルミニウム系III族窒化物結晶、即ち、窒化アルミニウム結晶、又は窒化アルミニウムと、アルミニウム以外のIII族元素、具体的には、B、Ga、In、及びTlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の窒化物との混晶を製造するのが好ましい。
本発明の方法で使用する単結晶基板及び原料ガスとしては、従来のHVPE法で使用されるものが特に制限無く使用できる。単結晶基板としては、例えばサファイア、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、酸化亜鉛、シリコン、ホウ化ジルコニウムが使用できる。III族窒化物結晶の厚膜を該基板上に形成し、基板から切り離して自立性基板とする場合には、前記いずれの基板も好適に使用可能である。テンプレート基板として用いるのであれば、紫外領域における透過性が良好なこととコストの観点からサファイアが好適である。
また、原料ガスとしては、III族元素源としてのIII族ハロゲン化物ガスおよび窒素源としてのアンモニアなどの窒素原子を含む化合物のガスが使用できる。
III族ハロゲン化物ガスとしては、III族元素のハロゲン化物からなるガスであれば特に限定されないが、前記した理由から、アルミニウムハロゲン化物ガス、又はアルミニウムハロゲン化物ガスとアルミニウム以外のIII族元素のハロゲン化物ガスとの混合ガスを使用するのが好ましい。アルミニウムハロゲン化物ガスとしては、三塩化アルミニウムガスを使用するのが好ましい。また、アルミニウム以外のIII族元素のハロゲン化物ガスとしては、例えば一塩化ガリウムや三塩化ガリウム、一塩化インジウムや三塩化インジウム等を使用することができる。III族ハロゲン化物ガスとしてアルミニウムハロゲン化物ガスとアルミニウム以外のIII族元素のハロゲン化物ガスとの混合ガスを使用する場合、その組成は、目的とするアルミニウム系III族窒化物の混晶組成に応じて、適宜設定すればよい。この場合、III族元素の種類によってIII族窒化物として基板上へ取り込まれる割合が異なるので、III族ハロゲン化物ガスの供給比率がそのまま混晶組成に対応しないこともあるので、予めガス組成と生成物の組成との関係を調べておくのが好ましい。
III族ハロゲン化物ガスは、例えばアルミニウム、ガリウム、インジウムなどのIII族金属とハロゲン化水素もしくは塩素を反応させることにより得ることができる。このような反応は、例えば特開2003−303774号公報に記載されているようにして行うことができる。また、III族ハロゲン化物ガスは、例えばハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化インジウム等のIII族ハロゲン化物そのものを加熱、気化させることにより得ることもできる。この場合、III族ハロゲン化物としては無水結晶でありかつ不純物の少ないものを使用するのが好ましい。原料ガスに不純物が混入すると形成される結晶に欠陥が発生するばかりでなく、物理的化学的特性の変化をもたらすため、ガスの原料となる物質は高純度品を用いる必要がある。
窒素源ガスとしては、窒素を含有する反応性ガスが採用されるが、コストと取扱易さの点で、アンモニアガスが好ましい。
III族ハロゲン化物ガスおよび窒素源ガスは、夫々キャリアガスにより所望の濃度に希釈されてガス混合器に導入されるのが好ましい。このときキャリアガスとしては、例えば水素、窒素、ヘリウムまたはアルゴンなどの単体ガス、もしくはそれらの混合ガスが使用可能である。あらかじめ精製器を用いこれらのガスから酸素、水蒸気、一酸化炭素或いは二酸化炭素等の不純ガス成分を除去しておくことが好ましい。
本発明の方法は、HVPE法における「加熱された単結晶基板と、III族ハロゲン化物及び窒素原子を含む化合物を含有する原料ガスとを接触させて該単結晶基板上にIII族窒化物結晶を気相成長させる工程」が1,000℃以上1,200℃未満の温度に加熱された単結晶基板上にIII族窒化物結晶層を気相成長させる初期成長工程と、1,200℃以上の温度に加熱された上記III族窒化物結晶層上にIII族窒化物結晶をさらに気相成長させる主成長工程とを含んでなることを最大の特徴とする。こうすることにより、MOVPE法を採用することなく、HVPE法のみを採用することによって表面が平滑で良好なアルミニウム系III族窒化物結晶層を得ることが可能となる。
例えば、初期成長工程を行わずにいきなり主成長工程を行った場合には、単結晶基板の分解が避けられず、高い表面平滑性を有するIII族窒化物結晶層を得ることができない。また、成長を多段で行ったとしても、基板温度を1,000℃未満として最初の成長を行った場合には、所期の効果を得ることができない。即ち、最初の成長における基板温度を前記特開2006−335607号公報に示されるように基板温度を550℃未満とした場合には、結晶品質は優れるものの、主成長過程を経て得られるIII族窒化物結晶層の表面平滑性は悪化する。また、最初の成長における基板温度を550℃以上1,000℃未満とした場合には、結晶品質の良好なIII族窒化物結晶層が得られない。
本発明方法において、初期成長工程における基板温度を1,000℃以上1,200℃未満とし且つ主成長工程における基板温度を1,200℃以上とした場合に限り表面平滑性を低下させずに良好な結晶性を有するIII族窒化物結晶を成長させることができるのは、初期成長工程において熱に対して安定で結晶性の良好な核が均一に形成され、主成長工程においてその核の良好な結晶性を引継いでIII族窒化物結晶が横方向にも成長するためであると考えられる。
これに対し、初期成長工程の基板温度を300〜550℃と非常に低い温度として行った場合には、層内部の結合が弱い中間層が形成され、引き続き行われる昇温工程中に物質移動が起こって結晶性の良好な核が形成されるために、主成長工程において結晶性の良好なIII族窒化物結晶を成長させることができるが、このとき形成される核は、三次元的な構造を有する一種の凝集構造であり、その形成時に変形を伴うばかりでなく、その分布は不均一となりやすいために結晶成長も不均一となり表面の平滑性は低下してしまう。また、初期成長工程における基板温度を、550℃を越え1,000℃未満とした場合には、昇温工程中に物質移動が起こりにくい中間層が形成されるが、この温度領域で成長した中間層自体は多結晶質となり、結晶方位が一定化していないため、次いで行う主成長過程において下地の結晶方位を引継ぎ、結晶品質の良好なIII族窒化物結晶が得られない。さらに、初期成長工程における基板温度を1,000℃以上1,200℃未満とした場合であっても、主成長工程における基板温度を1,200℃未満とした場合にはIII族窒化物結晶が横方向に成長しないため、単結晶が得られるものの表面が平滑なIII族窒化物結晶層を得ることができない。
安定して、高い表面平滑性を有し、転位密度の小さい良好な単結晶を得ることができるという理由から、初期成長工程における単結晶基板の温度は、好ましくは1,000〜1,200℃、特に好ましくは1,050〜1,150℃である。また、同様の理由から、主成長工程における単結晶基板の温度は、好ましくは1,250〜1,700℃、特に好ましくは1,300〜1,600℃である。
初期成長工程においては、単結晶基板の表面に比較的良好な表面状態のIII族窒化物結晶層(以下、中間層ともいう)を形成し、主成長工程を開始するまでの昇温過程において単結晶基板の分解を防ぎ良好な表面状態を保持する。このとき、中間層は単結晶基板の主表面の全面を覆うように形成するのが好ましい。中間層の厚さは、上記保護効果の観点から0.5nm以上であるのが好ましく、基板からの不純物の拡散防止の観点からは5nm以上とするのが好ましい。また、中間層を厚く形成してもその効果は特に変化なく、低温での成膜は高温での成膜に比べて成膜速度が遅いため却って生産性の低下を招くことから、中間層の厚さは500nm以下が好ましく、300nm以下とするのが特に好ましい。
初期成長工程における気相成長は、単結晶基板の温度を所定の温度とする他は従来のHVPE法によるIII族窒化物結晶の気相成長と同様にして行うことができるが、主成長工程で得られるIII族窒化物結晶をより良好なものとすることができるという観点から、原料であるIII族ハロゲン化物ガスと窒素源ガスの供給量を適宜調整して成長速度を1〜300μm/hに調整して行うのが好ましい。このような条件で中間層を形成した場合には、得られる中間層の構造は柱状の結晶状態を有するものとなり、その上に主成長工程によりIII族窒化物結晶層を形成したときの当該結晶層の結晶状態及び表面平滑性が高くなる傾向がある。中間層が柱状の結晶状態を有するときに主成長工程により形成されるIII族窒化物結晶層の結晶状態及び表面平滑性が高くなる理由は明らかとなっていないが、本発明者等は成膜条件を変えることにより中間層の結晶状態が変化すること及び上記傾向があることを実験的に確認している。
本発明の方法では、中間層を形成した後、主成長工程を行うために単結晶基板上の中間層の温度を1,200℃以上の温度、好ましくは1,250〜1,700℃、より好ましくは1,300〜1,600℃に昇温する。この間、原料ガスの供給は一旦停止しても良いし、継続しても良い。また、III族ハロゲン化物ガスまたは窒素源ガスの供給はいずれか一方のみを停止することも可能である。しかしながら、中間層の高温度領域における分解を防止することができるという理由から上記昇温過程においては、アンモニアなどの窒素源ガスは流通し続けていることが好ましい。さらに、基板上の中間層の温度が主成長工程を開始可能な温度に到達した後も、その温度にて所定の時間保持して前記初期成長工程で得られたIII族窒化物結晶層を加熱処理(アニールともいう)することが好ましい。このアニール工程の間に、中間層で表面拡散が起こることにより中間層の結晶性が向上し、主成長工程における結晶成長において良好な結晶を与えるのに適した結晶核が形成されるものと思われる。
アニール時間は、長時間アニールした場合には結晶性が向上するが、結晶核が大きくなることに起因して主成長工程におけるIII族窒化物結晶層の表面が荒れるという理由から、好ましくは7,200秒以内、特に好ましくは1〜600秒である。なお、操作上の理由からアニール温度は通常、主成長工程の基板上の中間層の温度とするが、必ずしも主成長工程の中間層の温度と一致させる必要は無く、主成長工程の中間層の温度より高い温度でアニールを行い、基板上の中間層の温度を下げてから主成長工程を開始してもよく、逆に、アニールを行った後で更に基板上の中間層の温度を上げてから主成長工程を開始してもよい。
本発明の方法では、初期成長工程終了後、必要に応じてアニールを行った後に、1,200℃以上の温度に加熱された単結晶基板上の中間層に原料ガスを接触させて該単結晶基板の上に形成された中間層上にIII族窒化物結晶層をさらに気相成長させる(主成長工程)。1,200℃以上、好ましくは1,250〜1,700℃、特に好ましくは1,300〜1,600℃という温度で、III族窒化物結晶層を気相成長させることにより、得られる結晶の結晶性が良好なものとなり、成膜速度も速くすることができる。また、本発明の方法では、中間層を形成してから主成長工程を行うため、中間層の分解による表面状態の悪化を避けることができ、表面形態や表面平滑性に優れるIII族窒化物結晶層を形成することができる。
ここで、表面形態に優れるとは、形成されたIII族窒化物結晶層の表面を電子顕微鏡で観察したときにピットや突起(これらは、通常0.1μm以上のスケールを有するものである)が実質的に観察されない状態であることを意味し、表面平滑性に優れるとは、III族窒化物結晶層の表面の任意の1辺10μmの領域について原子間力顕微鏡を使用して観察を行った際の算術平均による表面粗さ(Ra値)が、好ましくは1.0nm以下、より好ましくは0.5nm以下であることを意味する。
また、中間層を形成したことによる副次的な効果として、主成長工程で形成されるIII族窒化物結晶層は、不純物、特に単結晶基板に由来する不純物の含有量が極めて少ないという特徴を有する。不純物の含有量が少なくなる詳細な作用機構は今の所明らかではないが、中間層が基板から拡散する不純物をブロックする機能を有するためではないかと考えている。基板として例えばサファイア基板を使用し、高温でHVPE法によりIII族窒化物結晶層を形成した場合には、基板からの拡散により不純物元素として酸素元素が3×1019cm−3程度含まれることになるが、中間層を形成することにより1×1019cm−3以下、好ましくは4×1018cm−3以下とすることができる。酸素がIII族窒化物結晶層に多量に含まれると、特に電気的特性に悪影響を及ぼす。例えば窒化アルミニウム系半導体結晶にシリコン元素をドープしてn形半導体を作製する場合には、酸素原子はシリコン元素をドープして発生した電子キャリアを補償するように働き、半導体としての特性を低下させてしまう。中間層には、サファイア基板を用いた時の酸素原子に限らず、使用する単結晶基板の種類に応じて、その単結晶基板に含まれる元素(原子)の拡散による混入をブロックする効果がある。
主成長工程で形成されるIII族窒化物結晶層に含まれる不純物原子の含有量は二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary ion mass spectrometry)により測定することが可能である。この方法は高真空中において被測定物に一次イオンであるセシウムイオン(検出する元素によっては酸素イオン)を照射し、セシウムイオンによりスパッタリングされて被測定物より飛来したイオン種(二次イオン)を質量分析計により定量し、被測定物に含まれる元素の組成と濃度プロファイルを測定するものである。
主成長工程における気相成長は、表面に中間層を有する単結晶基板の温度を所定の温度とする他は従来のHVPE法によるIII族窒化物結晶の気相成長と同様にして行うことができる。主成長工程で形成するIII族窒化物結晶層(主成長層ともいう。)の厚さは目的に応じて適宜決定すればよい。たとえば、テンプレート基板として使用する場合には、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.5〜2μmとすることが望ましい。また、III族窒化物結晶の自立性基板を製造するためには、好ましくは10〜1,000μm、特に好ましくは50〜500μmの厚みとするのが好ましい。
本発明方法により、単結晶基板上に中間層及び主成長層が順次形成された積層体を得ることができる。このような積層体は、そのまま、テンプレート基板として半導体素子用の基板として使用することもできるが、該積層体から主成長層を分離し、III族窒化物結晶からなる自立性基板とすることもできる。
本発明の積層体から主成長層を分離する方法としては、例えば主成長工程終了後にレーザーにより主成長層を剥離する方法や成長用の下地基板を反応性イオンエッチングで除去する方法、界面にZnOやGaN層などの熱分解性物質を挿入して成長中に基板層から剥離する方法などが好適に採用できる。
このようにして得られるテンプレート基板あるいは自立性基板上に半導体層を積層して半導体素子とすることができる。半導体発光素子を製造する場合には、テンプレート基板あるいは自立性基板上に、n形クラッド層、活性層、p形クラッド層およびp形電極を順次積層すればよい。これら層の形成は、従来法と特に変わる点はなく、例えば前記Japanese Journal of Applied Physics,Vol.44,No.10,2005,pp.7191-7206に記載されているような方法により行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の方法により窒化アルミニウム系III族窒化物結晶層を製造する例について詳しく説明する。
図1に示す装置は、円筒状の石英ガラス反応管11からなる反応器本体と、該反応管11の外部に配置される外部加熱手段12と、該反応管11の内部に配置されるサセプタ13とを具備する。そして、反応管11の一方の端部からキャリアガス及び原料ガスを供給し、他方の端部近傍の側壁に設けられた開口部からキャリアガス及び未反応の反応ガスからなる排ガスを排出する構造となっている。上記外部加熱手段12は、単結晶基板14の加熱を目的とするものではなく、主として反応域の反応ガスの温度を所定温度に保持する目的で使用されるものであり、必ずしも必須のものではない。この外部加熱手段12としては、例えば抵抗加熱式ヒータ、高周波加熱装置、高周波誘導加熱装置、ランプヒータなどが使用できる。また、前記サセプタ13は、その上面に単結晶基板14を保持できるようになっている。
図1に示す装置における原料ガス供給側の反応管において、ノズル15からキャリアガスで希釈されたIII族ハロゲン化物ガスが供給され、ノズル15と反応管壁との間の空間を流路としてキャリアガスで希釈された窒素源ガスが供給される。上記III族ハロゲン化物ガスの流路は、配管を通じて図示しない“III族ハロゲン化物ガス供給源”と接続されている。一方、窒素源ガス流路は、配管により流量調節手段を介して図示しない“窒素源ガス供給源”と接続していると共に、該流量調節手段より下流側の配管には流量調節手段を介してキャリアガス供給源に接続する配管が接続され、窒素源ガスをキャリアガスで所望の希釈倍率に希釈できるようになっている。窒素源ガスとしては、窒素を含有する反応性ガスが採用されるが、コストと取扱易さの点で、アンモニアガスが好ましい。
図1に示す装置においては、サセプタ13としてカーボン発熱体を窒化アルミニウムと窒化ホウ素の複合焼結体でコートした複合体ヒータを用い、サセプタ13上に設置した単結晶基板14を加熱する。ヒータの端面は電極部分を有しており、当該サセプタには電極16を介して外部から電力を印加する。当該サセプタは、水素ガスやIII族ハロゲン化物ガス、アンモニアガス、シリコン源ガスに対する耐食性が良好な複合焼結体で発熱体がコートされているため、本発明の使用温度領域である室温から1,600℃以下の温度において安定的に使用できる。本発明においては、当該サセプタを用いたが、特開2003−303774号公報に記載されるように基板部分が局所的に1,200℃以上に加熱できるものであれば加熱手段はこの限りではない。
本発明の方法では、図1に示す装置を用いて、単結晶基板14の温度を原料ガスの反応領域における反応容器壁の温度より高温に保持して窒化アルミニウム系半導体結晶の成長を行う。結晶の成長は、次のような手順で行うことができる。
すなわち、反応器内のサセプタ上に単結晶基板をセットした後に反応器内にキャリアガスを流通させ反応器内の雰囲気をキャリアガス雰囲気とする。その後、単結晶基板表面に付着している有機物を除去する目的で、サセプタに電力を供給してサセプタを加熱するか、又は外部加熱手段を用いて単結晶基板を加熱することによって単結晶基板を1,000〜1,100℃程度の温度範囲に1〜10分間程度保持する(以下、この処理をサーマルクリーニングともいう)。そして、サーマルクリーニング終了後に基板温度を中間層の成長温度である1,000℃以上1,200℃未満に調整してから原料ガスであるIII族ハロゲン化物ガス及び窒素源ガスを反応器内に導入して反応を開始するという手順により、基板上に中間層の窒化アルミニウム系III族窒化物結晶層を成長させる初期成長工程を行う。
所定時間反応を行い、所期の厚さの中間層が得られたら、III族ハロゲン化物ガスの供給を停止して、成長を中断し、中間層が形成された基板の温度を主成長工程の成長温度である1,200℃以上、好ましくは1,200〜1,600℃の温度に調整する。基板温度が主成長工程の成長温度に到達した状態で、好ましくは7,200秒以内を目安に保持し、中間層をアニールしてもよい。その後、再度III族ハロゲン化物ガスの供給を再開し、中間層上に主成長層となる窒化アルミニウム系III族窒化物結晶をさらに気相成長させる(主成長工程)。気相成長を上記の高温度領域で行うことにより、成長表面に吸着した原料ガスの拡散が促進されるが、中間層を成長核として窒化アルミニウム系III族窒化物結晶が成長することにより転位低減や表面平滑性の向上などの効果が現れて高品質の窒化アルミニウム系半導体結晶層を成長させることが可能になる。主成長工程が終了したら、III族ハロゲン化物ガスの供給を停止して成長を終了させ、冷却して基板を取り出せばよい。
なお、単結晶基板として窒化ガリウム基板や窒化アルミニウム基板を用いる場合には、単結晶基板材料や成長した中間層が熱分解するのを防止する目的で反応器にアンモニアなどの窒素源ガスを供給することが好ましい。このとき、雰囲気中の窒素源ガス分圧は0.0001atm以上に保持するとよい。
また、初期成長工程及び主成長工程における各種反応ガス(原料ガス)、キャリアガスの分圧や流速等の条件に関しては反応器の大きさや形状に応じて適宜設定すればよい。一般的には、III族ハロゲン化物ガスの供給量は単結晶基板上への窒化アルミニウム系III族窒化物結晶層の成長速度を勘案して決められる。単結晶基板上に供給される全ガス(キャリアガス、III族ハロゲン化物ガス、窒素源ガス)の標準状態における体積の合計に対するIII族ハロゲン化物ガスの標準状態における体積の割合をIII族ハロゲン化物ガスの供給分圧として定義すると、1×10−6〜1×10−1atmの範囲が好ましく選択される。また、窒素源ガスの供給量は、一般的に、上記III族ハロゲン化物ガスの供給量の好ましくは1〜100倍、特に好ましくは2〜20倍である。しかしながら、リアクタの形状やガスフローの速度や圧力によって最適値が影響されるのでこの限りでない。また系内の圧力は減圧状態、常圧状態、加圧状態のいずれでもよい。
得られた窒化アルミニウム系III族窒化物結晶層の評価は次のようにして行うことができる。膜厚については、基板面積、成長前後の基板の重量変化と窒化アルミニウム系半導体結晶の密度から算出することができる。また、結晶性の評価はX線ロッキングカーブ測定により行うことができる。ここで、ロッキングカーブとは、特定の結晶面がブラッグの回折条件を満たす角度の2倍の位置にディテクターを固定して、X線の入射角を変化させて得られる回折のことである。ロッキングカーブの半値幅により結晶性の良否を判断でき、半値幅の値が小さいほど、窒化アルミニウム系III族窒化物結晶層の結晶性が良好であると言える。ロッキングカーブ測定は、Tilt(チルト)と呼ばれる{002}面、ならびにTwist(ツイスト)と呼ばれる{100}面に関して行われる。表面形態に関しては、電界放射型走査型電子顕微鏡を用いて、観察視野5,000倍で5ヵ所撮影し、ピットや突起の数を数え、その数を観察視野面積で除することにより単位面積当たりのピットや突起の数として評価する。ピット及び突起は無い方が好ましい。また、表面平滑性に関しては原子間力顕微鏡を用いて表面観察を行い、算術平均粗さ(Ra値)で評価すればよい。不純物濃度についてはセシウムイオン(検出する元素によっては酸素イオン)を一次イオンに用いた二次イオン質量分析法を用いて定量することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
本実施例は、図1に示す反応管を用いて窒化アルミニウム結晶の成長を行った実施例である。なお、本実施例では反応管の上流に設置した金属アルミニウムと塩化水素ガスを500℃で反応させることにより三塩化アルミニウムガスを発生させた。また、外部加熱装置として抵抗加熱炉を用いたほか、反応管内にカーボン発熱体を有する窒化アルミニウムと窒化ホウ素の複合焼結体からなるサセプタを用い、カーボン発熱体に外部から電力を供給することによりサセプタ上に設置したサファイア(0001)基板を1,200℃以上に加熱することができるものとした。アルミニウム源ガスとして三塩化アルミニウムガスを、窒素源ガスとしてアンモニアガスを用い、両者を反応させて窒化アルミニウム結晶を成長させた。
まず、反応管内のサセプタ上にサファイア(0001)基板を設置し、常圧状態でノズル15から水素ガスを300sccm、ノズル15と反応管の間の空間から水素ガスを1,700sccmと窒素ガス600sccmを混合して供給し、合計流量2,600sccmをキャリアガスとして流通した。次いで外部加熱装置を用いて反応管を外部から500℃に加熱した後、サセプタに電力を印加して1,065℃に加熱した。1,065℃に到達した状態で10分間保持して基板のサーマルクリーニングを行った。次いで総流量に対して5×10−4atmの供給分圧になるように三塩化アルミニウムガスを供給し、また、三塩化アルミニウムガスの供給分圧に対して2.5倍となる供給分圧になるようにアンモニアガスを供給し、この状態で5秒間保持することにより、中間層である窒化アルミニウム結晶を成長させた。なお、本実施例で成長した中間層について、別途中間層のみを成長させた実験を行い、膜厚が22nmであることを断面方向からの走査型電子顕微鏡観察により確認した。
中間層を成長させた後、三塩化アルミニウムガスのみの供給を停止し、アンモニアガスを供給した状態でサセプタを1,300℃まで7分間で昇温した。アンモニアガスの供給量は中間層成長時の供給量と同じとした。1,300℃に到達後、三塩化アルミニウムガスの供給を再開した。三塩化アルミニウムガスの供給量は総流量に対して5×10−4atmの供給分圧とし、三塩化アルミニウムガスの供給分圧に対してアンモニアガスは2.5倍となるように供給し、この状態で30分間保持して窒化アルミニウム結晶を成長させた。
30分間成長を行った後、三塩化アルミニウムガスの供給を停止し、サセプタに印加した電力を落とすことにより降温し、続いて、外部加熱装置を降温した。このとき、基板上に成長した窒化アルミニウム結晶層の分解を防ぐため、加熱装置の温度が500℃に下がるまでアンモニアガスを反応管に流通した。さらに加熱装置が室温付近まで下がったことを確認して、反応器から基板を取り出した。
成長した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は4.5μmであり、成長速度は9.0μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが9.6min、Twistが19.8minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面状であり、原子間力顕微鏡により表面を観察したところRa=0.38nmであった。電子顕微鏡観察からはピットや突起は一切観察されなかった。また、二次イオン質量分析法により測定した酸素濃度は4×1018cm−3であった。
実施例2
本実施例は、中間層の膜厚、すなわち、初期成長工程の窒化アルミニウム結晶の成長時間を15秒に変更した以外は実施例1と全て同じ手順、同じ条件で窒化アルミニウム結晶の成長を行った実施例である。なお、成長時間との相関から中間層の膜厚は65nmと見積もった。
主成長工程で形成した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は4.9μmであり、成長速度は9.8μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが12.6min、Twistが20.4minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面状であり、原子間力顕微鏡により表面を観察したところRa=0.48nmであった。電子顕微鏡観察からはピットや突起は一切観察されなかった。
実施例3
本実施例は、中間層の膜厚、すなわち、初期成長工程の窒化アルミニウム結晶の成長時間を30秒に変更した以外は実施例1と全て同じ手順、同じ条件で窒化アルミニウム結晶の成長を行った実施例である。成長時間との相関から中間層の膜厚は135nmと見積もった。
主成長工程で形成した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は3.7μmであり、成長速度は7.4μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが10.2min、Twistが32.4minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面状であり、原子間力顕微鏡により表面を観察したところRa=0.55nmであった。電子顕微鏡観察からはピットや突起は一切観察されなかった。
実施例4
本実施例は、中間層の成長温度のみを1,100℃に変更した以外は実施例1と全て同じ手順、同じ条件で窒化アルミニウム結晶の成長を行った実施例である。
主成長工程で形成した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は5.1μmであり、成長速度は10.2μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが13.3min、Twistが40.2minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面の外観は鏡面状であり、原子間力顕微鏡により表面を観察したところRa=0.42nmであった。電子顕微鏡観察からはピットや突起は一切観察されなかった。
実施例5
本実施例は、サセプタ上に設置した初期基板としてシリコン基板を用いて窒化アルミニウム結晶の厚膜の成長を行い、さらに、得られたシリコン基板上の窒化アルミニウム結晶の厚膜を化学的処理によりシリコン基板を除去することにより自立性基板を得た実施例である。
まず、(111)シリコン基板を5%フッ化水素酸水溶液に30秒浸漬して表面に生成している酸化皮膜を除去し、表面を水素終端した。この(111)シリコン基板を反応管内サセプタ上に設置し、常圧状態でノズル15から水素ガスを300sccm、ノズル15の間の空間から水素ガスを1,700sccmと窒素ガス600sccmを混合して供給し、合計流量2,600sccmをキャリアガスとして流通した。次いで外部加熱装置を用いて反応管を外部から500℃に加熱した後、サセプタに電力を印加して1,140℃に加熱した。1,140℃に到達した後、総流量に対して5×10−4atmの供給分圧になるように三塩化アルミニウムガスを供給し、また、三塩化アルミニウムガスの供給分圧に対して8倍となる供給分圧になるようにアンモニアガスを供給し、この状態で600秒間保持することにより、中間層である窒化アルミニウム結晶を成長させた。なお、本実施例で成長した中間層について、別途中間層のみを成長させた実験を行い、膜厚が480nmであることを断面方向からの走査型電子顕微鏡観察により確認した。
中間層を成長させた後、三塩化アルミニウムガスのみの供給を停止し、アンモニアガスを供給した状態でサセプタを1,230℃まで5分間で昇温した。アンモニアガスの供給量は中間層成長時の供給量と同じとした。1,230℃に到達後、三塩化アルミニウムガスの供給を再開した。三塩化アルミニウムガスの供給量は総流量に対して6×10−4atmの供給分圧とし、三塩化アルミニウムガスの供給分圧に対してアンモニアガスは4倍となるように供給し、この状態で420分間保持して窒化アルミニウム結晶を成長させた。
420分間成長を行った後、三塩化アルミニウムガスの供給を停止し、サセプタに印加した電力を落とすことにより降温し、続いて、外部加熱装置を降温した。このとき、基板上に成長した窒化アルミニウム結晶の分解を防ぐため、加熱装置の温度が500℃に下がるまでアンモニアガスを反応管に流通した。さらに加熱装置が室温付近まで下がったことを確認して、反応器から基板を取り出した。
さらに、(111)シリコン基板上に成長した窒化アルミニウム結晶を50%フッ酸、濃硝酸、98%酢酸および純水を体積比で1:2:1:4で調製したエッチャントに浸漬することにより(111)シリコン基板のみを化学的に溶解させて窒化アルミニウム結晶層の自立性基板を得た。
成長した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は112μmであり、成長速度は約16μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが15.9min、Twistが22.5minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面状であり、原子間力顕微鏡により表面を観察したところRa=0.95nmであった。電子顕微鏡観察からはピットや突起は観察されなかった。また、二次イオン質量分析法により測定した表面から10μmの深さにおける酸素濃度は1×1018cm−3であった他、基板からの由来と考えられる不純物であるシリコン元素の濃度は1×1019cm−3であった。
実施例6
1,065℃において膜厚22nmの中間層を形成し、次いで行う成長温度を1,450℃に変更した以外は実施例1と全て同じ手順、同じ条件で窒化アルミニウム結晶の成長を行った。
主成長工程で形成した窒化アルミニウム結晶の膜厚は5.3μmであり、成長速度は10.6μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが6.0min、Twistが8.4minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面状であり、原子間力顕微鏡により表面を観察したところRa=0.51nmであった。電子顕微鏡観察からはピットや突起は一切観察されなかった。
比較例1
本比較例は、中間層を形成せずに、サファイア基板上に直接1,300℃で窒化アルミニウム結晶の成長を行った例である。サファイア基板を反応管内に設置した後、1,300℃に昇温し、サーマルクリーンを10分間行った後、三塩化アルミニウムガス及びアンモニアガスを導入して窒化アルミニウム結晶の成長を行った。ガスの流量条件、原料ガスの供給量およびその他の条件と手順は実施例1と同じとした。
成長した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は4.4μmであり、成長速度は8.8μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが21.6min、Twistが111minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は曇っており、電子顕微鏡観察からは多数のピットが観察され、ピット・突起密度は1.9×10(=1.9E+07)cm−2であった。原子間力顕微鏡によりピットを避けて表面を観察したところRa=0.61nmであったが、該窒化アルミニウム結晶層の上に発光素子などの半導体積層膜を成長させる用途には用いることができなかった。また二次イオン質量分析法により測定した酸素濃度は3×1019cm−3であった。
比較例2
サファイア基板上に直接1,200℃で窒化アルミニウム結晶を成長させた以外は、比較例1と同様の条件と手順で窒化アルミニウム結晶を成長させた。
成長した窒化アルミニウム結晶層の膜厚は5.5μmであり、成長速度は11μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが18.6min、Twistが101minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面であったが、電子顕微鏡観察からは多数の突起が観察され、ピット・突起密度は8.7×10(=8.7E+05)cm−2であった。原子間力顕微鏡によりピットを避けて表面を観察したところRa=0.82nmであったが、該窒化アルミニウム結晶層の上に発光素子などの半導体積層膜を成長させる用途には用いることができなかった。
比較例3
中間層の成長温度と膜厚は実施例1と同様とし、主成長過程における成長温度を1,100℃とした以外は実施例1と同様の条件と手順で窒化アルミニウム結晶を成長させた。
中間層上に形成された窒化アルミニウム結晶層の膜厚は6.6μmであり、成長速度は13.2μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが30min、Twistが336minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面の外観は曇っており、電子顕微鏡観察からは多数の突起が観察された。突起が密集した表面形態であり、ピット突起密度を算出することは不可能であった。また、表面平滑性に関しても突起の段差が大きすぎるために原子間力顕微鏡による観察をすることができなかった。該窒化アルミニウム結晶層の上に発光素子などの半導体積層膜を成長させる用途には用いることができなかった。
比較例4
成長温度800℃において22nmの中間層を形成した以外は実施例1と同様の条件と手順で窒化アルミニウム結晶層を成長させた。中間層上に形成された窒化アルミニウム結晶層の膜厚は5.1μmであり、成長速度は10.2μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが45min、Twistが85minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面であったが、電子顕微鏡観察からは突起が観察され、そのピット・突起密度は5.2×10(=5.2E+07)cm−2であった。表面平滑性に関しては突起が存在するために、Raは1.41nmであった。
比較例5
中間層を成長温度450℃において50nm成長させた比較例である。また、中間層を形成した後にアンモニアガス混合雰囲気において1,200℃で30分間のアニール工程を追加し、さらに、主成長過程における成長温度を1,400℃とした以外は実施例1と同様の条件と手順で窒化アルミニウム結晶を成長させた。
中間層上に形成された窒化アルミニウム結晶層の膜厚は4.9μmであり、成長速度は9.8μm/hであった。結晶性に関しては、Tiltが5.2min、Twistが12minであった。得られた窒化アルミニウム結晶層の表面外観は鏡面であったが、電子顕微鏡観察からは突起が観察され、そのピット・突起密度は7.1×10(=7.1E+06)cm−2であった。表面平滑性に関しては突起が存在するために、Raは2.15nmであった。
Figure 0005263839

Claims (1)

  1. 加熱された単結晶基板と、III族ハロゲン化物及びIII族ハロゲン化物ガスの供給量の1〜100倍の窒素原子を含む化合物ガスを含有する原料ガスとを接触させて該単結晶基板上にIII族窒化物結晶を気相成長させる工程を含むIII族窒化物結晶の製造方法において、前記工程が1,000℃以上1,200℃未満の温度に加熱された単結晶基板上にIII族窒化物結晶層を気相成長させる初期成長工程と、1,200℃以上の温度に加熱された上記、III族窒化物結晶層上にIII族窒化物結晶をさらに気相成長させる主成長工程と、を含んでなることを特徴とする方法。

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