以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図、図2は、図1の一部を拡大した図である。本実施形態においては、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書、米国特許第6674510号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6710849号明細書及び米国特許第6674510号明細書等に開示されているような、基板Pを保持して移動可能な複数(2つ)の基板ステージ1、2を備えたツインステージ型の露光装置である場合を例にして説明する。
図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持して移動可能な第1基板ステージ1と、第1基板ステージ1と独立して、基板Pを保持して移動可能な第2基板ステージ2と、マスクステージ3を移動する第1駆動システム41と、第1、第2基板ステージ1、2を移動する第2駆動システム42と、各ステージ1、2、3の位置情報を計測するレーザ干渉計を含む干渉計システム4と、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の位置情報を計測するエンコーダシステム5と、基板Pのアライメントマークを検出するアライメントシステム6と、基板Pの表面の位置情報を検出するフォーカス・レベリング検出システム7と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置8とを備えている。
また、露光装置EXは、例えばクリーンルーム内の床面FL上に配置されたコラム9及びコラム9上に防振装置10を介して配置された支持フレーム11を含むボディ12と、コラム9に防振装置13を介して配置され、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を移動可能に支持するガイド面14Gを有する第1ベース部材14と、支持フレーム11上に支柱15及び防振装置16を介して配置され、マスクステージ3を移動可能に支持するガイド面17Gを有する第2ベース部材17とを備えている。
また、露光装置EXは、少なくとも投影光学系PLが配置される内部空間18を形成するチャンバ装置19を備えている。チャンバ装置19は、内部空間18の環境(温度、湿度、及びクリーン度を含む)を調整可能である。本実施形態においては、照明系ILの少なくとも一部、マスクステージ3、投影光学系PL、及び第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれが、内部空間18に配置されている。
また、露光装置EXは、基板Pの露光処理が実行される露光ステーションST1と、露光に関する所定の計測処理、及び基板Pの交換処理が実行される計測ステーションST2とを備えている。照明系IL、マスクステージ3、及び投影光学系PLは、露光ステーションST1に配置されている。投影光学系PLは、支持フレーム11に支持される。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子20は、露光光ELを射出する射出面21を有する。第1光学素子20から射出された露光光ELが照射される照射位置SP1は、露光ステーションST1に配置される。アライメントシステム6、及びフォーカス・レベリング検出システム7は、計測ステーションST2に配置されている。アライメントシステム6の少なくとも一部、及びフォーカス・レベリング検出システム7の少なくとも一部は、支持フレーム11に支持される。
アライメントシステム6は、基板Pのアライメントマークを検出して、XY平面内における基板Pの位置情報を計測する。アライメントシステム6は、基板Pのショット領域の位置情報を検出するために、基板Pのアライメントマークを検出する。アライメントシステム6は、基板Pと対向可能な第2光学素子22を含む複数の光学素子を有し、それら光学素子を用いて、基板Pのアライメントマークを検出する。第1、第2基板ステージ1、2は、基板Pを保持して、第2光学素子22と対向する計測位置SP2に移動可能である。アライメントシステム6は、基板Pのショット領域の位置情報を取得するために、第2光学素子22を介して、計測位置SP2に配置された基板Pのアライメントマーク、または第1、第2基板ステージ1、2の上面に配置されている基準マークを検出する。
フォーカス・レベリング検出システム7は、第1、第2基板ステージ1、2に保持されている基板Pの表面の位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)を検出する。フォーカス・レベリング検出システム7は、計測位置SP2に配置され、第1、第2基板ステージ1、2に保持されている基板Pの表面に斜め方向から検出光を照射可能な投射装置7Aと、基板Pの表面に照射され、その基板Pの表面で反射した検出光を受光可能な受光装置7Bとを有する。フォーカス・レベリング検出システム7は、基板Pの表面の位置情報のみならず、第1、第2基板ステージ1、2の上面の位置情報を検出することもできる。アライメントシステム6及びフォーカス・レベリング検出システム7による基板Pの位置情報を計測するための計測位置SP2は、計測ステーションST2に配置される。
第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれは、照射位置SP1を含む露光ステーションST1の第1領域、及び計測位置SP2を含み、第1領域と異なる計測ステーションST2の第2領域を含むガイド面14Gの所定領域を、基板Pを保持して移動可能である。本実施形態においては、ガイド面14Gは、XY平面とほぼ平行である。第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれは、露光ステーションST1と計測ステーションST2との間でガイド面14G内を移動可能である。
本実施形態においては、第1、第2基板ステージ1、2は、例えば平面モータを含む第2駆動システム42の作動により、第1ベース部材14上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。第1、第2基板ステージ1、2を移動するための平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているように、第1、第2基板ステージ1、2に配置されたマグネットアレイと、第1ベース部材14に配置されたコイルアレイとを含む。
エンコーダシステム5は、XY平面内における第1、第2基板ステージ1、2(基板P)の位置情報を計測する。エンコーダシステム5は、第1基板ステージ1に配置されたエンコーダヘッド51と、第2基板ステージ2に配置されたエンコーダヘッド52と、露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置され、スケール板53を含むスケールユニット50とを備えている。
スケールユニット50は、スケール板53と、そのスケール板53を保持可能な保持部材54とを備えている。スケール板53は、例えばセラミックス、又は低膨張ガラス等、同一の材料で形成されている。スケール板53は、反射型の回折格子を含む。回折格子は、X軸方向及びY軸方向に周期的な二次元格子を含む。保持部材54は、スケール板53の厚みよりも厚いプレート状の部材である。保持部材54は、低熱膨張率の材料で形成されている。保持部材54は、例えば、光学ガラス、あるいはセラミックス(ショット社のゼロデュア(商品名)、Al2O3あるいはTiC等)で形成されている。なお、保持部材54が、金属で形成されてもよい。保持部材54は、スケール板53の一方の面(上面)と対向する保持面を有する。回折格子は、スケール板53の他方の面(下面)に配置されている。
また、露光装置EXは、エンコーダヘッド51、52と対向可能な位置に、スケールユニット50をリリース可能に保持する保持装置60を備えている。保持装置60は、スケール板53の下面がエンコーダヘッド51、52と対向するように、スケールユニット50を保持する。保持装置60は、エンコーダヘッド51、52と対向可能なスケール板53の下面がXY平面とほぼ平行となるように、スケールユニット50を保持する。
本実施形態において、保持装置60は、XY平面とほぼ平行な方向にスケールユニット50をスライド可能に支持する支持部材61を有している。本実施形態において、支持部材61は、支持フレーム11に配置されている。本実施形態において、保持装置60は、支持部材61を複数有する。エンコーダシステム5は、スケールユニット50を複数有する。複数のスケールユニット50は、支持部材61のそれぞれに支持される。
本実施形態において、支持部材61は、投影光学系PL(第1光学素子20)の周囲の少なくとも一部に配置されている。したがって、スケールユニット50も、第1光学素子20(露光光ELの光路)の周囲の少なくとも一部に配置される。
支持部材61は、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれに配置されている。したがって、スケールユニット50(スケール板53)も、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれに配置される。露光ステーションST1に配置される第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52は、その露光ステーションST1に配置されているスケール板53の下面と対向可能である。同様に、計測ステーションST2に配置される第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52は、その計測ステーションST2に配置されているスケール板53の下面と対向可能である。なお、基板ステージに配置されたエンコーダヘッドとスケール板(グリッド板)とを備えたエンコーダシステムの例が、米国特許出願公開第2006/0227309号明細書に開示されている。
また、本実施形態において、エンコーダシステム5は、エンコーダヘッド51、52の計測値に基づいて、エンコーダヘッド51、52と対向するスケール板53の下面のZ軸方向に関する位置情報を計測可能である。本実施形態のエンコーダヘッド51、52は、スケール板53に計測光を照射して、そのスケール板53からの計測光を受光することによって、Z軸方向に関するスケール板53の下面とエンコーダヘッド51、52との距離を計測可能である。制御装置8は、エンコーダヘッド51、52の計測値に基づいて、スケール板53に対する第1、第2基板ステージ1、2のZ軸方向に関する位置情報を導出することができる。
エンコーダヘッド51は、第1基板ステージ1に保持される基板Pの周囲に複数配置されている。同様に、エンコーダヘッド52は、第2基板ステージ2に保持される基板Pの周囲に複数配置されている。
エンコーダシステム5は、エンコーダヘッド51と二次元格子を含むスケール板(グリッド板)53とによって、XY平面内における第1基板ステージ1の位置情報を計測可能である。エンコーダシステム5は、複数のエンコーダヘッド51とスケール板53とを対向させて計測動作を実行することによって、それら複数のエンコーダヘッド51の計測結果に基づいて、第1基板ステージ1のX軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測可能である。同様に、エンコーダシステム5は、エンコーダヘッド52と二次元格子を含むスケール板(グリッド板)53とによって、XY平面内における第2基板ステージ2の位置情報を計測可能である。エンコーダシステム5は、複数のエンコーダヘッド52とスケール板53とを対向させて計測動作を実行することによって、それら複数のエンコーダヘッド52の計測結果に基づいて、第2基板ステージ2のX軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測可能である。
また、本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。露光装置EXは、第1光学素子20から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間を形成可能な液浸部材23を備えている。液浸空間は、液体LQで満たされた空間である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。本実施形態において、液浸部材23は、例えば米国特許出願公開第2004/0165159号明細書等に開示されているようなシール部材を含む。
液浸部材23は、照射位置SP1に配置された物体の表面との間で液体LQを保持することによって、第1光学素子20と、照射位置SP1に配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間を形成する。照射位置SP1に配置される物体は、第1、第2基板ステージ1、2、及び第1、第2基板ステージ1、2に保持される基板Pを含む。少なくとも基板Pの露光時に、液浸部材23は、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように液浸空間を形成する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと液体LQとを介して基板Pを露光光ELで露光する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
照明系ILは、所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ3は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含む第2ベース部材17のガイド面17G内を移動可能である。ガイド面17Gは、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、マスクステージ3は、平面モータを含む第1駆動システム41の作動により、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ3を移動するための平面モータは、マスクステージ3に配置されたマグネットアレイと、第2ベース部材17に配置されたコイルアレイとを含む。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、照射位置SP1を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒24に保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸はZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
マスクステージ3(マスクM)の位置情報は、干渉計システム4のレーザ干渉計25によって計測される。レーザ干渉計25は、マスクステージ3に設けられた反射ミラーを用いて位置情報を計測する。制御装置8は、レーザ干渉計25の計測結果に基づいて、第1駆動システム41を作動し、マスクステージ3(マスクM)の位置制御を実行する。また、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する第1、第2基板ステージ1、2(基板P)の位置情報は、エンコーダシステム5によって計測され、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置情報は、フォーカス・レベリング検出システム7によって検出される。制御装置8は、エンコーダシステム5の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システム7の検出結果に基づいて、第2駆動システム42を作動し、第1、第2基板ステージ1、2(基板P)の位置制御を実行する。
図3は、基板Pを保持した第1基板ステージ1を示す平面図である。図3に示すように、エンコーダヘッド51は、第1基板ステージ1に保持される基板Pの周囲に複数配置されている。また、第1基板ステージ1は、第1光学素子20から射出される露光光ELを計測可能な計測部26を備えている。計測部26の少なくとも一部は、第1光学素子20の射出面21と対向可能な第1基板ステージ1の上面に配置されている。計測部26は、空間像計測センサを含み、投影光学系PLの空間像を計測可能である。計測部26は、例えば第1基板ステージ1の上面の少なくとも一部に配置された露光光ELが通過可能な透過部27と、その透過部27を介した露光光ELを受光可能な光センサとを含む。計測部26は、投影光学系PLの空間像を計測するとともに、第1光学素子20から射出される露光光ELの照射位置SP1(投影光学系PLの投影位置)の位置情報を求めることができる。また、計測部26は、アライメントシステム6によって検出される基準マーク28と、フォーカス・レベリング検出システム7によって検出される基準面29とを有する。第2基板ステージ2は、第1基板ステージ1と同様の構成を有する。すなわち、第2基板ステージ2には、エンコーダヘッド52が複数配置される。また、第2基板ステージ2は、第1基板ステージ1の計測部26と同様の構成を有する計測部36を有する。計測部36は、透過部37、基準マーク38、及び基準面39を有する。また、図3に示すように、基板Pには、複数のショット領域Sがマトリクス状に配置される。
次に、スケールユニット50及び保持装置60について説明する。図4は、スケールユニット50を−Z側から見た斜視図、図5は、保持装置60を−Z側から見た斜視図、図6は、保持装置60に保持された状態のスケールユニット50を−Z側から見た斜視図である。
図4に示すように、スケールユニット50は、スケール板53と、スケール板53を保持可能な保持部材54とを有する。保持部材54は、スケール板53の上面と対向可能な保持面55を有する。本実施形態において、保持部材54は、スケール板53をリリース可能に保持する。本実施形態において、保持部材54は、保持面55との間でスケール板53を挟むことができる板ばね部材56を有する。本実施形態において、保持部材54は、板ばね部材56を用いて、保持面55との間でスケール板53を挟むことによって、そのスケール板53を保持する。また、板ばね部材56による保持が解除されることによって、スケール板53が保持部材54からリリースされる。
また、本実施形態において、スケールユニット50は、スケール板53の固有情報を保持する識別子57を備えている。本実施形態において、識別子57は、保持部材54に配置されている。なお、識別子57が、スケール板53に配置されていてもよい。
また、本実施形態において、スケールユニット50は、エンコーダヘッド51、52と対向する面に、エンコーダヘッド51、52からの計測光を反射可能な反射面58を備えている。本実施形態において、反射面58は、保持部材54に配置されている。
保持装置60は、XY平面とほぼ平行な方向にスケールユニット50をスライド可能に支持する支持部材61を備えている。図5及び図6を用いる以下の説明において、支持部材61がスケールユニット50をX軸方向にスライド可能に支持する場合を例にして説明するが、例えばY軸方向にスライド可能に支持することもできる。
図5及び図6において、支持部材61は、保持部材54のフランジ54FをX軸方向にガイドするガイド部62と、保持部材54の上面59と対向可能な保持面63と、保持面63に配置された吸着部64とを有する。フランジ54Fは、保持部材54の+Y側及び−Y側のそれぞれの側面に、X軸方向に延びるように形成されている。ガイド部62は、フランジ54Fに対応するように、保持面63の+Y側及び−Y側のそれぞれに、X軸方向に延びるように配置されている。
吸着部64は、真空システム65に接続された吸引口を含む。吸着部64は、保持面63と対向する位置に配置された保持部材54の上面59を吸着可能である。真空システム65の動作は、制御装置8に制御される。制御装置8は、保持面63と上面59とが対向している状態で、真空システム65を作動して、吸着部64による吸着動作(吸引動作)を実行することによって、保持部材54の上面59を保持面63に吸着するように保持することができる。また、吸着部64による吸着動作が解除されることによって、スケールユニット50は、保持装置60からリリース可能となる。
本実施形態においては、支持部材61に対するスケールユニット50の進入動作、及び支持部材61からスケールユニット50の退避動作は、保持面63に対して+X側(一方側)の端部61Tにおいて実行される。
また、保持装置60は、スケールユニット50を位置決めする位置決め機構66を有する。位置決め機構66は、保持面63に対して−X側(他方側)に配置され、保持面63より−Z側に突出する凸部66Tを含む。本実施形態において、スケールユニット50のフランジ54Fは、保持面63に対して+X側の支持部材61の端部61Tからガイド部62に進入する。フランジ54Fをガイド部62に進入させたスケールユニット50は、ガイド部62にガイドされながら、保持部材54の上面59と保持面63とが対向するまで、支持部材61に対して−X方向にスライドするように移動する。本実施形態においては、保持部材54の−X側の端部と凸部66Tとが接触することによって、保持装置60に対してスケールユニット50が位置決めされる。そして、保持部材54と凸部66Tとが接触し、保持部材54の上面59と保持面63とが対向した状態で、吸着部64による吸着動作が実行されることによって、スケールユニット50が保持装置60に保持される。
また、吸着部64による吸着動作が解除された後、保持装置60からリリースするために、スケールユニット50は、保持面63と対向する状態から、支持部材61に対して+X方向にスライドするように移動する。スケールユニット50の+X方向への移動により、支持部材61の端部61Tから、フランジ54Fがガイド部62より離れる。これにより、スケールユニット50は、保持装置60からリリースされる。
本実施形態において、スケールユニット50は、スケール板53の温度を調整する温度調整装置67を備えている。本実施形態において、温度調整装置67の少なくとも一部は、保持部材54に設けられている。
図6に示すように、本実施形態において、温度調整装置67は、保持部材54の内部に形成され、温度調整用の液体が流れる内部流路68を含む。保持部材54は、内部流路68に液体を入れる入口69と、内部流路68を流れた液体が出る出口70とを有する。入口69及び出口70は、保持部材54の側面に配置されている。入口69は、チューブ71及び支持フレーム11に設けられたコネクタ72を介して、液体供給装置73と接続されている。液体供給装置73は、温度調整された液体を供給可能である。出口70は、チューブ74及び支持フレーム11に設けられたコネクタ75を介して、液体回収装置76と接続されている。液体回収装置76は、例えば真空システムを含み、液体を回収可能である。液体供給装置73は、コネクタ72及びチューブ71を介して、内部流路68に温度調整用の液体を供給する。内部流路68に供給された液体は、内部流路68を流れた後、出口70より出る。液体回収装置76は、内部流路68を流れた液体を、チューブ74及びコネクタ75を介して回収する。内部流路68に、液体供給装置73から供給された液体が流れることによって、保持部材54に保持されたスケール板53の温度が調整される。なお、内部流路68に、温度調整された気体を供給することによっても、スケール板53の温度を調整することができる。
本実施形態において、入口69及び出口70は、保持部材54の+X側の端部54Tの近傍に配置されている。コネクタ72、75は、支持部材61の+X側の端部61Tの近傍に配置されている。
図7は、支持フレーム11の下面を−Z側から見た平面図である。図7に示すように、支持部材61及びスケールユニット50は、支持フレーム11の下面に複数配置されている。また、支持部材61及びスケールユニット50は、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれに配置されている。図7に示す例では、保持装置60は、スケールユニット50A、50B、50C、50DをX軸方向にスライド可能に支持する複数の支持部材61と、スケールユニット50E、50FをY軸方向にスライド可能に支持する複数の支持部材61とを有している。本実施形態において、スケールユニット50Cの一部は、露光ステーションST1に配置され、一部は計測ステーションST2に配置されている。換言すれば、スケールユニット50Cは、露光ステーションST1の一部、及び計測ステーションST2の一部に亘るように配置されている。同様に、スケールユニット50Dは、露光ステーションST1の一部、及び計測ステーションST2の一部に亘るように配置されている。
本実施形態において、スケールユニット50のそれぞれは、チャンバ装置19の内部空間18と外部空間33とを移動するように、支持部材61に対してスライド移動可能である。支持部材61それぞれの近傍には、チャンバ装置19に形成された開口31、及びその開口31を開閉する開閉機構32が配置されている。スケールユニット50のそれぞれは、開口31を介して、内部空間18と外部空間33とを移動可能である。
本実施形態において、支持部材61のそれぞれは、端部61Tと開口31とが対向するように、支持フレーム11に配置されている。したがって、外部空間33から内部空間18へ移動したスケールユニット50は、支持部材61に円滑に進入することができる。また、支持部材61から退避したスケールユニット50は、外部空間33へ円滑に移動することができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について、図8のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態においては、例えば第1基板ステージ1が露光ステーションST1に配置されているとき、第2基板ステージ2が計測ステーションST2に配置される。例えば、露光ステーションST1に存在する第1基板ステージ1に保持された基板Pの露光処理が実行されているとき、計測ステーションST2に存在する第2基板ステージ2に保持された露光前の基板Pの位置情報の計測処理が実行される。基板Pの位置情報は、アライメントシステム6の検出基準(基準位置)に対する基板Pのアライメント情報(基板Pの各ショット領域SのX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報)、及び所定の基準面に対する基板Pの表面の位置情報(Z軸、θX、及びθY方向の位置情報)の少なくとも一方を含む。
制御装置8は、計測ステーションST2において、基板Pの交換、及び所定の計測処理を開始する。例えば、制御装置8は、計測ステーションST2の基板交換位置に第2基板ステージ2を配置し、搬送システム(不図示)を用いて、その第2基板ステージ2に露光前の基板Pをロードする。そして、制御装置8は、計測ステーションST2において、基板Pの位置情報の計測処理を開始する。一方、露光ステーションST1には、第1基板ステージ1が配置されており、計測ステーションST2で計測処理された後の基板Pの露光処理が開始される。
本実施形態において、計測ステーションST2における基板Pの位置情報の計測処理は、アライメントシステム6及びフォーカス・レベリング検出システム7を用いる検出動作を含む。制御装置8は、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2をXY方向に移動し、アライメントシステム6の検出領域に、第2基板ステージ2の計測部36を配置する。そして、制御装置8は、エンコーダシステム5(エンコーダヘッド52)を用いて、XY平面内における第2基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、アライメントシステム6を用いて、計測部36の基準マーク38を検出する(ステップSA1)。制御装置8は、エンコーダシステム5の計測結果、及びアライメントシステム6の検出結果に基づいて、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内における基準マーク92の位置情報を導出する。
また、制御装置8は、計測ステーションST2において、エンコーダヘッド52を用いて、Z軸方向における第2基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、フォーカス・レベリング検出システム7を用いて、計測部36の基準面39を検出する(ステップSA2)。制御装置8は、エンコーダヘッド52の計測結果、及びフォーカス・レベリング検出システム7の検出結果に基づいて、エンコーダシステム5(エンコーダヘッド52)によって規定される座標系のZ軸、θX、及びθY方向における基準面93の位置情報を導出する。
また、制御装置8は、計測ステーションST2において、エンコーダシステム5を用いて、XY平面内における第2基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、アライメントシステム6を用いて、第2基板ステージ2に保持されている基板Pのアライメントマークを検出する(ステップSA3)。制御装置8は、エンコーダシステム5の計測結果、及びアライメントシステム6の検出結果に基づいて、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内におけるアライメントマークの位置情報を導出する。
また、制御装置8は、計測ステーションST2において、エンコーダヘッド52を用いて、Z軸方向における第2基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、フォーカス・レベリング検出システム7を用いて、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの表面の位置情報を検出する(ステップSA4)。制御装置8は、エンコーダヘッド52の計測結果、及びフォーカス・レベリング検出システム7の検出結果に基づいて、エンコーダシステム5(エンコーダヘッド52)によって規定される座標系のZ軸、θX、及びθY方向における基板Pの表面の位置情報を導出する。
制御装置8は、ステップSA3で検出した基板Pのアライメントマークの位置情報に基づいて、ステップSA1の検出結果に基づいて規定される、アライメントシステム6の検出基準(基準位置)に対する基板Pの各ショット領域の位置情報(配列情報)を演算処理によって導出する(ステップSA5)。
本実施形態においては、制御装置8は、基板Pの複数のショット領域のうち、一部のショット領域(例えば、8〜16個程度)をアライメントショット領域として選択し、その選択されたショット領域に対応するアライメントマークを、アライメントシステム6を用いて検出する。そして、制御装置8は、例えば米国特許第4780617号明細書等にされているような、検出されたアライメントマークの位置情報を統計演算して基板Pの各ショット領域の配列情報を導出する、所謂、EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)処理を実行する。これにより、制御装置8は、XY平面内における基板Pの各ショット領域の配列情報を導出することができる。
また、制御装置8は、ステップSA4で検出した基板Pの表面の位置情報に基づいて、基準面93に対する基板Pの表面の各ショット領域の近似平面(近似表面)を導出する(ステップSA6)。
露光ステーションST1における処理、及び計測ステーションST2における処理のそれぞれが終了すると、制御装置8は、第1基板ステージ1を計測ステーションST2に移動するとともに、第2基板ステージ2を露光ステーションST1に移動する。制御装置8は、露光後の基板Pを保持した第1基板ステージ1を計測ステーションST2に移動した後、第1基板ステージ1上の基板Pを搬送システムを用いてアンロードする。そして、露光前の基板Pが計測ステーションST2の第1基板ステージ1にロードされ、上述のステップSA1〜SA6を含む計測処理が行われる。
制御装置8は、計測ステーションST2において計測処理された基板Pを保持した第2基板ステージ2を、露光ステーションST1に移動した後、その露光ステーションST1において、第2基板ステージ2を移動して、投影光学系PLの投影領域PRに第2基板ステージ2の計測部36を配置する。
液体LQを介して形成される投影光学系PLの像面と基準面39とがほぼ一致するように、第2基板ステージ2の位置及び姿勢が制御される。これにより、エンコーダヘッド52の計測値と、液体LQを介して形成される投影光学系PLの像面と、基準面39との関係が規定される。制御装置8は、ステップSA6で導出された基板Pの近似平面と、エンコーダヘッド52の計測値と、液体LQを介して形成される投影光学系PLの像面との関係を導出する(ステップSA7)。
そして、制御装置8は、エンコーダシステム5を用いて、XY平面内における第2基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、計測部36の透過部37及び光センサを用いて、マスクMのアライメントマークの空間像を、液体LQを介して検出する(ステップSA8)。すなわち、制御装置8は、投影光学系PLと計測部36とを対向させ、投影光学系PLの第1光学素子20と計測部36との間の光路を液体LQで満たした状態で、マスクMのアライメントマークを露光光ELで照明する。これにより、マスクMのアライメントマークの空間像が、投影光学系PL及び液体LQを介して計測部36に投影される。計測部36の光センサは、マスクMのアライメントマークの空間像を液体LQを介して計測する。制御装置8は、エンコーダシステム5の計測結果、及び計測部36(光センサ)の計測結果に基づいて、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内における空間像の位置情報を導出する。空間像の位置は、投影領域PRの位置であり、露光光ELの照射位置SP1である。
マスクMのパターンとアライメントマークとは所定の位置関係で形成されている。また、計測部36の基準マーク37と透過部38(光センサ)との位置関係は既知である。制御装置8は、ステップSA8の計測結果に基づいて、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内における基準位置と照射位置SP1との位置関係を導出する(ステップSA9)。
制御装置8は、ステップSA5で求めた、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内における基準位置と基板Pの各ショット領域Sとの位置関係(基準位置に対するショット領域Sの配列情報)、及びステップSA9で求めた、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内における基準位置と照射位置SP1との位置関係に基づいて、エンコーダシステム5によって規定される座標系のXY平面内における基板Pの各ショット領域と照射位置SP1との関係を導出する(ステップSA10)。
また、制御装置8は、ステップSA7で求めた、基板Pの近似平面、及び液体LQを介して形成される投影光学系PLの像面に関連付けされているエンコーダヘッド52の計測値に基づいて、基板Pの表面(露光面)の位置を調整しつつ、ステップSA10で求めた、XY平面内における基板Pの各ショット領域と照射位置SP1との位置関係に基づいて、XY平面内における基板Pの位置を制御し、基板Pの各ショット領域Sを順次露光する(ステップSA11)。
第2基板ステージ2上の基板Pの露光処理が終了した後、制御装置8は、露光ステーションST1の第2基板ステージ2を計測ステーションST2に移動し、計測ステーションST2で計測処理を終えた基板Pを保持した第1基板ステージ1を露光ステーションST1に移動する。制御装置8は、計測ステーションST2に移動した第2基板ステージ2に保持されている露光後の基板Pを、搬送システムを用いてアンロードする。
上述の手順を繰り返して、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とが交互に露光ステーションST1に投入され、複数の基板Pが順次露光される。
上述のように、本実施形態においては、エンコーダシステム5を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報が計測される。その場合において、例えばスケール板53の下面が汚染したり、スケール板53の下面に異物が付着したり、スケール板53の下面が変形したりする等、スケール板53の下面の状態が劣化すると、第1,第2基板ステージ1、2の位置情報を精確に計測できなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、所定のタイミングで、スケールユニット50の交換動作が実行される。表面(下面)の状態が良好なスケール板53を含むスケールユニット50に交換することによって、そのスケール板53を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を精確に計測することができる。本実施形態においては、スケール板53を含むスケールユニット50は、保持装置60にリリース可能に保持されているので、スケールユニット50を円滑に交換することができる。
次に、スケールユニット50の交換動作の一例について説明する。制御装置8は、スケールユニット50を交換するために、保持装置60を制御して、保持装置60に保持されているスケールユニット50を保持装置60からリリース可能な状態にする。具体的には、制御装置8は、真空システム65の作動を停止して、吸着部64による吸着動作を解除する。
保持装置60からスケールユニット50を取り出すために、換言すれば、内部空間18から外部空間33へスケールユニット50を移動するために、開閉機構32が作動され、開口31が開けられる。そして、保持装置60からスケールユニット50が取り出される。
本実施形態においては、スケールユニット50は、XY平面とほぼ平行な方向に関して、支持部材61にスライド可能に支持されている。したがって、スケールユニット50を支持部材61に対してスライドさせて、容易に取り出すことができる。例えば、スケールユニット50が配置されている空間(本実施形態においては、ボディ12で囲まれた空間)が小さい場合でも、スケールユニット50を容易に取り出すことができる。
そして、そのスケールユニット50が内部空間18から取り出された後、新たなスケールユニット50が、保持装置60に配置される。スケールユニット50を保持装置60に配置する際にも、支持部材61に対してスケールユニット50をXY平面とほぼ平行な方向にスライドして、円滑に配置することができる。
そして、新たなスケールユニット50に交換された後、制御装置8は、そのスケールユニット50を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測し、その計測結果に基づいて、第1、第2基板ステージ1、2の位置制御を実行して、基板Pの露光処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、XY平面とほぼ平行な方向にスケールユニット50をスライド可能に支持する支持部材61を有し、スケールユニット50をリリース可能に保持する保持装置60を設けたので、スケールユニット50を円滑に交換することができる。内部空間18に配置されているスケールユニット50のスケール板53の下面の状態が劣化した場合でも、そのスケールユニット50を新たなスケールユニット50(下面の状態が良好なスケール板53を含むスケールユニット50)と容易に交換することができる。したがって、その新たなスケールユニット50を用いて、第1,第2基板ステージ1、2の位置情報を精確に計測でき、基板Pを良好に露光することができる。
また、本実施形態においては、スケール板53は保持部材54に保持されており、その保持部材54と一緒に移動(交換)される。したがって、例えばスケール板53の変形等を抑制しつつ、円滑に移動(交換)可能である。
また、本実施形態においては、保持装置60は、複数の支持部材61を有し、エンコーダシステム5は、複数のスケールユニット50を有する。1つのスケールユニット50の大きさが小さくても、複数のスケールユニット50を配置することによって、ガイド面14Gを移動する第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を広い範囲で計測することができる。また、1つのスケールユニット50の大きさを小さくすることができるので、交換動作を円滑に実行することができる。
また、本実施形態においては、温度調整装置67によって、スケール板53の温度を調整することができる。これにより、スケール板53の熱変形を抑制することができ、そのスケール板53を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を精確に計測することができる。
また、本実施形態においては、スケールユニット50は、エンコーダヘッド51、52からの計測光を反射可能な基準面58を有している。したがって、その基準面58を用いて、エンコーダヘッド51、52の作動状態を検出(チェック)することができる。例えば、図9に示すように、基準面58とエンコーダヘッド51とを対向させた状態で、エンコーダヘッド51による計測光の射出動作を実行する。エンコーダヘッド51が正常である場合、射出動作を実行することによって、エンコーダヘッド51から計測光が射出され、基準面58に照射され、その基準面58で反射した計測光が、エンコーダヘッド51の受光素子に所定状態で入射する。一方、エンコーダヘッド51が異常である場合、エンコーダヘッド51の受光素子に入射する計測光の状態が変化する。制御装置8は、その受光素子に入射する計測光の状態に基づいて、エンコーダヘッドの作動状態をチェックすることができる。
また、本実施形態においては、スケールユニット50は、スケール板53の固有情報を保持する識別子57を有している。識別子57は、例えばICタグ、バーコード、及びQRコード等を含む。スケール板53の固有情報は、そのスケール板53に形成されている回折格子に関する情報を含む。回折格子に関する情報は、その回折格子の誤差情報(製造誤差情報)を含む。誤差情報は、例えば回折格子の格子ピッチ、あるいはスケール板53の下面における格子ピッチの分布などを含む。回折格子に関する情報は、スケール板53の製造時において、所定の計測装置によって計測可能である。
図10に示すように、露光装置EXは、識別子57を読み取る読取装置34を備えている。読取装置34は、読み取り結果を制御装置8に出力する。また、所定の記憶装置には、識別子57に対応した回折格子に関する情報が予め記憶されている。制御装置8には、その記憶装置より、識別子57に対応した回折格子に関する情報が入力される。制御装置8は、読取装置34の読み取り結果、及び記憶装置から入力された情報に基づいて、エンコーダシステム5の計測結果を補正し、その補正された計測結果に基づいて、第1、第2基板ステージ1、2の位置制御を実行する。これにより、回折格子の製造誤差等に起因する、エンコーダシステム5の計測誤差が補正される。したがって、制御装置8は、その補正されたエンコーダシステム5の計測結果に基づいて、第1、第2基板ステージ1、2を所望の位置に移動することができる。なお、読取装置34の計測結果に基づいて、エンコーダシステム5の計測結果を補正する代わりに、第1、第2基板ステージ1、2を移動するときの第2駆動システム42の駆動量を補正してもよいし、エンコーダシステム5の計測結果と、第2駆動システム42の駆動量との両方を補正してもよい。
ところで、スケールユニット50を交換することによって、交換前のスケールユニット50のスケール板53の下面と、交換後のスケールユニット50のスケール板53の下面とのZ軸、θX、及びθY方向に関する位置が変化する可能性がある。そこで、本実施形態においては、制御装置8は、スケールユニット50を用いてエンコーダヘッド51、52の計測値をキャリブレーションするキャリブレーション動作を実行する。制御装置8は、交換前のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51、52の計測値と、交換後のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51、52の計測値とが所定関係になるように、キャリブレーションする。
図11は、キャリブレーション動作の一例を示す模式図である。本実施形態において、制御装置8は、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測可能な干渉計システム4の計測結果に基づいて、キャリブレーションする。以下、エンコーダヘッド51の計測値をキャリブレーションする場合を例にして説明するが、エンコーダヘッド52の計測値をキャリブレーションする場合も同様である。
本実施形態において、干渉計システム4は、例えば米国特許第6674510号明細書等に開示されているような、Z軸方向に関する第1基板ステージ1の位置情報を計測可能なZ干渉計77を備えている。図11に示すように、第1基板ステージ1は、Z干渉計77からの計測光が照射される反射面78を有する反射ミラー78Mを有する。反射面78は、XY平面に対して45度だけ傾斜している。また、支持フレーム11には、XY平面とほぼ平行な反射面79を有する反射ミラー79Mが配置されている。図7に示したように、反射ミラー79Mは、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれに配置されている。また、図7に示す反射ミラー79Maの一部は、露光ステーションST1に配置され、一部は計測ステーションST2に配置されている。換言すれば、反射ミラー79Maは、露光ステーションST1の一部、及び計測ステーションST2の一部に亘るように配置されている。
図11に示すように、Z干渉計77から射出され、反射面78に入射した計測光は、その反射面78で反射して、反射面79に入射する。反射面79に入射し、その反射面79で反射した計測光は、反射面78に入射し、その反射面78で反射して、Z干渉計77に入射する。Z干渉計77は、入射した計測光に基づいて、干渉計システム4(Z干渉計77)によって規定される座標系のZ軸方向に関する第1基板ステージ1の位置情報を計測する。
エンコーダヘッド51の計測値をキャリブレーションするとき、制御装置8は、エンコーダヘッド51を用いて、Z軸、θX、及びθY方向に関するスケール板53の下面の位置情報を計測しつつ、Z干渉計77を用いて、Z軸、θX、及びθY方向に関する第1基板ステージ1の位置情報を計測する。
制御装置8は、交換前のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測動作が実行されているときのZ干渉計77の計測結果、及び交換後のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測動作が実行されているときのZ干渉計77の計測結果を用いて、エンコーダヘッド51の計測値をキャリブレーションする。スケールユニット50の交換前、及び交換後において、反射面79の位置は固定されている。したがって、制御装置8は、Z干渉計77の計測値を基準として、交換前のスケールユニット50(スケール板53)のZ軸、θX、及びθY方向の位置を計測したときのエンコーダヘッド50の計測値と、交換後のスケールユニット50(スケール板53)のZ軸、θX、及びθY方向の位置を計測したときのエンコーダヘッド50の計測値とを関連付けることができる。
そして、例えばステップSA2、SA4、SA6、SA7等において、フォーカス・レベリング検出システム7を用いる処理を実行する際、制御装置8は、フォーカス・レベリング検出システム7の検出結果と、交換前のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測値と、交換後のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測値とに基づいて、基板Pの表面の位置情報を求めたり、位置制御を実行したりする。
また、本実施形態においては、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれにスケールユニット50が配置される。制御装置8は、露光ステーションST1のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測値と、計測ステーションST2のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測値とが所定関係になるようにキャリブレーションすることができる。
制御装置8は、露光ステーションST1のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測動作が実行されているときのZ干渉計77の計測結果、及び計測ステーションST2のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測動作が実行されているときのZ干渉計77の計測結果を用いてキャリブレーションすることができる。
そして、フォーカス・レベリング検出システム7を用いる処理を実行する際、制御装置8は、フォーカス・レベリング検出システム7の検出結果と、露光ステーションST1のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測値と、計測ステーションST2のスケールユニット50を用いるエンコーダヘッド51の計測値とに基づいて、基板Pの表面の位置情報を求めたり、位置制御を実行したりする。
また、本実施形態において、第1基板ステージ1は、複数のエンコーダヘッド51を有している。図12に示すように、制御装置8は、第1基板ステージ1に配置され、露光ステーションST1のスケールユニット50Gと対向可能な複数のエンコーダヘッド51を含む第1群51A、及び第1群51Aのエンコーダヘッド51が露光ステーションST1のスケールユニット50Gと対向しているときに、計測ステーションST2のスケールユニット50Hと対向可能な複数のエンコーダヘッド51を含む第2群51Bを有する。第1、第2群51A、52Bのそれぞれは、エンコーダヘッド51を少なくとも3つ含む。制御装置8は、第1、第2群51A、52Bそれぞれのエンコーダヘッド51を用いて、スケールユニット50G、50Hのスケール板53の下面のZ軸、θX、及びθY方向の位置情報を計測可能である。そして、制御装置8は、第1群51A及び第2群52Bの計測結果に基づいて、露光ステーションST1のスケールユニット50Gを用いるエンコーダヘッド51の計測値と、計測ステーションST2のスケールユニット50Hを用いるエンコーダヘッド51の計測値とが所定関係になるようにキャリブレーションすることができる。
なお、スケールユニット50Gが交換前のスケールユニットであり、スケールユニット50Hが交換後のスケールユニットでもよい。この場合においても、制御装置8は、第1群51A及び第2群52Bの計測結果に基づいて、交換前のスケールユニット50Gを用いるエンコーダヘッド51の計測値と、交換後のスケールユニット50Hを用いるエンコーダヘッド51の計測値とが所定関係になるようにキャリブレーションすることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、第2実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図13において、露光装置EXは、スケールユニット50の状態を検出する検出装置80を備えている。検出装置80は、スケール板53の下面の状態を検出することができる。
本実施形態において、検出装置80は、スケールユニット50(スケール板53)の光学像(画像)を取得可能な撮像素子82を有する撮像装置(カメラ)81を含む。
また、本実施形態において、露光装置EXは、基板Pを保持せずに、ガイド面14Gを移動可能なステージ90を備えている。ステージ90は、第1、第2基板ステージ1、2と独立して移動可能である。ステージ90は、スケール板53の下面と対向する位置に移動可能である。ステージ90は、平面モータを含む第2駆動システム42の作動により、ガイド面14Gを移動可能である。
本実施形態において、カメラ81は、ステージ90に配置されている。カメラ81は、スケール板53を照明するための光を射出する光源83と、光源83から射出された光をスケール板53に導くとともに、スケール板53からの光を撮像素子82に導く光学系84とを備えている。光学系84は、ハーフミラー84Mを備えている。
制御装置8は、所定のタイミングで、ステージ90をスケール板53と対向する位置に配置して、カメラ81を用いる検出動作を実行する。制御装置8は、カメラ81の検出結果に基づいて、スケールユニット50の交換の要否を判断する。スケールユニット50の交換の要否の判断は、スケールユニット50(スケール板53)の欠陥の有無の判断を含む。欠陥は、例えばスケール板53の汚染、あるいは、スケール板53に付着した異物を含む。
例えば、カメラ81の検出結果に基づいて、スケール板53に欠陥があると判断した場合、制御装置8は、スケールユニット50の交換が必要であると判断し、基板Pの露光動作を停止するとともに、例えば警報装置、表示装置等を用いて、スケールユニット50の交換を指示する。このように、本実施形態においては、カメラ81の検出結果に基づいて、スケールユニット50の交換動作が実行される。
また、本実施形態においては、露光装置EXは、スケールユニット50(スケール板53)をメンテナンスするメンテナンス装置100を備えている。本実施形態において、メンテナンス装置100は、スケールユニット50のクリーニングを実行可能である。本実施形態において、メンテナンス装置100は、スケールユニット50に気体を供給する気体供給装置101を含む。気体供給装置101は、清浄な気体を送出する気体供給部102と、気体供給部102からの気体が供給されるノズル部材103とを有する。ノズル部材103は、気体を吹き出す吹出口104を有し、気体供給部102からの気体を、スケールユニット50に供給する。
本実施形態において、メンテナンス装置100は、ステージ90に配置されている。ノズル部材103の吹出口104は、スケールユニット50と対向可能なステージ90の上面に配置されている。制御装置8は、スケールユニット50(スケール板53)と吹出口104とを対向させた状態で、吹出口104よりスケールユニット50に気体を供給することによって、スケールユニット50をクリーニングする。例えばスケールユニット50の表面(スケール板53の下面)に付着している異物は、吹出口104から供給された気体によって除去される。
制御装置8は、カメラ81でスケール板53の下面の状態を検出し、カメラ81の検出結果に基づいて、例えばスケール板53に異物が付着していると判断したとき、スケールユニット50の交換を実行する前に、気体供給装置101を用いて、スケールユニット5をクリーニングすることができる。そして、クリーニング後、制御装置8は、カメラ81を用いて、スケール板53の下面の状態を再び検出する。制御装置8は、そのカメラ81の検出結果に基づいて、スケールユニット50の交換の要否を判断する。例えば気体供給装置101を用いるクリーニングによりスケール板53の異物が除去されたと判断した場合、制御装置8は、スケールユニット50の交換動作を実行せずに、基板Pの露光処理を含む通常シーケンスを実行する。一方、気体供給装置101を用いるクリーニングによってもスケール板53の異物が除去されないと判断した場合、制御装置8は、スケールユニット50の交換動作を実行するための動作を実行する。
なお、図14に示すようなメンテナンス装置100Bを用いて、スケールユニット50をクリーニングすることもできる。図14に示すメンテナンス装置100Bは、スケールユニット50に気体を供給する気体供給装置101Bと、スケールユニット50の異物を吸引する吸引装置105とを有する。気体供給装置101Bは、気体供給部102Bと、吹出口104Bが形成されたノズル部材103Bとを有する。吸引装置105は、吸引口106が形成されたノズル部材107と、吸引口106を介して異物を吸引可能な真空システムを含む吸引部108とを有する。ノズル部材103B、107は、ステージ90に配置されている。図14に示すメンテナンス装置100Bによっても、スケールユニット50をクリーニングできる。
なお、気体供給装置101Bを省略して、吸引装置105を含むメンテナンス装置を用いることによっても、スケールユニット50をクリーニングできる。
また、図15に示すような検出装置80Bを用いてスケールユニット50の状態を検出し、図15に示すようなメンテナンス装置100Cを用いてスケールユニット50をメンテナンスすることができる。
図15において、検出装置80Bは、スケールユニット50(スケール板53)に検出光を照射する投射装置85と、検出光に対して所定位置に配置された受光装置86とを有する。投射装置85及び受光装置86は、ステージ90に配置されている。例えばスケール板53の下面に欠陥(異物)が存在しない場合、投射装置85よりスケール板53の下面に検出光を照射したときにそのスケール板53から発生する光は、所定方向に進行する。受光装置86は、その所定方向に進行する光が入射しない位置に配置されている。一方、スケール板53の下面に欠陥(異物)が存在する場合、投射装置85よりスケール板53の下面に検出光を照射したときにそのスケール板53から発生する光の少なくとも一部は、受光装置86に入射する。したがって、制御装置8は、受光装置86の受光結果に基づいて、スケール板53の欠陥の有無を判断することができ、スケールユニット50の交換の要否を判断することができる。
メンテナンス装置100Cは、スケールユニット50に紫外光を照射する照射装置109を含む。照射装置109は、紫外光を射出する光源110と、光源110からの紫外光を、ステージ90に配置された射出部111に導く光学系112とを有する。光学系112は、光ファイバ、及び反射ミラーを含む。スケールユニット50に紫外光を照射することによって、そのスケールユニット50は光洗浄される。スケールユニット50に紫外光を照射することにより、スケールユニット50に付着している有機物等の異物を除去することができる。
なお、上述の第1、第2実施形態においては、スケール板53の温度を調整するために、保持部材54の内部流路68に温度調整用の流体を流す例について説明したが、例えば図16に示すように、保持部材54に配置されるペルチェ素子67Pを用いて、スケール板53の温度を調整することができる。また、ケーブル120を介して、保持部材54に電力を供給することができる。ペルチェ素子67Pは、保持面55の近傍に配置されており、保持面55に保持されたスケール板53の温度を良好に調整できる。また、ペルチェ素子67Pと、温度調整用の流体が流れる内部流路68とを併用することもできる。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板Pを保持して移動可能な基板ステージと、基板Pを保持せずに、露光に関する所定の計測を実行可能な計測器(計測部材)を搭載して移動可能な計測ステージとを備えた露光装置にも適用できる。また、上述のステージ90に計測器(計測部材)を搭載してもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図17に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…第1基板ステージ、2…第2基板ステージ、4…干渉計システム、5…エンコーダシステム、6…アライメントシステム、7…フォーカス・レベリング検出システム、8…制御装置、11…支持フレーム、18…内部空間、19…チャンバ装置、20…第1光学素子、23…液浸部材、33…外部空間、34…読取装置、41…第1駆動システム、42…第2駆動システム、51…エンコーダヘッド、52…エンコーダヘッド、53…スケール板、54…保持部材、57…識別子、58…基準面、60…保持装置、61…支持部材、64…吸着部、66…位置決め機構、67…温度調整装置、67P…ペルチェ素子、73…液体供給装置、76…液体回収装置、77…Z干渉計、80…検出装置、81…撮像装置、85…投射装置、86…受光装置、90…ステージ、100…メンテナンス装置、101…気体供給装置、105…吸引装置、109…照射装置、EL…露光光、EX…露光装置、P…基板、SP1…照射位置、SP2…計測位置、ST1…露光ステーション、ST2…計測ステーション