[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5261278B2 - コネクタおよびコネクタ用金属材料 - Google Patents

コネクタおよびコネクタ用金属材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5261278B2
JP5261278B2 JP2009115990A JP2009115990A JP5261278B2 JP 5261278 B2 JP5261278 B2 JP 5261278B2 JP 2009115990 A JP2009115990 A JP 2009115990A JP 2009115990 A JP2009115990 A JP 2009115990A JP 5261278 B2 JP5261278 B2 JP 5261278B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connector
terminal
layer
female
male
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009115990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010267419A (ja
Inventor
賢悟 水戸瀬
和生 吉田
京太 須齋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Furukawa Automotive Systems Inc
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Furukawa Automotive Systems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD., Furukawa Automotive Systems Inc filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2009115990A priority Critical patent/JP5261278B2/ja
Publication of JP2010267419A publication Critical patent/JP2010267419A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5261278B2 publication Critical patent/JP5261278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

本発明は、オス端子、メス端子を含んで構成される電気電子部品用のコネクタ、およびこのコネクタに用いられる、オス端子、メス端子の接触部などに好適なコネクタ用金属材料に関する。
たとえば、自動車等の電線の接続に用いられるコネクタには、一般に、銅(Cu)合金などの導電性基体(以下、適宜、基体と記す。)上に錫(Sn)、錫合金などの金属被覆層を設けたオス端子とメス端子が使用されている。オス端子およびメス端子は、それぞれハウジングに収容されてそれぞれオスコネクタ、メスコネクタとして構成されている。オス端子およびメス端子の材料として用いられる、Cu、Cu合金などの導電性基体上にSn、Sn合金などの金属被覆層をめっきなどにより設けた金属材料は、基体の優れた導電性と強度、および金属被覆層の優れた電気接続性と耐食性とはんだ付け性を備えた高性能導体として知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この金属材料は、通常、亜鉛(Zn)などの基体の合金成分(以下、適宜、基体成分と記す。)が前記金属被覆層に拡散するのを防止するため、基体上にバリア機能を有するニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)などの下地層がめっきなどにより形成される。
自動車のエンジンルーム内などの高温環境下では、端子表面のSn等の金属被覆層はSnが易酸化性のため表面に酸化皮膜が形成されるが、この酸化皮膜は脆いため端子接続時に破れて、その下の金属被覆層中の未酸化のSnが露出して良好な電気接続性が得られる。
ところで近年、電子制御化が進む中でコネクタが多極化したため、オスコネクタの端子群とメスコネクタの端子群を挿抜する際に多大な力が必要になり、特に、自動車のエンジンルーム内などの狭い空間では挿抜作業が困難である。多極化は、特に小型端子を配したコネクタで求められており、オス端子のタブ幅にして1.0mmや0.64mmの端子に対して強く要求されている。
そこで、組み付け作業の負荷低減の観点より、挿入力を小さくすることが求められている。挿入力が高いと、組み付けの作業者の作業負荷を軽減するため、てこの原理を使った設備を導入せねばならなかった。
一方、挿入力の低下はメス端子の接触荷重を低下させることで実現できる。しかし、接触荷重を低下させると、振動や温度変化を受けた場合、接点では微摺動磨耗が起こり、極めて少ない摺動回数で電気抵抗値が上昇してしまう現象、すなわちフレッティング現象が発生する。これを回避するよう従来は高い接触荷重のメス端子が使われてきており、組み付け作業に要求される低挿入力端子は実現できていなかった。
前記フレッティング現象を防止するため、基材上に、フレッティング現象が起き難い硬質のCuSnなどのCu−Sn金属間化合物層を形成する方法(例えば、特許文献3、4参照)が提案されたが、この方法はCu−Sn金属間化合物層にCuなどの基材成分が大量に拡散してCu−Sn金属間化合物層が脆化する場合があるという問題があった。
前記基体とCu−Sn金属間化合物層間にNi層を設けて基体成分の拡散を防止した金属材料(例えば、特許文献7参照)はNi層とCu−Sn金属間化合物層間にSn層もCu層も存在しないため、その製造を、基体上にNi、Cu、Snをこの順に層状にめっきし、これを熱処理して行う際に、めっき積層体のめっき厚みをCuとSnの化学量論比を踏まえて厳密に設計し、かつその熱処理を徹底した管理のもとで行う必要があり、製造に多大な労力を要した。
さらに、基材上に、硬質のCuSnなどのCu−Sn金属間化合物層を形成し、その表面の一部にSnの塊が付着したような構造(例えば、特許文献5参照)も提案されているが、このSnの塊は軟質のため端子の接触面間にフレッティング現象が起きるという点では、前述の特許文献1、2の技術と実質的な差異はない。
また、コネクタ小型化及び接続の高密度化に対し、端子同士を接続する際の挿入力を小さくするために、低挿入力化を図り、低接触抵抗と低挿入力とを兼備する端子として、挿入時の接触荷重が25NのNi−Cu−Snの3層めっき端子がある(例えば、特許文献6参照)。しかし、フレッティング現象を回避する技術には至っていなく、さらにより低い接触荷重域については検討されていない。
さらに、挿入力の小さな多ピンコネクタで、高温でも接触抵抗の増大が無く、把持力が変化せず、振動により外れることのない安定した装着を確保できるコネクタとして、NiとSnを主成分とする溝により粒状区画に区切られた構造を有する拡散合金層を持つSnめっきの薄板が提案されている(例えば、特許文献7)。しかし、製造法は容易ではなく、フレッティング防止が十分か否かは開示されていない。
特開2004−179055号公報 特開2000−21545号公報 特開2000−212720号公報 特開2000−226645号公報 特開2003−213486号公報 特開2003−151668号公報 特開平11−140569号公報
以上記載したように、フレッティング発生と低挿入力端子はトレードオフの関係にある。従来のSnめっきでは、フレッティングを抑制するには高い接触荷重が必要であり、逆に接触荷重を小さくして低挿入力端子を作ってもフレッティングによる故障のため信頼性のある電気特性を得ることができなかった。
そこで、本発明は、製造が容易で、オス端子、メス端子から構成される低挿入力で接続可能でありながら、しかもフレッティングを抑制することができ電気接続性の安定したコネクタ、およびこのコネクタのオス端子、メス端子の接触部などに好適な金属材料を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により達成される。すなわち、本発明は、
(1)オス端子を有するオスコネクタと、接触荷重が0.5〜3Nであるメス端子を有するメスコネクタとが互いに接続可能に構成されているコネクタであって、前記オス端子および前記メス端子の少なくとも一方の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とするコネクタ、
(2)前記(1)に記載のコネクタにおいて、オス端子の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とするコネクタ、
(3)オス端子を有するオスコネクタと、接触荷重が0.5〜3Nであるメス端子を有するメスコネクタとが互いに接続可能に構成されるコネクタであって、前記オス端子および前記メス端子の少なくとも一方の接触部分の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とするコネクタ、
(4)前記(3)に記載のコネクタにおいて、オス端子の接触部分の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とするコネクタ、および、
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のコネクタに使用される金属材料であって、最表面が厚み0.25μm以下のSn層であることを特徴とするコネクタ用金属材料、
を提供するものである。
なお、本発明において「最表面」とは「最表層」と同じ意味である。
本発明のコネクタは、適正な厚みのSn層を備えた端子材を用いた上で、接触荷重が0.5〜3Nのメス端子と、オス端子を組んだものであるため、低挿入力とフレッティング抑制を両立した端子をもつコネクタである。そして、組み付け作業時の作業負荷の低減、ならびに、組み付けたオスメス端子の電気的な接続信頼性が維持されている。
また、オス端子または前記メス端子の少なくとも一方の端子表面すべて、あるいは少なくとも接触部分のみが、最表面の厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されるコネクタであるので、表面硬度の不均一化により相手材との当接圧力を局部的に高めることができ、導通を確実に確保し、電気抵抗を低く抑えることができる。
さらに、本発明のコネクタ用金属材料は、上記のような特性を有するコネクタを容易に形成することができる。
本発明の一実施態様のコネクタのオス端子を示す斜視図である。 本発明の一実施態様のコネクタのメス端子の内部構造を示す斜視図である。 本発明のコネクタの接続状態を説明する概略断面図である。 本発明の金属材料の実施形態を示す斜視説明図である。 接触荷重測定における変位−荷重のグラフの一例である。 挿入力試験の説明図である。 微摺動磨耗試験の抵抗値測定の回路図である。
本発明のコネクタは、オス端子を有するオスコネクタと、メス端子を有するメスコネクタとが互いに接続可能に構成されているコネクタであって、オス端子およびメス端子の少なくとも一方の最表面が厚み0.25μm以下のSn層であり、メス端子の接触荷重が0.5〜3N、である金属材料により形成されたものである。オス端子を有するオスコネクタは、一般に1つ以上のオス端子がハウジング(図示せず)に収容されて構成される。メス端子を有するメスコネクタについても同様に、一般に1つ以上のメス端子がハウジング(図示せず)に収容されて構成される。コネクタに関する事項は、本発明においては一般的事項であるため、図示および詳細な説明は割愛する。
また、上記金属材料は、例えば導電性基材に、主にNi、Cu、Snなどの元素をめっき処理することにより好適に作成されるものである。また、それらのめっき種、めっき厚構成、熱処理の有無、熱処理有りの場合の熱処理温度の時間、ならびに冷却の有無、冷却有りの場合の冷却時間等は、総合的な製造コスト、ならびに使用される部位における要求の品質に応じて適宜設定されるものである。
図1は、本発明の一実施態様のコネクタのオス端子10を示す斜視図である。オス端子10は、メス端子20との接続部分であるタブ11と、電線との圧着を行う圧着部分であるワイヤバレル12とを備える。タブ11は平板状に形成され、その上面および下面はそれぞれ平滑な面に仕上げられている。基板に配備したオスコネクタの場合には、角線、あるいは板をプレス成形した形態であることが多い。
また、図2は、本発明の一実施態様のコネクタのメス端子20の内部構造を示す斜視図である。この図1に示すオス端子10と図2に示すメス端子20は、互いに接続可能なもので、コネクタを構成する。図2において、メス端子20のオス端子10との接続部分は、中空の箱形状であり、舌片21、ディンプル22およびビード23とをその内部に備えている。
ディンプル22は、舌片21の上部に設けられた凸状の部材であり、オス端子10との接続時には、タブ11の下面と点接触する。舌片21は、接点圧力即ちディンプル22をタブ11に押付ける圧力を作用させるバネとしての機能を有している。また、ビード23も凸状の部材であり、タブ11の上面と接触し、当該ディンプル22がタブ11に及ぼす接点圧力を受ける。
オス端子10およびメス端子20の少なくとも一方の、少なくとも一部分は、最表面が厚み0.25μm以下、好ましくは0.15μm以下、さらに好ましくは0.10μm以下で、特に限定するものではないが0.01μm以上のSn層である金属材料で形成されている。オス端子10および/またはメス端子20の一部のみが上記金属材料で形成されていなくてもよく、その場合、少なくとも一方の接触部分が上記金属材料で形成されていていることが好ましい。
オス端子10とメス端子20のどちらか一方の最表層が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料で形成されている場合には、メス端子20のみSn層を有するものより、オス端子10のみSn層であることが好ましく、オス端子10とメス端子20両方とも厚み0.25μm以下のSn層であることがさらに好ましい。
なお、本発明において、金属材料の最表層の状態は、金属材料がコネクタとして使用される場合には、コネクタとして初期状態のものを意味するものである。
オス端子10をメス端子20に接続する際には、図3の概略断面図に示すように、タブ11を舌片21とビード23との間隙に挿入する。このとき、ビード23がタブ11の上面に摺接すると共に、ディンプル22がタブ11の下面に摺接する。そして、タブ11を完全に挿入すると、ビード23及びディンプル22がそれぞれタブ11に接触した状態で、タブ11がそれらの間に圧接保持され、これによりオス端子10及びメス端子20間の電気的接続がなされる構成となっている。
このように接続がなされるに際には、オス端子10側については、そのタブ11の上面および下面が接触部分となっている。一方、メス端子20側については、そのディンプル22およびビード23が接触部分となっている。
なお、本発明で接触部分とは、オス端子をメス端子に挿入する時、メス端子のディンプル、およびビードとオス端子のタブとが接する面、ならびに、オス端子をメス端子に挿入した後、メス端子のディンプル、およびビードとオス端子のタブとが接する面の両者を指す。
また、オス端子10とメス端子20との間で表面の硬さに差がある場合、軟らかい方がけずれ易くなり、そのけずれ量が小さくなるほど挿入力が小さくなる。このことを考慮すると、接続時におけるオス端子、メス端子それぞれの接触部分の軌跡に対応して接触面積の大きい側の材料を固くすることが好ましい。これにより、コネクタ挿抜抵抗を低減するとともに、コネクタ組立時において必要な挿入力を低減し、組立作業の作業効率を向上し作業員の疲労を低減することが可能となる。
本発明の好ましい態様のコネクタにおいては、互いに接続可能なオス端子およびメス端子を備え、前記オス端子または前記メス端子の一方の端子表面すべて、あるいは少なくとも接触部分のみが、最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成され、前記オス端子または前記メス端子の他方の少なくとも接触部分が、最表面がSn層である金属材料により形成されているものである。オス端子では、接触部が平板状のため、フレッティング、ならびに高い挿入力の原因である純Sn層が広い面積で形成される恐れがあり、一方、メス端子の場合は、接触部が半球状のため、その面積は小さくなる。そのため、好ましくは、上記の最表面がオス端子は0.25μm以下のSn層で、メス端子ではSn層である。
この態様のコネクタでは、接続時におけるオス端子、メス端子それぞれの接触部分の軌跡を考慮し、前記接触部分の接触面積が大きくなる側としての表面が硬い方の端子がオス端子であり、前記接触部分の接触面積が小さくなる側としての表面が柔らかい方の端子がメス端子であることにより、接触面積が大きくなる側の表面の(単位面積あたりの)けずれ量が小さくなり、挿入力低減効果が大きくなる。
また、通常、オス端子は、挿入し易いように平坦な形状をしているのに対し、メス端子は内面上下の一方あるいは両方に曲げ加工を有し、ばねの役割を持たせた形状を有している。さらに、通常はメス端子側の接触部を挿入されるオス端子側に突出させている。このため、オス端子は平板をそのまま打ち抜いて製造する場合があるのに対し、メス端子は、曲げ加工を行って製造する場合が多いため、メス端子の方が加工し易さの点で金属材料の硬さをオス端子に比べて低くする方が好ましい。特に、近年の小型化に対応するために製造工程において厳しい曲げ加工を伴う場合には、加工し易いメス端子を有する本発明が好適である。
その他、構造上、端子を挿入する上で、オス端子の接触部分の軌跡に対応する接触面積がメス端子の接触部分の軌跡に対応する接触面積よりも大きくなることも、本実施形態の硬化処理対象として、オス端子を選択することが有効である理由となる。
本発明のコネクタは、オス端子とメス端子との接触荷重が0.5〜3Nである接触構造のメス端子を有する。接触荷重は、好ましくは0.5〜2N、さらに好ましくは1.0〜1.5Nである。
なお、本発明における「接触荷重」とは、端子の接触面が押付け合う力のことである。但し、接触面が複数ある場合は、その総和を指す。
例えばメス端子が、図2に示すように片側が一つのディンプル22を備えたばね片、反対側が固定されたビード23を有するものの場合、
端子嵌合時のばね反力=接触荷重
となる。この接触荷重は、解体したメス端子を用い、マイクロスコープによるタブギャップ測定で得られた値を変位(オス端子が挿入された状態を仮定した際の押込み変位)とみなして、微小荷重計によって得られたばね特性(変位−荷重グラフ)から読み取る方法で測定することができる。このときのタブギャップとは、メス端子のビード−ディンプル間の距離である。また、ばね特性の測定は、微小荷重計に取り付けた専用治具でディンプルを押し下げるなどの方法で行う。
接触荷重の調整は、前記測定方法によってあらかじめ変位−荷重グラフを作成しておき、所望の接触荷重に対する変位の値から求められるタブギャップを設定することで行える。変位はオス端子のタブ厚からメス端子のタブギャップを差し引いたものなので、オス端子のタブ厚が決まれば、所望の接触荷重を有するメス端子のタブギャップが定まる。
本発明によれば、このような低い接触荷重の接触構造により、小さな力で挿抜できるため、組み付け作業の負担を大きく軽減することができる。
このコネクタは、例えば車載用コネクタとして自動車に搭載されるが、本発明に係るコネクタの用途は車載用に限定されず、電気・電子機器等いかなる用途のコネクタにも適用可能である。
次に、本発明のコネクタを構成する、上記最表面に厚み0.25μm以下のSn層を有する金属材料について説明する。
本発明のコネクタ用金属材料は、電気電子部品のオス端子またはメス端子の少なくとも一部を形成する金属材料であって、最表面に厚み0.25μm以下のSn層が設けられたものである。
上記Sn層が設けられる直下の層は、特に限定されるものではなく、例えば、Cu−Sn合金層が導電性基体上に設けられたものでも良いし、導電性基体上に、Cu、Cu合金、Ni、Ni合金、Fe、Fe合金、Co、またはCo合金のいずれか1種あるいは2種からなる金属または合金層が設けられ、その上に前記最表面のSn層が設けられたものでも良い。
本発明のコネクタ用の金属材料の好ましい一つの実施態様を図4に示す。図4は、そのめっき層を有する金属材料30の斜視説明図であり、導電性基体31上に、例えばNiからなる下地層32、その上に例えばCuからなる中間層33、その上に最表面層であるSn層34を設けたものである。
コネクタ用の金属材料30は、例えば、導電性基体31上に、Ni層、Cu層、Sn層をこの順にめっきしてめっき積層体を作製し、これを熱処理して、製造される。この熱処理の間、基体成分の熱拡散はNiからなる下地層32により阻止される。前記下地層32や中間層33の熱処理後の厚みは特に厳密に規定する必要がないため、めっき積層体の設計およびその熱処理は容易に行える。
従って本発明のコネクタ用金属材料30は製造が容易で生産性に優れる。
本発明のコネクタのオス端子およびメス端子の少なくとも一方の金属材料30における最表面のSn層34の厚みは、0.25μm以下、好ましくは0.15μm以下、さらに好ましくは0.10μm以下であり、限定されるものではないが0.01μm以上である。
本発明において、導電性基体31には、端子に要求される導電性、機械的強度および耐熱性を有する銅、リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン合金などの銅合金、鉄、ステンレス鋼などの鉄合金、銅被覆鉄材やニッケル被覆鉄材などの複合材料、各種のニッケル合金やアルミニウム合金などが適宜用いられる。
前記金属および合金(材料)のうち、特に銅、銅合金などの銅系材料は導電性と機械的強度のバランスに優れ好適である。前記導電性基体31が銅系材料以外の場合は、その表面に銅または銅合金を被覆しておくと耐食性および下地層32との密着性が向上する点で好ましい。
前記導電性基体31上に設ける下地層32は、基体成分が最表面のSn層34に熱拡散するのを防止するバリア機能を有するNi、Co、またはFeの金属、あるいはNi−P系、Ni−Sn系、Co−P系、Ni−Co系、Ni−Co−P系、Ni−Cu系、Ni−Cr系、Ni−Zn系、Ni−Fe系などのNi合金、Fe合金、またはCo合金が好適に用いられる。これら金属および合金は、めっき処理性が良好で、価格的にも問題がない。中でも、NiおよびNi合金はバリア機能が高温環境下にあっても衰えないため推奨できる。
前記下地層32に用いるNiなどの金属(合金)は、融点が1000℃以上と高く、接続コネクタの使用環境温度は200℃以下と低いため、下地層32はそれ自身熱拡散を起こし難いうえ、そのバリア機能が有効に発現される。下地層32には、導電性基体31の材質によっては導電性基体31と中間層33との密着性を高める機能もある。
下地層32の厚みは、0.05μm未満ではそのバリア機能が十分に発揮されなくなり、3μmを超えるとめっき歪みが大きくなって基体から剥離し易くなる。従って0.05〜3μmが好ましい。下地層32の厚みの上限は端子加工性を考慮すると1.5μm、さらには0.5μmが望ましい。
下地層32は、1層であっても2層以上であってもよい。2層以上とする場合は、隣接する層との関係で、バリア機能や密着性を高める機能などを適宜設定することができるといった利点がある。
また、本発明のコネクタ用金属材料30における中間層33の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.01μm以上とする。上限は実用面、材料費、製造コストなどを考慮して5.0μm程度が望ましく、この中間層33の厚みは、0.05μm以上0.5μm以下がさらに望ましい。なお中間層33が薄いと熱処理後の中間層33に微細孔が多数発生し、中間層としてのバリア機能が失われることがあるので、中間層33がCuのときは中間層33の厚みはCu合金の場合より若干厚めにすることが好ましい。
中間層33には、銅の他、Cu−Sn系などの銅合金が適用できる。銅合金のCu濃度は50質量%以上が好ましい。
この最表面にSn層を有する金属材料を得るための熱処理は、例えば次のようである。
熱処理は任意の方法で行うことができるが、好ましくは、めっき積層体を炉内温度300〜800℃のリフロー炉内に3〜20秒間通過させる処理である。
また、上記の冷却処理は、任意の方法で行うことができるが、好ましくは20〜80℃の液体中を1〜100秒、さらに好ましくは20〜60℃の気体中を1〜300秒かけて通過させ、その後20〜80℃の液体中を1〜100秒かけて通過させることで行うことである。また、さらに好ましくは30〜50℃の水中を5〜15秒かけて通過させることで行う。
前記めっき積層体のNiなどの下地層層、Cuなどの中間層層、Sn層はPVD法などによっても形成できるが、湿式めっき法が簡便かつ低コストで望ましい。
本発明のコネクタ用金属材料30は、最表面のSn層34の表面に厚さ100nm以下の酸化膜が形成されても、その性能に悪影響はない。本発明のコネクタ用金属材料30では、熱処理前の最外層はSnであり、この場合酸化物としてSnの酸化物が形成される。Snの酸化物はCuの酸化物などと比較して導電性が高く、金属材料としての導電性に悪影響を与えないと考えられる。酸化膜の厚さは30nm以下であることが好ましい。
本発明において、導電性基体31と下地層32の間、下地層32と中間層33の間、中間層33とSn層34の間に、隣接する層より薄い異種材料を介在させてもよい。
また、本発明の金属材料30は、導電性基体31上に直接Sn層34を設けてもよいし、導電性基体31上に設けられた下地層32上にSn層34を設けても良い。
また、本発明のコネクタ用金属材料の形状は、コネクタのオス端子またはメス端子の少なくとも一部を形成する形状であれば、条材、板材等任意である。
また、本発明の別の実施形態は、このようなコネクタ用金属材料が少なくとも接触部を構成するコネクタであり、特に多極のコネクタまたは接触子が好ましい。本発明のコネクタ用金属材料は常法により、例えば自動車用や電気電子機器用のコネクタ、接触子などに加工することができる。
本発明のコネクタ用金属材料は、電気部品のオス、メス端子に応用する場合において、オス側、メス側のいずれかもしくはその両方に適用できる。さらに、必要な部分のみに適用しても差し支えない。
また、本発明のコネクタおよびコネクタ材料は、コネクタを構成する端子サイズに依存することなく、低挿入力とフレッティング防止の効果が得られるものである。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、たとえば試料およびその作製条件などは具体的一例にすぎず、本発明はこれに制限されるものではない。
[実施例1]
端子用材料として、厚み0.2mmの銅合金条を基材とし、脱脂および酸洗をこの順に施し、次いで表1に示すめっき条件で前記銅合金条にNi、Cu、Snを層状に電気めっきしてめっき積層体を作製した。なお、銅合金条は、Niを1.6質量%、Siを0.4質量%含有したコルソン合金とした。
Figure 0005261278
リフロー処理は、バーナ温度を700℃とし、5〜15秒の範囲で熱処理を行った。下地層のNiめっき厚は0.5μmおよび中間層のCuめっき厚は0.5μmとし、最表面層のSnめっき厚は特に電気めっきの時間により調整し、0.3μm、0.5μm、0.8μmおよび1.2μmの4種とし、リフロー処理後、残存Sn層の厚みは表2に示すように0.03μm、0.10μm、0.25μmおよび0.50μmとなり、本発明例および比較例のコネクタ用金属材料の各試料を得た。
Sn層の厚みは、コクール法により分析した。
前記熱処理後のSn層の厚みの違う各試料をプレス切断した後、図1に示すように成形した試験用オスコネクタを作製した。小型端子を想定し、タブ幅は1mmとした。また、メス端子用の試料は、タブギャップを調整して、表2に示す各種の接触荷重を有するようにプレス成形し、図2に示す試験用メスコネクタを作製した。
各例のメス端子の接触荷重は、次のようにして設定を行った。
メス端子の荷重測定における変位は、オス端子のタブ厚からメス端子のギャップ間隔を引いた値に相当する。したがって、オス端子のタブ厚が決まれば、所望の接触荷重を備えたメス端子のギャップ間隔が定まる。よって、荷重−変位グラフ(例えば、図5)を求め、表2に示す所望の接触荷重となるようメス端子のギャップ間隔を設定した。
(挿入力試験)
次に、本発明例および比較例のオス端子およびメス端子を用いて、図6の概略側面図による説明図(なお、モニター47は理解を容易にするため斜視図)で示される方法により、挿入力試験を行った。すなわち、メス端子41を治具43にて固定し、オス端子42を軸方向(コネクタ嵌合時における端子の正規挿入方向)に押し治具44に50mm/分の速度で挿入した。この時の変位−荷重曲線をロードセル45および変位計46に接続したモニター47によりモニタリングし、端子が正規嵌合位置に至るまでの間の荷重ピーク値を端子単体挿入力(N)とし、測定は各5回行い、平均値を求めた。
ここでは、50極の多極コネクタを想定し、作業者の負担を考慮してコネクタ挿入力を70N以下と仮定した場合、1極あたりの挿入力は1.4Nとなるので、挿入力がこの基準以下であるものは「良」と判定して表2に「○」を付し、挿入力がこの基準を上回る場合は「不良」と判定して表2に「×」を付した。
(微摺動磨耗試験)
また、本発明例および比較例の得られた試料について、下記の微摺動磨耗試験を摺動回数1000回以内で接触抵抗値の変化を連続的に測定した。微摺動磨耗試験は図7に示す回路図により抵抗値を測定するもので、次のようにして行った。
図1、2に示すようなメス端子41、オス端子42のそれぞれに設けられたコネクタハウジングに電線圧着済の端子を挿入し、嵌合させ、温度20℃、湿度50%の環境下で、摺動距離30μmで往復摺動させ、オス端子、メス端子の接続部間に電源51より開放電圧20mV負荷して定電流5mAを流し、摺動中の電圧降下を電圧計52で4端子法により測定して電気抵抗の変化を1秒ごとに求めた。
その評価は、フレッティングピークが発生し、そのピーク値が10mΩ以上は「×」、3mΩ以上10mΩ未満は「○」、3mΩ未満は「◎」とし、また、フレッティングピークが発生しないものも「◎」で表2に示した。
Figure 0005261278
表2に示されるように、本発明例1〜8のコネクタでは、比較例のコネクタに比べ挿入力が低減され、良好な挿抜性を有し、かつ、電気抵抗上昇の少ないフッレティングの起き難く、コネクタとして良好な電気接続性が安定して得られていることがわかった。
10 オス端子
11 タブ
12 ワイヤバレル
20 メス端子
21 舌片
22 ディンプル
23 ビード
30 金属材料
31 導電性基体
32 下地層
33 中間層
34 Sn層
41 メス端子
42 オス端子
43 治具
44 押し治具
45 ロードセル
46 変位計
47 モニター
51 電源
52 電圧計

Claims (5)

  1. オス端子を有するオスコネクタと、接触荷重が0.5〜3Nであるメス端子を有するメスコネクタとが互いに接続可能に構成されているコネクタであって、前記オス端子および前記メス端子の少なくとも一方の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記オス端子の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. オス端子を有するオスコネクタと、接触荷重が0.5〜3Nであるメス端子を有するメスコネクタとが互いに接続可能に構成されるコネクタであって、前記オス端子および前記メス端子の少なくとも一方の接触部分の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とするコネクタ。
  4. 前記オス端子の接触部分の最表面が厚み0.25μm以下のSn層である金属材料により形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコネクタに使用される金属材料であって、最表面が厚み0.25μm以下のSn層であることを特徴とするコネクタ用金属材料。
JP2009115990A 2009-05-12 2009-05-12 コネクタおよびコネクタ用金属材料 Active JP5261278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009115990A JP5261278B2 (ja) 2009-05-12 2009-05-12 コネクタおよびコネクタ用金属材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009115990A JP5261278B2 (ja) 2009-05-12 2009-05-12 コネクタおよびコネクタ用金属材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010267419A JP2010267419A (ja) 2010-11-25
JP5261278B2 true JP5261278B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=43364227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009115990A Active JP5261278B2 (ja) 2009-05-12 2009-05-12 コネクタおよびコネクタ用金属材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5261278B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012140678A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Kyowa Densen Kk 曲げ加工部のウィスカ発生を防止するめっき被膜部材、これを用いた電気電子部品、並びにめっき被膜部材の製造方法とめっき皮膜部材のウィスカ発生防止方法
JP5712872B2 (ja) * 2011-08-31 2015-05-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 アルミニウム基端子金具
JP6167988B2 (ja) * 2014-05-21 2017-07-26 株式会社オートネットワーク技術研究所 アルミニウム端子
JP6681236B2 (ja) * 2016-03-23 2020-04-15 矢崎総業株式会社 端子接続構造
JP6624999B2 (ja) * 2016-03-31 2019-12-25 日鉄日新製鋼株式会社 自動車用端子
KR101667301B1 (ko) * 2016-04-05 2016-10-18 (주)진선테크 플렉시블 팔레트 케이블용 커넥터

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3391427B2 (ja) * 1996-05-14 2003-03-31 三菱伸銅株式会社 メッキ銅合金薄板およびその薄板で製造したコネクタ
JPH10302865A (ja) * 1997-04-28 1998-11-13 Harness Sogo Gijutsu Kenkyusho:Kk 嵌合型接続端子の製造方法
JP2000150039A (ja) * 1998-09-10 2000-05-30 Harness Syst Tech Res Ltd 嵌合型接続端子の電線接続構造
JP3670544B2 (ja) * 2000-01-20 2005-07-13 株式会社オートネットワーク技術研究所 嵌合型接続端子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010267419A (ja) 2010-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5192878B2 (ja) コネクタおよびコネクタ用金属材料
JP4934456B2 (ja) めっき材料および前記めっき材料が用いられた電気電子部品
JP5696811B2 (ja) コネクタ用めっき端子および端子対
JP4653133B2 (ja) めっき材料および前記めっき材料が用いられた電気電子部品
WO2014034460A1 (ja) コネクタ用めっき端子および端子対
JP5261278B2 (ja) コネクタおよびコネクタ用金属材料
WO2015045856A1 (ja) コネクタ用電気接点材料及びその製造方法
WO2002057511A1 (fr) Materiau revetu d'un placage metallique et son procede de preparation, et pieces electriques et electroniques les utilisant
WO2015108004A1 (ja) コネクタ用電気接点材料及びその製造方法
JP2003171790A (ja) めっき材料とその製造方法、それを用いた電気・電子部品
JP2010267418A (ja) コネクタ
JPH11193494A (ja) かん合型接続端子用めっき材及びかん合型接続端子
JP5939345B1 (ja) 端子金具およびコネクタ
JP6451385B2 (ja) 端子金具及びコネクタ
WO2009116601A1 (ja) コネクタ用金属材料およびその製造方法
US20170162969A1 (en) Terminal pair and connector
WO2016006469A1 (ja) プレスフィット端子および基板用コネクタ
CN109845041B (zh) 连接端子及连接端子的制造方法
EP4391238A1 (en) Plug terminal, plug structure and motor vehicle
WO2018074256A1 (ja) 導電性条材
JP4514061B2 (ja) めっき材料とその製造方法、それを用いた電気・電子部品
JP2003328157A (ja) めっき材料とその製造方法、それを用いた電気・電子部品
JP2007204854A (ja) めっき材料とその製造方法、それを用いた電気・電子部品
WO2022219904A1 (ja) コネクタ用オスピン及びコネクタ用オスピンの製造方法
WO2022054953A1 (ja) めっき材料及び電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130426

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5261278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350