以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
<構成>
図1には、第1実施形態に係る安全支援システム700Aの概略的な構成が示されている。この図1に示されるように、安全支援システム700Aは、安全支援装置710Aと、移動端末装置750p(p=1,2,…)とを備えている。
上記の安全支援装置710Aは、車載装置720Aと、サーバ装置730Aとを備えている。ここで、車載装置720Aは、車両CRに搭載され、サーバ装置730Aは、固定的な位置に配置されている。また、移動端末装置750p(p=1,2,…)は、当該装置の利用者により利用され、徒歩、自転車による走行、自動車による走行等の様々な移動態様で、利用者とともに移動するようになっている。以下、徒歩中の移動端末装置750pの利用者、移動端末装置750pとともに移動している自転車、自動車等を総称して、「移動体」とも記す。
そして、車載装置720Aと、サーバ装置730Aと、移動端末装置750pとは、ネットワークシステムNWSを介して、データ通信を行うことができるようになっている。なお、各装置間の詳細な情報のやり取りについては後述する。ここで、各装置間の情報のやり取りは、ネットワークシステムNWSを介して行われるものとして説明する。
《車載装置720Aの構成》
上記の車載装置720Aは、走行状況取得手段721と、走行状況情報送信手段722Aと、危険領域侵入検出手段723と、第1警告報知手段724とを備えている。
上記の走行状況取得手段721は、所定時間ごとに車両CRの走行状況情報を取得する。ここで、「走行状況情報」には、車両CRの現在位置、速度、加速度等の走行情報が含まれる。走行状況取得手段721による取得結果は、走行状況情報送信手段722A及び危険領域侵入検出手段723へ送られる。
上記の走行状況情報送信手段722Aは、走行状況取得手段721による取得結果である走行状況情報を受ける。そして、走行状況情報送信手段722Aは、走行状況情報をサーバ装置730Aへ送信する。なお、走行状況情報送信手段722Aによる走行状況情報の送信タイミングについては、後述する。
上記の危険領域侵入検出手段723は、サーバ装置730Aの後述する危険位置導出手段733から危険位置を受ける。ここで、「危険位置」とは、車両CRと移動体との衝突の可能性のある位置である。また、危険領域侵入検出手段723は、走行状況取得手段721からの車両CRの走行情報を受ける。そして、危険領域侵入検出手段723は、走行情報から得られる車両CRの現在位置に基づいて、危険位置から所定距離内である危険領域内への車両CRの侵入を検出する。危険領域侵入検出手段723は、車両CRの危険領域への侵入を検出すると、侵入報告をサーバ装置730Aの判断手段734へ送る。
上記の第1警告報知手段724は、サーバ装置730Aからの第1警告を受ける。この第1警告を受けると、第1警告報知手段724は、車両CRの搭乗者に対して、衝突の警告を音声等により報知する。
《サーバ装置730Aの構成》
上記のサーバ装置730Aは、抽出手段731と、予測手段732と、危険位置導出手段733と、判断手段734と、通知手段735とを備えている。
上記の抽出手段731は、移動体とともに移動する少なくとも1つの移動端末装置750p(p=1,2,…)からの位置情報を受ける。そして、抽出手段731は、移動端末装置750pの位置情報に基づいて、車両CRの目的地までの走行ルートにおける「予定走行態様」により決定される「検出領域」内に存在する移動端末装置750pを、監視対象として抽出する。
上記の予測手段732は、監視対象の位置情報を監視対象である移動端末装置750pから取得する。そして、予測手段732は、監視対象の位置情報に基づいて、監視対象の移動態様を予測する。予測手段732による予測結果は、危険位置導出手段733へ送られる。
上記の危険位置導出手段733は、予測手段732による予測結果である監視対象の移動態様を受ける。そして、危険位置導出手段733は、監視対象の移動態様と車両CRの予定走行態様とに基づいて、車両CRと監視対象との衝突の可能性のある危険位置を導出する。危険位置導出手段733による導出結果は、車載装置720Aの危険領域侵入検出手段723へ送られる。
上記の判断手段734は、車載装置720Aの危険領域侵入検出手段723から侵入報告を受ける。この侵入報告を受けると、判断手段734は、車載装置720Aからの車両CRの走行情報を取得するとともに、移動端末装置750pからの監視対象の位置情報を取得する。そして、判断手段734は、車両CRの走行情報と監視対象の位置情報とに基づいて、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。判断手段734による判断の結果は、通知手段735へ送られる。
なお、上述した車両CRの走行情報は、車両CRの現在位置であってもよいし、車両CRの危険位置への到達予想時刻であってもよい。
上記の通知手段735は、判断手段734による判断の結果が肯定的であった場合に、第1警告を、車載装置720Aへ通知する。
なお、車載装置720A及びサーバ装置730Aのいずれか一方が、車両CRの走行ルートを探索するルート探索手段を更に備える構成とすることができる。
また、車載装置720A及びサーバ装置730Aのいずれか一方が、ルート探索手段による探索結果に基づいて、上述した予定走行態様を導出する予定走行態様導出手段と;当該予定走行態様に基づいて上述した検出領域を導出する検出領域導出手段と;を更に備える構成とすることができる。
この場合において、ルート探索手段と予定走行態様導出手段とが、異なる装置に備えられているときには、ルート探索手段を備える一方の装置が、ルート探索手段による探索結果を、予定走行態様導出手段を備える他方の装置へ送信する。
また、予定走行態様導出手段及び検出領域導出手段が、車載装置720Aに備えられているときには、車載装置720Aは、予定走行態様及び検出領域を、サーバ装置730Aへ報告する情報報告手段を更に備える構成とする。
また、予定走行態様導出手段及び検出領域導出手段が、サーバ装置730Aに備えられているときには、サーバ装置730Aは、予定走行態様を、車載装置720Aへ報告する情報報告手段を更に備える構成とする。
また、予定走行態様導出手段による導出結果である予定走行態様は、走行状況取得手段721による取得結果に基づいて、定期的に更新され、抽出手段731へ通知されるようにしてもよい。
また、予定走行態様導出手段による導出結果である予定走行態様の現在値と、走行状況取得手段721による取得結果に基づいて得られる車両CRの走行態様との差が所定許容値を超えた場合には、走行状況取得手段721による取得結果に基づいて予定走行態様が更新され、抽出手段731へ通知されるようにしてもよい。
《移動端末装置750pの構成》
上記の移動端末装置750p(p=1,2,…)は、移動端末位置検出手段751と、移動端末位置送信手段752とを備えている。
上記の移動端末位置検出手段751は、所定周期で移動端末装置750pの現在位置を検出する。移動端末位置検出手段751による検出結果は、移動端末位置送信手段752へ送られる。
上記の移動端末位置送信手段752は、移動端末位置検出手段751による検出結果を受ける。そして、移動端末位置送信手段752は、当該検出結果を、移動端末装置750pの位置情報として、安全支援装置710Aへ送信する。
なお、移動端末装置750pが、第2警告報知手段を更に備える構成とすることができる。この場合においては、安全支援装置710Aの通知手段735が、判断手段734による判断の結果が肯定的であった場合に、第2警告を、車両CRと衝突する危険が存する移動端末装置750pへ通知する。そして、この第2警告を受けると、第2警告報知手段は、移動端末装置750pの利用者に対して、車両CRとの衝突の警告を音声等により報知する。
<動作>
上記のように構成された安全支援システム700Aにおいて実行される安全支援方法について、説明する。
なお、車載装置720Aの走行状況取得手段721は、所定時間ごとに車両CRの走行状況情報を取得しているものとする。また、移動端末装置750pの移動端末位置検出手段751は、所定周期で移動端末装置750pの現在位置を検出しているものとする。そして、移動端末位置送信手段752が、移動端末位置検出手段751による検出結果を、移動端末装置750pの位置情報として、サーバ装置730Aへ送信しているものとする。
さらに、車両CRの走行ルートは、車載装置720A又はサーバ装置730Aが備えるルート探索手段により探索されているものとする。また、車両CRの走行ルートにおける予定走行態様は、車載装置720A又はサーバ装置730Aが備える予定走行態様導出手段により導出されているものとする。そして、監視対象となる移動端末装置750pを抽出すべき検出領域は、車載装置720A又はサーバ装置730Aが備える検出領域導出手段により導出され、抽出手段731に報告されているものとする。
≪危険位置の導出処理≫
まず、安全支援システム700Aによる危険位置の導出処理について説明する。なお、本第1実施形態では、この処理は、サーバ装置730Aにおいて行われるようになっている。
危険位置の導出処理に際しては、まず、抽出手段731が、移動端末装置750p(p=1,2,…)から受けた移動端末装置750pの位置情報に基づいて、検出領域内に存在する移動端末装置750pを、監視対象として抽出する。この抽出結果は、予測手段732へ送られる。
こうして抽出された監視対象からその後に受けた位置情報に基づいて、予測手段732は、監視対象の移動態様を予測する。予測手段732による予測結果は、危険位置導出手段733へ送られる。
引き続き、危険位置導出手段733は、予測手段732から受けた監視対象の移動態様と、車両CRの予定走行態様とに基づき、車両CRと監視対象との衝突の可能性のある危険位置を導出する。こうして導出された危険位置は、車載装置720Aの危険領域侵入検出手段723へ送信される。
≪危険の判断及び警告報知処理≫
次いで、安全支援システム700Aによる衝突危険の判断及び警告報知処理について説明する。なお、本第1実施形態では、これらの処理は、車載装置720Aとサーバ装置730Aとが協働して行われるようになっている。
衝突危険の判断処理に際して、サーバ装置730Aから危険位置を受けた車載装置720Aでは、危険領域侵入検出手段723が、当該危険位置、及び、走行状況取得手段721からの車両CRの走行情報から得られる車両CRの現在位置に基づき、危険位置から所定距離内である危険領域内への車両CRの侵入を検出する。かかる車両CRの危険領域への侵入が検出されると、危険領域侵入検出手段723が、侵入報告をサーバ装置730Aへ送る。そして、走行状況情報送信手段722Aが、その後に走行状況取得手段721から報告される走行状況情報のサーバ装置730Aへの送信を開始する。
なお、走行状況情報送信手段722Aによる走行状況情報の送信は、例えば、車両CRが危険領域から離脱するまで継続して行われる。
サーバ装置730Aでは、侵入報告を受けた判断手段734が、車載装置720Aからの車両CRの走行情報、及び、侵入報告の受信後における監視対象の位置情報に基づき、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。そして、判断手段734による判断の結果が肯定的であった場合に、通知手段735が、第1警告を車載装置720Aへ通知する。
なお、移動端末装置750pが、第2警告報知手段を更に備える構成であるときには、通知手段735は、判断手段734による判断の結果が肯定的であった場合に、第2警告を車両CRと衝突する危険が存する移動端末装置750pへ通知する処理とすることができる。
そして、車載装置720Aの第1警告報知手段724が、サーバ装置730Aからの第1警告を受けると、車両CRの搭乗者に対して、衝突の警告を音声等により報知する。また、移動端末装置750pが、第2警告報知手段を更に備える構成であるときには、第2警告報知手段が、サーバ装置730Aからの第2警告を受けると、移動端末装置750pの利用者に対して、車両CRとの衝突の警告を音声等により報知する。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を効率良く行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図2を参照して説明する。
<構成>
図2には、第2実施形態に係る安全支援システム700Bの概略的な構成が示されている。この図2に示されるように、安全支援システム700Bは、上述した第1実施形態の安全支援システム700Aと比べて、安全支援装置710Aに代えて安全支援装置710Bを備える点が異なっている。そして、安全支援装置710Bは、安全支援装置710Aと比べて、車載装置720Aに代えて車載装置720Bを備える点、及び、サーバ装置730Aに代えてサーバ装置730Bを備える点が異なっている。
上記の車載装置720Bは、車載装置720Aと比べて、危険領域侵入検出手段723を備えていない点、及び、走行状況情報送信手段722Aに代えて走行状況情報送信手段722Bを備える点が異なっている。ここで、走行状況情報送信手段722Bは、ルート探索手段により探索された走行ルートの車両CRの走行中において、所定時間ごとに走行状況情報の現在値を、サーバ装置730Bへ送るようになっている。
上記のサーバ装置730Bは、サーバ装置730Aと比べて、危険領域侵入検出手段736を更に備える点が異なっている。この危険領域侵入検出手段736は、危険位置導出手段733による導出結果である危険位置を受ける。また、危険領域侵入検出手段736は、車載装置720Bからの車両CRの走行情報を受ける。そして、危険領域侵入検出手段736は、走行情報から得られる車両CRの現在位置に基づいて、上述した危険領域侵入検出手段723と同様に、車両CRが危険領域内に侵入した場合に、侵入報告を、判断手段734へ送る。
<動作>
上記のように構成された安全支援システム700Bにおいて実行される安全支援方法について、説明する。
なお、車載装置720Bでは、第1実施形態の場合と同様に、走行状況取得手段721が、所定時間ごとに車両CRの走行状況情報を取得しているものとする。また、移動端末装置750pでは、第1実施形態の場合と同様に、移動端末位置検出手段751が、所定周期で移動端末装置750pの現在位置を検出するとともに、移動端末位置送信手段752が、移動端末位置検出手段751による検出結果を、移動端末装置750pの位置情報として、サーバ装置730Bへ送信しているものとする。
さらに、第1実施形態の場合と同様に、車載装置720B又はサーバ装置730Bが備えるルート探索手段、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段により、走行ルートの探索、予定走行態様の導出、検出領域の導出が行われており、検出領域は抽出手段731に報告されているものとする。
≪危険位置の導出処理≫
安全支援システム700Bによる危険位置の導出処理は、危険位置導出手段733が、危険位置を危険領域侵入検出手段736へ送る点を除いて、第1実施形態の安全支援システム700Aの場合と、同様に実行される。
≪危険の判断及び警告報知処理≫
次いで、安全支援システム700Bによる衝突危険の判断及び警告報知処理について説明する。なお、本第2実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、これらの処理は、車載装置720Bとサーバ装置730Bとが協働して行われるようになっている。
衝突危険の判断処理に際して、サーバ装置730Bでは、危険領域侵入検出手段736が、危険位置導出手段733から受けた危険位置、及び、車載装置720Bから受けた車両CRの現在位置に基づき、危険位置から所定距離内である危険領域内への車両CRの侵入を検出する。かかる車両CRの危険領域への侵入が検出されると、危険領域侵入検出手段736が、侵入報告を、判断手段734へ送る。
安全支援システム700Bによる上記以降の危険判断及び警告報知処理は、第1実施形態の安全支援システム700Aの場合と、同様に実行される。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を効率良く行うことができる。
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態を、図3を参照して説明する。
<構成>
図3には、第3実施形態に係る安全支援システム700Cの概略的な構成が示されている。この図3に示されるように、安全支援システム700Cは、上述した第1実施形態の安全支援システム700Aと比べて、安全支援装置710Aに代えて安全支援装置710Cを備える点が異なっている。そして、安全支援装置710Cは、安全支援装置710Aと比べて、車載装置720Aに代えて車載装置720Cを備える点、及び、サーバ装置730Aに代えてサーバ装置730Cを備える点が異なっている。
上記の車載装置720Cは、車載装置720Aと比べて、判断手段725、通知手段726を更に備える点、及び、走行状況情報送信手段722Aを備えていない点が異なっている。
上記の判断手段725は、危険領域侵入検出手段723からの侵入報告を受ける。この侵入報告を受けると、判断手段725は、走行状況取得手段721から車両CRの走行情報を取得するとともに、サーバ装置730Cから監視対象の位置情報を取得する。そして、判断手段725は、車両CRの走行情報と監視対象の位置情報とに基づいて、上述した判断手段734と同様に、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。判断手段725による判断の結果は、通知手段726へ送られる。
上記の通知手段726は、判断手段725による判断の結果が肯定的であった場合に、第1警告を、第1警告報知手段724へ通知する。なお、移動端末装置750p(p=1,2,…)が、第2警告報知手段を更に備える構成であるときには、通知手段726は、判断手段725による判断の結果が肯定的であった場合に、第2警告を、車両CRと衝突する危険が存する移動端末装置750pへ通知する構成とすることができる。
なお、危険領域侵入検出手段723は、第1実施形態と比べて、車両CRの危険領域への侵入を検出すると、侵入報告を、判断手段725へ送るとともに、サーバ装置730Cへも送信する点が異なっている。
上記のサーバ装置730Cは、サーバ装置730Aと比べて、監視対象位置情報送信手段737Cを更に備える点、及び、判断手段734、通知手段735を備えていない点が異なっている。
上記の監視対象位置情報送信手段737Cは、車載装置720Cからの侵入報告を受ける。この侵入報告を受けると、監視対象位置情報送信手段737Cは、その後における監視対象の位置情報を、車載装置720Cへ送信する。
<動作>
上記のように構成された安全支援システム700Cにおいて実行される安全支援方法について、説明する。
なお、車載装置720Cでは、第1及び第2実施形態の場合と同様に、走行状況取得手段721が、所定時間ごとに車両CRの走行状況情報を取得しているものとする。また、移動端末装置750pでは、第1及び第2実施形態の場合と同様に、移動端末位置検出手段751が、所定周期で移動端末装置750pの現在位置を検出するとともに、移動端末位置送信手段752が、移動端末位置検出手段751による検出結果を、移動端末装置750pの位置情報として、サーバ装置730Cへ送信しているものとする。
さらに、第1及び第2実施形態の場合と同様に、車載装置720C又はサーバ装置730Cが備えるルート探索手段、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段により、走行ルートの探索、予定走行態様の導出、検出領域の導出が行われており、検出領域は抽出手段731に報告されているものとする。
≪危険位置の導出処理≫
安全支援システム700Cによる危険位置の導出処理は、第1実施形態の安全支援システム700Aの場合と、全く同様に実行される。
≪危険の判断及び警告報知処理≫
次いで、安全支援システム700Cによる衝突危険の判断及び警告報知処理について説明する。なお、本第3実施形態においても、第1及び第2実施形態の場合と同様に、これらの処理は、車載装置720Cとサーバ装置730Cとが協働して行われるようになっている。
衝突危険の判断処理に際して、サーバ装置730Cから危険位置を受けた車載装置720Cでは、危険領域侵入検出手段723が、当該危険位置、及び、走行状況取得手段721からの車両CRの走行情報から得られる車両CRの現在位置に基づき、危険位置から所定距離内である危険領域内への車両CRの侵入を検出する。かかる車両CRの危険領域への侵入が検出されると、危険領域侵入検出手段723が、侵入報告を、判断手段725へ送るとともに、サーバ装置730Cへ送信する。
サーバ装置730Cでは、侵入報告を受けた監視対象位置情報送信手段737Cが、その後における監視対象の位置情報の車載装置720Cへの送信を開始する。
なお、監視対象位置情報送信手段737Cによる監視対象の位置情報の送信は、例えば、車両CRが危険領域から離脱するまで継続して行われる。
車載装置720Cでは、侵入報告を受けた判断手段725が、車両CRの走行情報、及び、サーバ装置730Cからの侵入報告の受信後における監視対象の位置情報に基づき、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。そして、判断手段725による判断の結果が肯定的であった場合に、通知手段726が、第1警告を、第1警告報知手段724へ送る。
なお、移動端末装置750pが、第2警告報知手段を更に備える構成であるときには、通知手段726は、判断手段725による判断の結果が肯定的であった場合に、第2警告を、車両CRと衝突する危険が存する移動端末装置750pへ通知する処理とすることができる。
安全支援システム700Cによる上記以降の警告報知処理は、第1実施形態の安全支援システム700Aの場合と、同様に実行される。
以上説明したように、本発明の第3実施形態によれば、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を効率良く行うことができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を、図4を参照して説明する。
<構成>
図4には、第4実施形態に係る安全支援システム700Dの概略的な構成が示されている。この図4に示されるように、安全支援システム700Dは、上述した第3実施形態の安全支援システム700Cと比べて、安全支援装置710Cに代えて安全支援装置710Dを備える点が異なっている。そして、安全支援装置710Dは、安全支援装置710Cと比べて、車載装置720Cに代えて車載装置720Dを備える点、及び、サーバ装置730Cに代えてサーバ装置730Dを備える点が異なっている。
上記の車載装置720Dは、車載装置720Cと比べて、予測手段727、危険位置導出手段728を備える点が異なっている。
上記の予測手段727は、監視対象の位置情報を、サーバ装置730Dを介して、監視対象である移動端末装置750pから取得する。そして、予測手段727は、監視対象の位置情報に基づいて、上述した予測手段732と同様に、監視対象の移動態様を予測する。予測手段727による予測結果は、危険位置導出手段728へ送られる。
上記の危険位置導出手段728は、予測手段727による予測結果である監視対象の移動態様を受ける。そして、危険位置導出手段728は、監視対象の移動態様と車両CRの予定走行態様とに基づいて、上述した危険位置導出手段733と同様に、危険位置を導出する。危険位置導出手段728による導出結果は、危険領域侵入検出手段723へ送られる。
上記のサーバ装置730Dは、サーバ装置730Cと比べて、予測手段732、危険位置導出手段733を備えていない点、及び、監視対象位置情報送信手段737Cに代えて監視対象位置情報送信手段737Dを備える点が異なっている。ここで、監視対象位置情報送信手段737Dは、抽出手段731により抽出された監視対象の抽出時点の位置情報を、車載装置720Dにおける監視対象の移動態様の予測のために、車載装置720Dへ送信する。また、監視対象位置情報送信手段737Dは、上述した監視対象位置情報送信手段737Cと同様に、車載装置720Dからの侵入報告を受けると、車載装置720Dにおける危険発生の判断のために、侵入報告後における監視対象の位置情報の車載装置720Dへの送信を開始する。
<動作>
上記のように構成された安全支援システム700Dにおいて実行される安全支援方法について、説明する。
なお、車載装置720Dでは、第1〜第3実施形態の場合と同様に、走行状況取得手段721が、所定時間ごとに車両CRの走行状況情報を取得しているものとする。また、移動端末装置750pでは、第1〜第3実施形態の場合と同様に、移動端末位置検出手段751が、所定周期で移動端末装置750pの現在位置を検出するとともに、移動端末位置送信手段752が、移動端末位置検出手段751による検出結果を、移動端末装置750pの位置情報として、サーバ装置730Dへ送信しているものとする。
さらに、第1〜第3実施形態の場合と同様に、車載装置720D又はサーバ装置730Dが備えるルート探索手段、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段により、走行ルートの探索、予定走行態様の導出、検出領域の導出が行われており、検出領域は抽出手段731に報告されているものとする。
≪危険位置の導出処理≫
まず、安全支援システム700Dによる危険位置の導出処理について説明する。なお、本第4実施形態では、この処理は、車載装置720Dとサーバ装置730Dとが協働して行われるようになっている。
危険位置の導出処理に際しては、サーバ装置730Dでは、抽出手段731が、移動端末装置750p(p=1,2,…)から受けた移動端末装置750pの位置情報に基づいて、検出領域内に存在する移動端末装置750pを、監視対象として抽出する。そして、監視対象位置情報送信手段737Dは、抽出された監視対象の抽出時点における位置情報を、車載装置720Dにおける監視対象の移動態様の予測のために、車載装置720Dに送る。
車載装置720Dでは、予測手段727が、上述したサーバ装置730Dから受けた監視対象の位置情報に基づいて、監視対象の移動態様を予測する。予測手段727による予測結果は、危険位置導出手段728へ送られる。
引き続き、危険位置導出手段728は、予測手段727から受けた監視対象の移動態様と、車両CRの予定走行態様とに基づき、車両CRと監視対象との衝突の可能性のある危険位置を導出する。こうして導出された危険位置は、危険領域侵入検出手段723へ送られる。
≪危険の判断及び警告報知処理≫
安全支援システム700Dによる危険判断及び警告報知処理は、危険領域侵入検出手段723が、危険位置導出手段728から危険位置を受けることを除いて、第3実施形態の安全支援システム700Cの場合と、同様に実行される。
以上説明したように、本発明の第4実施形態によれば、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を効率良く行うことができる。
なお、第1〜第4実施形態の安全支援システム700A〜700Dを、演算手段としての3以上のコンピュータを備えて構成し、走行状況取得手段721、第1警告報知手段724を除く上述した各手段の機能を、プログラムを実行することにより実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM,DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにすることができる。
以下、本発明の安全支援システムの一実施例を、図5〜図16を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図5には、一実施例に係る安全支援システム100の概略的な構成が示されている。なお、安全支援システム100は、上述した第1実施形態の安全支援システム700Aの一態様となっている。
この図5に示されるように、安全支援システム100は、安全支援装置710Aとしての安全支援装置200と、移動端末装置750p(p=1,2,…)としての携帯電話装置500pとを備えている。上記の安全支援装置200は、車載装置720Aとしてのナビゲーション装置300と、サーバ装置730Aとしてのサーバ装置400とを備えている。
ここで、ナビゲーション装置300は、車両CRに搭載され、サーバ装置400は、例えば、所定の建物内の固定的な位置に配置されている。また、携帯電話装置500p(p=1,2,…)は、徒歩、自転車による走行、自動車による走行等の様々な移動態様で、当該装置の利用者とともに移動するようになっている。
上記のナビゲーション装置300には、車両CRに装備された走行センサユニット390が接続されている。また、ナビゲーション装置300は、ネットワークシステム600を介して、サーバ装置400とデータ通信を行うようになっている。ナビゲーション装置300が、走行センサユニット390及びサーバ装置400との間で授受するデータの内容については、後述する。
上記のサーバ装置400は、ネットワークシステム600を介して、ナビゲーション装置300及び携帯電話装置500pと通信可能となっている。サーバ装置400が、ナビゲーション装置300及び携帯電話装置500pとの間で授受するデータの内容については、後述する。
上記の携帯電話装置500p(p=1,2,…)は、ネットワークシステム600を介して、サーバ装置400とデータ通信を行うようになっている。携帯電話装置500pとサーバ装置400との間におけるデータの内容については、後述する。
<ナビゲーション装置300の構成>
上記のナビゲーション装置300は、ルート探索機能、走行状況取得機能、走行情報送信機能、危険領域侵入検出機能、警告報知機能を有している。これらの機能を有するナビゲーション装置300は、図6に示されるように、制御ユニット310と、記憶装置320と、無線通信ユニット340とを備えている。また、ナビゲーション装置300は、第1警告報知手段724の一部としての音出力ユニット350と、第1警告報知手段724の一部としての表示ユニット360と、操作入力ユニット370とを備えている。さらに、ナビゲーション装置300は、走行状況取得手段721の一部としてのセンサインターフェイス380と、走行状況取得手段721の一部としてのGPS(Global Positioning System)受信ユニット385とを備えている。
上記の制御ユニット310は、ナビゲーション装置300の全体を統括制御する。この制御ユニット310については、後述する。
上記の記憶装置320は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶装置320は、ナビゲーション用情報(NVI)等の様々なデータを記憶する。この記憶装置320には、制御ユニット310がアクセスできるようになっている。
上記のナビゲーション用情報には、地図データ、POI(Point Of Interests)データ、背景データ等のナビゲーションのために利用される様々なデータが記憶されている。これらのデータは、制御ユニット310によって読み取られる。
上記の無線通信ユニット340は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この無線通信ユニット340は、当該アンテナにより受信したネットワークシステム600において用意された基地局からの受信信号を処理して、制御ユニット310で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信ユニット340は、制御ユニット310からの送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステム600(より詳しくは、基地局)へ送る。
この無線通信ユニット340を利用することにより、ナビゲーション装置300(より詳しくは、制御ユニット310)が、サーバ装置400との間で通信を行うことができるようになっている。
上記の音出力ユニット350は、スピーカを備えて構成され、制御ユニット310から受信した音声データに対応する音声を出力する。この音出力ユニット350は、制御ユニット310による制御のもとで、車両CRと移動体とが衝突する危険が存する場合に、移動体との衝突に関する注意を喚起する警告音声を出力する。また、音出力ユニット350は、制御ユニット310による制御のもとで、ナビゲーション処理に関する車両CRの進行方向、走行状況、交通状況等の案内音声を出力する。
上記の表示ユニット360は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成され、制御ユニット310から受信した表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット360は、制御ユニット310による制御のもとで、車両CRと移動体とが衝突する危険が存する場合に、移動体との衝突に関する注意を喚起する警告情報を表示する。また、表示ユニット360は、制御ユニット310による制御のもとで、ナビゲーション処理に際して、地図情報、ルート情報等のナビゲーション画像、ガイダンス情報等を表示する。
上記の操作入力ユニット370は、ナビゲーション装置300の本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット360の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
この操作入力ユニット370を利用者が操作することにより、ナビゲーション装置300の動作内容の設定や動作指令が行われる。例えば、ナビゲーション処理における後述するルート探索に関する目的地等の設定を、利用者が操作入力ユニット370を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データとして、操作入力ユニット370から制御ユニット310へ向けて送られる。
上記のセンサインターフェイス380は、ナビゲーション装置300と、車両CRに搭載された走行センサユニット390との間におけるデータ授受に関して利用される。ここで、走行センサユニット390は、本実施例では一例として、(i)車両の移動速度を検出する車速センサと、(ii)車両に作用している加速度を検出する加速度センサと、(iii)車両の角速度を検出する角速度センサとを備えている。これらのセンサによる検出結果は、検出信号としてセンサインターフェイス380へ送られる。この検出信号を受けたセンサインターフェイス380は、走行センサユニット390による検出結果を、走行センサデータとして制御ユニット310へ向けて送る。
上記のGPS受信ユニット385は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信ユニット285は、GPS衛星から送出された日時情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御ユニット310へ送られる。
次に、上記の制御ユニット310について説明する。この制御ユニット310は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット310が様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における走行状況情報送信手段722A、危険領域侵入検出手段723としての機能も含まれている。また、本実施例では、制御ユニット310がプログラムを実行して実現する機能の中には、ルート探索手段としての機能も含まれている。
この制御ユニット310は、利用者による目的地等を指定したルート探索指令に応答して、記憶装置320に記憶されているナビゲーション用情報を利用して、車両CRの目的地までの走行ルートを探索する。ここで、利用者による目的地等を指定したルート探索指令は、操作入力ユニット370からの操作入力データとして、制御ユニット310に通知される。
走行ルートの探索が終了すると、制御ユニット310は、探索結果とともに、車両CRの平均速度、走行ルートにおける道路の渋滞情報、道路制限、道路の速度規制等の道路情報を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。また、制御ユニット310は、予定走行態様を導出すべき旨の導出指令を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。ここで、導出指令には、車両CRの現在位置も含まれている。
また、制御ユニット310は、センサインターフェイス380から報告された走行センサデータ及びGPS受信ユニット385から報告されたGPSデータに基づいて、車両CRの走行情報を、所定時間ごとに収集する。こうして収集された走行情報は、制御ユニット310内で後述する車両CRの危険領域内への検出処理、予定走行態様及び危険位置の更新判定処理等に利用される。また、制御ユニット310は、車両CRの危険領域への侵入を検出すると、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、その後における走行情報の送信を開始する。なお、制御ユニット310による走行情報の送信は、車両CRが危険領域から離脱するまで、所定の時間間隔で継続して行われる。
また、制御ユニット310は、車両CRが目的地に到達すると、到達報告を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。
また、制御ユニット310は、ネットワークシステム600及び無線通信ユニット340を介して、サーバ装置400から危険位置を受ける。そして、制御ユニット310は、走行情報から得られる車両CRの現在位置に基づき、危険位置から所定距離内である危険領域への車両CRの侵入を検出する。制御ユニット310は、車両CRの危険領域への侵入を検出すると、侵入報告を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。さらに、制御ユニット310は、車両CRの危険領域への侵入後に、車両CRの当該危険領域からの離脱を検出すると、離脱報告を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。
なお、上述した危険領域を決定する所定距離は、車両CRと移動体との衝突を確実に回避するという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、制御ユニット310は、ネットワークシステム600及び無線通信ユニット340を介して、サーバ装置400から車両CRの予定走行態様を受ける。そして、制御ユニット310は、所定時間ごとに、当該予定走行態様から得られる予定現在位置と車両CRの現在位置との差が所定許容値を超えたか否かを判定する。制御ユニット310は、上述した差が所定許容値を超えたと判断した場合に、車両CRの予定走行態様の更新が必要である旨の導出指令を生成し、無線通信ユニット340及びネットワークシステムを介して、サーバ装置400へ送信する。
なお、上述した所定許容値は、車両CRと移動体との衝突の可能性を正確に判断するという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、制御ユニット310は、ネットワークシステム600及び無線通信ユニット340を介して、サーバ装置400から第1警告を受ける。制御ユニット310は、この第1警告を受けると、移動体との衝突に関する注意を喚起する警告を行うための音声データ及び表示データを生成する。そして、制御ユニット310は、当該音声データを音出力ユニット350へ向けて出力するとともに、当該表示データを表示ユニット360へ向けて出力する。
また、制御ユニット310は、車両CRが目的地に到達すると、到達報告を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。
<サーバ装置400の構成>
上記のサーバ装置400は、予定走行態様導出機能、検出領域導出機能、予定走行態様を報告する報告機能、監視対象の抽出機能、監視対象の移動態様予測機能、危険位置導出機能、衝突可能性の判断機能、判断結果の通知機能を有している。これらの機能を有するサーバ装置400は、図7に示されるように、記憶装置410と、送受信部420と、処理制御部430とを備えている。
上記の記憶装置410は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶装置410は、エリアレベル情報(ALI)、携帯電話装置500pの位置情報(MPI)等の様々なデータを記憶する。この記憶装置410には、処理制御部430がアクセスできるようになっている。
上記のエリアレベル情報は、後述する検出領域を導出する際に利用される。このエリアレベル情報には、図8に示されるように、車両CRが所定の距離を通過するのに要する所要時間に対応するエリアレベルが登録されている。ここで、エリアレベルは、例えば、想定される移動体の最大移動速度として予め定められた所定速度により決定され、エリアレベルが大きいほど検出領域は広くなるようになっている(後述する図9参照)。
図7に戻り、上記の送受信部420は、ネットワークシステム600との通信制御を行う。この送受信部420は、ネットワークシステム600から受信したデータを処理制御部430へ送る。また、送受信部420は、処理制御部430から受信したデータをネットワークシステム600へ送る。送受信部420を利用することにより、サーバ装置400(より詳しくは、処理制御部430)は、ナビゲーション装置300及び携帯電話装置500p(p=1,2,…)との間で通信を行うことができるようになっている。
上記の処理制御部430は、サーバ装置400の全体を統括制御する。この処理制御部430は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部430が様々なプログラムを実行することにより、上記の各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における抽出手段731、予測手段732、危険位置導出手段733、判断手段734、通知手段735としての機能も含まれている。また、本実施例では、処理制御部430がプログラムを実行して実現する機能の中には、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段、情報報告手段としての機能も含まれている。
この処理制御部430は、所定周期ごとに、ネットワークシステム600及び送受信部420を介して、携帯電話装置500pから当該装置の現在位置に検出時刻を付加した位置情報を受ける。この携帯電話装置500pの位置情報は、記憶装置410に送られ、記憶装置410に書き込まれる。
また、処理制御部430は、ネットワークシステム600及び送受信部420を介して、ナビゲーション装置300から走行ルートの探索結果と、車両CRの平均速度、道路の渋滞情報、道路制限、道路の速度規制等が含まれる道路情報とを受ける。そして、処理制御部430は、ネットワークシステム600及び送受信部420を介して、ナビゲーション装置300から導出指令を受けると、当該探索結果と道路情報とに基づき、車両CRの目的地までの走行ルートにおける予定走行態様を導出する。こうして導出された予定走行態様は、処理制御部430内で後述する検出領域の導出処理に利用される。また、当該予定走行態様は、送受信部420及びネットワークシステム600を介して、ナビゲーション装置300へ送信される。
また、処理制御部430は、予定走行態様に基づき、監視対象となる携帯電話装置500p(p=1,2,…)を抽出するための検出領域を導出する。かかる検出領域を導出するに際して、本実施例では、まず、図9(A)に示されるように、車両CRの現在位置から目的地までの走行ルートを所定の距離で区切る。そして、上述した道路情報を利用して、車両CRが、それぞれの区間Lj(j=1,2,…)を通過する際に要する所要時間Tjを算出する。引き続き、記憶装置410のエリアレベル情報を参照して、区間Ljごとの所要時間Tjに対応するエリアレベルALjを読み出す。図9(B)においては、説明のため、AL1=1,AL1=2,AL1=1,AL1=3となっている。そして、区間LjごとのエリアレベルALjを積算して、図9(C)に示されるような検出領域を導出する。
なお、上述した所定の距離は、車両CRと衝突の可能性のある移動体を効率良く抽出するという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、処理制御部430は、ネットワークシステム600及び送受信部420を介して、サーバ装置400から取得した携帯電話装置500pの現在位置に基づき、検出領域内に存在する携帯電話装置500pを、監視対象として抽出する。
また、処理制御部430は、記憶装置410にアクセスして監視対象の位置情報を取得する。そして、処理制御部430は、当該監視対象の位置情報に基づき、監視対象の移動態様を予測する。そして、処理制御部430は、監視対象の移動態様と車両CRの予定走行態様とに基づき、危険位置を導出する。こうして導出された危険位置は、送受信部420及びネットワークシステム600を介して、ナビゲーション装置300へ送信される。
また、処理制御部430は、ネットワークシステム600及び送受信部420を介して、ナビゲーション装置300から侵入報告を受ける。この侵入報告を受けると、処理制御部430は、送受信部420を介して、ナビゲーション装置300から車両CRの走行情報を取得する。そして、処理制御部430は、走行情報から得られる車両CRの現在位置と監視対象の現在位置とに基づき、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。
処理制御部430は、この判断の結果が肯定的であった場合に、第1警告及び第2警告を生成する。そして、処理制御部430は、送受信部420及びネットワークシステム600を介して、第1警告をナビゲーション装置300へ送信するとともに、第2警告を車両CRと衝突の可能性のある携帯電話装置500pへ送信する。
また、処理制御部430は、ネットワークシステム600及び送受信部420を介して、ナビゲーション装置300から目的地への到達報告を受けると、ナビゲーション装置300に対する安全支援処理を終了する。
<携帯電話装置500pの構成>
上記の携帯電話装置500p(p=1,2,…)は、位置情報の検出機能、位置情報の送信機能、警告報知機能を有している。これらの機能を有する携帯電話装置500pは、図10に示されるように、送受信部510と、通話用スピーカ530と、第2警告報知手段としての案内用スピーカ540と、表示部550と、操作部560と、マイクロフォン570とを備えている。また、携帯電話装置500pは、移動端末位置検出手段751としてのGPS受信部580と、移動端末位置送信手段752としての制御部590とを備えている。
上記の送受信部510は、不図示のアンテナ等を備えて構成されている。この送受信部510は、当該アンテナにより受信したネットワークシステム600において用意された基地局からの受信信号を処理して、制御部590で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、送受信部510は、制御部590からの送信信号を処理し、当該アンテナを介して、無線信号の態様でネットワークシステム600(より詳しくは、基地局)へ送る。
この送受信部510を利用することにより、携帯電話装置500p(より詳しくは、制御部590)が、サーバ装置400との間で通信を行うことができるようになっている。
上記の通話用スピーカ530は、制御部590による制御のもとで、通話時に通信相手から送られてきた音声を出力する。
上記の案内用スピーカ540は、制御部590による制御のもとで、車両CRと当該携帯電話装置を携帯した移動体とが衝突する危険が存する場合に、車両CRとの衝突に関する注意を喚起する警告音声を出力する。また、この案内用スピーカ540は、制御部590による制御のもとで、着信音や案内音声を出力する。
上記の表示部550は、液晶装置等を備えて構成され、制御部590から受信した表示データに対応する画像を表示する。この表示部550は、制御部590による制御のもとで、ガイダンス情報、受信メッセージ等を表示する。
上記の操作部560は、電話番号を入力するテンキーや各種指令を入力するためのファンクションキー等を備えて構成されている。この操作部560を利用して入力された内容は、制御部590へ送られる。
上記のマイクロフォン570は、通話時の利用者の音声を集音する。集音結果は、制御部590へ送られる。
上記のGPS受信部580は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、携帯電話装置500pの現在位置を算出する。また、GPS受信部580は、GPS衛星から送出された時刻情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御部590へ送られる。
上記の制御部590は、携帯電話装置500pの全体を統括制御する。この制御部590は、通常の電話装置として機能する場合は、要素510〜570を利用して、通話のための制御を行う。
また、制御部590は、GPS受信部580からのGPSデータを受ける。そして、制御部590は、GPSデータに含まれる携帯電話装置500pの現在位置及び検出時刻を位置情報として、所定周期ごとに、送受信部510及びネットワークシステム600を介してサーバ装置600へ送信する。
また、制御部590は、ネットワークシステム600及び送受信部510を介して、サーバ装置400から第2警告を受ける。制御部590は、この第2警告を受けると、車両CRとの衝突に関する注意を喚起する警告を行うための音声データを生成する。そして、制御部590は、当該音声データを案内用スピーカ540へ向けて出力する。
[動作]
以上のようにして構成された安全支援システム100の動作について、車両CRと移動体との衝突を避けるための安全支援処理に主に着目して説明する。
この安全支援処理は、図11に示されるシーケンス図に沿って、ナビゲーション装置300、サーバ装置400及び携帯電話装置500p(p=1,2,…)により、協働して行われるようになっている。より詳しくは、まず、ナビゲーション装置300において安全支援処理が実行される。そして、サーバ装置400においては、ナビゲーション装置300からの導出指令(DTC)を受けると危険位置導出処理S31を実行し、侵入報告(INR)を受けると危険判断処理S32を実行するようになっている。また、サーバ装置400においては、ナビゲーション装置300からの到達報告(SPR)を受けるとナビゲーション装置300に対する安全支援の終了処理S33を実行するようになっている。また、携帯電話装置500pにおいては、電源が投入されている間においては、警告報知処理S35が実行されるようになっている。
なお、携帯電話装置500pは、所定周期で当該装置の位置情報を取得し、送受信部510及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信しているものとする。
<ナビゲーション装置300における処理>
ナビゲーション装置300における安全支援処理は、ステップS11において、利用者による目的地等を指定したルート探索指令が、操作入力ユニット370から操作入力データとして制御ユニット310に通知されることにより開始される。このステップS11では、制御ユニット310が、記憶装置320に記憶されているナビゲーション用情報を利用して、車両CRの目的地までの走行ルートを探索する。走行ルートの探索が終了すると、探索結果(RTS)及び道路情報(RTI)が、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送られる。
次いで、ステップS12において、制御ユニット310が、車両CRの予定走行態様を導出すべき旨の導出指令(DTC)を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。この結果、サーバ装置400において、後述する危険位置導出処理S31が実行される。この後、処理はステップS13へ進む。
ステップS13では、制御ユニット310が、サーバ装置400から危険位置導出処理S31の処理結果である予定走行態様(SDI)及び危険位置(DRP)を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、ステップS13の処理が繰り返される。
一方、ステップS13における判定の結果が肯定的になると(ステップS13:Y)、処理はステップS14へ進む。
ステップS14では、制御ユニット310が、予定走行態様から得られる予定現在位置と車両CRの現在位置との差が所定許容値を超えたか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS14:Y)には、処理はステップS12へ戻る。そして、サーバ装置400において、再度、危険位置導出処理S31が行われる。
一方、ステップS14における判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS15へ進む。
ステップS15では、制御ユニット310が、車両CRの現在位置に基づき、危険位置から所定距離内である危険領域内に車両CRが侵入したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS15:N)には、処理はステップS18へ進む。
一方、ステップS15における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS15:Y)には、処理はステップS16へ進む。ステップS16では、制御ユニット310が、侵入報告(INR)を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。また、制御ユニット310は、車両CRの走行情報(PSN)を所定の時間間隔で、サーバ装置400へ送信する。この結果、サーバ装置400において、後述する危険判断処理S32が実行される。
次いで、ステップS17において、警告報知処理が行われる。この警告報知処理では、図12に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット310が、ネットワークシステム600及び無線通信ユニット340を介して、サーバ装置400からの第1警告(WN1)を受けたか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS21:Y)には、処理はステップS22へ進む。
このステップS22では、制御ユニット310が、移動体との衝突に関する注意を喚起する警告を行うための音声データ及び表示データを生成する。そして、制御ユニット310は、音声データを音出力ユニット350へ向けて出力するとともに、表示データを表示ユニット360へ向けて出力する。この結果、注意を喚起する警告音声が音出力ユニット350のスピーカから出力される。また、注意を喚起する警告表示が表示ユニット360の表示デバイスに表示される。この後、処理はステップS23へ進む。
一方、ステップS21における判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、処理はステップS23へ進む。
ステップS23では、制御ユニット310が、危険領域から車両CRが離脱したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS21へ戻る。
一方、ステップS23における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、制御ユニット310が、離脱報告(OTR)を、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置400へ送信する。また、制御ユニット310は、サーバ装置400への車両CRの走行情報の送信を取り止める。この結果、サーバ装置400において、危険判断処理S32が終了する。こうして、離脱報告の送信が行われると、ステップS17の処理が終了し、処理は、図11のステップS18へ進む。
ステップS18では、制御ユニット310が、車両CRが目的地に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS18:N)には、処理はステップS14へ戻る。
一方、ステップS18における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS18:Y)には、処理はステップS19へ進む。このステップS19では、制御ユニット310が、無線通信ユニット340及びネットワークシステム600を介して、到達報告(SPR)を、サーバ装置400へ送信する。こうして到達報告の送信が行われると、ナビゲーション装置300における安全支援処理が終了する。また、サーバ装置400においても、終了処理が行われ、ナビゲーション装置300に対する安全支援処理が終了する。
<サーバ装置400における処理>
まず、危険位置導出処理S31について説明する。この危険位置導出処理S31は、図13に示されるように、ステップS41において、処理制御部430が、走行ルートの探索結果、道路情報及び導出指令に含まれる車両CRの現在位置に基づき、車両CRの目的地までの走行ルートにおける予定走行態様を導出する。
次いで、ステップS42において、処理制御部430が、予定走行態様に基づき、記憶装置410のエリアレベル情報を参照して、監視対象となる携帯電話装置500p(p=1,2,…)を抽出するための検出領域を導出する。こうした導出された検出領域の一例が、図14(A)に示されている。なお、図14(A)、及び、後述する図14(B),(C)において示した検出領域については、簡素化するため、走行ルートにおける各区間のエリアレベルが一定であるものとしている。
引き続き、ステップS43において、処理制御部430が、検出領域内に存在する携帯電話装置500pを、監視対象として抽出する。図14(B)には、監視対象の抽出例が示されている。図14(B)における抽出例においては、携帯電話装置5001〜5003が監視対象として抽出されている。この後、処理は図13のステップS44へ進む。
ステップS44では、処理制御部430が、当該監視対象の位置情報に基づき、監視対象の移動態様を予測する。そして、ステップS45において、処理制御部430が、監視対象の移動態様と車両CRの予定走行態様とに基づき、危険位置を導出する。図14(C)には、危険位置の導出例が示されている。この導出例では、車両CRと衝突の可能性のある移動体とともに移動する携帯電話装置は5001,5002であり、危険位置は2箇所ということになる。
引き続き、ステップS46において、処理制御部430が、予定走行態様(SDI)及び危険位置(DRP)を、送受信部420及びネットワークシステム600を介して、ナビゲーション装置300へ送信する。こうして、これらの情報送信が行われると、危険位置導出処理S31が終了する。
次に、危険判断処理S32について説明する。この危険判断処理S32は、図15に示されるように、ステップS51において、侵入報告を受けた処理制御部430が、危険領域に侵入した後の走行情報から得られる車両CRの現在位置と監視対象の現在位置とに基づき、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS51:Y)には、処理はステップS52へ進む。
このステップS52では、処理制御部430が、第1警告及び第2警告を生成する。そして、処理制御部430は、送受信部420及びネットワークシステム600を介して、第1警告をナビゲーション装置300へ送信するとともに、第2警告を車両CRと衝突の可能性のある携帯電話装置500pへ送る。この後、処理はステップS53へ進む。
ステップS53では、処理制御部430が、送受信部420及びネットワークシステム600を介して、ナビゲーション装置300から、車両CRが危険領域から離脱した旨の離脱報告(OTR)を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、処理はステップS51へ戻る。
一方、ステップS53における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS53:Y)には、危険判断処理S32が終了する。
<携帯電話装置500pにおける処理>
携帯電話装置における警告報知処理S35は、上述したように、電源が投入されている間において実行されている。この警告報知処理S35は、図16に示されるように、ステップS61において、制御部590が、ネットワークシステム600及び送受信部510を介して、サーバ装置400からの第2警告(WN2)を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)には、ステップS61の処理が繰り返される。
一方、ステップS61における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、処理はステップS62へ進む。このステップS62では、制御部590が、車両CRとの衝突に関する注意を喚起する警告を行うための音声データを生成する。そして、制御部590は、当該音声データを案内用スピーカ540へ向けて出力する。この結果、注意を喚起する警告音声が案内用スピーカ540から出力される。この後、処理はステップS61へ戻る。
以上説明したように、本実施例では、サーバ装置400の処理制御部430が、ナビゲーション装置300からの走行ルートの探索結果、道路情報及び車両CRの現在位置に基づき、車両CRの目的地までの走行ルートにおける予定走行態様を導出する。そして、処理制御部430は、予定走行態様に基づき検出領域を導出し、当該検出領域内に存在する携帯電話装置500pを監視対象として抽出する。また、処理制御部430は、監視対象の移動態様を予測し、当該予測結果と車両CRの予定走行態様とに基づいて、危険位置を導出する。当該危険位置は、ナビゲーション装置300へ送信される。
そして、ナビゲーション装置300の制御ユニット310が、危険位置により定まる危険領域への車両CRの侵入を検出すると、侵入報告と、当該侵入報告後の車両CRの走行情報とを、サーバ装置400へ送信する。そして、処理制御部430が、侵入報告を受けると、その後における車両CRの走行情報、及び、監視対象の携帯電話装置の位置情報とに基づいて、車両CRと監視対象が衝突する危険が存するか否かを判定する。
したがって、本実施例によれば、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を、効率良く行うことができる。
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、以下の第1〜第3変形例への変形が可能である。
<第1変形例>
第1変形例の安全支援システムとして、実施例のナビゲーション装置300に代えて、危険領域侵入検出機能を有さないナビゲーション装置を採用することができる。この場合において、実施例のサーバ装置400に代えて、危険領域侵入検出機能を更に有するサーバ装置を採用することができる。このようにして構成されたナビゲーション装置及びサーバ装置は、上述した第2実施形態の車載装置720B及びサーバ装置730Bの一態様となっている。
すなわち、本第1変形例におけるナビゲーション装置の制御ユニットの機能の中には、上述した第2実施形態における走行状況情報送信手段722B、ルート探索手段としての機能が含まれている。また、本第1変形例におけるサーバ装置の処理制御部の機能の中には、上述した第2実施形態における抽出手段731、予測手段732、危険位置導出手段733、危険領域侵入検出手段736、判断手段734、通知手段735、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段、情報報告手段としての機能が含まれている。
本第1変形例におけるナビゲーション装置では、制御ユニットが、探索された走行ルートの車両CRの走行中においては、車両CRの走行情報を、無線通信ユニット及びネットワークシステム600を介して、サーバ装置へ送信するようになっている。その他については、本第1変形例におけるナビゲーション装置は、実施例のナビゲーション装置300と同様に動作する。
本第1変形例におけるサーバ装置では、処理制御部が、車両CRの走行中にナビゲーション装置から送信された走行情報から得られる車両CRの現在位置に基づき、危険位置から所定距離内である危険領域への車両CRの侵入を検出する。その他については、本第1変形例におけるサーバ装置は、実施例のサーバ装置400と同様に動作する。
したがって、本第1変形例によれば、上記の実施例と同様に、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を、効率良く行うことができる。
<第2変形例>
第2変形例の安全支援システムとして、実施例のナビゲーション装置300に代えて、衝突可能性の判断機能、判断結果の通知機能を更に有し、走行情報送信機能を有さないナビゲーション装置を採用することができる。この場合において、実施例のサーバ装置400に代えて、監視対象位置送信機能を更に有し、衝突可能性の判断機能、判断結果の通知機能を有さないサーバ装置を採用することができる。このようにして構成されたナビゲーション装置及びサーバ装置は、上述した第3実施形態の車載装置720C及びサーバ装置730Cの一態様となっている。
すなわち、本第2変形例におけるナビゲーション装置の制御ユニットの機能の中には、上述した第3実施形態における危険領域侵入検出手段723、判断手段725、通知手段726、ルート探索手段としての機能が含まれている。また、本第2変形例におけるサーバ装置の処理制御部の機能の中には、上述した第3実施形態における抽出手段731、予測手段732、危険位置導出手段733、監視対象位置情報送信手段737C、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段、情報報告手段としての機能が含まれている。
本第2変形例におけるナビゲーション装置では、制御ユニットが、車両CRの危険領域内への侵入を検出すると、サーバ装置へ侵入報告を送り、ネットワークシステム600及び無線通信ユニットを介して、サーバ装置からの監視対象の現在位置の取得を開始する。そして、制御ユニットは、走行情報から得られる車両CRの現在位置と監視対象の現在位置とに基づき、車両CRと監視対象とが衝突する危険が存するか否かを判断する。
また、当該制御ユニットは、この判断の結果が肯定的であった場合に、第2警告を生成してサーバ装置へ送信するとともに、移動体との衝突に関する注意を喚起する警告を行うための音声データ及び表示データを生成する。そして、制御ユニットは、それぞれのデータを、音出力ユニット350及び表示ユニット360へ向けて出力する。その他については、変形例のナビゲーション装置300と同様に動作する。
本第2変形例におけるサーバ装置では、ナビゲーション装置から侵入報告を受けると、処理制御部が、監視対象の位置情報をナビゲーション装置へ送信する。その他については、本第2変形例におけるサーバ装置は、実施例のサーバ装置400と同様に動作する。
したがって、本第2変形例によれば、上記の実施例の場合と同様に、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を、効率良く行うことができる。
<第3変形例>
第3変形例の安全支援システムとして、上述した第2変形例のナビゲーション装置に代えて、監視対象の移動態様予測機能、危険位置導出機能を有するナビゲーション装置を採用することができる。この場合において、第2変形例におけるサーバ装置に代えて、監視対象の移動態様予測機能、危険位置導出機能を有さないサーバ装置を採用することができる。このようにして構成されたナビゲーション装置及びサーバ装置は、上述した第4実施形態の車載装置720D及びサーバ装置730Dの一態様となっている。
すなわち、本第3変形例におけるナビゲーション装置の制御ユニットの機能の中には、上述した第4実施形態における予測手段727、危険位置導出手段728、危険領域侵入検出手段723、判断手段725、通知手段726、ルート探索手段としての機能が含まれている。また、本第3変形例におけるサーバ装置の処理制御部の機能の中には、抽出手段731、監視対象位置情報送信手段737D、予定走行態様導出手段、検出領域導出手段、情報報告手段としての機能が含まれている。
本第3変形例におけるナビゲーション装置では、制御ユニットが、監視態様の移動態様を予測するに際して、サーバ装置から送信された抽出時点における監視対象の位置情報を取得する。そして、制御ユニットは、当該監視対象の位置情報に基づき、監視対象の移動態様を予測する。
また、当該制御ユニットは、監視対象の移動態様と車両CRの予定走行態様とに基づき、危険位置を導出する。その他については、第2変形例におけるナビゲーション装置と同様に動作する。
本第3変形例におけるサーバ装置では、車載装置における監視対象の移動態様の予測のため、抽出時点における監視対象の位置情報を、車載装置に送信する。その他については、監視対象の移動態様予測機能、危険位置導出機能に関する動作を行わないことを除いては、上述した第2変形例におけるサーバ装置と同様に動作する。
したがって、本第3変形例によれば、上述した第2変形例(ひいては実施例)と同様に、車両CRと移動体との衝突可能性の判断を、効率良く行うことができる。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、予定走行態様に基づき、記憶装置のエリアレベル情報を参照して、監視対象となる携帯電話装置を抽出するための検出領域を導出した。これに対して、検出領域を、携帯電話装置とともに移動する移動体の最大移動速度として予め定められた所定速度により導出等、他の方法で検出領域を導出するものであってもよい。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、サーバ装置は、車両と移動体とが衝突する危険が存する場合に、ナビゲーション装置と携帯電話装置の双方に対して警告を送信したが、当該警告は、車両のみに対して送信するようにしてもよい。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、ナビゲーション装置が車両の目的地までの走行ルートを探索することとしたが、サーバ装置が走行ルートの探索を行うようにしてもよい。この場合は、サーバ装置が、ルート探索結果をナビゲーション装置へ送信することになる。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、サーバ装置が、予定走行態様及び検出領域を導出し、前記の予定走行態様をナビゲーション装置へ送信することとした。これに対して、ナビゲーション装置が、予定走行態様及び検出領域を導出するようにしてもよい。この場合は、ナビゲーション装置が、前記の予定走行態様と検出領域を、サーバ装置へ送信することになる。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、危険位置は、予定走行態様が更新されない限り更新されることはないが、ナビゲーション装置が車両の現在位置を定期的にサーバ装置に報告し、その都度、サーバ装置が危険位置を新たに算出してナビゲーション装置に報告するようにしてもよい。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、ルート探索結果、道路情報及び車両の現在位置に基づき、車両走行態様を導出したが、更に、車両の速度を考慮して、車両走行態様を導出するようにしてもよい。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、移動体の位置情報と車両CRの位置情報とに基づいて、車両と移動体とが衝突する危険が存するか否かを判断したが、移動体の位置情報の変化から得られる移動体の予測移動態様と、車両の危険位置への到達予想時刻とに基づき、当該危険が存するか否かを判断するようにしてもよい。
また、上記の実施例及び第1〜第3変形例では、移動端末装置を携帯電話装置としたが、移動端末装置はPHSやPDA等いかなるものであってもよい。
また、上記の実施例では、コンピュータによるプログラムの実行により、走行状況取得手段、第1及び第2警告報知手段を除く各手段の機能を実現するようにしたが、これらの各手段の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウェアにより構成するようにしてもよい。